JP7293535B2 - アーク検出装置、および、高周波電源装置 - Google Patents

アーク検出装置、および、高周波電源装置 Download PDF

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Description

本願発明は、半導体製造工程などに使用されるプラズマ処理システムでのアークの発生を検出するアーク検出装置、および、高周波電源装置に関するものである。
従来、プラズマ処理システムとしては、図5に示すように、例えば高周波電力を出力するための高周波電源装置51と、この高周波電源装置51に伝送ケーブル52を介して接続され、高周波電源装置51の出力インピーダンスと負荷インピーダンスとを整合するためのインピーダンス整合器53と、このインピーダンス整合器53に負荷接続部54を介して接続される、例えば負荷としてのプラズマ処理装置55とで構成されている。
高周波電源装置51は、プラズマ処理装置55に対して高周波電力を供給するための装置であり、例えば図示しない電力増幅回路や発振回路等を備え、所定の電力に設定された高周波電力をインピーダンス整合器53を介してプラズマ処理装置55に出力する。
プラズマ処理装置55は、エッチングやCVD等の方法を用いて半導体ウェハや液晶基板等の被加工物を加工するための装置である。より詳細には、プラズマ処理装置55は、プラズマチャンバーの内部に備えられた真空容器に一対の電極を設けた構成とされ、その真空容器にプラズマ発生用の窒素ガス又はアルゴンガス等が導入され、一対の電極間に高周波電力を供給して上記ガスを電離させて、プラズマを発生させるものである。発生されたプラズマは、半導体ウェハや液晶基板等の被加工物を加工するために利用される。
プラズマ処理装置55では、プラズマ処理中にアークが発生することがある。アークが発生すると、それによって半導体ウェハや液晶基板等の被加工物を損傷したり、アークが大きい場合は、プラズマ処理装置55を破損してしまうことがあるので、高周波電源装置51では、通常、アークの発生を事前に検出し、プラズマ処理装置55に対する高周波電力の供給量を低減したり、供給自体を停止させることが行われている。
例えば、特許文献1には、プラズマ処理装置55への進行波電力やプラズマ処理装置55からの反射波電力を検出し、その検出値の変化パターンからアーク発生を判定し、アーク発生と判定されたときには高周波電源装置51の出力を抑制したり、出力を停止したりすることが記載されている。
特許文献1で対象としているアークは、例えば1回の放電量で被加工物を損傷したり、プラズマ処理装置55を破損したりするようなアーク(以下、「ハードアーク」という。)である。一方、アークの中には、1回の放電では被加工物を損傷するほどではないが、放電が連続して繰り返されると、被加工物に処理むらや焦げなどの加工品質に悪影響を与える微小なアーク(以下、「ソフトアーク」という。)が存在する。そして、近年は、被加工物の品質を可能な限り高精度に管理するために、プラズマ処理中のプラズマ処理装置55内のソフトアークの発生状態についても関心が高まっている。
特許文献1に記載されているアーク検出方法は、プラズマ処理中にプラズマ処理装置55からの反射波電力の変化率を監視し、所定の閾値以上の急激な反射波電力の変化が生じたときにアーク放電が発生したと判別してアークの検出信号を出力するものであるが、主として、ハードアークの検出を目的とするため、所定の閾値は、その目的を達成し得るような適当な値に設定されているのが通常である。当該アーク検出方法において、所定の閾値を小さくすれば、ソフトアークを検出することも可能になる。しかし、ソフトアーク発生時の反射波電力の変化量は微小なので、通常のインピーダンス変動に基づく反射波電力の変化量と区別できない場合が多い。したがって、所定の閾値を小さくしたことによって、通常のインピーダンス変動をアーク発生と誤検出することが多くなるという問題が生じる。
通常のインピーダンス変動をアーク発生と誤検出することを抑制し、ソフトアークの発生を高い精度で検出することのできるアーク検出装置として、反射波電力の微分値に基づいて、所定時間内の反射波電力の微小変動の回数をカウントするものが開発されている(特許文献2参照)。
特開平8-167500号公報 特開2007-149596号公報
特許文献2に記載されているアーク検出方法は、反射波電力の微分値が第1閾値を下回った直後に第2閾値を上回ったことで、反射波電力の微小変動を検出している。そして、所定時間内の微小変動の回数が所定回数を上回った場合に、ソフトアークを検出したと判断する。
しかしながら、ソフトアークには、反射波電力の変化が緩やかなものもある。変化が緩やかだと、微分値が第1閾値と第2閾値との間の範囲を超えられず、微小変動として検出されない。そうすると、ソフトアークを適切に検出できない場合がある。
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、プラズマ処理システムにおけるソフトアークの発生を高い精度で検出することのできるアーク検出装置を提供することを、その課題とする。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によって提供されるアーク検出装置は、高周波電源装置から負荷となるプラズマ処理装置に供給する高周波電力によってプラズマを発生させてプラズマ処理装置内の被加工物に所定の加工処理を行うシステムに適用するアーク検出装置であって、前記高周波電源装置の出力端に設けられて、前記高周波電力に関する情報を検出する検出手段と、前記高周波電力に関する情報に基づいて演算される反射係数に関する情報を対象情報として演算する反射係数情報演算手段と、前記対象情報の標準偏差を演算する標準偏差演算手段と、前記対象情報の標準偏差に基づいて、アークが発生したか否かを判定する判定手段と、
を備え、前記判定手段は、前記対象情報の標準偏差が予め定めた閾値以上になった後、予め定めた監視時間が経過するまで、設定された範囲内にある場合に、アークが発生したと判定することを特徴とする。
なお、「反射係数に関する情報」とは、例えば、反射係数の位相角や反射係数の絶対値(大きさ)のように、反射係数を構成する情報を含むが、それだけではなく、反射係数と等価な情報を含む。例えば、検出手段によって検出された高周波電力に関する情報に基づいて演算される負荷側インピーダンスは、反射係数を別の形式で表現したものであるので、反射係数と等価な情報である。そのため、負荷側インピーダンスを構成する情報である負荷側インピーダンスの位相角や負荷側インピーダンスの絶対値(大きさ)も「反射係数に関する情報」の一種である。その他の同様の情報も「反射係数に関する情報」の一種である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記判定手段は、前記対象情報の標準偏差が前記閾値以上になった後、前記監視時間が経過するまでに、前記対象情報の標準偏差が設定された下限値以下になった場合に、アークが発生していないと判定する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記反射係数情報演算手段は、さらに、前記対象情報とは異なる反射係数に関する情報を、第2の対象情報として演算し、前記標準偏差演算手段は、さらに、前記第2の対象情報の標準偏差を演算し、前記判定手段は、さらに、前記第2の対象情報の標準偏差に基づいて、アークが発生したか否かを判定し、前記判定手段による前記対象情報の標準偏差に基づく判定と、前記第2の対象情報の標準偏差に基づく判定との両方の判定でアークが発生したと判定された場合、または、両方の判定のいずれかでアークが発生したと判定された場合に、アークが発生したと判断する判断手段をさらに備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記判定手段は、前記第2の対象情報の標準偏差が予め定めた第2の閾値以上になった後、前記監視時間が経過するまでに、前記第2の対象情報の標準偏差が予め定めた第2の下限値以下になった場合に、アークが発生していないと判定する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記判定手段は、インピーダンス整合を行っていないときにアークが発生したか否かを判定する。
本発明の第2の側面によって提供される高周波電源装置は、本発明の第1の側面によって提供されるアーク検出装置を備えていることを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記高周波電源装置は、出力する高周波電力の周波数を変更することができ、プラズマ処理装置のインピーダンスの変化に応じて、当該周波数を変化させることで、インピーダンス整合を行う。
本発明によれば、反射係数に関する情報が対象情報として演算され、対象情報の標準偏差に基づいて、アークが発生したか否かが判定される。標準偏差は値のばらつき度合いを示すので、反射波電力の変化が緩やかなソフトアークの場合であっても、標準偏差では大きな値となって表れやすく、ソフトアークが発生したか否かをより高い精度で判定(検出)することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
第1実施形態に係るプラズマ処理システムの一例を示すブロック図であり、同図(a)はプラズマ処理システムの全体構成を示しており、同図(b)はアーク検出部の詳細構成を示している。 ソフトアークが発生したとき等の、反射係数の位相角およびその標準偏差の変化の一例を示す図である。 ソフトアーク判定処理を説明するためのフローチャートの一例である。 アーク検出部の変形例を示す図である。 従来のプラズマ処理システムの一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、第1実施形態に係るプラズマ処理システムの一例を示す図である。同図(a)は、プラズマ処理システムの全体構成を示すブロック図であり、同図(b)は、アーク検出部の内部構成を示すブロック図である。このプラズマ処理システムは、半導体ウェハや液晶基板等の被加工物に対して高周波電力を供給して、例えばプラズマエッチングといった加工処理を行うものである。図1(a)に示すように、このプラズマ処理システムは、周波数可変の高周波電源装置1、伝送線路2、インピーダンス整合器3、および、負荷としてのプラズマ処理装置4を備えている。
高周波電源装置1には、例えば同軸ケーブルからなる伝送線路2を介してインピーダンス整合器3が接続され、インピーダンス整合器3にはプラズマ処理装置4が接続されている。
高周波電源装置1は、プラズマ処理装置4に対して、例えば数百kHz以上の出力周波数(例えば400kHz、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、60MHz等)を有する高周波電力を供給するための装置である。本実施形態において、高周波電源装置1は、出力周波数を変更することができ、プラズマ処理中におけるプラズマ処理装置4のインピーダンス整合を行う機能を有している。例えば、高周波電源装置1は、基本とする周波数foを中心とした所定の周波数範囲(fo±Δf)(例えば、fo=13.56MHzの場合、Δf=0.68MHz)で周波数を変化させてインピーダンス整合を行う。より具体的には、例えば、プラズマ処理システムが50Ω系で構成されており、高周波電源装置1の出力端から高周波電源装置1側を見たインピーダンス(出力インピーダンス)が50Ωに設計され、高周波電源装置1の出力端が特性インピーダンス50Ωの伝送線路2でインピーダンス整合器3の入力端に接続されているとすると、高周波電源装置1は、出力周波数を変化させて当該高周波電源装置1の出力端からプラズマ処理装置4側を見たインピーダンスを50Ωに整合させる。また、高周波電源装置1は、プラズマ処理装置4でソフトアークが発生したことを検出する機能を有している。高周波電源装置1についての詳細は、後述する。
インピーダンス整合器3は、高周波電源装置1とプラズマ処理装置4とのインピーダンスを整合させるものであり、図示しないが、インピーダンス素子であるキャパシタやインダクタ等を備えている。インピーダンス整合器3は、固定のインピーダンス素子によって構成され、プラズマ処理装置4のインピーダンス変動に追従して高周波電源装置1とプラズマ処理装置4とのインピーダンス整合を行う機能は有していない。プラズマ処理中の動的なインピーダンス整合動作は、上述したように、高周波電源装置1の出力周波数を中心周波数fo±Δfで変化させて行われる。なお、プラズマ処理装置4でプラズマ処理が開始されると、プラズマ処理の進行に応じて被加工物やプラズマの状態が変化し、これによりプラズマ処理装置4のインピーダンスが変化することになるが、正常にプラズマ処理が行われた場合のプラズマ処理装置4のインピーダンスの変化範囲は予め知ることができるので、このインピーダンスの変化範囲内の代表値をプラズマ処理装置4のインピーダンスとし、インピーダンス整合器3はこのインピーダンスの代表値に対してインピーダンス整合を行うように構成されている。
プラズマ処理装置4は、半導体ウェハや液晶基板等の被加工物BをエッチングやCVD等の方法を用いて加工するための装置である。プラズマ処理装置4は、プラズマを発生させるための窒素ガスやアルゴンガス等の所定のガスを封入するための容器(チャンバー)41と、高周波電源装置1からの高周波電力を容器41内のガスに供給するための一対の電極42,43を備えている。プラズマ処理装置4では、被加工物Bの加工目的に応じて各種の加工プロセスが実行される。例えば、被加工物Bに対してエッチングを行う場合には、そのエッチングに応じたガス種類、ガス圧力、高周波電力の供給電力値、および高周波電力の供給時間等が適切に設定された加工プロセスが行われる。加工プロセスでは、被加工物Bが配置される容器41内に、例えば窒素やアルゴン等のプラズマ発生用ガスが封入され、電極42,43に高周波電力の供給が開始されると、電極42,43間に高周波電界Pが生じ、この高周波電界Pによりプラズマ発生用ガスがプラズマ状態になる。そして、プラズマ状態になったガスを用いて被加工物Bが加工される。
本実施形態における高周波電源装置1は、高周波電力をプラズマ処理装置4に対して供給するものであるとともに、ソフトアークの発生を検出するものである。したがって、当該高周波電源装置1が、本発明の「アーク検出装置」に相当すると考えることもできる。
ソフトアークとは、上述したように、ハードアークに比べ、アーク放電量が微小なアークであって、ハードアークに比べ反射波電力の変化量が時間的に緩やかな特性を有するアークをいうが、出願人が確認したところでは、プラズマ処理装置4に対する高周波電力の供給中にソフトアークが発生するときには、プラズマ処理装置4内で微小なアーク放電が複数回断続的に生じることが判明した。そして、ソフトアークが発生するときには、微小なアーク放電が繰り返されるのに応じてプラズマ処理装置4のインピーダンスの値が微小変動を繰り返し、この微小変動に基づいて反射波電力も微小変動を繰り返すといった特定の変化パターンが見られることが判明した。高周波電源装置1は、このような反射波電力の微小変動の変化パターンを利用して、ハードアークに比べアーク放電量が微小なソフトアークを検出するようにしたものである。
すなわち、本実施形態の高周波電源装置1は、ソフトアーク発生によりプラズマ処理装置4のインピーダンスの値が変化すると、その変化に応じてプラズマ処理装置4からの反射波電力が所定の変化をすることから、反射係数の位相角の標準偏差を演算し、当該標準偏差の変化に基づいてソフトアークの発生を検出する。
また、高周波電源装置1は、ソフトアークを検出したときには、その検出結果を図示しない表示部にメッセージ表示したり、警報や発光によって報知したりするようにしている。これは、ソフトアークが発生しても被加工物Bを損傷したり、処理品質を著しく低下させたりすることはないが、ユーザによりプラズマ処理装置4内の処理状態を可能な限り把握したいといった要望があるので、この要望に応えるためである。なお、ユーザが希望する場合は、高周波電源装置1の出力を低下してソフトアークの発生を抑えたり、場合によっては、高周波電源装置1の出力停止を可能にしたりしてもよい。
高周波電源装置1は、図1(a)に示すように、操作部11、制御部12、発振部14、増幅部15、パワー検出部16、および、アーク検出部17を備えている。
操作部11は、ユーザによって高周波電源装置1の出力条件(出力周波数や出力電力)を設定するためのものであり、図1(a)では省略しているが、高周波電力の出力値を設定するための出力電力設定スイッチ、および、高周波電力の供給の開始を指示する出力開始スイッチ等の操作部材が設けられている。操作部11において設定された高周波電力の出力値や周波数値等は、制御部12に出力される。なお、ユーザが外部装置(例えば上位制御装置)から高周波電力の出力値や周波数値等を入力し、外部装置がこれらの値を制御部12に送るようにしてもよい。また、あらかじめ設定されたプログラムに応じて、外部装置が高周波電源装置1の出力条件を設定してもよい。
制御部12は、本高周波電源装置1の制御中枢となるものであり、操作部11において設定された高周波電力の出力値に基づいて発振部14および増幅部15に制御信号を出力することにより、プラズマ処理装置4に対して高周波電力を供給させるものである。制御部12は、パワー検出部16が検出した進行波電力信号Pf(後述)を入力して、フィードバック制御を行う。制御部12は、図示しないFPGA(field-programmable gate array)やCPU(Central Processing Unit)などの演算器およびメモリを備えている。当該演算器には、高周波電力をプラズマ処理装置4に供給するための制御プログラムが記憶されている。また、当該メモリには、各種パラメータが記憶されている。なお、FPGAやCPUなどの演算器およびメモリは、後述するアーク検出部17と共通で用いられる。すなわち、制御部12およびアーク検出部17は、ハードウェアとして分離しているのではなく、機能的に異なるという意味で図1に図示している。なお、制御部12専用のFPGAやCPUなどの演算器およびメモリと、アーク検出部17専用のFPGAやCPUなどの演算器およびメモリとを備えてもよい。
制御部12は、アーク検出部17からアーク検出信号が入力されると、表示部へのメッセージの表示や、警報や発光による報知を行う。なお、表示や報知の代わりに、または、これに加えて、増幅部15に出力を抑制させる信号や、出力を停止させる信号を出力するようにしてもよい。また、アーク検出信号が入力されたときのプラズマ処理中の被加工物B(図1参照)を不良品として選定し、被加工物Bの製造ラインからその不良品を除去するための制御を行うようにしてもよい。
発振部14は、高周波信号を発生するもので、図示しない電圧制御発振回路によって構成されている。発振部14の発振出力と周波数は、それぞれ制御部12からの出力制御信号と周波数制御信号によって制御される。発振部14から出力される高周波信号は増幅部15に入力され、所定の出力レベルに増幅される。
増幅部15は、発振部14からの発振出力信号を増幅して高周波電力を出力するものである。増幅部15において増幅されて出力された高周波電力は、パワー検出部16を介してインピーダンス整合器3に出力される。
パワー検出部16は、増幅部15から出力される高周波電力を検出するものであり、例えば、方向性結合器によって構成されている。パワー検出部16は、増幅部15からプラズマ処理装置4側に進行する高周波電力(進行波電力)と、プラズマ処理装置4側から反射してくる高周波電力(反射波電力)とを分離して、それらの電力の瞬時値をそれぞれ検出するものである。パワー検出部16において検出された進行波電力の瞬時値を示す信号(進行波電力信号Pf)は、アーク検出部17に出力される。また、パワー検出部16において検出された反射波電力の瞬時値を示す信号(反射波電力信号Pr)は、アーク検出部17に出力される。なお、進行波電力、進行波電力信号Pf、反射波電力および反射波電力信号Prに関する情報は、本発明の「高周波電力に関する情報」の一種である。
アーク検出部17は、パワー検出部16より入力される進行波電力信号Pfおよび反射波電力信号Prに基づいて、プラズマ処理装置4においてソフトアークが発生したことを検出するものである。アーク検出部17は、上記のようにアーク検出部17専用または制御部12と共通の図示しないFPGAやCPUなどの演算器およびメモリを備えている。当該演算器には、後述するアーク判定処理の制御プログラムが記憶されている。また、当該メモリには、各閾値のデータなどが記憶されている。アーク検出部17は、ソフトアークの発生を検出すると、制御部12に対してアーク検出信号を出力する。当該アーク検出部17が、本発明の「アーク検出装置」に相当する。
図1(b)に示すように、アーク検出部17は、A/Dコンバータ21a,21b、ディジタルフィルタ22a,22b、位相角演算部23、標準偏差演算部24、および、アーク判定部25を備えている。
A/Dコンバータ21aは、パワー検出部16より入力される、アナログ信号である進行波電力信号Pfを、一定の時間周期でサンプリングして量子化することにより、ディジタル信号に変換するものである。A/Dコンバータ21aによってディジタル信号に変換された進行波電力信号は、ディジタルフィルタ22aに出力される。A/Dコンバータ21bは、パワー検出部16より入力される、アナログ信号である反射波電力信号Prを、一定の時間周期でサンプリングして量子化することにより、ディジタル信号に変換するものである。A/Dコンバータ21bによってディジタル信号に変換された反射波電力信号は、ディジタルフィルタ22bに出力される。
ディジタルフィルタ22aは、A/Dコンバータ21aより入力されるディジタル信号である進行波電力信号から、所定の周波数成分を抽出して出力するものであり、例えばバンドパスフィルタである。所定の周波数は、高周波電源装置1から出力される高周波電力の基本周波数で、例えば13.56MHzである。ディジタルフィルタ22aは、基本波成分を抽出した進行波電力信号を、位相角演算部23に出力する。ディジタルフィルタ22bは、A/Dコンバータ21bより入力されるディジタル信号である反射波電力信号から、所定の周波数成分を抽出して出力するものであり、例えばバンドパスフィルタである。ディジタルフィルタ22bは、基本波成分を抽出した反射波電力信号を、位相角演算部23に出力する。
なお、本実施形態では、ディジタルフィルタ22a,22bが基本波成分を抽出する場合について説明したが、これに限られない。その他の周波数成分を抽出するようにしてもよく、例えば、所定の次数の高調波成分を抽出するようにしてもよい。また、ディジタルフィルタ22a,22bを設けないようにして、A/Dコンバータ21a(21b)から直接、位相角演算部23に出力するようにしてもよい。ただし、位相角演算部23で演算される位相角の精度を向上させるためには、ディジタルフィルタ22a,22bを設けて、基本波成分を抽出するのが望ましい。
位相角演算部23は、ディジタルフィルタ22aより入力される進行波電力信号と、ディジタルフィルタ22bより入力される反射波電力信号とから、反射係数の位相角θを演算するものである。位相角θは、進行波に対する反射波の位相差を示している。発振部14から出力される高周波信号をAsin(ωt)とした場合、パワー検出部16で検出される、進行波および反射波は当該高周波信号に対し、位相が遅れる。進行波電力信号をPf=Bsin(ωt-θ1)とし、反射波電力信号をPr=Csin(ωt-θ2)とした場合、位相角θは、下記(1)式で表される。なお、位相角θの演算方法は限定されない。算出された位相角θは、標準偏差演算部24に出力される。なお、パワー検出部16が検出した進行波電圧信号Vfと反射波電圧信号Vrとに基づいて、反射係数の位相角θを演算するようにしてもよい。本実施形態では、反射係数の位相角θが、本発明の「対象情報」に相当する。
Figure 0007293535000001
標準偏差演算部24は、位相角演算部23より入力される位相角θの標準偏差σを演算するものである。標準偏差σは、下記(2)式に基づいて演算される。下記(2)式は、N個のデータθi(i=1,2,…、N)を用いて演算したものである。標準偏差演算部24は、位相角演算部23より入力される位相角θのデータをメモリに記憶しておき、最新の所定の時間分(例えば数十ミリ秒)のデータを用いて演算を行う。演算に用いられるデータ数Nは、適宜設計される。算出された標準偏差σは、アーク判定部25に出力される。
Figure 0007293535000002
アーク判定部25は、標準偏差演算部24より入力される標準偏差σに基づいて、ソフトアークの発生を判定するものである。アーク判定部25は、ソフトアークが発生したと判定した場合、アーク検出信号を制御部12に出力する。インピーダンス整合の動作中は、反射波電力が増減するので、ソフトアークが発生したと誤検出する場合がある。したがって、アーク判定部25は、インピーダンス整合の動作中は、ソフトアークの判定を行わない。高周波電源装置1は、出力周波数を変化させてインピーダンス整合を行うので、インピーダンス整合の動作中であるか否かを判断することができる。
次に、図2を参照して、ソフトアークの発生を検出するための基本的な考え方を説明する。ソフトアークが発生した場合、プラズマ処理装置4内で微小なアーク放電が複数回断続的に繰り返されるので、プラズマ処理装置4のインピーダンスが微小変動を繰り返し、反射波電力も微小変動を繰り返す。これにより、位相角θも断続的な微小変動を繰り返すので、位相角θのばらつき度合いを示す標準偏差σが大きくなる。
図2(a)は、ソフトアークが発生したときの位相角θの変化の一例を示している。この図2(a)に示すように、ソフトアークの発生前は、位相角θの変動があまりないが、ソフトアークが発生すると、位相角θの微小変動が繰り返される状態になる。図2(b)は、位相角θが図2(a)に示すような変化を行った場合の、標準偏差演算部24で演算される標準偏差σの変化を示している。この図2(b)に示すように、標準偏差σは、増加した後、一定の大きさで微小な変化を繰り返す状態で安定する。
一方、ソフトアークが発生したのではなく、図2(c)に示すように、負荷変動によりインピーダンスが短期間だけ変化した場合は、図2(d)に示すように、位相角θの標準偏差σが一旦増加するが、負荷変動が収まると、位相角θの標準偏差σが減少する。すなわち、標準偏差σが増加から減少に転じる。そして、図2(d)に示すように、元の標準偏差σ付近まで減少して推移する。
また、負荷変動によりインピーダンスがゆっくり大きく変化した場合は、例えば、図2(e)に示すように、位相角θの標準偏差σは、インピーダンスが変化している間は増加し続ける。その結果、ソフトアークが発生した場合よりも位相角θの標準偏差σが大きくなる。そこで、適切な閾値を設けることにより、ソフトアークが発生したか否かを判定することができる。
具体的には、下記に示す「判定方法1」又は「判定方法2」に示す条件に該当すれば、ソフトアークが発生していないと判定する。また、「判定方法3」に示す条件に該当すれば、ソフトアークではなく、負荷変動等の他の要因によって、標準偏差σが増加したと判定する。
したがって、「判定方法1」及び「判定方法3」に示す条件のどちらにも該当しない場合、又は、「判定方法2」及び「判定方法3」に示す条件のどちらにも該当しない場合は、ソフトアークが発生したと判定する。
<判定方法1>
標準偏差σが増加し、第1の閾値X1を超えたときに(図2の時刻t1参照)、ソフトアークが発生した可能性があると判定する。次に、標準偏差σが第1の閾値X1を超えたときから監視時間Tm(図2参照)が経過するまでの間に、図2(d)に示すように、標準偏差σが第2の閾値X2以下になるまで減少すれば、ソフトアークが発生していないと判定する。監視時間Tmは例えば数百ミリ秒であるが、状況に応じて適切と考えられる時間を設定すればよい。なお、図2(d)では、第1の閾値X1よりも第2の閾値X2を大きくしているが、第1の閾値X1よりも第2の閾値X2を小さくしてもよいし、第1の閾値X1と第2の閾値X2とを同じ値としてもよい。第1の閾値X1と第2の閾値X2とは、実験等に基づいて適切と考えられる値を設定すればよい。また、第1の閾値X1よりも第2の閾値X2が大きいときは、標準偏差σが第1の閾値X1及び第2の閾値X2を超えた後に、第2の閾値X2以下になるまで減少したときに、ソフトアークが発生していないと判定する必要がある。
<判定方法2>
標準偏差σが増加し、第1の閾値X1を超えたときに(図2の時刻t1参照)、ソフトアークが発生した可能性があると判定する。ここまでは、上記の判定方法1と同じである。次に、標準偏差σが第1の閾値X1を超えたときから監視時間Tm(図2参照)が経過するまでの間に、図2(d)に示すように、標準偏差σの最高値から見て第3の閾値X3以上減少すれば、ソフトアークが発生していないと判定する。上記の標準偏差σの最高値は、例えば、標準偏差σが第1の閾値X1を超えた後の標準偏差σの最高値とすればよい。
なお、判定方法1と判定方法2とを組み合わせて判定してもよい。すなわち、標準偏差σが第1の閾値X1を超えたとき(図2の時刻t1参照)から監視時間Tm(図2参照)が経過するまでの間に、標準偏差σが第2の閾値X2以下になるまで減少するか、もしくは、標準偏差σの最高値から見て第3の閾値X3以上減少すれば、ソフトアークが発生していないと判定してもよい。
<判定方法3>
負荷変動によりインピーダンスがゆっくり大きく変化した場合は、図2(e)に示すように、位相角θの標準偏差σは、インピーダンスが変化している間、増加し続ける。そのため、標準偏差σが第1の閾値X1を超えたときから監視時間Tmが経過するまでの間に、標準偏差σが第4の閾値X4以上になっていれば、負荷変動等の他の要因によってインピーダンスがゆっくり大きく変化していると判定すればよい。
上記で説明したことを換言すると、標準偏差σが、下記に示す「判定範囲1」又は「判定範囲2」の範囲内にあれば、ソフトアークが発生したと判定することになる。
<判定範囲1>
標準偏差σが増加して第1の閾値X1を超えた後、監視時間Tm(図2参照)が経過するまでの間に、下限値を第2の閾値X2とし、上限値を第4の閾値X4とする範囲内に標準偏差σが収まっていれば、ソフトアークが発生したと判定する。
<判定範囲2>
標準偏差σが増加して第1の閾値X1を超えた後、監視時間Tm(図2参照)が経過するまでの間に、下限値を標準偏差σの最高値から第3の閾値X3だけ減じた値とし、上限値を第4の閾値X4とする範囲内に標準偏差σが収まっていれば、ソフトアークが発生したと判定する。
図3は、アーク判定部25が行うソフトアーク判定処理を説明するためのフローチャートの一例である。当該判定処理は、標準偏差演算部24より標準偏差σの入力が開始されたときに実行が開始され、インピーダンス整合の動作中は停止される。なお、後述する標準偏差σの最高値σ0は、判定処理の開始時に初期化されて、例えば、最高値σ0=0とされる。
まず、ステップS1において標準偏差σが第1の閾値X1より大きくなったか否かが判別される。標準偏差σが第1の閾値X1以下の場合(S1:NO)、ステップS1に戻って、ステップ1が繰り返される。一方、標準偏差σが第1の閾値X1より大きくなった場合(S1:YES)、計時が開始される(S2)。具体的には、タイマが計時を開始する。変数Tは、タイマが計時した時間を示す変数である。ここでは、計時開始時の変数Tを1(T=1)とし、計時を開始する。
ステップS2において計時が開始されるとステップS3に進む。ステップS3では、上述した2つの判定方法(判定方法1、判定方法2)のうち、どちらか一方の判定方法にて判定を行うか、判定方法1と判定方法2とを組み合わせて判定するかを予め定めておく。ステップS3において判定方法1を用いる場合は、標準偏差σが第2の閾値X2以下になるまで減少したか否かを判定し、減少したと判定した場合(S3:YES)は、ステップS4に進む。ステップS3において判定方法2を用いる場合は、標準偏差σの最高値σ0から見て第3の閾値X3以上減少したか否かを判定し、減少したと判定した場合(S3:YES)は、ステップS4に進む。判定方法1と判定方法2とを組み合わせて判定する場合は、判定方法1及び判定方法2の少なくとも一方でYESとなった場合にステップS4に進む。ステップS4では、ソフトアークが発生していないと判定して、ステップS1に戻り、ソフトアーク判定処理を継続する。なお、ステップS4における判定結果を、出力してもよい。
ステップS3において設定した判定条件に該当しないと判定された場合(S3:NO)は、ステップS5に進む。なお、標準偏差σが一時的に減少しただけで、再度増加する場合も考えられる。このような場合に対応したいときは、例えば、ステップS3において設定した判定条件に該当すると判定された場合(S3:YES)が、予め定めた回数だけ連続して発生したときに、ステップS4に進めばよい。そのためには、ステップS3において設定した判定条件に該当すると判定された場合(S3:YES)であっても、予め定めた回数だけ連続して発生していない場合は、一旦ステップS5に進む。そして、後述するように、ステップS5以降の処理を行い、ステップS11を経由して再度ステップS3に戻ったときに、設定した判定条件に該当する状態が連続して発生したか否かを判定し、予め定めた回数だけ連続して発生したと判定されたときに、ステップS4に進む。また、予め定めた回数だけ連続して発生していないと判定されたときには、ステップS5に進む。また、上記の動作を実現するために、ステップS3において設定した判定条件に該当したか否かの判定結果を記憶するメモリ(記憶部)を備えておけばよい。
ステップS5では、計時開始後の標準偏差σの最高値σ0に比べて標準偏差σが増加したか否かを判定する。増加していないと判定した場合(S5:NO)は、ステップS10に進む。ステップS10については後述する。ステップS5において、計時開始後の標準偏差σの最高値σ0に比べて標準偏差σが増加したと判定した場合(S5:YES)は、ステップS6に進んで、標準偏差σの最高値σ0を更新する。その後、ステップS7に進む。ステップS7では、標準偏差σが上限値である第4の閾値X4を超えたか否かが判定される。ステップS7において標準偏差σが上限値である第4の閾値X4を超えたと判定された場合(S7:YES)は、ステップS8に進む。第4の閾値X4は、実験等に基づいて適切と考えられる値を設定すればよい。
ステップS8では、標準偏差σが上限値である第4の閾値X4を超えたことが異常であるのか否かが判定される。例えば、上述した判定方法3に示すように、負荷変動によりインピーダンスがゆっくり大きく変化した場合には、標準偏差σが増加していく。負荷変動の要因は、例えば、容器41内のガス圧力を変更した場合や高周波電源装置1の出力電力を変更した場合が考えられる。しかし、このような場合は異常ではないので(S8:NO)、ステップS1に戻り、ソフトアーク判定処理を継続すればよい。なお、高周波電源装置1は、出力電力の情報を取得することができるので、高周波電源装置1の出力電力の変更があった場合に、標準偏差σが上限値である第4の閾値X4を超えたと判定されても、異常ではないと判定することができる。また、高周波電源装置1が、容器41内のガス圧力の情報を取得することができれば、容器41内のガス圧力の変更があった場合に、標準偏差σが上限値である第4の閾値X4を超えたと判定されても、異常ではないと判定することができる。しかし、ハードアーク等の異常が発生したために、標準偏差σが上限値である第4の閾値X4を超えた可能性がある。このような異常が発生している可能性があると判定したときには(S8:YES)、ステップS9に進み、異常処理を行って、ソフトアーク判定処理が終了される。例えば、標準偏差σが急激に大きくなった場合や、標準偏差σが第4の閾値X4よりも大きい別の閾値を超えた場合には、何らかの異常が発生している可能性があると判定することができる。ステップS9による異常処理としては、例えば、警報などによる報知や、高周波電源装置1の出力を低下させたり停止させるなどの処理が考えられる。なお、異常処理が行われた後は、ステップS13に進んで、ソフトアーク判定処理を継続するか否かが判別されてもよい。
ステップS7において、標準偏差σが上限値である第4の閾値X4を超えていないと判定された場合(S7:NO)、及び、ステップS5において、計時開始後の標準偏差σの最高値σ0に比べて標準偏差σが増加していないと判定した場合(S5:NO)は、ステップS10に進む。
ステップS10では、経過時間Tが所定の監視時間Tmより大きくなったか否か、すなわち、計時開始から監視時間Tmが経過したか否かが判定される。ステップS10において、計時開始から監視時間Tmが経過していないと判定された場合(S10:NO)には、ステップS11に進み、経過時間を示す変数Tを増加させて(例えばT=T+1)、ステップS3に戻り、処理を継続する。ステップS10において、計時開始から監視時間Tmが経過したと判定された場合(S10:YES)には、ステップS12に進む。この場合、計時開始から監視時間Tmが経過したにも関わらず、ソフトアークが発生していないと判定できる状態になっていないので、ステップS12では、ソフトアークが発生していると判定してステップS13に進む。なお、ステップS12では、ソフトアークが発生していることを示す検出信号を、例えば上位制御装置等に出力することができる。この検出信号に基づいて、例えば、高周波電源装置1の出力を低下させたり停止させる等の処理を行うことが可能となる。
ステップS13では、ソフトアーク判定処理を継続するか否かが判別される。ソフトアークが発生していると判定された後も、予め定められた条件に従って、ソフトアーク判定処理を継続する場合と、終了する場合とがある。一例として、高周波電源装置1が出力を停止しないときはソフトアーク判定処理を継続する場合がある。また、ソフトアークが発生していると判定されたときの反射波電力の大きさが小さい場合には、ソフトアーク判定処理の継続する場合がある。条件に従ってソフトアーク判定処理を継続すると判定した場合(S13:YES)は、ステップS1に戻り、ソフトアーク判定処理が継続される。一方、ソフトアーク判定処理を継続しない(終了する)と判定された場合(S13:NO)は、ソフトアーク判定処理が終了される。
本実施形態によると、位相角演算部23が反射係数の位相角θを演算し、標準偏差演算部24が当該位相角θの標準偏差σを演算し、アーク判定部25は当該標準偏差σに基づいて、ソフトアークの発生を判定する。標準偏差σは、反射係数の位相角θのばらつき度合いを示すので、位相角θの変化が緩やかであっても、大きな変化として表れる。したがって、位相角θの微分値に基づいてソフトアークの発生を判定することが困難な場合であっても、標準偏差σに基づいて判定を行うことで、ソフトアークの発生をより高い精度で判定することができる。
また、本実施形態によると、アーク判定部25は、図3に示すフローチャートに応じて、ソフトアーク判定処理を行う。したがって、プラズマ処理装置4内でソフトアークが発生した時の現象を的確にとらえて、負荷変動に基づく誤判定を抑制し、ソフトアークの発生をより確実に判定することができる。
また、本実施形態によると、ディジタルフィルタ22a、22bが、高周波電源装置1の出力周波数の基本波成分を抽出するので、位相角演算部23で演算される位相角θの精度を向上させることができる。また、反射係数に関する情報のうち、比較的に変化が大きい反射係数の位相角θを用いるので、アーク判定部25での判定精度を高めることができる。また、高周波電源装置1が出力周波数を変化させることでインピーダンス整合を行うので、ソフトアーク判定処理を行う際に、インピーダンス整合動作中であるかどうかを容易に認識することができる。
なお、本実施形態では、アーク検出部17を高周波電源装置1の内部に設けた場合について説明したが、これに限られない。アーク検出部17の機能を有するアーク検出装置を、高周波電源装置の外部に設けるようにしてもよい。この場合、アーク検出装置は、高周波電源装置が備えるパワー検出部16から進行波電力信号Pfおよび反射波電力信号Prを入力されるようにし、ソフトアークの発生を検出したときに、高周波電源装置の制御部12に対してアーク検出信号を出力するようにすればよい。また、アーク検出信号を、高周波電源装置とは別の処理装置に出力するようにしてもよい。
本実施形態では、ソフトアークを検出する構成について説明したが、高周波電源装置1(アーク検出部17)には、ハードアークを検出するための構成が含まれていてもよい。すなわち、高周波電源装置1(アーク検出部17)は、電源投入後、ハードアークを検出する構成、および、ソフトアークを検出する構成が同時に並行して動作し、ハードアークを検出した場合はその対応する処理(例えば、高周波電力の出力停止)を行い、ソフトアークを検出した場合はその対応する処理(例えば、表示部へのメッセージの表示や、警報や発光による報知)を行うようにしてもよい。また、高周波電源装置1(アーク検出部17)には、ソフトアークを検出する他の構成が含まれていてもよい。すなわち、複数のソフトアーク検出方法を並行して行うようにしてもよい。
本実施形態では、高周波電源装置1が可変周波数方式で、インピーダンス整合器3がインピーダンス固定の場合を説明したが、固定周波数方式の高周波電源装置と可変インピーダンス整合器との組み合わせのプラズマ処理装置であっても、本発明に係るアーク検出装置を適用することができる。なお、この場合は、インピーダンス整合器が整合動作中であることを、アーク検出部17に知らせるようにすればよい。
本実施形態では、反射係数の位相角θの標準偏差σを用いてソフトアークの発生を判定する場合について説明したが、これに限られない。反射係数の絶対値|Γ|の標準偏差を用いてソフトアークの発生を判定するようにしてもよい。反射係数の絶対値|Γ|は、進行波の大きさに対する反射波の大きさの比率を示しており、パワー検出部16が検出した進行波電力信号Pfと反射波電力信号Prとに基づいて下記(3)式で演算される。なお、パワー検出部16が検出した進行波電圧信号Vfと反射波電圧信号Vrとに基づいて演算するようにしてもよい。本変形例では、反射係数の絶対値|Γ|が、本発明の「対象情報」に相当する。
Figure 0007293535000003
また、反射係数以外でも、反射係数を別の形式で表現したものである負荷側インピーダンスの位相角や絶対値(大きさ)などの反射係数に関する情報の標準偏差を用いてソフトアークの発生を判定するようにしてもよい。
また、各反射係数に関する情報の標準偏差を用いた判定結果を、複数組み合わせて、ソフトアークの発生を判定するようにしてもよい。例えば、図4に示すアーク検出部17’は、反射係数の位相角θの標準偏差σを用いてソフトアークの発生を判定する構成に加えて、反射係数の絶対値|Γ|の標準偏差を用いてソフトアークの発生を判定する構成を追加した変形例である。当該変形例は、図1(b)に示すアーク検出部17に、さらに、絶対値演算部23’、標準偏差演算部24’、アーク判定部25’、および、アーク判断部26を追加したものである。本変形例では、反射係数の位相角θが本発明の「対象情報」に相当し、反射係数の絶対値|Γ|が本発明の「第2の対象情報」に相当する。
絶対値演算部23’は、ディジタルフィルタ22aより入力される進行波電力信号と、ディジタルフィルタ22bより入力される反射波電力信号とから、反射係数の絶対値|Γ|を演算するものである。算出された絶対値|Γ|は、標準偏差演算部24’に出力される。標準偏差演算部24’は、標準偏差演算部24と同様のものであり、絶対値演算部23’より入力される絶対値|Γ|の標準偏差σ’を演算するものである。算出された標準偏差σ’は、アーク判定部25’に出力される。アーク判定部25’は、アーク判定部25と同様のものであり、標準偏差演算部24’より入力される標準偏差σ’に基づいて、ソフトアークの発生を判定するものである。なお、アーク判定部25’での判定方法は、アーク判定部25での判定方法と同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、アーク判定部25では判定方法1を用い、アーク判定部25’では判定方法2を用いてもよい。また、判定方法が同じである場合、判定に用いる各パラメータ(監視時間Tm、第1の閾値X1、第2の閾値X2、第3の閾値X3、第4の閾値X4など)は、アーク判定部25で用いたものと同じ値であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、アーク判定部25’は、絶対値|Γ|の標準偏差σ’が第1の閾値X1’以上になった後、監視時間Tmが経過するまでに、標準偏差σ’が第2の閾値X2’以下になった場合に、ソフトアークが発生していないと判定してもよい。アーク判定部25’は、ソフトアークが発生したと判定すると、アーク検出信号をアーク判断部26に出力する。
当該変形例においては、アーク判定部25は、ソフトアークが発生したと判定すると、アーク検出信号を制御部12に出力する代わりに、アーク判断部26に出力する。アーク判断部26は、アーク判定部25の判定結果とアーク判定部25’の判定結果とに基づいて判断するものである。アーク判断部26は、アーク判定部25からアーク検出信号を入力され、かつ、アーク判定部25’からアーク検出信号を入力された場合にのみ、アーク検出信号を制御部12に出力する。制御部12は、位相角θに基づく判定でソフトアークが発生したと判定され、かつ、絶対値|Γ|に基づく判定でソフトアークが発生したと判定された場合にのみ、ソフトアークの発生に対応する処理を行うことになる。したがって、いずれか一方の判定でソフトアーク発生との誤判定があった場合でも、他方で正しく判定されれば、ソフトアークの対応処理を誤って行うことにならない。なお、他の反射係数に関する情報の標準偏差を用いた判定結果を用いるようにしてもよいし、3つ以上の判定結果に基づいて判断を行うようにしてもよい。
また、当該変形例において、アーク判断部26が、アーク判定部25からアーク検出信号を入力された場合、または、アーク判定部25’からアーク検出信号を入力された場合に、アーク検出信号を制御部12に出力するようにしてもよい。これは、すなわち、図4に示すアーク検出部17’において、アーク判断部26を設けずに、アーク判定部25およびアーク判定部25’が、ソフトアークが発生したと判定した場合にアーク検出信号を制御部12に直接出力するようにしたのと同じである。この場合、制御部12は、位相角θに基づく判定でソフトアークが発生したと判定されるか、または、絶対値|Γ|に基づく判定でソフトアークが発生したと判定されると、ソフトアークの発生に対応する処理を行うことになる。したがって、いずれか一方の判定でソフトアークが発生したことを検出できなくても、他方で正しく検出できれば、ソフトアークの対応処理を行うことができる。
本発明に係るアーク検出装置および高周波電源は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るアーク検出装置および高周波電源の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
1 高周波電源装置(アーク検出装置)、11 操作部、 12 制御部、 14 発振部、 15 増幅部、 16 パワー検出部、 17,17’ アーク検出部(アーク検出装置)、 21a,21b A/Dコンバータ、 22a,22b ディジタルフィルタ、 23 位相角演算部(反射係数情報演算手段)、 23’ 絶対値演算部(反射係数情報演算手段)、 24,24’ 標準偏差演算部、 25,25’ アーク判定部(判定手段)、 26 アーク判断部(判断手段)、 2 伝送線路、 3 インピーダンス整合器、 4 プラズマ処理装置、 41 容器、 42,43 電極、 P 高周波電界、 B 被加工物

Claims (6)

  1. 高周波電源装置から負荷となるプラズマ処理装置に供給する高周波電力によってプラズマを発生させてプラズマ処理装置内の被加工物に所定の加工処理を行うシステムに適用するアーク検出装置であって、
    前記高周波電源装置の出力端に設けられて、前記高周波電力に関する情報を検出する検出手段と、
    前記高周波電力に関する情報に基づいて演算される反射係数に関する情報を対象情報として演算する反射係数情報演算手段と、
    前記対象情報の標準偏差を演算する標準偏差演算手段と、
    前記対象情報の標準偏差に基づいて、アークが発生したか否かを判定する判定手段と、
    を備え、
    前記判定手段は、前記対象情報の標準偏差が予め定めた閾値以上になった後、予め定めた監視時間が経過するまで、設定された範囲内にある場合に、アークが発生したと判定する、
    アーク検出装置。
  2. 前記判定手段は、前記対象情報の標準偏差が前記閾値以上になった後、前記監視時間が経過するまでに、前記対象情報の標準偏差が設定された下限値以下になった場合に、アークが発生していないと判定する、
    請求項1に記載のアーク検出装置。
  3. 前記反射係数情報演算手段は、さらに、前記対象情報とは異なる反射係数に関する情報を、第2の対象情報として演算し、
    前記標準偏差演算手段は、さらに、前記第2の対象情報の標準偏差を演算し、
    前記判定手段は、さらに、前記第2の対象情報の標準偏差に基づいて、アークが発生したか否かを判定し、
    前記判定手段による前記対象情報の標準偏差に基づく判定と、前記第2の対象情報の標準偏差に基づく判定との両方の判定でアークが発生したと判定された場合、または、両方の判定のいずれかでアークが発生したと判定された場合に、アークが発生したと判断する判断手段をさらに備えている、
    請求項1又は2に記載のアーク検出装置。
  4. 前記判定手段は、前記第2の対象情報の標準偏差が予め定めた第2の閾値以上になった後、前記監視時間が経過するまでに、前記第2の対象情報の標準偏差が予め定めた第2の下限値以下になった場合に、アークが発生していないと判定する、
    請求項3に記載のアーク検出装置。
  5. 前記判定手段は、インピーダンス整合を行っていないときにアークが発生したか否かを判定する、
    請求項1ないし4のいずれかに記載のアーク検出装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のアーク検出装置を備えている、
    ことを特徴とする高周波電源装置。
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