JP3191135B2 - 直流グロー放電処理装置におけるアーク遮断方法及び装置 - Google Patents

直流グロー放電処理装置におけるアーク遮断方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、直流グロー放電処理
装置に関し、特に、アーク放電を短時間で遮断し安定し
たグロー放電に復帰させることの出来る方法及び装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】 直流グロー放電を用いてイオン窒化、
プラズマ浸炭、プラズマCVD、マグネトロンスパッタ
蒸着、イオンビームスパッタ等を行なう直流グロー放電
処理装置が広く用いられている。かかる装置には、直流
電力の供給にあたり、直流電力を連続的に供給する方式
と、直流電力を例えば数kHz −数100kHz 程度の
周波数でパルス変調する方式とがある。供給電力の調整
は、前者では電圧を変化させることにより行い、後者で
は電圧及び/又はパルスのデューティを変えることによ
り行う。
【0003】この直流グロー放電処理装置において、陰
極である処理物又はスパッタにおけるターゲットは、グ
ロー放電に覆われる。この時処理物表面に汚れが存在し
たり、あるいは、マグネトロンスパッタ蒸着で特に酸化
物金属被膜のコーティング時にターゲット上に酸化物被
膜が形成されると、これらに起因するアーク放電が発生
することがある。
【0004】アーク放電が発生すると、一般的に処理物
が損傷を受けるという大きな問題が発生するばかりでな
く、酸化物・窒化物などの金属被膜コーティングを目的
とした反応性マグネトロンスパッタ蒸着の場合には、反
応プロセスが崩され、特に光学膜の場合は薄膜特性に大
きな影響が出るし、蒸着速度が低下し処理時間が長くな
るなどの影響も出る。
【0005】そこで、放電電流を検出して適宜なスレシ
ョルドレベル(アーク判定レベル)と比較し、放電電流
がスレショルドレベルを越えるとアーク放電と判断して
直ちに直流電力の供給を遮断して放電を停止させ、所定
時間経過後、電力の供給を再開しグロー放電による処理
の状態に復帰させる遮断方式が従来から採用されてい
る。その再開の際、いきなり元の状態で給電を再開する
と、再びアーク放電が起こりやすいので、供給電圧を徐
々に上げ時間をかけて元の電圧に戻したり、あるいはパ
ルスのデューティをゼロから徐々に元の状態に戻すいわ
ゆるソフトスタートも採用されている。
【0006】図1は、この従来のアーク判定レベルLに
基づくアーク遮断とその後ソフトスタートにより復帰さ
せた場合の放電電流波形の変化を示す。パルス変調によ
る給電が行われている時に、A点でアーク放電が発生
し、放電電流が急上昇するが、放電電流がアーク判定レ
ベルLを超えて若干経過したB点(A点からの時間遅れ
Δt)で給電が遮断されている。アーク設定レベルLを
超えてからB点までの遅れは、電源による素子の遮断遅
れである。そして、B点で遮断された後約100μsec
以上の遮断期間Cを置き、なおかつ電圧を徐々に上昇さ
せ復帰期間Dの終りの時点でアーク検出される前の状態
に戻さないと再びアーク放電に移行してしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 上述したように、従
来は、放電電流値をアーク判定レベルと比較し給電を遮
断する方式が採用されているが、再開するまでの期間を
短くするためには、Δtを小さくすること、すなわち、
給電の遮断をアーク発生後できる限り短時間で行い、ア
ークを大きく成長させないことが重要である。しかしな
がら、現在のところ、Δtは最短でも5〜7μsec 程度
にしかできなかった。この遅れは、アークと判定するま
での所要時間と判定してから給電を停止するまでの所要
時間とに分けられるが、図1から分かるように、主にア
ーク判定までの時間に起因している。
【0008】その理由を以下に説明する。アーク放電の
際、放電電流は、インピーダンス及びアーク発生前の放
電電圧にもよるが、変化率di/dt=10〜数10ア
ンペア/μsec 程度の立ち上がりを示す。できるだけ短
時間でアーク放電を検出するためには、アーク判定レベ
ルを正常動作範囲のすぐ近くに設定すれば良いが、あま
り近付けると、電源のリップルなどによりアーク放電で
もないのに頻繁にアーク放電と判定してしまう。そこ
て、正常放電とアーク放電とを誤りなく区別するため
に、従来、アーク判定レベルは正常動作範囲での最大放
電電流レベルより数割程度大きく設定している。この様
な設定では、先に述べたように、アーク発生から最短で
も5〜7μsec 程度の遅れは避けられなかった。
【0009】この遅れにより、給電停止直前のアーク電
流は百数十A程度まで達してしまうが、プラズマCVD
では、コーティング中にこの程度のアーク放電が一度で
も発生すると、コーティング表面に放電の痕跡が最後ま
で残ってしまい、大きな影響を受ける。またアーク放電
は、放電と同時に陰極上のアーク発生点と陽極間でアー
クによるプラズマルートができるもので、ルート上にア
ーク電流に比例したイオン及び電子が集中する。一度発
生したアークルートは無くなるのに「消イオン時間」を
待たなければならず、なくなる前に給電を開始すると容
易に再アークに発展してしまう。アーク発生から給電停
止(遮断)までに最短でも5〜7μsec程度を要した従
来は、再アークに発展するのを防ぐため、図1に示され
る遮断期間を数msec 〜数100msec 取り、復帰にも
長時間かける必要があった。
【0010】反応性マグネトロンスパッタのようなプラ
ズマによる反応性プロセスでは、この遮断時間及び復帰
時間が特に大きな影響を与える。すなわち、正常にグロ
ー放電が継続している間は放電による反応ガスの消費と
供給がバランスしているが、グロー放電が停止されてい
る遮断期間及び復帰期間の間は、反応ガスの消費と供給
のバランスが崩れて反応ガス過剰となり、反応プロセス
が崩れてしまう。そのためできる限り遮断期間及び復帰
期間を短くしなければならないが、現状では遮断期間約
100μsec 以上、及び復帰期間180μsec 以上が限
界で、反応プロセスが崩れてしまうことは避けられなか
った。
【0011】本発明は上述した点に鑑みてなされたもの
で、アーク発生から遮断までの時間を短縮することによ
り、遮断時間及び復帰時間を短くし、アークによる処理
物への悪影響を大幅に抑えることのできるアーク遮断方
法及び装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するた
め、本発明の方法は、直流グロー放電処理装置における
アーク放電遮断方法であって、放電電圧を検出した信号
を微分することにより放電電圧の立ち下がりを検出し、
検出した放電電圧の立ち下がりに基づいて直流放電処理
装置への給電を停止することを特徴としている。
【0013】
【作用】 本発明は、アーク放電発生と同時に生じる急
激な放電電圧の立ち下がりを検出して給電停止を行なう
ため、アーク電流がアーク設定レベルに達してから遮断
する方式と比べ、アーク電流が大きくなる前にアーク放
電を検出遮断することができる。またアーク電流が大き
く成長する前に遮断が行なえるためアークルートも形成
されないので、極めて短い遮断期間で、しかも復帰期間
を改めて取らずにアーク発生前の放電状態に戻しても再
アークに移行せず復帰することができる。
【0014】
【実施例】 以下、図面を用いて本発明の一実施例を詳
説する。図2は本発明を実施するための装置構成の一例
を示す図である。図2において、1は商業電力を直流に
変換する直流制御部で、平滑回路2を介して取り出され
た直流電圧はインバータスイッチング部3へ送られ、交
流(矩形波)に変換された後、昇圧トランス4,整流部
5,放電電圧検出回路6及びカレントトランス7を介し
て処理装置本体12に供給される。
【0015】直流制御部1は、サイリスタ及びダイオー
ドで構成され、サイリスタの導通タイミングを制御する
サイリスタ制御部13からの制御信号に基づき制御され
る。この結果、平滑回路2から得られる直流電圧Vdc
を、0Vから300V程度まで任意に設定することがで
きる。
【0016】インバータスイッチング部3は、高速スイ
ッチング素子(IGBT: 絶縁ゲートバイポーラトラン
ジスタ、MOSFET,SITなど)を4個又は複数個
並列で4組使用したフルブリッジのインバータ方式が採
用されている。インバータスイッチング部3とインバー
タ制御部11及びゲートドライブ10から構成されるイ
ンバータINVにより、平滑部2からの直流出力電圧
は、繰り返し周波数fが数HZ −数100kHz でデュ
ーティ可変の高周波パルスに変換される。昇圧トランス
4は、この高周波パルスを所定の振幅に昇圧する。イオ
ン窒化,プラズマ浸炭,プラズマCVD,マグネトロン
スパッタなどでは、例えば800〜1000V程度に選
ばれる。
【0017】昇圧された高周波パルスは整流部5によっ
て整流され、処理装置本体12へ供給される。整流部5
と処理装置本体12との間に配置された放電電圧検出回
路6から得られた放電電圧検出信号は、微分回路を含む
放電電圧立ち下げ検出回路8へ送られる。この放電電圧
立ち下げ検出回路8には、前記インバータ制御部11か
らのインバータ制御信号が供給されており、放電電圧立
ち下げ検出回路8の出力信号は前記インバータ制御部1
1へ供給される。なお、カレントトランス7で検出され
た放電電流信号は、破線で示した従来からあるアーク判
定比較回路9においてアーク判定レベルと比較される。
そして、比較回路9の出力信号はインバータ制御部11
へ送られる。
【0018】上記構成において、アーク放電が発生した
場合の従来のアーク遮断方式と本発明の場合を比較説明
する。従来からあるアーク遮断方式だけを動作させた場
合、カレントトランス7で得られた放電電流検出信号を
アーク判定比較回路9でアーク判定レベルと比較し、放
電電流検出信号がアーク設定レベルを超えるとアーク判
定比較回路9がアーク検出信号を発生して前記インバー
タ制御部11へ送り、アーク検出信号に基づきインバー
タの発振を停止させる。
【0019】図3は直流制御電圧200V、雰囲気ガス
圧0.2Torr で、最大放電電流100Aの装置を放電
電流50Aで使用し、アーク判定比較回路9を用いて遮
断した場合の放電電圧波形(a)、及び放電電流波形
(b)を示す。Aは正常放電からアーク放電に移行した
瞬間である。Lはアーク判定レベルを示す。放電は、ア
ーク設定レベルLを超えて若干経過したB点で遮断され
ている。アーク設定レベルLを超えてからB点までの遅
れは、インバータ素子の遮断遅れである。
【0020】アーク設定レベルLは、使用放電ピーク電
流値(100A)より当然高く設定しなければならな
い。しかし同じ放電電流でも負荷のインピーダンス変化
(雰囲気ガス圧変化・温度変化等)により放電電流波形
は大きく変化する。その放電電流波形変化を図4に示
す。インピーダンスが高いと矩形波aに近づき、低イン
ピーダンスになると尻上がりな波形bとなるため、幅広
いインピーダンス領域で処理を行う場合、この尻上がり
の波形にかからないようアーク判定レベルLを十分大き
くしなければならない。
【0021】その他に判定レベルLを上げる要因とし
て、前記したように、平滑回路2で除去できなかった直
流リップル分がある。すなわち、リップルの高い時点で
は放流電流は多く流れようとするため、リップル分を考
慮し正常波形でも遮断しないためにアーク判定レベルL
も高く設定しなければならない。また放電電流を小さく
設定して使用した場合、アーク判定レベルLとの開きは
更に大きくなる。このようにアーク判定レベルは、負荷
のインピーダンス・直流電圧リップル・出力レベルとの
絡みで高めに設定せざるを得ず、アーク遮断遅れ及び大
きなアーク電流を許容してしまう重要なポイントになっ
ている。
【0022】図3の例ではアーク設定レベルLは170
Aに設定され、遮断までの時間Δtは5μsec かかって
いる。この間のアーク電流の電流上昇率di/dtは2
5A/μsec であり、アーク電流の増加分Iarc は、d
i/dt*Δt=25*5 =125Aに達した。
【0023】一方、放電電圧は図3(a)で示すように
アーク放電発生と同時にA点で急激に降下し,−220
Vのアーク電圧Varc をアーク放電が遮断されるB点ま
で維持する。なお、通常、直流グロー放電処理装置で
は、処理装置本体を接地電位として陽極とし、被処理物
(スパッタリングではターゲット)をカソードとして負
の電圧(−V)を印加するので、図3(a)では上向き
に−Vを取っている。そのため、上記電圧変化を降下と
呼ぶ。このアーク放電により消耗したエネルギをEarc
とすると、Earc は、Earc =Iarc * Varc * Δt/
2=125*220*5/2=69mJであった。
【0024】本発明による回路は、上述した放電電圧の
急激な降下に基づいてアーク放電を検出することが特徴
である。すなわち、放電電圧検出回路6から得られる放
電電圧検出信号(図5(a))は、放電電圧立ち下がり
検出回路8に送られて微分処理を受ける。図5(b)は
得られた微分処理により得られる立ち下がり検出信号を
示している。放電電圧の急激な立ち下がり変化は、図5
(b)の立ち下がり検出信号P1 ,P2 から分かるよう
に、アークが発生しない正常放電の場合のパルス終了時
点(デューティの終り)とアーク発生時の2カ所ある。
しかしながら、デューティの終りは放電休止期間である
ため、立ち下がり検出回路8は、インバータ制御部11
からのインバータ制御信号(図5(c))に基づいて、
放電休止期間内の立ち下がりか放電期間内の立ち下がり
かを判別することにより、放電期間内の立ち下がり検出
信号P2 をアーク発生と判断する。
【0025】この様にして、微分信号とインバータ制御
信号に基づいて放電期間内に急激な立ち下がりを検出す
ると、立ち下がり検出回路8は検出信号P2 をアーク検
出信号としてインバータ制御回路11に送る。インバー
タ制御回路11は、このアーク検出信号に基づいてイン
バータの発振をそのパルス期間だけ停止させる。アーク
放電電流は、上昇率di/dt=25A/μsec で成長
していくのに対して、アーク放電に伴う放電電圧の立ち
下がりは数ナノ秒でアーク放電電圧Varc に達する程早
い。そのため、アーク検出信号はアーク発生後極めて短
時間にインバータ制御部11に送られることになり、図
5(d)に示すように、アーク電流が大きく上昇する前
に給電を遮断することができる。
【0026】遮断までの時間Δt は、インバータ部のス
イッチング素子のターンオフ時間で決まり、応答の速い
素子を使用すればより短縮できる。素子にIGBTを使
用した場合、Δt は0.6μsec であった。この場合の
アーク放電による電流増加分Iarc は、Iarc =di/
dt*Δt=25*0.6=15Aと非常に小さく、この時の
アーク放電により消耗したエネルギEarc は、Earc =
Iarc * Varc * Δt/2=15*220*0.6/2 =1mJで
あった。従来のアーク設定レベルによるアーク遮断と比
較してアーク放電エネルギを69分の1と極端に小さく
することができた。
【0027】本発明では図5(d)で示すように、A点
でアークが発生し即遮断が行われている。斜線部はアー
クが発生しなかった場合の正規の放電電流波形を示し、
この間の放電が遮断されていることを示す。このよう
に、アーク電流が大きく成長しないうちに遮断できるた
め、本発明では遮断時間を特に考慮しなくても良い程度
に短縮できる。例えば、図5(d)に示されているよう
に、アーク放電が発生したパルスのみ途中で遮断するだ
けで、次のパルスからは、アーク検出前のデューティ及
び出力状態のままで放電することができる。図1のよう
な特別な遮断期間Cを設けたり、電圧を徐々に上昇させ
るようなソフトスタートによる復帰期間Dを設けなくと
も再アークに移行することなく放電を再開できるように
なった。
【0028】ところで、本発明者は、Varc より若干高
いスレショルドレベルを設定し、アーク発生時放電電圧
がスレショルドレベルより低くなった場合に遮断を行う
方式を試みた。通常のアーク放電電圧Varc は220〜
260V程度であり、概ねアーク発生を検出して遮断で
きたが、場合によって500V近いVarc のアーク放電
が発生することもあり、レベル設定によってはアークを
検知できない場合が発生する。また、レベルを高くしす
ぎると、インピーダンス変化、電源リップルなどにより
アークでない放電もアークと判断して遮断してしまう場
合がある。
【0029】さらに、放電電圧の立ち上がり時は、放電
電圧は当然0Vからスタートするためスレショルドレベ
ル以下であるので、立ち上がり期間は遮断機能を停止さ
せなければならない。また、遮断から再開する時に、ス
ロースタートを行う場合も、その間スレショルドレベル
以下の状態が続くため、遮断機能を停止させる必要があ
る。この様な放電開始の立ち上がり時であっても、アー
ク放電が発生することもあるが、放電電圧をスレショル
ドレベルと比較する方式では、実質的に対応不可能であ
った。
【0030】その点、放電電圧の立ち下がりに基づいて
アーク放電を検出する本発明では、複雑な回路構成を必
要とせず、放電開始の立ち上がり時においても、アーク
放電に対する遮断を常に迅速に行うことが可能である。
【0031】なお、上記実施例では直流電力を数kHz
〜数100kHz でパルス変調して供給したが、それに
限らず、直流電力を連続的に供給する方式に採用するこ
とが可能である。
【0032】
【発明の効果】 以上詳述したように、本発明では、負
荷インピーダンス・直流電圧リップル等の影響を受け
ず、また、複雑な回路構成及び設定を要しないでアーク
放電を即座に遮断することができるため、アーク放電エ
ネルギを極力小さく抑え、遮断期間・復帰期間を極端に
短くまたは無くすことができるようになった。それによ
り、安定な放電を維持することが可能で、プラズマ窒化
・プラズマCVD等の処理物への悪影響を受けず、反応
性マグネトロンスパッタのような反応性プロセスでも、
アーク放電による大きな影響を受けないで処理が行える
ようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のアーク判定レベルLによるアーク遮断
後のスロースタートによる復帰制御の放電電流波形を示
す図である。
【図2】 本発明を実施するための装置構成の一例を示
す図である。
【図3】 図2の実施例でアーク判定比較回路9を用い
て遮断した場合の放電電圧波形及び放電電流波形を示す
図である。
【図4】 負荷のインピーダンス変化による放電電流波
形の変化を示す図である。
【図5】 放電電圧検出回路6を用いて遮断する場合の
動作説明のための波形図である。
【符号の説明】
1 直流制御部 2 平滑回路 3 インバータスイッチング部 4 昇圧トランス 5 整流部 6 放電電圧検出回路 8 放電電圧立ち下げ検出回路 11 インバータ制御部 12 処理装置本体 13 サイリスタ制御部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流グロー放電処理装置におけるアーク
    放電遮断方法であって、放電電圧を検出した信号を微分
    することにより放電電圧の立ち下がりを検出し、検出し
    た放電電圧の立ち下がりに基づいて直流放電処理装置へ
    の給電を停止することを特徴とするアーク遮断方法。
  2. 【請求項2】 直流グロー放電処理装置における放電電
    圧を検出する放電電圧検出回路と、該放電電圧検出回路
    で得られた検出信号を微分する微分回路を含み、微分信
    号に基づいて放電電圧の立ち下がりを検出する立ち下が
    り検出回路と、該立ち下がり検出回路の出力信号に基づ
    いて電源から直流グロー放電装置への給電を停止させる
    制御手段とを備えたことを特徴とする直流グロー放電処
    理装置におけるアーク遮断装置。
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