JP2000133412A - グロー放電装置の放電制御方法および放電制御装置 - Google Patents

グロー放電装置の放電制御方法および放電制御装置

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JP2000133412A
JP2000133412A JP10310796A JP31079698A JP2000133412A JP 2000133412 A JP2000133412 A JP 2000133412A JP 10310796 A JP10310796 A JP 10310796A JP 31079698 A JP31079698 A JP 31079698A JP 2000133412 A JP2000133412 A JP 2000133412A
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frequency power
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Noboru Kuriyama
山 昇 栗
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電開始圧力よりも低いスパッタプロセス圧
力でアーク放電を抑制してグロー放電を安定的に行うよ
うな電源制御を行う方法および装置を提供すること。 【解決手段】 高周波電源を用いたグロー放電装置にお
ける放電を制御する方法において、前記グロー放電装置
におけるグロー放電からアーク放電への移行を検出し、
この検出の直後の10マイクロ秒以内の時間にわたり、
前記高周波電源からの給電を停止するようにしたことを
特徴とするグロー放電装置の放電制御方法、および高周
波電源から電力計CM、インピーダンス・マッチング回
路IMを介して供給されるグロー放電装置GDと、前記
電力計から取り出された信号により反射波電圧の変化分
および進行波電圧の変化分を得、これら変化分の前者と
後者との差をとる差分回路5と、この差分回路の出力に
基づき前記グロー放電装置がグロー放電からアーク放電
に移行したことを検出してから前記高周波電源からの給
電を10マイクロ秒以内の時間にわたり停止させる制御
回路6とをそなえた放電制御装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波電源を用い
たグロー放電装置の放電制御方法および放電制御装置に
係り、とくにグロー放電からアーク放電に移行した際の
制御方法および制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばスパッタリング技術において
は、所定空間においてグロー放電を行うが、とくに絶縁
物などをスパッタリングするには高周波電源を用いて給
電する。この高周波スパッタリングでは、そのグロー放
電による処理中に突然アーク放電に移行し、試料にダメ
ージを与えることがある。一般的に、電力が大きくなる
とアーク放電が発生しやすくなる。すなわち電力を増し
てスパッタ速度を大きくしていくと、アークの発生が少
ない領域からアークが生じてもすぐには消えない領域と
なり、さらに大きくしていくと連続してアーク放電し消
えない領域となる。
【0003】アークの発生し易さおよびアークの消えな
い電力値は、真空容器(チャンバ)を一方の電極とした
とき、他方の電極となるターゲットの材質、密度、冷却
条件などにより決まる。ターゲットの材質に応じて電力
を定めることによりアークを発生し難い条件とすること
も可能であるが、ターゲットの材質は種々であるから実
際的ではない。
【0004】したがって、グロー放電からアーク放電に
移行し始めたときにアークを遮断するのが最も実際的か
つ効果的な方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このアーク遮断につい
ては、グロー放電からアーク放電への移行を検出し、次
いで直ちに高周波電源からの給電を停止することにな
る。そして、給電停止時間は適当な時間を選択しない
と、再びアーク放電に移行する。この給電停止時間は従
来200マイクロ秒程度とされており、そのような運用
がなされている。
【0006】しかし、給電停止時間が200マイクロ秒
であってもアーク放電は停止するが、他方スパッタリン
グを継続するためのグロー放電を維持することが難しい
状況が出てきている。これは、スパッタ薄膜の機能膜と
しての応用が広がり、スパッタ圧力を放電開始圧力より
も低くしてプロセスを行うようになってきていることに
起因する。
【0007】このように、スパッタプロセス圧の低下傾
向の下では、200マイクロ秒の給電停止はグロー放電
に悪影響を及ぼすことが問題となっている。
【0008】本発明は上述の点を考慮してなされたもの
で、放電開始圧力よりも低いスパッタプロセス圧でアー
ク放電を抑制してグロー放電を安定的に行うような電源
制御を行う方法および装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明では、請求項1記載の、高周波電源を用いたグロー
放電装置における放電を制御する方法において、前記グ
ロー放電装置におけるグロー放電からアーク放電への移
行を検出し、この検出の直後の10マイクロ秒以内の時
間にわたり、前記高周波電源からの給電を停止するよう
にしたことを特徴とするグロー放電装置の放電制御方
法、および請求項2記載の、高周波電源から電力計、イ
ンピーダンス・マッチング回路を介して供給されるグロ
ー放電装置と、前記電力計から取り出された信号により
反射波電圧の変化分および進行波電圧の変化分を得、こ
れら変化分の前者と後者との差をとる差分回路と、この
差分回路の出力に基づき前記グロー放電装置がグロー放
電からアーク放電に移行したことを検出してから前記高
周波電源からの給電を10マイクロ秒以内の時間にわた
り停止させる制御回路とをそなえた放電制御装置、を提
供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】グロー放電装置は、高周波電源か
ら電力計、マッチング回路を介して給電される。この給
電経路は高周波を伝送するから分布定数回路として捉え
られる。
【0011】グロー放電が行われている間、高周波電源
から放電装置へは、できる限り反射波電力が少くかつ進
行波電力が大きくなるように給電が行われ、反射波電
力、進行波電力ともに大きな変化をしない。これに対
し、グロー放電装置でアーク放電が生じると、反射波電
力が急増し、この変化によってアーク放電発生が検出で
きる。
【0012】一方、アーク放電が発生すると進行波電力
は減少する。したがって、反射波電力が急増したことと
進行波電力が減少したことによってアーク放電への移行
を検出することができる。
【0013】進行波電力の減少をアーク放電移行検出の
もう1つの条件とするのは、次の理由による。反射波電
力は高周波電源の再始動時にも急増し、反射波電力だけ
によったのでは、アーク放電移行によるものか高周波電
源の再始動時のものかが判別できない。この点、進行波
電力はアーク放電移行時は減少するが、高周波電源の再
始動時は増加する。したがって、反射波電力および進行
波電力の両者を監視することによって、アーク放電移行
を高周波電源の再始動時と識別できる。
【0014】ここで、スパッタリング装置では、上述し
たようにスパッタ圧力の低圧化が図られている。すなわ
ち、生成膜の品質を向上する試みとして、チャンバ内に
充填されるアルゴンガスの圧力を低下させることが行わ
れている。これは、次の理由による。
【0015】良質な生成膜を得るには、スパッタ粒子が
チャンバ内を減速せずに高速移動してターゲットに衝突
する必要がある。それには、スパッタ粒子の移動経路に
存在するアルゴン原子数が少ない方がよい。チャンバ内
の圧力を下げれば、スパッタ粒子が移動途中で他のアル
ゴン原子に衝突する確率が減る。そこで、スパッタ圧力
つまりチャンバ内のアルゴン圧を低下させることが行わ
れる。
【0016】この場合、問題となるのがグロー放電から
アーク放電に移行したとき高周波電源を遮断してアーク
放電を停止させるのであるが、高周波電源の給電停止時
間が長くなるとプラズマが消失するため、グロー放電が
消失してスパッタリングが継続できなくなることであ
る。このことから、高周波電源の給電停止時間をある程
度以下の長さにしなければならないことが分かった。
【0017】
【実施例】図1は、本発明に係るグロー放電装置の給電
制御回路を示したものである。この回路では、たとえば
周波数13.56MHzの出力を生じる高周波電源PS
から、同軸ケーブル、電力計CM、同軸ケーブル、イン
ピーダンスマッチング回路IMおよび直流カットキャパ
シタCcを介してターゲットおよびチャンバに接続され
て、高周波電源RFからターゲット−チャンバ間に給電
される構成となっている。そして、電力計CMにはアー
ク検出制御回路ACCが接続されている。
【0018】この高周波給電回路における給電制御を行
うために、電力計CMから取り出した反射波電力および
進行波電力の替わりに、反射波電圧Vprおよび進行波
電圧Vpfを用い、増幅器1,2を介して微分回路3,
4に与えて微分信号dVpr/dt,dVpf/dtを
取り出し、これら微分信号をコンパレータ5に与えて前
者から後者を差し引いた差を得る。この差はモノマルチ
回路6に与えられるが、差がある程度以上大きいとモノ
マルチ回路6から高周波電源RFに対して遮断時間を示
す、持続時間を持ったアークカットパルスつまり電源遮
断信号として与えられ、高周波電源RFは給電を停止す
る。
【0019】この図1に示した装置において、GDはグ
ロー放電装置であり、ここでは一方極が真空容器CH
で、他方極であるターゲットTとの間にグロー放電を生
じ、スパッタリングを行う。このグロー放電装置GDに
は、高周波電源PSから電力計CM(パワーモニタ)、
インピーダンスマッチング回路IMおよび直流カットキ
ャパシタCcを介して、たとえば13.56MHzの高
周波給電が行われる。
【0020】すなわち電力計CMは、高周波電力を測定
する装置もしくは計器を接続し得る端子を有するもので
ある。またインピーダンスマッチング回路IMは、線路
インピーダンスとグロー放電装置GDのインピーダンス
とを整合させるものであり、これにより高周波電源PS
の出力を、負荷への進行波電力を最大に、また負荷から
の反射電力を最小にするように調整して、能率良く高周
波電力をグロー放電装置GDに供給するようにしたもの
である。グロー放電装置GDは、その放電に整流作用を
伴うものであるから、ターゲットTには直流電圧VDCが
発生し、インピーダンスマッチング回路IMとの間は直
流カットキャパシタCcにより直流的に切離されてい
る。
【0021】図2は、図1に示した装置におけるアーク
発生前後の状態変化をタイムチャートとして示したもの
である。ここでは、進行波電圧Vpf、反射波電圧Vp
r、インピーダンスマッチング回路IMの出力電圧VRF
およびグロー放電装置GDのターゲット直流電圧VDCに
ついて示している。まず、給電電圧Vpfはアーク発生
により低下または上昇する。これは、インピーダンスマ
ッチング回路IM等の条件により変るが、通常は低下す
るようになる。
【0022】これに対し、反射波電圧Vprはアーク発
生前は略々ゼロに抑えられているが、アーク発生によっ
て負荷インピーダンスが変わることにより必ず上昇す
る。また、高周波電圧VRFは、測定点によって異なるが
通常は低下する。
【0023】そして直流電圧VDCは、電力値、負荷、タ
ーゲットの材質、およびガスによって定まる負の高電圧
からゼロに向って急激に変化する。したがって、これら
4要素中の適当なものを選択して監視することにより、
アーク発生を検出することができる。
【0024】図3は、スパッタリング用のグロー放電中
にアーク放電への移行があったときのターゲット−チャ
ンバ間の電圧変化を示したものである。ターゲットはチ
ャンバに比べて面積が小さいため、両者間に高周波グロ
ー放電を行うと、一種の整流作用が生じてターゲット側
が−の直流電圧VDCを生じる。そして、アーク放電に移
行すると、この直流電圧VDCが急激に低減することも知
られている。
【0025】この図3では、ターゲット−チャンバ間の
電圧変化を上下2段に分けて、上段には時間軸である横
軸1目盛を1ミリ秒とし、下段は横軸1目盛を0.1マ
イクロ秒として表している。そして、上段におけるグロ
ー放電からアーク放電への移行期間を時間軸に沿って拡
大して示している。
【0026】上段ではスパッタ期間からアーク期間への
移行により段差を生じているから明らかであるのに対
し、下段ではターゲット−チャンバ間電圧VDCが波形の
左右両端に示され、波形左端のVdcに比べて波形右端の
Vdcは小さいことが看取できる。すなわち、遷移時間
0.6マイクロ秒を経るとVdcがこれだけ変化すること
が分かる。そこで、Vdcを監視することにより、グロー
放電からアーク放電への移行を検出することができる。
【0027】ただし、ターゲットがほぼ完全な絶縁物で
あると、Vdcは検出できない。この場合にも有効な検出
法が、反射波電圧(Vpr)および進行波電圧(Vp
f)の各微分(dVpr/dt,dVpf/dt)を取
り、前者から後者を差し引いた値(dVpr/dt−d
Vpf/dt)を見る方法である。
【0028】図4は、図1に示した実施例の動作説明の
ための進行波電圧Vpf、反射波電圧Vprの両信号、
およびこれら両信号に基く変化分の差分信号(dVpr
/dt−dVpfdt)の変化を示すタイムチャートで
ある。まず、正常放電時t11には進行波電圧Vpfは設
定値、反射波電圧Vprはゼロ、したがって(dVpr
/dt−dVpf/dt)もゼロとなる。
【0029】次いで、アーク発生時点t12になると、進
行波電圧Vpfが低下(上昇)して反射波電圧Vprが
急上昇し、したがって(dVpr/dt−dVpf/d
t)が急峻に立上り、検出レベルを超える。これによ
り、制御回路CCが検出動作し高周波電源PSを停止さ
せ、時点t13にて高周波電源PSが停止する。この後、
時点t14まで高周波電源PSとかインピーダンスマッチ
ング回路IMのLCにより減衰振動電流が流れ、次いで
時点t15まで制御回路CCのタイマ動作による休止時間
となる。
【0030】休止時間の経過後の時点t15で、高周波電
源PSが始動する。高周波電源PSはソフトスタートす
るが、低出力時は負荷とのインピーダンスマッチングが
取れず、反射波電圧Vprが大となる。進行波電圧Vp
rは、ソフトスタートの特性にしたがって増大する。こ
のとき反射波電圧Vprの変化はかなり大であるが、進
行波電圧Vprも同様に変化するから、(dVpr/d
t−dVpf/dt)はほぼゼロとなる。
【0031】したがってアーク検出、そしてこれに続く
しゃ断という動作は防止できる。そして、時点t16から
t17になると、徐々に高周波電源PSと負荷とのインピ
ーダンスマッチングが取れて反射波電圧Vprが減少
し、(dVpr/dt−dVpf/dt)は負となり、
さらに時点t18で進行波電圧Vpfが設定値になり、反
射波電圧Vprおよび(dVpr/dt−dVpf/d
t)もゼロとなる。
【0032】要するに、反射波電圧Vprはアーク発生
時および高周波電源PSの再始動時に増加するが、進行
波電圧Vpfはアーク発生時は減少するのに高周波電源
PSの再始動時は増加する。したがって、反射波電圧V
prおよび進行波電圧Vpfの両者を監視すれば、アー
ク放電移行と高周波電源の再始動とを区別することがで
きる。
【0033】この進行波および反射波の各電力を検出す
る方法は、電圧検出による方法よりも汎用性があり、し
かもこれら電力の検出器はケーブル上のどの点に設置し
てもよいので高周波電源の出力に組込むことができ、イ
ンピーダンスマッチング回路IMへの配線が簡単にな
る。
【0034】図5は当業者によく知られた電力計CMの
構造説明図であり、この図5により反射波電圧Vprお
よび進行波電圧Vpfについて説明する。この図5にお
いて、Cは同軸ケーブルの芯線1とこの芯線1に並設さ
れたアンテナ線2との間の静電容量、Mは芯線とアンテ
ナ線2との相互誘導計数であり、これらC,Mを用いた
電力計であることからCMカプラとも呼ばれ、通常は高
周波通過型電力計と呼ばれる。
【0035】図5における抵抗R両端間の電圧V1 は、
【数1】 ここでV:出力電圧 で
【数2】 とすれば、
【数3】 である。また、V2,V3は、
【数4】 ここでI:出力電流 であり、f点の電圧をVf,r点の電圧をVrとする
と、 Vf=V1 +V2 Vr=V1 −V3 である。
【0036】そして、結合係数を調整してV1 とV3 を
負荷が50Ωのときに同じ大きさになるようにすると、 Vf=2V1 Vr=0 となる。この状態で、負荷を50Ω以外たとえば100
Ωの負荷に接続すると、 V1 =2V2 となるから、 Vf=V1 +V2 =2V2 +V3 =3V2 Vr=V1 −V3 =2V2 +V2 =V2 となり、Vrは0ではなくなる。
【0037】一方、抵抗の替わりに静電容量(50Ωと
する)を接続すると、電流位相は90°進んでV2 が9
0°進むことになるからベクトル合成により、
【数5】 となる。
【0038】このように、電力計CM、つまりCMカプ
ラを用いると、伝達線路の終端に特性インピーダンスと
同じ値の純抵抗RL が接続されたと同じ状態をモニタす
ることができる。これは、Vr=0の状態である。
【0039】そして、VfおよびVrをそれぞれダイオ
ードで整流して、直流電圧として取出し指示計器に与え
ることとし、抵抗R=50Ωで消費する電力を知るに
は、Vfの計器の指針の振れに応じた目盛を上記指示計
器に付しておけば、高周波電力に対応した目盛となる。
そして、この直流信号Vpfつまり進行波電圧信号とい
い、Vrの整流信号をVprつまり反射波電圧信号と呼
ぶ。
【0040】図6は、図5の回路における純抵抗RL の
部分についての、より具体的な回路構成を示したもので
ある。すなわち、図における純抵抗RL は、図6の一点
鎖線で囲まれた部分の右側部分における、電極を表わす
コンデンサCeおよび放電抵抗Rpの並列回路と、2つ
の可変コンデンサC1 ,C2 およびインダクタンスLか
らなるインピーダンスマッチング回路とによって構成さ
れている。
【0041】そして、可変コンデンサC1,C2によって
インピーダンスマッチング回路IMの調整を行うことに
より、図における左側に接続された同軸ケーブルから見
て放電装置を純粋抵抗にすることができる。
【0042】再び図1に戻ると、電力計CMに接続され
た一点鎖線で囲まれたアーク検出制御回路ACCでは、
電力計CMに接続された単一周波数フィルタにより反射
波信号Vprおよび進行波電圧Vpfを取出し、微分回
路を介して変化分を得、トランジスタQf、Qrおよび
Qoからなる差動増幅器により極性およびレベルを検出
し、(dVpr/dt−dVpf/dt)なる信号を取
出し、高周波電源PSに与える。
【0043】すなわち、Vpfの急激な立上りによりQ
rがオンとなってQfがオフになりQoにバイアスがか
かって、高周波電源PSに電源を遮断する時間に応じた
持続時間を持つアークカットパルスを与える。この場
合、反射波電圧Vprの信号が与えられる差動増幅器入
力端に設けられている抵抗RM1,RM2等は全然放電しな
かったり、反射レベルが所定値以上になるのを防止し
て、装置の動作安定化を図るために挿入されている。
【0044】図7は、給電停止時間を段階的に変化した
ときの放電持続いかんを波形図として示したものであ
る。すなわち、給電停止時間を100マイクロ秒、25
マイクロ秒および5マイクロ秒と、段階的に短縮してい
ったときの放電持続いかんを検証した結果を、左から順
に示している。この図7における最も左側の波形は給電
停止時間を100マイクロ秒としたときを示し、中央の
波形は25マイクロ秒としたときを示し、最も右側の波
形は5マイクロ秒としたときを示している。
【0045】そして、これら3者のうちで5マイクロ秒
のときだけ放電が継続し、他の100マイクロ秒および
25マイクロ秒の場合は停止してしまった。図示しては
いないが、給電停止時間が10マイクロ秒程度でも放電
が持続した。
【0046】
【発明の効果】本発明は上述のように、グロー放電から
アーク放電への移行を検出したとき、検出直後の10マ
イクロ秒以内の時間だけグロー放電装置への給電を停止
するようにしたため、放電開始圧力より低いスパッタ圧
力下でもアークを放電を停止しかつグロー放電へ円滑移
行することができる。この結果、試料に良質のスパッタ
膜を歩留まりよく形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るグロー放電装置の給電制御回路。
【図2】図1に示した装置におけるアーク発生前後の状
態変化を示すタイムチャート。
【図3】スパッタリング用のグロー放電中にアーク放電
への移行があったときのターゲット−チャンバ間の電圧
変化を示した波形図。
【図4】図1に示した実施例の動作説明のための信号の
変化を示すタイムチャート。
【図5】図1の回路に用いる電力計CMの構造説明図。
【図6】図5の回路における純抵抗RL の部分について
の、より具体的な回路構成を示した回路図。
【図7】給電停止時間を段階的に変化したときの放電持
続いかんを示す波形図。
【符号の説明】
1,2 増幅器 3,4 微分回路 5 コンパレータ 6 モノマルチ回路 7 可変抵抗器 PS 高周波電源回路 CM 電力計 GD グロー放電装置 S 試料 IM インピーダンスマッチング回路 Vpr 反射波電圧 Vpf 進行波電圧 ACC アーク検出制御回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高周波電源を用いたグロー放電装置におけ
    る放電を制御する方法において、 前記グロー放電装置におけるグロー放電からアーク放電
    への移行を検出し、 この検出の直後の10マイクロ秒以内の時間だけ、前記
    高周波電源からの給電を停止するようにしたことを特徴
    とするグロー放電装置の放電制御方法。
  2. 【請求項2】高周波電源から電力計、インピーダンス・
    マッチング回路を介して供給されるグロー放電装置と、 前記電力計から取り出された信号により反射波電圧の変
    化分および進行波電圧の変化分を得、これら変化分の前
    者と後者との差をとる差分回路と、 この差分回路の出力に基づき前記グロー放電装置がグロ
    ー放電からアーク放電に移行したことを検出して前記高
    周波電源からの給電を10マイクロ秒以内の時間だけ停
    止させる制御回路とをそなえた放電制御装置。
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