JP4127671B2 - デジタル復調器及びデジタル復調方法 - Google Patents

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Description

本発明は、デジタル復調器及びデジタル復調方法に係り、特にQAM信号のシンボル判定時の演算量を削減し、処理効率を向上させたデジタル復調を行うためのデジタル復調器及びデジタル復調方法に関する。
従来、デジタル信号方式の一つであるQAM(Quadrature Amplitude Modulation)方式は、古くからマイクロ波無線通信の分野で利用されている伝送方式である。また、近年では、ケーブル伝送の分野でもデジタル放送の再送信やケーブルモデム等に利用されており、変調処理、復調処理の容易さから、正方配置の64QAM、256QAMが実用化されている。ここで、上述したQAM復調に用いられるデジタル復調器のブロック構成について図を用いて説明する。
図1は、従来のデジタル復調器のブロック構成の一例を示す図である。図1のデジタル復調器10は、チューナ11と、A/D変換部12と、準同期検波部13と、タイミング再生部14と、ロールオフフィルタ15と、搬送波再生部16と、判定帰還等化部17と、シンボル判定部18とを有するよう構成されている。
まず、チューナ11は、伝送信号を受信し、受信した伝送信号に含まれる周波数多重された多数のRF(Radio Frequency)信号の中から1つのRF信号を選択し、低い周波数のIF(Intermediate Frequency)信号に変換する。また、チューナ11は、IF信号に変換された信号をA/D変換部12に出力する。
A/D変換部12は、受信したIF信号をサンプリングしてアナログ信号からデジタル信号に変換する。また、A/D変換部12は、変換されたデジタル信号を準同期検波部13に出力する。準同期検波部13は、入力されたデジタル信号を固定周波数で直交検波し、同相成分(I成分)と直交成分(Q成分)とに分ける。つまり、ベースバンド信号からI成分とQ成分を抽出する準同期検波を行う。また、準同期検波部13は、抽出したI成分とQ成分とを有する信号をタイミング再生部14に出力する。
タイミング再生部14は、シンボルタイミングの回復を行う。ここで、A/D変換部12においては、非同期でデジタル信号にサンプリングされるため、タイミング再生部14において、再サンプリングを行いシンボルのタイミングの一番近い部分を取り出す。タイミング再生された信号は、ロールオフフィルタ15に出力される。
ロールオフフィルタ15は、準同期検波部13にて直交検波された信号をフィルタ等を用いてノイズを除去することで波形整形を行い、波形整形された信号を搬送波再生部16に出力する。搬送波再生部16は、整形された波形信号を用いて搬送波を再生し判定帰還等化部17に出力する。
また、判定帰還等化部17は、FIR(Finite Impulse Response)フィルタで用いられる数式の係数を適応的に制御して反射妨害を除去する波形等化処理を行う。判定帰還等化部17により波形等化処理された信号は、シンボル判定部18に出力される。シンボル判定部18は、入力される信号がどのシンボルに属しているかを判定し、判定結果のシンボルに基づいて復調信号を出力する。
ここで、熱雑音のようにI−Q平面上で等方性の雑音がある場合、受信信号(等化後の出力(soft−output))からどのシンボルが送信されたかを判定するシンボル判定回路について、I−Q平面におけるコンスタレーション・パターンの中で、受信信号に最も近いシンボルを出力するのが最適である。ここで、どのシンボルに属するかの判定閾領域が正方配置のQAMの場合、I方向、Q方向で独立に判定することが可能でデジタル復調処理が容易となる。
なお、I−Q平面におけるコンスタレーション・パターンとは、直交変調に対し,同相成分をx軸,直交成分をy軸として信号をxy平面上に表したものである。
また、上述したように周波数多重された多数のRF信号の中からチューナ11により1つのRF信号を選択する場合には、より低い周波数のIF信号に変換するが、このときチューナ11における位相雑音が問題になることがある。この位相雑音の影響により、シンボル判定部におけるシンボル誤り率が増加してしまう。
ここで、チューナにおける位相雑音の影響は、I−Q平面上の原点から離れたシンボルに対して、より大きく現れる。この対応として、従来では位相雑音に対して耐性のあるQAM信号の配置として、外周部でシンボル間隔が離れるような判定用閾領域を設けたQAM信号の配置手法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
なお、特許文献1では、復号化の複雑さが低い簡略化した64QAM信号配置として提案されており、復号の際の判定境界は、隣接するシンボルを結ぶ線の垂直2等分線で与えられるか、その線を矩形状に近似したもので境界設定されている。
しかしながら、上述したような簡略化が考慮されていないシンボル配置や判定領域が望ましい場合がある。そこで、任意の多角形の判定領域に対して判定を行う際には、領域を量子化してメモリにマッピングしておき、受信信号のシンボル判定時にマッピングした領域と比較する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、この他の手法としては、多角形の判定領域の頂点座標のみをメモリに記憶しておき、全てのシンボルに対して受信点が多角形の内側にあるか否かを判定する演算を行う方法も考えられる。
特表平9−507373号公報 特開2000−224250号公報
しかしながら、上述の何れの手法もQAMの多値数が増加した場合、メモリ量又は演算量が増大するという問題がある。例えば、1024QAMの場合、メモリにマッピングする手法では、I成分及びQ成分の夫々の量子化を10ビットで表現するとしても、約10Mビットのメモリが必要になってしまう。また、シンボル毎に設定される多角形領域を用いた受信信号の内外判定を行う場合、1024通りのシンボルについて、内外判定の演算を行う必要がある。
このように、領域を量子化してメモリにマッピングする方法や、全てのシンボルに対して受信信号が多角形領域の内側にあるか否かを判定する演算を行う方法は、QAMの多値数が増加した場合、メモリ量又は演算量が増大するという問題がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、QAM信号のシンボル判定時の演算量を削減し、処理効率を向上させたデジタル復調を行うためのデジタル復調器及び、デジタル復調方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
請求項1に記載された発明は、QAM信号を復調するためのデジタル復調器において、前記QAM信号を直交検波するための準同期検波部と、前記準同期検波部にて得られるI成分及びQ成分を有する信号のシンボルを判定するシンボル判定部とを有し、前記シンボル判定部は、複数あるシンボル毎に設定される矩形領域に基づいて特定シンボルと、該特定シンボルに隣接する隣接シンボルとを選定し、前記特定シンボル及び前記隣接シンボルの夫々に対応した多角形領域に基づいて領域判定を行うことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、矩形領域により候補となる特定シンボルを1つ選び、特定シンボルと特定シンボルに隣接する隣接シンボルとに対応する領域を用いてシンボル判定をすることにより、領域判定における演算を全てのシンボルに対応する領域について行う必要がなくなり、演算量を削減することができる。これにより、処理効率を向上させたデジタル復調を行うことができる。
請求項2に記載された発明は、前記シンボル判定部は、前記特定シンボルに対応する矩形領域内に複数の多角形領域を有する場合、前記複数の多角形領域に対応するシンボルのうち前記特定シンボル以外のシンボルを隣接シンボルとして選定することを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、特定シンボルに隣接する全てのシンボルについて、内外判定による演算を行う必要がなくなり、更に演算量を削減することができる。これにより、処理効率を向上させたデジタル復調を行うことができる。
請求項3に記載された発明は、前記シンボル判定部は、前記特定シンボルに対応する矩形領域を複数に分割し、分割した領域のうち前記信号が含まれる領域を選定し、選定した領域に基づいて隣接シンボルを選定することを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、分割した領域の中から信号が含まれる領域を選定し、選定した分割領域に基づいて隣接シンボルを更に限定することができる。これにより、更に演算量を削減することができ、処理効率を向上させたデジタル復調を行うことができる。
請求項4に記載された発明は、前記シンボル判定部は、判定する信号が前記隣接シンボルの多角形領域に含まれていない場合、前記特定シンボルとすることを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、演算量を削減したシンボル判定を行うことができる。また、多角形判定領域の設定時に発生する可能性がある隙間領域についてもシンボル判定を迅速に行うことができる。
請求項5に記載された発明は、QAM信号を復調するためのデジタル復調方法において、前記QAM信号を直交検波するための準同期検波段階と、前記準同期検波段階にて得られるI成分及びQ成分を有する信号のシンボルを判定するシンボル判定段階とを有し、前記シンボル判定段階は、複数あるシンボル毎に設定される矩形領域に基づいて特定シンボルと、該特定シンボルに隣接する隣接シンボルとを選定し、前記特定シンボル及び前記隣接シンボルの夫々に対応した多角形領域に基づいて領域判定を行うことを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、矩形領域により候補となる特定シンボルを1つ選び、特定シンボルと特定シンボルに隣接する隣接シンボルとに対応する領域を用いてシンボル判定をすることにより、領域判定における演算を全てのシンボルに対応する領域について行う必要がなくなり、演算量を削減することができる。これにより、処理効率を向上させたデジタル復調を行うことができる。
本発明によれば、受信信号をシンボル判定する際の演算量を削減し、処理効率を向上させたデジタル復調を実現することができる。
<本発明の概要>
本発明は、入力された信号がどのシンボルに該当するかを判定するために予め設定される複数のシンボルのうち、候補となる特定シンボル(候補シンボル)を1つ設定し、その候補シンボルと、候補シンボルに隣接するシンボルとについて、受信した信号が夫々のシンボルに対応する多角形判定領域に含まれるか否かを判定するものである。判定の結果、その受信信号がシンボルに対応する多角形領域の何れかの領域に含まれていれば、そのシンボルを受信した信号のシンボルとして出力を行い、何れのシンボルにも含まれない場合には、候補シンボルを受信した信号のシンボルとして出力する。
これにより、全てのシンボルについて演算を行う場合と比べて、演算量を削減することができる。なお、本発明においては、領域判定する場合に候補シンボルに対応する多角形領域について、最初に判定を行い、候補シンボルの領域内にある場合は、その時点でシンボル判定は終了する。
以下に、上記のような特徴を有する本発明におけるデジタル復調器及びデジタル復調方法を好適に実施した形態について、図面を用いて詳細に説明する。
<実施の形態>
本発明におけるデジタル復調器の構成について図を用いて説明する。図2は、デジタル復調器のブロック構成の一例を示す図である。図2に示すデジタル復調器20は、チューナ11と、A/D変換部12と、準同期検波部13と、タイミング再生部14と、ロールオフフィルタ15と、搬送波再生部16と、判定帰還等化部17と、シンボル判定部28とを有するよう構成されている。なお、シンボル判定部28以外の各構成要素の動作は、図1に示した内容と同様である。
ここで、シンボル判定部28の構成について図を用いて説明する。図3は、本発明におけるシンボル判定部のブロック構成の一例を示す図である。図3に示すシンボル判定部28は、シンボル選定手段31と、多角形頂点座標取得手段32と、領域判定手段33と、蓄積手段34とを有するよう構成されている。
シンボル選定手段31は、入力される信号に対して、予めメモリ等からなる蓄積手段34に蓄積されているシンボル毎に割り当てられた矩形領域に基づいて、候補シンボルを選定する。また、シンボル選定手段31は、蓄積手段34に蓄積されている各シンボルに対応した多角形領域を頂点座標取得手段32に出力する。更に、シンボル選定手段31は、どのシンボルを候補シンボルとしたかを蓄積手段34に蓄積する。なお、蓄積手段34には、予めシンボル毎に対応したシンボル判定用の矩形領域及び多角形領域の情報が設定されている。
また、シンボル選定手段31は、後述する領域判定手段33において、受信した信号が候補シンボルに対応する多角形領域外にある場合に、その旨を示す情報が領域判定手段33から送られる。このとき、シンボル選定手段31は、蓄積手段34に蓄積しておいた候補シンボルを取得し、候補シンボルに隣接するシンボル(隣接シンボル)を選定する。また、シンボル選定手段31は、蓄積手段34から隣接シンボルに対応する多角形領域を取得し、多角形頂点座標取得手段32に出力する。ここで、隣接シンボルは、I−Q平面上に位置付けられるあるシンボルに対して、I−Q平面の軸方向で隣接する4つのシンボルと、I−Q平面の軸方向に対して45度方向に隣接する4つのシンボルからなる合計8個のシンボルからなる。なお、I−Q平面上に位置付けられるシンボルのうち最外周のシンボルについては、隣接シンボル数が減少する。
なお、蓄積手段34においては、シンボルに対応する隣接シンボルが関連付けられて蓄積されることで、隣接シンボルを容易に取得することができる。また、後述するようにシンボルに対応する矩形領域を更に分割させた領域を設定して蓄積しておくこともできる。
多角形頂点座標取得手段32は、シンボル選定手段31から選定されるシンボルに対応する多角形領域の頂点座標を取得する。なお、多角形頂点座標取得手段32は、シンボル選定手段31から候補シンボルを入力した場合は、1つの多角形領域について各頂点座標を取得する。また、シンボル選定手段31から隣接シンボルを入力した場合は、夫々のシンボルに対応する多角形領域の頂点座標を取得する。多角形頂点座標取得手段32は、取得した多角形頂点座標を領域判定手段33に出力する。
領域判定手段33は、多角形頂点座標取得手段32から入力される多角形頂点座標に基づいて、受信信号がどのシンボルに該当するかを判定する。ここで、領域判定の方法について説明する。
領域判定手段33は、判定帰還等化部17からの出力信号と、判定領域の頂点を結ぶベクトルについて、隣り合う頂点のベクトルの外積演算を時計周り又は反時計周りに順次行っていき、そのベクトルの向き(符号)が全て一致しているか否かにより多角形領域の内外判定を行う。
次に、本発明におけるシンボル判定領域について具体的に図4及び図5を用いて説明する。なお、図4及び図5では、一例として64QAMを用いるが、本発明については、この限りではなく、256QAM等の多値QAMに適用することができる。
図4は、64QAMのシンボル配置と多角形判定領域の一例を示す図である。また、図5は、図4に矩形領域が付与された一例を示す図である。ここで、図4及び図5において、点はシンボルの位置を示し、実線は予め設定されるシンボル判定用の多角形領域を示し、図5の点線は、矩形領域を示している。
ここで、例えば受信した信号が、図5の「+」に示される位置Xであった場合、従来では、図4に示す多角形領域の全てについて内外判定の演算を行っていた。この場合、多角形を構成する各辺に基づいて演算する必要があるため、演算量が膨大となる。
そこで、本発明では、まず矩形領域を用いて候補となるシンボルを1つ選定する。ここで、予め設定されるQAMが正方配置の場合、I成分、Q成分の夫々で領域判定を行えばよい。また、正方配置でないQAMの場合は、I−Q平面について領域内部にシンボルを一つ含むような矩形の領域に分割して、分割した領域をメモリ等に蓄積しておき、受信した信号と比較することで候補シンボルを選定することができる。
また、蓄積手段34を有することで、シンボルに対応する多角形領域を容易に取得することができる。更にあるシンボルに対応する隣接シンボルと、隣接シンボル毎に対応する多角形領域も容易に出力することができる。
次に、受信した信号がシンボルに対応する多角形領域内に含まれるか否かを判定するための演算方法について説明する。
図6は、多角形領域の内外判定を説明するための受信信号X付近の拡大図である。図6において、判定領域である多角形の頂点ABCDEFの座標は、多角形頂点座標取得手段32により取得されている。受信信号Xが判定領域ABCDEF内に含まれるか否かの判定は、判定帰還等化部17からの出力と、判定領域の頂点ABCDEFを結ぶベクトルについて、隣り合う頂点のベクトル(例えば、XAとXB)の外積演算を時計周り又は反時計回りに順次行っていき(XBとXC,XCとXD,…)、そのベクトルの向き(符号で判定)が、全て一致しているか否かで内外判定を行う。ここで、符号が全て一致している場合は、受信信号Xは多角形ABCDEFの内側にあることになるため、受信信号Xは、この判定領域のシンボルであると判定することができる。
したがって、領域判定手段33は、候補シンボルに対応する多角形領域との領域判定により、判定帰還等化部17からの出力が領域内にある場合は、その候補シンボルに対応する復調出力を行う。また、候補シンボルに対応する多角形領域内にない場合は、各隣接シンボルの多角形領域の夫々について判定領域内にあるかの判定を行う。
判定の結果、判定帰還等化部17からの出力が、何れかの隣接シンボルに対応する多角形領域内にある場合は、該当する隣接シンボルに対応する復調出力を行う。また、何れの隣接シンボルに対応する多角形領域内に含まれない場合は、候補シンボルであると判定して、その候補シンボルに対応する復調出力を行う。これにより、演算量を削減したシンボル判定を行うことができる。
ここで、上述のシンボル判定手順について、フローチャートを用いて説明する。図7は、本発明におけるシンボル判定手順の一例を示すフローチャートである。まず、入力される受信信号に基づいて候補シンボルを選定する(S01)。ここでは、シンボル毎に予め設定される矩形領域に基づいて受信信号が含まれる地点のシンボルを候補シンボルとする。
次に、選定した候補シンボルに対応する予め設定された多角形領域を取得し、取得した多角形領域の頂点の座標を取得する(S02)。このとき、I−Q平面には、予め座標が設定されており、その座標に対応させて頂点の取得を行う。
次に、受信した信号が候補シンボルに対応する多角形領域内に含まれるかの内外判定を行う(S03)。内外判定では、上述したように、受信信号と多角形判定領域の頂点とを結ぶベクトルについて、隣り合うベクトルの外積演算を順次行い、そのベクトルの向きにより内外判定を行う。
内外判定の結果、候補シンボルに対応する多角形領域の領域内にあるかを判断する(S04)。領域内にある場合(S04において、YES)、受信信号が候補シンボルであるため、候補シンボルに対応する値を出力する(S05)。また、領域内にない場合(S04において、NO)、隣接シンボルの選定を行う(S06)。次に、各隣接シンボルの夫々に対応する多角形領域を取得し、取得した多角形領域毎の頂点座標を取得する(S07)。取得後、各隣接シンボルに対応する多角形領域に基づいて受信した信号の内外判定を行う(S08)。
ここで、S08の結果、何れかの隣接シンボルの領域内であるかを判断する(S09)。何れかの隣接シンボルの領域内にある場合(S09において、YES)、その該当する隣接シンボルに対応する値を出力する(S10)。また、何れかの隣接シンボルの領域内にない場合(S09において、NO)、受信した信号の値は、候補シンボルに対応する値を出力する(S11)。
上述したシンボル判定手順により、受信信号の領域判定における演算を全てのシンボルに対して行う必要がなくなり、演算量を削減することができる。これにより、処理効率を向上させたデジタル復調を行うことができる。
また、上述の判定手順を用いることで、例えば、シンボル毎に設定される多角形領域に隙間の領域が発生し、受信した信号がその隙間領域にある場合でも、複雑な演算処理を必要とせずに候補シンボルの値として出力することができる。これにより、処理効率を向上させたデジタル復調を可能複雑な処理を行うことができる。
また、シンボルに対応する矩形領域に複数の多角形領域が含まれるシンボルについては予めメモリ等の蓄積手段に記憶しておき、隣接シンボルの中から所定のシンボルのみについて外積演算を行うことにより、内外判定するシンボルを減らすことができる。
ここで、上述の内容について図を用いて説明する。図8は、矩形の判定領域と多角形の判定領域とが異なるシンボルについて説明するための図である。なお、図8は、正方配置のQAMに対して図5に示したものと同様の多角形領域(実線)と矩形領域(点線)とを有している。
図8において、シンボルP1は、矩形の判定領域と多角形の判定領域とが異なるシンボルである。つまり、矩形の領域では、シンボルP1となるが、多角形の判定領域では、シンボルP2〜P5の何れかになる可能性があるものである。ここで、シンボルP1付近の拡大図を図9に示す。
上述したように、矩形の判定領域と多角形の判定領域とが異なるシンボルP1について、演算量を削減してシンボル判定を行うために、例えば、正方配置のQAMの各シンボルの判定領域が、図9に示すように矩形領域である四角形の頂点a、c、f、h及び各辺の中点b、d、e、gの何れかを通る直線で囲まれる多角形領域である場合、多角形領域が矩形領域から外側にはみ出す部分はI−Q平面におけるI軸方向及びQ軸方向に隣接した4つのシンボルのみとなる。
逆に言えば、隣接シンボルに対応する多角形領域のうち、矩形領域と重なる部分があるのも、シンボルP1の多角形領域に対してI軸方向及びQ軸方向にある隣接した4つのシンボルの多角形領域となる。
したがって、内外判定する隣接シンボルは、矩形領域と重なる部分がある多角形領域に対応する、候補シンボルのI軸方向及びQ軸方向にあるシンボルだけでよい。このように、多角形領域と矩形領域の位置関係に基づいて隣接シンボルを選定することにより、シンボルの領域判定における演算量を削減することができる。また、処理効率を向上させたデジタル復調が実現できる。
また、多角形領域を用いた内外判定においては、どの多角形領域にも含まれない領域が存在することがある。その一例を図10を用いて説明する。図10は、シンボルP1,P2,P5の境界付近の拡大図を示している。
例えば、図10に示すように多角形領域の形状によっては、シンボルP1,P2,P5に対応する多角形領域に囲まれた三角形の部分のように、外積演算でどの多角形領域にも含まれない領域が存在することがある。本発明では、シンボル判定する信号が、このような領域(三角形内の領域)内にある場合、P1と判定する。なお、この判定は、図7のS09の判断でNOとしてS11の候補シンボルを出力する手順に該当する。
更に、演算量を削減する他の方法として、矩形領域を複数の領域に分割して、受信した信号が分割した領域の何れかに含まれるかを判定し、判定の結果得られる分割した領域に基づいてシンボルを選定するようにする。
ここで、上述の内容について、図を用いて説明する。図11は、分割した領域を用いた隣接シンボルの選定について説明するための図である。また、図11は、図8、図9に対応した図であり、矩形領域を線deで上下に区切って2分化させた分割例を示している。
まず、受信した信号が候補シンボルに対応する多角形領域内に含まれるかの領域判定を行う。次に、多角形領域内に含まれていない場合に隣接シンボルを選定するが、最初に図11に示す2分化した矩形領域のうち、どちらの領域に含まれるかを判定する。ここで、例えば、受信した信号が図11に示す斜線領域(分割矩形領域acde)に含まれる場合、隣接シンボルとして選定するのは、図8に示すシンボルP2,P5の2つのシンボルだけでよいことになる。なぜなら、上述したように矩形領域が多角形領域より外側にはみ出す部分は、I−Q平面におけるI軸方向及びQ軸方向に隣接した4つのシンボルのみであり、更に、図11に示す斜線領域と隣接する多角形領域を有するのは、図8に示すシンボルP2,P5の2つのシンボルだけだからである。
このように、受信した信号が分割された判定領域の何れかに含まれるかを判定し、その判定結果に基づいて隣接シンボルを選定することにより、外積演算による領域判定の演算数を減少させることができる。なお、矩形領域を分割する分割数は2つに限らず、シンボルにおける矩形領域と多角形領域との設定内容により設定する。
上述したように本発明によれば、QAM信号のシンボル判定時の演算量を削減し、処理効率を向上させたデジタル復調を行うことができる。具体的には、矩形領域により候補のシンボルを1つ選び、その候補シンボルと、候補シンボルに隣接する隣接シンボルとについてのみ、シンボルに対応する多角形領域の内外判定をすることで、判定における演算を全てのシンボルに対して行う必要がなくなり、演算量を削減することができる。これにより、処理効率を向上させたデジタル復調を実現できる。
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
従来のデジタル復調器のブロック構成の一例を示す図である。 デジタル復調器のブロック構成の一例を示す図である。 本発明におけるシンボル判定部28のブロック構成の一例を示す図である。 64QAMのシンボル配置と多角形判定領域の一例を示す図である。 図4の判定領域とシンボルに対する矩形の判定領域の一例を示す図である。 多角形領域の内外判定を説明するための受信信号X付近の拡大図である。 本発明におけるシンボル判定手順の一例を示すフローチャートである。 矩形の判定領域と多角形の判定領域とが異なるシンボルについて説明するための図である。 シンボルP1付近の拡大図である。 どの多角形領域にも含まれない例を示す図である。 分割した領域を用いた隣接シンボルの選定について説明するための図である。
符号の説明
10,20 デジタル復調器
11 チューナ
12 A/D変換部
13 準同期検波部
14 タイミング再生部
15 ロールオフフィルタ
16 搬送波再生部
17 判定帰還等化部
18,28 シンボル判定部
31 シンボル選定手段
32 多角形頂点座標取得手段
33 領域判定手段
34 蓄積手段

Claims (5)

  1. QAM信号を復調するためのデジタル復調器において、
    前記QAM信号を直交検波するための準同期検波部と、
    前記準同期検波部にて得られるI成分及びQ成分を有する信号のシンボルを判定するシンボル判定部とを有し、
    前記シンボル判定部は、複数あるシンボル毎に設定される矩形領域に基づいて特定シンボルと、該特定シンボルに隣接する隣接シンボルとを選定し、前記特定シンボル及び前記隣接シンボルの夫々に対応した多角形領域に基づいて領域判定を行うことを特徴とするデジタル復調器。
  2. 前記シンボル判定部は、
    前記特定シンボルに対応する矩形領域内に複数の多角形領域を有する場合、前記複数の多角形領域に対応するシンボルのうち前記特定シンボル以外のシンボルを隣接シンボルとして選定することを特徴とする請求項1に記載のデジタル復調器。
  3. 前記シンボル判定部は、
    前記特定シンボルに対応する矩形領域を複数に分割し、分割した領域のうち前記信号が含まれる領域を選定し、選定した領域に基づいて隣接シンボルを選定することを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタル復調器。
  4. 前記シンボル判定部は、
    判定する信号が前記隣接シンボルの多角形領域に含まれていない場合、前記特定シンボルとすることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のデジタル復調器。
  5. QAM信号を復調するためのデジタル復調方法において、
    前記QAM信号を直交検波するための準同期検波段階と、
    前記準同期検波段階にて得られるI成分及びQ成分を有する信号のシンボルを判定するシンボル判定段階とを有し、
    前記シンボル判定段階は、複数あるシンボル毎に設定される矩形領域に基づいて特定シンボルと、該特定シンボルに隣接する隣接シンボルとを選定し、前記特定シンボル及び前記隣接シンボルの夫々に対応した多角形領域に基づいて領域判定を行うことを特徴とするデジタル復調方法。
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