JP5458313B2 - 光多値伝送システム - Google Patents

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Description

本発明は、光情報伝送技術に関し、特に、光ファイバで伝送される多値光情報の送受信に適した光電界送信器、光電界伝送システムに関する。
一本の光ファイバで伝送可能な情報量(伝送容量)は、波長数の増加や光信号の変調速度の高速化によって、光ファイバアンプの波長帯域をほぼ使用しつくし、限界に達している。さらに光ファイバの伝送容量を大きくするためには、信号変調方式を工夫し、限られた周波数帯域に多数の光信号を詰め込み、周波数帯域の利用効率を高くする必要がある。
無線通信の世界では、1960年代から多値変調技術によって、周波数利用効率が10を越えるような高効率の伝送が可能となっている。多値変調は、光ファイバ伝送においても有望視され、従来から多くの検討がされてきた。例えば、R.A. Griffin, et. al., "10Gb/s Optical Differential Quadrature Phase Shift Key (DQPSK) Transmission using GaAs/AlGaAs Integration" , OFC2002, paper PD-FD6, 2002では、4値位相変調を行うQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)が報告され、N. Kikuchi, K. Mandai, K. Sekine and S. Sasaki, "First experimental demonstration of single-polarization 50-Gbit/s 32-level (QASK and 8-DPSK) incoherent optical multilevel transmission" , in Proc. Optical Fiber Communication Conf. (OFC/NFOEC), Anaheim, CA, Mar. 2007, PDP21.では、4値の振幅変調と8値の位相変調とを組み合わせた32値の振幅・位相変調が報告されている。
図1A〜図1Dは、光伝送に用いられる複素位相平面の説明と、公知の各種変調方式の信号点配置を示した図であり、複素位相平面(または、複素平面、位相面、IQ平面)に各種光多値信号の信号点(識別時刻における光電界の複素表示)がプロットされている。
図1Aは、従来技術のIQ平面上の信号点を示す説明図である。
図1Aに示す通り、各信号点は、複素直交座標(IQ座標)または、図に示す振幅r(n)と位相φ(n)で示す極座標で表示することができる。
図1Bは、従来技術の4値位相変調(QPSK)の信号点配置を示す説明図である。
図1Bには、多値信号の伝送に用いる4個の理想信号点(シンボル)が複素平面上に表示されている。これらの各理想信号点は振幅が一定であり、位相角φ(n)が4つの0、π/2、π、−π/2の位置に配置されている。これら4個のシンボルのうち一個を伝送することによって、1シンボルあたり2ビットの情報(00、01、11、10)が伝送できる。なお、本信号を光遅延検波を用いて直接受信(非コヒーレント受信)する場合には、あらかじめ差動予符号化を行った差動4値位相変調(DQPSK)を採用するのが一般的であるが、両者の信号点配置は同一であるため、本特許では特に両者を区別しない。
図1Cは、従来技術の位相角φ(n)をπ/3間隔の6つの値(0、π/3、2π/3、−π、−2π/3、−π/3)に増やした6値位相変調を示す説明図である。
図1Cに示す通り、6値位相変調は1シンボルあたりおよそ2.58ビットの情報を伝送可能であるが、光遅延検波が困難なことや情報量が中途半端な点から、光通信で用いられた例はほとんどない。
図1Dは、従来技術の無線で広く用いられている16値直交振幅変調(16QAM)を示す説明図である。
図1Dに示す通り、16QAMでは、理想信号点が格子状に配置され、1シンボルあたり4ビットの情報伝送が可能となる。図1Dに示した例では、Q軸座標で上位2ビット(10xx、11xx、01xx、00xx)の値、I軸座標で下位2ビット(xx10、xx11、xx01、xx00)の値が表現されている。この信号点の配置は、信号点間の距離を大きくできるため、受信感度が高いことが知られており、光通信においてはコヒーレント光受信器を用いて16QAMに類する直交振幅変調が実現可能であることが報告されている。例えば、J.Hongou,K.Kasai,M.Yoshida and M.Nakazawa,“1 Gsymbol/s,64 QAM Coherent Optical Transmission over 150km with a Spectral Efficiency of 3 Bit/s/Hz”,in Proc.Optical Fiber Communication Conf.(OFC/NFOFEC),Anaheim,CA,Mar.2007,paper OMP3.には64QAM信号を送受信した実験の例が報告されている。コヒーレント受信器とは、光信号の位相角を検出するため、受信器内部に配置された局発光源を用いる方式である。
ここで、光多値受信器の従来技術の一つであるコヒーレント受信方式、例えば、M.G.Taylor,“Coherent detection method using DSP to demodulate signal and for subsequent equalization of propagation impairments”,paper We4.P.111,ECOC 2003,2003で報告されたコヒーレント光電界受信器について説明する。
図2は、従来技術の光信号の二つの偏波の情報を同時に受信する偏波ダイバーシティ型コヒーレント光電界受信器を示すブロック図である。
光ファイバ伝送路を介して伝送された光多値信号は、光増幅器117で増幅された後、入力光信号101として、偏波分離回路102−1に入力される。入力光信号101は水平(S)偏波成分105と垂直(P)偏波成分106とに分離され、それぞれコヒーレント光電界受信器フロントエンド100−1、100−2に入力される。
コヒーレント光電界受信器フロントエンド100−1では、光位相の基準に入力光信号101と略同一波長の光信号を発光する局発レーザ光源103を用いる。局発レーザ光源103から出力された局発光104−1は偏波分離回路102−2で二つの局発光104−2と104−3に分離され、コヒーレント光電界受信器フロントエンド100−1、100−2に入力される。
コヒーレント光電界受信器フロントエンド100−1の内部では、光位相ダイバーシティ回路107が入力光信号のS偏波成分105と局発光104−2とを合成し、局発光と光多値信号との同相成分よりなるI(同相)成分出力光108、および局発光と光多値信号との直交成分よりなるQ(直交)成分出力光109を生成する。I(同相)成分出力光108とQ(直交)成分出力光109とは、それぞれバランス型光検出器110−1、110−2によって受信されて電気信号に変換され、それぞれA/D変換器111−1、111−2で時間サンプリングされ、デジタル化された出力信号112−1、112−2となる。
以下では、図1Aに示すように、入力光信号101の光電界をr(n)exp(jφ(n))と表記し、また局発光104−2、104−3の光電界を1と仮定する(本来は光周波数成分を含むが省略した)。ここで、rは光電界の振幅、φは光電界の位相、nはサンプル番号を示す。局発光104−2、104−3は、実際にはランダムな位相雑音や信号光とのわずかな差周波成分などを持っている。しかし、これら位相雑音および差周波成分は、時間的にゆるやかな位相回転であり、デジタル信号処理により除去することができるため、無視される。
各バランス型光検出器110−1、110−2は、入力光信号101を局発光104−2でホモダイン検波し、それぞれ局発光104−2、104−3を基準にした光多値信号の光電界の同相成分と直交成分とを出力する。従って、A/D変換器111−1の出力信号112−1は、I(n)=r(n)cos(φ(n))となり、A/D変換器111−2の出力信号112−2は、Q(n)=r(n)sin(φ(n))となる。ただし、簡単のため変換効率などの定数は全て「1」としてある。
このようにコヒーレント光電界受信器は、入力光信号101から、光電界r(n)exp(φ(n))を示す全ての情報(I、Q両成分)を簡易に得ることができ、複素変調された多値光信号の受信が可能である。
デジタル演算回路113は、複素電界演算回路であり、光信号が伝送中に受ける線形劣化(例えば波長分散)などの逆関数を与えることで、線形劣化の影響を打ち消すことが可能である。さらにクロック抽出や再サンプリングなどの処理を行い、復調受信電界116−1を出力する。
コヒーレント光電界受信器フロントエンド100−1は、前述のように入力光信号101のS偏波成分の電界情報を得ることができる。しかしながら、送信された光信号の偏波状態は光ファイバ伝送中にランダムに変動するため、送信光の一部または全部が直交するP偏波に変換されてしまい、コヒーレント光電界受信器フロントエンド100−1はS偏波成分の電界情報を受信できなくなってしまう可能性がある。この問題を回避するため、コヒーレント光電界受信器を用いる場合には、受信光のS偏波とP偏波とをそれぞれ異なる受信器で受信し再合成する、偏波ダイバーシティ受信が用いられる。すなわち、もう一台のコヒーレント光電界受信器フロントエンド100−2を用いて、入力光信号101のP偏波成分を受信し、A/D変換した出力信号112−3、112−4を得る。デジタル演算回路113はこれらの出力信号112−1〜4(すなわち、各偏波のI、Q成分)に、偏波状態の変換や偏波モード分散の等化処理を行い、偏波状態の変動を解消し、復調受信電界116−1を得ることができる。
その後、ユークリッド距離を用いたシンボル判定回路114は、受信した信号点の位置を、例えば図1Bに示した理想信号点配置と比較し、どの理想信号点が受信されたかを判別し、多値シンボル列115を出力する。
コヒーレント受信では、一般に受信信号の雑音分布が信号面上で等方的であることが知られている。これは図1Bに示すように雑音分布が各信号点を中心とした円(斜線部)で表される状態である。このような場合、受信信号の判定にユークリッド距離に基づく判定を利用することによって、最も高感度な受信が可能となる。
図3A〜図3Cは、従来の光多値変調方式の信号点配置と、ユークリッド距離に基づく受信シンボルの判定領域の説明図である。
図3Aは、従来技術の4値位相変調の信号点配置と、ユークリッド距離に基づく受信シンボルの判定領域とを示す説明図である。
受信信号が4値位相変調(QPSK)の場合、図3Aのように複素平面上で、受信した電界Xと、4つの理想信号点A〜Dとのユークリッド距離d(X,A)、d(X,B)、d(X,C)、d(X,D)を計算し、ユークリッド距離が最小となる理想信号点(図3AではC)が受信信号点であると判定する。なお、ユークリッド距離とは図中の2点を結ぶ直線の長さである。一方、図中に示す太線は、それぞれ隣接する二つの信号点から等距離となる境界線であり、これが各信号点の判定領域の境界となる。例えば、縦線で示した領域(位相角:3π/4〜−3π/4)に受信電界Xが入った場合には、受信シンボルはCと判定される。
図3Bは、従来技術の6値位相変調の信号点配置と、判定領域と境界線とを示す説明図である。
図3Cは、従来技術の16値位相変調の信号点配置と、判定領域と境界線とを示す説明図である。
このようにユークリッド距離を用いた判定は、各シンボルの判定領域が二つの信号点間をちょうど2分する直線から構成されることが特徴となる。
なお、図2における偏波ダイバーシティ型コヒーレント光電界受信器では2台の受信器を用いて一つの偏波の送信信号の情報を抽出する例を説明したが、送信信号として二つの直交する偏波に互いに独立な情報を多重して伝送する偏波多重伝送方式の採用も検討されている。偏波多重伝送において送信側では、X偏波とY偏波用の2台の送信器を配置し、両者を偏波多重して光ファイバ伝送路を介して長距離伝送し、両偏波を図2に示す偏波ダイバーシティ型コヒーレント光電界受信器で同時に受信する。デジタル演算回路113は、両偏波成分の直交分離と偏波モード分散の等化処理とを行い、元のX偏波成分の復調受信電界116−1とY偏波成分の復調受信電界116−2とを分離して抽出する。ユークリッド距離を用いたシンボル判定回路114は両成分についてそれぞれシンボル判定を行い、2組の多値シンボル列115を復調する。
図4は、従来技術の位相予積算型非コヒーレント光多値伝送システムの構成を示すブロック図である。
図4に示す位相予積算型非コヒーレント光多値伝送システムは、局発光源を用いず、光遅延検波を用いて複素平面上の光多値信号の伝送を簡易に実現するものである。
位相予積算型光電界送信器200の内部では、レーザ光源210から出力される無変調のレーザ光が光電界変調器211に入力され、所要の電界変調を施した送信光多値信号213が出力光ファイバ212から出力されている。伝送すべき二値デジタル情報信号201は、多値符号化回路202の内部で複素多値情報信号203に変換される。複素多値情報信号203は、2次元のIQ平面上で(i,q)と表現されるデジタル電気多値信号であり、時間間隔T(=シンボル時間)毎にその実部iと虚部qが出力される。図4に示す説明図では、複素多値情報信号203の一例として吹き出し内に示す16QAM信号を用いるものとする。
複素多値情報信号203は、位相予積算部204に入力され、内部でその位相成分のみを時間間隔Tでデジタル的に積算され、位相予積算複素多値情報信号205に変換される。ここで、入力される複素多値情報信号203を示すEi(n)=(i(n),q(n))を複素平面上で極座標に変換すると、例えばEi(n)=i(n)+jq(n)=r(n)exp(jφ(n))と記述できる(jは虚数単位)。ここでnはデジタル信号のシンボル番号、r(n)はデジタル信号のシンボル振幅、φ(n)は位相角である。このとき出力される位相予積算信号は、同じく極座標でEo(n)=i’(n)+jq’(n)=r(n)exp(jθ(n))=r(n)exp(jΣφ(n))と記述できる。このときθ(n)は出力信号の位相角、Σφ(n)は過去の位相角φ(1)からφ(n)までを時間Tごとに累積加算した値である。その出力される位相予積算信号は再び直交座標系に変換された後に、位相予積算複素多値情報信号205として出力される。吹き出し内部は、位相予積算複素多値情報信号205の複素平面表示であり、位相の予積算演算によって元の16QAM信号である複素多値情報信号203とは大きく異なる同心円上の信号点配置となる。
位相予積算複素多値情報信号205は、サンプリング速度変換回路206に入力され、サンプリング速度が2サンプル/シンボル以上となるように補完される。その後、位相予積算複素多値情報信号205は、光伝送路214などで生じる劣化の逆関数が予等化回路207によって、印加され、その後、実部i”、虚部q”に分離され、それぞれDA変換器208−1、208−2で高速アナログ信号に変換される。これら2本の高速アナログ信号は、ドライバ回路209−1、209−2によって増幅された後に、光電界変調器211のI、Q二つの変調端子に入力される。これによって予等化位相積算信号(i”(n),q”(n))を、光電界の同相成分Iと直交成分Qに持つ送信光多値信号213が生成できる。なお、送信光多値信号213の光電界は(i”(n)+jq”(n))exp(jω(n))であり、ω(n)はレーザ光源210の光角周波数である。すなわち送信光多値信号213は光周波数成分を取り除いた等化低域表現で(i”(n),q”(n))と等しくなっている。
送信光多値信号213は、光ファイバ伝送路214を介して伝送され、光ファイバの波長分散などで伝送劣化を受けるとともに光増幅器117で増幅され、受信光多値信号215として非コヒーレント光電界受信器220に入力される。これらの伝送劣化は、予等化回路207であらかじめ印加した逆関数と相互に打ち消すため、受信信号の光電界は位相予積算複素多値情報信号205と等しくなる。
受信光多値信号215は、非コヒーレント光電界受信器フロントエンド221の内部の光分岐回路222によって三つの光信号経路に分岐され、第一の光遅延検波器223−1、第二の光遅延検波器223−2、および光強度検出器225に入力される。第一の光遅延検波器223−1において、二つの経路の一方の経路は、遅延時間Tdが受信する光多値情報信号のシンボル時間Tに略等しく、また、両経路の光位相差は0となるように設定されている。また第二の光遅延検波器223−2において、二つの経路の一方の経路は、遅延時間Td=Tであり、両経路の光位相差はπ/2となるように設定されている。第一、第二の光遅延検波器223−1、223−2の二つの出力光はそれぞれバランス型光検出器224−1、224−2で電気信号に変換され、その後それぞれA/D変換器226−1、226−2でデジタル信号dI(n),dQ(n)に変換される。また光強度検出器225の出力電気信号もA/D変換器226−3でデジタル信号P(n)に変換される。
その後、デジタル信号dI(n)、dQ(n)は、逆正接演算回路227に入力される。ここではdI(n)をX成分、dQ(n)をY成分とする二引数の逆タンジェント演算を行い、その位相角を算出する。受信光多値信号215の光電界をr(n)exp(jθ(n))と記述すると、光遅延検波の原理から、
dI(n)∝r(n)r(n−1)cos(Δθ(n))
dQ(n)∝r(n)r(n−1)sin(Δθ(n))
と書ける。ここで、Δθ(n)は受信したn番目の光電界シンボルの、直前のシンボルからの位相差(θ(n)−θ(n−1))である。dI(n)、dQ(n)はそれぞれΔθ(n)の正弦および余弦成分であるため、逆正接演算回路227では4象限の逆正接(逆タンジェント)演算を行ってΔθ(n)を算出することができる。
なお、本構成では前述のように送信側で位相予積算を行っているため、受信光電界信号の位相角θ(n)=Σφ(n)である。よって逆正接演算回路227の出力信号は、Δθ(n)=Σφ(n)−Σφ(n−1)=φ(n)となり、元の複素多値情報信号203の位相成分φ(t)が抽出できる。
一方、光強度検出器225の出力信号P(n)は平方根回路228に入力され、元の電界振幅r(n)=sqrt(P(n))を出力として得ることができる。よって、得られた振幅成分r(n)と位相成分φ(n)とを直交座標変換回路229に入力すると、復調受信電界116として直交座標表現の(i,q)=r(n)exp(jφ(n))が得られる。これは元の複素多値情報信号203と同一の信号点配置である。そこで、本信号をユークリッド距離を用いたシンボル判定回路114に入力し、シンボル判定を行うと、多値シンボル列115が再度生成できる。
なお、位相予積算伝送方式においては、前述のように送信器の送出する光電界の信号点配置(位相予積算複素多値情報信号205の信号点配置と同じ)と、受信器内の復調受信電界116の信号点配置が異なっている。以下、本発明においては、主として受信電界の判定方式を取り扱うため、位相予積算方式において「信号点配置」や「判定」という用語を用いる場合には復調受信電界116(または、元の複素多値情報信号203)の信号点配置を指すものとする。
R. A. Griffin,et.al., "10Gb/s Optical Differential Quadrature Phase Shift Key (DQPSK) Transmission using GaAs/AlGaAs Integration" , OFC2002, paper PD-FD6, 2002 N. Kikuchi, K. Mandai, K. Sekine and S. Sasaki, "First experimental demonstration of single-polarization 50-Gbit/s 32-level (QASK and 8-DPSK) incoherent optical multilevel transmission" , in Proc.Optical Fiber Communication Conf.(OFC/NFOEC), Anaheim, CA, Mar. 2007, PDP21. J. Hongou, K. Kasai, M. Yoshida and M. Nakazawa, "1 Gsymbol/s,64 QAM Coherent Optical Transmission over 150km with a Spectral Efficiency of 3 Bit/s/Hz" , in Proc. Optical Fiber Communication Conf. (OFC/NFOFEC), Anaheim, CA, Mar. 2007, paper OMP3. M. G. Taylor, "Coherent detection method using DSP to demodulate signal and for subsequent equalization of propagation impairments" , paper We4.P.111, ECOC 2003, 2003
本発明が解決しようとする第一の課題は、前述の光多値伝送方式における符号誤り率の劣化、および受信感度の劣化の解決である。従来、受信した光多値信号の判定はユークリッド距離に基づいた判定が一般的であるが、これは受信光電界の雑音分布が等方的である場合に最適なシンボル判定法である。一方、本発明では、受信多値信号の位相方向の雑音が振幅方向の雑音より大きくなるような非等方性の雑音が生じる場合に着目する。非等方性の雑音が生じる場合においては、従来の等方的な信号点配置や等方的な判定方法を用いると、位相方向に隣接する信号点とのシンボル判定誤りが増加し、受信感度が大きく劣化してしまう。本発明はこのような受信感度の劣化を防ぎ、高感度な多値伝送を可能とすることを目的とする。
次に本発明が解決しようとする第二の課題は、前述のような非等方性の雑音が発生する場合の光多値伝送の効率の低下を解決することある。従来の光多値伝送においては、4値位相変調方式と等方的なシンボル判定を行うコヒーレント受信器との組み合わせによって、最適な受信感度が得られるものとされていた。しかしながら本発明の取り扱う、位相方向に過剰な雑音のある非等方性の雑音下においては最適な多値変調方式や判定方式が従来と異なる。そこで、本発明はこのような場合に最適な多値伝送方式を与えることを目的としている。
前述した第一の課題は、光信号の振幅と位相の双方を変調することによって、さらには光多値受信器内のシンボル判定において、全てまたは一部の理想信号点の位置に対し、原点を中心として各理想信号点の中心を通過する円の円周に沿って測定した前記理想信号点の属する判定領域の位相方向の幅を、ユークリッド距離に基づいて定義した判定領域の位相方向の幅に比べて大きくすることによって解決できる。
また第二の課題は、多値変調符号として位相間隔が60度の6値の位相変調の隣接する理想信号点間に強度の差を設けた6QAM変調、および、位相間隔が90度の4値の位相変調の隣接する理想信号点間に強度の差を設けた4QAM変調を用いることで解決できる。これらの変調信号を受信する際には、前記のように判定領域を位相方向に拡大したシンボル判定を行うことによって、位相雑音への耐力と受信感度をさらに改善することが可能になる。
前述のようなシンボル判定領域の拡大は、例えば振幅方向の距離が位相方向の距離よりも大きくなるような重み付けを行った非ユークリッド距離を用いてシンボル判定を行うことによって実現できる。
また本発明が適用されるのは位相雑音が過大な伝送系であるため、受信器内に、MSPE法などの位相雑音を低減する位相雑音除去回路を設けて位相雑音量を低減が可能である。
また本発明の適用においては、前記のように位相雑音が強度雑音に比べて大きくなることが必要であるが、その代表例のひとつは光多値信号が強度変調成分を持つ他の光信号と波長多重伝送される多値伝送系である。このような、伝送系においては、強度変調光が光ファイバ中で相互位相変調効果を引き起こすため、併進する光多値信号の位相雑音が増加し大きな劣化が生じるため、本発明の適用が非常に効果的となる。
また本発明の実現には、光電界の振幅成分と位相(または位相差)成分と、すなわち光電界情報を検出する手段が必要である。このような光電界受信器としては、受信器内部に局発光源を備え、該光多値信号の光電界の同相成分と直交成分とをコヒーレント検波して受信器が挙げられる。
また、直接受信を用いた光電界受信器、すなわち受信器内部に光強度受信器と、遅延時間Tの2台以上の光遅延検波型受信器とを備え、該光多値信号の時間T間の位相差と光強度を直接検波する受信器に対しても適用可能である。
なお、直接受信を用いる光多値送信器において、光信号の位相成分をあらかじめ時間Tごとに積算する位相予積算信号処理を施すことによって、受信信号点の配置に対する光遅延検波の効果を打ち消すことができ、多値信号の検出が容易となる。
本発明においては、MLSE(最尤判定)アルゴリズムを用いる場合、通常のMLSE判定で用いられるユークリッド距離を、本発明の位相方向に比べて振幅方向に距離が大きくなるように重み付けを行った非ユークリッド距離を用いる。
また本発明においては2組の光多値送信器から出力された、異なる情報信号によって変調された2組の光多値信号を直交する二つの偏波状態に偏波多重して伝送し、受信側で、偏波ダイバーシティ受信または偏波分離して2組の前記の多値受信器で受信することによって偏波多重伝送を実現し、本発明における光多値伝送の効率をさらに向上させることも可能である。
本発明では、振幅と位相の両方を利用した多値符号を採用する。この結果、従来よりも位相方向の変調で伝送される情報量が低減され、位相方向の雑音に対する耐力を向上する効果がある。ついで、さらに多値信号の判定領域を位相方向に拡大することによって、位相方向の雑音に対する耐力を一段と向上させる効果がある。
特に位相間隔が60度の6値の位相変調の隣接する理想信号点間に強度の差を設けた6QAM変調、または、位相間隔が90度の4値の位相変調の隣接する理想信号点間に強度の差を設けた4QAM変調は、位相方向の雑音が大である非等方性雑音のある多値伝送方式において受信感度が最適となる変調方式であり、これによってもっとも効率のよい多値伝送が実現できる。なお、この効果を十分に引き出すには、前述のように受信側で多値信号の判定領域を位相方向に拡大するのが望ましい。
判定領域の拡大法として前述の非ユークリッド距離を用い、位相方向に比べて振幅方向の距離が大きくなるように重み付けをして2点間の距離を定義すると、シンボル判定の境界、すなわち二つのシンボルから等距離になる分割線は、半径方向に縮み相対的に位相方向に広がる。このため、非ユークリッド距離を用いる方法は、判定領域を位相方向に広げる効果がある。また、非ユークリッド距離を用いると、シンボル判定にシンボル間距離の算出を行う判定アルゴリズムの実装が容易になるという効果がある。
前述のような、判定領域の拡大法を用いる場合位相雑音の増加による受信感度の劣化を抑圧する効果はあるが、それでも雑音が完全に等方的な場合の理想的な受信感度からと比べると多少の劣化が生じてしまう。このため、本発明においても位相雑音量を低減することができれば、さらに理論受信感度に近づくことが可能である。このため、MSPE法などの位相雑音除去回路を併用することで、さらに劣化を低減し受信感度を向上する効果を得る。
本発明は、とくに直接受信を用いた光電界受信器に適用した際に大きな受信感度の改善が得られる。本発明における光電界受信器は、光遅延検波を用いてシンボル間の位相差を検出する構成であるため、受信信号の振幅雑音より位相雑音が常に大きくなり、本質的な受信感度の劣化が生じるためである。なお、これは本発明においてはじめて指摘された現象である。
また本発明において、偏波多重伝送を採用した場合、光多値伝送の効率をさらに2倍に向上させる効果がある。
図1Aは、従来技術のIQ平面上の信号点を示す説明図である。
図1Bは、従来技術の4値位相変調(QPSK)の信号点配置を示す説明図である。
図1Cは、従来技術の位相角φ(n)をπ/3間隔の6つの値(0、π/3、2π/3、−π、−2π/3、−π/3)に増やした6値位相変調を示す説明図である。
図1Dは、従来技術の無線で広く用いられている16値直交振幅変調(16QAM)を示す説明図である。
図2は、従来技術の光信号の二つの偏波の情報を同時に受信する偏波ダイバーシティ型コヒーレント光電界受信器を示すブロック図である。
図3Aは、従来技術の4値位相変調の信号点配置と、ユークリッド距離に基づく受信シンボルの判定領域とを示す説明図である。
図3Bは、従来技術の6値位相変調の信号点配置と、判定領域と境界線とを示す説明図である。
図3Cは、従来技術の16値位相変調の信号点配置と、判定領域と境界線とを示す説明図である。
図4は、従来技術の位相予積算型非コヒーレント光多値伝送システムの構成を示すブロック図である。
図5は、本発明の第1の実施形態の位相予積算型非コヒーレント光多値伝送システムを示すブロック図である。
図6Aは、本発明の第1の実施形態の6QAM信号の信号点配置を示す説明図である。
図6Bは、本発明の第1の実施形態の非ユークリッド距離に基づく受信シンボルの判定領域を示す説明図である。
図6Cは、本発明の第1の実施形態の非ユークリッド距離に基づく受信シンボルの判定領域を示す説明図である。
図6Dは、本発明の第1の実施形態の直線分割によって近似した判定領域を示す説明図である。
図6Eは、本発明の第1の実施形態の振幅差を大きくした信号点配置と判定領域を示す説明図である。
図7Aは、従来技術の6QAM信号に対するユークリッド距離に基づく受信信号点の判定領域を示す説明図である。
図7Bは、従来技術の8QAM信号の判定領域を示す説明図である。
図7Cは、従来技術の16QAM信号の判定領域を示す説明図である。
図8は、本発明の第2の実施形態の8QAM変調の信号点配置と、非ユークリッド距離に基づく受信シンボルの判定領域を示す説明図である。
図9Aは、本発明の第3の実施形態の16QAM変調の信号点配置と、重みa=1とした非ユークリッド距離に基づく受信シンボルの判定領域を示す説明図である。
図9Bは、本発明の第3の実施形態の16QAM変調の信号点配置と、重みa=2とした非ユークリッド距離に基づく受信シンボルの判定領域を示す説明図である。
図9Cは、本発明の第3の実施形態の16QAM変調の信号点配置と、重みa=3とした非ユークリッド距離に基づく受信シンボルの判定領域を示す説明図である。
図10は、本発明の第4の実施形態の4QAM変調の信号点配置と受信シンボルの判定領域とを示す説明図である。
図11は、本発明の第4の実施形態の4QAM変調の信号点配置と、従来技術のユークリッド距離に基づく受信シンボルの判定領域とを示す説明図である。
図12Aは、従来技術の各変調方式の理論感度を示す説明図である。
図12Bは、本発明の第4の実施形態の各変調方式の理論感度を示す説明図である。
図13Aは、本発明の第4の実施形態の振幅重み非ユークリッド距離を用いたシンボル判定回路の構成を示すブロック図である。
図13Bは、本発明の第4の実施形態の判定テーブルの内部構成を示す説明図である。
図14Aは、本発明の第4の実施形態の多値符号化回路の構成を示すブロック図である。
図14Bは、本発明の第4の実施形態の6QAM変調マッピングテーブル237を示す説明図である。
図15は、本発明の第5の実施形態の非コヒーレント光電界受信器の構成図である。
図16は、本発明の第6の実施形態のコヒーレント光電界送信システムの構成を示すブロック図である。
図17は、本発明の第8の実施形態の非コヒーレント光電界受信器の構成を示すブロック図である。
図18は、本発明の第9の実施形態の非コヒーレント光電界受信器の構成を示すブロック図である。
図19は、本発明の第10の実施形態の偏波多重非コヒーレント光電界伝送システムの構成を示すブロック図である。
図5は、本発明の第1の実施形態の位相予積算型非コヒーレント光多値伝送システムを示すブロック図である。
以下、光信号の経路は太線で、電気信号の経路は細線で、また複数の信号線を利用した並列電気デジタル信号の経路を白抜きの矢印で示す。本構成は位相予積算型光電界送信器200と非コヒーレント光電界受信器220とを用いた非コヒーレント光多値伝送システムである。
図4に示す従来技術と本実施形態との第一の相違点は、非コヒーレント光電界受信器220内部のシンボル判定回路であり、本実施形態では振幅重み非ユークリッド距離を用いたシンボル判定回路233を使用する。
図4に示す従来技術と本実施形態との第二の相違点は信号点の配置である。本発明の多値符号化回路230は、入力された二値デジタル情報信号201に対し、二次元の複素多値信号として6QAM変調を割り当てる機能を持つ。
図6A〜図6Eは、6QAM信号の信号点配置と、非ユークリッド距離に基づく受信シンボルの判定領域とを示す説明図である。
図6Aは、本発明の第1の実施形態の6QAM信号を示す説明図である。
6QAM信号は、位相と振幅の双方が変調された光多値信号であり、A〜Fの6つの信号点が複素平面上に60度の間隔で位相変調されると同時に、奇数番目の信号点(A、C、E)が半径r2の外周上に、偶数番目の信号点(B、D、F)が半径r1の内周上となるように光強度(または、振幅)が変調されている。
図4に示す従来技術と本実施形態との第三の相違点は受信電界信号の雑音分布である。図6Aに示すA〜Fの各信号点の周囲の本発明の受信電界信号の持つ雑音を斜線で示す。本発明では、図6Aに示すように雑音分布が非等方的な場合、とくに振幅方向に比べて位相方向に大きな雑音を持つ場合を取り扱う。
本発明は、受信信号の雑音が前述のように位相方向に大きくなる場合に特に高性能・高感度な性能を発揮できる光変復調方式、光送受信器の内部構成、光多値伝送システムの構成を示す。
このような位相方向の雑音が大きくなる構成のひとつには、図5に示す非コヒーレント受信器220を用い、光信号の振幅と位相差を検出して合成する構成がある。
非コヒーレント光電界受信器220に入力される受信光多値信号232(極座標でr(n)exp(jθ(n))は、光ファイバ伝送路214中に複数配置された光増幅器(図5には一個のみを表示)から光雑音が加えられ、信号の光信号雑音比(OSNR)が大きく劣化している。この光雑音は光増幅器に由来する自然放出光(ASE光)が増幅された等方性雑音であり、振幅方向にも位相方向にも同量の雑音成分を持つ。このため受信光多値信号232をコヒーレント受信した場合には、受信光電界は等方的な雑音を持つ。これに対し、図5に示す非コヒーレント光電界受信器220では、光遅延検波器223−1、223−2を用いて、時間Tだけ離れた二つの光電界(位相角θ(n)とθ(n−1))の積を取りその位相差Δθ(n)を検出している。この二つの光電界はどちらも互いに独立な光雑音による劣化を受けているため、Δθ(n)にはθ(n)の2倍の位相雑音が生じてしまう。また、r(n)の持つ振幅雑音量をε(n)とすると、コヒーレント検波による検出結果はr(n)+ε(n)となる。一方、非コヒーレント検波では強度成分P(n)=(r(n)+ε(n))^2が検出されるが、これらは単に同一の電界成分の二乗であるため、平方根を算出することでr(n)+ε(n)に戻る。すなわち、光電界の振幅成分と位相差成分を非コヒーレント検波して合成する場合、コヒーレント検波に比べて位相成分の雑音量のみがおよそ2倍に増加する。前述の現象は、従来指摘されていなかった現象である。
なお、本構成では送信側に位相予積算処理を行うことで光遅延検波の効果を無効にしているが、これはあくまで信号点の配置の変化を打ち消しているだけであり、伝送中に生じる光雑音の影響を打ち消すことはできない。このため、位相予積算の有無にかかわらず、前述のような非コヒーレント電界受信においては位相雑音量が振幅雑音量より大きくなる性質がある。
本発明における6QAM変調のような振幅と位相を共に変調した信号の採用はこのような信号を高感度に受信する方法のひとつである。従来技術に示すQPSK変調のような位相のみが変調された光信号を用いる場合、信号点の判別は位相(または、位相差)のみで行う他なく、信号点の判定領域は図3Aに示すように90度の範囲に限られ位相雑音の増加に対処する余地はない。これに対し、図6Aの6QAM変調であれば同一の振幅r1またはr2の信号点はそれぞれ三つに限定されるため、信号点の位相間隔は最大120度まで広がり、雑音の増加に対処する余地が生じる。
図7Aは、従来技術の6QAM信号に対する従来のユークリッド距離に基づく受信信号点の判定領域を示す説明図である。
各理想信号点からのユークリッド距離を正確に2等分する線分を判定領域の境界線とする。図7Aにおいて、半径r1の信号点の各判定領域はちょうど位相幅120度に広がっている。この結果、本発明では位相雑音によって位相方向に雑音量が増えても、正確なシンボル判定が可能になる。
一方、図7Aにおいて半径r2の外周の信号点に着目すると判定領域の位相方向の幅は30度に狭まっている。この結果、各シンボル上に斜線で示すような非等方性の雑音分布があると、外周の信号点が判定領域からはみ出してしまい、誤って内周の信号点と判定されてしまう確率が高くなり、受信感度などの伝送性能が大きく劣化してしまう。
そこで本発明では、判定領域の位相方向の幅を広げることによって符号誤り率の改善を図る。
図6Bは、本発明の第1の実施形態の非ユークリッド距離に基づく受信シンボルの判定領域を示す説明図である。
図6Bに示す判定領域は、二点間の距離を非ユークリッド距離d(X,Y)=(ユークリッド距離)+a*(|x|−|y|)^2、ただし重みa>0で定義し、これをシンボル判定に利用したものである。判定領域の境界線は、各理想信号点からの非ユークリッド距離が等しくなる線であり、本例の場合には図6Bに示す曲線である。この曲線で囲まれた領域が各シンボルの判定領域(図6BにはシンボルFと判定される領域を斜線で表示)であり、例えば外周の点線上において、三つの理想信号点A、C、Eの判定領域はそれぞれ120度近くまで大きく拡大していることがわかる。これによって図6B中に斜線で示す信号点B、D、Cの雑音分布はすべて判定領域内に収まるようになり、符号誤り率が大きく改善する。
図6Cは、本発明の第1の実施形態の非ユークリッド距離に基づく受信シンボルの判定領域を示す説明図である。
図6Cは、重みaの値を大きくし、さらに振幅方向の重みを大きくした判定領域を示しており、図6Bに示す判定領域に比べ、図6Cに示す判定領域の位相方向の幅は、さらに拡大する。このように実際の雑音分布に応じて、適切に非ユークリッド距離の定義、または判定領域の形状を設定することによって、誤り率の改善効果を高めることが可能である。
なお判定領域の位相方向の幅は、すべて必ず広げる必要があるわけではない。
例えば、本発明の実施形態である図6Bに示す判定領域と、従来のユークリッド距離を利用した例である図7Aに示す判定領域とを比較すると、図6Bに示す判定領域は、外周の点線上のシンボルA、C、Eの判定領域の位相方向の幅は拡大しており、一方、同じ外周の点線上ではシンボルB、D、Eの判定領域の位相方向の幅は大きく縮小している。これは図6Bに示す判定領域において、各シンボルの理想信号点の位置から半径方向に大きく離れた領域については、雑音によって信号が現れる確率が大きく減少するため、その領域を狭くしても符号誤り率への影響が無視できるためである。また、図7Aに示す内周の信号点のように既に判定領域の幅が位相方向に最大(本例では、360/3=120度)となっている場合には、判定領域をこれ以上拡大できない。したがって、本発明では、判定領域の位相方向の幅が狭い理想信号点についてのみ、少なくとも各理想信号点と同一の半径上で、そのシンボルの属する領域の位相方向の幅を拡大することが、本発明の特徴である。
なお最適な判定領域の形状は、例えば雑音分布に対して誤り率が最小となる境界線を設定することで得ることができる。これは理論的に算出することも可能であるし、また既知のシンボル列を用いた適応学習や、ブラインド学習によって設定してもよい。
より簡便な方法としては、境界線を近似式や、近似曲線、または直線分割などによって人為的に設定してもかまわない。例えば、図6Dに示す判定領域は、境界線を直線で近似した一例である。
図6Dは、本発明の第1の実施形態の直線分割によって近似した判定領域を示す説明図である。
直線分割によって近似した境界線は理論上の最適解ではないものの、簡便な設定で大きな誤り率の改善効果を得ることができる。
また図6Aに示す6QAM信号は、各点の信号点の間隔が同一であり、6つの信号点が正三角形上に配置される例を示している。このような配置は本来雑音分布が等方的な場合に、受信感度が最も高くなる配置である。本実施形態のように位相方向の雑音が大きくなる場合には、図6Eに示すように、さらに内外周の振幅差が大きくなるように修正することによって、信号間の距離(前述の例では、振幅重み非ユークリッド距離)がより大きくなるので、受信感度を改善する効果が得られる。このような信号点配置は、前述したような判定領域の修正と併せて行うことで特に効果的である。
図6Eは、本発明の第1の実施形態の振幅差を大きくした信号点配置と判定領域を示す説明図である。
図7Bは、従来技術の8QAM信号の判定領域を示す説明図であり、図7Cは、従来技術の16QAM信号の判定領域を示す説明図である。
図7Bおよび図7C中の白丸はそれぞれの多値信号の理想信号点の位置であり、図7Bおよび図7C中の太線は、ユークリッド距離で定義した従来の判定領域の境界線である。なお、図7Cに示す16QAM変調では、図3Cに示す16QAM変調と比べ各シンボルの半径方向の間隔を若干拡大しているため、境界線は傾斜した直線で構成されている。また、各理想信号点を中心にした黒点は、実際の実験によって得られた信号点の分布である。実験には図5に示す位相予積算型非コヒーレント光多値伝送システムを用いているため、信号点(正確には信号+雑音)の分布は、位相方向に広がった非等方な形状となることが確認できる。図7Bでは、信号点の分布は、隣接するシンボルの判定領域に入り込んでおり、シンボル判定エラーが生じやすいことがわかる。また図7Cにおいても、実験による信号点の分布の形状と判定領域の形状は大きく異なっており、特に最外周の信号点の位相方向の広がりに対して判定エラーが生じやすいことがわかる。
図8は、本発明の第2の実施形態の8QAM変調の信号点配置と、非ユークリッド距離に基づく受信シンボルの判定領域を示す説明図である。
本発明において変調信号に8QAM信号を利用し、また非ユークリッド距離d(X,)を用いて判定領域を定義した例である。本例では、dE(x,y)=|x−y|^2+a(|x|−|y|)^2において、振幅重みa=2と設定した。この結果、全シンボルの判定領域は、各シンボルの乗る点線の円周上で位相方向に90度近くまで拡大し、前述図7Bに示す判定領域に比べて位相方向の雑音に対する耐力が大きく改善する。また各境界線は、8つの黒点の分布が薄くなった領域にほぼ一致しており、この点からも理想に近い判定が行えることが確認できる。
図9A〜図9Cは、本発明の第3の実施形態の16QAM変調の信号点配置と、重みa=1〜3とした場合の、非ユークリッド距離に基づく受信シンボルの判定領域を示す説明図である。
本発明において変調信号に16QAM信号を利用し、また非ユークリッド距離d(X,Y)を用いて判定領域を定義した例である。本例のd(X,Y)の定義は第2の実施形態と同じであるが、振幅重みaを変化させて判定領域の変化を確認している。図9A〜図9Cはそれぞれa=1、a=2、a=3の場合であり、振幅重みaを大きくすることによって判定領域の位相方向の幅が徐々に拡大し、同心円を放射状に区切ったような形状に近づいていくことがわかる。このように本発明では、非ユークリッド距離を定義するパラメータを調整するなどによって、実際の信号点(雑音)分布に適した最適な判定領域の形状を選択することが可能である。なお、このような判定領域の形状の変更は、必ずしも前述したパラメータ調整に限るものではなく、数種の判定テーブルの切り替えや自動的な適応調整によるものであっても構わない。
図10は、本発明の第4の実施形態の4QAM変調の信号点配置と判定領域とを示す説明図である。
4QAM変調の信号点配置では、従来の図1Aに示す4値位相変調のように位相を90度単位で変調するだけでなく、同時に振幅をr1とr2との二値とし、信号点AとCとの振幅をr2、信号点BとCとの振幅をr1に変調している。コヒーレント受信のように雑音分布が等方的な場合や、従来のDQPSK受信器のように受信信号の位相差情報のみを用いて光信号を検出する場合、このような配置は受信感度を損ねるのみである。しかしながら、本発明のように光信号の位相方向の雑音が大きくなる場合には、振幅方向の強度差を設けることによって位相方向の判定領域を拡大し受信感度の改善を図ることが可能となる。
図11は、本発明の第4の実施形態の4QAM変調の信号点配置と、従来技術のユークリッド距離に基づく受信シンボルの判定領域とを示す説明図である。
図11に示す判定領域において、内周(半径r1)の円周上の信号点B、Dの判定領域の位相方向の幅はそれぞれおよそ150度、また外周(半径r2)の円周上の信号点A、Cの判定領域の位相方向の幅はそれぞれおよそ90度程度である。このように本実施形態の4QAM信号では、従来のQPSK信号に比べ、内周の判定領域の位相方向の幅が改善される。一方、図10に示す太線はさらに判定領域の位相方向の幅を拡大した例であり、内周では180度に、また外周では160度に拡大している。このように、本発明のように相対的に位相雑音の大きい多値伝送系においては、振幅変調の組み合わせと判定領域の位相方向の拡大によって、受信感度の大幅な改善が可能となる。
図12Aは、従来技術の各変調方式の理論感度を示す説明図であり、図12Bは、本発明の第4の実施形態の各変調方式の理論感度を示す説明図である。
図12Aは、従来の光多値伝送の理論感度を示し、受信信号の雑音が二次元面上で等方的な場合である。図12Aは、QPSKの受信感度を基準(0dB)とし、横軸を多値信号の信号点数(多値数)として2値〜8値の各種変調方式の受信OSNR感度を数値計算で相対的に算出した結果である。多値数が増えると、二次元平面上に配置する信号点の数が増加し、信号点間の距離が近接するため、受信感度が距離に反比例して劣化する。一方で多値数を増加すると、多値信号の1シンボルあたりの情報量が増大する。そこで本計算では、情報伝送速度を一定とし、多値数の増加によって変調速度が低下し、その結果、受信OSNR感度が向上する効果を計算に含めている。なお、本計算には送信波形の歪(符号間干渉を約5%と仮定)も算入しており、多値数が増えて信号点間距離が小さくなるほど符号間干渉の影響が増大し、過剰な受信感度劣化が生じるものとした。
例えば、QPSK変調の信号はBPSK変調とほぼ同じ感度となる。8PSKまでの位相変調の感度が図中の白丸であり、これらの中ではQPSK変調が最も有利となる。一方、黒丸は位相変調と振幅変調を併用した4QAM、6QAM、8QAM変調である。例えば6QAM変調の信号点配置は図7Aに示す信号点配置であり、受信感度はQPSK変調よりわずかに劣化する。また4QAM変調は、振幅変調を加えることで信号点間距離がQPSKの場合より小さくなってしまうため、QPSK変調よりも受信感度が劣化してしまう。以上の結果、従来の光多値変調では、QPSK変調が受信感度面でもっとも有利であった。
これに対し、本発明の位相雑音が振幅雑音より大きくなる非等方雑音を持つ多値伝送系では最適伝送方式は図12Bに示すように大きく変化する。4〜8値の位相変調方式(白丸)には、本発明の判定領域の拡大が実施できないため、位相雑音への耐力が弱く、受信感度が大きく損なわれる。
また黒丸で示す4QAM〜8QAM変調は、本発明の振幅変調の導入と位相方向の判定領域の拡大を適用した例である(信号点間距離を非ユークリッド距離で定義)。位相変調と振幅変調を併用し、位相方向の判定領域を大きくすることによって、位相雑音耐力が向上し、この結果4QAMまたは6QAM変調が最適な受信感度を与えるようになることがわかる。なお、図中には図12Aに示す位相変調方式の結果を、理論限界として破線で表示している。本発明の最適受信感度は、理論限界よりはわずかに(本実施形態では0.5dB程度)劣化したものであるが、これは雑音の非等方化による不可避の劣化である。非等方雑音下で、従来のQPSK変調よりもはるかに良好な感度が得られるのが本方式の特徴である。
図13Aは、本発明の第4の実施形態の振幅重み非ユークリッド距離を用いたシンボル判定回路233の構成を示すブロック図である。
例えば6QAM変調を用いる場合、図13Aに示すシンボル判定回路233は、入力されるデジタルサンプリングされた復調光電界235が6QAM信号の6つのシンボル(A〜F)のいずれに属するかを判定し、判定結果を多値シンボル列234として出力する。本回路の内部には、6QAM変調判定テーブル236が配置され、入力された復調光電界の直交成分を元にテーブル参照を行って判定結果を得る。
図13Bは、本発明の第4の実施形態の判定テーブル236の内部構成を示す説明図である。
図13Bに示すように光電界の直交成分の値に応じて、判定結果を記入したテーブルを備えればよい。本例では、復調光電界235として例えば(I,Q)=(5,3)が入力された場合には判定結果としてシンボルBが出力される。
前述の例では復調光電界235は直交座標表現としたが、極座標表現にしても問題はない。また必要に応じて補完計算や近似演算を行ったり、二次元面上での対称性を利用して、必要なテーブルサイズを圧縮することも可能である。また本例で判定テーブル236にはシンボル名を記入しているが、シンボル番号やシンボルに対応したビット列など、判定結果に相当する情報であれば利用可能である。
また、前述の多値判定テーブル236の代わりに判定演算を行う回路を設けても構わない。このような演算例としては、例えば入力された信号点Xに対し、非ユークリッド距離d(X,Y)をすべてのシンボルY=A〜Fに対して計算し、d(X,Y)を最小とするシンボルYを出力する形態が考えられる。必要に応じて近似演算を行うことも可能であり、無線多値通信などで広く用いられる多値信号の判定回路を流用することも可能である。また、信号点の雑音分布に応じて、判定テーブルや非ユークリッド距離の振幅重みを切り替えるような構成も可能である。
図14Aは、本発明の第4の実施形態の多値符号化回路230の構成を示すブロック図である。
例えば6QAM変調を用いる場合、図14Aの多値符号化回路230には、二値デジタル情報信号201(b1、b2、b3)が並列複数の電気回線から時系列のビット列として入力され、これら数個のビットに対して何個かの多値シンボルを割り当て、その二次元平面上での直交座標成分を本発明の複素多値情報信号238として出力する。この割り当ては、例えば、6QAM変調マッピングテーブル237を用いて実現可能である。
図14Bは、本発明の第4の実施形態の6QAM変調マッピングテーブル237を示す説明図である。
本実施形態では5ビット分の情報信号b5〜b1に対し、2個の6QAMシンボルを割り当てた例である。6QAM変調は6個のシンボルを利用するため、一個でLog2(6)=2.58ビットの情報伝送が可能である。そこで2個の6QAMシンボルを1組とすれば5.16ビットとなるため、5ビット分の2値情報が伝送可能である。具体的には、図14Bに示すように5ビットの2値情報列b5〜b1の32個の状態に対し、AA〜FAまでの6QAM信号を2個対にして出力すればよい。例えば、2値情報列b5〜b1=11110の場合、6QAMシンボルFとAを対にして出力する。本例では、6QAM信号対のうちFC〜FFの組み合わせは未使用となる。これらの2個の6QAM信号は、多値光送信器から順に送信してもよいし、後述の偏波多重伝送において二つの偏波状態X,Yに対応した多値光送信器からそれぞれ出力してもよい。
なおビット列と多値シンボルとの関係は、前述に限らずさまざまなバリエーションが考えられる。例えば、3ビットの情報を一個の8QAM信号、4ビットの情報を一個の16QAM信号に割り当てたり、一部の未使用状態に符号誤り率の訂正符号を割り当ててもよい。また静的または動的に使用する多値符号を切り替えてもよく、本発明においては雑音分布に応じて、各信号点の振幅を可変にすることによって常に最適な伝送特性が得られる。これは6QAM変調マッピングテーブル237を書き換えたり、複数のテーブルを用意して切り替えることによって簡単に実現できる。
図15は、本発明の第5の実施形態の非コヒーレント光電界受信器220の構成を示すブロック図である。
本例は、図5に示す非コヒーレント光電界受信器220から、直交座標変換回路229を省き、逆正接演算回路227から出力される位相差情報Δθ(n)と平方根回路228から出力される振幅情報r(n)よりなる極座標表現の復調受信電界116を、非ユークリッド距離を用いたシンボル判定回路233の入力信号に用いる例である。図6、図8、図9に示すように、本発明の多値信号の判定領域は座標系の原点を中心とした回転対称性を持っている。このため、本例のように極座標表現のまま、シンボル判定を行うことによって直交座標変換回路229を削減できるのみならず、非ユークリッド距離を用いたシンボル判定回路233の内部の演算やテーブルの構成を大幅に簡素化することが可能となる。
図16は、本発明の第6の実施形態のコヒーレント光電界送信システムの構成を示すブロック図である。
前述の実施形態はすべて非コヒーレント伝送システムを取り扱っていたが、本発明は復調電界信号が位相方向に大きな非等方性の雑音を持つ場合には、コヒーレント光伝送システムにも適用可能である。
このような非等方性の雑音が生じる要因としては、第一に光波長多重伝送システムにおいて光ファイバ中で発生するXPM(相互位相変調効果)の影響が考えられる。XPMは光ファイバの非線形効果のひとつであり、ある波長の光信号の強度変化に応じて、光ファイバの屈折率が変化し、他の波長の光信号の位相を変動させてしまう現象である。例えば強度変調成分を持った光信号と、位相成分を変調された光信号とを同時に波長多重伝送した場合、後者にはランダムな位相変動が生じ、受信感度や伝送距離などの伝送特性が大きく劣化することが知られている。このような強度変調を持った光信号としては、10Gビット/秒などの比較的低速な光強度変調信号、または本発明の多値変調信号自身などが該当する。このようなXPMによって光信号が劣化した場合、コヒーレント受信した受信信号は位相方向に大きな雑音分布を持つため、本発明が適用可能となる。
図16では、本発明の4QAM変調光多値送信器260−1、260−2の出力光は、波長の異なる複数の10G強度変調光送信器261−1〜261−3と、波長合波器266とにおいて波長多重される。波長多重された光信号263は、光増幅器117−1で増幅されたのち、光ファイバ伝送路214−1、214−2および光増幅器117−2、117−3で構成された中継伝送路を介して長距離伝送される。出力された波長多重光は、波長分波器267で分解され、10G強度変調光はそれぞれ10G直接受信光受信器264−1〜264−3で受信される。また本発明の4QAM光信号262は4QAMコヒーレント光電界受信器265−1で受信されるが、ファイバ伝送中に10G強度変調光や他の波長の4QAM光によってXPMが生じ、位相方向の雑音が増加している。
本発明の4QAMコヒーレント光電界受信器265の内部には、振幅重み非ユークリッド距離を用いたシンボル判定回路233が備えられており、前述の例えば図10に示すような判定領域に基づいて受信された4QAM信号のシンボル判定を行う。この結果、XPMによる位相雑音の影響を軽減し、多値信号の受信品質の向上が可能となる。
なお、前述のように受信信号の位相雑音が過大となる要因としては例えば光多値送信器260−1内部のレーザ光源や受信側の局発レーザ光源103の位相揺らぎの影響も考えられる。通常、これらの光源の位相揺らぎは、受信信号の比較的ゆっくりとした(数kHz〜数10MHz)位相回転を引き起こす。これを防止するため、デジタル演算回路113では低速の位相回転を除去するデジタル信号処理が施される。しかしながら、位相雑音が大きい場合、またはその処理が不完全である場合、出力信号の位相方向の揺らぎが大きくなるため、本発明の適用が可能となる。前述以外にも、光ファイバ非線形効果や波長分散による波形歪み、および/または、判定誤差などによっても位相方向に過大の雑音を生じる場合があり、本発明の適用が有効となる。
図17は、本発明の第8の実施形態の非コヒーレント光電界受信器の構成図である。
図17に示す非コヒーレント光電界受信器は、内部に位相雑音消去回路として、多シンボル位相推定(MSPE)回路240を備え、位相雑音の一部を消去した後に、振幅重み非ユークリッド距離を用いたシンボル判定回路233によって多値シンボル判定を行う例である。MSPEは、光遅延検波を用いた受信器において、過去の複数のシンボルの判定結果を記憶し、その誤差を平均化することによって受信信号の過剰な位相雑音の一部を打ち消す方法である。本方法では、過去の無限個のシンボルを遡及的に利用することができれば余分な位相雑音を完全に打ち消すことができるはずである。しかしながら、現実には過去の数〜数10シンボルまでの利用が上限であり、出力信号の過剰な位相雑音を完全なキャンセルは不可能である。そこで両者を併用し、MSPE処理によって位相雑音の一部を消去した後に、振幅重み非ユークリッド距離を用いたシンボル判定を行うことによって、さらなる高感度化が可能となる。なお位相雑音の一部を低減する方法であれば、MSPE法以外に例えば位相揺らぎの平均化などさまざまな方法を用いてもよい。
図18は、本発明の第9の実施形態の非コヒーレント光電界受信器の構成図である。
図18に示す非コヒーレント光電界受信器は、シンボル判定に振幅重み非ユークリッド最尤推定シンボル判定回路242を備える。最尤推定シンボル判定(MLSE;Most Likelihood Sequence Estimation)は、無線通信などで広く用いられる高感度かつ高歪み耐力を持ったシンボル判定法の一つである。通常のMLSE法では、受信した過去数シンボルの信号点の遷移X1,X2...Xnと、すべての可能なシンボル間遷移Y1,Y2....Ynとのユークリッド距離(シンボル間距離の和Σ(Xi−Yi)^2)を逐次計算し、もっとも距離の近いシンボル遷移を判定結果として出力する。本発明においては、ユークリッド距離の代わりに前述の非ユークリッド距離を利用することで、位相方向に比べて振幅方向の距離が大きいと評価するようになるため本発明の効果が得られるようになる。
なお、このようなMLSE法の適用は、受信信号が大きな符号間干渉を持っている場合には極めて有効であるため、位相予積算を行わない多値信号を非コヒーレント受信する場合や、光ファイバ伝送によって劣化した多値信号をコヒーレントまたは非コヒーレント電界受信する場合などに適用しても非常に大きな効果がある。
図19は、本発明の第10の実施形態の偏波多重非コヒーレント光電界伝送システムの構成を示す図である。
図19に示す偏波多重非コヒーレント光電界伝送システムでは、本発明の位相予積算型4QAM光多値送信器250−1、250−2の出力光をそれぞれX,Y偏波とし、これらを偏波合成回路251で直交合成する。本発明の偏波多重された4QAM多値信号光257は、光ファイバ伝送路214中を伝送され、本発明の偏波多重非コヒーレント光電界受信器256で受信される。その内部では、受信光は、偏波分離回路252で直交する二つの偏波成分SとPに分離される。そのうちS成分はコヒーレント光電界受信器フロントエンド221−1で検波され、逆正接演算回路227−1と平方根回路228−1とによって位相φs(n)と振幅rs(n)とを抽出される。同様にP成分からは位相φp(n)と振幅rp(n)とが抽出され、ともに偏波状態変換回路255に入力される。偏波状態変換回路255では、両者の直交合成と行列演算とによって独立な二つの偏波成分116−1(X成分)と116−2(Y成分)とが抽出され、ついで本発明の振幅重み非ユークリッド距離を用いたシンボル判定回路233は両成分のシンボル判定を行い、判定結果として多値シンボル列234を出力する。このように本発明においては偏波多重を併用することによって、スペクトル利用効率の高さと位相雑音耐力の高さとを併せもった光多値伝送を実現することが可能である。

Claims (9)

  1. 複素光電界の位相と振幅との双方を情報信号で変調した光多値信号を送出する光多値送信器、および、前記光多値信号を受信して複素平面上で復調する光多値受信器を備え、前記受信した光多値信号が持つ位相方向の雑音が振幅方向に比べて大である光多値伝送システムにおいて、
    前記光多値送信器が送信する前記光多値信号は、光信号の位相成分を予め定められた時間ごとに積算する位相予積算処理がされたQAM信号であり、
    前記光多値受信器は、
    光強度受信器と、遅延時間Tの2台以上の遅延検波型受信器と、シンボル判定回路と、を備え、
    前記2台以上の遅延検波型受信器及び前記光強度受信器を用いて前記光多値信号の光強度と時間Tの間の位相差とを直接検波して受信し、
    前記シンボル判定回路は、複素平面上において復調された前記直接検波して受信した光多値信号のシンボル判定を行う際に、ユークリッド距離に振幅方向の距離を加味した非ユークリッド距離によって定義される判定領域を用い、
    当該判定領域は、複素平面の原点を中心とする円の円周に沿った位相方向の幅が、ユークリッド距離のみによって定義される通常の判定領域における位相方向の幅よりも大きい性質を有するものであって、
    さらに、前記シンボル判定回路は、前記非ユークリッド距離を算出する際に、前記振幅方向の距離に対して所定の重み付けを行うことを特徴とする光多値伝送システム。
  2. 請求項1に記載の光多値伝送システムであって、
    さらに、前記光多値信号の伝送路となる光ファイバ伝送路、および、前記光ファイバ伝送路を介して伝送された光多値信号を受信して複素平面上で復調する前期光多値受信器を備え、
    前記光多値送信器は、多値変調符号として位相間隔が60度の6値の位相変調が隣接する理想信号点間に強度の差を設けた6QAM変調、または、位相間隔が90度の4値の位相変調の隣接する理想信号点間に強度の差を設けた4QAM変調を用いることを特徴とする光多値伝送システム。
  3. 請求項1に記載の光多値伝送システムであって、
    前記光多値送信器は、多値変調符号として位相間隔が60度の6値の位相変調の隣接す
    る理想信号点間に強度の差を設けた6QAM変調、または、位相間隔が90度の4値の位相変調の隣接する理想信号点間に強度の差を設けた4QAM変調を用いることを特徴とする光多値伝送システム。
  4. 請求項1に記載の光多値伝送システムであって、
    前記光多値信号は、強度変調成分を持つ他の光信号と波長多重された後、前記光多値受信器に伝送されることを特徴とする光多値伝送システム。
  5. 請求項1に記載の光多値伝送システムであって、
    前記光多値受信器は、位相雑音を低減する位相雑音除去回路を備えることを特徴とする光多値伝送システム。
  6. 請求項1に記載の光多値伝送システムであって、
    2組の前記光多値送信器は、異なる情報信号によって変調された2組の光多値信号を出力し、
    前記出力された光多値信号は、直交する二つの偏波状態に偏波多重して伝送され、
    前記光多値受信器は、偏波多重された光多値信号を、偏波ダイバーシティ受信および偏波分離することを特徴とする光多値伝送システム。
  7. 請求項1に記載の光多値伝送システムあって、
    前記光多値受信器は、
    局発光源を備え、
    前記光多値信号の光電界の同相成分と直交成分とをコヒーレント検波して受信することを特徴とする光多値伝送システム。
  8. 請求項1に記載の光多値伝送システムであって、
    前記光多値受信器は、受信した光多値信号のシンボル判定において、光電界の距離が位相方向に比べて振幅方向に大きくなるように重み付けを行った非ユークリッド距離を用いる最尤判定をすることを特徴とする光多値伝送システム。
  9. 請求項1に記載の光多値伝送システムであって、
    前記判定領域は、位相方向の雑音と振幅雑音の分布に応じて、前記非ユーグリット距離の定義、または、判定領域の形状を設定することを特徴とする光多値伝送システム。
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