JP2004077019A - 炉壁形状測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】炉壁の二次元的広い範囲の状況を映像によって評価することができるとともに、特定の箇所について損耗状況を定量的に評価することができる炉壁形状測定装置であって、さらに装置が小型軽量でかつ冷却水配管等を必要とせず、押出機等の移動装置に簡単に着脱でき、なおかつ壁面における必要な観察範囲を観察することができ、十分な耐久性を有する炉壁形状測定装置を提供する。
【解決手段】相対する炉壁52の表面形状を測定する炉壁形状測定装置において、断熱容器3内に光ビーム照射装置9と撮像装置8を収納し、断熱容器3の外側に鏡面2を配置し、光ビーム照射装置9から炉壁52に対して斜め方向から光ビーム14を照射し、鏡面2に反射して映る炉壁表面の映像であって光ビーム反射光を含む映像を撮像装置8によって撮像し、光ビーム反射光の位置に基づいて炉壁形状を測定することを特徴とする炉壁形状測定装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コークス炉炭化室をはじめとする高温の炉壁の表面形状を測定する炉壁形状測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コークス炉の炭化室をはじめとする高温の炉室においては、炉室を構成する炉壁が耐火物で構成され、該耐火物の劣化状況を的確に把握することが必要である。特にコークス炉の炭化室は、過酷な条件下で通常20年以上の長期間にわたって連続操業されるものであり、炭化室を構成する耐火煉瓦は熱的、化学的および機械的要因によって徐々に劣化する。そのため耐火煉瓦の劣化に起因するコークスの押し詰まりが生じたり、耐火煉瓦が脱落したりする。このような耐火煉瓦の脱落などの事故が生じるとその補修は困難であり、操業に著しい影響が及ぼされる。従って、炭化室内の特に炉壁を構成する耐火煉瓦の状況を常時把握しておくことは、コークス炉操業管理上極めて重要である。
【0003】
炉壁煉瓦の状況を把握する手段として、炉壁の凹凸形状を測定する方法と、炉壁の映像を撮像する方法とがある。凹凸形状を測定することにより、煉瓦の損耗状況を定量的に把握することができる。炉壁の映像を撮像すれば、煉瓦の亀裂や目地切れの状況を二次元の視覚的に捉えることができる。また、カーボン付着部は周囲の煉瓦露出部に比較して輝度が高いので、炉壁の映像から存在位置を確認することができる。
【0004】
炉壁の凹凸形状を測定する方法において、コークス炉炭化室については従来から炉幅計が用いられている。コークス炉炭化室の炉壁のように狭い炉室において左右の炉壁が平行に相い対している場合には、炉壁耐火物が損耗したり、あるいはコークス押出し時に受ける側圧で炉壁が変形すれば、両炉壁間の距離が増大する。従って、両炉壁間の距離を測定することにより、炉壁を構成する耐火物の健全度合いを推定することができる。
【0005】
炉内に距離計を設置し、この距離計と炉壁との間の距離を測定しようとすると、該距離計を炉内の定まった位置に正確に配置することが必要である。一方、上記のように炉壁間の距離を測定する方法においては、たとえ炉壁測定装置の横ぶれがあったとしても、炉壁間の距離の測定値には大きな誤差は与えない。従って、炉壁間の距離を測定する方法においては測定装置の位置あわせを厳密に行う必要がなく、例えばコークス炉押し出し機の押し出しラムに炉幅測定装置を取り付けることによって炉幅を測定することができる。
【0006】
このような炉幅測定装置として、例えば特開昭62−293112号公報においては、コークス押出機のラム等にそれぞれの炉壁に指向する1対又は複数対の非接触式距離計を設け、その取り付け位置から左右の壁を同時測定し、その合計距離から炭化室の幅を連続測長するものが記載されている。押し出し機を水平移動することによって炭化室炉壁幅を連続的に測定することができる。
【0007】
上記炉幅を測定する方法においては、左右の炉壁それぞれの凹凸を独立して評価することができない。特開平8−73860号公報に記載されたコークス炉隔壁の損傷部測定方法においては、コークス炉上方の装炭口や覗き孔から内部に挿入されるプローブを準備し、該プローブ中に配置した投光部から隔壁に投光軸角度θで線状光を投光し、隔壁を撮像部で撮像し、映像における線状光の変位量から隔壁の変位及び損傷部の幅、損傷部の凹凸量を測定する。プローブは冷却水を循環することによって冷却する。隔壁の映像は、プローブ内に配置されたプリズムで直角に曲げられ、撮像部で撮像する。プローブの側面には、投光部からの投光と撮像部での撮像を行うため、耐熱性ガラスを取り付けた窓が開口されている。この方法は、各炉壁の損耗量を独立で評価することができるが、コークス炉上方の装炭口などからプローブを挿入するので、1回の測定で1箇所の装炭口などの下方部分しか測定することができず、炭化室の長手方向の広い範囲の炉壁状況を短時間で評価することが困難である。
【0008】
炉壁の映像を撮像する方法に関しても、従来から種々の方法が提案されている。特開平3−105195号公報では、コークス炉炭化室の窯口よりカメラ(通常の2次元ITVカメラ)を搭載したカメラ搬送用ブームを炉内に挿入し、炉長方向に移動しながら炉内壁面を撮影する方法が開示されている。炭化室の幅は非常に狭いので、カメラを炭化室内壁に正対したのではカメラと内壁との距離が得られず、撮影範囲が狭くなって必要な範囲の画像が得られないので、カメラを壁面に対して斜めに取り付けて浅い角度で壁面を視野に入れて撮影する。特開2001−3058公報に記載のものも、炉壁に対して斜めの方向からカメラで撮像している。特開2001−11465公報においては、断熱容器内に収容したビデオカメラを炉壁に垂直に向けて撮像を行っている。
【0009】
上記特開2001−3058公報及び特開2001−11465公報に記載のものは、撮像カメラやデータ収録装置を断熱容器の内部に収納している。炉外からの冷却水供給は行わず、従って冷却水配管を必要としない。測定及び得られた画像データや測定データの収録を断熱容器内の検査ユニットの内部にて完結せしめ、高温下にある炭化室内における信号線及び給電線等の配設を不要とし、これらの配線の水冷構造を必要としない簡素な構成にして壁面検査を実現する。
【0010】
特開昭61−114085号公報においては、水冷ボックス内にプリズムとテレビカメラを内蔵し、水冷ボックスの観察窓を通してプリズムに反射して映る炉内状況をテレビカメラに撮影する方法が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
コークス炉炭化室炉壁をはじめとする高温の炉壁状況を評価する方法において、炉幅測定あるいは線状光による凹凸の測定では、炉壁における線状の部分について定量的な煉瓦損耗量の評価ができるものの、二次元的な炉壁全体状況を把握することができない。逆に炉壁の映像を撮像する方法では、二次元的な炉壁全体状況は把握できるものの、定量的な損耗量を把握することができない。
【0012】
炉幅測定あるいは線状光による凹凸の測定において、炉幅が狭まっていることがわかった場合、狭まりの原因としては、煉瓦壁面自体の変形による場合と、カーボン付着による場合とがあるのに対し、いずれの原因で炉幅が狭まっているかを特定することができない。カーボン付着であればエアーを吹き付けて燃焼除去させればいいが、壁面自体の変形であれば場合によっては大規模な補修作業が必要になる。
【0013】
特開2001−11465公報に記載のビデオカメラを炉壁に垂直に向けて撮像を行う方法においては、炭化室の左右炉壁間は間隔が極めて狭く、ビデオカメラのレンズと炉壁との距離を十分にとることができず、ビデオカメラ1視野で撮像できる炉壁表面の範囲が極めて狭くなる。
【0014】
上記特開2001−3058公報及び特開2001−11465公報に記載された、撮像カメラやデータ収録装置を断熱容器の内部に収納する方法においては、装置を軽量化して押出機等の移動装置に簡単に着脱できる利点を有する。一方、断熱容器内の装置は炉外の装置との間で信号の授受ができないので、得られた画像情報を撮像カメラの位置情報と直接結合することができず、画像情報から得られた損傷個所が炉内のどの位置に存在するのかを正確に把握することが難しい。また、収録したデータは断熱容器から取り出して再生する必要があるので、炉外に取り出した断熱容器が十分に冷却するまでデータを再生することができない。そのため、複数の炭化室を観察したい場合には作業効率が悪い。
【0015】
また、断熱容器といえども単に断熱材によって熱を遮断するのみであるため、コークス炉のように高温状態の炉内に滞在できる時間はせいぜい3分程度である。コークス炉の押出機を炉内に挿入し炉内を1往復するだけでも通常は3分程度の時間を必要とする。従って、炉内に滞在できる時間が最大で3分では余裕時間が少なく、押出しに時間を要すと撮像装置等の電子機器が破損することも考えられる。
【0016】
特開昭61−114085号公報に記載された、ボックス内にプリズムとテレビカメラを内蔵する方法や、特開平8−73860号公報に記載された、プローブ内に撮像部とプリズムを内蔵する方法においては、十分に広い炉壁面領域を撮像しようとすると、ボックスやプローブに開口する観察窓の大きさを大きくする必要がある。水冷ボックスを用いずに上記断熱容器を用いる場合には、この大きな観察窓から浸入する熱による断熱容器内部の温度上昇が激しく、高温の炉内に観察に必要な時間だけ滞在することができなくなる。
【0017】
本発明は、コークス炉炭化室の高温の炉壁をはじめとする、相対する炉壁の表面形状を測定する炉壁形状測定装置において、炉壁の二次元的広い範囲の状況を映像によって評価することができるとともに、特定の箇所について損耗状況を定量的に評価することができる炉壁形状測定装置であって、さらに装置が小型軽量でかつ冷却水配管等を必要とせず、押出機等の移動装置に簡単に着脱でき、なおかつ壁面における必要な観察範囲を観察することができ、十分な耐久性を有する炉壁形状測定装置を提供することを目的とする。
【0018】
本発明はまた、小型軽量かつ簡便という利点を保持しつつ、撮像した炉壁画像情報と撮像位置情報とを結合することを可能にするとともに、撮像結果を迅速に利用して炉壁補修計画を立案することのできる炉壁形状測定装置を提供することを第2の目的とする。
【0019】
本発明はさらに、小型軽量かつ簡便という利点を保持しつつ、高温の炉内滞在時間を十分に確保することのできる炉壁形状測定装置を提供することを第3の目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨とすることろは以下の通りである。
(1)相対する炉壁52の表面形状を測定する炉壁形状測定装置において、断熱容器3内に光ビーム照射装置9と撮像装置8を収納し、断熱容器3の外側に鏡面2を配置し、光ビーム照射装置9から炉壁52に対して斜め方向から光ビーム14を照射し、鏡面2に反射して映る炉壁表面の映像であって光ビーム反射光を含む映像を撮像装置8によって撮像し、光ビーム反射光の位置に基づいて炉壁形状を測定することを特徴とする炉壁形状測定装置。
(2)炉壁52に照射する光ビーム14は、炉壁52に対して線状に照射することを特徴とする上記(1)に記載の炉壁形状測定装置。
(3)光ビーム照射装置9から直接炉壁に光ビーム14を照射し、炉壁に照射された線状光の方向は壁面と鏡面の交線22に略平行であることを特徴とする上記(2)に記載の炉壁形状測定装置。
(4)光ビーム照射装置9から鏡面2に反射させて光ビーム14を照射し、炉壁に照射された線状光の方向は壁面と鏡面の交線22に略直交することを特徴とする上記(2)に記載の炉壁形状測定装置。
(5)光ビーム照射装置9は波長550nm以下の光を照射するレーザー光照射装置であり、撮像装置8はカラー撮像装置であることを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の炉壁形状測定装置。
(6)撮像装置8で撮像した画像を画像処理して光ビーム反射光の位置から炉壁形状を測定するに際し、波長550nm以下の光成分を強調して画像処理することを特徴とする上記(5)に記載の炉壁形状測定装置。
(7)光ビーム14を照射する炉壁表面17の自発光強度を測定する手段を有し、該測定した自発光強度に応じて光ビーム照射装置9から照射する光ビーム14の強度を調整することを特徴とする上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の炉壁形状測定装置。
(8)断熱容器3内には複数の光ビーム照射装置9を備え、各光ビーム照射装置9は相対する炉壁の各表面に光ビーム14を照射し、鏡面2は、角度の異なった2枚の鏡面から構成され、各鏡面によって相対する炉壁の各表面であって光ビーム反射光を含む面が映し出されることを特徴とする上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の炉壁形状測定装置。
(9)鏡面2は、内部に冷却水6を収容する容器11の表面に構成されていることを特徴とする上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の炉壁形状測定装置。
(10)断熱容器3内にはワイヤレス伝送送信機29を収納し、炉外にはワイヤレス伝送受信機31とデータ記録装置32とを配置し、撮像装置8で撮像した情報をワイヤレス伝送送信機29からワイヤレス伝送受信機31に送信し、データ記録装置32に記録することを特徴とする上記(1)乃至(9)のいずれかに記載の炉壁形状測定装置。
(11)断熱容器3内にデータ記録装置32を収納し、撮像装置8で撮像した情報をデータ記録装置32に記録することを特徴とする上記(1)乃至(10)のいずれかに記載の炉壁形状測定装置。
(12)データ記録装置32には、撮像装置8の炉内位置情報が併せて記録されることを特徴とする上記(10)又は(11)に記載の炉壁形状測定装置。
(13)断熱容器3は、吸熱能力を有する液体7を充填したジャケット5と、さらにその外側を覆う断熱材4とを有することを特徴とする上記(1)乃至(12)のいずれかに記載の炉壁形状測定装置。
(14)炉壁52はコークス炉炭化室51の炉壁であり、断熱容器3及び鏡面2をコークス炉の押出機53に設置することを特徴とする上記(1)乃至(13)のいずれかに記載の炉壁形状測定装置。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、本発明の炉壁形状測定装置1は、その内部に光ビーム照射装置9と撮像装置8を収納している。炉壁形状測定装置1を炉壁52に近接して配置する。コークス炉の炭化室内に炉壁形状測定装置1を挿入する場合は、相対する炉壁(52a、52b)間の距離が狭いので、炭化室の幅中央に挿入することによって両方の炉壁に近接して配置したこととなる。光ビーム照射装置9から炉壁52に対して斜め方向から光ビーム14を照射する。図1では、角度θで光ビームを照射している。炉壁表面の光ビームが照射された部分は、光ビームが反射して発光し、ビームスポット15となる。
【0022】
撮像装置8は、この光ビーム反射光を含む炉壁表面を、極力炉壁に垂直な方向から撮像する目的で配置される。撮像装置8としては、CCDカメラとそれを制御するカメラコントローラなどを用いることができる。撮像装置8の視野方向を図1、図2に示すように炉壁52に平行に配置すると良い。そして、撮像装置8の視野方向に鏡面2を配置し、鏡面の角度は、撮像装置8の位置から観察したときに炉壁表面の映像が鏡面2に映るごとく調整する。通常は、図1に示すように、鏡面2と炉壁52との角度を45°とすれば、炉壁表面を垂直な方向から見た映像を得ることができるので好ましい。もちろん、炉壁を斜めの方向から見た方が炉壁表面の凹凸を明瞭に観察できるような特別の場合には、鏡面と炉壁との角度を45°以外の開度とすることによって対応することができる。
【0023】
炉内の形状測定中において、通常は撮像装置8と鏡面2との距離を一定とする。撮像装置8と鏡面2との距離を長くするほど、炉壁に平行な方向の有効鏡面長さを長くすることができ、鏡面を観察する撮像装置視野13の範囲(長辺側長さ)を広くすることができる。一方、炉壁に垂直な方向、即ち幅方向の有効鏡面幅については、炉壁の間隔が狭いので広くすることができず、撮像装置視野13の範囲(短辺側長さ)を広げることはできない。コークス炉炭化室の観察においては、炉壁表面での撮像装置視野13の長辺側長さを500〜600mm程度とすると、一般的なCCDカメラで損傷検出に十分な空間分解能約1mmの観察ができる。炉壁表面での撮像装置視野13の短辺側長さは、炉壁を垂直方向から観察する場合、150〜200mm程度となる。
【0024】
図3に示すように、光ビーム14は炉壁に対して斜め方向から照射する。図3においては角度θで照射している。そのため、炉壁形状測定装置1と炉壁52との間の距離がΔxだけ変化すると、光ビーム14と炉壁表面17とが交差するポイント(光ビームスポット15)の位置が15aから15bに変化し、光ビーム反射光の位置がΔyだけ変化する。撮像装置8は光ビーム反射光を含む炉壁表面17を撮像しているので、炉壁形状測定装置1と炉壁52との間の距離の変化、即ち炉壁52の変形は、撮像画像内における光ビーム反射光の位置の変化としてとらえることができる。従って、撮像装置8によって得られた画像は、炉壁の二次元的広い範囲の状況を映像によって評価することができるとともに、特定の箇所即ち光ビーム照射位置について損耗状況を定量的に評価することができる。
【0025】
光ビーム照射装置9から照射する光ビーム14は、スポット的光ビームとすることができる。これにより、炉壁の1点について炉壁形状測定装置との間の距離を評価することができる。
【0026】
一方、光ビーム照射装置9から照射する光ビーム14は、図4に示すように、炉壁に照射したときに反射光が線状光16になるように照射しても良い。光ビーム光源としてレーザー光のようなスポット光源を用いる場合には、スポット光を1軸方向のみに広げることができる円筒面レンズを光源の前に配置することで、このような線状光16を発生する光ビームとすることができる。例えば図4(c)に示すように、炉壁42の表面17に溝状の損耗箇所18が存在する場合、この表面17に光ビーム14を照射して線状光16を発生させたとき、損耗箇所18に対応し、図4(b)に示すように線状光16にドリフト19が見られる。損耗箇所18の深さがΔxであれば、ドリフト19の大きさΔyは、Δy=Δx/tanθの関係となる。これにより、線状の反射光が発生する線状の部分において、表面の凹凸を定量的に把握することが可能になる。
【0027】
奥行きが長いコークス炉炭化室51に一方の端から炉壁形状測定装置1を挿入する場合においては、炉壁形状測定装置1と炉壁表面(炉壁基準面)との間隔を常に一定に保持することは困難である。ここで、炉壁基準面とは、炉壁表面が損耗していないときの基準面を意味し、炉壁損耗量がゼロにおける炉壁表面と考えればよい。従って、光ビーム14をスポットビームとした場合には、反射する光ビームスポット15における炉壁表面17と炉壁形状測定装置1との間の距離は特定できるが、炉壁損耗量の絶対値を特定することには困難が伴う。一方、炉壁表面17においてどこが健全部でどこが損耗発生部であるかは、撮像装置8によって撮像した画像を観察することによって概略は知ることが可能である。本発明は、炉壁の二次元的広い範囲の状況を映像によって評価することと特定の箇所について損耗状況を定量的に評価することを同時に行えるので、光ビーム照射によって線状の反射光を発生させた場合においては、線状の部分の中に炉壁の健全部と損耗発生部をともに含ませることが可能である。このような測定を行えば、線状光16の範囲内において炉壁表面17の相対的な凹凸量を特定することができる。従って、たとえ炉壁形状測定装置と炉壁基準面との間の距離が特定できなくても、健全部と損耗発生部との間の相対的な深さの差を特定し、損耗発生部における損耗量を特定することが可能になるのである。
【0028】
炉壁に当たって線状光16を発生する光ビーム14が含まれる面を、ここでは光ビーム面という。線状光16の位置は、当然光ビーム面と炉壁表面とが交差する線と一致する。また、図4に示すように、線状光16を発生する光ビーム14のうちでビームの幅方向中央のスポットビームを中心ビーム21としたとき、中心ビーム21を含む面であって炉壁表面17に垂直な面を、ここでは中心ビーム垂直面という。光ビーム面と中心ビーム垂直面とが平行、即ち一致する場合には、炉壁表面に凹凸があったとしても反射光は直線のままであり、反射光を観察しても炉壁の損耗量を評価することができない。炉壁表面の凹凸を線状光16の位置の変化、即ちドリフト19として検出するためには、光ビーム面と中心ビーム垂直面とが相互に直角となる場合に最も効率的に検出を行うことができる。図4に示す例では光ビーム面と中心ビーム垂直面とが相互に直角ととなっている。
【0029】
炉壁が構成する平面と鏡面が構成する平面との交差する線を、ここでは交線22と呼ぶ。図2(b)に示す例では、交線22は垂直方向の線となる。
【0030】
図2(a)に示すように、光ビーム照射装置9を撮像装置8の近傍に配置し、光ビーム14を鏡面2に反射させずに直接炉壁表面17に照射する場合について考える。この場合、線状光16の方向が交線22と直交してしまうと、上記光ビーム面と中心ビーム垂直面とが平行となる場合に相当し、炉壁の損耗量を評価することができない。効率的に凹凸を検出できる形態、即ち光ビーム面と中心ビーム垂直面とが相互に直角となる形態とするためには、同じく図2(a)にあるように、炉壁に照射された線状光16の方向が上記壁面と鏡面の交線22に略平行とすると良い。
【0031】
次に、図5に示すように、光ビーム照射装置9から鏡面2に反射させて光ビーム14を炉壁表面17に照射させる場合を考える。鏡面2に反射させつつ炉壁表面17に対して斜め方向から光ビームを照射するためには、図5に示すとおり光ビーム照射装置9と撮像装置8とを離して配置する必要がある。離す方向は、前記壁面と鏡面の交線22に平行な方向である。このとき、鏡面2に映る光ビーム照射装置9を炉壁表面17の位置から見ると、光ビーム照射装置は図5の9aの位置に見える。このような配置で線状光16の方向が交線22と平行としてしまうと、上記光ビーム面と中心ビーム垂直面とが平行となる場合に相当し、炉壁の損耗量を評価することができない。効率的に凹凸を検出できる形態、即ち光ビーム面と中心ビーム垂直面とが相互に直角となる形態とするためには、図5に示すとおり、炉壁に照射された線状光16の方向が壁面と鏡面の交線22に略直交させると良い。
【0032】
光ビーム照射装置9として、レーザー光照射装置(レーザー光源)を用いると好ましい。レーザー光源であれば、細いスポット光でかつ強力な光ビームを発生することができるからである。炉壁に照射して線状の反射光となるような光ビームとするためには、円筒面レンズなどを使い、スポット光を1軸方向のみに広げればよい。広がり角すなわち炉壁面での線状反射光の長さは、円筒面レンズの焦点距離で定まる。
【0033】
高温の炭化室内において、炉壁表面17は自発光で赤色領域に発光している。特にカーボン付着部62は燃焼して高温となっており、赤色の発光強度が強い。レーザー光の波長が赤色領域であると、炉壁表面の自発光に負けて光ビーム反射光の検出が難しくなる。断熱容器内に搭載可能な小型レーザー光源として従来から用いられていたものは、赤色レーザーダイオードであり、波長は633nmまたは670nmであった。これでは炉壁表面17の自発光と共通する波長領域であり、カーボン付着部62のような高温領域では光ビーム反射光を十分に検出できないことがあった。
【0034】
本発明においては、光ビーム照射装置9を波長550nm以下の光を照射するレーザー光照射装置とし、撮像装置8をカラー撮像装置とすると好ましい。波長550nm以下とすれば、炉壁表面17の自発光の強い波長領域と異なるので、撮像したカラー画像において線状光が強調して表示される。また撮像した画像から画像処理によって波長550nm以下の成分を強調して取り出すことにより、線状光16をより明確化することができる。
【0035】
高温の炉壁の自発光による映像を撮像する場合の本発明において、自発光の強度は炉壁の温度によって変動する。炉壁の温度が高ければ自発光による炉壁の輝度が高く、炉壁の温度が低ければ炉壁の輝度は低くなる。特にカーボン付着部分はカーボン燃焼のために高温となり、当該部分の輝度が高い。撮像装置8においては、炉壁表面の輝度に応じ、光学系の絞りを調節したり、あるいは露光時間を調節することによって最適な炉壁表面の映像を得ることができる。通常は、撮像装置8の自動露光機能によって自動的に最適な映像を得ることができる。一方、光ビーム照射装置9によって照射する光ビーム14の強度が一定であると、炉壁の温度が著しく高い場合には炉壁表面の自発光が光ビーム反射光より高い輝度となり、撮像装置8の露光は炉壁表面17の輝度によって定めるので、光ビーム反射光が相対的に暗くなり十分に捉えることができず、光ビーム反射光の位置を特定することができなくなる。逆に炉壁の温度が低い場合には、炉壁表面の自発光が低い輝度にあわせた撮像装置の露光調整を行うため、光ビーム反射光が強すぎてハレーションを起こし、光ビーム反射光の位置を正確に特定することができなくなる。
【0036】
本発明においては、光ビームを照射する炉壁表面の自発光強度を測定する手段を有し、該測定した自発光強度に応じて光ビーム照射装置9から照射する光ビーム14の強度を調整することにより、この問題を解決することができる。炉壁表面の自発光強度が高いときには光ビーム14の強度を強くし、撮像装置8によって光ビーム反射光の位置を正確に捉えることが可能になる。また、炉壁表面の自発光強度が低いときには光ビーム14の強度を弱くし、光ビーム反射光のハレーションを防止することができる。
【0037】
光ビーム照射装置9への電力供給は、断熱容器内に収納された電源装置10から供給される。電源装置10の充電から次の充電までの使用期間を長くするためには、光ビーム照射装置9の電力消費量が少ないほど好ましい。上記本発明のように炉壁の自発光強度に応じて光ビームの強度を調整することとすれば、光ビーム照射装置9の電力消費量を低減することが可能となる。
【0038】
炉壁表面の自発光強度を測定する手段としては、撮像装置8の自動露光装置の評価結果をそのまま使うことも可能である。あるいは、図14に示す光量計23のように、撮像装置8とは別に光量を測定する手段を設けても良い。また、炉壁表面17の温度を測定し、温度からプランクの黒体放射式に基づき自発光強度を推定することとしても良い。本発明装置は炉内を移動するので、温度測定手段としては、放射温度計を用いると好ましい。さらに、自発光強度の測定に当たっては、可視光全波長の平均光強度を測定しても良いが、照射する光ビームの波長を中心とする波長領域の光強度のみを取り出して測定しても良い。
【0039】
自発光強度を測定する対象としての光ビームを照射する炉壁表面として、撮像装置8で撮像する撮像装置視野13の平均光強度を測定することも可能であり、撮像装置視野13のうちの光ビームを照射する領域に限定して光強度を測定することとしても良い。
【0040】
本発明においては、炉壁における線状の部分について定量的な炉壁表面の凹凸量の評価ができるとともに、該線状部分を含む二次元的な炉壁全体状況を映像として把握することができる。その結果、例えば炉壁表面に膨らみが生じているデータが得られた場合において、その膨らみが煉瓦壁面自体の変形によるのかカーボン付着によるのかを映像に基づいて明確に区別することができる。従って、形状測定結果に基づいて的確な補修計画を立案することが可能になる。具体的には、カーボン付着であればエアーを吹き付けて燃焼除去することとし、壁面自体の変形であれば場合によっては大規模な補修作業計画を立案することとなる。
【0041】
鏡面2の配置方向としては、図2に示すように、炉壁と鏡面の交線22を炉の高さ方向、即ち炉の奥行方向と直角の方向とすると良い。炉の奥行方向は炉壁52を観察しつつ炉壁形状測定装置1を移動する方向であり、移動しながら観察を行うことによって炉の奥行方向の炉壁形状測定結果を蓄積することができる。従って、炉壁と鏡面の交線を炉の奥行方向(移動方向)と直角の方向とすることにより、炉壁表面の撮像情報を最大限に採取することができる。
【0042】
本発明において、図1、図7〜図8に示すように光ビーム照射装置9や撮像装置8をはじめとする電子機器は断熱容器3内に収納し、鏡面2は断熱容器3の外側に配置する。断熱容器3に対しては、炉外からの冷却水の供給や電源配線・信号配線の接続を有しない。従って、炉内に設置する炉壁形状測定装置1を軽量かつ小型化することができ、炉内に挿入し移動する構造物、例えばコークス炉炭化室51のコークス押出機53に容易に着脱することが可能である(図6)。図7に示すように、断熱容器3はその表面を断熱材4によって被覆し、短時間であれば高温の炉内に滞在して内部の電子機器を正常に作動させることができる。コークス炉炭化室51であれば、炉内に3分間滞在することが可能であり、炉壁形状測定装置1を装着したコークス押出機53を炉内に挿入し、炉の奥行方向全長を観察して炉外に抽出するための最低限の時間を確保することができる。断熱容器3を被覆する断熱材4としては、例えばセラミックファイバーボードまたはケイ酸カルシウムボード等を用いることができる。
【0043】
本発明においては、鏡面2を断熱容器3の外側に配置するので、観察装置の視野を確保するための断熱容器3の観察窓26を最小限の大きさに留めることができる。プリズムをボックス内に収納して広い視野を確保しようとする従来技術においては、ボックスに設置する観察窓の大きさを大きくする必要があり、本発明のように断熱容器3を用いる場合には観察窓から容器内に浸入する輻射熱によって容器内の温度が急速に上昇する問題があったが、本発明のように鏡面2を断熱容器3の外側に配置した結果として、観察窓26を小さくできるので、ここから浸入する輻射熱を最小限に留め、断熱容器内の温度上昇を防止することができる。観察窓26には石英ガラス等の耐熱ガラスを装着する。耐熱ガラスは金属蒸着等の手段によって外部からの輻射熱を反射する機能を有することが好ましい。
【0044】
本発明の鏡面2としては、図7(a)に示すように1枚の鏡面として一方の炉壁52aを観察することとしても良い。この場合、光ビーム照射装置9も観察する一方の炉壁52aにのみ光ビーム14を照射することとなる。一方、図7(b)にあるように、断熱容器内には複数の光ビーム照射装置(9a、9b)を備え、各光ビーム照射装置は相対する炉壁の各表面(17a、17b)に光ビーム(14a、14b)を照射し、鏡面は角度の異なった2枚の鏡面(2a、2b)から構成され、各鏡面によって相対する炉壁(52a、52b)の各表面であって光ビーム反射光を含む面が映し出されるようにすると好ましい。図2、図7(b)に示す例においては、第1の鏡面2aは第1の壁面42a表面を映し出し、第2の鏡面2bは第2の壁面42b表面を映し出し、両者を単一の撮像装置8によって同時に撮像することができる。これにより、1台の撮像装置8と2台の光ビーム照射装置(9a、9b)を収納した炉壁形状測定装置1を用い、炉の奥行方向に1回移動することにより、左右両側の炉壁表面形状測定結果を得ることができる。また、左右の炉壁を同時に見比べることが可能になる。さらに、左右の炉壁を1台の撮像装置8で観察できるので、断熱容器内に2台の撮像装置を収容する場合に比較し、断熱容器の観察窓26の開口面積を小さくすることができ、輻射熱が断熱容器内に浸入して温度が上昇する割合が小さくなる。
【0045】
炉壁形状測定装置をコークス炉の押出機などに装着し、コークス炉炭化室の一方の端から挿入して炭化室内の測定を行うに際して、炉壁形状測定装置を両側の炉壁基準面の中心に正確に配置することは困難であり、中心からの外れが発生することとなる。従って、一方の炉壁にのみ光ビームを照射する場合には、現実の炉壁表面17が炉壁基準面からどれだけ損耗したかの絶対値を得ることは困難である。2台の光ビーム照射装置と2枚の鏡面によって左右両側の炉壁表面形状を同時に測定する本発明においては、炉壁形状測定装置1と左右両側の炉壁表面17の測定部位までの距離を同時に測定することができる。この測定値から、左右両側の炉壁表面17の測定部位間の距離が算出できる。損耗が発生していない初期段階での炉壁間の距離はわかっているので、この測定値に基づき、左右両側の合計損耗量が算出できることになる。少なくとも左右両側の観察部位が局所的損耗の観察されない健全部位であれば、左右均等に損耗が進行していると考えられるので、測定された合計損耗量の半分が健全部位の炉壁損耗量として評価できる。線状光16の観察によって線状光発生範囲内における健全部位と局所損耗部の間の相対的な損耗量の差が検出でき、上記のように健全部位の炉壁損耗量も評価できるので、これらの値を用いて、局所的損耗部の損耗量絶対値をも推定することが可能になる。
【0046】
本発明の鏡面2は断熱容器3の外側に配置されるので、鏡面2は炉内の高温雰囲気に直接曝される。本発明においては、図7(b)に示すように、内部に冷却水6を収容する容器11の表面を鏡面2とする。本発明の炉壁形状測定装置1が高温の炉内に滞在する時間は短時間であり、このような時間内であれば、容器11内の冷却水6が温度上昇し沸騰して容器11を沸騰冷却し、容器11の温度を冷却水の沸点(水を用いた場合には100℃)以下に保持することができ、容器表面に形成した鏡面2の光学的性能を長期間にわたって維持することができると共に、鏡面2の平面度を同じく長期間にわたって維持することができる。本発明は、鏡面2の冷却のために炉外から冷却水を供給する必要がなく、また鏡面の予熱装置を用いる必要がないので、コークス押出機等の移動装置に簡単に装着することが可能である。
【0047】
内部に冷却水6を収容する容器11は、図2、図7(b)に示すように断面矩形の長い形状とし、4面の外面のうちの2面を鏡面2とし、残り2面については必要に応じて断熱材12で断熱すると良い。容器11そのものは鋼製とし、鏡面2とすべき2面に鏡面仕上げしたステンレス鋼板を張り付けて構成することができる。また、容器11そのものをステンレス鋼製としてその表面を鏡面仕上げしても良い。
【0048】
断熱容器内の撮像装置8で撮像した映像は、データ記録装置32に記録し、最終的に記録したデータを用いて炉壁の画像情報を作成することが必要である。データ記録装置32は、断熱容器内に収納しても良い(図7)。一方、断熱容器内にはワイヤレス伝送送信機29を収納し、炉外にワイヤレス伝送受信機31とデータ記録装置32とを配置するとより好ましい(図6、図8)。撮像装置8で撮像した情報をワイヤレス伝送送信機29から炉外に配置されたワイヤレス伝送受信機31に送信し、データ記録装置32に記録する。データ記録装置32においては、記録用コンピュータなどの記録装置40に記録すると同時に画像表示装置31にて撮像画像を表示するようにすれば、炉壁形状測定装置を炉内に挿入して観察すると同時に観察結果を確認することができる。1000℃の炉内から戻ってきた断熱容器3は外側が高温になっているので、時間をおいてからでないと内部のデータを取り出すことができない。それに対し、上記形態では炉壁形状測定装置1を炉内から抽出して装置の冷却をまって画像データを取り出すという手間が必要ないので、迅速に炉壁の状況を確認することができる。また、炭化室炉内から抽出した炉壁形状測定装置1を、すぐに次の炭化室の観察に使用することが可能になる。
【0049】
炉内の断熱容器3から炉外へのワイヤレス伝送については、電磁波を用いた無線送信、あるいは可視光や赤外線などの光を用いたワイヤレス伝送を用いることができる。ワイヤレス伝送を行う場合、断熱容器3の炉外側に向いた壁には伝送用の窓28を設ける。窓28には耐熱ガラスを装着し、伝送媒体として電磁波を用いる場合には、外部からの輻射熱侵入を防止するためのコーティングには金属膜コーティングは用いず、シリカコーティングのような非電導性材料のコーティングを行う。
【0050】
図10に示すように、ワイヤレス伝送にデジタル信号を電波で伝送するデジタル無線送受信機(37、38)を採用することができる。撮像装置8からはアナログの画像信号が出力されるので、この信号をA/D変換器36でデジタル信号とし、このデジタル信号をデジタル無線送信機37で送信し、炉外のデジタル無線受信機38で受信する。受信したデジタル信号はD/A変換器39でアナログ信号に変換して画像表示装置41などの記録計に出力したり、あるいはデジタル信号のままで記録装置40などに記録することができる。
【0051】
断熱容器内にワイヤレス伝送送信機29を配置した場合、撮像情報を断熱容器から外部のワイヤレス伝送受信機31に伝送し、そのデータを外部のデータ記録装置32に記録する。その際、撮像情報とともに、撮像装置の炉内位置情報(炉内水平方向の撮像現在位置データ45)を同時にデータ記録装置32に記録することもできる。外部データ記録装置32は炉外に配置されているので、撮像装置8を搭載した押出機53の現在位置データから撮像装置8の撮像現在位置データ45を算出して取り込むことができるからである。その結果、外部データ記録装置32においてリアルタイムに水平方向の撮像位置と撮像データとを対応させることが可能になり、観察中において即座に炉内の損傷個所や要補修個所を特定することができる。
【0052】
上記とは逆に、断熱容器内にデータ記録装置32とワイヤレス伝送受信機を設置し、外部から断熱容器に対して断熱容器の炉内挿入時刻および炉内水平方向の撮像現在位置データ45を常時ワイヤレス送信し、撮像データと炉内水平方向の撮像現在位置データ45を同時に断熱容器内のデータ記録装置32に記録することもできる。
【0053】
ワイヤレス伝送送信機29及びワイヤレス伝送受信機31には、送信と受信の両方の機能を兼ね備えた送受信機を用いても良い。
【0054】
断熱容器3は、図1、図9にあるように、吸熱能力を有する液体7を充填したジャケット5と、さらにその外側を覆う断熱材4とを有することとすると好ましい。一般に、液体は質量・体積あたりの熱容量の大きいものを選択することができる。工業的に最も容易に入手できかつ吸熱材料として最適な液体として、水を用いることが好ましい。断熱容器3を高温の炉内に挿入した際、断熱容器の外側を断熱材4が覆っているので、断熱材4を通過して内部に浸入する熱量を小さくすることができる。さらに、断熱材4の内側には吸熱能力を有する液体7を充填したジャケット5が存在するので、内部に浸入した熱はまずこの液体7、例えば水の温度を上昇するのに費やされる。水は熱容量が大きいため、断熱容器内部の温度上昇を遅らせることができる。更に、水の温度が100℃に達すると沸騰により大量の気化熱を奪うため、断熱容器内部の温度が100℃を超えることはない。水の温度が100℃に到達して沸騰を開始した際の水蒸気を放出するため、断熱容器3の上部には開放口を設けるかあるいは安全弁を設けると良い。本発明の炉壁形状測定装置においては、炉内での炉壁形状測定中には液体を供給排出するための配管が接続されていない点が特徴である。
【0055】
コークス炉炭化室51の炉幅は通常400mm程度であり、本発明の炉壁形状測定装置1はこのスペースに余裕をもって挿入可能な寸法とする必要がある。吸熱液体として水を用いる場合、水を収納するジャケットは炉幅方向で水の占める幅を左右それぞれ40mm程度とする。断熱容器外周の断熱材4としては、例えばセラミックファイバーボードを用い、断熱材4の厚さを30mm程度とすることができる。炉壁形状測定装置の外部寸法をL500mm×W300mm×H500mmとしたとき、炉壁形状測定装置を収納する内部空間はL380mm×W160mm×H300mm程度となる。
【0056】
このような形状を有する炉壁形状測定装置を炉内温度1000℃のコークス炉炭化室51に挿入したとき、炉壁形状測定装置を収納する内部空間の温度は、挿入後経過時間ごとに、3分後25℃、5分後40℃、7分後55℃となる。断熱容器内に収容する各種電子機器の通常使用温度上限は50℃であるから、高温の炉内に5分間は滞在することが可能である。
【0057】
本発明の炉壁形状測定装置1によるコークス炉炭化室の炉壁形状測定においては、例えばコークス押出機53に本発明の炉壁形状測定装置1を搭載して測定を行う場合、押出機53はレールの上を移動しながら乾留が完了した炭化室のコークスを押し出す作業を5〜10分間隔で連続して次々と繰り返していき、この作業の中で多数の炭化室の炉壁形状測定を行うこととなる。1回の炭化室挿入によって断熱容器内の液体は温度が上昇しているので、時間をおかずにこのまま次の炭化室に挿入しての測定を行うと、断熱容器内の液体7の温度は逐次上昇し、炉内滞在可能時間が短くなる。図9に示すように、本発明の断熱容器3の下部に内部の液体を排出するための排出口33を設けておき、炉壁形状測定が完了する毎に温度が上昇した内部の液体を排出して温度が低い新しい液体を投入することにより、液体の温度上昇を防止できる。新しい液体投入時に注入口34から冷えた液体を供給しつつ排出口33からの排出を継続すれば、断熱容器自身の温度も低下させることができる。この結果、各回毎に十分な炉内滞在時間を確保することができる。
【0058】
断熱容器内にワイヤレス伝送送信機29を配置した場合、さらに図10に示すように断熱容器内に断熱容器の温度やジャケット内の液体温度を測定する温度計46を設置し、測定した温度をワイヤレス伝送送信機29によって炉外に送信することもできる。これにより、炉外において現時点の炉壁形状測定装置1の内部温度を把握することができ、温度が管理上限に近づいたときには測定を中止して炉壁形状測定装置1を炉外に引き出すことにより、異常高温による炉壁形状測定装置1の損傷を未然に防ぐこともできる。
【0059】
本発明の炉壁形状測定装置は、予め炉内の観察位置を定め、当該位置の炉壁を静止画として撮像しても良い。これにより、損傷の発生が予測された炉壁位置の状況を画像としてとらえることができる。
【0060】
一方、撮像装置8を炉の奥行方向に移動しつつ撮像を行い、撮像データをデータ記録装置32に記録することとするとより好ましい。撮像装置8の炉奥行方向移動は、例えば図6に示すように、撮像装置8等を収納した断熱容器3をコークス炉炭化室51のコークス押出機53に装着し、ラム駆動装置56の動作によってコークス押出機53を一定速度で炉内に挿入しあるいは抽出する動作によって行う。連続的に撮像を行いつつ撮像装置8を移動し、撮像結果を動画として観察することも可能である。
【0061】
より好ましくは、撮像装置8を炉の奥行方向に移動しつつ撮像を行い、データ記録装置32に記録した撮像データを加工して結合することにより、炉の奥行方向の広い範囲を1枚の静止画像として取り出すことも可能である。例えばコークス押出機の移動速度が300mm/秒であって、幅方向の撮像範囲を100mmとし、静止画像撮像間隔を1/3秒として撮像することができる。図13には、隣り合った8枚の静止画像を画像接合位置25において接合し、広い領域の画像24とした炉壁画面を示す。この広い領域の画像の中に、100mmピッチの静止画像毎に、光ビーム照射装置9で照射した光ビーム反射光が映し出される。図13に示すように、光ビーム反射光が線状光16であり、線状光16の方向が炉の奥行き方向に平行であれば、全体として長い1本の線状光として連続して映し出される。光ビーム反射光が線状光であり、線状光の方向が炉の高さ方向に平行であれば、100mmピッチで高さ方向に向いた線状光が映し出される。このデータ処理は、データ記録装置32において行うことができる。
【0062】
断熱容器内にワイヤレス伝送送信機29を配置した場合であって、撮像情報を断熱容器から外部のワイヤレス伝送受信機31に伝送し、そのデータを外部のデータ記録装置32に記録するとともに、撮像装置の炉内位置情報(炉内水平方向の撮像現在位置データ45)を同時にデータ記録装置32に記録する本発明においては、撮像装置8を炉の奥行方向に移動しつつ撮像を行い、炉内位置情報に基づいて静止画像を選択することができる。幅方向100mmピッチで静止画像を採取し、この静止画像をつなぎ合わせて炉の奥行方向広い範囲の炉壁画像を作成する場合を例にとって説明する。撮像した静止画像を例えば1/30秒ピッチで順次外部のデータ記録装置に伝送する。炉外のデータ記録装置32では、炉内位置情報に基づき、撮像装置が100mmピッチの静止画像採取位置に到達する毎に、その時点で受信した静止画像を選択する。これにより、結果として幅方向100mmピッチで静止画像を採取し、この静止画像をつなぎ合わせることによって炉の奥行方向広い範囲の炉壁画像を作成することが可能である。この方法であれば、断熱容器を搭載したコークス押出機の走行速度がたとえ変動したとしても、等間隔で静止画像を入手することができる。
【0063】
断熱容器内にはワイヤレス伝送受信機を配置し、炉内位置情報を炉外から断熱容器に伝送する場合においては、断熱容器内で上記と同様のデータ処理を行うこととすればよい。また、断熱容器内と炉外の両方に送受信を行うことのできるワイヤレス伝送送受信機を配置した場合であれば、炉内位置情報を炉外から断熱容器に伝送し、断熱容器内において一定間隔毎に静止画像を選択し、選択した静止画像のみを炉外にワイヤレス伝送送信することもできる。
【0064】
撮像装置8を炉の奥行方向に移動しつつ撮像を行って静止画像を採取し、この静止画像をつなぎ合わせて炉の奥行方向広い範囲の炉壁画像を作成する本発明において、隣り合った静止画像同士の間に重複部分が生じるように撮像を行うこともできる。例えば、幅方向で概略100mmピッチで撮像を行い、各静止画像の幅方向サイズを150mmとしておけば、50mmの重複部分が生じる。重複部分においては、炉壁の同じ部分を撮像しているので、炉壁の映像に基づいてパターンマッチング処理によって2つの画像を正確に位置合わせして一致させることができる。この手法を用いれば、各静止画像を撮像した炉内位置情報に若干のずれがあったとしても、そのずれを自動的に修正して正確な炉の奥行方向広い範囲の炉壁画像を作成することができる。さらには、炉内位置情報を用いることができない場合においても、隣り合う画像で重複部分がある時系列採取した画像群に対して、画像の重なり代をパターンマッチング処理で決定して次々と連結し、正確な炉壁画像を作成することが可能である。
【0065】
例えばコークス炉炭化室を観察する場合においては、炉壁は高温のため赤熱自発光しており、撮像装置はこの自発光を撮像することによって炉壁を観察することができる。そして、撮像装置として通常のCCDカメラを用いた場合、シャッタースピードを1/1000秒程度として撮像することができる。この程度の速いシャッタースピードであれば、コークス押出機の移動速度300mm/秒においてもカメラぶれのない鮮明な画像を得ることが可能である。
【0066】
次に、撮像した光ビーム画像を画像解析して定量的な形状測定を行う具体的方法を述べる。緑色レーザーをビーム光源に使用したとする。カラーCCDカメラの各カラー成分すなわちR(赤)、G(緑)、B(青)成分を分解して記録装置40に取り込む。形状測定の画像解析はレーザー波長に対応したG成分画像について実行する。G成分画像では炉壁自発光は非常に弱く、光ビーム反射光は明るく観察される。したがって2値化処理により、光ビーム反射光の線分を抽出することができる。炉壁煉瓦に全く損傷がなく平坦であればこの線分は直線であるが、図4にあるように、炉壁にΔxの凹みがあると、光ビーム反射光の線分にはΔyの変形が生じる。そこで、画像上で変形量Δyの画素数をカウントする。カメラが炉壁に対して鉛直方向から撮像している場合であれば、Δx=tanθ×Δyの関係からΔxが求まる。なお、画像上の画素数と実際の距離との関係は予め求めておく。
【0067】
炉の奥行方向については、撮像装置を移動装置と共に移動することによってその全長にわたる炉壁表面を1枚の静止画に収めることができる。炉の高さ方向については、鏡面と撮像装置との距離にもよるが、通常は500〜600mm程度の範囲が撮像範囲となる。従って、炉の高さ方向については1回あたりに撮像できる範囲は限定される。一方、例えばコークス炉炭化室においては、炉壁耐火物の損傷が特に激しいのは、例えば炉高方向の石炭装入ライン近傍といった限られた部位であることが多い。従って、本発明の炉壁形状測定装置の設置位置を、石炭装入ライン近傍を観察することのできる位置とすれば、たとえ炉高方向の観察範囲が限定されるにしても十分に有用なデータを得ることができる。もちろん、コークス押出機に高さ方向に複数の炉壁形状測定装置を設置することにより、1回当たりに炉高方向広い範囲で炉壁を観察することも可能である。
【0068】
本発明の炉壁形状測定装置は形状がコンパクトかつ軽量であり、冷却配管等の設置が不要なので、押出機に取り付ける高さは任意に変更することが容易であり、所定の各高さ毎に取り付け位置を変えて測定を行うことにより、炉高全体の炉壁形状測定データを得ることも可能である。
【0069】
本発明の炉壁形状測定装置は測定中は外部から動作電源を供給することができないので、断熱容器内には電源装置10を有する。光ビーム照射装置9、撮像装置8やデータ記録装置32、ワイヤレス伝送送信機29はこの電源装置10から供給される電力によって作動する。電源装置10としては、乾電池、充電式蓄電池等を用いることができる。
【0070】
電源装置10として充電できない電池を用いると、電池交換のたびに断熱容器を開放する必要がある。また電源装置10として充電可能な電源を用いる場合においても、充電ケーブル接続プラグが断熱容器内部に位置する場合には充電のたびに断熱容器を開放することが必要となる。電源装置として充電可能な電源を用い、さらに図9に示すように充電ケーブル接続プラグ35を断熱容器3の外部に備えることにより、断熱容器を開放せずに充電することが可能になり、作業性を改善することができる。充電ケーブル接続プラグ35は、炉内挿入時には断熱材蓋44でその外部を覆い、充電時に断熱材蓋44のみを取り外して充電ケーブルを接続するようにしても良い。
【0071】
【実施例】
コークス炉炭化室の炉壁の表面を観察する目的で、図1に示す炉壁形状測定装置を用いた。炉壁形状測定装置1の外形寸法は、高さ500mm、幅300mm、長さ500mmであり、総重量は約50kgである。
【0072】
炉壁形状測定装置の断熱容器3としては、外周に断熱材4としてセラミックファイバーボードを用い、断熱材4の厚さは30mmとした。断熱材4の内側には、ステンレス鋼製のジャケット5を配置した。ジャケット内には合計30リットルの水7を充填した。断熱容器3の炉壁に面する部分において、水7の層の厚さは40mmである。
【0073】
断熱容器3の内部には光ビーム照射装置として波長532nmの2台の小型レーザー光照射装置を配置し、撮像装置8としてカラーCCDカメラを配置した。撮像装置8で撮像した画像信号は、ワイヤレス伝送送信機29によって炉外に送信される。断熱容器3及び断熱材4には観察窓26及び伝送窓28を配置し、観察窓26には金属蒸着を行った石英ガラスをはめ込んでいる。また、電源装置10として充電式蓄電池を配置し、撮像装置8、光ビーム照射装置9、ワイヤレス伝送送信機29及びそれらを制御する制御装置に対する供給電源とした。光ビーム照射装置としては、波長405nmの青色半導体レーザーを使っても良い。
【0074】
図14に示すように、断熱容器3内の撮像装置8の近傍には光量計23を配置する。光量計23は、フォトダイオードを受光素子とし、撮像装置8とほぼ同じ視野の炉壁表面における平均光量(自発光強度)を測定する。光量計からの信号は光ビーム照射装置の電圧制御装置42に送られる。電圧制御装置42は、光量計の信号に基づき、光ビーム照射装置であるレーザーに供給する電源の電圧を調整する。光量計23の出力とレーザー印加電圧の関係については予め実験的に調べておき、炉壁の自発光強度に応じた最適な強度でレーザー照射を行うことが可能である。
【0075】
断熱容器3の前方には図1に示すように鏡面2を配置する。炉壁表面17と鏡面2の交線22の方向は炉の高さ方向とし、2枚の鏡面2は炉壁52との角度を45°とし、左右の炉壁52を同時に撮像装置8の視野にとらえることができる。撮像装置視野13は、左右の炉壁毎に長辺側長さが600mm、短辺側長さが200mmとなるように鏡面2を配置した。鏡面2はステンレス鋼板の表面を鏡面研磨したものを用い、内部に冷却水6を収容する鋼製の容器11の2面に張り付けた。容器11は、図2に示すように断面矩形の長い形状とし、4面の外面のうちの2面を鏡面2とし、残り2面については断熱材12で断熱する構造とした。
【0076】
光ビーム照射装置9の配置位置は、第1の実施例では図2に示すように撮像装置8と同じ高さに配置し、線状光16を発生する光ビーム14を照射した。中心光ビーム21の照射方向は、水平方向であって炉壁表面17との角度θ=30°として斜め方向から照射した。線状光16は炉壁表面17において高さ方向に向いており、炉壁表面17での線状光16の長さは200mmである。第2の実施例では図5に示すように光ビーム照射装置9を撮像装置8より上方に配置し、光ビーム14を鏡面2に反射させて炉壁表面17に照射した。中心光ビーム21の照射方向は、水平方向であって炉壁表面17との角度θ=60°として斜め方向から照射した。線状光16は炉壁表面17において炉の奥行方向に向いており、炉壁表面17での線状光16の長さは200mmである。
【0077】
炉壁形状測定装置1と鏡面2を押出機53に取り付けた。炉壁形状測定装置1の総重量が約50kgと比較的軽量であり、更に冷却水配管や信号ケーブルを配置する必要がないので、押出ラム54の高さ方向の任意の位置に容易に取り付けることが可能である。本実施例においては、図6に示すように、押出ラム54の後面の炉壁形状測定装置1の位置に支持装置55を用いて取り付けるか、あるいはラムビーム57の上の炉壁形状測定装置1’の位置に取り付け位置を設定し、各高さにおいて順次炉幅測定を実施することにより、広い範囲の炉幅測定データを採取することができた。
【0078】
ワイヤレス伝送にはデジタル信号の電波を用いた無線通信を採用している。撮像装置8の出力及び測定ユニット内の温度を測定する温度計46の出力をA/D変換器36によってディジタル信号に変換し、デジタル信号無線送信機37に送る。デジタル信号無線送信機37がワイヤレス伝送送信機29として機能し、ワイヤレス伝送信号30を炉外のワイヤレス伝送受信機31に送る。断熱容器3の電波が通過する部分には伝送窓28を設け、シリカコーティングを施した石英ガラスを配置している。シリカコーティングによって炉からの輻射熱を遮断し、かつ金属コーティングではないので電波の伝搬を阻害することがない。
【0079】
炉外にはワイヤレス伝送受信機31としてデジタル信号無線受信機38が配置され、データ記録装置32として記録装置40及び画像処理装置41が配置される。デジタル信号無線受信機38で受信したデジタル信号をD/A変換器39及び記録装置40に伝送する。記録装置40に送られたデータはコンピュータ内に記録され、D/A変換器39から出力するアナログ信号は画像処理装置41に送られ、リアルタイムに測定された撮像信号を解析しやすい画像情報として加工する。データ記録装置32には押し出しラム14の現在位置データに基づいて求められた撮像現在位置データ45も送られてきているので、このデータも記録装置40と画像処理装置41に送られる。画像処理装置41においては、各時刻に撮像された撮像情報を撮像現在位置45に基づいて並べ、炭化室の奥行方向全長を1枚の静止画像として生成することができ、炉壁損傷の発生個所を特定することができる。具体的には、押出機53の移動に伴い、撮像現在位置データ45が150mm増加する毎に、伝送された静止画像を画像処理装置41に取り込む。静止画像の炉幅方向(短辺側)長さは200mmなので、隣り合った画像は50mmの重複部分を有する。この重複部分を用いてパターンマッチング処理を行い、画像の重なりについて微調整を行うことができる。このようにして炭化室の奥行方向全長を1枚の静止画像として生成する。
【0080】
炉の奥行き方向150mmピッチで採取された静止画の1枚1枚には、光ビーム照射装置の照射光によって生じた線状光16が映っている。画像処理装置41において、波長532nm付近の光が強調されたカラー成分の画像について、二値化処理によって線状光16の情報のみを取り出し、この線状光16の情報を再度元の画像に取り込むことができる。これにより、画像全体としては炉壁の影像を鮮明に写しだし、同時に光ビーム照射による線状光16もその中に明確に写し出すことができる。各静止画毎に、写し出された線状光のドリフト状況を評価し、線状光の範囲内における局所損耗部の損耗深さを算出することができる。
【0081】
第1の実施例の炉壁観察結果を図11に示す。この例では、線状光16の方向は炉壁表面と鏡面の交線22に平行に、即ち線状光16の方向は炉の高さ方向に配置している。図11(a)は、撮像装置全体視野20において、鏡面2aに映った炉壁52aの映像、及び鏡面2bに映った炉壁52bの映像である。いずれにおいても、レンガ58の目地59が明確に識別されているとともに、光ビーム照射による線状光(16a、16b)が映し出されている。図11(b)は炉壁52に損傷が発生している箇所の観察結果である。正常な目地59以外にレンガ一部欠損63が観察される。レンガ一部欠損63を縦断して線状光16が映し出されており、線状光16のドリフト19から、レンガ一部欠損63の損耗量を含めた形状を定量的に評価することができる。
【0082】
第2の実施例の炉壁観察結果を図12に示す。この例では、線状光16の方向は炉壁表面と鏡面の交線22に直交して、即ち線状光16の方向は炉の奥行方向に配置している。図12(a)は、撮像装置全体視野20において、鏡面2aに映った炉壁52aの映像、及び鏡面2bに映った炉壁52bの映像である。いずれにおいても、レンガ58の目地59が明確に識別されているとともに、光ビーム照射による線状光(16a、16b)が映し出されている。図12(b)は炉壁52に損傷が発生している箇所の観察結果である。正常な目地59以外に目地開き60、炉壁縦割れ61が観察される。目地開き60及び炉壁縦割れ61を横断して線状光16が映し出されており、線状光16のドリフト(19c、19d)から、目地開き60と炉壁縦割れ61の損耗量を含めた形状を定量的に評価することができる。図12(c)にはカーボン付着62が観察され、カーボン付着62を横断して線状光16が映し出されている。線状光16のドリフト19eから、カーボン付着62の付着量を定量的に評価することができる。
【0083】
さらに、押出機53の移動に伴って連続的に取得した静止画像を結合することにより、炉の奥行方向広い領域の炉壁画像を得ることができる。図13には、隣り合った8枚の静止画像を画像接合位置25において接合し、広い領域の画像24とした炉壁画面を示す。光ビーム照射による線状光16は炉の奥行方向に平行に配置され、奥行方向にほぼ連続した一直線に観察される。線状光16におけるドリフト(19a、19b、19c)から、損耗部の損耗量やカーボン付着の付着量を定量的に評価することができる。全長画像は損傷部位の特定が容易であり、さらに全体的な損傷状況が一見して把握できるので、炉体診断・管理を行う上で有用である。
【0084】
測定中にデータ記録装置32に逐次データが伝送されるので、測定完了後に断熱容器3を開ける必要がなく、測定の作業性を大幅に向上することができた。また測定中にリアルタイムで炉壁損傷をキャッチし、当該損傷の発生個所も正確に特定することができるので、遅滞なく当該炭化室の補修計画を立案することができた。
【0085】
一つの炭化室の炉壁観察を完了した後に続けて次の炭化室の炉壁観察を行う前に、断熱容器下部の排出口33を開き、温度が上昇した冷却水7を排出すると同時に上部の注入口34から常温の水を注水した。15リットルの水を注水して断熱容器3の温度を低下させた後、断熱容器下部の排出口33を閉じ、断熱容器内に水7を充填した。このように毎回断熱容器3と断熱容器内の水7の温度を十分に下げてから次の測定を行ったので、連続して炭化室の炉壁観察を行う際にも毎回5分以上の測定時間を確保することができた。
【0086】
測定ユニット内の電源装置10として用いる充電式蓄電池は、連続して5室の炭化室の炉幅測定が可能な容量を有している。充電に際しては、断熱容器外部に配置した充電ケーブル接続プラグ35に充電ケーブルを接続して行うことができるので、充電のために断熱容器を開放する必要がなく、良好な作業性のもとで充電を行うことができた。
【0087】
【発明の効果】
本発明は、コークス炉炭化室等の相対する炉壁の表面を観察する炉壁観察装置において、光ビーム照射装置から炉壁に対して斜め方向から光ビームを照射し、前記鏡面に反射して映る炉壁表面の映像であって光ビーム反射光を含む映像を前記撮像装置によって撮像し、光ビーム反射光の位置に基づいて炉壁形状を測定することにより、炉壁の二次元的広い範囲の状況を映像によって評価することができるとともに、特定の箇所について損耗状況を定量的に評価することができる。
【0088】
本発明はまた、断熱容器内に撮像装置を収納し、断熱容器の外側に鏡面を配置し、鏡面に反射して映る炉壁表面の映像を前記撮像装置によって撮像することにより、装置が小型軽量でかつ冷却水配管等を必要とせず、押出機等の移動装置に簡単に着脱でき、かつ壁面における必要な観察範囲を観察することができる。内部に冷却水を収容する容器の表面に鏡面を形成することにより、鏡面は十分な耐久性を有する。
【0089】
本発明はさらに、ワイヤレス伝送送受信機を用いて炉外にてデータを記録することにより、小型軽量かつ簡便という利点を保持しつつ、撮像した炉壁画像情報と撮像位置情報とを結合することを可能にするとともに、撮像結果を迅速に利用して炉壁補修計画を立案することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炉壁形状測定装置を示す平面断面図である。
【図2】本発明の炉壁形状測定装置の概略を示す斜視図である。
【図3】炉壁に対して斜め方向から照射する光ビームの状況を示す概念図である。
【図4】炉壁に対して斜め方向から線状に照射する光ビームの状況を示す概念図であり、(a)は炉壁を横からみた図、(b)はA−A矢視図、(c)はB−B矢視図である。
【図5】炉壁に対して斜め方向から線状に照射する光ビームを鏡面に反射させて照射する状況を示す概念図であり、(a)はA−A矢視図、(b)は光ビーム系に着目したB−B矢視図である。
【図6】コークス押出機に設置した本発明の炉壁形状測定装置を示す側面図である。
【図7】本発明の炉壁形状測定装置を示す平面断面図であり、(a)は1枚の鏡面を有する場合、(b)は2枚の鏡面を有する場合の図である。
【図8】ワイヤレス伝送送信機を有する本発明の炉壁形状測定装置を示す平面断面図である。
【図9】液体を充填したジャケットを有する本発明の断熱容器を示す側面断面図である。
【図10】ワイヤレス伝送送受信機を有する本発明の機器接続状況を示す概念図である。
【図11】本発明の炉壁形状測定装置での観察結果例を示す図である。
【図12】本発明の炉壁形状測定装置での観察結果例を示す図である。
【図13】本発明の炉壁形状測定装置での観察結果例を示す図である。
【図14】自発光強度に応じて光ビーム照射装置から照射する光ビームの強度を調整する本発明を示す図である。
【符号の説明】
1 炉壁形状測定装置
2 鏡面
3 断熱容器
4 断熱材
5 ジャケット
6 冷却水
7 水(液体)
8 撮像装置
9 光ビーム照射装置
10 電源装置
11 容器
12 断熱材
13 撮像装置視野
14 光ビーム
15 光ビームスポット
16 線状光
17 炉壁表面
18 損耗箇所
19 ドリフト
20 撮像装置全体視野
21 中心ビーム
22 交線
23 光量計
24 広い領域の画像
25 画像接合位置
26 観測窓
27 光ビーム窓
28 伝送窓
29 ワイヤレス伝送送信機
30 ワイヤレス伝送信号
31 ワイヤレス伝送受信機
32 データ記録装置
33 排出口
34 注入口
35 充電ケーブル接続プラグ
36 A/D変換器
37 デジタル信号無線送信機
38 デジタル信号無線受信機
39 D/A変換器
40 記録装置
41 画像処理装置
42 電圧制御装置
44 断熱材蓋
45 撮像現在位置データ
46 温度計
47 フィルター
51 コークス炉炭化室
52 炉壁
53 押出機
54 押出ラム
55 支持装置
56 ラム駆動装置
57 ラムビーム
58 レンガ
59 目地
60 目地開き
61 炉壁縦割れ
62 カーボン付着
63 レンガ一部欠損

Claims (14)

  1. 相対する炉壁の表面形状を測定する炉壁形状測定装置において、断熱容器内に光ビーム照射装置と撮像装置を収納し、前記断熱容器の外側に鏡面を配置し、前記光ビーム照射装置から炉壁に対して斜め方向から光ビームを照射し、前記鏡面に反射して映る炉壁表面の映像であって光ビーム反射光を含む映像を前記撮像装置によって撮像し、光ビーム反射光の位置に基づいて炉壁形状を測定することを特徴とする炉壁形状測定装置。
  2. 前記炉壁に照射する光ビームは、炉壁に対して線状に照射することを特徴とする請求項1に記載の炉壁形状測定装置。
  3. 前記光ビーム照射装置から直接炉壁に光ビームを照射し、炉壁に照射された線状光の方向は壁面と鏡面の交線に略平行であることを特徴とする請求項2に記載の炉壁形状測定装置。
  4. 前記光ビーム照射装置から前記鏡面に反射させて光ビームを照射し、炉壁に照射された線状光の方向は壁面と鏡面の交線に略直交することを特徴とする請求項2に記載の炉壁形状測定装置。
  5. 前記光ビーム照射装置は波長550nm以下の光を照射するレーザー光照射装置であり、前記撮像装置はカラー撮像装置であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の炉壁形状測定装置。
  6. 前記撮像装置で撮像した画像を画像処理して光ビーム反射光の位置から炉壁形状を測定するに際し、波長550nm以下の光成分を強調して画像処理することを特徴とする請求項5に記載の炉壁形状測定装置。
  7. 前記光ビームを照射する炉壁表面の自発光強度を測定する手段を有し、該測定した自発光強度に応じて前記光ビーム照射装置から照射する光ビームの強度を調整することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の炉壁形状測定装置。
  8. 前記断熱容器内には複数の光ビーム照射装置を備え、各光ビーム照射装置は相対する炉壁の各表面に光ビームを照射し、前記鏡面は、角度の異なった2枚の鏡面から構成され、各鏡面によって相対する炉壁の各表面であって光ビーム反射光を含む面が映し出されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の炉壁形状測定装置。
  9. 前記鏡面は、内部に冷却水を収容する容器の表面に構成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の炉壁形状測定装置。
  10. 前記断熱容器内にはワイヤレス伝送送信機を収納し、炉外にはワイヤレス伝送受信機とデータ記録装置とを配置し、前記撮像装置で撮像した情報を前記ワイヤレス伝送送信機からワイヤレス伝送受信機に送信し、データ記録装置に記録することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の炉壁形状測定装置。
  11. 前記断熱容器内にデータ記録装置を収納し、前記撮像装置で撮像した情報をデータ記録装置に記録することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の炉壁形状測定装置。
  12. 前記データ記録装置には、撮像装置の炉内位置情報が併せて記録されることを特徴とする請求項10又は11に記載の炉壁形状測定装置。
  13. 前記断熱容器は、吸熱能力を有する液体を充填したジャケットと、さらにその外側を覆う断熱材とを有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の炉壁形状測定装置。
  14. 前記炉壁はコークス炉炭化室の炉壁であり、前記断熱容器及び鏡面をコークス炉の押出機に設置することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の炉壁形状測定装置。
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