JP5452189B2 - 炉内観察装置と方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炉内に挿入される箱体と、該箱体の内部に配置される撮像装置とを備え、前記箱体の壁面に設けられた窓部を通して、前記撮像装置が炉内を観察するように構成された高温に加熱された炉内の観察装置と方法に関する。
高温に加熱した炉として、例えば、製鉄用高炉に高温の熱風を供給する熱風炉は、地上より約50mの高さと10m以上の内径を有し、内壁温度は運転時で約1600℃、休風時で約1400℃にも達する。また、かかる熱風炉は、大型設備であるため建設期間が約3年と長く、しかも完成後は約20年という長期に渡って連続運転される。したがって、1基でも使用不能な状況となれば、長期間の操業停止を余儀なくされるため、定期的に炉内診断するメンテナンスが重要となる。その1つの手段として、炉壁の損傷状況を監視することが古くから行われている。
炉内観察方法には、赤外線等のレーザ光を壁面に照射して距離を測定することにより損傷の程度を計測する方法や、CCDカメラ等の撮像装置により炉壁を撮像して画像処理等を施すことにより損傷の程度を計測する方法等が既に存在している。例えば、特許文献1に記載の炉壁観察装置は、炉壁に光を照射する照明装置と、該光を照射した炉壁を撮像する撮像装置と、を有する。そして、照明装置と撮像装置とは水冷構造を有する1つの箱体内に収容されており、該箱体に設けられガラスなどで形成された撮像用の観察窓から照明装置の光を照射している。
また、本願の他の先行技術文献として、下記の特許文献2がある。
特許文献2では、筒状のケーシングが外側室と内側室に区画されて、外側室を水冷構造として高温から保護し、内側室に内蔵されている監視カメラが外側室に備えられた観察窓から炉内を監視する炉内観察装置が示されている。更にこの装置では、ケーシングの外周部に冷却用気体の通気間隙を設けると共に、ケーシングの先端に照射光を照射するライトを設け、そのライトを高温の熱から守るため、更にライト周囲のケーシング部に気体吐出孔を設けて、その気体吐出孔を通過した冷却用気体と、ライトの側面の通気間隙を通過した冷却用気体とでライトを冷却して、高温の熱からライトを保護する構造も開示されている。
特開2005−146164号公報 特開2007−278627号公報
しかし、特許文献1や特許文献2に示すように、装置外周部を水冷構造とした場合、観察窓等の窓部は、装置側が水冷されると共に炉内側が高温の輻射熱を受けるため、窓部の厚さ方向に急激な温度勾配が生じて、窓部が破損する場合があった。また、窓部の周囲を水冷壁で囲むように固定する構造とした場合には、窓部の厚さ方向には温度勾配が生じないが、高温の炉内にさらされる窓部は、炉内の高熱により膨張して割れる場合があった。すなわち、窓部は、箱体の壁部に組み込まれているので、熱膨張すると、その分、箱体の壁部に力を作用させる。当該力が、許容値を超えると、窓部は、その反作用力に耐えられなくなり割れてしまう。
また、観察窓は、炉内にさらされて汚れが付着することや、破損することがあるため、観察窓を交換できるようにすることが望まれる。
そこで、本発明の主目的は、炉内観察において、炉内の高熱により、観察用の窓部に厚み方向の急激な温度勾配や熱膨張が生ることを防ぎ、窓部が割れることを防止することにある。
なお、本発明の他の目的は、炉内観察において、観察用の窓部を交換できるようにすることにある。
上記目的を達成するため、本発明によると、炉内に挿入される箱体と、該箱体の内部に配置される撮像装置とを備え、前記箱体の壁面に設けられた窓部を通して、前記撮像装置が炉内を観察するように構成された炉内観察装置であって、
前記箱体内に冷却ガスを供給する冷却ガス供給装置を備え、
前記箱体は、前記窓部の周縁部を支持する窓支持部を有し、
該窓支持部および前記窓部の少なくともいずれかにより、冷却ガス抜き孔が形成され、該冷却ガス抜き孔を通して、前記箱体内から前記箱体外部の炉内へ冷却ガスが流出するようになっており、
前記冷却ガス抜き孔は、前記窓部の外周面の近傍に位置しており、これにより、冷却ガスは、前記窓部の外周面の少なくとも一部と前記冷却ガス抜き孔の両方を通過することで前記炉内へ流出するようになっており、
さらに、箱体内側に形成された開口と該開口と連通する炉内側に形成された開口との間で壁の厚み方向に前記窓部が移動自在に嵌合する前記窓支持部と、
前記炉内と反対側を向く面が前記箱体内側に形成された前記開口より大きい平面である板状の前記窓部と、により構成される弁構造を備え、
前記弁構造は、箱体内の圧力が炉内の圧力よりも高いときに、前記箱体内の圧力により前記窓部を炉内側へ押し付け、前記冷却ガスが前記冷却ガス抜き孔を通して箱体内から炉内へ流れることを可能とし、
前記炉内の圧力が箱体内の圧力より高いときに、前記炉内の圧力により前記窓部を箱体内側へ押し付け、前記窓部の前記炉内と反対側を向く面で前記箱体内側に形成された前記開口を塞ぐことにより前記炉内のガスが、前記冷却ガス抜き孔を通して炉内から箱体内へ流れることを阻止する、ことを特徴とする炉内観察装置が提供される。
本発明の好ましい実施形態によると、前記冷却ガス供給装置は、前記撮像装置に冷却ガスを噴出することで、該撮像装置を局所的に冷却する局所冷却手段を有する。
また、本発明の好ましい実施形態によると、前記冷却ガス供給装置は、前記箱体の一端部において箱体内に冷却ガスを供給する広域冷却手段を有し、
前記箱体内の他端部には、連通孔が形成され、該連通孔を通して、前記箱体内から前記炉内へ冷却ガスが流出するようになっており、
さらに、箱体内において、前記連通孔から間隔を置いて該連通孔を覆う遮蔽部材が設けられ、
前記間隔は、炉内から箱体内へ輻射光が直接的に入らないように設定されている。
また、好ましくは、前記窓部は、前記箱体に対し脱着可能である。
また、本発明によると、上述の炉内観察装置を使用した炉内観察方法であって、1000℃以上の炉内にて前記箱体内に冷却ガスを供給しながら炉内を観察することを特徴とする炉内観察方法が提供される。
上述した本発明によると、窓部の周縁部を支持する窓支持部および前記窓部の少なくともいずれかにより、冷却ガス抜き孔が形成され、該冷却ガス抜き孔を通して、前記箱体内から前記箱体外部の炉内へ冷却ガスが流出するようになっており、前記冷却ガス抜き孔は、前記窓部の外周面の近傍に位置しており、これにより、冷却ガスは、前記窓部の外周面と前記冷却ガス抜き孔の両方を通過することで前記炉内へ流出するようになっているので、当該冷却ガスで窓部を冷却することができる。その結果、炉内の高熱により、観察用の窓部が熱膨張して割れることを防止できる。
なお、前記窓部は、前記箱体に対し脱着可能であるので、前記窓部が汚れたり破損した場合には、新しい窓部に簡単に交換することができる。本発明の実施形態による他の効果は、以下において明らかにする。
本発明に係る炉内観察装置の第一実施形態を示す構成図である。 図1の窓部に設けられる弁構造の構成例である。 図1の連通孔付近を示す拡大図である。 箱体に対し窓部を着脱可能にする場合の説明図である。 本発明に係る炉内観察装置の動作を示す図である。 撮像範囲ごとに得られた画像を合成する画像処理手段を示すブロック図である。 本発明に係る炉内観察装置の第二実施形態を示す概略構成図である。 図1の窓部に設けられる弁構造の別の構成例である。
本発明を実施するための最良の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明の第一実施形態による炉内観察装置21の構成図である。炉内観察装置21は、炉内44aに挿入される箱体42と、該箱体42の内部に配置される撮像装置8とを備え、箱体42の壁面に設けられた窓部5を通して、撮像装置8が輻射光Hで発光している炉内44aを観察するように構成される。
第一実施形態によると、炉内観察装置21は、箱体42内に冷却ガスを供給する冷却ガス供給装置50を備える。冷却ガス供給装置50は、冷却ガス供給装置50は、箱体42内の圧力を炉内44aの圧力より高く維持できる圧力と流量で、冷却ガスを箱体42内に供給する。これにより、炉内44aの高温ガスが後述の冷却ガス抜き孔53と連通孔55を通して箱体42内へ流入することを防止できる。
本実施形態によると、箱体42は、窓部4、5の周縁部を支持し箱体42の壁部を構成する窓支持部42cを有する。該窓支持部42cには、冷却ガス抜き孔53が形成され、該冷却ガス抜き孔53を通して、箱体42内から箱体42外部の炉内44aへ冷却ガスが流出するようになっている。図1または後述の図2のように、冷却ガス抜き孔53は、窓部4、5の外周面の近傍に位置しており、これにより、冷却ガスは、窓部4、5の外周面と冷却ガス抜き孔53の両方を通過することで炉内44aへ流出するようになっている。冷却ガス抜き孔53により、冷却ガスが窓部4、5(窓部4、5の外周面)を通過することで、炉内44aの高温(例えば1200℃)に曝される窓部4、5を効率よく冷却することができる。
なお、窓支持部42cは、窓部4、5の周縁部に沿って該周縁部を囲み、複数の冷却ガス抜き孔53が、該周縁部に沿った方向に間隔をおいて、窓支持部42cに設けられてよい。
冷却ガス供給装置50は、局所冷却手段52および広域冷却手段51の少なくとも一方を有する。図1の例では、冷却ガス供給装置50は、局所冷却手段52および広域冷却手段51の両方を有する。
局所冷却手段52は、撮像装置8に冷却ガスを噴出することで、該撮像装置8を局所的に冷却する。図1の例では、局所冷却手段52は、箱体42内に設けられるエアチューブである。エアチューブ52は、撮像装置8に近接する位置で開口し、該開口から撮像装置8に冷却ガスを噴出する。これにより、重要な機器である撮像装置8を、炉内44aの熱から確実に保護することができる。エアチューブ52は、箱体42の外部から撮像装置8に近接する箱体42内の位置まで延びていてよい。エアチューブ52には、常温の空気が冷却ガスとして送風機から供給されてよい。この場合、当該冷却ガスをクーラーで常温より低温度に冷却してから、当該冷却ガスを前記開口から撮像装置8に噴出してもよい。代わりに、常温よりも低温でかつ比熱の大きいアルゴンガスやヘリウムガス等の不活性ガスが、冷却ガスとして、当該不活性ガスを圧縮して蓄積したタンクからエアチューブ52を通って前記開口から撮像装置8に噴出するようにしてもよい。特に、炉内を無酸素雰囲気や還元性雰囲気に保つ必要がある場合は、不活性ガスを冷却ガスとして使用することが好ましい。
広域冷却手段51は、箱体42の一端部において箱体42内に冷却ガスを供給する、広域冷却手段51は、例えば、常温の空気を冷却ガスとして送風機(図示せず)により、配管を通して箱体42内へ供給する構成を有してよい。この場合、広域冷却手段51に、クーラーを設け、冷却ガスを当該クーラーで常温より低温度に冷却してから、当該冷却ガスを箱体42内に供給してもよい。代わりに、広域冷却手段51は、常温よりも低温でかつ比熱の大きいアルゴンガスやヘリウムガス等の不活性ガスを、冷却ガスとして、当該不活性ガスを圧縮して蓄積したタンクから配管を通して箱体42内へ供給する構成を有していてもよい。特に、炉内を無酸素雰囲気や還元性雰囲気に保つ必要がある場合は、不活性ガスを冷却ガスとして使用することが好ましい。このような広域冷却手段51と連通孔55により、後述するように箱体42内の全体を低温(例えば40℃以下)に維持できる。
好ましくは、前記冷却ガスが、冷却ガス抜き孔53を通して箱体42内から炉内44aへ流れることを可能にするが、炉内44aのガスが、冷却ガス抜き孔53を通して炉内44aから箱体42内へ流れることを阻止する弁構造が窓部5に設けられる。図2(A)は、図1の窓部5付近の拡大図であり、弁構造の構成例を示す。図2(B)は、図2(A)のB−B矢視図である。図2(B)のように、窓部5を形成する部材の4隅が、冷却ガス抜き孔53を覆わないように切り欠かれている。図2のように、窓部4、5は、ガラス(好ましくは耐熱ガラス)で形成された板状の部材であってよく、箱体42の側壁内に、側壁の厚み方向に移動自在に嵌合している。通常は、上述のように箱体42内の圧力は、炉内44aの圧力よりも高いので、図2(A)のように、箱体42内の圧力により窓部5は炉内44a側へ押し付けられることで形成された小空間57を介して、冷却ガス抜き孔53から炉内44aへ流れる。一方、万一、炉内44aの圧力が箱体42内の圧力より高くなった場合には、窓部5が、図2(C)のように、炉内44aの圧力により箱体42内側へ押し付けられることで、上述の小空間57が塞がれるので、炉内44aと箱体42内とが非連通状態となる。その結果、炉内44aの高温ガスが、箱体42内へ流入することが阻止される。図2(D)は、図2(C)のD−D矢視図である。符号42a、42bは、箱体42の壁部に形成された開口を示す。即ち、図2(B)において符号42aが示す破線は、開口42aの輪郭線であり、同様に、図2(D)において符号42bが示す破線は、開口42bの輪郭線である。
なお、上述した冷却ガス抜き孔53および弁構造と同じ構成を持つ冷却ガス抜き孔53と弁構造が窓部4(後述する)にも設けられる。窓部4と窓部5は、それぞれ、紫外線や赤外線なども含めた光を少なくとも一部を透過させる材料で形成された部材であってよい。
箱体42内の他端部には、連通孔55が形成され、該連通孔55を通して、箱体42内から箱体42外部の炉内44aへ冷却ガスが流出するようになっている。広域冷却手段51と連通孔55により、箱体42内において、箱体42の一端部から他端部まで冷却ガスが流れることで、箱体42内のほぼ全体が冷却される。従って、箱体42内の各機器を炉内44aの熱から保護することができる。
箱体42内において、連通孔55から間隔を置いて該連通孔55を覆う遮蔽部材が設けられる。前記間隔は、炉内44aから箱体42内へ輻射光が直接的に入らないように設定されている。図3は、連通孔55付近の拡大図である。この連通孔55に対しては、遮蔽部材58(例えば、遮蔽板)が設けられる。遮蔽部材58は、連通孔55を通して箱体42内から炉内44aへ冷却ガスが流れる流路を確保するように、連通孔55から間隔を置いて該連通孔55を覆う。当該間隔は、炉内44aから箱体42内へ輻射光が直接的に入らないように設定されている、即ち、任意の方向から、炉内44aから連通孔55を直進して通過することで箱体42内へ進入して来た輻射光(例えば、図3の符号L、Lで示す輻射光)が、第1次的に遮蔽部材58に衝突するように、前記間隔が設定されている。具体的には、遮蔽部材58の横幅d、連通孔55が形成されている箱体内壁面から遮蔽部材58までの距離d、および、連通孔55の寸法dに基づいて、前記間隔が設定されている。これにより、箱体42内を炉内44aの輻射光(輻射熱)から保護することができる。図3において、輻射光L、Lは、それぞれ、エア抜き孔55を直進して通過し得る輻射光のうち、エア抜き孔55の貫通方向Cと最大の角度をなす方向からエア抜き孔55を通過する輻射光である。
好ましくは、窓部5は、箱体42に対し脱着可能である。図4(A)は、図2(A)に相当するが、窓部5を、箱体42に対し脱着可能にした構成を示す。図4(A)のように、箱体42の内圧により窓部5が押し付けられる箱体42壁部の被押付部42dが、ボルト61などの結合手段により箱体42の本体に着脱可能に取り付けられている。図4(A)の状態から、箱体42を炉内44aから取り出し、ボルト61を外すことで、図4(B)のように被押付部42dを箱体42から取り外すことができる。次いで、図4(C)のように、窓部5を箱体42の本体から取り外すことができる。新しい窓部5を箱体42の本体に取り付ける場合は、上記と逆の手順を行う。
なお、窓部5を箱体41に対し着脱可能にする上述の構成と同じ構成で、窓部4を箱体42に対し着脱可能にしてよい。
上述した本発明の第一実施形態によると、窓部5の周縁部を支持する窓支持部42cには、冷却ガス抜き孔53が形成され、該冷却ガス抜き孔53を通して、箱体42内から箱体外部の炉内44aへ冷却ガスが流出するようになっており、冷却ガス抜き孔53は、窓部5の外周面の近傍に位置しており、これにより、冷却ガスは、窓部5の外周面と冷却ガス抜き孔53の両方を通過することで炉内44aへ流出するようになっているので、当該冷却ガスで窓部5を冷却することができる。その結果、炉内44aの高熱により、観察用の窓部5が熱膨張して割れることを防止できる。
なお、上述のように実際に製作した炉内観察装置21では、窓部5が割れないことを確認したが、冷却ガス抜き孔53を形成しない場合には、窓部5が熱膨張により割れた。
以下、炉内観察装置21の他の構成例と他の動作・効果について詳細に説明する。
炉内観察装置21は、レーザ光Lを照射するレーザ発振装置1と、レーザ光Lの照射範囲を調整可能な投光レンズ2と、レーザ光Lを反射させて所望の観察部分を照らす投光ミラー3と、投光ミラー3からのレーザ光Lを透過させる窓部4と、観察部分からの反射光Rを透過させる上述の窓部5と、窓部5を透過した反射光Rを反射させる受光ミラー6と、受光ミラー6からの反射光Rを集光させるとともに撮像範囲を調整可能な受光レンズ7と、受光レンズ7により集光された反射光Rを受光して画像を取得する上述の撮像装置8と、投光ミラー3を駆動させる投光用モータ9と、受光ミラー6を駆動させる受光用モータ10と、投光用モータ9及び受光用モータ10の駆動を制御する制御手段11と、を有し、投光レンズ2及び受光レンズ7は、レーザ光Lの照射範囲と撮像装置8の撮像範囲とが略同じ大きさとなるように調整されており、制御手段11は、照射範囲と撮像範囲が略一致するように投光ミラー3及び受光ミラー6を連動させる。
前記レーザ発振装置1は、炉内44aの観察部分を照らすための照明(レーザ光L)を照射する装置である。炉壁は輻射光Hで発光しているため、観察部分を所望の照明で照らし出すためには、輻射光Hよりも強いレーザ光Lを照射する必要がある。例えば、高炉用熱風炉では、輻射光Hは赤外域の2〜3μmにピーク波長を有する光である。この場合、レーザ発振装置1には、例えば、1.06μm又は0.53μm(第2高調波)の波長のNd:YAGレーザ装置が採用される。勿論、レーザ発振装置1は、輻射光Hのピーク波長(2〜3μm)から十分離れた波長、好ましくは可視光域(0.38〜0.77μm)の波長のレーザ光Lを照射できるものであれば、Nd:YAGレーザ装置に限られるものではなく、炉の種類(熱風炉、コークス炉、転炉等)や輻射光の強さに応じて適宜選択されるものである。また、輻射光Hに抗して観察部分を照らし出すために、広がり角は極力小さくするように調整するのが好ましい。なお、レーザ発振装置1には、結晶や素子を励起させるエネルギーを付与する電源12が接続されている。
前記投光レンズ2は、レーザ光Lの照射範囲を調整する機器である。投光レンズ2には、例えば、共焦点レンズ式のものを使用することが好ましいが、単焦点レンズ式のものを使用してもよい。投光レンズ2は、レーザ発振装置1から照射された極細(直径1mm程度)のレーザ光Lを観察部分(約8m先の炉壁)において直径50cm程度の照射範囲を形成するように調整される。なお、レーザ光Lの直進性から広がり角が十分に小さく、レーザ発振装置1のみで照射範囲を調整することができる場合や所望の照射範囲を確保できる場合には、投光レンズ2を省略してもよい。また、図1では、レーザ発振装置1と投光レンズ2とを直に接続するようにしているが、光ファイバ等の伝送管を用いて接続するようにしてもよい。伝送管を用いることにより、レーザ発振装置1と投光レンズ2とを離して配置することができ、レイアウトの自由度を向上させることができる。
前記投光ミラー3は、レーザ発振装置1から照射されたレーザ光Lを反射して所望の観察部分を照らす機器である。図1に示した投光ミラー3には、投光用モータ9が接続されており、一定方向にスイングして角度を変更できるように構成されている。また、スイング方向と略垂直な方向に投光用ミラー3の角度を変化させる第二投光用モータを接続してもよい。なお、投光レンズ2と投光ミラー3との間(投光ミラー3の上流側)に、光学フィルタ13を配置してもよい。光学フィルタ13は、レーザ光Lの波長のみを通し、それ以外の波長をカットする。光学フィルタ13には、例えば、干渉フィルタが使用される。また、光学フィルタ13は、投光ミラー3と窓部4の間(投光ミラー3の下流側)に配置してもよい。
前記窓部4及び窓部5は、炉の内部(特に炉壁)を観察するための窓部である。窓部4及び窓部5は、炉内44aに挿入される箱体42に設けられている。また、炉内44aは高温状態であるため、好ましくは、窓部4及び窓部5は耐熱ガラスにより構成される。投光系と受光系とで異なる窓部(窓部4及び窓部5)を使用していることにより、投光系と受光系の光軸をずらすことができ、観察部分に対して斜めにレーザ光Lを照射することができ、炉壁の凹凸や亀裂の影を大きく映し出すことができ、その影の部分を画像として撮像することができる。
前記受光ミラー6は、窓部5を透過したレーザ光Lの反射光Rを反射して撮像装置8に入射させる機器である。図1に示した受光ミラー6には、受光用モータ10が接続されており、一定方向にスイングして角度を変更できるように構成されている。また、スイング方向と略垂直な方向に受光用ミラー6の角度を変化させる第二受光用モータを接続してもよい。なお、受光ミラー6の下流側に光学フィルタ15を配置してもよい。光学フィルタ15は、レーザ光Lの波長のみを通し、それ以外の波長をカットする。光学フィルタ15には、例えば、干渉フィルタが使用される。また、光学フィルタ15は、受光ミラー6の上流側に配置してもよい。
前記受光レンズ7は、撮像装置8の撮像範囲を調整する機器である。受光レンズ7には、例えば、望遠レンズ式のものを使用することが好ましい。かかる望遠レンズの絞りと焦点を調節することにより撮像装置8の撮像範囲を、レーザ光Lの照射範囲と略同じ大きさとなるように調節する。理想的には照射範囲と撮像範囲が一致することが好ましいが、少なくとも撮像範囲の中に照射範囲が含まれ、かつ、それ以外の部分が極力含まれないように調整される。例えば、観察部分(約8m先の炉壁)において直径50cm程度の撮像範囲を形成するように調整される。なお、受光レンズ7は、望遠レンズ式のものに限られず、複数のレンズの組み合わせにより焦点を調節できる形式のものであってもよい。
前記撮像装置8は、受光レンズ7からの反射光Rを受光して画像を取得する機器である。かかる撮像装置8には、例えば、CCDカメラが使用される。図1に示した撮像装置8では、受光レンズ7との間に高速シャッター16を備えている。高速シャッター16は、レーザ光Lの照射タイミングと同期させて制御手段11により開閉される。かかる高速シャッター16を配置することにより、撮像装置8に輻射光Hが入射し難くすることができ、撮像装置8を熱から保護することができる。なお、高速シャッター16は、CCDカメラに内蔵されていてもよいし、画像をデジタル的に切り取るデジタルシャッターでもよい。
前記制御手段11は、レーザ発振装置1の照射タイミング、高速シャッター16の開閉タイミング、投光ミラー3及び受光ミラー6のスイングタイミング等を制御する機器である。制御手段11は、レーザ発振装置1の照射タイミングと高速シャッター16を開くタイミングとを同期させる。かかる処理により、必要なタイミングでレーザ光Lを観察部分に照射するとともに、その反射光Rを受光して画像を取得することができる。また、制御手段11は、照射範囲と撮像範囲が略一致するように投光ミラー3及び受光ミラー6を連動させる。具体的には、投光用モータ9と受光用モータ10の回転を制御して、投光ミラー3と受光ミラー6を連動させる。例えば、投光用モータ9と受光用モータ10にロータリエンコーダ等の回転量を検知できるセンサを設置しておき、このデータを計測しながら連動させる。照射範囲と撮像範囲とを一致させる条件(投光用モータ9と受光用モータ10の回転量)は、炉内観察装置21の機器構成や窓部の配置(距離)等の条件によって異なるため、実際に使用する条件で照射範囲と撮像範囲とが一致するように試験又はシミュレーションすることによって連動させる条件(投光用モータ9と受光用モータ10の回転量)を事前に求めておくことが好ましい。
また、制御手段11は、コンピュータ17に接続されており、コンピュータ17からの指令に基づいて上述した処理を行うように設定されるとともに作動する。コンピュータ17は、CPU(中央処理装置)、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶装置、キーボード等の入力装置及びディスプレイ等の出力装置を備え、撮像装置8により取得した画像を処理する画像処理手段を構成する。ここで、図6は、撮像範囲ごとに得られた画像を合成する画像処理手段を示すブロック図である。コンピュータ17の記憶装置31には、撮像範囲ごとに得られた画像P1,P2,P3が保存されている。コンピュータ17のCPUにより操作される画像処理手段32は、記憶装置31に保存された画像P1,P2,P3を呼び出し、これらの画像P1,P2,P3をパノラマ合成したパノラマ画像P4をディスプレイ等の出力装置に出力する。かかる処理により、撮像した炉壁の全体像を容易に把握することができる。なお、画像処理手段32は、上述した画像合成以外にも、撮像範囲ごとに得られた画像P1,P2,P3のコントラスト、ホワイトバランス、トリミング等の調整や壁面の凹凸や亀裂の影の抽出等を処理することもできる。
図5は、炉内観察装置21の動作を示す図である。なお、図1と同じ構成部品については同じ符号を付すとともに、炉内観察装置21の構成は簡略して図示している。
図5に示すように、窓部4及び窓部5が設けられた壁面部は、上述のように、炉の開口部から炉内44aに挿入される炉内観察装置21の各機器を囲う箱体42である。また、炉内観察装置21は、レーザ発振装置1の照射範囲と撮像装置8の撮像範囲とが、観察部分である炉壁23において略同じ大きさ(図5で網掛けした観察部分S)となるように調整されている。炉壁23と窓部4及び窓部5との位置・距離関係は炉によって異なるため、設置箇所を模擬した試験設備等を利用して予め照射範囲と撮像範囲とが略同じ大きさとなるように調整しておくことが好ましい。勿論、炉内観察装置21を所定の箇所に設置してから照射範囲と撮像範囲とが略同じ大きさとなるように調整してもよいし、設置後に微調整するようにしてもよい。なお、照射範囲と撮像範囲の調整に際しては、図1に示した投光レンズ2及び受光レンズ7を用いる。
投光系の窓部4と受光系の窓部5とが別々に形成されている。かかる構成を採用することにより、観察部分Sにおいて斜めからレーザ光Lを照射することができ、観察部分Sにおける凹凸や亀裂の影を大きく明確に映し出すことができる。また、窓部4における反射光Wや炉内44aの粉塵等による散乱光Dが撮像装置8に入射することを防止することができ、ノイズの少ない画像を取得することができる。
また、制御手段11により投光用モータ9及び受光用モータ10を駆動させて、投光ミラー3及び受光ミラー6を連動して回動させ、図5に示したように、レーザ発振装置1の照射範囲と撮像装置8の撮像範囲とが略一致した状態を維持させながら、観察部分Sを炉壁23の所定の方向に走査させる。ここでは、図5のAB方向に観察部分Sを走査させる場合を図示しているが、投光ミラー3及び受光ミラー6にさらに別のモータを設置することにより、AB方向と略垂直な方向に観察部分Sを走査させるようにしてもよい。また、投光ミラー3及び受光ミラー6は、投光用モータ9及び受光用モータ10により一定の速度で滑らかに回動させてもよいし、所定の位相間隔で間欠的に回動させてもよいし、レーザ光Lの照射タイミングに同期させて回動させるようにしてもよい。
上述したように、照射範囲と撮像範囲とが略同じ大きさとなるように調整することにより、観察部分Sで示したように狭い範囲を鮮明に撮像することができる。また、照射範囲と撮像範囲が略一致するように投光ミラー3と受光ミラー6とを連動させることにより、広範囲の炉壁23を複数の画像として撮像することができる。さらに、これらの画像を図6で示したようにパノラマ合成することにより、炉壁23の全体像を容易に観察することができる。
次に、本発明に係る炉内観察装置21の他の実施形態について説明する。ここで、図7は、本発明に係る炉内観察装置21の第二実施形態を示す概略構成図である。なお、図1に示した炉内観察装置21と同じ構成部品については同じ符号を付し重複した説明を省略する。
図7に示した炉内観察装置21は、上述の箱体42を軸中心に回転させる駆動手段43をさらに有する。かかる炉内観察装置21は、例えば、炉44の上部に形成された開口部から炉内44aに挿入され、窓部4及び窓部5が観察部分である炉壁と対峙するように配置される。そして、投光ミラー3及び受光ミラー6を連動させて回動させることにより、観察部分Sを炉壁の上下方向に沿って走査させることができる。なお、図7に示した炉内観察装置21では、レーザ発振装置1と投光レンズ2とを光ファイバ18で接続した場合を図示している。
前記箱体42は、高温状態の炉内44aに挿入されるため、水冷ジャケットを有していることが好ましい。したがって、箱体42は、外部から冷却水を水冷ジャケットに注水し、外部に冷却水を排水することができるように構成されている。箱体42全体は水冷ジャケットにより保護し、窓部は冷却ガスによりその外周面を冷却することによって保護することで、炉内観察装置21全体をより高い炉内温度においても保護することができる。また、箱体42の上端の外周部には、駆動手段43と連結される歯車が形成されている。駆動手段43は、回転駆動可能に配置されたモータ43mと、モータ43mの先端に接続された歯車43gとから構成されている。また、モータ43mは炉内観察装置21の制御手段11に接続されており、制御手段11又はコンピュータ17の指令に基づいて回転駆動される。なお、駆動手段43の構成は図示したものに限定されず、手動で回転できる構成であってもよいし、ベルト駆動やチェーン駆動により回転できる構成であってもよい。
かかる第二実施形態のように、駆動手段43を配置して炉内観察装置21そのものを炉44に対して相対的に回転できるようにしたことにより、観察部分Sを炉壁の水平方向に沿って走査させることができる。したがって、1つの炉内観察装置21を用いるだけで、炉壁の広範囲に渡って画像を取得することができる。炉内観察装置21は、駆動手段43により、ゆっくりと滑らかに回転させてもよいし、上下方向の走査が完了してから所定の位相間隔で間欠的に回転させるようにしてもよい。
図7に示すように、炉内観察装置21を炉44の中央上部から挿入することにより、炉内観察装置21を駆動手段43で回転させた場合であっても窓部4及び窓部5と炉壁との距離を一定に保持することができ、炉内観察装置21を回転させたことによる照射範囲と撮像範囲の大きさと位置の微調整を省略することができる。なお、炉内観察装置21の回転により、窓部4及び窓部5と炉壁との距離が変化する場合には、回転ごとに照射範囲と撮像範囲の大きさと位置を微調整してもよいし、予めデータを取得しておくことにより回転位相と連動して照射範囲と撮像範囲の大きさと位置を自動的に調整するようにしてもよい。
さらに、駆動手段43は、炉内観察装置21を回転駆動させるものに限定されず直進駆動させるものであってもよいし、回転駆動用と直進駆動用の両方の機能を備えていてもよい。炉内観察装置21を直進駆動させることにより、投光ミラー3及び受光ミラー6の操作だけでは撮像できない部分を観察することができる。炉内観察装置21を直進駆動させる場合には、箱体42の長さを直進駆動させたい長さと同等以上に形成し、ジャッキやアクチュエータにより箱体42を駆動させるようにすればよい。また、炉内観察装置21を炉壁又は床面等の炉内44aで駆動される移動台車や壁面ロボットに搭載して駆動させるようにしてもよい。
なお、図7では、冷却ガス供給装置50などの図示を省略しているが、炉内観察装置21の第二実施形態は、図1〜図3に基づいて上述した第一実施形態の構成(各機器や各部材)も有している。
炉内44aの温度が1000℃以上である場合に、窓部4、5が割れる可能性が高くなるので、炉内44aの温度が1000℃以上の場合において、上述の第一実施形態または第二実施形態の炉内観察装置を採用するのがよい。
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
特に、本発明の炉内観察装置は、特許請求の範囲の請求項1に記載された構成さえ有していればよいので、本発明においては、上述した第一実施形態または第二実施形態で述べた他の構成については省略してもよい。
第一実施形態においても、第二実施形態の水冷ジャケットが箱体42に設けられてよい。また、第一実施形態または第二実施形態において、水冷ジャケットを省略してもよい。
光学フィルタ13、15を省略し、その代わりに、窓部4、5にそれぞれ光学フィルタ13、15と同じフィルタ機能を持たせてもよい。
本発明は、既存の炉内観察装置に対しても改造により適用可能である。
窓部3の位置は、図1の場合に限られず、図1の場合と異なっていてもよい。
図7では、炉内観察装置21を炉44の中央上部から挿入したが、他の方向(例えば水平方向)から炉44内に挿入してもよい。
窓部4、5に設けられる弁構造の構成は、図2の構成に限定されない。例えば、窓部4、5に設けられる弁構造として、図8に示す構成を採用してもよい。
図8(A)は、図1の窓部5付近の拡大図であり、弁構造の他の構成例を示す。図8(B)は、図8(A)のB−B矢視図である。図8のように、窓部5における炉内44a側を向く面5aの外周部に、炉内44a側に突出した突出部56が固定されている。このような突出部56が、面5aの外周部に沿って間隔をおいて複数設けられている。通常は、上述のように箱体42内の圧力は、炉内44aの圧力よりも高いので、図8(A)のように、箱体42内の圧力により窓部5が炉内44a側へ押し付けられることで、窓部5における炉内44aと反対側を向く面5cの外周部と箱体42に形成された炉内44a側を向く面42eとの間に図2と同様の小空間57が形成されるとともに、各突出部56が、箱体42に形成された炉内44aと反対側を向く面42fに接触する。この状態では、箱体42内の冷却ガスが、図8(A)、(B)の破線矢印で示すように、小空間57、窓部5の外周面5bと箱体42との隙間、および、複数の突出部56の間の空間(冷却ガス抜き孔)をこの順に通って炉内44aへ流れる。一方、万一、炉内44aの圧力が箱体42内の圧力より高くなった場合には、窓部5が、図8(C)のように、炉内44aの圧力により箱体42内側へ押し付けられることで、上述の小空間57が塞がれるので、炉内44aと箱体42内とが非連通状態となる。その結果、炉内44aの高温ガスが、箱体42内へ流入することが阻止される。
図8(A)、(B)において、窓部5の複数の突出部56の間の空間(具体的には、複数の突出部56、窓部5の面5a、および、箱体42の面42fにより区画形成される空間)が、本発明の冷却ガス抜き孔となる。
また、図8(B)において符号42bが示す破線は、箱体42の壁部に形成された開口42bの輪郭線である。
図8の構成でも、冷却ガスが、前記冷却ガス抜き孔を通して箱体42内から炉内44aへ流れることを可能にするが、炉内44aのガスが、冷却ガス抜き孔53を通して炉内44aから箱体42内へ流れることを阻止する。
なお、図8の弁構造を窓部4に適用してもよい。また、図8の弁構造の他の構成は、図2の場合と同じである。
(実施例1)
図1に示す炉内観察装置を用い、高炉用の熱風炉内の様子を、炉内温度1400〜1600℃にて観察した。窓部の冷却構造は図2の構造とし、窓部の四隅から冷却ガスを透過した。冷却ガスとしてはエアーを用い、広域冷却手段と局所冷却手段からの冷却ガスの投入量の比が2:1となるように、窓部4と窓部5と連通孔55からの冷却ガスの透過量の比が1:1:3となるように、冷却ガスの箱体内での平均流速がエアホース下流で5m/sとなるようにセッティングして2時間観察した。
炉内観察中、撮像装置に全く異常はなく最後まで観察できた。また、炉内観察後に装置を炉内から取り出して窓部をチェックしたところ、窓部4、5共に割れやひびは全く生じていなかった。
(実施例2)
窓部の冷却構造(弁構造)を図8の構造とする以外は、実施例1と同じ条件で、熱風炉内を観察した。その結果、炉内観察中は、撮像装置に全く異常はなく最後まで観察でき、また、炉内観察後に装置を炉内から取り出して窓部をチェックしたところ、窓部4、5共に割れやひびは全く生じていなかった。
(比較例1)
窓部4,5からは装置内から炉内へ冷却ガス通らないように、窓部の4隅に切り欠きを設けない窓とする以外は、実施例1と同じ条件として(すべての冷却ガスが連通孔55から透過する構造)、熱風炉内を10分間観察した。その結果、窓にはひび割れが生じていた。
1 レーザ発振装置、2 投光レンズ、3 投光ミラー、
4 窓部、5 窓部、6 受光ミラー、
7 受光レンズ、8 撮像装置、9 投光用モータ、
10 受光用モータ、11 制御手段、12 電源、
13,15 光学フィルタ、16 高速シャッター、17 コンピュータ、
21,41 炉内観察装置、31 記憶装置、32 画像処理手段、
42 箱体、43 駆動手段、43m モータ、
43g 歯車、44 炉、44a 炉内、
50 冷却ガス供給装置、51 広域冷却手段、52 局所冷却手段(エアチューブ)、
53,55 連通孔、57 小空間、58 遮蔽部材

Claims (4)

  1. 炉内に挿入される箱体と、該箱体の内部に配置される撮像装置とを備え、前記箱体の壁面に設けられた窓部を通して、前記撮像装置が炉内を観察するように構成された炉内観察装置であって、
    前記箱体内に冷却ガスを供給する冷却ガス供給装置を備え、
    前記箱体は、前記窓部の周縁部を支持する窓支持部を有し、
    該窓支持部および前記窓部の少なくともいずれかにより、冷却ガス抜き孔が形成され、該冷却ガス抜き孔を通して、前記箱体内から前記箱体外部の炉内へ冷却ガスが流出するようになっており、
    前記冷却ガス抜き孔は、前記窓部の外周面の近傍に位置しており、これにより、冷却ガスは、前記窓部の外周面の少なくとも一部と前記冷却ガス抜き孔の両方を通過することで前記炉内へ流出するようになっており、
    さらに、箱体内側に形成された開口と該開口と連通する炉内側に形成された開口との間で壁の厚み方向に前記窓部が移動自在に嵌合する前記窓支持部と、
    前記炉内と反対側を向く面が前記箱体内側に形成された前記開口より大きい平面である板状の前記窓部と、により構成される弁構造を備え、
    前記弁構造は、箱体内の圧力が炉内の圧力よりも高いときに、前記箱体内の圧力により前記窓部を炉内側へ押し付け、前記冷却ガスが前記冷却ガス抜き孔を通して箱体内から炉内へ流れることを可能とし、
    前記炉内の圧力が箱体内の圧力より高いときに、前記炉内の圧力により前記窓部を箱体内側へ押し付け、前記窓部の前記炉内と反対側を向く面で前記箱体内側に形成された前記開口を塞ぐことにより前記炉内のガスが、前記冷却ガス抜き孔を通して炉内から箱体内へ流れることを阻止する、ことを特徴とする炉内観察装置。
  2. 前記冷却ガス供給装置は、前記撮像装置に冷却ガスを噴出することで、該撮像装置を局所的に冷却する局所冷却手段を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の炉内観察装置。
  3. 前記冷却ガス供給装置は、前記箱体の一端部において箱体内に冷却ガスを供給する広域冷却手段を有し、
    前記箱体内の他端部には、連通孔が形成され、該連通孔を通して、前記箱体内から前記炉内へ冷却ガスが流出するようになっており、
    さらに、箱体内において、前記連通孔から間隔を置いて該連通孔を覆う遮蔽部材が設けられ、
    前記間隔は、炉内から箱体内へ輻射光が直接的に入らないように設定されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の炉内観察装置。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の炉内観察装置を使用した炉内観察方法であって、1000℃以上の炉内にて前記箱体内に冷却ガスを供給しながら炉内を観察することを特徴とする炉内観察方法。
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