JP6029302B2 - マイクロ波電力供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマ発生装置、物質の表面改質装置、プラズマスパッタリング装置等のプラズマ処理装置や、誘電加熱装置等のマイクロ波処理装置にマイクロ波電力を供給するマイクロ波電力供給装置に関するものである。
半導体や液晶等の被処理物にプラズマを作用させてエッチングを施したり、高分子材料からなる被処理物の表面にプラズマを作用させて物質表面の改質を図ったり、被処理物の誘電加熱を行ったりするために、マイクロ波処理装置が用いられている。一般に、マイクロ波処理装置は、被処理物を収容するチャンバを備えていて、マイクロ波電力供給装置からチャンバ内に供給されたマイクロ波電力によりチャンバ内のガスをプラズマ化して被処理物と反応させたり、チャンバ内に供給されたマイクロ波電力を被処理物に吸収させて、該被処理物を加熱したりする。
なおマイクロ波の明確な定義はないが、本明細書では、プラズマ処理や誘電加熱処理に用いられている波長が短い電磁波(一般には、波長が1m以下の電磁波)を広く包含する語としてマイクロ波の語を用いる。
マイクロ波電力供給装置は、特許文献1に示されているように、負荷に供給するマイクロ波電力を出力するマイクロ波電源部と、マイクロ波電源部と負荷との間を接続する導波管や同軸ケーブル等の伝送路とを備えていて、マイクロ波電源部が発生するマイクロ波電力を伝送路を通して負荷(チャンバ)に供給するようになっている。
一般に、マイクロ波電力供給装置のマイクロ波電源部は、負荷に供給される進行波電力及び負荷から戻ってくる反射波電力を検出する機能と、制御部から与えられる制御情報に応じて出力を制御する機能とを有していて、制御情報に含まれる指令に応じてその出力を起動又は停止させたり、出力値を制御情報に含まれる指示値に保つ制御を行ったりする。
負荷に供給するマイクロ波電力を発生するマイクロ波電源部は、一つの負荷に対して唯1台だけ設けられる場合もあるが、被処理物の処理を均一に行わせたり、効率よく行わせたりするために、特許文献1や2に示されているように、一つの負荷(チャンバ)に対して複数のマイクロ波電源部が設けられる場合もある。
マイクロ波電力を出力するマイクロ波電源部のマイクロ波発生源は、マグネトロンのような電子管により構成されるか、又は半導体素子を用いたマイクロ波発振器が出力するマイクロ波信号を増幅する電力増幅器により構成される。
マイクロ波電力供給装置においては、負荷の状態により、伝送路の末端からマイクロ波電源部側を見たインピーダンスと負荷側を見たインピーダンスとの間に不整合状態が生じると、マイクロ波電源部から出力された進行波電力の一部が負荷で反射して反射波電力としてマイクロ波電源部に戻ってくる。
また共通の負荷に複数のマイクロ波電源部からマイクロ波電力を供給する構成をとる場合には、いずれかのマイクロ波電源部から負荷に供給されたマイクロ波電力の一部が負荷で吸収されなかったときに、その吸収されなかったマイクロ波電力が他のマイクロ波電源部につながる伝送路に負荷側から進入して、該他のマイクロ波電源部に反射波電力として到達することがある。
本明細書では、「反射波電力」の語を、各マイクロ波電源部から出力された後負荷で反射して戻ってくるマイクロ波電力と、共通の負荷に複数のマイクロ波電源部からマイクロ波電力を供給している場合に、各マイクロ波電源部に他のマイクロ波電源部側から進入してくることがあるマイクロ波電力との双方を包含する意味で用いている。
マイクロ波電源部に戻ってくる反射波電力の量が多くなると、伝送路内に発生する定在波によりマイクロ波電源部に過大な電圧が印加されて、マイクロ波電源部が破損することがある。そのため、マイクロ波電力供給装置においては、特許文献2に示されているように、マイクロ波電源部と負荷との間にアイソレータを挿入して、反射波電力をアイソレータのダミーロードに吸収させることにより、マイクロ波電源部に到達させないようにしている。
また反射波電力が設定値を超えたときにマイクロ波電源部の出力を抑制する制御を行うことにより反射波電力を抑制して、マイクロ波電源部の保護を図ることも行われている。
特開2004−128385号公報 特開2000−223962号公報
共通の負荷に対して複数のマイクロ波電源部を設けて、複数のマイクロ波電源部から負荷に同時にマイクロ波電力を供給するマイクロ波電力供給装置においては、各マイクロ波電源部から出力された進行波電力が負荷で反射されて反射波電力として戻ってくることがあるだけでなく、他のマイクロ波電源部から出力されたマイクロ波電力のうち負荷で吸収されなかった電力が反射波電力として進入してくることがあるため、マイクロ波電源部に戻ってくる反射波電力が、1台のマイクロ波電源部のみから負荷にマイクロ波電力を供給する場合に比べて多くなることがある。
この場合、反射耐量が小さいアイソレータを用いると、負荷側から戻ってくる反射波電力を該アイソレータの反射耐量以下に保つために、マイクロ波電源部の出力を制限する必要があるという問題が生じる。そのため、複数のマイクロ波電源部から共通の負荷に同時にマイクロ波電力を供給するマイクロ波電力供給装置においては、各マイクロ波電源部を過大な反射波電力から保護する手段としてアイソレータを用いる場合に、アイソレータとして反射耐量が大きい大形のものを用いる必要があり、コストが高くなる上に装置が大形化するという問題があった。
上記のような問題を生じさせないためには、アイソレータを全く用いないか、用いるとしても、できるだけ反射耐量が小さいアイソレータを用いれば済むようにしておくことが好ましい。
負荷に対して単一のマイクロ波電源部が設けられる場合には、マイクロ波電源部に過大な反射波電力が戻ってきたことが検出されたときに、その原因を、当該マイクロ波電源部から出力された進行波電力が負荷で反射したことにあると特定することができる。この場合には、反射波電力が設定値を超えたことが検出されたときにマイクロ波電源部の出力を抑制する制御を行うことにより、反射波電力を確実に減衰させることができるため、アイソレータを用いることなく、反射波電力に対してマイクロ波電源部の保護を図ることができる。
これに対し、共通の負荷に対して複数のマイクロ波電源部を設けるマイクロ波電力供給装置において、何れかのマイクロ波電源部で過大な反射波電力が検出される原因が、負荷で吸収されなかった他のマイクロ波電源部の出力が負荷側から進入したことにある場合には、過大な反射波電力が検出されたマイクロ波電源部の出力を抑制する制御を行っても、当該マイクロ波電源部に到達する反射波電力を減衰させることができないため、マイクロ波電源部を反射波電力に対して保護することができないことがある。この場合、各マイクロ波電源部の保護を確実に図るためには、各マイクロ波電源部毎に反射耐量が大きいアイソレータを設けざるを得ない。
本発明の目的は、共通の負荷に複数のマイクロ波電源部からマイクロ波電力を供給する構成をとる場合に、アイソレータを全く用いないか、又は用いるとしても、反射耐量が比較的小さい小形で低コストのアイソレータを用いるだけで、各マイクロ波電源部を反射波電力に対して確実に保護することができるマイクロ波電力供給装置を提供することにある。
本発明は、共通の負荷に供給するマイクロ波電力を出力する複数のマイクロ波電源部と、該複数のマイクロ波電源部に制御情報を与える制御部とを備えていて、各マイクロ波電源部が、負荷に供給される進行波電力及び負荷から戻ってくる反射波電力を検出する機能と制御部から与えられる制御情報に応じて出力を制御する機能とを有しているマイクロ波電力供給装置を対象とする。
本発明においては、上記制御部が、各マイクロ波電源部で検出されている反射波電力の情報を取得して、各マイクロ波電源部で設定値を超える反射波電力が検出されているか否かを監視し、設定値を超える反射波電力が検出されているマイクロ波電源部を保護対象電源部として特定する監視手段と、保護対象電源部を含む複数のマイクロ波電源部を順次判定対象電源部として、各判定対象電源部の出力を一時的に停止又は低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力がしきい値以上の低下量だけ低下するか否かを判定し、出力を停止又は低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力をしきい値以上の低下量だけ低下させた判定対象電源部を制御対象電源部として特定する制御対象電源部特定手段と、制御対象電源部の出力を停止又は低下させることにより保護対象電源部で検出される反射波電力を設定値以下に低減させる保護制御を行うために必要な制御情報を制御対象電源部に与える保護制御手段とを備えている。
複数のマイクロ波電源部から共通の負荷にマイクロ波電力を供給するマイクロ波電力供給装置において、各マイクロ波電源部で負荷側から戻ってくる反射波電力が設定値を超える状態を異常状態とすると、該異常状態が生じる原因としては、以下の2つが考えられる。
(a)そのマイクロ波電源部の出力(進行波電力)を負荷に伝送する伝送路の負荷側の端末部と負荷との間でインピーダンスの不整合が生じているために、そのマイクロ波電源部の出力(進行波電力)自体が負荷で反射している。
(b)異常状態が生じているマイクロ波電源部以外の他のマイクロ波電源部の出力の一部が負荷で吸収されずに異常状態が生じているマイクロ波電源部に負荷側から進入している。
あるマイクロ波電源部で負荷側から戻ってくる反射波電力が設定値を超える異常状態が生じている原因が上記(a)である場合には、そのマイクロ波電源部の出力を停止させるか、又は実験的に予め定めた低下量若しくは検出された反射波電力の大きさ等に応じて決定した低下量だけ低下させてみると、そのマイクロ波電源部で検出される反射波電力が零になるか又はしきい値以上の低下量だけ低下する。
また、あるマイクロ波電源部で負荷側から戻ってくる反射波電力が設定値を超える異常状態が生じている原因が上記(b)である場合には、そのマイクロ波電源部以外の他のマイクロ波電源部の何れかの出力を停止させるか、又は実験的に予め定めた低下量若しくは検出された反射波電力の大きさ等に応じて決定した低下量だけ低下させたときに、異常状態が生じていたマイクロ波電源部で検出される反射波電力が零になるか又はしきい値以上の低下量だけ低下する。
従って本発明のように、保護対象電源部を含む複数の電源部をそれぞれ判定対象電源部とし、各判定対象電源部の出力を一時的に停止又は低下させたときに(各判定対象電源部の出力を一旦停止又は低下させた後元のレベルに戻す操作を行ったときに)保護対象電源部で検出される反射波電力がしきい値以上の低下量だけ低下するか否かを判定して、出力を停止又は低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力をしきい値以上の低下量だけ低下させたと判定された判定対象電源部を制御対象電源部として特定する制御対象電源部特定手段を設けると、保護対象電源部で設定値を超える反射波電力が検出される異常状態を解消するために出力を停止又は低下させる保護制御を行う必要がある制御対象電源部を特定することができ、この制御対象電源部の出力を停止又は低下させる制御を行うことにより、異常状態を解消することができる。
上記保護対象電源部は1台だけの場合もあり、複数台ある場合もある。同様に、制御対象電源部も1台だけの場合もあり、複数台ある場合もある。
本発明の他の態様では、上記制御部が、各マイクロ波電源部で検出されている反射波電力の情報を取得して、各マイクロ波電源部で設定値を超える反射波電力が検出されているか否かを監視し、設定値を超える反射波電力が検出されているマイクロ波電源部を保護対象電源部として特定する監視手段と、保護対象電源部の出力を停止又は低下させることにより保護対象電源部で検出される反射波電力を設定値以下に低減させる保護制御を行うために必要な制御情報を保護対象電源部に与える第1の保護制御手段と、この第1の保護制御手段による保護制御を行っても保護対象電源部で検出される反射波電力を設定値以下にすることができないときに、保護対象電源部以外の他のマイクロ波電源部を順次判定対象電源部として、各判定対象電源部の出力を一時的に停止又は低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力がしきい値以上の低下量だけ低下するか否かを判定し、出力を停止又は低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力のレベルをしきい値以上の低下量だけ低下させた判定対象電源部を制御対象電源部として特定する制御対象電源部特定手段と、制御対象電源部の出力を停止又は低下させることにより保護対象電源部で検出される反射波電力を設定値以下に低減させる保護制御を行うために必要な制御情報を制御対象電源部に与える第2の保護制御手段とを備えている。
本発明の他の態様では、上記制御部が、各マイクロ波電源部で検出されている反射波電力の情報を取得して、各マイクロ波電源部で設定値を超える反射波電力が検出されているか否かを監視し、設定値を超える反射波電力が検出されているマイクロ波電源部を保護対象電源部として特定する監視手段と、保護対象電源部以外の他のマイクロ波電源部を順次判定対象電源部として、各判定対象電源部の出力を一時的に停止又は低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力のレベルがしきい値以上の低下量だけ低下するか否かを判定し、出力を停止又は低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力のレベルをしきい値以上の低下量だけ低下させた判定対象電源部を制御対象電源部として特定する制御対象電源部特定手段と、制御対象電源部特定手段により特定された制御対象電源部の出力を停止又は低下させることにより前記保護対象電源部で検出される反射波電力を前記設定値以下に低減させる保護制御を行うために必要な制御情報を制御対象電源部に与える第1の保護制御手段と、制御対象電源部特定手段により制御対象電源部が特定されなかったときに、保護対象電源部の出力を停止又は低下させることにより保護対象電源部で検出される反射波電力を設定値以下に低減させる保護制御を行う第2の保護制御手段とを備えている。
本発明の他の態様では、前記制御部が、保護制御が行われている状態で一定時間が経過する毎に制御対象電源部の出力を規定レベルに戻す出力復帰制御を行う出力復帰制御手段を更に備えている。
このように構成しておくと、保護対象電源部で異常状態を生じさせている原因が解消した後に無用な保護制御が行われて、負荷に供給されるマイクロ波電力が制限される事態が生じるのを防ぐことができる。
本発明の他の態様では、前記制御部が、各マイクロ波電源部の出力を目標値に一致させるように各マイクロ波電源部に制御情報を与える出力制御手段を備えている。この出力制御手段は、保護制御が行われているときに制御対象電源部以外のマイクロ波電源部の出力を増大させることにより複数のマイクロ波電源部から負荷に与えられる電力の総量を目標値に保つ制御を行うように構成される。
上記のように構成すると、保護制御が行われているときに負荷に供給されるマイクロ波電力が不足するのを防いで、被処理物に欠陥が生じるのを防ぐことができる。
本発明の更に他の態様では、前記制御部が、各マイクロ波電源部の出力を目標値に一致させるように各マイクロ波電源部に制御情報を与える出力制御手段を備え、この出力制御手段が、複数のマイクロ波電源部のそれぞれの電力検出器で検出される進行波電力と反射波電力とから負荷に吸収された電力の総量を演算して、演算された電力の総量を目標値に保つ制御を行うように各マイクロ波電源部に制御情報を与える。
上記のように構成すると、保護制御が行われているか否かの如何に関わりなく、負荷に吸収されるマイクロ波電力を一定に保つことができるため、マイクロ波電源部の保護を適確に図りつつ、常に被処理物の処理を適正に行わせて、被処理物に欠陥が生じるのを防ぐことができる。
制御部は、上記の各手段を構成するために、複数のマイクロ波電源部のそれぞれとの間で反射波情報や制御情報の伝達を行うための信号のやりとりをする必要がある。この場合、制御部と各マイクロ波電源部との間で信号のやりとりをするための構成は、種々の形態をとることができる。本発明の一態様では、制御部と各マイクロ波電源部との間が通信線を通して接続される。この場合制御部は、各マイクロ波電源部との間に設けられた通信線を通して、各手段を動作させるために必要な信号の授受を行うように構成される。
本発明の他の態様では、各マイクロ波電源部との間で信号の授受を行う制御装置が複数のマイクロ波電源部に対して共通に設けられて、該制御装置が各マイクロ波電源部に通信線を通して接続される。この場合制御部は、各手段を動作させるために必要な信号の授受を制御装置を介して行うように構成される。
本発明の他の態様では、複数のマイクロ波電源部の中から選択された1つのマイクロ波電源部内に他のマイクロ波電源部との間での信号の授受を行う制御装置が設けられて、該1つのマイクロ波電源部と他のマイクロ波電源部との間が通信線を通して接続される。この場合制御部は、選択された1つのマイクロ波電源部に通信線を通して接続されて、各手段を動作させるために必要な信号の授受を1つのマイクロ波電源部内の制御装置を介して行うように構成される。
本発明によれば、複数のマイクロ波電源部から共通の負荷にマイクロ波電力を供給する場合に、負荷から戻ってくる反射波電力が設定値を超える状態が生じているマイクロ波電源部を保護対象電源部とし、保護対象電源部を含む複数のマイクロ波電源部をそれぞれ判定対象電源部として、各判定対象電源部の出力を一時的に停止又は低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力がしきい値以上の低下量だけ低下するか否かを判定し、出力を停止又は低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力をしきい値以上の低下量だけ低下させた判定対象電源部を制御対象電源部として特定して、特定された制御対象電源部の出力を停止させるか又は低下させることにより、保護対象電源部で検出される反射波電力を設定値以下に保つようにしたので、複数のマイクロ波電源部から共通の負荷にマイクロ波電力を供給するマイクロ波電力供給装置の各マイクロ波電源部の保護を確実に図ることができる。
本発明においては、マイクロ波発生源と負荷との間にアイソレータを挿入することを妨げないが、本発明によった場合には、保護対象電源部で検出される反射波電力のレベルを設定値以下に保つ制御を行わせるので、アイソレータを設けるとしても、当該アイソレータとしては、従来用いられていたものよりも反射耐量が小さく、小形で安価なものを用いることができる。
本発明の一実施形態の構成を概略的に示したブロック図である。 図1に示した実施形態において、制御部がとり得る構成の一例を示したブロック図である。 図1に示した実施形態において、制御部がとり得る構成の他の例を示したブロック図である。 図1に示した実施形態において、制御部がとり得る構成の更に他の例を示したブロック図である。 本発明の他の実施形態の構成を概略的に示したブロック図である。 本発明の更に他の実施形態の構成を概略的に示したブロック図である。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態の構成を概略的に示したもので、同図において1はマイクロ波電力が供給される負荷であり、マイクロ波により処理される被処理物が収容されるチャンバである。P1ないしP3はそれぞれ、負荷1に供給するマイクロ波電力を出力する第1ないし第3のマイクロ波電源部である。本発明が対象とするマイクロ波電力供給装置では、共通の負荷1に対して複数のマイクロ波電源部が設けられるが、本実施形態では、3台のマイクロ波電源部が設けられている。
各マイクロ波電源部は、マイクロ波電力を発生するマイクロ波発生源2と、マイクロ波発生源2が出力する進行波電力と負荷からマイクロ波発生源に戻ってくる反射波電力とを検出する電力検出器3とを備えている。本実施形態では、マイクロ波発生源2が、マグネトロン等の電子管を用いたマイクロ波発振源と、該マイクロ波発振源の出力を制御する出力制御部とにより構成されている。電力検出器3は、入力ポート3a及び出力ポート3bと、進行波電力に比例した進行波検出信号Sf及び反射波電力に比例した反射波検出信号Srをそれぞれ出力する2つの結合ポート3c及び3dとを有する双方向性の方向性結合器からなっている。マイクロ波発生源2の出力端が導波管からなる伝送路4を通して電力検出器3の入力ポート3aに接続され、電力検出器3の出力ポート3bが導波管からなる伝送路5を通して負荷1に接続されている。
6は第1ないし第3のマイクロ波電源P1ないしP3に対して設けられた制御部で、制御部6と第1ないし第3のマイクロ波電源P1ないしP3との間が通信線C11〜C13及びC21〜C23を通して接続されている。本実施形態では、第1ないし第3のマイクロ波電源P1ないしP3にそれぞれ設けられた電力検出器3から出力される進行波検出信号Sf及び反射波検出信号Srから得られる進行波情報及び反射波情報が、第1ないし第3のマイクロ波電源P1ないしP3のそれぞれのマイクロ波発生源2内に設けられた通信手段と通信線C11〜C13とを通して制御部6に与えられている。また制御部6から第1ないし第3のマイクロ波電源P1ないしP3のそれぞれのマイクロ波発生源2に、それぞれの出力の発生/停止を指示する指令や、それぞれの出力の大きさを指示する指令などを含む制御情報Scが通信線C21ないしC23を通して与えられている。
制御部6は、CPU、ROMやRAM等の記憶装置及び入出力インターフェース等を有するマイクロプロセッサを備えていて、ROMに記憶された所定のプログラムをCPUに実行させることにより、各種の機能実現手段を構成する。図2は、本実施形態において制御部6に設けられる機能実現手段を含む装置の構成例を示したもので、この例では、第1ないし第3のマイクロ波電源部P1ないしP3内にそれぞれ設けられたマイクロ波発生源2の出力を制御する出力制御手段601と、複数のマイクロ波電源部P1ないしP3の中に設定値を超える反射波電力が検出される異常状態が生じている電源部があるか否かを監視する監視手段602と、異常状態を解消するために制御の対象とするマイクロ波電源部を特定する制御対象電源部特定手段603と、異常状態を解消するように制御対象電源部を制御する保護制御手段604とが制御部6に設けられる。
図2に示された出力制御手段601は、マイクロ波電源部P1ないしP3のマイクロ波発生源2の出力の発生及び停止と、マイクロ波電源部の出力を目標値に保つ制御とを行うように各マイクロ波電源部に制御情報を与える手段である。出力制御手段601は、マイクロ波電源部P1ないしP3の出力(進行波電力)の目標値の情報を含む制御情報を、マイクロ波電源部P1ないしP3のそれぞれのマイクロ波発生源2に設けられている出力制御部に与える。各マイクロ波発生源2に設けられている出力制御部は、制御部6から与えられる制御情報に含まれる出力の目標値と各マイクロ波電源部内の電力検出器3により検出される進行波電力のレベルとの偏差を零にするように、マイクロ波発生源2を構成する電子管に印加する電圧を制御することにより、マイクロ波発生源2から出力されるマイクロ波電力を目標値に保つ制御を行う。
監視手段602は、各マイクロ波電源部内に設けられた電力検出器3が設定値Prsを超える反射波電力を検出している状態を異常状態として、各マイクロ波電源部で異常状態が生じているか否かを監視し、異常状態が生じているすべてのマイクロ波電源部を保護対象電源部として特定する。各マイクロ電源部に負荷から過大な反射波電力が戻ってくると、マイクロ波発生源2を構成する電子管(マグネトロン等)が過熱したり、異常発振をしたりして破損するおそれがある。マイクロ波電源部を反射波から保護するためにアイソレータを用いる場合には、上記反射波電力の設定値を、アイソレータの反射耐量の限界値(アイソレータのダミーロードでの発熱を許容範囲に収めるために許される限界値)に設定しておく。またアイソレータを用いない場合には、上記反射波電力の設定値Prsを、マイクロ波電源部を破損することなく動作させるために許容される反射波電力のレベルの最大値(例えばマグネトロンを過熱させることなく、かつ異常発振を生じさせることなく動作させるために許容される最大値)に設定しておく。
図2に示された制御対象電源部特定手段603は、保護対象電源部を含む複数のマイクロ波電源部を順次判定対象電源部として、各判定対象電源部の出力Pfを一時的に停止させるか、又は所定の低下量ΔPfyだけ一時的に低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力がしきい値ΔPrth以上の低下を示すか否か(しきい値ΔPrth以上の低下量ΔPryだけ低下するか否か)を判定するように構成され、ある判定対象電源部の出力を停止させるか又はΔPfyだけ低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力Prがしきい値ΔPrth以上低下したときに(しきい値ΔPrth以上の低下量ΔPryだけ低下したときに)、その判定対象電源部を制御対象電源部として特定する。図示の制御対象電源部特定手段603は、マイクロ波電源部P1ないしP3を順次判定対象電源部として、各判定対象電源部の出力を一時的に停止させるか、又はΔPfyだけ低下させることを指令する制御情報を出力制御手段601に与え、各判定対象電源部の出力を停止又は低下させた際に、監視手段602により特定された保護対象電源部の電力検出器3で検出される反射波電力がしきい値ΔPrth以上の低下量ΔPryだけ低下するか否かを判定する。この判定の過程で、ある判定対象電源部の出力を停止させるか又はΔPfyだけ低下させた際に保護対象電源部で検出される反射波電力がしきい値ΔPrth以上の低下量ΔPryだけ低下したときに、その判定対象電源部を制御対象電源部として特定する。
上記制御対象電源部を特定する際に、判定対象電源部の出力を一時的に停止させる方法をとると、保護対象電源部で検出される反射波電力の低下量を大きくすることができるため、制御対象電源部の特定を最も確実に行うことができる。しかしながら、判定対象電源部の出力を一時的でも停止させると負荷に悪影響が及ぶことが懸念される場合には、判定対象電源部の出力を一時的に所定の低下量ΔPfyだけ低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力がしきい値ΔPrth以上の低下量ΔPryを示すか否かを判定する方法により制御対象電源部を特定する方が望ましい。
各判定対象電源部の出力を一時的に低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力がしきい値以上低下したか否か(しきい値ΔPrth以上の低下量ΔPryだけ低下したか否か)を判定することにより制御対象電源部を特定する構成をとる場合に、判定を行う際の各判定対象電源部の出力の低下量ΔPfyは、予め実験的に決定した一定量でもよく、保護対象電源部で検出された反射波電力のレベルや、各マイクロ波電源部の出力の目標値を予め作成しておいた実験式に当てはめることにより決定される可変量でもよい。但し、制御対象電源部を特定する過程におけるマイクロ波電源部の出力の低下ができるだけ負荷に悪影響を及ぼさないようにするためには、判定を行う際の各判定対象電源部の出力の低下量を、制御対象電源部の特定に支障を来さない範囲でできるだけ小さい値に設定しておくことが望ましい。上記しきい値ΔPrthは、判定を行う際の各判定対象電源部の出力の低下量ΔPfyに応じて適宜に設定しておく。
保護制御手段604は、制御対象電源部特定手段603により特定された制御対象電源部の出力を停止させるか、又は保護対象電源部で検出される反射波電力の検出値を設定値以下に抑えるために必要な低下量ΔPfxだけ低下させることにより保護対象電源部で検出される反射波電力を設定値以下に低減させる保護制御を行う手段である。保護制御手段604は、制御対象電源部特定手段603により特定された制御対象電源部の出力を停止させるか、又は所定の低下量ΔPfxだけ低下させる指令を出力制御手段601に与える。
負荷に与える影響を最小限に抑えるためには、上記保護制御において、制御対象電源部の出力を停止させる方法をとると、負荷に供給される電力が減少して負荷に悪影響が及ぶ場合があることが考えられる。従って、保護対象電源部を保護するためにやむを得ない場合を除き、上記保護制御においては、制御対象電源部の出力を、必要最小限の低下量ΔPfxだけ低下させることにより、保護対象電源部で検出される反射波電力を設定値以下に低下させるようにするのが好ましい。
保護制御において、制御対象電源部の出力を低下させる制御を行う場合の出力の低下量ΔPfxは、保護対象電源部で検出される反射波電力を設定値以下に抑え込むために必要にして十分な値で、かつ負荷に供給されるマイクロ波電力の減少を許容範囲に収めることができる値に設定する。保護制御を行う際の制御対象電源部の出力の最適な低下量は、例えば、保護対象電源部を特定する際に該保護対象電源部で検出された設定値Prsを超える反射波電力のレベルPrと設定値Prsとの差分ΔPr=Pr−Prsと、制御対象電源部を特定する際の判定対象電源部の出力の低下量ΔPfyと、その時に保護対象電源部で検出された反射波電力のしきい値ΔPrth以上の低下量ΔPryとに対して実験的に作成したマップを検索することにより演算したり、上記ΔPr ,ΔPfy及びΔPryを予め作成した実験式に当てはめたりすることにより求めることができる。
前述のように、保護対象電源部で検出される反射波電力が設定値を超える原因としては、以下の2つが考えられる。
(a)保護対象電源部の出力(進行波電力)を負荷に伝送する伝送路5の負荷側の端末部と負荷1との間でインピーダンスの不整合が生じているために、その保護対象電源部の出力(進行波電力)自体が負荷で反射している。
(b)保護対象電源部以外の他のマイクロ波電源部の出力の一部が、負荷で吸収されずに保護対象電源部に負荷側から進入している。
保護対象電源部で負荷側から戻ってくる反射波電力が設定値を超える異常状態が生じている原因が上記(a)である場合には、保護対象電源部の出力を停止させるか又は低下させてみると、当該保護対象電源部で検出される反射波電力が零になるか又は設定値以下に低下する。
また、保護対象電源部で負荷1側から戻ってくる反射波電力が設定値を超える異常状態が生じている原因が上記(b)である場合には、保護対象電源部以外の他のマイクロ波電源部の何れかの出力を停止させるか又は低下させたときに、保護対象電源部で検出される反射波電力が零になるか又は設定値以下に低下する。
従って、異常状態が生じている保護対象電源部を含むすべてのマイクロ波電源部を順次判定対象電源部として、各判定対象電源部の出力を一時的に停止又は低下させたときに(各判定対象電源部の出力を一旦停止又は低下させた後元のレベルに戻す操作を行ったときに)保護対象電源部で検出される反射波電力が設定値以下に低下するか否かを判定すると、出力を停止又は低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力を設定値以下に低下させた判定対象電源部を制御対象電源部として特定することができ、このようにして特定した制御対象電源部の出力を停止又は低下させる保護制御を行うことにより、保護対象電源部で生じている異常状態を解消することができる。
例えば、本実施形態において、第1のマイクロ波電源部P1の電力検出器3で設定値を超える反射波電力が検出されているとする。この状態を放置すると、第1のマイクロ波電源部P1のマイクロ波発生源2が破損するおそれがある。またアイソレータが設けられている場合には、反射波電力が該アイソレータの反射耐量を超えてアイソレータが破損するおそれがある。このとき監視手段602は、第1のマイクロ波電源部P1を保護対象電源部として特定する。ここで、第1のマイクロ波電源部P1で異常状態(設定値を超える反射波電力が検出される状態)が生じている原因が、当該第1のマイクロ波電源部P1の出力が負荷で反射していることにあるとすると、第1のマイクロ波電源部P1のマイクロ波発生源2の出力を停止するか又は低下させてみた時に、当該第1のマイクロ波電源部P1の電力検出器3で検出される反射波電力が零になるか又はしきい値以上の低下を示すが、他のマイクロ波電源部P2、P3の出力を停止又は低下させても第1のマイクロ波電源部P1で検出される反射波電力はしきい値以上の低下を示さない。この場合には、保護対象電源部(第1のマイクロ波電源部P1)自体を制御対象電源部として、第1のマイクロ波電源部P1の出力を停止するか又は低下させることにより、保護対象電源部P1の電力検出器3により検出される反射波電力を設定値以下に制限して、保護対象電源部のマイクロ波発生源が破損するのを防ぐことができる。
また第1のマイクロ波電源部P1が保護対象電源部であるときに、第1のマイクロ波電源部P1の出力を低下させても、当該第1のマイクロ波電源部P1の電力検出器3で検出される反射波電力がしきい値以上の低下を示さない場合には、他のマイクロ波電源部P2及び(又は)P3の出力の一部が負荷1で吸収されずに、伝送路5を通してマイクロ波電源部P1に進入しているために、第1のマイクロ波電源部P1で検出される反射波電力が設定値を超えていると判断することができる。この場合には、保護対象電源部である第1のマイクロ波電源部P1で異常状態を生じさせている他のマイクロ波電源部P2及び(又は)P3を制御対象電源部として、他のマイクロ波電源部P2及び(又は)P3の出力を停止又は低下させる保護制御を行うことにより、保護対象電源部P1の保護を図ることができる。
設定値以上の反射波電力が負荷から戻ってくる異常状態が生じるマイクロ波電源部は1つとは限らず、同時に複数のマイクロ波電源部で異常状態が生じることがあり得る。従って、保護対象電源部は1台の場合もあり、複数台の場合もある。
また保護対象電源部で異常状態が生じる原因を作っているマイクロ波電源部も1つとは限らず、同時に複数のマイクロ波電源部が、保護対象電源部で異常状態が生じる原因となっていることがあり得る。従って、制御対象電源部も、1台の場合もあり、複数台の場合もある。制御対象電源部は保護対象電源部自体である場合もあり、保護対象電源部以外のマイクロ波電源部である場合もある。
上記の実施形態において、例えば第1のマイクロ波電源部P1の電力検出器3が設定値を超える反射波電力を検出したとする。このとき監視手段602は、第1のマイクロ波電源部P1を保護対象電源部として特定する。保護対象電源部が特定されると、制御対象電源部特定手段603が、マイクロ波電源部P1ないしP3を順次判定対象電源部として、各判定対象電源部の出力を一旦停止又は低下させた後元のレベルに戻す操作を行い、各判定対象電源部の出力を停止又は低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力が設定値以下に低下するか否かを判定する。この判定の過程で、ある判定対象電源部の出力の停止又は低下が保護対象電源部で検出される反射波電力をしきい値以上低下させたと判定されたときに、その判定対象電源部を、保護対象電源部の異常状態を解消するために出力を停止又は低下させる保護制御を行う必要がある制御対象電源部として特定する。
例えば、制御対象電源部特定手段603が、第2のマイクロ波電源部P2の出力を一旦停止又は低下させた後元のレベルに戻す操作を行ったときに、保護対象電源部P1の電力検出器3で検出された反射波電力のレベルが設定値以下に低下したとすると、制御対象電源部特定手段603は、第2のマイクロ波電源部P2を制御対象電源部として特定する。このとき、保護制御手段604は、第2のマイクロ波電源部P2を制御対象電源部として、その出力を停止させるか又は所定の低下量ΔPfxだけ低下させるために必要な制御情報(マイクロ波電源部P2の出力の目標値)をマイクロ波電源部P2に与える。これにより、保護対象電源部である第1のマイクロ波電源部P1の電力検出器3で検出される反射波電力を設定値以下に減衰させて、第1のマイクロ波電源部P1の保護を図る。
上記の動作説明では、1つのマイクロ波電源部のみを保護対象電源部としたが、複数の保護対象電源部が特定された場合には、制御対象電源部特定手段603により各保護対象電源部で検出される反射波電力のレベルを設定値以下に低下させるために制御の対象とする必要がある制御対象電源部を特定し、保護制御手段604により、特定された制御対象電源部の出力を停止又は低下させる制御を行って各保護対象電源部で生じている異常状態を解消する。
上記の実施形態では、監視手段602により保護対象電源部が特定された後、すべてのマイクロ波電源部を順次判定対象電源部として、各判定対象電源部の出力を一時的に停止又は低下させることにより、すべての制御対象電源部を特定するようにしたが、保護対象電源部が特定されたときに、先ず保護対象電源部自体の出力を停止又は低下させる制御を行って当該保護対象電源部で検出される反射波電力が設定値以下に低下するか否かを判定し、保護対象電源部自体の出力を停止又は低下させても当該保護対象電源部で検出される反射波電力が設定値以下に低下しないときに、保護対象電源部以外の他のマイクロ波電源部の出力を一時的に停止又は低下させることにより、制御対象電源部を特定するようにしてもよい。このように構成する場合の制御部の構成例を図3に示した。
図3において、601は出力制御手段、602は監視手段であり、これらは図2に示した実施形態と同様に構成されている。即ち、出力制御手段601は、マイクロ波電源部P1ないしP3のマイクロ波発生源2の出力の発生及び停止と、マイクロ波電源部の出力を目標値に保つ制御とを行うように各マイクロ波電源部に制御情報を与える手段であり、マイクロ波電源部P1ないしP3の出力(進行波電力)の目標値の情報を含む制御情報を、マイクロ波電源部P1ないしP3のそれぞれのマイクロ波発生源2に設けられている出力制御部に与える。また監視手段602は、各マイクロ波電源部の電力検出器が設定値を超える反射波電力を検出している状態を異常状態として、各マイクロ波電源部で異常状態が生じているか否かを監視し、異常状態が生じているすべてのマイクロ波電源部を保護対象電源部として特定する。
第1の保護制御手段604aは、監視手段602により特定された保護対象電源部を制御対象電源部としてその出力を停止させるか又は所定の低下量ΔPfxだけ低下させることにより、保護対象電源部で検出される反射波電力を設定値以下に保つ保護制御を行うために必要な制御情報をマイクロ波電源部P1ないしP3に与える。
制御対象電源部特定手段603は、第1の保護制御手段により保護対象電源部の出力を停止又は低下させる制御を行っても、保護対象電源部で生じている異常状態が解消しないときにのみ、保護対象電源部以外の他のマイクロ波電源部の中から制御対象電源部を特定する手段である。本実施形態の制御対象電源部603は、第1の保護制御手段604aによる保護制御を行っても保護対象電源部で生じている異常状態が解消しないときに、保護対象電源部以外の他のマイクロ波電源部を順次判定対象電源部として、各判定対象電源部の出力を一時的に停止又は低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力のレベルが低下するか否かを判定し、出力を停止又は低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力のレベルを低下させた判定対象電源部を制御対象電源部として特定する。
第2の保護制御手段604bは、制御対象電源部特定手段603により特定された制御対象電源部の出力を停止させるか又は規定レベルよりも低下させることにより、保護対象電源部で検出される反射波電力を設定値以下に保つ保護制御を行うために必要な制御情報をマイクロ波電源部P1ないしP3に与える。
この構成は、各マイクロ波電源部の負荷で反射が生じる確率が高く、各マイクロ波電源部の出力の一部が負荷で吸収されずに他のマイクロ波電源部に負荷側から進入する確率が低い場合に有利である。
図3に示された実施形態において、例えば第1のマイクロ波電源部P1の電力検出器3が設定値を超える反射波電力を検出したとする。このとき監視手段602は、第1のマイクロ波電源部P1を保護対象電源部として特定する。保護対象電源部が特定されると、先ず第1の保護制御手段604aが出力制御手段601に指令を与えて第1のマイクロ波電源部P1の出力を停止又は低下させる。これにより第1のマイクロ波電源部P1の電力検出器3で検出される反射波電力のレベルがしきい値以上の低下を示した場合には、第1のマイクロ波電源部P1の出力を停止又は低下させたままとして、第1のマイクロ波電源部P1を保護する。第1の保護制御手段604aにより第1のマイクロ波電源部P1の出力を停止又は低下させる制御を行っても第1のマイクロ波電源部P1の電力検出器3で検出される反射波電力のレベルが設定値以下にならない場合には、第2のマイクロ波電源部P2及びP3を順次判定対象電源部として、各判定対象電源部の出力を一旦停止又は低下させた後元のレベルに戻す操作を行い、各判定対象電源部の出力を停止又は低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力が設定値以下に低下するか否かを判定する。この判定の過程により、出力を停止又は低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力を設定値以下に低下させた判定対象電源部を、保護対象電源部の異常状態を解消するために出力を停止又は低下させる保護制御を行う必要がある制御対象電源部として特定する。
例えば、制御対象電源部特定手段603が第2のマイクロ波電源部P2の出力を一旦停止又は低下させた後元のレベルに戻す操作を行ったときに、保護対象電源部P1の電力検出器3で検出された反射波電力のレベルが設定値以下に低下したとすると、制御対象電源部特定手段603は、第2のマイクロ波電源部P2を制御対象電源部として特定する。このとき、第2の保護制御手段604bは、第2のマイクロ波電源部P2を制御対象電源部として、出力制御手段601に指令を与えることにより制御対象電源部の出力を停止又は低下させる制御を行うために必要な制御情報をマイクロ波電源部P2に与える。これにより、保護対象電源部である第1のマイクロ波電源部P1の電力検出器3で検出される反射波電力を設定値以下に減衰させて、第1のマイクロ波電源部P1の保護を図る。
上記の構成では、監視手段602により保護対象電源部が特定されたときに、先ず第1の保護制御手段により保護対象電源部の出力を停止又は低下させる制御を行うようにしたが、監視手段602により保護対象電源部が特定されたときに、先ず保護対象電源部以外の他のマイクロ波電源部の中から制御対象電源部を特定して、制御対象電源部の出力を停止又は低下させる保護制御を行い、この保護制御によっても保護対象電源部で生じている異常状態を解消できないときに保護対象電源部を制御対象電源部として、その出力を停止又は低下させる制御を行うようにしてもよい。
このような制御を行わせる場合の制御部6の構成例を図4に示した。図4に示した実施形態において、出力制御部601及び監視手段602の構成は図2及び図3に示した実施形態と同様である。
図4に示された実施形態において、制御対象電源部特定手段603は、監視手段602により特定された保護対象電源部以外の他のマイクロ波電源部を順次判定対象電源部として、各判定対象電源部の出力を一時的に停止させるか又は一時的に規定レベルよりも低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力のレベルが低下するか否かを判定し、出力を停止又は低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力のレベルを低下させた判定対象電源部を異常状態を解消するために出力を制御する必要がある制御対象電源部として特定するように構成される。
また第1の保護制御手段604aは、制御対象電源部特定手段603により制御対象電源部が特定されたときに、特定された制御対象電源部の出力を停止させるか又は規定レベルよりも低下させて、保護対象電源部の電力検出器3で検出される反射波電力を設定値以下に保つ保護制御を行うために必要な制御情報をマイクロ波電源部P1ないしP3に与えるように構成される。
第2の保護制御手段604bは、制御対象電源部特定手段603により制御対象電源部が特定されなかったときに、保護対象電源部の出力を停止させるか又は規定レベルよりも低下させることにより保護対象電源部で検出される反射波電力を設定値以下に保つ保護制御を行うめに必要な制御情報をマイクロ波電源部P1ないしP3に与えるように構成される。
図4に示された実施形態において、例えば第1のマイクロ波電源部P1の電力検出器3が設定値を超える反射波電力を検出すると、監視手段602が第1のマイクロ波電源部P1を保護対象電源部として特定する。保護対象電源部が特定されると、制御対象電源部特定手段603が保護対象電源部以外の他のマイクロ波電源部P2及びP3を順次判定対象電源部として、各判定対象電源部の出力を一旦停止又は低下させた後元のレベルに戻す操作を行い、各判定対象電源部の出力を停止又は低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力が設定値以下に低下するか否かを判定する。この判定の過程で出力を停止又は低下させたときに保護対象電源部で検出される反射波電力を設定値以下に低下させた判定対象電源部を、保護対象電源部P1の異常状態を解消するために出力を停止又は低下させる保護制御を行う必要がある制御対象電源部として特定する。
例えば、第2のマイクロ波電源部P2の出力を一旦停止又は低下させた後元のレベルに戻す操作を行ったときに、保護対象電源部P1の電力検出器3で検出される反射波電力のレベルが設定値以下に低下した場合には、第2のマイクロ波電源部P2が制御対象電源部として特定される。このとき、第1の保護制御手段604aは、第2のマイクロ波電源部P2を制御対象電源部として、出力制御手段601に指令を与えることにより制御対象電源部P2の出力を停止又は低下させる制御を行わせる。これにより、保護対象電源部P1の電力検出器3で検出される反射波電力を設定値以下に減衰させて、第1のマイクロ波電源部P1の保護を図る。
制御対象電源部特定手段603が制御対象電源部を特定することができなかったとき、即ち、制御対象電源部特定手段603が第2のマイクロ波電源部P2及びP3を順次判定対象電源部として、各判定対象電源部の出力を一旦停止又は低下させた後元のレベルに戻す操作を行った際に保護対象電源部P1で検出される反射波電力が設定値以下に低下しなかったときには、第2の保護制御手段604bが出力制御手段601に指令を与えて第1のマイクロ波電源部P1の出力を停止又は低下させる。これにより第1のマイクロ波電源部P1の電力検出器3で検出される反射波電力のレベルを設定値以下に低下させて、第1のマイクロ波電源部P1の保護を図る。
上記のように、本発明においては、何れかのマイクロ波電源部で負荷から戻ってくる反射波電力が設定値を超える異常状態が生じたときに、そのマイクロ波電源部を保護対象電源部として、該保護対象電源部又は保護対象電源部以外の他のマイクロ波電源部の中から特定した制御対象マイクロ波電源部の出力を停止又は低下させることにより、保護対象電源部で検出される反射波電力を設定値以下に低減させる保護制御を行うことを基本とするが、保護制御を継続させると負荷に供給されるマイクロ波電力が不足する状態が継続して被処理物の処理に支障を来すおそれがある。このような事態が生じるのを防ぐため、保護制御が行われている状態で一定時間が経過する毎に制御対象電源部の出力を規定レベルに戻す出力復帰制御を行う出力復帰制御手段を設けておくことが好ましい。
上記のような出力復帰制御手段を設けた場合、出力復帰制御手段が制御対象電源部の出力を規定レベルに復帰させた際に保護対象としていたマイクロ波電源部で依然異常状態が生じているときには、再度保護制御が行われて保護対象電源部の保護が図られる。出力復帰制御手段が制御対象電源部の出力を規定レベルに復帰させた際に保護対象電源部で異常状態が生じていない場合(異常状態を生じさせていた原因が除去された場合)には、以後保護制御が行われないため、マイクロ波電力供給装置を正常な状態に復帰させることができる。
各マイクロ波電源部の定格出力に余裕を持たせることができる場合には、保護制御が行われているときに制御対象電源部以外のマイクロ波電源部の出力を増大させることにより複数のマイクロ波電源部から負荷に与えられる電力の総量を目標値に保つ制御を行うように出力制御手段601を構成しておくことが好ましい。
このように出力制御手段601を構成しておくと、保護制御が行われている状態でも負荷に供給されるマイクロ波電力の総量を負荷で必要とされる大きさに保つことができるため、被処理物の処理を支障なく行わせることができる。
また各マイクロ波電源部の定格出力に余裕を持たせることができる場合には、複数のマイクロ波電源部P1ないしP3のそれぞれの電力検出器3で検出される進行波電力と反射波電力とから負荷1に吸収された電力の総量を演算して、演算された電力の総量を目標値に保つ制御を行うように出力制御手段を構成することが好ましい。
各マイクロ波電源部から出力されて負荷1に吸収されたマイクロ波電力の量は、各マイクロ波電源部の電力検出器3により検出された進行波電力から反射波電力を減算することにより求めることができ、すべてのマイクロ波電源部のそれぞれから出力されて負荷に吸収された電力量を加算することにより、負荷に吸収された電力の総量を求めることができる。
このように、負荷に吸収された電力の総量を目標値に保つ制御を行うように出力制御手段601を構成しておくと、被処理物の処理をより適確に行わせることができる。
上記の各実施形態では、制御部6が複数のマイクロ波電源部P1ないしP3に対して共通に設けられていて、制御部6と各マイクロ波電源部との間が通信線を通して接続され、制御部が各マイクロ波電源部との間に設けられた通信線を通して、出力制御手段601、監視手段602、制御対象電源部特定手段603、保護制御手段604等の各手段を動作させるために必要な信号の授受を行うように構成されている。しかしながら、本発明は、このように構成する場合に限定されるものではなく、制御部と各マイクロ波電源部との間の信号のやりとりを行うための構成は、種々の形態をとることができる。
例えば図5に示したように、マイクロ波電源部P1ないしP3との間で信号の授受を行う制御装置7を複数のマイクロ波電源部P1ないしP3に対して共通に設けて、制御装置7を各マイクロ波電源部に通信線を通して接続するとともに、制御部6と制御装置7との間を通信線C1及びC2を通して接続し、出力制御手段601、監視手段602、制御対象電源部特定手段603、保護制御手段604等の各手段を動作させるために必要な信号の授受を制御装置7を介して行うように制御部6を構成するようにしてもよい。
また図6に示すように、複数のマイクロ波電源部P1ないしP3の中から選択された1つのマイクロ波電源部(図示の例では第2のマイクロ波電源部P2)内に他のマイクロ波電源部との間で信号の授受を行う制御装置を設けて、この制御装置を設けたマイクロ波電源部P2と他のマイクロ波電源部P1,P3との間を通信線C3,C4を通して接続するとともに、制御装置を設けたマイクロ波電源部P2と制御部6との間を通信線C1及びC2を通して接続して、制御部6が、出力制御手段601、監視手段602、制御対象電源部特定手段603、保護制御手段604等の各手段を動作させるために必要な信号の授受を1つのマイクロ波電源部P2内の制御装置を介して行うように構成することもできる。
上記の実施形態では、マイクロ波発生源2がマグネトロン等の電子管により構成されているとしたが、マイクロ波発生源は、半導体素子を用いたマイクロ波発振器が出力するマイクロ波信号を増幅する電力増幅器により構成することもできる。
本発明は、半導体や液晶等の被処理物にプラズマを作用させてエッチングを施したり、高分子材料からなる被処理物の表面にプラズマを作用させて物質表面の改質を図ったり、被処理物の誘電加熱を行ったりするために負荷にマイクロ波電力を供給するマイクロ波電力供給装置の産業分野で広く利用することができる。
1 負荷
2 マイクロ波発生源
3 電力検出器
4 伝送路
5 伝送路
6 制御部
601 出力制御手段
602 監視手段
603 制御対象電源部特定手段
604 保護制御手段
604a 第1の保護制御手段
604b 第2の保護制御手段
P1〜P3 マイクロ波電源部

Claims (9)

  1. 共通の負荷に供給するマイクロ波電力を出力する複数のマイクロ波電源部と、前記複数のマイクロ波電源部に制御情報を与える制御部とを備え、各マイクロ波電源部は、前記負荷に供給される進行波電力及び負荷から戻ってくる反射波電力を検出する機能と前記制御部から与えられる制御情報に応じて出力を制御する機能とを有しているマイクロ波電力供給装置であって、
    前記制御部は、
    各マイクロ波電源部で検出されている反射波電力の情報を取得して、各マイクロ波電源部で設定値を超える反射波電力が検出されているか否かを監視し、設定値を超える反射波電力が検出されているマイクロ波電源部を保護対象電源部として特定する監視手段と、
    前記保護対象電源部を含む前記複数のマイクロ波電源部を順次判定対象電源部として、各判定対象電源部の出力を一時的に停止又は低下させたときに前記保護対象電源部で検出される反射波電力がしきい値以上の低下量だけ低下するか否かを判定し、出力を停止又は低下させたときに前記保護対象電源部で検出される反射波電力をしきい値以上の低下量だけ低下させた判定対象電源部を制御対象電源部として特定する制御対象電源部特定手段と、
    前記制御対象電源部の出力を停止又は低下させることにより前記保護対象電源部で検出される反射波電力を前記設定値以下に低減させる保護制御を行うために必要な制御情報を前記制御対象電源部に与える保護制御手段と、
    を具備したことを特徴とするマイクロ波電力供給装置。
  2. 共通の負荷に供給するマイクロ波電力を出力する複数のマイクロ波電源部と、前記複数のマイクロ波電源部に制御情報を与える制御部とを備え、各マイクロ波電源部は、前記負荷に供給される進行波電力及び負荷から戻ってくる反射波電力を検出する機能と前記制御部から与えられる制御情報に応じて出力を制御する機能とを有しているマイクロ波電力供給装置であって、
    前記制御部は、
    各マイクロ波電源部で検出されている反射波電力の情報を取得して、各マイクロ波電源部で設定値を超える反射波電力が検出されているか否かを監視し、設定値を超える反射波電力が検出されているマイクロ波電源部を保護対象電源部として特定する監視手段と、
    前記保護対象電源部の出力を停止又は低下させることにより前記保護対象電源部で検出される反射波電力を設定値以下に低減させる保護制御を行うために必要な制御情報を前記保護対象電源部に与える第1の保護制御手段と、
    前記第1の保護制御手段による保護制御を行っても前記保護対象電源部で検出される反射波電力を設定値以下にすることができないときに、前記保護対象電源部以外の他のマイクロ波電源部を順次判定対象電源部として、各判定対象電源部の出力を一時的に停止又は低下させたときに前記保護対象電源部で検出される反射波電力がしきい値以上の低下量だけ低下するか否かを判定し、出力を停止又は低下させたときに前記保護対象電源部で検出される反射波電力のレベルをしきい値以上の低下量だけ低下させた判定対象電源部を制御対象電源部として特定する制御対象電源部特定手段と、
    前記制御対象電源部の出力を停止又は低下させることにより前記保護対象電源部で検出される反射波電力を前記設定値以下に低減させる保護制御を行うために必要な制御情報を前記制御対象電源部に与える第2の保護制御手段と、
    を具備したことを特徴とするマイクロ波電力供給装置。
  3. 共通の負荷に供給するマイクロ波電力を出力する複数のマイクロ波電源部と、前記複数のマイクロ波電源部に制御情報を与える制御部とを備え、各マイクロ波電源部は、前記負荷に供給される進行波電力及び負荷から戻ってくる反射波電力を検出する機能と前記制御部から与えられる制御情報に応じて出力を制御する機能とを有しているマイクロ波電力供給装置であって、 前記制御部は、
    各マイクロ波電源部で検出されている反射波電力の情報を取得して、各マイクロ波電源部で設定値を超える反射波電力が検出されているか否かを監視し、設定値を超える反射波電力が検出されているマイクロ波電源部を保護対象電源部として特定する監視手段と、
    前記保護対象電源部以外の他のマイクロ波電源部を順次判定対象電源部として、各判定対象電源部の出力を一時的に停止又は低下させたときに前記保護対象電源部で検出される反射波電力のレベルがしきい値以上の低下量だけ低下するか否かを判定し、出力を停止又は低下させたときに前記保護対象電源部で検出される反射波電力のレベルをしきい値以上の低下量だけ低下させた判定対象電源部を制御対象電源部として特定する制御対象電源部特定手段と、
    前記制御対象電源部特定手段により特定された制御対象電源部の出力を停止又は低下させることにより前記保護対象電源部で検出される反射波電力を前記設定値以下に低減させる保護制御を行うために必要な制御情報を前記制御対象電源部に与える第1の保護制御手段と、
    前記制御対象電源部特定手段により制御対象電源部が特定されなかったときに、前記保護対象電源部の出力を停止又は低下させることにより前記保護対象電源部で検出される反射波電力を前記設定値以下に低減させる保護制御を行う第2の保護制御手段と、
    を具備したことを特徴とするマイクロ波電力供給装置。
  4. 前記制御部は、前記保護制御が行われている状態で一定時間が経過する毎に前記制御対象電源部の出力を規定レベルに戻す出力復帰制御を行うために必要な制御情報を前記制御対象電源部に与える出力復帰制御手段を更に備えている請求項1,2又は3に記載のマイクロ波電力供給装置。
  5. 前記制御部は、前記各マイクロ波電源部の出力を目標値に保つように各マイクロ波電源部に制御情報を与える出力制御手段を備え、
    前記出力制御手段は、前記保護制御が行われているときに前記制御対象電源部以外のマイクロ波電源部の出力を増大させることにより前記複数のマイクロ波電源部から負荷に与えられる電力の総量を目標値に保つ制御を行うように各マイクロ波電源部に制御情報を与える請求項1,2,3又は4に記載のマイクロ波電力供給装置。
  6. 前記制御部は、前記各マイクロ波電源部の出力を目標値に一致させるように各マイクロ波電源部に制御情報を与える出力制御手段を備え、
    前記出力制御手段は、前記複数のマイクロ波電源部のそれぞれで検出される進行波電力と反射波電力とから前記負荷に吸収された電力の総量を演算して、演算された電力の総量を目標値に保つ制御を行うように各マイクロ波電源部に制御情報を与える請求項1,2,3又は4に記載のマイクロ波電力供給装置。
  7. 前記制御部と各マイクロ波電源部との間が通信線を通して接続され、
    前記制御部は、各マイクロ波電源部との間に設けられた通信線を通して、前記各手段を動作させるために必要な信号の授受を行うように構成されていること、
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載のマイクロ波電力供給装置。
  8. 各マイクロ波電源部との間で信号の授受を行う制御装置が前記複数のマイクロ波電源部に対して共通に設けられて、該制御装置が各マイクロ波電源部に通信線を通して接続され、
    前記制御部は、各手段を動作させるために必要な信号の授受を前記制御装置を介して行うように構成されていること、
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載のマイクロ波電力供給装置。
  9. 前記複数のマイクロ波電源部の中から選択された1つのマイクロ波電源部内に他のマイクロ波電源部との間での信号の授受を行う制御装置が設けられて、該1つのマイクロ波電源部と他のマイクロ波電源部との間が通信線を通して接続され、
    前記制御部は、前記選択された1つのマイクロ波電源部に通信線を通して接続されて、各手段を動作させるために必要な信号の授受を前記1つのマイクロ波電源部内の制御装置を介して行うように構成されていること、
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載のマイクロ波電力供給装置。
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