JP5454944B2 - 真空装置用異常放電抑制装置 - Google Patents

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Description

本発明は、真空異常放電抑制装置に関し、特に、高周波電源を用いて行うプラズマ生成において発生する異常放電を抑制するために、高周波電源の出力を遮断する真空装置用異常放電抑制装置に関し、この異常放電の抑制によって、プラズマを用いた基板の成膜あるいは基板のエッチングにおいて、異常放電による損傷から基板を保護するものである。
半導体デバイス、液晶パネル、ディスク等の製造工程において、これらの基板にプラズマを用いて処理を行う工程がある。このプラズマ処理の工程を行う装置では、高周波電源から高周波電力を供給して処理ガスをプラズマ化し、このプラズマによって基板の表面に成膜あるいはエッチング処理を行っている。この真空装置において、高周波電源と負荷との間に整合器を設け、整合器からプラズマに至るインピーダンスと整合器から高周波電源に至るインピーダンスとを調整することによって、プラズマからの反射波電力を抑制する制御が行われている。
成膜やエッチング等のプラズマを用いた処理では、マグネット部分の配置、カソード表面の状態、絶縁部分の製造方法、ターゲットの品質・製造方法・エッジ部分の形状・エロージョン・表面腐食状態・表面活性化の均一性・温度制御方法、スパッタガスの種類・圧力制御・流し方など、さまざまな要因によって、異常放電が発生する。
異常放電は、はじめに少数派アークが発生し、次に少数派アーク部分の昇温のためにエネルギーが集中し、大部分の異常放電(多数派アーク)へと移行する。この多数派アークが発生すると、高エネルギー電子の移動、ターゲット表面温度の上昇、ガス圧の異常分布などが正帰還することによって、ターゲット材料の蒸発が起こり、局所的プラズマ密度の上昇が起こり、レーストラックアークと呼ばれるような大きなアークの引き金となる。少数派アーク、多数派アーク及びレーストラックアークによって、ターゲットが物理的に破壊されるという影響の他に、破片によって成膜中のメモリーや光学的表面にピンホールが発生する等の影響がある。
破壊によってターゲット上に小さな酸化部分が発生すると、その部分の電子密度が高まり、プラズマ自身の蓄積エネルギーと高周波電源や直流電源より供給されるエネルギーの吸収によって、酸化部分の付近のインピーダンスが急激に低くなり、その吸収されたエネルギーが熱に変換する。この熱がターゲットの材料を蒸発させて部分的な圧力を上げたり電子密度を高めたりする。そのため、上記のような大きな異常放電が起きた場合には、ターゲットやサンプル付近の熱を逃がし、ガスを発散させた後に、電源を再投入するという必要がある。(特許文献1参照)
また、基板処理に影響を与える要因の一つとしてプラズマ中の電子密度がある。プラズマ状態は高周波電力や真空室内の圧力等によって変化するため、整合器でインピーダンスを調整した場合であっても、プラズマ状態によっては、プラズマで反射して高周波電源に戻る反射波が増加する。このプラズマ中の電子密度を反射係数の検出で監視するものが提案されている。(特許文献2参照)
また、アーク等の異常放電の発生によって、ガラス基板やシリコンウェハなどにダメージを与える場合がある。高周波発生装置において、プラズマ発生室でアークが発生した場合に、反射波電力の検出によってアークの発生を検出し、検出信号を受けた制御回路によって高周波発生装置の出力を低下あるいは一時的(数十msec)に停止させることで、アークを消弧することが行われている。(例えば、特許文献3参照)
また、成膜電極に発生する瞬間的な異常放電を抑制するために、異常放電の発生を抑えるアークカット機能と呼ばれる動作機能を備えたプラズマCVD装置が提案されている。このアークカット機能は、マッチングボックス内の電流等によって、瞬間的な異常放電の発生する前兆を検出し、短時間だけ高周波電力の印加を停止、あるいは印加電力を低下させるものである。(特許文献4参照)
また、この特許文献3では、アークカット動作の動作回数をカウントし、成膜処理中におけるアークカット動作回数を記録することも提案されている。
特許第2733454号公報 特開2000−299198号公報 特開平06−119997号公報 特開2001−102196号公報
真空装置において、反射波電力が急増することによって異常放電の発生を検出することが行われているが、この反射波電力は異常放電が発生する以外の場合であっても増加する場合があるため、異常放電でないにも係わらず高周波電源が遮断されるという問題がある。例えば、高周波電源を起動して高周波電力を負荷側に供給するイグニッション時には反射波電力が増加する。そのため、異常放電が発生していない場合であっても、この反射波電力の増加を検出することで異常放電が発生したと判断し、高周波電源から負荷への高周波電力の出力を遮断する制御が行われる。このように高周波電源からの出力が遮断されると、電力供給が行われないためプラズマが形成されず、成膜処理に支障が生じることになる。
また、上記したイグニッション時の他にも、異常放電を検出して高周波電力の出力を遮断した後、高周波電源を再起動させる際においても同様の問題があり、インピーダンスの不整合等によって反射波電力が増加するため、異常放電が発生していない場合であっても、この反射波電力の増加を異常放電の発生と誤検出し、遮断動作が再度行われ、再起動に支障が生じる場合がある。
このイグニッション時や再起動時において、異常放電として検出する検出レベルを高く設定することによって誤検出を抑制することが考えられる。しかしながら、高周波電源は、通常、過電流を保護するために出力電圧を低下させる垂下特性の保護機能を有しているため、この反射波電力の垂下レベル(例えば、15%)よりも十分に高い検出レベル(例えば、20%〜50%)を設定する必要がある。このように、異常放電を検出する検出レベルを高く設定すると、初期段階の異常放電を検出することが困難となり、良好な異常放電検出を行うことができないという問題がある。
また、定常のプラズマ動作中において、異常放電を検出する検出レベルを低くした場合にはイオンが残存する。この残存するイオンが蓄積されると、異常アークを発生させる要因となって異常放電の発生頻度が高まり、安定したプラズマへの電力供給が困難となるという問題がある。
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、プラズマに安定して電力を供給することを目的とする。
プラズマへの電力の安定供給を行うために、アークの成長抑制と、異常アークを発生させるイオンの蓄積の解消とを行うことを目的とする。
また、プラズマへの電力の安定供給を行うために、異常放電の誤検出を低減することを目的とする。
また、プラズマへの電力の安定供給を行うために、イグニッション時や再起動時において、異常放電を検出する検出レベルを高く設定することなく、誤検出を抑制することを目的とする。
本発明の真空装置用異常放電抑制装置は、プラズマに安定して電力を供給するために、異常放電の発生を抑制する装置であり、異常放電の発生を抑制する態様として2つの態様を備える。
異常放電を抑制する第1の態様は、高周波電源の出力を遮断する遮断時間の時間幅を異ならせることによって、プラズマ中のイオンを残存させた状態での再起動を可能とするファーストハンドリング遮断制御と、異常アークイオンを消失させた状態で再起動を行うセカンドハンドリング遮断制御との2つの遮断制御を使い分ける態様である。
第2の態様は、イグニッション時や、ファーストハンドリング遮断後に行う高速立ち上げによる再起動時などのフィードバック信号が変動し易い区間では、遮断動作を禁止することによって、異常放電の誤検出による誤動作を抑制する態様である。第1の態様と第2態様は、共にプラズマへの安定した電力供給を可能とするものである。
第1の態様では、プラズマ中のイオンを残存させた状態での再起動を可能とするファーストハンドリング遮断制御によってアークの成長を抑制し、異常アークイオンを消失させた状態で再起動を行うセカンドハンドリング遮断制御によって異常アークを発生させるイオンの蓄積を解消する。
また、第2の態様は、イグニッション時やファーストハンドリング遮断後の再起動時等の区間内においては、異常放電を検出した場合であっても遮断動作を禁止する。
本発明の第1の態様は、高周波電源からプラズマ反応室内に電力を供給してプラズマを生成し、このプラズマによって成膜やエッチング等の処理を行う真空装置の異常放電を抑制する装置であって、電力指令値と電力フィードバック値との偏差に基づいて高周波電源を制御する電力制御部と、プラズマ反応室内の異常放電時、および異常放電への移行過程時の少なくとも何れかの時期で発生する反射波電力または反射波電圧の検出に基づいて高周波電源からプラズマ反応室への電力供給を遮断する遮断制御部とを備える。
遮断制御部は、遮断時間を異にするファーストハンドリング遮断制御とセカンドハンドリング遮断制御を行う。ファーストハンドリング遮断制御は、プラズマ反応室内のイオンの残存を可能とし、異常放電の要因である少数派アークのアーキング要素が消滅する時間幅内で高周波電源を遮断制御する。一方、セカンドハンドリング遮断制御は、異常放電時の多数アークのイオンが消滅する時間範囲内で高周波電源を遮断制御する。
ファーストハンドリング遮断制御では、例えば、遮断時間の時間幅を1μsから100μsの短時間幅とし、プラズマ反応室内のイオンが残存した状態で遮断制御を終了する。少数派アークのアーキング要素は、この短時間の遮断によって消滅するため、異常放電は解消される。また、ファーストハンドリング遮断制御による遮断時間幅では、プラズマ反応室内のイオンが残存した状態であるため、遮断後に行う再起動を行った際に、電力供給の立ち上がりを素早く短時間で行うことができる。これにより、瞬時に正常放電に復帰させることができる。
セカンドハンドリング遮断制御では、例えば、1msから100msの時間幅とし、多数アークの異常アークイオンが消滅した状態で遮断制御を終了する。これよって、異常アークを発生させるイオンの蓄積を解消させ、アーキングを断ち切ることができる。
このセカンドハンドリング遮断は、異常アークイオンを消滅させることから、アークイオンリフレッシュ動作とも称する。
第1の態様において、電力制御部は、ファーストハンドリング遮断制御によって高周波電源の出力を遮断した後に高速で立ち上げる再起動を行い、電力指令値あるいは電圧指令値に対して進行波電力値あるいは進行波電圧値をフィードバック制御して、高周波電源の出力が電力指令値あるいは電圧指令値となるように制御する。
このファーストハンドリング遮断制御後に行う高速立ち上げは、零から電力指令電力値あるいは電圧指令値までのランプ状の電力あるいは電圧を、ファーストハンドリング遮断制御の遮断時間と同じ時間オーダーの時間幅で出力する高速立ち上げである。したがって、この高速立ち上げに要する時間幅は、ファーストハンドリング遮断制御の遮断時間に基づいて定めることができる。このソ高速立ち上げの時間幅は、例えば、1μsから100μsとすることができる。
また、電力制御部は、セカンドハンドリング遮断制御によって高周波電源の出力を遮断した後にソフトスタートによる再起動を行い、電力指令値あるいは電圧指令値に対して進行波電力値あるいは進行波電圧値をフィードバック制御して、高周波電源の出力が電力指令値あるいは電圧指令値となるように制御する。
このセカンドハンドリング遮断制御後に行うソフトスタートは、零から電力指令値又は電圧指令値までのランプ状の電力出力又は電圧出力を、高周波電源とプラズマ反応室との間に配したマッチングボックスの整合回路が十分に対応することができる整合速度で行う。したがって、このソフトスタートに要する時間幅は、電力指令値あるいは電圧指令値の大きさ、マッチングボックスの整合回路の整合特性等に依存して定めることができる。このソフトスタートの時間幅は、例えば、1msから10sとすることができる。
セカンドハンドリング遮断制御は、多数アークである異常アークを発生させるイオンの蓄積を解消させ、アーキングを断ち切ることを目的としているため、プラズマに異常アークを発生させるイオンが蓄積した段階で実行することが効果的である。
本発明は、この異常アークを発生させるイオンの蓄積状況を、所定の単位時間(例えば、10ms)以内に生じるファーストハンドリング遮断制御の累積実行回数に基づいて判断し、ファーストハンドリング遮断制御の累積実行回数が予め設定した回数に達した時点を、プラズマに異常アークを発生させるイオンが蓄積した段階であると判断してセカンドハンドリング遮断制御を実行する。遮断制御禁止部は、第1の所定の時間内において、ファーストハンドリング遮断制御の実行回数を計数し、この計数で得られた計数値が予め設定された設定回数に達した時点でセカンドハンドリング遮断制御を実行する。
また、セカンドハンドリング遮断制御を実行すると共に計数値をクリアし、ファーストハンドリング遮断制御の実行回数の計数を再開し、再度、所定時間内において、この計数値が設定回数に達した時点で再度セカンドハンドリング遮断制御を実行する。この所定回数のファーストハンドリング遮断制御と、その後に行うセカンドハンドリング遮断制御とを繰り返すことで、アークの成長抑制と異常アークイオンの解消を効果的に行うことができる。
本発明の第2の態様は、イグニッション・モード区間、ファーストハンドリング遮断後の高速立ち上がり区間、セカンドハンドリング遮断後のリイグニッション・モード区間等において、異常放電を検出した場合であっても遮断動作を禁止することで、異常放電の誤検出による遮断を抑制して、プラズマに対する電力供給を安定なものとする。イグニッション時や遮断後の再起動時では、プラズマ負荷に対して整合がとれないことによって反射波電力が増大する。この反射波電力の増大による過電圧や過電流を抑制するために、反射波電力垂下制御が行われる。この際、反射波電力が増大するのは、整合不調を要因とするものであって、異常放電のアークを原因とするものではないため、遮断動作を行う必要がない。そこで、このような場合には、遮断動作を禁止してプラズマに対する電力供給を安定なものとする。
本発明の第2の態様の構成は、プラズマ反応室内に電力を供給して生成されるプラズマを用いて成膜やエッチング処理を行う真空装置の異常放電を抑制する装置であって、電力を供給する高周波電源を有する。この高周波電源は、電力指令値と電力フィードバック値との偏差に基づいて高周波電源を制御する電力制御部と、プラズマ反応室内の異常放電時、および異常放電への移行過程時の少なくとも何れかの時期で発生する反射波電力または反射波電圧を検出し、高周波電源からプラズマ反応室への電力供給を遮断する遮断制御部とを備える。遮断制御部は異常放電を検出するアーキング検出・遮断部と、このアーキング検出・遮断部による電力供給の遮断制御を禁止する遮断制御禁止部とを備える。
本発明の第2の態様が備える遮断制御禁止部は、アーク遮断禁止区間として定めた区間内において、遮断制御部による電力供給の遮断制御を禁止し、遮断制御部が電力供給を遮断する制御を行ったとしても、この遮断制御を禁止して電力供給を継続する。
電力制御部は、電力フィードバック値として進行波電力値を用い、電力指令値と進行波電力値との偏差が減少するように出力電力を制御する。
また、遮断制御部は、2つの形態で遮断制御を行う。第1の形態は少数派アークを抑制するファーストハンドリング遮断制御であり、反射波電力または反射波電圧と低レベルのしきい値との比較によって異常放電を検出し、この異常放電の検出に基づいて電力供給を遮断する。第2の形態は多数アークを抑制するセカンドハンドリング遮断制御であり、反射波電力または反射波電圧と高レベルのしきい値との比較によって反射波電力の増加を検出し、この反射波電力の増加の検出に基づいて電力供給を遮断する。
ファーストハンドリング遮断制御とセカンドハンドリング遮断制御は、反射波電力Prと比較するしきい値の大きさを異ならせる。ファーストハンドリング遮断制御はしきい値として低レベルの値を用いて、反射波電力または反射波電圧の増加の初期段階を検出する。これによって、異常放電の発生に伴う反射波電力の増加を検出する。
一方、セカンドハンドリング遮断制御はしきい値として、ファーストハンドリング遮断制御で用いた低レベルの値よりも大きな高レベルの値を用いて、エネルギーが集中し、大部分の異常放電へと移行した多数アークの状態を検出し遮断する。
本発明の遮断制御禁止部は、遮断制御を禁止する禁止制御を、ファーストハンドリング遮断制御に対して実効し、セカンドハンドリング遮断制御に対しては禁止制御を行わない。ファーストハンドリング遮断制御は、プラズマイオンを残存させると共に、少数派アークのアーキング要素を消滅させ、セカンドハンドリング遮断制御は、異常放電時の多数派アークイオンを消滅させ、これによって、異常放電を抑制することを目的とするものである。
異常放電を要因とするセカンドハンドリング遮断制御に対して、遮断制御を禁止する禁止制御を適用した場合には、セカンドハンドリング遮断制御の効果を低減させることになる。そこで、遮断制御禁止部は、ファーストハンドリング遮断制御に対してのみ禁止制御を適用し、誤って異常放電と検出することによる誤遮断制御が行われないようにする。
アーク遮断禁止区間は、高周波電源のプラズマ負荷に対する不整合が生じる区間であり、高周波電源の起動時のイグニッション・モード区間、高周波電源の再起動時における、ファーストハンドリング遮断後の高速立ち上げ区間、セカンドハンドリング遮断後のリイグニッション・モード区間、および、進行波が所定レベルに達するまでの区間である進行波電力過渡区間の各区間を含んでいる。
上記したアーク遮断禁止区間ではプラズマが不安定な状態にあり、プラズマ負荷に対する整合回路の整合が不十分であるため、反射波電力が増加する場合がある。このときの反射波電力の増加は、異常放電を要因とするものではない。この反射波電力の増加に対して、高周波電源は保護動作として反射波電力垂下制御を行っているため、上記したアーク遮断禁止区間では遮断制御を行う必要はない。イグニッション・モード区間およびリイグニッション・モード区間は、プラズマが着火したと見なせる区間であり、進行波電力が電力出力を開始する時点から反射波電力の垂下レベルを越えるまでの区間である。
イグニッション・モード区間およびリイグニッション・モード区間において、高周波電源の出力電力の電力指令値に対して、進行波電力あるいはプラズマへの負荷電力が大きく外れた場合には、過大な反射波電力を受けて垂下制御が行われ、過電圧、過電流は垂下特性で保護される。高周波電源の出力電力は、この垂下特性によって低下するため、遮断制御により電力供給を停止させる必要はない。
このイグニッション・モード区間、リイグニッション・モード区間、高速立ち上がり区間において、ファーストハンドリング遮断制御は、反射波電力の増加検出を異常放電として誤検出し、この誤検出に基づいて電力供給を遮断されることになり、異常放電が発生していないにもかかわらず、プラズマに対して電力を供給することができなくなる。そこで、この区間ではアーク遮断禁止区間として、電力供給を遮断することなく継続する。
イグニッション・モード区間、リイグニッション・モード区間、高速立ち上がり区間において、垂下レベルは、定格電力指令値Cs100%に反射垂下係数Lを乗じたL×Cs100%で定めることができる。ここで、反射垂下係数Lは0.1〜0.3の範囲内で定めることができる。
また、起動時や再起動時において、進行波電力は電力指令値Csよりも遅れて増加し、フィードバック制御によって電力指令値Csに向かって漸近していく。この進行波電力が過渡状態にある区間において、反射波電力の増加検出を異常放電として検出し、この検出に基づいて電力供給を遮断すると、異常放電が発生していないにもかかわらず、プラズマに対して電力を供給することができなくなる。そこで、この進行波電力過渡期間は、アーク遮断禁止区間として電力供給を遮断することなく継続する。
進行波電力過渡区間は、進行波電力Pfと電力指令値Csとの差分(Cs−Pf)が充分に大きな区間であり、電力指令値Csを上限とし、電力指令値Csから定格電力指令値Cs100%に所定の係数Kを乗じたK×Cs100%を減じた値(Cs−K×Cs100%)を下限とするレベル範囲により定めることができ、進行波電力Pfがこのレベル範囲外にあるときは、アーク遮断禁止区間として電力供給を遮断することなく継続する。ここで、係数Kは例えば0.01〜0.2の範囲内で設定し、例えば、0.03とすることができる。
以上説明したように、本発明の真空装置用異常放電抑制装置によれば、プラズマに安定して電力を供給することができる。
また、本発明の真空装置用異常放電抑制装置によれば、アークの成長を抑制し、異常アークを発生させるイオンの蓄積を解消することができ、これによって、プラズマへの電力の安定供給を行うことができる。
また、本発明の真空装置用異常放電抑制装置によれば、異常放電の誤検出を低減することができ、これによって、プラズマへの電力の安定供給を行うことができる。
また、本発明の真空装置用異常放電抑制装置によれば、イグニッション時や再起動時において、異常放電を検出する検出レベルを高く設定することなく、誤検出を抑制することができ、これによって、プラズマへの電力の安定供給を行うことができる。
本発明の真空装置の電源システムおよび真空装置用異常放電抑制装置の概略構成図である。 本発明の電源制御部の制御系を示すブロック線図である。 本発明の遮断処理および遮断禁止処理を説明するための信号図である。 本発明の遮断処理および遮断禁止処理を説明するための信号図である。 本発明の遮断処理および遮断禁止処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の遮断処理および遮断禁止処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の真空装置用異常放電抑制装置の実施形態の構成例を説明するための図である。 本発明の真空装置用異常放電抑制装置の実施形態の遮断処理および遮断禁止処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の真空装置用異常放電抑制装置のセカンドハンドリング遮断を説明するためのフローチャートである。 比較回路を用いた遮断制御部の出力状態を示す図である。 本発明の遮断制御禁止部の別の構成例を示す図である。 本発明の始動時点のソフトスタート時におけるアーク遮断禁止区間を示す図である。 本発明のファーストハンドリング遮断後の高速立ち上がり時におけるアーク遮断禁止区間を示す図である。 本発明のセカンドハンドリング遮断後のソフトスタート時におけるアーク遮断禁止区間を示す図である。
符号の説明
1…電力制御部
1a…電力設定部
1b…ソフトスタート制御部
1c,1d…伝達関数
1e…電力設定部
1f,1g…電力設定部
2…遮断割り込み回路
3…遮断制御部
4…アーキング検出・遮断部
4A…ファーストハンドリング遮断系
4Aa…電力設定部
4Ab…第1比較回路
4Ac…第1制御信号生成回路
4B…セカンドハンドリング遮断系
4Ba…電力設定部
4Bb…第2比較回路
4Bc…第2制御信号生成回路
5…遮断制御禁止部
5a…第1スイッチ回路
5b…第3比較回路
5c…第2スイッチ回路
5d…判定回路
5e…カウンタ回路
6…発振器
7…演算増幅器
8…電力増幅器
9…センサ
10…高周波電源
11…整合回路
12…プラズマ負荷
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
以下、本発明の真空装置用異常放電抑制装置の構成例について、図1を用いて説明する。
図1は、真空装置の電源システムおよび真空装置用異常放電抑制装置の概略構成図である。同図において、電源システムは電力制御部1,発振器6,センサ9と含む高周波電源10を備える。電力制御部1は、センサ9で検出した進行波電力Pfをフィードバック信号とし、電力指令値Csとの差分に基づいて出力電力を制御する。高周波電源10は、整合回路11を介してプラズマ負荷12に電力を供給する。ここで、プラズマ負荷12は、真空装置が備えるプラズマ反応室内で形成されるプラズマを電源側から見たときの電気的な負荷である。
電源システムにおいて、電力制御部1は、センサ9から進行波電力Pfをフィードバック信号として入力し、入力したフィードバック信号と電力指令値Csとの偏差に基づいて帰還制御を行い、高周波電源10の出力電力が電力指令値Csとなるように制御する。電力制御部1による制御は、電力指令値Csに対して出力電力を制御する他、電圧指令値に対して出力電圧を制御することで行うことができる。以下では、電力指令値Csに対して出力電力を制御する場合について説明する。
センサ9は、高周波電源10からプラズマ負荷12に送られる進行波電力Pf、およびプラズマ負荷12から高周波電源10に向かう反射波電力Prを検出する。電力制御部1には、進行波電力Pfの検出信号が帰還され、後述する遮断制御部3が有するアーキング検出・遮断部4には反射波電力Prの検出信号が送られ、遮断制御禁止部5には進行波電力Pfの検出信号が送られる。
センサ9は進行波電力Pfおよび反射波電力Prを検出し、進行波電力Pfの検出信号および反射波電力Prの検出信号を電力制御部1に送る。電力制御部1は、進行波電力Pfの検出信号を用いたフィードバック制御によって高周波電源10の出力電力を目標値に追従させる。
電力制御部1によるフィードバック制御は、電力指令値Csと進行波電力Pfとの差分信号を、出力電力を制御する指令信号として生成し、演算増幅器7の一方の端子に入力する。一方、演算増幅器7の他方の端子には基準となる高周波信号を入力する。演算増幅器7は、電力制御部1の指令信号に基づいて高周波信号の振幅を制御する。高周波信号は発振器6によって形成することができ、この高周波信号の周波数は、プラズマ負荷に供給する高周波に応じて定めることができ、例えば13.56MHzの周波数信号とする。
これによって、演算増幅器7の交流の出力信号は、プラズマ負荷12に供給する電力が電力指令値Csとなるように制御される。演算増幅器7の出力信号は、電力増幅器8によって所定電力とした後、整合回路11を通してプラズマ負荷12に送られる。
フィードバック制御は、演算増幅器7を用いて行う他に、演算増幅器7に換えてインバータを用いることができ、スイッチング素子のスイッチング間隔を制御するPWM制御信号によって交流電力の電圧を制御することもできる。
また、電力制御部1は、反射波電力Prの検出信号を用いて反射波電力Prの増加を検出し、反射波電力Prの増加を検出した場合には垂下制御を行い、反射波電力Prの増加に伴う過電流や過電圧を抑制して電源を保護する。
整合回路11は、高周波電源10側とプラズマ負荷12との間のインピーダンス整合を行う回路であって、例えば、インダクタンスとコンデンサによって構成することができる。
図2は、電源制御部の制御系を示すブロック線図である。
図2において、Csは高周波電源10の出力電力の目標値に対応する電力指令値であり、Pfはプラズマ負荷12に向かう進行波電力である。この制御系では、出力電力である進行波電力Pfが電力指令値である目標値Csに一致するようにフィードバック制御を行う。
電力制御部1において、S1は、電力指令値Csと、伝達関数βを経てセンサ9からフィードバックされた進行波電力の検出信号Pfbとの差分を算出し、電力の制御偏差εとして出力するサミング点である。Gは、電力の制御偏差εに応じて電流指令信号Iを生成する際の伝達関数であり、比例特性及び積分特性を持つ。進行波電力Pfは、プラズマ負荷12に供給されるとともに、伝達関数βを経てサミング点Sまでフィードバックされる。βは進行波電力Pfをサミング点Sまでフィードバックする際の伝達関数であり、ここでは進行波電力Pfを検出するセンサ9の伝達関数に相当する。
また、電力制御部1は、起動時や遮断後の再起動時において、零出力状態から所定電力値までランプ状に電力を増加させるソフトスタート制御を含んでいる。
また、本発明の真空装置用異常放電抑制装置において、高周波電源10は、異常放電を検出した際に、プラズマ負荷12に向けて出力する電力を一時的に遮断する機構を備える。この遮断機構は、出力電力の遮断動作を制御する遮断制御部3を有し、この遮断制御部3は、アーキングを検出し遮断動作を制御するアーキング検出・遮断部4、異常放電以外の場合にアーキング検出・遮断部4の動作を禁止して電力供給を続行させる遮断制御禁止部5、および、通常の電力制御に対して遮断制御部3による遮断動作の割り込みを行う遮断割り込み部2を含む。
遮断割り込み部2は、遮断制御部3の遮断制御を受けて発振器6の動作を停止させる。この発振器6の動作を停止させることによって、高周波電源10からプラズマ負荷12へ電力供給は一時的に停止する。なお、遮断制御は、プラズマ負荷12への電力供給を停止する他、供給する電力量を低減させる制御としてもよく、発振器6の動作停止に代えて電力制御部1によって出力電力を抑制するようにしてもよい。
遮断制御部3のアーキング検出・遮断部4は、センサ9で検出した反射波電力Prの検出信号を入力し、この反射波電力Prの検出信号と遮断用のしきい値と比較し、反射波電力Prの検出信号の大きさがこのしきい値を越えたとき、プラズマ負荷12において異常放電が発生したと判断して遮断割り込み部2に遮断指令を出力する。遮断割り込み部2は、遮断制御部3からの遮断指令を受けると発振器6の発振動作を停止し、これによって、高周波電源10からプラズマ負荷12への電力供給を一時的に停止し、異常放電の発生を抑制する。
遮断制御部3が行う異常放電の抑制は、プラズマ中のイオンを残存させた状態での再起動を可能とするファーストハンドリング遮断制御と、異常アークイオンを消失させた状態で再起動を行うセカンドハンドリング遮断制御との2つの遮断制御によって行うことができる。この2つの遮断制御は、高周波電源の出力を遮断する遮断時間の時間幅を異ならせることによって選択することができる。
ファーストハンドリング遮断制御は、プラズマ中のイオンを残存させた状態での再起動を可能とした状態で遮断制御を行ってアークの成長を抑制する。一方、セカンドハンドリング遮断制御は、異常アークイオンを消失させることで、異常アークを発生させるイオンの蓄積を解消する。
遮断制御部3のアーキング検出・遮断部4は、遮断時間を異にするファーストハンドリング遮断制御とセカンドハンドリング遮断制御を行う。ファーストハンドリング遮断制御は、プラズマ反応室内のイオンの残存を可能とし、アーキング要素が消滅する時間幅内で高周波電源を遮断制御する。一方、セカンドハンドリング遮断制御は、異常アークイオンが消滅する時間範囲内で高周波電源を遮断制御する。
ファーストハンドリング遮断制御では、例えば、遮断時間の時間幅を1μsから100μsの短い時間幅とし、プラズマ反応室内のイオンが残存した状態で遮断制御を終了する。これにより、異常放電の要因であるアーキング要素は、この短時間の遮断によって消滅し、異常放電は解消される。また、ファーストハンドリング遮断制御による遮断時間幅では、プラズマ反応室内のイオンが残存した状態である。そのため、遮断後の再起動では、電力供給の立ち上がりを素早く短時間で行うことができるため、瞬時に正常放電に復帰させることができる。
セカンドハンドリング遮断制御では、例えば、1msから100msのファーストハンドリング遮断制御よりも長い時間幅とし、異常アークイオンが消滅した状態で遮断制御を終了する。これよって、異常アークを発生させるイオンの蓄積を解消させ、アーキングを断ち切ることができる。
本発明では、ファーストハンドリング遮断制御による遮断動作は、反射波電力が低レベルのしきい値(ファーストハンドリングレベル)に達した時点で電力供給を停止して異常放電を解消させる。また、セカンドハンドリング遮断制御による遮断動作は、反射波電力が高レベルのしきい値(セカンドハンドリングレベル)に達した時点で電力供給を停止して異常アークイオンを消滅させる。このセカンドハンドリング遮断制御は、アークイオンリフレッシュ動作とも称する。
第1の遮断制御による遮断動作は第2の遮断制御による遮断動作に先だって行われるため、第1の遮断制御をファーストハンドリングと称し、第2の遮断制御をセカンドハンドリングと称し、ファーストハンドリングレベルはセカンドハンドリングレベルよりも低レベルに設定する。
電力制御部1は、ファーストハンドリング遮断制御によって高周波電源10の出力を遮断した後に高速立ち上げで再起動させ、電力指令値Csに対して進行波電力値Pfをフィードバック制御して、高周波電源の出力が電力指令値Csとなるように制御する。
この第1の遮断制御後に行う再起動は高速立ち上がりであり、零出力状態から電力指令値までのランプ状の電力を、ファーストハンドリング遮断制御の遮断時間と同じ時間オーダーの時間幅で出力することで行う。したがって、この高速立ち上げに要する時間幅は、ファーストハンドリング遮断制御の遮断時間に応じて定めることができる。この時間幅は、例えば、1μsから100μsとすることができる。
また、電力制御部1は、セカンドハンドリング遮断制御によって高周波電源10の出力を遮断した後にソフトスタートによる再起動を行い、電力指令値Csに対して進行波電力値Pfをフィードバック制御して、高周波電源の出力が電力指令値Csとなるように制御する。
このセカンドハンドリング遮断制御後に行う再起動のソフトスタートは、零出力状態から電力指令値Csまでのランプ状の電力出力を、整合回路11が十分に対応することができる整合速度で行う。これによって、整合不良による反射波電力Prの増加を抑制することができる。
したがって、このセカンドハンドリング遮断制御による再起動のソフトスタートに要する時間幅は、電力指令値Csの大きさ、整合回路11の整合特性等に依存して定めることができる。このソフトスタートの時間幅は、例えば、1msから10sとすることができる。
セカンドハンドリング遮断制御は、異常アークを発生させるイオンの蓄積を解消させ、アーキングを断ち切ることを目的としているため、プラズマに異常アークを発生させるイオンが蓄積した段階で実行することが効果的である。
セカンドハンドリング遮断制御は、所定時間内で発生するファーストハンドリング遮断制御の累積実行回数に基づいて、異常アークを発生させるイオンの蓄積状況を判断し、ファーストハンドリング遮断制御の累積実行回数が予め設定した回数に達した時点を、プラズマに異常アークを発生させるイオンが蓄積した段階であると判断することで実行する。そこで、遮断制御部3が備えるアーキング検出・遮断部4は遮断制御禁止部5と共に、ファーストハンドリング遮断制御の実行回数を計数し、この計数で得られた計数値が予め設定された設定回数に達した時点でセカンドハンドリング遮断制御を実行する。
また、セカンドハンドリング遮断制御を実行すると共に計数値をクリアし、ファーストハンドリング遮断制御の実行回数の計数を再開し、所定時間内の計数値が設定回数に達した時点で再度セカンドハンドリング遮断制御を実行する。この所定回数の第1の遮断制御と、その後に第2の遮断制御とを繰り返すことで、アークの成長抑制と異常アークイオンの解消を効果的に行うことができる。
また、遮断制御部3は、ファーストハンドリング遮断制御とセカンドハンドリング遮断制御の2つの形態で遮断制御を行うことができる。
各遮断制御は、例えば、反射波電力の絶対値レベルとしきい値との比較によって異常放電を検出し、検出した異常放電に基づいて行うことができる。
反射波電力の絶対値レベルとしきい値とを比較することによって異常放電を検出する場合において、ファーストハンドリング遮断制御は、反射波電力を低レベルのしきい値と比較することによって異常放電を検出し、この異常放電の検出に基づいて電力供給を遮断する。一方、セカンドハンドリング遮断制御は、反射波電力を高レベルのしきい値と比較することによって反射波電力の増加を検出し、この反射波電力の増加の検出に基づいて電力供給を遮断する。
ファーストハンドリング遮断制御とセカンドハンドリング遮断制御は、反射波電力Prと比較するしきい値の大きさを異ならせることで選択する。ファーストハンドリング遮断制御はしきい値として低レベルの値を用いて、反射波電力の増加の初期段階を検出する。これによって、異常放電の発生に伴う反射波電力の増加を検出することができる。その結果、プラズマの成膜時およびエッチング時の異常放電を少数派アークの状態で遮断することができる。
一方、セカンドハンドリング遮断制御はしきい値として、ファーストハンドリング遮断制御で用いた低レベルの値よりも大きな高レベルの値を用いて、初期段階を過ぎた段階の反射波電力の増加を検出する。これによって、エネルギーが集中し、大部分の異常放電へと移行した多数アークの状態を検出し、遮断する。
また、遮断制御禁止部5は、アーク遮断禁止区間として定めた区間内において、アーキング検出・遮断部4による電力供給の遮断制御を禁止し、遮断制御禁止部5が電力供給を遮断する制御を行う場合であっても、この遮断制御を禁止して電力供給を継続する。このアーク遮断禁止区間は、反射波電力の増加が異常放電以外の要因で生じる場合に、異常放電と誤認して電力供給を停止することを防ぐために定める区間である。このアーク遮断禁止区間内において、アーキング検出・遮断部4が反射波電力の増加を検出して遮断指令を出力した場合には、この遮断指令を禁止して遮断制御を実行しない。
ここで、アーク遮断禁止区間は、高周波電源の起動時のイグニッション・モード区間、ファーストハンドリング遮断制御後の高速立ち上げ区間、セカンドハンドリング遮断制御後のイグニッション・モード区間、フィードバック値(進行波電力)が電力指令値に漸近して所定の変動範囲内となるまでの進行波電力過渡区間とすることができる。
イグニッション・モード区間およびリイグニッション・モード区間は、プラズマが着火したと見なせるまでの区間であり、進行波電力が電力出力を開始する時点から反射波電力の垂下レベルを越えるまでの区間である。この区間において反射波電力が増加した場合には、高周波電源は保護動作として反射波電力垂下制御を行うため、ファーストハンドリング遮断制御を行う必要はない。なお、セカンドハンドリング遮断制御は、保護のためにアーク遮断禁止区間に係わらず遮断動作を実行する。
アーク遮断禁止区間において、ファーストハンドリング遮断制御によって反射波電力の増加が検出され異常放電として誤検出されると、この誤検出に基づいて電力供給が遮断されることなり、異常放電が発生していないにもかかわらず、プラズマに対して電力を供給することができなくなる。そこで、本発明では、このアーク遮断禁止区間では、電力供給を遮断することなく継続する。
イグニッション・モード区間あるいはリイグニッション・モード区間において、アーク遮断禁止区間は垂下レベルで定めることができる。垂下レベルは、定格電力指令値Cs100%に反射垂下係数Lを乗じたL×Cs100%で定めることができる。ここで、反射垂下係数Lは0.1〜0.3の範囲内で定めることができる。
また、起動時や再起動時において、進行波電力は電力指令値Csよりも遅れて増加し、フィードバック制御によって電力指令値Csに向かって漸近していく。この進行波電力が過渡状態にある区間において、反射波電力の増加検出を異常放電として検出し、この検出に基づいて電力供給を遮断すると、異常放電が発生していないにもかかわらず、プラズマに対して電力を供給することができなくなる。そこで、この進行波電力過渡期間は、アーク遮断禁止区間として電力供給を遮断することなく継続する。
この進行波電力過渡区間は、電力フィードバック値(進行波電力)が電力指令値に対して所定の変動範囲を超える区間として定めることができる進行波電力過渡区間は、進行波電力Pfと電力指令値Csとの差分(Cs−Pf)が充分に大きな区間であり、電力指令値Csを上限とし、電力指令値Csから定格電力指令値Cs100%に所定の係数Kを乗じたK×Cs100%を減じた値(Cs−K×Cs100%)を下限とするレベル範囲により定めることができ、進行波電力Pfがこのレベル範囲外にあるときは、アーク遮断禁止区間として電力供給を遮断することなく継続する。ここで、係数Kは例えば0.01〜0.2の範囲内で設定することができる。
例えば、係数Kとして0.03を設定した場合には、アーク遮断禁止区間は、電力指令値Csを上限とし、(Cs−0.03×Cs100%)を下限する電力範囲によって設定することができ、進行波電力がこの範囲外でるときには遮断制御を禁止し、電力供給を停止することなく続ける。
次に、図3、図4の信号図、および図5,6のフローチャートを用いて、遮断処理および遮断禁止処理について説明する。なお、ここでは、異常放電を検出して行うファーストハンドリング遮断処理と、このファーストハンドリング処理をイグニッション・モード区間、リイグニッション・モード区間、および進行波電力過渡区間のアーク断禁止区間で禁止する動作について説明する。なお、図4、図6は、複数回のファーストハンドリング遮断が発生した際に、セカンドハンドリング遮断を行う遮断処理について示している。
図3の信号図は、高周波電源10をソフトスタート制御によって電力の立ち上げを行う場合、およびファーストハンドリング遮断後に行う電力の高速立ち上げを行う場合を示し、図4はファーストハンドリング遮断後の電力の高速立ち上げ、およびセカンドハンドリング遮断後のソフトスタートを行う場合を示している。
図3、図4中の破線は電力指令値Csを示し、濃い実線は進行波電力Pfを示し、薄い実線は反射波電力Prを示している。また、図3、図4中において薄い破線は、アーク遮断禁止区間を定める電力レベルを示し、反射波電力の垂下レベルと、電力指令値Csに応じて変動するレベル範囲とを含むものである。この垂下レベルで定まるイグニッション・モード区間およびリイグニッション・モード区間、並びに、反射波電力がレベル範囲を下回る区間をアーク遮断禁止区間とし、この区間はアーク遮断動作を禁止する範囲であることを示している。
はじめに、ソフトスタート制御によって、零電力から目標電力までの間を所定の時間を掛けてランプ状の増加特性で徐徐に増加させる。
このソフトスタートにおいてイグニッション・モード区間を定める。イグニッション・モード区間は、電力をプラズマ負荷に印加を開始してからの初期期間であり、ここでは、進行波電力が増加してからマッチングが整合されて着火ポイントに至った状態までの区間とする。このイグニッション・モード区間は、進行波電力が垂下レベル以下の状態により定めることができる。
イグニッション・モード区間に続いて、進行波電力が所定のレベル範囲を下回る区間を、アーク遮断禁止区間として設定する。この進行波電力過渡区間は、進行波電力Pfが電力指令値Csから遅れることによって生じる差分について、進行波電力Pfが電力指令値Csに向かって増加して漸近する際の過渡期間であり、この区間では、進行波電力Pfと電力指令値Csとの差分(Cs−Pf)は充分に大きい。この進行波電力過渡区間は、電力指令値Csを上限とし、電力指令値Csから定格電力指令値Cs100%に所定の係数Kを乗じたK×Cs100%を減じた値(Cs−K×Cs100%)を下限とするレベル範囲により定めることができる。
このイグニッション・モード区間および進行波電力過渡区間では、プラズマ負荷に対する整合不調によって反射波電力Prが増大する可能性がある。そのため、反射波電力Prの増大を指標として異常放電を検出する場合には、この区間における反射波電力Prの増大を異常放電として誤検出するおそれがある。そこで、本発明では、このイグニッション・モード区間および進行波電力過渡区間において、反射波電力Prの増大を検出した場合であっても、電力の供給を遮断することなく継続する。
したがって、反射波電力が垂下レベル以下であるイグニッション・モード区間、および進行波電力Pfが電力指令値に基づいて設定した進行波電力過渡区間のレベル範囲内にある場合には、これら区間をアーク遮断禁止区間として電力供給を遮断することなく継続する。
したがって、アーク遮断禁止区間の範囲は、電力指令値Csに対して進行波電力Pfが大きく変動する範囲であって、異常放電に因らない反射波電力Prの増加による電力の供給遮断を抑制して、電力供給を継続する範囲である。この異常放電に因らない反射波電力Prの増加は、電源を保護する垂下特性によって低減される。
また、図中のマッチング区間は、電力の印加を開始してから進行波電力Pfが電力指令値Csへの追従制御が安定するまでの区間であり、この区間以降ではフィードバック制御によって進行波電力Pfは電力指令値Csに追従して制御される。
ソフトスタート区間が終了した後は、通常、電力指令値Csは安定した電力がプラズマ負荷に供給されるように一定値が指令され、進行波電力Pfはフィードバック制御によって電力指令値Csに追従していき、定格電力指令値Cs100%で安定する。
この状態において反射波電力Prが増加しファーストハンドリング遮断レベルを超えた場合には、アーキングが発生して異常放電が生じたと判定し、遮断割り込み回路2からの割り込みによって発振器6の発振を停止させて電力供給を停止し、高周波電源10からプラズマ負荷12への電力供給を一時遮断する。遮断割り込み回路2によって発振器6の発振を停止させる遮断時間は、例えば1μsec〜3μsecの時間間隔で行う。この一時遮断の遮断時間の範囲は、プラズマ室内のイオンが残存可能であって、かつ、アーキング要素が消滅する最短時間範囲とする。例えば1μsec〜100μsecとする。イオンを残存させることによって、一時遮断の後の再立ち上がりにおいて、迅速に正常放電させることができる。図中ではこの一時遮断区間をファーストハンドリングアーク(1stハンドリングアーク)遮断と記載している。
また、一時遮断中であってもプラズマの制御状態を保持させておき、一時遮断後の制御再開時において保持状態を解除し、制御のための初期処理を行うことなく制御動作を迅速に続けることができる。
ファーストハンドリング遮断の一時遮断区間が経過した後、遮断処理を止め、進行波電力Pfを電力指令値Csとなるように立ち上げ制御を行う。ここでは、この立ち上げ制御を高速立ち上げ制御と称する。この高速立ち上げ制御では、進行波電力Pfがほぼ零の状態から大きく増加すると共に、反射波電力Prもほぼ零の状態から増加する。
遮断制御部3は、この反射波電力Prの増加を検出して、遮断割り込み回路2による割り込みによって電力供給を遮断する制御を行うことになる。しかしながら、この遮断制御部3の遮断制御が実行されると、電力供給が遮断されて高速立ち上げ制御が不能となる。そこで、この区間はアーク遮断禁止区間とすることによって、遮断制御部3の遮断制御を禁止し、電力供給が停止されないようにする。このアーク遮断禁止区間の設定は、前記した、進行波電力Pfが反射波電力の垂下レベル以下である範囲、および、進行波電力Pfが、電力指令値Csを上限とし、電力指令値Csから定格電力指令値Cs100%に所定係数Kを乗じた値k・Csを減じた値(Cs−K・Cs100%)を下限とする範囲内にあるか否かの判定によって行うことができる。
遮断制御禁止部5は、イグニッション・モード区間、リイグニッション・モード区間、および進行波電力過渡区間をアーク遮断禁止区間とし、この区間においてアーキング検出・遮断部4による遮断制御を禁止して、電力供給を続行する。図3(b)、図4(b)はアーク遮断禁止区間を示し、図3(c)、図4(c)はファーストハンドリング遮断制御による検出状態を示し、図3(d)、図4(d)はファーストハンドリング遮断制御による遮断状態を示し、図3(e)、図4(e)はセカンドハンドリング遮断制御による検出および遮断状態を示している。
図5のフローチャートにおいて、はじめに電力制御部1はソフトスタート制御を開始する(S1)。ソフトスタートを開始した後、進行波がイグニッション・モード区間にあるとき(S2)には、アーキング検出・遮断部4は、反射波電力Prとセカンドハンドリング遮断レベルとを比較し、セカンドハンドリングによるアークを検出した場合には(S3)、セカンドハンドリング遮断処理を行う(S10)。また、イグニッション・モード区間内において、セカンドハンドリングによるアークは検出しないが、ファーストハンドリングによるアークを検出した場合には(S4)、この区間はアーク遮断禁止区間であるため、遮断処理を行うことなる電力供給の制御を続行する(S5)。
進行波電力が、反射波電力の垂下レベルを超えてイグニッション・モード区間を脱した後(S2)、アーキング検出・遮断部4は、反射波電力Prとセカンドハンドリング遮断レベルとを比較し、セカンドハンドリングによるアークを検出した場合には(S6)、セカンドハンドリング遮断処理を行う(S11)。また、セカンドハンドリングによるアークは検出しないがファーストハンドリングによるアークを検出した場合には(S7)、進行波電力過渡区間であるときには(S8)、進行波電力過渡区間がアーク遮断禁止区間であるため、遮断処理を行うことなく電力供給の制御を続行する(S9)。
一方、アーク遮断禁止区間でない場合には(S8)、ファーストハンドリング遮断処理を行う(S12)。
上記したS1〜S12の工程は、図3(b)中のイグニッション・モード区間および進行波電力過渡区間のアーク遮断禁止区間において適用される。
また、上記したS6〜S12の工程は、図3(b)および図4(b)中のアーク遮断禁止区間において、ファーストハンドリング遮断後に行う高速立ち上げ、あるいはセカンドハンドリング遮断後の行うソフトスタートの際に適用することができる(S13)。
図3(c)、図4(c)は、反射波電力とファーストハンドリングレベルとを比較して検出するファーストハンドリングによるアーキング検出信号を示し、図3(d)、図4(d)は遮断制御禁止処理後のファーストハンドリングによる遮断信号を示している。
図3(d)、図4(d)に示す遮断信号は、図3(c)、図4(c)の検出信号の内で、図3(b)、図4(b)のアーク遮断禁止区間内にあるアーキング検出信号は遮断処理が禁止され、遮断制御禁止区間外の遮断信号のみが抽出され、これによってファーストハンドリング遮断制御を行う。
図3(e)、図4(e)は、反射波電力とセカンドハンドリング遮断レベルとを比較して得られる遮断信号を示している。このセカンドハンドリング遮断レベルで得られる遮断信号は、遮断制御禁止区間に係わらず無条件で遮断制御を行う。
また、ファーストハンドリングとセカンドハンドリングで同時に検出が行われた場合には、セカンドハンドリングを優先する。例えば、図3(e)、図4(e)示すセカンドハンドリング遮断は、図3(d)、図4(d)で示す同時点でのファーストハンドリング遮断に優先して行う。
次に、図4の信号図、および図6のフローチャートを用いて、複数回のファーストハンドリング遮断が生じたときに行う遮断処理および遮断禁止処理について説明する。
遮断処理は、所定の時間内(例えば、10msec)間で短い時間幅のファーストハンドリング遮断を所定回数実行した後、比較的長い時間幅(例えば、1msec〜100msec)でセカンドハンドリング遮断によって一時遮断を実行する。
図4の信号図において、ファーストハンドリング遮断を複数回行った後、ファーストハンドリング遮断による遮断時間幅よりも長い時間幅(例えば1msから100msの時間幅)でセカンドハンドリング遮断によって一時遮断を行う。セカンドハンドリング遮断の後は、高周波電源10をソフトスタート制御によって電力を立ち上げる。このソフトスタート制御では、前記したイグニッション時のソフトスタート制御と同様に、零電力から目標電力までの間を所定の時間を掛けてランプ状の増加特性で徐徐に増加させる。図4中の破線は電力指令値Csを示し、濃い実線は進行波電力Pfを示し、薄い実線は反射波電力Prを示している。
なお、遮断を禁止する処理、および遮断後の再立ち上げの処理については、前記した処理と同様とすることができる。
図6はセカンドハンドリング遮断によって一時遮断を実行する手順を説明するためのフローチャートである。
カウンタ回路は、カウンタ値Cを零とし(C=)(S21)、ファーストハンドリング遮断が実行される毎に(S22)、カウンタ値Cに"1"を加算する(C=C+1)。カウンタ値Cの加算は、ファーストハンドリング遮断の制御信号に応じて行う(S23)。
カウンタ値Cが予め設定した設定回数Nと比較し(S24)、カウンタ値Cが設定回数Nを越えた時点で、一時遮断を開始(S25)、電源を停止する(S26)。なお、カウンタ値Cが予め設定した設定回数Nに至らない場合にはセカンドハンドリング遮断を行わず、ファーストハンドリング遮断のみを繰り返す。
セカンドハンドリング遮断は、所定の所定時間が経過した後(S27)、電源をソフトスタートによって再立ち上げを行う(S28)。S21〜S28の工程を、プラズマによる成膜処理が終了するまで繰り返す(S29)。
図4(b)は、リイグニッション・モード区間と進行波電力過渡区間のアーク遮断禁止区間を示し、図4(c)は、反射波電力とファーストハンドリングレベルとを比較して検出するアーキング検出信号を示し、図4(d)はファーストハンドリングの遮断信号を示している。図4(d)に示す遮断信号はアーク遮断禁止区間内にあるアーキング検出信号は遮断禁止され、遮断制御禁止区間外の遮断信号のみが抽出され、これによってファーストハンドリング遮断制御を行う。
図4(e)は、反射波電力とセカンドハンドリング遮断レベルとを比較して得られる遮断信号を示している。このセカンドハンドリング遮断レベルで得られる遮断信号は、遮断制御禁止区間に係わらず無条件で遮断制御を行う。
以下、本発明の真空装置用異常放電抑制装置の実施形態について、図7〜図10を用いて説明する。図7は、本発明の実施形態の構成例を示し、図8、図9は動作例を説明するフローチャートを示し、図10は比較回路を用いた遮断制御部の出力状態を示している。
この実施形態は、反射波電力の電力レベルによって遮断の可否を判定すると共に、イグニッション・モード区間、リイグニッション・モード区間、および進行波電力過渡区間をアーク抑制区間とする形態である。
図7は本発明の電力制御部1、アーキング検出・遮断部4、遮断制御禁止部5を含む遮断制御部3の構成例を示す図である。
アーキング検出・遮断部4について説明する。アーキング検出・遮断部4は、ファーストハンドリング遮断制御系4Aとセカンドハンドリング遮断制御系4Bの2つの遮断制御系を備える。
この実施形態では、反射波電力Prをファーストハンドリング遮断レベルおよびセカンドハンドリング遮断レベルと比較することで、異常放電による遮断動作と、異常放電以外の要因による遮断動作とを峻別して検出し、遮断動作を行わせる制御信号を出力する。制御信号は遮断割り込み回路2を介して発振器6の発信動作を一時的に停止する。
ファーストハンドリング遮断制御系4Aは、反射波電力を低レベル(ファーストハンドリングレベル)のしきい値と比較することによって異常放電を検出し、この異常放電の検出に基づいて電力供給を遮断する。一方、セカンドハンドリング遮断制御系4Bは、反射波電力を高レベルのしきい値(セカンドハンドリングレベル)と比較することによって反射波電力の増加を検出し、異常放電以外の要因による反射波電力の増加の検出に基づいて電力供給を遮断する。
ファーストハンドリング遮断制御系4Aとセカンドハンドリング遮断制御系4Bは、反射波電力Prと比較するしきい値の大きさを異ならせることで選択する。ファーストハンドリング遮断制御系4Aはしきい値として低レベルのファーストハンドリングレベル値を用いて、反射波電力の増加の初期段階を検出する。これによって、少数派アークの状態を検出し遮断することができる。
一方、セカンドハンドリング遮断制御系4Bはしきい値として、ファーストハンドリング遮断制御で用いた低レベルの値よりも大きな高レベルの値を用いて、初期段階を過ぎた段階の反射波電力の増加を検出する。これによって、エネルギーが集中し、大部分の異常放電へと移行した多数アークの状態を検出し遮断する。
ファーストハンドリング遮断制御系4Aは、反射波電力Prをファーストハンドリング遮断レベルPAと比較することによって異常放電を検出して制御信号を出力する。遮断割り込み回路2は、この制御信号を受けて発振器6の発振を一時停止することによって、高周波電源10からプラズマ負荷12への出力電力の供給を一時的に遮断する。
ファーストハンドリング遮断制御系4Aは、第1の比較回路4Abにおいて、センサ9で検出した反射波電力Prの検出信号を電力設定部4Aaで生成したファーストハンドリング遮断レベルと比較し、反射波電力Prの検出信号がファーストハンドリング遮断レベルを越えた時点で制御信号を出力する。遮断割り込み回路2は、この制御信号を受けて発振器6の発振を一時停止して遮断動作を行う。
一方、セカンドハンドリング遮断制御系4Bは、反射波電力Prをセカンドハンドリング遮断レベルと比較することによって異常放電以外の要因による反射波電力Prの増加を検出して制御信号を形成し、遮断割り込み回路2に送る。遮断割り込み回路2は、この制御信号を受け、発振器6の発振を一時停止して遮断動作を行うことによって、高周波電源10からプラズマ負荷12への出力電力の供給を一時的に遮断する。
セカンドハンドリング遮断制御系4Bは、第2比較回路4Bbにおいて、センサ9で検出した反射波電力Prの検出信号を電力設定部4Baで生成したセカンドハンドリング遮断レベルと比較し、反射波電力Prの検出信号がセカンドハンドリング遮断レベルを越えた時点で制御信号を出力する。遮断割り込み回路2は、この制御信号を受けて遮断動作を行う。
ファーストハンドリング遮断レベルは低レベルのしきい値であり、セカンドハンドリング遮断レベルは高レベルのしきい値である。したがって、反射波電力Prが増加した場合には、反射波電力Prは、はじめにファーストハンドリング遮断レベルを越え、次のセカンドハンドリング遮断レベルを越えることになる。
なお、ファーストハンドリング遮断制御系4Aで得られた、遮断制御禁止部5を通して遮断割り込み回路2に送られる。このとき、遮断制御禁止部5が動作した場合には、制御信号は遮断割り込み回路2に送られないため、発振器6の発振動作は継続し、出力電力の供給遮断動作は行われず、プラズマ負荷に対する電力供給は維持される。
一方、セカンドハンドリング遮断制御系4Bで得られた制御信号は、遮断制御禁止部5を通すことなく遮断割り込み回路2に送られる。そのため、遮断制御禁止部5の動作に依存されることなく、アーキング検出・遮断部4の制御信号に基づいて遮断割り込み回路2は発振器6の発振動作を一時停止して出力電力の供給を遮断する。
図10は、比較回路を用いた遮断制御部3の出力状態を示す図である。反射波電力Prが増加し、反射波電力Prがファーストハンドリング遮断レベルPAを越えた時点TAで制御信号SA(図10(b))が出力され、セカンドハンドリング遮断レベルPBを越えた時点TBで制御信号SB(図10(b))が出力される。
遮断制御禁止部5は、イグニッション状態、リイグニッション状態、進行波電力が電力指令値Csに対して所定の範囲(Cs〜(Cs−K・Cs100%))を超えて変動した場合等の所定の条件を満たした場合に、アーキング検出・遮断部4からの制御信号を禁止し、所定の条件を満たさない場合には、アーキング検出・遮断部4からの制御信号を遮断割り込み回路2に送る。この制御信号は、電力供給を停止してアークを遮断させるためのアーク遮断信号として動作し、遮断割り込み回路2から発振器6に送られて、発振器6を一時的に停止する。
図7において、遮断制御禁止部5は、イグニッション状態における制御信号を禁止する構成として、第1のスイッチ回路5aと第3の比較回路5bを備え、進行波電力Pfが電力設定値に対して所定の範囲を超えて変動した場合に制御信号を禁止する構成として、第2のスイッチ回路5cと判定回路5dを備える。
第1のスイッチ回路5aと第3の比較回路5bの構成は、アーキング検出・遮断部4で生成した制御信号を遮断割り込み回路2に送るか否かを制御し、高周波電源10がイグニッション状態にある場合には、制御信号の遮断割り込み回路2への送信を停止して制御信号を禁止し、高周波電源10がイグニッション状態にない場合には、制御信号の遮断割り込み回路2への送信を許容し制御信号を有効とする。
第3の比較回路5bは、進行波電力Pfを反射波電力の垂下レベルと比較することで、イグニッション・モード区間を判定する。第3の比較回路5bは、進行波電力Pfが垂下レベルを越えると第1のスイッチ回路5aをオン状態とする。垂下レベルは、定格電力指令値Cs100%に反射垂下係数Lを乗じたL×Cs100%によって設定することができる。反射垂下係数Lは0.1〜0.3の範囲で定めることができる。
また、イグニッション・モード区間の時間間隔が知られている場合には、カウンタ回路によってイグニッションの経過時間を計時しイグニッション状態を監視してもよい。カウンタ回路は、ソフトスタート制御部1bから電力供給の開始したことを知らせる信号を受けてイグニッション時間の計時を始め、予め設定されたイグニッション時間が経過した後に、第1のスイッチ回路5aをオン状態とする。
第1スイッチ回路5aは、アーキング検出・遮断部4のファーストハンドリング遮断制御系4Aで検出した異常放電の検出信号を入力する。第1スイッチ回路5aは、イグニッション時間の区間内では、入力した検出信号の第2スイッチ回路5cへの送信を停止して制御信号を禁止し、イグニッション時間の区間外では、入力した検出信号の第2スイッチ回路5cへの送信を許容して制御信号を有効とする。
第2スイッチ回路5cと判定回路5dの構成は、進行波電力が電力指令値Csに対して所定の範囲(Cs〜(Cs−K・Cs100%))を超えて変動した場合に、アーキング検出・遮断部4で生成した制御信号を遮断割り込み回路2に送るか否かを制御し、進行波電力が所定範囲を越えて変動した場合には、制御信号の遮断割り込み回路2への送信を停止して制御信号を禁止し、進行波電力の変動が所定範囲内である場合には、制御信号の遮断割り込み回路2への送信を許容して制御信号を有効とする。より詳細には、第2のスイッチ回路5cは、第1スイッチ回路5aの出力信号について遮断割り込み回路2への送信を制御する。
判定回路5dは、センサ9から進行波電力Pfの検出信号を入力し、この進行波電力Pfの検出信号をしきい値と比較することによって、進行波電力Pfが所定範囲を越えて変動したか、あるいは進行波電力Pfの変動が所定範囲内であるかを判定する。
ここで、進行波電力Pfの変動状態を判定する変動範囲は、電力指令値Csを上限とし、電力指令値Csから定格電力指令値Cs100%に所定係数Kを乗じたK×Cs100%を減じた値(Cs−K×Cs100%)を下限とするレベル範囲とする。所定係数Kは0.01〜0.2の範囲で定めることができる。
判定回路5dは、進行波電力Pfの検出信号が所定範囲を越えて変動した場合にアーク遮断禁止信号を第2スイッチ回路5cに送って、遮断割り込み回路2により電力供給の停止による遮断動作を禁止する。これによって、イグニッション状態と同様に、過大な反射波電力Prや過電圧、過電流を保護するために行われる垂下制御によって進行波電力Pfが大きく変動した場合に、異常放電と誤認することによる遮断動作を防ぐことができる。第2スイッチ回路5cは、判定回路5dからの判定信号に基づいて、第1スイッチ回路5aから入力した制御信号について遮断割り込み回路2への送信を制御する。なお、上記した遮断制御禁止部5の構成は一例であって、この構成に限られるものではない。この実施形態における信号状態は図3,4で表すことができる。


図8のフローチャートにおいて、はじめにソフトスタート制御部1bがソフトスタート制御を開始する(S31)。ソフトスタートを開始した後、進行波電力Pfを垂下レベル(例えば、L×Cs100%)と比較してイグニッション・モード区間であるか否かを監視し(S32)、イグニッション・モード区間ではセカンドハンドリング遮断処理のみを行い、ファーストハンドリング遮断処理は禁止する(S33)。
第2比較回路4Bbにおいて、反射波電力Prがセカンドハンドリング遮断レベルを越える場合には(S34)、セカンドハンドリングアークを検出してセカンドハンドリング遮断処理を行う(S50)。セカンドハンドリング遮断処理では、発振器6の発振を停止して電源出力を止めた後(S51)、所定時間の経過を待って(S52)、発振器6の発振を再開して電源出力を復帰させる(S53)。
イグニッション・モード区間を外れた後(S35)、進行波電力Pfと(Cs−K×Cs100%)とを比較することで進行波電力Pfの変動状態を判定する。進行波電力PfがCsと(Cs−K×Cs100%)の範囲外である場合には(S36)、アーク遮断禁止区間を設定し遮断処理を禁止する(S37)。
アーク遮断禁止区間内では、第1比較回路4Abにおいて反射波電力Prがファーストハンドリング遮断レベルを越えた場合(S38)であっても、遮断処理が禁止されているため、電力供給を継続する(S39)。
その後進行波電力Pfが増加し、進行波電力PfがCsと(Cs−K×Cs100%)の範囲内となった場合には(S40)、アーク遮断禁止区間を解除する(S41)。反射波電力Prがセカンドハンドリングレベルを越える場合には、セカンドハンドリング遮断処理を行う(S42)。S36において、進行波電力PfがCsと(Cs−K×Cs100%)の範囲内である場合には、アーク遮断禁止区間を設定しないため、第1比較回路4Abにおいて反射波電力Prがファーストハンドリング遮断レベルを越えた場合(S43)には、ファーストハンドリング遮断制御によって(S44)、電源出力を停止する(S45)。電源出力の停止は所定期間(1μsec〜100μsec)が経過した後(S46)、電源出力を高速復帰させる(S47)。S34〜S42の処理を終了まで続行する(S48)。
次に、遮断制御禁止部5の別の構成について図11を用いて説明する。
図11に示す遮断制御禁止部5の構成は、プラズマ中に蓄積された異常アークイオンを消滅させるイオンリフレッシュ機能を実現する構成例である。
前記した遮断制御禁止部の遮断制御(ファーストハンドリング遮断)は、プラズマ反応室内のイオンの残存を可能とし、アーキング要素が消滅する時間幅内で高周波電源を遮断制御する。一方、図11に示す構成の遮断制御は、遮断時間を延ばすことによって異常アークイオンを消滅させる。
この遮断制御では、例えば、1msから100msの時間幅とし、異常アークイオンが消滅した状態で遮断制御を終了する。これよって、異常アークを発生させるイオンの蓄積を解消させ、アーキングを断ち切る。
遮断制御禁止部5は、この異常アークを発生させるイオンの蓄積状況を第1の遮断制御の累積実行回数に基づいて判断し、第1の遮断制御の累積実行回数が予め設定した回数に達した時点を、プラズマに異常アークを発生させるイオンが蓄積した段階と判断して遮断制御を実行する。なお、第1の遮断制御は、第1スイッチ回路5a,第3比較回路5b,第2スイッチ回路5cによる遮断制御である。
そこで、遮断制御禁止部5は、第1の遮断制御の実行回数を計数するカウンタ回路5eを備える。カウンタ回路5eは、第2スイッチ回路5cの制御信号を計数し、この計数で得られた計数値が予め設定された設定回数に達した時点で、遮断割り込み回路2に対して遮断制御を実行する制御信号を送る。
カウンタ回路5eは、遮断制御の制御信号を送ると共に計数値をクリアし、第1の遮断制御の実行回数の再計数し、この計数値が設定回数に達した時点で再び第2の遮断制御を実行する。この所定回数の第1の遮断制御と、その後に第2の遮断制御とを繰り返すことで、アークの成長抑制と異常アークイオンの解消を効果的に行う。
また、ソフトスタート制御部1bは、第2の遮断制御によって高周波電源の出力を遮断した後にソフトスタートによる再起動を行い、電力指令値あるいは電圧指令値に対して進行波電力値をフィードバック制御して、高周波電源の出力が電圧指令値となるように制御する。
この第2の遮断制御後に行うソフトスタートは、零から電力指令値までのランプ状の電力出力を、マッチングボックスの整合回路が十分に対応することができる整合速度で行い、遮断制御部が反射波電力を異常放電として検出することなくインピーダンス整合が行われる時間幅で出力する。したがって、このソフトスタートに要する時間幅は、電力指令値の大きさ、マッチングボックスの整合回路の整合特性等に依存して定めることができる。このソフトスタートの時間幅は、例えば、1msから10sとすることができる。
以下、図12〜図14を用いてアーク遮断禁止区間について説明する。図12は始動時点のソフトスタート時におけるアーク遮断禁止区間を示し、図13はファーストハンドリング遮断後の高速立ち上がり時におけるアーク遮断禁止区間を示し、図14はセカンドハンドリング遮断後のソフトスタート時におけるアーク遮断禁止区間を示している。
図12において、始動時点のソフトスタート時では、アーク遮断禁止区間はイグニッション・モード区間と進行波電力過渡区間を含んでいる。イグニッション・モード区間は、進行波電力Pfが反射波電力の垂下レベル以下の範囲である。垂下レベルは、定格電力指令値Cs100%に対して反射垂下係数Lを乗じたL×Cs100%で設定することができる。
また、進行波電力過渡区間は進行波電力Pfが垂下レベルから電力指令値Csに対して定めた所定レベル範囲内に達するまでの区間である。所定レベル範囲は、電力指令値Csを上限とし、電力指令値Csから定格電力指令値Cs100%に所定係数Kを乗じたK×Cs100%を減じた値(Cs−K×Cs100%)を下限とするレベル範囲で定めることができる。また、図12において、反射波電力Prが低下するまでの間をマッチング区間としている。
図13において、ファーストハンドリング遮断後の高速立ち上がり時には、アーク遮断禁止区間は、垂下レベルによる区間と進行波電力過渡区間を含んでいる。
図14において、セカンドハンドリング遮断後のソフトスタート時には、アーク遮断禁止区間はリイグニッション・モード区間によって設定される。セカンドハンドリング遮断は異常アークイオンを消滅させる遮断処理であるため、リイグニッション・モード区間を過ぎた後は、進行波電力過渡区間を経ることなく進行波電力は電力指令値に漸近する。
本発明の実施例によれば、プラズマ室内のイオンを残存可能とし、かつ、アーキング要素を消滅するに要する最短時間範囲(1μsec〜100μsec)で電力供給を遮断するファーストハンドリング遮断と、異常アークイオンを消失するに要する時間範囲(1msec〜100msec)で電力供給を遮断する一時遮断とを行うことができる。
本発明の実施例によれば、ファーストハンドリング遮断を行うことで、イオンが残存しているため、遮断後の立ち上がり時間を短縮させ正常放電を生成することができる。また、遮断時間が比較的長い一時遮断を行うことで、異常アークイオンを消失させてアーキングを断ち、安定したプラズマへの電力供給を行うことができる。
本発明の実施例によれば、マッチング区間において、遮断動作を禁止する区間を設定することで、異常放電に伴わない反射波電力Prの増加による電力供給の誤遮断を防ぐことができる。
本発明の実施例によれば、異常放電を抑制する遮断動作(ファーストハンドリング遮断動作)と、異常放電に因らない反射波電力の増加を抑制する遮断動作(セカンドハンドリング遮断動作)とを、遮断の目的に応じて行うことができる。
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨に基づいて種々変形することが可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の真空装置用異常放電抑制装置は、成膜装置に限らず、スパッタリング装置やアッシング装置等のプラズマを用いる処理装置分野に適用することができる。

Claims (9)

  1. 高周波電源からプラズマ反応室内に電力を供給してプラズマを生成する真空装置の異常放電を抑制する装置であって、
    電力指令値と電力フィードバック値との偏差に基づいて前記高周波電源を制御する電力制御部と、
    プラズマ反応室内の異常放電時、および異常放電への移行過程時の少なくとも何れかの時期で発生する反射波電力または反射波電圧を検出して前記高周波電源からプラズマ反応室への電力供給を遮断する遮断制御部とを備え、
    前記遮断制御部は、遮断時間の時間幅を異にするファーストハンドリング遮断制御とセカンドハンドリング遮断制御を含み、
    前記ファーストハンドリング遮断制御は、プラズマ反応室内のイオンの残存を可能とし、異常放電の初期に発生する少数派アークのアーキング要素が消滅する時間幅内で高周波電源を遮断制御する第1の遮断制御であり、
    前記セカンドハンドリング遮断制御は、前記ファーストハンドリング遮断制御の実行回数に基づいて、異常放電時に少数派アークから移行する多数派アークのイオンが消滅する時間幅内で高周波電源を遮断制御する第2の遮断制御であることを特徴とする、真空装置用異常放電抑制装置。
  2. 前記第1の遮断制御による遮断時間の時間幅は1μsから100μsであり、前記第2の遮断制御による遮断時間の時間幅は1msから100msであることを特徴とする、請求項1に記載の真空装置用異常放電抑制装置。
  3. 前記電力制御部は、
    前記第1の遮断制御によって高周波電源の出力を遮断した後にソフトスタートにより再起動を行い、
    当該ソフトスタートは、零から電力指令値までのランプ出力を、前記第1の遮断制御の遮断時間と同じ時間オーダーの時間幅で出力することを特徴とする、請求項1に記載の真空装置用異常放電抑制装置。
  4. 前記ソフトスタートの時間幅は1μsから100μsであることを特徴とする、請求項3に記載の真空装置用異常放電抑制装置。
  5. 前記電力制御部は、
    前記第2の遮断制御によって高周波電源の出力を遮断した後にソフトスタートにより再起動を行い、
    当該ソフトスタートは、零から電力指令値までのランプ出力を、高周波電源とプラズマ反応室との間の整合回路の整合速度に応じた時間幅で出力することを特徴とする、請求項1に記載の真空装置用異常放電抑制装置。
  6. 前記ソフトスタートの時間幅は1msから10sであることを特徴とする、請求項5に記載の真空装置用異常放電抑制装置。
  7. 前記遮断制御部は、第1の遮断制御の実行回数を計数し、当該計数値が予め設定された設定回数に達した時点で前記第2の遮断制御を実行することを特徴とする、請求項1から6の何れか一つに記載の真空装置用異常放電抑制装置。
  8. 前記第2の遮断制御を実行すると共に前記計数値をクリアし、前記第1の遮断制御の実行回数を再計数することを特徴とする、請求項7に記載の真空装置用異常放電抑制装置。
  9. 前記遮断制御部による電力供給の遮断制御を禁止する遮断制御禁止部を備え、
    前記遮断制御禁止部は、
    アーク遮断禁止区間において、前記遮断制御部による電力供給の遮断制御を禁止し、電力供給を継続することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一つに記載の真空装置用異常放電抑制装置。
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