JP2014013965A - 偏波多値信号光受信装置、偏波多値信号光送信装置および偏波多値信号光伝送装置 - Google Patents

偏波多値信号光受信装置、偏波多値信号光送信装置および偏波多値信号光伝送装置 Download PDF

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Abstract

【課題】偏波多値信号光を復調する際の光SNR感度を改善する。
【解決手段】偏波多値信号光受信装置に、受信シンボルをR、変化の基準に使用する少なくとも1つの過去のシンボルをAとするとき、シンボルAよりさらに過去に受信した少なくとも1つの偏波多値シンボルの偏波状態、過去の判定変数の値、および判定結果を利用してシンボルAの状態を推定する少なくとも1つの推定シンボルA1〜ANを生成し、これら推定シンボルA1〜ANとシンボルAを平均化して参照シンボルArを算出し、算出された参照シンボルArをシンボルAの代わりに使用して受信シンボルRの偏波状態変化に対応する判定変数を算出する偏波多値受信器を搭載する。
【選択図】図8

Description

本発明は、偏波多値信号光を光ファイバ上で伝送する技術に関する。
超高速光ファイバ伝送には、信号伝送に利用可能な波長範囲(ないしは周波数帯域)を有効利用するために、波長の異なる複数の光信号を束ねて伝送する波長多重伝送方式が広く用いられている。この伝送方式では、送信側が波長の異なる複数の光信号を束ねて送信し、受信側が元の波長ごとに分離された光信号を受信することにより信号の伝送が実行される。
また、周波数帯域をさらに有効利用できる方式として、偏波多重伝送方式の利用も検討されている。偏波多重伝送方式は、光の偏波状態の違いを利用した多重化技術である。この方式は、送信側において、独立した情報信号で変調した2組の光信号を、互いに直交する偏波状態に変換して多重化し、その後、光ファイバに送信することを特徴とする。光信号の偏波状態は、ポアンカレ球面上のある一点として表現することができる。
ところで、光信号の偏波状態は、光ファイバによる伝送中に変化を受けることが知られている。この偏波状態の変化は、ポアンカレ球上でのランダムな変換として表すことができる。なお、伝送中の変化後も、偏波状態の直交性は維持される。この特性を利用し、受信側では、偏波状態の変換処理と偏波の分離処理を実行し、受信した光信号を、送信側で多重化された元の2つの光信号に分離する。このように、偏波多重伝送方式は、波長多重伝送方式と同じ波長幅を用いながら、その2倍の情報の伝送を実現する。
以下、偏波多重伝送方式を実現するための具体的な技術、すなわち送信器における偏波多重技術と受信器における偏波分離技術について説明する。まず、偏波多重光受信器の従来技術の一つである、コヒーレント偏波多重伝送方式について説明する。この種の伝送方式に対応した装置構成を示す文献の一つとして非特許文献1がある。
図1は、デジタルコヒーレント偏波多重伝送システムの従来例である。符号(A)は偏波多重光多値送信器100の構成を示し、符号(B)は偏波ダイバーシティコヒーレント光多値受信器120の構成を示す。
偏波多重光多値送信器100は、送信レーザ光源104から出力される無変調のレーザ光を光分岐器105で2つに分岐し、2つの直交光電界変調器106−1と106−2に入力する。直交光電界変調器(もしくはIQ変調器とも呼ばれる)は、リチウムニオベイトなどの基板上に並列に配置された2組のMZ型変調器から構成される。高速変調された電圧信号をMZ変調器の変調信号入力端子に印加することにより、その出力端子から出力される出力光の光電界の同相成分(I成分、ないしは実部)と直交成分(Q成分ないしは、虚部)を独立に変調することができる。
伝送される入力情報信号101−1、101−2は、それぞれ多値符号化回路102−1と102−2によって多値信号(たとえば16QAMなど)に符号化される。多値信号の同相成分と直交成分は、高速動作するD/A変換器103−1〜103−4によりアナログ電気波形に変換され、その後、2つの直交光電界変調器106−1と106−2の同相・直交変調端子に入力される。
この結果、各直交光電界変調器106−1、106−2の出力光は、それぞれ二次元複素平面上で変調された独立の多値変調光になる。これらは、それぞれ互いに偏波状態が直交するように変換され、S偏波の光変調信号108、P偏波の光変調信号109として偏波合成回路107に入力され、偏波多重光多値信号111として、出力光ファイバ110から出力される。
図2は、光多値変調による信号点の配置と偏波多重伝送の説明図である。符号(A)は、光多値変調による信号点の配置例として、16値直交振幅変調(16QAM)による信号点の配置を表している。16QAMでは、信号点が格子状に配置され、1シンボルにより4ビットの情報を伝送することができる。図示した例では、Q軸の座標で上位2ビット(10xx、11xx、01xx、00xx)の値、I軸の座標で下位2ビット(xx10、xx11、xx01、xx00)の値が表現されている。
このような多値信号は、図1の同相成分変調信号の入力端子と直交成分変調信号の入力端子のそれぞれに多値電気信号(本例では4値)を入力し、同相成分と直交成分の電界座標(i(t),q(t))を指定することにより生成することができる。このとき、直交光電界変調器106−1、106−2から出力されるX偏波の光変調信号の光電界は、(i(t)+jq(t))exp(jωt)と書き表される。ここで、ωは送信レーザ光源104の光角周波数、jは虚数単位である。なお、複雑な光電界信号を生成する際には、複素電界信号の実部i(t)、及び虚部q(t)の電圧信号を超高速のDA変換器を用いて生成し、これらを同相成分変調信号の入力端子と直交成分変調信号の入力端子に印加する場合もある。
図2の符号(B)は、偏波多重の概念を表している。光波は電磁波の一種である。従って、光波には、その進行方向に対する電界の振動方向により、2つの独立した直交偏波状態(例えば水平偏波と垂直偏波)が存在する。このため、2つの光電界成分(図では、S偏波成分とP偏波成分)を別々の情報信号で変調し、多重化して伝送することが可能である。
図1の説明に戻る。前述した偏波多重光多値送信器100から出力された偏波多重光多値信号111は、例えば数10〜数1000kmの光ファイバを通じて伝送される。この際、偏波多重光多値信号111は、光ファイバの波長分散等による伝送劣化を受け、偏波ダイバーシティコヒーレント光多値受信器120(図1の符号(B))により受信される。ここで、コヒーレント受信とは、光信号の電界成分の検出基準として、受信器内部に配置された局部発振レーザ光源124の出力光を用いる方式をいう。
入力光ファイバ122から入力された受信偏波多重光多値信号121は、光増幅器123などで適宜増幅された後、偏波分離光90度ハイブリッド回路125に入力される。偏波分離光90度ハイブリッド回路125は、入力した信号を、X偏波成分(同相・直交成分)とY偏波成分(同相・直交成分)の4組の光信号に分離し、それぞれ4台のバランス型光受信器126−1〜126−4に出力する。
なお、受信器内に配置された局部発振レーザ光源124の光周波数は、受信偏波多重光多値信号121とほぼ同一に設定されており、その出力光は、偏波分離光90度ハイブリッド回路125のもう一方の入力ポートに接続される。局部発振レーザ光源124の出力光も、偏波分離光90度ハイブリッド回路125を通じて、バランス型光受信器126−1〜4に分配される。
バランス型光受信器126−1〜4のそれぞれでは、入力された信号光と局部発振光とが干渉し、干渉により得られた光が電気信号に変換される。この電気信号は、A/D変換器127−1〜4でサンプリングされてデジタル信号に変換され、デジタル信号処理部に出力される。
デジタル信号処理部では、まず、半固定波長分散補償回路128において、光ファイバ伝送路で重畳された波長分散の逆関数に相当する成分が印加される。これにより、光ファイバ伝送路での波形劣化が補償される。劣化補償後の信号は、偏波分離回路129に与えられる。偏波分離回路129は、伝送中の直交偏波成分を検出して偏波変換し、送信側の元のS偏波成分およびP偏波成分を分離抽出する。S偏波成分はサンプリング回路130−1に、P偏波成分はサンプリング回路130−2に出力される。サンプリング回路130−1、130−2では、波形の中心時刻のデータが抽出される。次に、周波数・位相推定回路131−1、131−2では、IFオフセット周波数成分や位相揺らぎ成分が除去される。その後、多値信号判定回路132−1、132−2において、多値信号の判定・復号処理が実行され、出力情報信号133−1、133−2が得られる。
なお、一般には、受信器(トランスポンダ)の後段に、フレーマ・誤り訂正回路が配置される。フレーマ・誤り訂正回路は、受信信号を解析してデータフレームの先頭を発見し、送信前に予め付与した誤り訂正情報を利用した誤り訂正処理、ヘッダ中の情報を読み出してのチャネルや監視情報の処理などを行う。
以下では、前述した偏波多重伝送方式以外の光信号の偏波を利用する変調方式について説明する。ここでは、光信号の複数の偏波状態を情報伝送に利用する偏波多値変調方式と呼ばれる伝送方式について説明する。偏波多値変調方式は、例えば非特許文献2に記載されている。
以下、図3に示すポアンカレ球に基づいて、偏波多値変調方式の原理を説明する。ポアンカレ球は、符号(A)に示すように、通常は、半径を規格化(例えば「1」)した球であり、通常(偏光度の十分高い)の光信号は、その偏波状態を球面上の一点として表現することができる。ポアンカレ球の3軸をS1、S2、S3とし、符号(A)のように、信号点(白丸)の経度・緯度を測定すると、経度が偏光面の傾き具合を表すパラメータとなり、緯度が楕円率を表すパラメータとなる。
ポアンカレ球上の各位置は、符号(B)のように、実際の偏波状態に対応している。例えばS1軸と球面との交点は、正側がTE偏波(例えばS偏波)を示し、負側がTM偏波(P偏波)を示している。また、赤道上(S3=0)には、傾斜の異なる直線偏波が順に並んでいる。北極点と南極点には、それぞれ左回り・右回りの円偏波が配置されており、これら以外の球面上のほとんどは任意の傾斜・任意の楕円度の偏波状態を表している。なお、球面の中心を挟んで互いに反対位置にある球面上の2点は、互いに直交する偏波を表している。
非特許文献2で取り扱う多値偏波変調方式は、ポアンカレ球上に設定された複数の偏波状態のうち一つの偏波状態を選択的に伝送する多値変調である。例えば符号(C)は、12値偏波変調(12PolSK)の場合の偏波状態(信号点)の配置例を表している。なお、12個の信号点は、符号(C)に示すように、信号点間隔が広く、かつ、均一に近くなるように配置する。ポアンカレ球上の各信号点は、光電界の振幅と位相を任意に変調することで生成することができ、偏波多値変調と従来の多値変調を組み合わせて用いることが可能である。
図4は、デジタルコヒーレント技術を用いた従来の偏波多値伝送システムの構成図である。符号(A)は、偏波多値光送信器140の構成を示し、符号(B)は、偏波多値コヒーレント光受信器143の構成を示す。
偏波多値光送信器140は、入力情報信号101を一括して偏波多値符号器(POLENC)141に入力し、所望の偏波状態・電界状態に符号化する。ここでの符号化により、任意の振幅・位相を有するS偏波成分の光変調信号108と、同じく任意の振幅・位相を有するP偏波成分の光変調信号109が生成される。偏波合成回路107は、これら2つの光変調信号108及び109をコヒーレントに合成することにより、任意の偏波多値・光多値信号142を生成する。
図4の(A)に示す偏波多値光送信器140の装置構成は、図1に示す偏波多重光多値送信器100とほとんど同じであるが、S偏波の光変調信号108とP偏波の光変調信号109をコヒーレントに加算する必要性から、両経路長や変調タイミングを高精度に作成する必要がある等の点で異なっており、その装置構成はやや複雑になっている。
図4の(B)に示す偏波多値コヒーレント光受信器143の装置構成も、図1に示す偏波ダイバーシティコヒーレント光多値受信器120と類似する。相違点の一つは、偏波分離回路129(図1)が、偏波状態推定回路144(図4)に置換されている点である。現在用いられている光伝送装置の内部部品や光ファイバ伝送路には、偏波の主軸を一定方向に保持する機構が無い。このため、受信された偏波多値信号の信号点をポアンカレ球上にマッピングすると、図3の符号(D)に示すように、伝送時の信号点の配置に対して任意の向きに3次元回転を受けた状態になる。符号(D)では、この状態を赤道面(網掛け部分)の任意の回転として表している。このため、偏波多値コヒーレント光受信器143には、元の偏波主軸(図中、点線で示すS1、S2、S3)の向きを推定する機構としての偏波状態推定回路144が設けられている。また、多値信号判定回路132−1、132−2(図1)が、偏波多値復号器145(図4)に置換されている点でも異なっている。偏波多値復号器145は、受信した信号点の偏波状態や振幅・位相に基づいて情報信号を一括して復元する。
引き続き、偏波状態を利用した伝送方式の他の変調方式について説明する。ここでは、差動偏波変調方式について説明する。差動偏波変調方式は、受信シンボルと直前シンボルとの偏波の変化を利用して情報を伝送する方式である。例えば特許文献1には、例えば2値の情報を伝送する例が記載されている。
図5は、差動偏波変調方式の概念を示す。差動偏波変調方式では、符号(A)に示すように、2つの直交する偏波を交互に切り替えるように送信する。符号(B)は、ポアンカレ球上にその状態遷移をマッピングして示した図である。この方式では、偏波の切り替わり時にデジタル情報の「1」が伝送され、偏波の無変化時にデジタル情報の「0」が伝送される。従って、本方式に対応した受信器は、受信した差動偏波変調光をコヒーレントヘテロダイン検波して受信シンボルを復調し、受信シンボルと直前シンボルとの積又は差を演算して位相又は振幅の変化を検出し、その検出結果に基づいて情報信号を復調する。差動偏波変調方式は、偏波状態を厳密に検出しなくても情報を伝送することができ、さらに、偏波状態が急速に変動するような伝送路でも劣化を受け難くなるなどの利点がある。
さらに、非特許文献3には、多値数を増加した差動偏波多値方式が提示されている。一般に、高次の差動偏波変調では、直前シンボルの偏波状態S(n-1)のみから、受信シンボル偏波状態S(n)への偏波状態の変化を求めるのは不定性が残る。その理由は、S(n-1)からS(n)に移動する際におけるポアンカレ球の回転が一意に決まらないためである。そこで、非特許文献3に記載の方式は、さらに過去2シンボル前の偏波状態S(n-2)を併せて利用する。この方式では、連続する2つのシンボル間では、同一の偏波又は互いに直交する偏波を伝送しないというルールを定めている。この方式に対応した受信器で用いる2つの判定変数d1(n)とd2(n)は、非特許文献3中の式(8)において以下のように定義される。
d1(n)=S(n)S(n-2) / (|S(n)||S(n-2)|) …(式1)
d2(n)=S(n)S(n-1) x S(n-2)) / (|S(n)||S(n-1) x S(n-2)|) …(式2)
ここで、d1(n)はS(n)とS(n-2)の正規化内積であり、d2(n)はS(n-1)とS(n-2)の外積ベクトルとS1の正規化内積である。
図6に、多値の差動偏波変調の原理を示す。符号(A)は、時間的に連続して受信された3つのシンボルS(n-2)、S(n-1)、S(n)の位置関係を示している。式1で与えられるd1は、符号(B)に示すように、原点とS(n-2)を通るD1軸に沿って測定した受信シンボルS(n)の座標値である。本例の場合、S(n)は、d1=0の面上にある。このため、d1=0となる。
一方、式2で与えられるd2は、符号(C)に示すように、D2軸(外積ベクトルS(n-1)×S(n-2)と平行、すなわちS(n-1)とS(n-2)の両方に直交する軸)に沿って測定した正規化内積である。本例の場合、S(n)はちょうどD2軸上にあるので、d2=1となる。
図6に示すように、D1軸とD2軸は、ともに球面の原点を通る互いに平行でない軸である。従って、受信シンボルの位置S(n)は、座標(d1,d2)で一意に定めることができる。前述したように、d1軸とd2軸は、過去の2シンボルの位置から定められており、(d1,d2)が過去2シンボル前の位置を基準とした差動復調結果となることが確認できる。このような多値の差動変調は、特に、偏波多値伝送において、伝送効率向上のために信号点の数を増加する場合に有用である。
通常、偏波多値変調方式では、信号点数が増加した場合(2次元のポアンカレ球面上に多数の信号点を密に配置した場合)、ポアンカレ球がごくわずかに傾いても(偏波主軸がわずかに回転しても)、正しい信号点の判定が不能となる。また、偏波多値変調方式では、信号点数が増加すると、受信後の主軸の検出や主軸の変化のトラッキングが非常に難しくなる。特に、SNの劣化が大きい場合や伝送路の偏波状態に急激な変動が生じた場合には、偏波主軸の検出やトラッキングエラーが生じ、受信が不能となる。
これに対し、前述した差動多値偏波変調方式の場合には、連続して受信された2シンボル間の偏波の差等に基づいてシンボル判定を行うため、精密かつ高速な偏波トラッキングが不要となり、高速な偏波変動に対する耐力が向上する。
米国特許第4831663号明細書
P. J. Winzer, "Spectrally Efficient Long-Haul Optical Networking Using 112-Gb/s Polarization-Multiplexed 16-QAM," JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY, VOL. 28, NO. 4, FEBRUARY 15, 2010, pp.547-556 S. Benedetto, "Multilevel polarization modulation using a specifically designed LiNbO3 device," IEEE Photonics Technology Letters, Vol. 6, Issue 8, pp.949-951 J. Blaikie, etc., "Multilevel Differential Polarization Shift Keying", IEEE TRANSACTIONS ON COMMUNICATIONS, VOL. 45, NO. 1, JANUARY 1997
しかしながら、既存の差動偏波変調方式には、以下に示す問題がある。
問題点の1つは、雑音の増加による受信感度の劣化である。差動偏波変調では、直前に受信した過去のシンボルの偏波状態を基準点に用い、同基準点に対する偏波状態の変化量に基づいて情報を伝送している。
ところが、長距離光ファイバ伝送では、伝送路の途中に配置された光増幅器の雑音などの影響により信号光の光SNRが低下した場合、基準点となる過去のシンボルの偏波状態S(n-1)、S(n-2)と測定対象となる現在の受信シンボルS(n)のそれぞれに対し、偏波状態の揺らぎが独立に重畳する。このように、雑音がある場合の影響を、図5の符号(C)に示す。符号(C)は、2値の差動偏波変調における雑音の影響を示している。図中、S0(n)、S0(n-1)は、理想的な信号点の位置を示している。また、雑音の影響により信号点の偏波状態が揺らぐ範囲を、理想的な信号点を中心とする小円(網掛けで示す)で表している。
例えば信号点S(n)、S(n-1)の偏波状態が、雑音の影響により、S(n)、S(n-1)のように互いに近づく方向に揺らいだ場合を考える。このような場合、両者の偏波状態の変化は、雑音量の2倍短くなったように観測される。この結果、光SNR感度は3dB近く劣化する。この場合、伝送可能距離は、通常の2値偏波変調の場合に比べ、およそ半分に低減すると予測される。
また、図6の符号(D)は光雑音が無い場合、符号(E)は光雑音が有る場合の差動多値偏波変調の例を示している。雑音の影響が無い場合、S0(n-2)、S0(n-1)、S(n)で与えられる受信シンボルは、符号(D)に示すように、まず赤道に沿って90度球面上を移動し、次に経線に沿って90度球面上を移動する。
これに対し、雑音の影響が有る場合、符号(E)に示すように、遷移の形状が大きく変化する。符号(E)の例の場合、その移動軌跡は、一本の曲線に近くなっている。実際、非特許文献3においても、2値差動偏波変調の理論感度は、2値の偏波変調に比べ、SNR感度が2.4dB劣化し、6値差動偏波変調の理論感度は、2値の偏波変調に比べ、SNR感度が5.4dB劣化することが報告されている。
別の問題点は、差動多値偏波変調に伴う信号点の位置又は信号点の数により、判定変数の式や識別値が変化がする点である。非特許文献3では、偏波面の変化を検出するために、新たにd1、d2という判定変数を導入しているが、信号点の数や配置に応じて適切な判定変数を個別に探索することは非常に手間がかかる。しかも、判定変数が適切に取れなかった場合、受信感度などの性能が大きく劣化してしまう可能性がある。また、判定変数の数や式は、直前の信号点S(n-1)、S(n)の位置関係によっても変化する可能性があり、実際の受信器に実装する際には、余分な演算・判定回路を用意する必要がある。さらに、直前のシンボルに判定誤差があると、それ以降のシンボルの判定に利用する判定式・回路を間違えてしまい、誤りの連続を引き起こす可能性もある。
本明細書は、上記課題を解決する発明を複数含んでいる。その一例は、「一定のシンボル時間ごとに複数の偏波状態を切り替える偏波多値信号光を光伝送路から入力し、シンボル時間ごとに、受信偏波状態の変化に対応する判定変数を算出して伝送情報を復号する偏波多値受信器を有する偏波多値信号光受信装置」である。
ここで、偏波多値受信器は、「受信シンボルをR、変化の基準に使用する少なくとも1つの過去のシンボルをAとするとき、シンボルAよりさらに過去に受信した少なくとも1つの偏波多値シンボルの偏波状態、過去の判定変数の値、および判定結果を利用してシンボルAの状態を推定する少なくとも1つの推定シンボルA1〜ANを生成し、これら推定シンボルA1〜ANとシンボルAを平均化して参照シンボルArを算出し、算出された参照シンボルArをシンボルAの代わりに使用して受信シンボルRの偏波状態変化に対応する判定変数を算出する」ことを特徴とする。
本発明によれば、偏波多値信号光の受信に際して発生するSNR感度の劣化を軽減することができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
デジタルコヒーレント偏波多重伝送システムの構成を示す図(従来技術)。 光ファイバ通信に適用可能な光多値変調と偏波多重を説明する図(従来技術)。 ポアンカレ球による光信号の偏波状態と偏波多値変調を説明する図(従来技術)。 デジタルコヒーレント偏波多値伝送システムの構成を示す図(従来技術)。 2値の差動偏波変調の原理を説明する図(従来技術)。 多値の差動偏波変調の原理を説明する図(従来技術)。 第1実施例に係るデジタルコヒーレント差動偏波多値光受信装置の構成を示す図。 第1実施例による偏波状態の推測原理を説明する図。 第2実施例に係る多シンボル偏波推定回路152の構成を示す図。 第3実施例に係る多シンボル偏波推定回路152の構成を示す図。 第4実施例に係る差動偏波多値光送信器180の構成を示す図。 第4実施例に係る送信器で使用する差動偏波予符号化回路181の構成を示す図。 第4実施例に係る差動偏波符号化・差動偏波復号化の動作を説明する図。 第4実施例に係る受信器で使用する偏波差分抽出回路190の構成を示す図。
以下、図面に基づいて、本発明の実施例を説明する。なお、本発明は、後述する実施例に限定されるものではなく、その技術思想の範囲において、種々の変形が可能である。
[実施例1]
図7は、実施例1に係るデジタルコヒーレント差動偏波多値光受信器150の構成を示す。デジタルコヒーレント差動偏波多値光受信器150には、入力光ファイバ122から差動偏波多値信号151が入力される。デジタルコヒーレント差動偏波多値光受信器150は、従来の差動偏波多値受信器とほぼ同様の構成を有している。
すなわち、デジタルコヒーレント差動偏波多値光受信器150は、入力光ファイバ122に接続された光増幅器123、局部発振レーザ光源124、偏波分離光90度ハイブリッド回路125、バランス型光受信器126−1〜126−4、AD変換器127−1〜4、半固定波長分散補償回路128、偏波分離回路129、サンプリング回路130−1、130−2、周波数・位相推定回路131−1、131−2、多シンボル偏波推定回路152、多値判定回路153で構成される。
実施例に係る受信器が従来例と異なる点は、多値判定回路153の直前に多シンボル偏波推定回路152を挿入する点である。多シンボル偏波推定回路152は、過去数シンボルの判定変数の値と判定結果の使用により、過去数シンボルの偏波状態に含まれる雑音成分を平均化して消去するように機能する。この回路の追加により、本実施例に係る受信器では、従来例に比して、より高精度な新しい判定変数を求めることを可能とする。
以下では、デジタルコヒーレント差動偏波多値光受信器150に対し、差動偏波多値変調方式に準拠する光信号が入力光ファイバ122を介して入力される場合について説明する。
本実施例に係る多シンボル偏波推定回路152は、雑音を低減した判定変数d1r(n)、d2r(n)を算出する。判定変数d1r(n)、d2r(n)は、以下の式3、式4として与えられる。
d1r(n)=S(n)・Sr(n-2) / |S(n)| …(式3)
d2r(n)=S(n)・Sr(n-1) x Sr(n-2) / |S(n)| …(式4)
本実施例の判定変数d1r(n)、d2r(n)は、従来の判定変数d1(n)、d2(n)に対応する。本実施例の判定変数d1r(n)、d2r(n)は、その計算に、平均化シンボル位置Sr(n-1)、Sr(n-2)を使用する点で従来方式と異なっている。
本実施例で提案する平均化シンボル位置Sr(n-1)、Sr(n-2)は、過去のシンボル位置S(n-1)、S(n-2)に含まれる雑音を低減したものである。以下の説明では、各平均化シンボル位置Sr(n)は、その振幅が「1」に規格化されているものとする。
また、従来方式では、1シンボル前の受信シンボルS(n-1)として、過去に検出された受信偏波状態を直接利用していたが、多シンボル偏波推定回路152は、さらに過去の判定結果を利用して1シンボル前の受信シンボルS(n-1)を推測し、推定結果を平均化シンボル位置の算出に使用する。
以下、D1(n)とD2(n)を、それぞれ、判定変数d1r(n)、d2r(n)を識別判定した結果(判定結果)とする。過去の判定結果D1(n-1)、D2(n-1)は、さらに過去のシンボル位置S(n-2)とS(n-3)を基準に用い、S(n-1)に至る偏波状態の変化を推定した結果であるためである。すると、S(n-1)は、d1軸(S(n-3)軸)上で座標D1(n-1)に存在し、かつ、d2軸(S(n-2) x S(n-3)軸)上で座標D2(n-1)に存在すると推定できる。
この場合、S(n-2)とS(n-3)を用いて推測したS(n-1)の位置S(n-1)r_1を、以下の式5によって求めることができる。
S(n-1)r_1 =Unit(D1(n-1)*S(n-3) + D2(n-1)*S(n-3) x S(n-2) ) …(式5)
ここで、Unit()は振幅を「1」に規格化する関数であり、「_1」は過去に一つ遡ったシンボル位置から推測した偏波状態を示すものとする。同様に、S(n-2)、Sr(n-3)、... Sr(n-i)も、以下のように順次定義する。
S(n-2)r_1 =Unit(D1(n-2)*S(n-4) + D2(n-2)*Sr(n-4) x S(n-3)) …(式6)
S(n-3)r_1 =Unit(D1(n-3)*S(n-5) + D2(n-3)*Sr(n-5) x S(n-4)) …(式7)

S(n-i)r_1 =Unit(D1(n-i)*S(n-i-2) + D2(n-i)*Sr(n-i-2) x S(n-i-1)) …(式8)
例えば式6のS(n-2)r_1を式5のS(n-2)に代入すると、式5はさらに一つ前の偏波状態S(n-3)とS(n-4)を用いてS(n-1)を推定する次式を得ることができる。
S(n-1)r_2 = Unit(D1(n-1)*S(n-3) + D2(n-1)*Sr(n-4) x S(n-1)r_1) …(式9)
さらに、式9に式7〜式8をiをひとつずつ増しながら順次代入し、S(n-i)をS(n-i)r_1)で置き換えていくと、S(n-1)の多数の推測値S(n-1)r_1、S(n-1)r_2、... S(n-1)r_kを得ることができる。
これらは、異なる過去の異なる時刻で得られた偏波状態(正しくは連続する2つの時刻i,i-1)を用いて算出されるS(n-1)の推定値である。なお、互いに雑音成分を持つため過去k個まで遡ってこれらの位置を平均化し、式10に示すように、雑音を低減した偏波状態Sr(n-1)を得る。
Sr(n-1) =Unit( S(n-1) + S(n-1)r_1 +S(n-1)r_2 + ... S(n-1)r_k) …(式10)
同様に、S(n-2)の位置も、式11として推定することができる。
Sr(n-2) =Unit( S(n-2) + S(n-2)r_1 +S(n-2)r_2 + ... S(n-2)r_k) …(式11)
もっとも、実際には、式10と式11は、観測時刻が1シンボルずれているだけである。従って、式10の算出結果を1シンボル分時間遅延したものをSr(n-2)とすればよい。このようにして得られたSr(n-1)とSr(n-2)を、式3、式4に代入したd1r(n),d2r(n)が本実施例による新しい判定変数となる。
図8は、本実施例による偏波状態の推測の様子を、ポアンカレ球を用いて表したものである。図8では、式10と式11で推測されたSr(n-1)とSr(n-2)(図中のグレーの2点)の様子を示している。
例えばSr(n-1)は、実際に受信された偏波状態S(n-1)に加え、過去の受信偏波状態から推測したS(n-1)r_1、S(n-1)r_2などを平均化したものであり、より真の信号点位置(図6の符号(D)に示すS0(n-1))に近づいている。このため、受信偏波状態S(n)、S(n-1)、S(n-2)をそのまま用いた場合よりも雑音を低減し、高精度な信号判定が可能となる。
なお、図7に示すデジタルコヒーレント差動偏波多値光受信器150は、偏波分離回路129において、送信側の偏波状態を一旦復元する構成を採用している。しかし、原理的には、差動偏波変調は偏波の変化のみを抽出するため、必ずしも偏波分離回路129を受信器内に有する必要はない。
しかし、従来のデジタルコヒーレント受信器では、偏波分離回路129は、CMA(constant Modulous Alogorithm)などの簡易なアルゴリズムに基づく汎用的な適応バタフライ型FIR(Finite Impulse Response)フィルタで実現されているのが普通であり、偏波分離と同時に伝送路の残留波長分散・偏波分散などの線形劣化の等化にも利用されている。
そこで、本実施例では、図7に示すように、偏波分離回路129をデジタルコヒーレント差動偏波多値光受信器150に搭載し、これらの劣化の補償を実現している。もっとも、偏波分離回路129である必要は無く、何らかの伝送劣化の適応等化回路を搭載していれば良い。
また、図7では、受信信号をデジタルコヒーレント受信して偏波状態を検出する受信器の構成を示しているが、偏波状態を検出する機能を有していれば、他の動作原理に基づく光受信器を用いても構わない。例えば、受信信号を3つに分離し、それぞれをS1、S2、S3の3つのストークスパラメータを検出する機能を有する直接検波受信器に入力するストークスパラメータ検出器を受信器として用いることも可能である。このようなストークスパラメータ検出器は、光信号の偏波状態を検出するポラリメータとして光測定分野で広く用いられている。
[実施例2]
図9は、多シンボル偏波推定回路152の構成例を示す図である。多シンボル偏波推定回路152には、受信された偏波状態S(n)が偏波状態入力160として入力される。偏波状態S(n)は、シンボル遅延回路161−1、161−2、…161−kで逐次遅延される。各シンボル遅延回路161−1、161−2、…161−kは、各入力シンボルと出力シンボルを、それぞれ対応する偏波状態推定回路163−1〜163−kに出力する。例えば偏波状態推定回路163−1、163−2には、式8、式9に対応する演算回路が実装されており、過去の2つの偏波状態と判定結果D1、D2から時刻n-1の偏波状態の推定値S(n-1)r_iを得る。これらは、式10として説明したように、S(n-1)の正規化結果と一緒に偏波状態平均化回路164で加算された後、正規化回路162−1で振幅が一定値なるように調整され、参照シンボルSr(n-1)となる。
遅延回路167−2、内積回路166−1、166−2、外積回路165は、参照シンボルSr(n-1)と正規化受信シンボルS(n)/|S(n)|から、式3、式4に従って、判定変数d1r(n)とd2r(n)を求める回路である。
判定回路168−1と168−2は、それぞれ判定変数d1r(n)とd2r(n)を判定し、差動偏波復調の判定結果D1(n)とD2(n)を出力する回路である。
なお、過去の偏波状態の利用数は、本例ではk個としているが、kの範囲は1以上であれば幾つでも構わない。統計的には、kは、3〜20の範囲で十分な感度改善量が得られる。本構成図に示すように、多シンボル偏波推定回路152は、デジタルベクトル演算を用いて比較的簡単に実装することができる。
[実施例3]
図10は、多シンボル偏波推定回路152の他の構成例を示している。図10には、図9との対応部分に同一符号を付して示す。本実施例と実施例2との違いは、推定した偏波状態を平均化する際に重み付けを行う重み付け回路172と、最適重み算出回路170の有無である。
一般に、過去の情報を利用して推定した偏波状態ほど誤差が大きくなる。このため、偏波状態推定回路163−1、163−2〜163−kの出力偏波状態を同じ比率で足すのは最適ではなく、新しいデータほど大きな重みを付けて加算することにより、偏波状態を高品質で推定することができる。
本実施例における最適重み算出回路170は、判定変数d1、d2、その判定結果D1D2、受信偏波状態S(n)などを入力とし、判定誤差が最小となるように、重み付け信号171を出力し、重み付け回路172の重み変数w1〜wkを最適化する。このような最適化のアルゴリズムとしては、通信分野でデジタルフィルタの最適化に広く用いられるLMS(最小平均二乗誤差)などが利用可能である。
なお、本例では適応的に最適重み付けを行う例を示したが、重みw1〜wkは固定値に設定したり、手動で調整するような構成としても構わない。また、本実施構成では適宜正規化回路を挿入して振幅値を一定に保っているが、演算結果が等化であれば適宜省略しても構わない。
また、受信偏波多値信号S(n)が振幅変調成分を持つ場合、この振幅の大きさが、S(n-1)、偏波状態の推測値S(n-1)r_1、S(n-1)r_2、....S(n-1)r_kに反映されるような構成としても構わない。このようにすると、重み付け加算時に振幅の大きな過去のシンボルを利用して推定した推測値ほど、大きな振幅で加算されるようになる。この結果、雑音の少ない振幅の大きなシンボルを優先して推測を行うため、雑音がさらに低減できる。
[実施例4]
ここでは、前述したデジタルコヒーレント差動偏波多値光受信器150と対で使用される差動偏波多値光送信器の一例について説明する。
図11は、本実施例に係る差動偏波多値光送信器180の構成を示す図である。図11には、図4との対応部分に同一符号を付して示している。
差動偏波多値光送信器180は、偏波多値符号器(POLENC)141、差動偏波予符号化回路181、D/A変換器103−1〜4、送信レーザ光源104、光分岐器105、直交光電界変調器106−1〜2、偏波合成回路107で構成される。本実施例の場合、偏波多値符号器141の直後に、差動偏波予符号化回路181を設ける点を特徴とする。もっとも、デジタルコヒーレント差動偏波多値光受信器150と対で使用される差動偏波多値光送信器は、図11に示す構成に限らない。
図12は、差動偏波予符号化回路181の構成図である。差動偏波予符号化回路181には、偏波多値符号器141により生成された偏波多値信号182が、1シンボルごとに順次入力される。ここで、S(n)は、シンボル番号nの偏波多値信号182を意味する。偏波多値信号182は、デジタル値で表現された偏波状態に対応した多次元量である。任意の偏波状態、すなわちポアンカレ球上の一点と対応付けることができれば、どのような表示形式でもよく、例えば3次元ストークスベクタ、複素ジョーンズベクタ、ポアンカレ球上での経度と緯度のペアなどで表示可能である。
S(n)は、回転行列変換回路185に入力され、ポアンカレ球上の各偏波状態に1:1で対応付けられたR(n)、すなわち偏波回転行列183として出力される。偏波回転行列183は、ポアンカレ球面上の剛体回転変換を表す変換行列であり、例えばS(n)の表記にストークスベクタを用いた場合、S(n)は3要素の列ベクタ、R(n)は3x3要素のストークス行列となる。
偏波回転行列183(R(n))は、偏波回転演算回路186に入力される。偏波回転演算回路186は、偏波回転行列183(R(n))に、別の端子から入力された偏波状態T(n−1)を乗算し、T(n)(=R(n)T(n−1))を偏波予符号化信号184として出力する。
同時に、T(n)は、1シンボル遅延回路187で1シンボル分時間遅延され、1シンボル前のT(n−1)として、再び偏波回転演算回路186の入力端子に戻される。これにより、出力信号T(n)には、偏波回転行列R(n)が逐次累積的に印加したものとなる。
以下、送信器に本実施例に係る差動偏波多値光送信器180を使用し、受信器にデジタルコヒーレント差動偏波多値光受信器150を使用する伝送システムにおいて実行される、差動偏波符号化と差動偏波復号化について説明する。
図13の符号(A)は、回転行列変換回路185の動作の一例を示している。符号(A)中の白丸は、回転行列変換回路185に入力されるS(n)の信号点配置である。符号(A)は、ポアンカレ球上に8個の信号点がほぼ均一に配置された8値の偏波多値変調の例を示している。S(n)は、1シンボルに付き、これらの白丸のいずれかの一点に位置する。
回転行列変換回路185は、S(n)が入力されたとき、例えば図中の黒丸(座標(S1,S2,S3)=(1,0,0)の点)を、S(n)に回転させる偏波回転行列183を出力する。このような回転を実現する偏波回転行列183は1つに限らない。例えば図中に灰色の線で示す大円のように、黒丸とS(n)を通る大円に沿って黒丸をS(n)に最短距離で移動させる回転行列が考えられる。この他、S3を軸とした回転を与える回転行列と、S1を軸とした回転を与える回転行列の合成行列も考えられる。
出力された偏波回転行列183(R(n))は、偏波回転演算回路186に入力される。偏波回転演算回路186は、偏波回転行列183(R(n))に、別の端子から入力された偏波状態T(n−1)を乗算し、T(n)(=R(n)T(n−1))を偏波予符号化信号184として出力する。
同時に、T(n)は、1シンボル遅延回路187で1シンボル分時間遅延され、1シンボル前のT(n−1)として、再び偏波回転演算回路186の入力端子に戻される。これにより、出力信号T(n)には、偏波回転行列R(n)が逐次累積的に印加したものとなる。時点0から時点nまでの偏波回転行列の累積結果は次式で与えられる。
T(n)=R(n)R(n−1)R(n−2)R(n−3)・・・R(1)T(0)
なお、受信側は差動検出するため、初期状態T(0)の値は特に問題とはならない。
図13の符号(B)は、差動偏波予符号化181、ひいては差動偏波多値光送信器180が出力する偏波多値信号の信号点配置の例である。一般に、入力された偏波多値信号182よりも信号点数が増加し、複雑な信号に変換される。
なお、偏波回転行列183の必要条件は、受信器の判定変数の抽出操作を行列演算でQ(n)と表記したとき、RとQが等しいことである。このような条件であれば、受信側での差動偏波検出と送信側で偏波予符号化を打ち消すことができる。従って、図13の符号(C)のように、符号(A)と同じ信号点配置を得ることができる。
本実施例のように、送信側に差動偏波予符号化回路181を搭載する場合には、
ここでは、デジタルコヒーレント差動偏波多値光受信器150の多シンボル偏波推定回路152の入力段に搭載して好適な偏波差分抽出回路190について説明する。
偏波差分抽出回路190には、偏波予符号化信号191(T(n))が周波数・位相推定回路131−1〜2から入力される。偏波予符号化信号191は、偏波差分抽出回路190の内部で2つに分岐され、一方は偏波回転検出回路193のy信号として入力される。もう一方は、参照偏波推定回路192に入力される。参照偏波推定回路192は、偏波予符号化信号191を平均化して雑音を低減し、時刻n−1の推定信号Tr(n−1)として出力する。推定信号Tr(n−1)は、偏波回転検出回路193のx信号として入力される。
偏波回転検出回路193は、2つの偏波ベクトルxとyを入力とし、xからyまで大円を通って移動する偏波状態の変化を回転変換行列y/xとして算出し、出力信号とする。ここで、送信側の偏波予符号化回路181の動作により、y=T(n)=R(n)T(n−1)の関係がある。このため、偏波回転検出回路193の出力信号はR(n)となる。
ベクトル変換回路195は、入力された偏波回転変換R(n)に1:1に対応する偏波状態ベクトルrを出力する。ベクトル変換回路195の回転動作が、送信側に配置された回転行列変換回路185の逆変換になるように定義しておけば、出力される偏波多値信号196は、送信側で差動偏波予符号化回路181に入力された元のS(n)と等しくなる。この結果、差動偏波多値信号においても、ほぼ任意の偏波状態を信号点の変化や配置の歪みなく伝送することが可能となる。
なお、差動偏波多値変調信号に求められる条件としては、図13の符号(A)のように、回転行列の基準となる(1,0,0)点の反対側にあたる、(-1,0,0)の点の近傍を避けることが必要となる。これは、(1,0,0)から(-1,0,0)に至る回転行列が不定となるためである。
ここで、偏波多値信号196が図7に示す多シンボル偏波推定回路152に入力される。
[まとめ]
最後に、前述したデジタルコヒーレント差動偏波多値光受信装置150と、差動偏波多値光送信器180が有する処理機能の特徴を説明する。なお、前述したように、デジタルコヒーレント差動偏波多値光受信装置150(図7)は、必ずしも差動偏波多値光送信器180(図11)の存在を前提としない。
デジタルコヒーレント差動偏波多値光受信装置150は、受信シンボルをR、変化の基準として用いる複数過去のシンボル列をA、Bとするとき、当該シンボル列A、Bよりさらに過去に受信した複数の偏波多値シンボルの偏波状態、過去の判定変数の値及び判定結果を利用してシンボルA、Bの状態を推定する複数の推定シンボルA1〜AN、B1〜BNを生成し、これらとシンボルA、Bを平均化して参照シンボルAr、Brを算出し、これらをA、Bの代わりに用いて受信シンボルRの偏波状態変化に対応する判定変数を算出する。これにより、デジタルコヒーレント差動偏波多値光受信装置150は、判定変数の雑音を低減する。
このように、デジタルコヒーレント差動偏波多値光受信装置150では、差動多値偏波変調信号の復調過程において偏波状態の変化の基準として用いる参照シンボルA1、ANに含まれる雑音を、別途生成した推定シンボルA1〜AN、B1〜BNを平均化して低減する。この結果、判定変数への雑音の影響を低減し、高感度化を図ることが可能となる。
ここで、推定シンボルA1〜AN、B1〜BNは、さらに過去に受信した複数の偏波多値シンボルの偏波状態、過去の判定変数の値、および判定結果を逐次組み合わせて生成することが可能であり、これによって各推定シンボルが互いに独立な雑音を持つようになり、平均化によって雑音の低減が可能となる。
また、デジタルコヒーレント差動偏波多値光受信装置150は、シンボルA、Bと、複数の推定シンボルA1〜AN、B1〜BNから、参照シンボルAr、Brを生成する際に重み付け平均を計算することにより、雑音の更なる低減を実現することができる。
平均化に用いる複数の参照シンボルのうち、より過去の受信情報から推定したものは徐々に真の参照シンボルとの相関を失ってくるため、新しいものがより大きな重みを持つように重み付け加算を行うことにより、さらにSN比を改善することができる。この際、最小平均二乗誤差などで出力誤差を最小とするような適応等化フィルタを用いて重みを決定すれば、自動的にSNを最大化することが可能となる。
さらに、デジタルコヒーレント差動偏波多値光受信装置150は、重み付け平均の計算に使用する重みの生成に適応等化フィルタを採用し、SN比を最大とする最適重みを自動的に決定する。
また、デジタルコヒーレント差動偏波多値光受信装置150は、判定変数空間がポアンカレ球面上の位置と等化で、かつ、判定変数空間中の信号点配置が、送信側の元の偏波多値信号の信号点位置と等しくなるように符号化を行うことにより、差動符号化の影響を考慮する必要がなくなり、受信側における判定空間中の判定操作は、通常のポアンカレ球上での偏波多値信号多値判定とまったく等化になるので、判定回路を簡単に実現することが可能となる。
また、判定変数空間中の信号点数は常に元の多値信号の信号点配置や信号点数と同一になるので、元の信号点を最適な感度が得られるように配置しておけば、常に最良な判定結果が得られるようになる。
さらにこのような差動偏波変調は、同じ信号点配置を持つ通常の多値偏波変調に比べて、光ファイバの非線形効果である相互偏波変調効果に強い耐力を持つようになるという利点がある。これは相互偏波変調が生じても、参照シンボルと受信シンボルの双方が同一の偏波回転を受けるため両者の差に基づく判定変数が変化しにくいためである。
一方、差動偏波多値光送信器180は、その内部に、判定変数が構成する判定空間がポアンカレ球面上の位置と等化となるように、かつ、判定変数空間中の信号点配置が、送信側の元の偏波多値信号の信号点位置と等しくなるように符号化する差動偏波予符号化回路181を搭載する。ここでの差動偏波予符号化回路181は、伝送すべきシンボルの偏波状態をポアンカレ球上の偏波回転変換Rとみなし逐次累積加算する回路を有する。なお、差動光偏波多値受信器で抽出する判定変数は回転変換Qと等化な量であり、該偏波回転変換Rが回転変換Qの逆変換で与えられる。
このような符号化としては、具体的には差動偏波符号化回路を偏波回転変換Rとし逐次累積加算する回路とし、また該差動光偏波多値受信器の判定変数抽出操作を回転変換QをRの逆変換と等化なものとすれば、送信側の差動符号化Rが受信側の差動偏波受信器の差動操作Qを打ち消すので多値信号点の位置が変化を抑えることが可能となり、本発明を簡易かつ効果的に実現できるようになる。
また、差動偏波変調信号の振幅・位相又は複素電界を、多値変調又は差動多値変調しても良い。この場合、両者を併用するため、情報伝送量を増加することができ、前述した実施例に比して、さらに大容量かつ高効率、非線形耐力の高い伝送システムを実現することができる。特に差動多値変調を併用した場合、相互位相変調・相互偏波変調をともに抑圧することが可能になり、特に非線形耐力の高い伝送システムを実現できる。
[他の実施例]
なお、本発明は上述した形態例に限定されるものでなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した形態例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある形態例の一部を他の形態例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある形態例の構成に他の形態例の構成を加えることも可能である。また、各形態例の構成の一部について、他の構成を追加、削除又は置換することも可能である。
また、上述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路その他のハードウェアとして実現しても良い。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することにより実現しても良い。すなわち、ソフトウェアとして実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、ICカード、SDカード、DVD等の記憶媒体に格納することができる。
また、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示すものであり、製品上必要な全ての制御線や情報線を表すものでない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。
101:入力情報信号、103−1〜4:D/A変換器、104:送信レーザ光源、105:光分岐器、106−1〜2:直交光電界変調器、107:偏波合成回路、108:S偏波の多値変調光、109:P偏波の多値変調光、110:出力光ファイバ、122:入力光ファイバ、123:光アンプ、124:局部発振レーザ光源、125:偏波分離光90度ハイブリッド回路、126:バランス型光受信器、127:A/D変換器、128:半固定波長分散補償回路、129:偏波分離回路、130:サンプリング回路、131:周波数・位相推定回路、132:多値信号判定回路、133:出力情報信号、140:偏波多値光送信器、141:偏波多値符号器、142:偏波多値・光多値信号、143:偏波多値コヒーレント光受信器、144:偏波状態推定回路、145:偏波多値復号器、150:デジタルコヒーレント差動偏波多値光受信器、151:差動偏波多値信号、152:多シンボル偏波推定回路、153:多値判定回路、160:偏波状態入力、161:1シンボル遅延回路、162:正規化回路、163:偏波状態推定回路、164:偏波状態平均化回路、165:外積演算回路、166:内積演算回路、168:判定回路、169:判定変数出力、170:最適重み算出回路、171:重み付け信号、172:重み付け回路、180:差動偏波多値光送信器、181:差動偏波予符号化回路、182:偏波多値信号、183:偏波回転行列、184:偏波予符号化信号、185:回転行列変換回路、186:偏波回転演算回路、187:1シンボル遅延回路、190:偏波差分抽出回路、191:偏波予符号化信号、192:参照偏波推定回路、193:偏波回転検出回路、194:偏波回転行列、195:ベクトル変換回路、196:偏波多値信号

Claims (11)

  1. 一定のシンボル時間ごとに複数の偏波状態を切り替える偏波多値信号光を光伝送路から入力し、シンボル時間ごとに、受信偏波状態の変化に対応する判定変数を算出して伝送情報を復号する偏波多値受信器を有し、
    前記偏波多値受信器は、受信シンボルをR、変化の基準に使用する少なくとも1つの過去のシンボルをAとするとき、シンボルAよりさらに過去に受信した少なくとも1つの偏波多値シンボルの偏波状態、過去の判定変数の値、および判定結果を利用してシンボルAの状態を推定する少なくとも1つの推定シンボルA1〜ANを生成し、これら推定シンボルA1〜ANとシンボルAを平均化して参照シンボルArを算出し、算出された参照シンボルArをシンボルAの代わりに使用して受信シンボルRの偏波状態変化に対応する判定変数を算出する
    ことを特徴とする偏波多値信号光受信装置。
  2. 請求項1に記載の偏波多値信号光受信装置において、
    前記偏波多値受信器は、前記シンボルAと少なくとも1つの推定シンボルA1〜ANから参照シンボルArを生成する際に重み付け平均を行う
    ことを特徴とした偏波多値信号光受信装置。
  3. 請求項2に記載の偏波多値信号光受信装置において、
    前記重み付けが適応等化フィルタを用いて実行される
    ことを特徴とした偏波多値信号光受信装置。
  4. 請求項1に記載の偏波多値信号光受信装置において、
    前記偏波多値信号光の振幅・位相又は複素電界が多値変調されている
    ことを特徴とする偏波多値信号光受信装置。
  5. 請求項1に記載の偏波多値信号光受信装置において、
    前記偏波多値信号光の振幅・位相又は複素電界が差動多値変調されている
    ことを特徴とする偏波多値信号光受信装置。
  6. 請求項1に記載の偏波多値信号光受信装置において、
    前記偏波多値受信器は、送信側が伝送すべきシンボルの偏波状態をポアンカレ球上の回転変換Rとみなし逐次累積加算して前記偏波多値信号光を生成する場合に、前記回転変換Rと等価な量の回転変換Qを前記判定変数として抽出する
    ことを特徴とする偏波多値信号光受信装置。
  7. 一定のシンボル時間ごとに複数の偏波状態を切り替える偏波多値信号を符号化する差動偏波予符号化回路であり、前記偏波多値信号に対応する光信号を復号するために受信側がシンボル時間毎に計算する、受信偏波状態の変化に対応する判定変数が構成する判定変数空間が、ポアンカレ球面上の位置と等化となるように、かつ、判定変数空間中の信号点配置が前記偏波多値信号の信号点位置と等しくなるように符号化する差動偏波予符号化回路
    を有する偏波多値信号光送信装置。
  8. 請求項7に記載の偏波多値信号光送信装置において、
    前記差動偏波予符号化回路は、伝送すべきシンボルの偏波状態をポアンカレ球上の回転変換Rとみなし逐次累積加算する回路である
    ことを特徴とする偏波多値信号光送信装置。
  9. 請求項7に記載の偏波多値信号光送信装置において、
    前記偏波多値信号の振幅・位相又は複素電界が多値変調されている
    ことを特徴とする偏波多値信号光送信装置。
  10. 請求項7に記載の偏波多値信号光送信装置において、
    前記偏波多値信号の振幅・位相又は複素電界が差動多値変調されている
    ことを特徴とする偏波多値信号光送信装置。
  11. 一定のシンボル時間ごとに複数の偏波状態を切り替える偏波多値信号光を光伝送路に送信する偏波多値信号光送信装置と、
    前記偏波多値信号光を前記光伝送路から入力し、シンボル時間ごとに受信偏波状態の変化に対応する判定変数を算出して伝送情報を復号する偏波多値受信器を有する偏波多値信号光受信装置であり、前記偏波多値受信器は、受信シンボルをR、変化の基準に使用する少なくとも1つの過去のシンボルをAとするとき、シンボルAよりさらに過去に受信した少なくとも1つの偏波多値シンボルの偏波状態、過去の判定変数の値、および判定結果を利用してシンボルAの状態を推定する少なくとも1つの推定シンボルA1〜ANを生成し、これら推定シンボルA1〜ANとシンボルAを平均化して参照シンボルArを算出し、算出された参照シンボルArをシンボルAの代わりに使用して受信シンボルRの偏波状態変化に対応する判定変数を算出する、偏波多値信号光受信装置と
    を有する偏波多値信号光伝送装置。
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