JP3917930B2 - コークス炉の破孔検出装置及び押し出し機 - Google Patents

コークス炉の破孔検出装置及び押し出し機 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コークス炉炭化室炉壁煉瓦の破孔を検出する破孔検出装置及び該破孔検出装置を用いたコークスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コークス炉の炭化室においては、隣接する燃焼室との間の隔壁が耐火物で構成されている。コークス炉の炭化室は、過酷な条件下で通常20年以上の長期間にわたって連続操業されるものであり、炭化室を構成する耐火煉瓦は熱的、化学的および機械的要因によって徐々に劣化する。そのため耐火煉瓦の劣化に起因し、燃焼室との間の隔壁を構成する耐火物の強度が低下すると、コークス押し出し時にかかる側圧で煉瓦が脱落したり、より広い範囲が崩壊することがある。これを破孔という。炭化室と燃焼室を隔てる隔壁に破孔が生じたままで当該炭化室を用いてコークス製造を継続すると、破孔を通して炭化室と燃焼室との間でガスの流通が発生し、また破孔を通して石炭が炭化室から燃焼室に押し出され、燃焼室の閉塞、蓄熱室の閉塞、黒煙の発生、燃焼室煉瓦割れ等のトラブルや炉体損傷を招く原因となる。
【0003】
従来、コークス炉炭化室の炉壁煉瓦の状況を把握する手段として、炉壁の凹凸形状を測定する方法と、炉壁の映像を撮像する方法とが知られていた。凹凸形状を測定することにより、煉瓦の損耗や変形状況を定量的に把握することができる。例えば、特許文献1に記載の炉幅測定装置を用いることにより、凹凸形状を測定することができる。また、炉壁の映像を撮像すれば、煉瓦の亀裂や目地切れの状況を二次元の視覚的に捉えることができる。例えば、特許文献2に記載の観察装置を用いることにより、炉壁表面の二次元画像を撮像することができる。しかし、これらの装置では炭化室炉壁の破孔を確実に検出することができない。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−213922号公報
【特許文献2】
特開平11−106755号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、コークス炉炭化室炉壁煉瓦の破孔を検出することのできる破孔検出装置を提供し、さらに破孔検出装置を用いたコークスの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1)波長550nm以下の光を照射するレーザー光照射装置カラー撮像装置と破孔判定装置とを備え、該レーザー光照射装置によって炭化室壁面に光ビームを壁面に対して斜めに照射し、該照射した光ビームの反射光を光ビームの照射方向とは異なる視野方向から前記カラー撮像装置によって検出し、該カラー撮像装置で撮像した炉壁表面画像について、波長550nm以下の光成分を強調して画像処理した後に前記破孔判定装置によって光ビーム反射光の有無を識別し、破孔有無を判定することを特徴とするコークス炉の破孔検出装置。
(2)さらに前記カラー撮像装置の視野方向に鏡面を備え、前記カラー撮像装置は該鏡面に反射した前記光ビームの反射光を検出することを特徴とする上記(1)に記載のコークス炉の破孔検出装置。
)上記(1)または(2)に記載の破孔検出装置を備えたことを特徴とするコークス炉の押し出し機。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1〜図4に基づいて説明する。
【0008】
本発明の破孔検出装置において、光ビーム照射装置2によって炭化室壁面15に光ビーム7を照射すると、例えば図1、図2の炭化室壁面15bには照射した光ビーム7aが反射して形成される反射光のスポット9bが生まれる。炉壁に破孔14が生じると、光ビーム7は破孔部を通して通過してしまい、炉壁表面に形成されるべき反射光8のスポットが消滅する。従って、この反射光のスポット9から発せられる光ビーム反射光8の有無を炉壁光検出装置3によって検出すれば、光ビーム7を照射した炉壁部分の破孔14を判定することができる。
【0009】
光ビーム7を壁面15に垂直に照射した場合、破孔14が生じたとしても光ビーム7は炭化室11に隣接する燃焼室12の対向壁面に到達し、その壁面に反射光のスポットが生まれることがある。一方、図1、2に示すように光ビーム7を壁面15に斜めに照射すれば、壁面15aに見られるような破孔14が生じたときに隣接する燃焼室に生じる反射光のスポット9aは、破孔14が発生していないときに炭化室壁面に生じる反射光のスポット9a’とは全く異なった位置に生じる。炉壁光検出装置3の視野方向を光ビーム7の照射方向とは異なる方向、例えば図1、2に示すように壁面15に略垂直な方向に限定しておけば、破孔14が生じたときに異なった位置に生じる反射光のスポット9aを炉壁光検出装置3の検出範囲外とすることができる。従って、光ビーム7を壁面15に斜めに照射したときには、破孔判定をより確実に行うことができる。
【0010】
炉壁光検出装置3としては、光検出方向を限定して、壁面に形成された反射光のスポット有無が検出できればどのような検出装置でも良い。例えばPSDのような光センサーを用いることもできる。また、CCDカメラをはじめとする撮像装置を用いることもできる。
【0011】
破孔検出を行う際の炭化室炉内温度は、約1000℃の高温状態である。従って、本発明の破孔検出装置は、炉内の高温雰囲気を遮断する筐体内に収める必要がある。図1、図2(a)に示すように筐体6を二重構造とし、二重構造の壁の間に冷却水24を充填し、炉外から図4(a)に示すように冷却水配管29によって供給する冷却水を循環することによって筐体内を低温に保持することができる。押し出し機上など外部に水供給装置を設け、1回炉内へ挿入する度に水を交換して使用することもできる。また、特許文献1の例では、図2(b)に示すように二重構造の筐体6の外面に断熱材26を被覆し、二重構造の壁の間に液体25を充填し、炉外からは冷却水を供給しない構造とすることもできる。破孔検出装置を例えば図4(b)に示すように押し出し機13に設置し、押し出し機13が炉内に進入している2分間の間に破孔検出を行うのであれば、上記特許文献1に記載のように外部から冷却水を供給しない構造を採用することが可能である。
【0012】
図1に示すように、炉壁光検出装置3の視野方向を直接壁面15に向けて設置することとしても良い。ただし、コークス炉の炭化室は対向する炉壁間の距離が約0.4mと狭いので、破孔検出装置を収納する筐体6の内部空間も狭くなり、炉壁光検出装置の視野方向を炉壁に略垂直に向けて設置することが困難な場合がある。このような場合には、図2に示すように炉壁光検出装置3の視野方向を炉壁に略平行に向けて設置し、炉壁光検出装置3の視野方向に鏡面5を設け、炉壁光検出装置3は鏡面5に反射した炉壁表面光情報を検出することとすると好ましい。
【0013】
図2に示すように、鏡面5を2枚の鏡面によって構成し、各鏡面5は壁面15に対して略45°の角度とし、2枚の鏡面間の角度を略直角とすることができる。さらに図3に示すように炉壁光検出装置3としてCCDカメラ等の撮像装置を用いることとすると、炉壁光検出装置3は1台のみ設置し、2枚の鏡面5で反射した対向する2つの炉壁にある反射光スポット9からの光ビーム反射光8を該1台の炉壁光検出装置3で受光することができる。これにより、1台の炉壁光検出装置3を用いて2面の壁面の破孔検出を同時に行うことが可能となる。
【0014】
炉壁光検出装置3の視野方向に設置する鏡面5は、図3(a)に示すように破孔検出装置を収納する筐体6内に設置しても良いが、図3(b)に示すように鏡面5のみ筐体6の外に設置することとしても良い。これにより、筐体6に設ける透明窓の個数や開口面積を最小限にして、例えば透明窓を1個のみ設置して破孔検出を行うことが可能になる。鏡面5を筐体6の外に設置する場合には、鏡面5の冷却手段を別途設ける必要がある。ステンレス鋼を用いた四角形のミラー管27の外面を鏡面加工して2枚の鏡面5とし、ミラー管27の内部を水冷する構造を採用することができる。冷却水は炉外から供給する方法、炉外からは供給せずに短時間で検出を終了させる方法のいずれをも採用することができる。
【0015】
光ビーム照射装置2で照射する光ビーム7は、前述の通り壁面15に対して斜めに照射すると好ましいので、通常は上記鏡面5に反射せず、直接壁面15に照射することとすると好ましい。ただし、必要に応じて光ビーム照射装置から照射する光ビームを、一度鏡面に反射させて壁面に照射することとしても良い。
【0016】
光ビーム照射装置2としては、レーザー光照射装置を用いると好ましい。ところで、破孔検出を行う高温の炭化室内において、壁面15は自発光で赤色領域に発光している。特にカーボン付着部は燃焼して高温となっており、赤色の発光強度が強い。レーザー光の波長が赤色領域であると、壁面15の自発光に負けて光ビーム反射光8の検出が難しくなる。筐体内に搭載可能な小型レーザー光源として従来から用いられていたものは、赤色レーザーダイオードであり、波長は633nm〜670nmであった。これでは炉壁表面の自発光と共通する波長領域であり、特にカーボン付着部のような高温領域では光ビーム反射光を十分に検出できないことがあった。
【0017】
本発明においては、光ビーム照射装置2を波長550nm以下の光を照射するレーザー光照射装置とし、炉壁光検出装置3は波長550nm以下の光成分を強調して検出することとすると好ましい。波長550nm以下とすれば、壁面15の自発光の強い波長領域と異なるので、炉壁光検出装置3において光ビーム反射光が強調して検出される。
【0018】
炉壁光検出装置3としてカラー撮像装置3cを用い、カラー撮像装置3cで撮像した炉壁表面画像について、波長550nm以下の光成分を強調して画像処理した後に破孔判定装置4によって破孔有無を判定することとすると好ましい。光ビーム照射装置2として緑色レーザーを使用したとする。カラー撮像装置3cとして採用するカラーCCDカメラの各カラー成分すなわちR(赤)、G(緑)、B(青)成分を分解して破孔判定装置4に取り込む。破孔検出のための画像解析はレーザー波長に対応したG成分画像について実行する。G成分画像では炉壁自発光は非常に弱く、光ビーム反射光は明るく観察される。したがって2値化処理により、たとえ壁面の自発光が強烈であっても光ビーム反射光を安定して抽出することができる。
【0019】
破孔判定装置4においては、炉壁光検出装置3で光ビーム反射光8を捉えている間は破孔無しと判定し、炉壁光検出装置3で光ビーム反射光8を捉えられなくなったら破孔発生と判定する。炉壁光検出装置3として1台のカラー撮像装置3cを用いる場合においては、対向する炉壁の各光ビーム反射光の位置が撮像画面内の所定の位置に存在することがわかっているので、画像解析の結果に基づいて当該位置における光ビーム反射光の有無を識別し、当該位置に光ビーム反射光が検出されなくなったら当該壁面の側に破孔が発生したと判定することができる。
【0020】
破孔判定によって破孔発生と判定されたら、結果を伝送する必要がある。破孔検出装置1を収納する筐体6が図4(a)に示すように炉外から冷却水配管29を用いて冷却水を供給して冷却するタイプであれば、冷却水供給管29に沿って電源ケーブルや信号ケーブル30を配設し、冷却水によってこれらケーブルを冷却保護することができる。従って、この信号ケーブル30を用いて破孔判定結果を炉外の記録装置23や警報装置に伝送することができる。
【0021】
破孔検出装置1を収納する筐体6が炉外から冷却水を供給しないタイプの場合には、信号ケーブルを配設することは困難になる。このような場合には、図2(b)に示すように破孔検出装置1を収納する筐体内にワイヤレス伝送送信機21を設置し、図4(b)に示すように炉外にワイヤレス伝送受信機22を設置し、ワイヤレス伝送によって破孔判定結果を炉外に伝送することとしても良い。
【0022】
本発明の破孔検出装置において、破孔判定装置4は炉内に進入する筐体内に設置することとしても良いが、炉壁光検出装置3で検出した信号を直接炉外に伝送し、炉外に配置した破孔判定装置4によって破孔判定を行うこととしても良い。
【0023】
図4に示すように、記録装置23に破孔検出装置現在位置データ28を供給することにより、検出した破孔が炉内のいずれの位置に存在するのかを特定することができる。
【0024】
本発明の破孔検出装置における光ビーム照射装置2と炉壁光検出装置3は、レーザ距離計における発光部と受光部をそれぞれ用いることとしてもよい。ただし、従来用いられているレーザ距離計において、レーザ発光部としては赤色レーザダイオードが採用されているので、これでは炭化室炉壁の自発光との区別がつきにくい。レーザ発光部として波長550nm以下の例えば緑色レーザあるいは青紫レーザを使用し、受光部についても波長550nm以下の光を選択的に受光するような素子を用いあるいは波長選択フィルタを用いれば、炉壁表面の自発光に負けずに破孔を検出することが可能になる。レーザ距離計を用いた場合、レーザ距離計から炉壁表面までの距離が所定の範囲より大きくなった場合、あるいは距離測定が不可能になった場合に破孔発生と判定することができる。
【0025】
本発明の破孔検出装置1は、図4に示すようにコークス炉の押し出し機13に備えることとすると好ましい。即ち、本発明の破孔検出装置1を備えたコークス炉の押し出し機は、コークスの乾留が終了する毎に炭化室内に挿入してコークスを押し出すので、挿入のタイミング毎にコークス炉の破孔判定を行うことが可能になるからである。
【0026】
破孔検出装置1を押し出し機13に備えて検出を行う場合、炭化室炉壁表面のうち、破孔検出装置1の光ビーム7を照射する高さの部分については、炭化室11の奥行方向の全長にわたって破孔検出を行うことができる。一方、炭化室11の高さ方向については、光ビーム7の照射を行う高さ部分のみしか破孔検出を行うことができない。本発明においては、破孔する可能性が高い部位を高さ方向で数カ所選び、その数カ所の高さにおいて破孔検出装置を設置することとすると好ましい。破孔する可能性が高い部位としては、炭化室底部あるいは炭化室上部(石炭装入レベル)を選択すると良い。
【0027】
室炉式コークス炉を用いた本発明のコークスの製造方法においては、炭化室炉壁の破孔を検出できる破孔検出装置を用いて破孔検出を行い、破孔を検出した際には炭化室への石炭装入を中断することとする。破孔検出装置としては、上記本発明の破孔検出装置を用いることができる。
【0028】
従来、コークス炉の押し出し機の運転を手動で行っていた。手動で押し出し機の運転を行うと、破孔が発生したときは燃焼室内の燃料ガスにより炭化室内に火炎が発生したり破孔部の煉瓦輝度が変化するなどの状況になり、押し出し機運転オペレータが破孔発生を判定することも可能な場合があった。最近は、押し出し機の運転が自動化され、自動運転においては押し出し機の動作挙動から破孔発生を検出することが困難である。本発明のコークス製造方法を採用し、破孔検出装置で破孔を検出した際に炭化室の石炭装入を中断することにより、燃焼室の閉塞、蓄熱室の閉塞、燃焼室煉瓦割れ等のトラブルや炉体損傷を未然に防止することが可能になる。
【0029】
本発明のコークス製造方法においては、破孔検出装置を備えたコークス炉の押し出し機を用い、コークス押し出しと同時に破孔検出を行うことができるので、コークス炉操業の生産性を落とさずに円滑に破孔検出を行うことが可能である。
【0030】
【実施例】
図5に示すような本発明の破孔検出装置を用いてコークス炉の破孔検出を行った。コークス炉炭化室の寸法は、炉長(奥行)15.8m、幅420mm(押し出し機側)〜480mm(ガイド車側)である。
【0031】
破孔検出装置1は、筐体6の内部に収納された本体と、筐体6の外部に配置するミラー管27とからなる。筐体6は二重構造となっており、二重構造の壁と壁の間に液体26として25リットルの水を満たすことができる。筐体6と外部との間には給排水配管を設置せず、従って水は循環しないが、短時間の炉内挿入が可能である。筐体6の外周は断熱材26で覆われている。断熱材26にはセラミックファイバーボードを用いた。ステンレス鋼製のミラー管27の表面が鏡面5となっている。この破孔検出装置を、図4(b)に示すように押し出し機13に配置し、押し出し機13でコークスを押し出す際に同時に破孔検出を行うことができる。
【0032】
筐体6の内部には2台の光ビーム照射装置(2a、2b)を配置する。光ビーム照射装置2としては波長532nmのグリーンレーザ光照射装置を用いた。また、炉壁光検出装置3としてカラー撮像装置3c(カラーCCDカメラ)を用いた。光ビーム照射装置(2a、2b)から両サイドの炉壁(15a、15b)に光ビーム(7a、7b)を照射し、反射光のスポット(9a、9b)を含んだ炉壁の画像を、鏡面(5a、5b)に反射させた上でカラーCCDカメラで撮像する。撮像された画像データは、そのままワイヤレス伝送装置21として配置したデジタル無線送信機を用いて炉外に送信される。炉外の押し出し機上にはワイヤレス伝送受信機22としての無線受信機を配置し、この無線受信機で受信した画像データを図示しない破孔判定装置4によって取り込む。
【0033】
破孔判定装置4では、カラーCCDカメラ撮像データのうちG(緑)成分のみを抽出して画像処理に用いる。この画像データを処理して画像上の反射光のスポット9の位置を、炉の設計値から推定される位置(以下「正位置」という。)と比較することにより、反射光のスポット9の位置と正位置との差(以下「正位置との差」という。)を計算する。破孔判定装置4は、正位置との差が±20mm以下であれば煉瓦は有る(破孔は発生していない)と判断してコード「1」を送出し、正位置との差が±20mmを超えていたら煉瓦は無い(破孔が発生している)と判断してコード「0」を送出する。これら処理データは、押し出し機からの炉長方向位置データに基づいて算出した破孔検出装置現在位置データ28と結合し、破孔発生と判定された位置を炉長方向の具体的位置として特定することができる。
【0034】
上記正位置との差は、長年の操業による炉壁凹凸に依存するため、煉瓦有無の閾値の数値は炉壁凹凸により決定する。炉壁凹凸が小さい炉は、閾値の数値が小さく、炉壁凹凸が大きい炉は閾値の数値を大きくする。
【0035】
特定のコークス炉炭化室において、コークス押し出し後に操業オペレータにより炭化室奥行方向押し出し機側から3/4付近、炭化室上部に燃焼室からと思われる火炎が発生していることが確認されたため、本破孔検出装置1を用いて炉壁レンガ破孔検出を実施した。押し出し機13上の破孔検出装置1設置位置は、炭化室上部の石炭装入レベルを検出できる位置に設置した。
【0036】
測定結果を図6に示す。図6において、横軸はP.S端部(押し出し機側端部)からの炭化室奥行方向位置を示す。図中の折れ線及び左側の縦軸が、反射光のスポット9の位置と正位置との差(正位置との差)を示す。図中の●及び右側の縦軸が、煉瓦有無の判定結果を示す。
【0037】
本測定結果より、押し出し機側端部から11.5m付近において正位置との差が−20mmを超える部分が存在し、この部分が「煉瓦無し」(煉瓦破孔部)であると判定された。煉瓦破孔部の検出長さは約340mmであった。よって、本測定結果に基づき熱間補修計画を立て、煉瓦の熱間差込み補修を実施した。その結果、迅速かつ無駄のない最適補修設計および実行がなされた。また、煉瓦破孔部は炉長方向(奥行方向)煉瓦1枚の長さ即ち347mmであり、本測定結果とほぼ一致した。
【0038】
【発明の効果】
本発明は、光ビーム照射装置と炉壁光検出装置と破孔判定装置とを備えた破孔検出装置により、コークス炉炭化室炉壁煉瓦の破孔有無を判断することが可能になる。光ビーム照射装置は波長550nm以下の光を照射するレーザー光照射装置とし、炉壁光検出装置は波長550nm以下の光成分を強調して検出することにより、炉壁の自発光に負けずに破孔検出を行うことができる。
【0039】
本発明のコークスの製造方法において、炭化室炉壁の破孔を検出できる破孔検出装置を用いて破孔検出を行い、破孔を検出した際には炭化室への石炭装入を中断することにより、燃焼室の閉塞、蓄熱室の閉塞、燃焼室煉瓦割れ等のトラブルや炉体損傷を未然に防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の破孔検出装置を用いて炭化室の破孔検出を行う状況を示す平面断面図である。
【図2】本発明の破孔検出装置を用いて炭化室の破孔検出を行う状況を示す平面断面図であり、(a)は冷却水を炉外から供給して筐体を冷却する方式、(b)は炉外から冷却水の供給を行わない方式を示す。
【図3】本発明の破孔検出装置を用いて炭化室の破孔検出を行う状況を示す平面断面図であり、(a)は鏡面を筐体の内部に収納する方式、(b)は鏡面を筐体の外部に設置する方式を示す。
【図4】コークス炉の押し出し機に本発明の破孔検出装置を備えて破孔検出を行う状況を示す図であり、(a)は冷却水を炉外から供給して破孔検出装置を冷却する方式、(b)は炉外から冷却水の供給を行わない方式を示す。
【図5】本発明の破孔検出装置を用いて炭化室の破孔検出を行う状況を示す平面断面図である。
【図6】本発明の破孔検出装置によって破孔検出を行った結果を示す図である。
【符号の説明】
1 破孔検出装置
2 光ビーム照射装置
3 炉壁光検出装置
3c カラー撮像装置
4 破孔判定装置
5 鏡面
6 筐体
7 光ビーム
8 光ビーム反射光
9 反射光のスポット
11 炭化室
12 燃焼室
13 押し出し機
14 破孔
15 壁面
21 ワイヤレス伝送送信機
22 ワイヤレス伝送受信機
23 記録装置
24 冷却水
25 液体
26 断熱材
27 ミラー管
28 破孔検出装置現在位置データ
29 冷却水配管
30 信号ケーブル

Claims (3)

  1. 波長550nm以下の光を照射するレーザー光照射装置カラー撮像装置と破孔判定装置とを備え、該レーザー光照射装置によって炭化室壁面に光ビームを壁面に対して斜めに照射し、該照射した光ビームの反射光を光ビームの照射方向とは異なる視野方向から前記カラー撮像装置によって検出し、該カラー撮像装置で撮像した炉壁表面画像について、波長550nm以下の光成分を強調して画像処理した後に前記破孔判定装置によって光ビーム反射光の有無を識別し、破孔有無を判定することを特徴とするコークス炉の破孔検出装置。
  2. さらに前記カラー撮像装置の視野方向に鏡面を備え、前記カラー撮像装置は該鏡面に反射した前記光ビームの反射光を検出することを特徴とする請求項1に記載のコークス炉の破孔検出装置。
  3. 請求項1又は2に記載の破孔検出装置を備えたことを特徴とするコークス炉の押し出し機。
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