JP4220800B2 - コークス炉炭化室の検査装置を用いたコークス炉炭化室を検査する内部観察手段の軌跡の特定方法およびコークス炉炭化室の検査方法 - Google Patents

コークス炉炭化室の検査装置を用いたコークス炉炭化室を検査する内部観察手段の軌跡の特定方法およびコークス炉炭化室の検査方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、狭幅の空間を介して対面する壁面の状態を検査する装置に関するものであり、より詳細には、コークス炉炭化室などの壁面状態を検査する装置、これを用いたコークス炉炭化室を検査する内部観察手段の軌跡の特定方法及びコークス炉炭化室の検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コークス炉には、石炭を高温乾留するための炭化室と、炭化室を加熱するための燃焼室とが交互に配置されており、コークスの製造は、原料となる石炭を前記炭化室内に充填し、約1,000℃の高温で20時間程度乾留した後、押出ラムで生成コークスを炭化室から押出すサイクルを繰り返すことによって行なわれる。前記炭化室は、室内に充填された石炭への伝熱効率を高めるために、一般に幅約400〜約500mm、長さ約15,000〜約20,000mm、高さ約4,000〜約7,000mmという狭幅の細長い空間であり、炭化室の炉壁は耐火煉瓦で構成されている。耐火煉瓦からなる炉壁であっても、上記過酷な条件での間欠的な連続操業によって欠損箇所が生じたり、カーボンの付着が生じたりする。特に、原料となる石炭の充填時や生成コークスの押出し時には、炉壁方向にも大きな負荷(圧力)がかかるので、炭化室の炉壁は、欠損、変形、移動を起こす。現在日本国内で稼動しているコークス炉の平均寿命は、約30年といわれているが、コークス炉を新たに設備投資するコストは近年極めて高額につき、新たな設備投資は、コークス製造コストを著しく押し上げることになる。そのため、現状のコークス炉を保守・点検することにより、その寿命をいかに延長できるかということが、コークス製造業界の重要な課題となっている。
【0003】
コークス炉炭化室の炉壁の劣化状態としては、例えば、炉壁自体が移動したり変形して炉幅に広狭が生じている場合、炉壁の煉瓦に欠損が生じて炉幅が広がっている場合、炉壁にカーボンが付着して炉幅が狭くなっている場合など様々である。
【0004】
従来の保守・点検方法は、生成コークスを押出す時の押出ラムの負荷電力値や目視観察の結果に基づいて行なわれているが、電力値では、上述した炭化室の炉壁の劣化状態までを把握することができない。また、上述したように炭化室は狭幅の空間であるため、目視では炭化室内部までも観察することはできない。
【0005】
近年、コークス押出装置の押出ラム上にビデオカメラやレーザー距離計などを備えた測定装置を設置し、これを用いて炭化室内部の状態を観察する保守・点検方法が知られている(例えば、特許文献1、2)。これらの測定装置による保守・点検方法は、測定装置の両側の炉壁までの距離をそれぞれ測定し、各炉壁までの距離を合わせて炉幅の距離として測定するものである。しかしながら、このような炉幅を測定する方法では、図1に示したような正常な炭化室の炉幅と、図2のような一方の炉壁にカーボンが付着し、他方の炉壁に欠損が生じているような炭化室の炉幅を区別できないという問題があった。
【0006】
このように炭化室の炉幅しか測定できない主な理由は、炭化室内部へ挿入される測定装置の位置を特定することが困難だからである。これはまず、コークス押出機自体を炭化室に対して一定の位置・方向に設置することが困難であり、押出機が炭化室に対し正対していない場合には、測定装置が設置されている押出ラムが炭化室にななめに挿入されることになる。このような場合、押出ラムの炭化室長手方向の中心線からのずれが炭化室入口においては僅かであっても、炭化室は細長い空間であるために、炭化室出口でのずれは大きなものとなる。さらに、押出時の負荷やカーボン付着などによっては、押出ラムが炭化室内部を真直ぐに移動せず、蛇行する場合もある。このような問題を解決するものとして、例えば、特許文献3および4があり、炭化室内部に挿入される測定装置の位置や方向を特定し、炉壁までの測定距離を補正する方法が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
登録実用新案第3032354号公報
【特許文献2】
特開2000−336370号公報
【特許文献3】
特開平10−279946号公報
【特許文献4】
特開2002−80852号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献3に開示されている方法は、押出ラムに設置された距離センサと外部固定点に張られたワイヤの傾きを検出することにより、押出ラムの挿入時における押出ラムの曲がりや、蛇行などによる距離センサの位置の変動を算出し、距離センサで測定した距離を補正するものである。しかしながら、炭化室入口側でのワイヤの傾き角度は検出し難いため、精度上の問題が生じやすい。特に、ワイヤが炭化室の熱によって伸縮・変形する場合には、正確な傾きを測定することが困難な場合もある。
【0009】
特許文献4に開示されている方法は、押出ラムにマイクロ波距離計からなるセンサ部を設け、前記センサ部を走査させて炉壁までの距離を測定するとともに、前記センサ部をダイオードなどで発光させて、炭化室内部におけるセンサ部の変動を押出機本体に設置されたビデオカメラで測定し、前記センサ部の位置を特定することにより、マイクロ波距離計で測定した距離を補正するものである。この方法は、ビデオカメラの画像によりセンサ部の位置や方向を特定する方法であるため、センサ部とビデオカメラとの距離が大きくなった場合には、精度の低下を招きやすい。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、狭幅の空間を介して対面する壁面の状態、特にコークス炉炭化室のような狭幅の空間を介して対面する炉壁の状態を検査する検査装置、並びに、該検査装置を用いたコークス炉炭化室を検査する内部観察手段の軌跡を特定する方法およびコークス炉炭化室の検査方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することができた本発明とは、狭幅の空間を介して対面する壁面の状態を検査する装置であって、前記検査装置は、検査機本体、前記検査機本体によって前記空間内へ導入される導入手段、前記導入手段に設置された内部観察手段、前記検査機本体側または前記導入手段側に設置されたレーザー出力手段、前記レーザー出力手段から照射されるレーザーを受光する受光手段、及び、前記レーザー受光手段のレーザー受光位置を認識する手段とを備えることを特徴とする。本発明は、レーザ出力手段と、レーザー受光手段と、レーザー受光位置認識手段とを使用して、狭幅空間内部における内部観察手段の軌跡を特定するとともに、前記内部観察手段を用いて狭幅空間を介して対面する壁面の状況を検査するところに要旨がある。例えば、前記レーザー出力手段を検査機本体に設置して、レーザー出力手段から照射されるレーザーを、導入手段に設置された受光手段で受光し、受光手段のレーザー受光位置の変位をレーザー受光位置認識手段により認識することによって、内部観察手段の挙動を把握することができる。前記レーザー受光位置認識手段としては、例えば、画像撮像手段を備えるものを使用することが好ましい。また、前記内部観察手段として、距離測定手段を備えるものを使用すれば、内部観察手段から(両)壁面までのそれぞれの距離を測定することができる。本発明の検査装置は、例えば、コークス炉炭化室のような狭幅の空間を介して対面する壁面の状態の検査に使用することが好ましい。この場合、前記検査装置としては、コークス押出装置を利用することが好ましく、前記検査機本体は押出機本体に、前記導入手段は押出ラムに相当する。また、前記内部観察手段として、例えば、耐熱ケーシングを有し、前記耐熱ケーシング内に、給電手段、前記レーザー受光位置認識手段、距離測定手段、測定データ処理手段を備えるものを使用すれば、コークス炉炭化室内部の状況を詳細に検査することが可能である。前記耐熱ケーシングは、1層以上の断熱層からなり、前記断熱層の少なくとも1層はセラミック繊維からなる層、又は、真空断熱層であることが好ましい。
【0012】
さらに、本発明は、炭化室内を検査する内部観察手段の軌跡を特定する方法を提供するものであり、本発明の内部観察手段の軌跡の特定方法は、
上述した検査装置を用いて、
前記導入手段を全長(T)のコークス炉炭化室へ挿入し、
前記導入手段に設置された内部観察手段を用いて、炭化室入口および炭化室出口における内部観察手段から炉壁までの距離(Y0、YT)を測定し、炭化室入口(L=0)における炭化室長手方向中心線から内部観察手段までの距離(D0)と、炭化室出口(L=T)における前記中心線から内部観察手段までの距離(DT)とを求める工程;
前記レーザー受光位置認識手段を用いて、炭化室入口でのレーザー受光位置と炭化室入口からの距離Lにおけるレーザー受光位置との変位(XL)、および、炭化室入口でのレーザー受光位置と炭化室出口におけるレーザー受光位置との変位(XT)を測定する工程;
前記距離(D0)と(DT)、及び、前記変位(XL)と(XT)から、炭化室入口からの距離Lにおける内部観察手段の軌跡(DL)を特定することを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明は、コークス炉炭化室の検査方法を提供することを目的とし、本発明の検査方法は、上記検査装置を用いて、
前記導入手段を全長(T)のコークス炉炭化室へ挿入し、
前記導入手段に設置された内部観察手段を用いて、炭化室入口からの距離Lにおける内部観察手段から炉壁までの距離(YL)を測定し、炭化室入口(L=0)における炭化室長手方向中心線から内部観察手段までの距離(D0)と、炭化室出口(L=T)における前記中心線から内部観察手段の距離(DT)とを求める工程;
前記レーザー受光位置認識手段を用いて、炭化室入口でのレーザー受光位置と炭化室入口からの距離Lにおけるレーザー受光位置との変位(XL)、および、炭化室入口でのレーザー受光位置と炭化室出口におけるレーザー受光位置との変位(XT)を測定する工程;
前記距離(D0)と(DT)、及び、前記変位(XL)と(XT)から、炭化室入口からの距離Lにおける内部観察手段の軌跡(DL)を特定する工程;及び
前記軌跡(DL)に基づいて、前記測定距離(YL)を補正する工程を含むことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の検査装置は、狭幅の空間を介して対面する壁面の状態を検査する装置であって、前記検査装置は、検査機本体、前記検査機本体によって前記空間内へ導入される導入手段、前記導入手段に設置された内部観察手段を備える。検査の対象となる狭幅の空間は、特に限定されないが、目視で内部の状況を確認するのが難しい狭幅の空間であれば、本発明を好適に適用することができる。前記狭幅の空間としては、例えば、コークス炉炭化室内のほか、工場などの配管内、下水管内、水道管内などの空間を挙げることができる。本発明の検査装置をコークス炉炭化室の検査装置として使用することは極めて好ましい態様である。
【0015】
前記検査機本体は、特に限定されないが、例えば、前記導入手段を狭幅空間内へ導入する駆動手段を備える。また、前記導入手段は、検査機本体によって空間内へ導入されるものであれば、特に限定されないが、狭幅の空間内へ導入されることから、例えば、棒状、又は、板状のものであることが好ましい。
【0016】
前記導入手段には狭幅空間の内部の状態を観察するための内部観察手段が設置されている。前記内部観察手段が備える検査手段は、検査の目的に応じて適宜選択できるが、例えば、狭幅の空間内部を観察するための画像撮像手段、或いは、狭幅の空間の壁面までの距離を測定する距離測定手段などであることが好ましい。また、画像撮像手段と距離測定手段とを兼ね備えたものでもよい。前記画像撮像手段としては、(デジタル)ビデオカメラ、CCDカメラ、ファイバースコープなどを挙げることができ、前記距離測定手段としては、マイクロ波距離計、レーザー距離計などの非接触式距離計を挙げることができる。マイクロ波距離計は、マイクロ波若しくはミリ波領域の電磁波を狭幅空間壁面へ照射してから、反射してくる電磁波を採取するまでの時間を計測し、前記時間を距離に換算するものである。また、レーザー距離計としては、三角測距式のものを使用することが好ましい。
【0017】
前記内部観察手段は、さらに、距離測定手段や画像撮像手段を動作させるための給電手段や、距離測定手段や画像撮像手段からの測定データを処理・保存する測定データ処理手段などの複数の手段を備えるものであってもよい。またさらに、前記内部観察手段が、後述するレーザー出力手段やレーザー受光位置認識手段を備えることも好ましい態様である。
【0018】
さらに、本発明の検査機は、検査機本体側または導入手段側にレーザー出力手段を備え、レーザー出力手段から照射されるレーザーを受光するレーザー受光手段、および、前記レーザー受光手段のレーザー受光位置を認識するレーザー受光位置認識手段とを備える。
【0019】
前記レーザー出力手段は、特に限定されないが、例えば、波長が635nm、出力が15mWの真円コリメート(平行)光出力レーザーマーカが挙げられる。
【0020】
前記レーザー受光手段は、レーザー出力手段から照射されるレーザーを受光できる面を有するものであれば特に限定されず、例えば、碁盤目状の目盛が設けられた板状のものを挙げることができる。碁盤目状の目盛を設けておけば、レーザー受光位置認識手段によって、レーザー受光位置の変位を容易に測定することができるからである。前記レーザー受光位置認識手段は、レーザー受光手段に照射されたレーザー受光位置を認識できるものであれば、特に限定されないが、例えば、画像撮像手段を挙げることができる。前記画像撮像手段としては、(デジタル)ビデオカメラ、CCDカメラ、ファイバースコープなどを挙げることができる。また、レーザー受光手段のレーザー受光位置の変位を精度よく認識するために、画像撮像手段(レーザー受光位置認識手段)の視野や解像度などの性能に応じて、レーザー受光手段と画像撮像手段(レーザー受光位置認識手段)との距離を設定することが好ましく、例えば、レーザー受光手段と画像撮像手段との距離はある程度短く(例えば、約0.2〜0.3m)、かつ、一定にしておくことがより好ましい。レーザー受光手段と画像撮像手段との距離が、短く、かつ、一定の場合には、画像撮像手段の焦点の設定が容易になり、変位の測定精度を高めることができるからである。
【0021】
また、本発明では、レーザー出力手段を検査機本体側、或いは、導入手段側に設置することができ、例えば、レーザー出力手段を検査機本体に設置し、レーザー出力手段から照射されるレーザーを、導入手段に設置された受光手段で受光する態様、或いは、レーザー出力手段を導入手段や内部観察手段に設置し、レーザー出力手段から照射されるレーザーを検査機本体に設置された受光手段で受光する態様であってもよい。いずれの場合であっても、狭幅空間内での内部観察手段の位置を特定することができるからである。
【0022】
上述した本発明の検査装置を、コークス炉炭化室の検査装置として使用することは極めて好ましい態様である。以下、本発明を、コークス炉炭化室の検査装置の態様にもとづいて、詳細に説明するが、本発明の検査装置は、コークス炉炭化室の検査装置に限定されるものではない。
【0023】
本発明のコークス炉炭化室の検査装置は、検査機本体、前記検査機本体によってコークス炉内に導入される導入手段、前記導入手段に設置された内部観察手段、前記検査機本体側または前記導入手段側に設置されたレーザー出力手段、前記レーザー出力手段から照射されるレーザーを受光する受光手段、前記レーザー受光手段のレーザー受光位置を認識する手段を備える。また、前記コークス炉炭化室の検査装置は、上記構成を有するものであれば、特に限定されるものではないが、コークス押出装置を利用することが極めて好ましい態様である。かかる場合には、検査機本体がコークス押出機本体に、導入手段が押出ラムに夫々相当する。コークス押出装置を利用する態様においても、レーザー出力手段を、押出機本体側、或いは、押出ラム側に設置することができ、例えば、レーザー出力手段を押出機本体に設置し、レーザー出力手段から照射されるレーザーを、押出ラムに設置された受光手段で受光する態様、或いは、レーザー出力手段を押出ラムや内部観察手段に設置し、レーザー出力手段から照射されるレーザーを押出機本体に設置された受光手段で受光する態様であってもよい。いずれの場合であっても、炭化室内での内部観察手段の位置を特定することができるからである。また、レーザー出力手段を押出機本体に設けられているフレーム、或いは、押出機本体側に押出機本体から切り離されて設けられたフレームに設置することも好ましい態様である。押出機本体から切り離されて設けられたフレームに設置すれば、コークス押出時の押出機のゆれなどの影響を小さくすることができるからである。
【0024】
図3は、コークス押出機を利用したコークス炉炭化室の検査装置を例示する概略側面図である。前記検査装置は、レーザー出力手段4を備えた押出機本体1、該押出機本体1によって炭化室内へ導入される押出ラム2を備え、前記押出ラム2には、内部観察手段3、レーザー出力手段4から照射されるレーザーを受光するレーザー受光手段5が設置されている。そして、内部観察手段3には、後述するように、レーザー受光位置認識手段が備えられている。また、レーザー受光手段5としては、例えば、碁盤目状の目盛を設けた鋼鉄板を使用することが好ましい。炭化室内部へ挿入されることから耐熱性が要求されるからである。
【0025】
図4は、押出ラム2に設置された内部観察手段3を例示する水平断面図である。該内部観察装手段3は、3層の断熱層からなる耐熱ケーシング10を有し、その内部に、給電手段13、レーザー受光位置認識手段であるビデオカメラ6、距離測定手段であるレーザー距離計11、測定データ処理手段12、炉壁面の凹凸を観察するための画像撮像手段(ビデオカメラ)14、及び、レーザー式位置検出スイッチ15を備えている。上記レーザー距離計11や給電手段13などを耐熱ケーシング10内に備えることによって、内部観察手段3を取外し自在のポータブルタイプにすることができる。また、前記耐熱ケーシング10には、レーザー距離計11から照射されるレーザーの透過部、或いは、レーザー受光位置認識手段6及び画像撮像手段14の視野部となる窓18が設けられている。前記窓18は、断熱性という観点から金属蒸着の耐熱ガラスで構成されていることが好ましい。
【0026】
前記耐熱ケーシング10は、レーザー距離計11やビデオカメラ6、14などの測定手段を炭化室内の熱から保護するためのものであり、1層以上の断熱層を有するものであれば、特に限定されない。前記耐熱ケーシング10を構成する断熱層としては、例えば、セラミックス繊維からなる断熱層や真空断熱層などを挙げることができる。セラミックス繊維からなる層は耐熱・耐火性、断熱性などに優れるので、耐熱ケーシング10を構成する断熱層の少なくとも1層をセラミックス繊維から成る層とすることが好ましい。特に、前記耐熱ケーシングを複数の断熱層からなる耐熱ケーシングとすることが好ましく、例えば、セラミックス繊維プレート層、熱伝導性の低い微孔質の遮断プレート層、及び、耐火領域からの高い使用温度を持つセラミックス繊維からなる層を有するものは耐熱ケーシングとして好適に使用することができる。
【0027】
また、耐熱ケーシングを構成する断熱層の少なくとも1層を真空断熱層とすることも好ましい態様である。前記真空断熱層は、例えば、耐熱ケーシング内部にはめ込むことができる層状の密閉容器であり、断熱効果を有する程度に減圧されているものであれば特に限定されない。この場合、炉壁の状態を画像により観察し、或いは、炉壁にレーザーを照射するという観点から、層状密閉容器の材質は、耐熱ガラスなどの透明部材で形成されていることが好ましい。また、層状密閉容器の材質の一部のみを透明部材で形成し、或いは、層状密閉容器の一部分を開口部とし、かかる部分をレーザー距離計11から照射されるレーザー光の透過部、或いは、レーザー受光位置認識手段6および画像撮像手段14の視野部とすることも好ましい態様である。前記耐熱ケーシング10には、さらに内層として金属製のガイドフレームが、また、外層として前記断熱層を機械的な損傷から保護する目的の多孔体層が設けられていてもよい。
【0028】
前記耐熱ケーシング10には、左右両側の炉壁に照射するため少なくとも2台のレーザー距離計11,11が備えられていることが好ましい。レーザー距離計11,11を2台を備えている場合には、同時に両側のそれぞれの炉壁までの距離を測定できるからである。1台しか備えられていない場合は、まず一方の炉壁までの距離を測定した後、レーザー距離計11の向きを代えて、他方の炉壁までの距離を測定すればよい。また、図4の態様では、レーザー距離計の前方に鏡17が設置され、レーザー距離計11から照射されるレーザーが鏡17に反射して炉壁20へ照射するように構成されているが、レーザーを直接炉壁に照射するように設置してもよい。また、レーザー距離計11から照射されるレーザーの波長が属する特定波長領域の光線のみを透過させるバンドパスフィルタ16をレーザー距離計11の前方に設置し、測定精度を高めることも好ましい態様である。
【0029】
前記測定データ処理手段12は、レーザー距離計11やビデオカメラ6、14などで測定されたデータを保存するものであれば特に限定されず、例えば、メモリー、ハードディスクなどの記録媒体を挙げることができる。また前記測定データ処理手段12は、電子部品を制御したり、測定データを処理・保存する機能などを有するプログラム可能なコンピュータであってもよく、例えば、タイマーによる電源のオン・オフ機能や、測定データを時刻に関連づけて保存する機能や測定データの演算処理ができるようにプログラムをすることができる。
【0030】
前記内部観察手段3が、炭化室内部に入ったことを検出するレーザー式位置検出スイッチ15を備えていることも好ましい態様である。前記レーザー式位置検出スイッチ15は、例えば、押出機のフレームに取付けた反射板(図示せず)に向かってレーザーを照射し、反射板で反射されたレーザー反射光を検出することによって、給電手段13と連動して、内部観察手段内の電子部品の電源をオンまたはオフとするものである。前記反射板としては、押出ラムの輻射熱を考慮して、例えば、耐熱性の反射布を使用することが好ましい。また、タイマー機能を併用し、レーザー反射光を検出してから一定時間後に内部観察手段3に備えられた各手段の電源をオンとすることも好ましい態様である。このような構成とすることにより、電子部品の消費電力を少なくすることができる。
【0031】
本発明のコークス炉炭化室の検査装置は、例えば、次のような態様に変更することもできる。例えば、レーザー受光位置認識手段6は、図5のように内部観察手段3の前方に別途設置されていてもよい。この場合、レーザー受光位置認識手段6としては、例えば、画像撮像手段である(デジタル)ビデオカメラを耐熱ケーシングに格納して使用することが好ましい。また、図3の態様では、内部観察手段3が押出ラム上に設置されているが、図6のように押出ラム或いはラムヘッドの複数高さに内部観察手段3を設けることも好ましい態様である。押出ラム2を炭化室内に一度挿入するだけで、複数高さにおける炉壁の状態を観察することができるからである。
【0032】
次に、上述した検査装置を用いたコークス炉炭化室を検査する内部観察手段の軌跡の特定方法、及び、コークス炉炭化室の検査方法について説明する。
【0033】
本発明の方法では、検査機本体側または導入手段側に備えられたレーザー出力手段と、該レーザー出力手段から照射されるレーザーを受光するレーザー受光手段と、該受光手段のレーザー受光位置を認識する手段とを用いて、炭化室内部における内部観察手段の軌跡(DL)を特定し、さらに、内部観察手段を用いて左右の各炉壁までの距離を測定するところに要旨がある。尚、本発明の炭化室を検査する内部観察手段の軌跡の特定方法は、炭化室の検査方法に共通するため、以下、炭化室の検査方法の態様に基づいて説明をする。
【0034】
本発明の検査方法は、上述した本発明のコークス炉炭化室の検査装置を用いて、導入手段を全長(T)のコークス炉炭化室に挿入し、前記導入手段に設置された内部観察手段を用いて、炭化室入口からの距離Lにおける内部観察手段から炉壁までの距離(YL)を測定し、炭化室入口(L=0)における炭化室長手方向中心線から内部観察手段までの距離(D0)と炭化室出口(L=T)における前記中心線から内部観察手段までの距離(DT)を求める工程;
前記レーザー受光位置認識手段を用いて、炭化室入口でのレーザー受光位置と炭化室入口からの距離Lにおけるレーザー受光位置との変位(XL)および、炭化室入口でのレーザー受光位置と炭化室出口におけるレーザー受光位置との変位(XT)を測定する工程;
前記距離(D0)と(DT)、及び、前記変位(XL)と(XT)から炭化室入口からの距離Lにおける内部観察手段の軌跡(DL)を特定する工程;及び
前記軌跡(DL)に基づいて、前記測定距離(YL)を補正する工程を含むことを特徴とする。
【0035】
ここで、前記軌跡(DL)は、炭化室入口からの距離Lにおける炭化室長手方向中心線から内部観察手段までの距離である。前記軌跡(DL)と前記距離(D0、DT)は、炭化室入口(M/S:マシンサイド)から出口(C/S:コークスサイド)に向かって、炭化室の長手方向中心線から左側の距離には正の符号を、右側の距離には負の符号をつけるものとする。また、前記変位(XL)、(XT)については、炭化室入口からの距離LおよびTにおけるレーザー受光位置が炭化室入口における受光位置に対して、右側に移動した場合を正の符号とし、逆の場合には負の符号とする。すなわち、押出ラム(または内部観察手段)が左炉壁側に移動していく場合に正の符号となる。また、測定距離(YL)については、炭化室入口から出口に向かって、内部観察手段から左炉壁までの測定距離を正の符号で、右炉壁までの測定距離を負の符号で表わすものとする。
【0036】
尚、炭化室を検査する内部観察手段の軌跡を特定する場合には、炭化室入口、及び、炭化室出口における内部観察手段から炉壁までの距離(Y0,YT)のみを測定し、炭化室入口(L=0)における炭化室長手方向中心線から内部観察手段までの距離(D0)と炭化室出口(L=T)における前記中心線から内部観察手段までの距離(DT)を求めるようにすればよい。
【0037】
本発明の方法で使用するコークス炉炭化室の検査装置としては、上述したようにコークス押出装置を利用することが極めて好ましい態様であり、この場合には、導入手段は押出ラムに、検査機本体は押出機本体に相当する。以下、本発明の検査方法について、コークス押出装置を使用した態様に基づいて説明する。
【0038】
本発明の検査方法では、まず全長(T)のコークス炉炭化室に押出ラムを挿入し、押出ラムに設置された内部観察手段を用いて、前記押出ラムを移動させながら、炭化室入口からの距離Lにおける内部観察手段から炉壁までの距離(YL)を測定する。内部観察手段から炉壁までの距離(YL)の測定は、上述したように内部観察手段から右炉壁までの距離と左炉壁までの距離とを同時に測定することが好ましい。この場合、便宜上、左炉壁までの距離には正の符号を、右炉壁までの距離には負の符号をつけて取り扱う。
【0039】
炉壁までの距離(YL)は、上述した距離測定手段を使用して測定することができ、好ましくは、レーザー距離計で測定する。レーザー距離計を用いて測定する場合には、前記距離(YL)は、レーザー距離計のレーザー照射経路の距離に基づいて、内部観察手段の中心から炉壁までの距離に換算した距離である。
【0040】
前記距離(YL)の測定は、炭化室の全長(T)にわたって連続で行うことが好ましいが、距離測定手段の性能に応じて、炭化室の全長(T)の複数ポイントで行うようにしてもよい。また、前記測定は、例えば、コークスを押出ラムで押出す際、コークスを押出した後に押出ラムを引き戻す際、或いは、空窯の状態に押出ラムを挿入して行うことができる。測定の際、導入手段である押出ラムの移動速度を一定速度としておけば、測定距離(YL)と炭化室入口からの距離Lとを関連づけることができる。炭化室入口からの距離Lは、例えば、押出ラムの移動速度を一定とし、測定データ処理手段または押出機本体に時刻のカウント機能を設けて、前記速度と時刻の積から移動距離を求める方法、或いは、押出機本体部において、押出ラムを駆動する際のモータ、或いは、駆動部の回転数などから算出してもよい。
【0041】
炭化室入口からの距離Lにおける測定距離(YL)は、測定データ処理手段に保存することができ、上述した時刻、或いは、距離Lと関連づけて測定データ処理手段に保存することが好ましい。
【0042】
次に、前記測定距離(YL)に基づいて、炭化室入口(L=0)及び炭化室出口(L=T)における炭化室長手方向中心線21から内部観察手段までの距離(D0)、(DT)を算出する(図7参照)。炭化室入口(L=0)における測定距離を(Y0)、炭化室出口(L=T)における測定距離を(YT)とすると、(D0)および(DT)は、下記式(1)、及び(2)により算出される。
【0043】
0=1/2(炭化室入口の炉幅)−Y0 式(1)
T=1/2(炭化室出口の炉幅)−YT 式(2)
式中、Y0またはYTは、左炉壁までの距離(正の符号のもの)を採用し、炭化室入口および出口の炉幅は、炭化室入口および出口における左右の測定距離の絶対値の和で表わすことができる。また、炭化室入口と出口の炉幅は、炭化室の入口や出口に設けられている金属製フレームの幅の値を採用してもよい。
【0044】
本発明の検査方法では、上述したレーザー受光位置認識手段を用いて、炭化室入口でのレーザー受光位置と炭化室入口からの距離Lにおけるレーザー受光位置の変位(XL)および、炭化室入口でのレーザー受光位置と炭化室出口におけるレーザー受光位置との変位(XT)を測定する。例えば、レーザー出力手段からレーザー受光手段に照射されたレーザーの受光位置を、レーザー受光位置認識手段であるビデオカメラ6によって撮像し、炭化室入口におけるレーザー受光位置の画像と炭化室入口からの距離Lにおけるレーザー受光位置の画像とを目視で比較して変位(XL)を、炭化室入口におけるレーザー受光位置の画像と炭化室出口におけるレーザー受光位置の画像とを目視で比較して変位(XT)を求めることができる。また、撮像した画像を画像解析手段(例えば、画像解析ソフトを有するコンピュータ)により処理して、炭化室入口でのレーザー受光位置と炭化室入口からの距離Lにおけるレーザー受光位置の変位(XL)および、炭化室入口でのレーザー受光位置と炭化室出口におけるレーザー受光位置との変位(XT)を求めることも好ましい態様である。
【0045】
前記レーザー受光位置認識手段によるレーザー受光位置の撮像は、上述した炉壁までの距離(YL)の測定と同時に行うことが好ましく、例えば、コークスを押出ラムで押出す際、コークスを押出した後に押出ラムを引き戻す際、或いは、空窯の状態に押出ラムを挿入して行えばよい。また、レーザー受光位置認識手段によるレーザー受光位置の撮像は、炭化室の全長(T)にわたって連続して測定することが好ましいが、レーザー受光位置認識手段の性能に応じて、炭化室の全長(T)の複数ポイントで測定するようにしてもよい。
【0046】
図8は、押出ラムが炭化室内を移動する際の押出ラムの挿入状態及びレーザー受光位置の変化を例示する説明図である。図8では、挿入された押出ラムが炭化室の左炉壁に近づいており、この場合における押出機側から見たレーザー受光手段5のレーザー受光位置の変化の様子を図8(a)〜(c)に示した。図8(a)は、炭化室入口におけるレーザー受光位置を例示するものであり、レーザー受光手段の碁盤目に示された黒丸のポイントが、炭化室入口におけるレーザーの受光位置に相当する。図8(b)は、押出ラムが炭化室内を移動している際のレーザー受光位置を例示するものであり、黒丸のポイントは現在(移動距離L)のレーザー受光位置を示し、白丸のポイントは、炭化室入口におけるレーザー受光位置を示している。図8(b)では、押出ラムが炭化室左炉壁側によっているために、現在のレーザー受光位置(黒丸ポイント)は、碁盤目の右側にシフトしている。
【0047】
図8(c)は、炭化室出口(L=T)におけるレーザー受光位置を示すものであり、黒丸のポイントが炭化室出口におけるレーザー受光位置であり、押出ラムが炭化室左炉壁側にかなり近づいているために、碁盤目状の目盛りのほぼ中心付近までシフトしている。尚、白丸のポイントは、炭化室入口におけるレーザー受光位置を示している。ここで、炭化室入口におけるレーザー受光位置と炭化室の入口からの移動距離Lにおけるレーザー受光位置の変位(XL)は、図8(b)における白丸ポイントと黒丸ポイントとの間の距離を意味する。また、炭化室入口におけるレーザー受光位置と炭化室出口におけるレーザー受光位置の変位(XT)は、図8(c)における白丸ポイントと黒丸ポイントとの間の距離を意味する。
【0048】
次に、前記距離(D0)と(DT)、及び、前記変位(XL)と(XT)から炭化室入口からの距離Lにおける内部観察手段の軌跡(DL)を特定する工程について説明する。
【0049】
まず、XD=DT−D0によりXDを算出する。XDは、図7に示す様に、炭化室の入口と出口における炭化室の幅方向の内部観察手段の実際の変位を示すものである。次に、W=XT−XDによりWを求める。ここで、XTは、上述した方法により求めることができ、レーザーの照射方向に対する内部観察手段自体の変位を示す量になる。従って、W=XT−XDによって求められるWは、炭化室長手方向の中心線に対するレーザー自体の傾斜を示すものとなる。
【0050】
図9は、炭化室の長手方向中心線に対するレーザーの傾斜を例示する説明図である。図9に示すように、Wは、炭化室入口において照射したレーザーが、約16m先の炭化室出口においてWだけずれていることを意味し、Wの符号が正の場合は、炭化室長手方向中心線の右側から左側方向に向かうように傾いて、炭化室入口側よりレーザーが照射されていたことになり、Wの符号が負になる場合は、レーザーが炭化室長手方向中心線の左側から右側に向かうように傾いて、炭化室の入口側からレーザーが照射されていたことになる。ここで、炭化室入口からの距離Lにおけるレーザーのずれは、W×(L/T)で表わすことができ、変位(XL)および距離(D0)から、レーザーの傾斜分を補正することにより、真の内部観察手段の軌跡(DL)を求めることができる。
【0051】
そして、前記内部観察手段の軌跡(DL)は、
L=D0+XL−W×(L/T) 式(3)で表わすことができる。
【0052】
ここで、上記(DL)は、炭化室入口からの距離Lにおける炭化室長手方向中心線から内部観察手段までの距離であり、内部観察手段の炭化室内部の軌跡を表わすものである。
【0053】
本発明の検査方法によれば、この軌跡(DL)を利用して、炭化室の長手方向中心線から各炉壁までの正確な距離(SL)を求めることができる。すなわち、右炉壁までの測定距離(YL)と左炉壁までの測定距離(YL)のそれぞれについて、SL=YL+DLによって前記測定距離(YL)を補正し、炭化室の中心から炉壁までの正確な距離(SL)を求めることができる。また、前記測定距離(YL)および前記軌跡(DL)を求める式は、前記測定距離(YL)および変位(XL)などの測定データのポイント数に応じて適宜変形してもよい。
【0054】
本発明の検査方法では、前記測定距離(YL)及び変位(XL)の測定終了後に押出ラムから内部観察手段を取外し、測定データ処理手段に保存された測定距離(YL)及び変位(XL)などの測定データを別のコンピュータなどに読み込み、該コンピュータを使用して、D0、DT、XD、W、DL、及び、SLなどを算出するようにしてもよい。
【0055】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
(1)コークス炉検査装置の構成
コークス押出機を利用して、図3のように、押出機本体1にレーザー出力手段4を、押出ラム2に内部観察手段3と碁盤目の目盛りを施した鋼鉄製板(レーザー受光手段5)を設置した。前記内部観察手段3には、図4に示す様に、レーザー距離計11、レーザー受光位置を認識するためのビデオカメラ6、測定データ処理手段12であるプログラマブルコンピュータ、給電手段13、画像撮像手段であるビデオカメラ14、及び、レーザー式位置検出スイッチ15を備えたものを使用した。耐熱ケーシング10は、セラミックス繊維からなる断熱層の3層構造とした。
(2)コークス炉炭化室の検査方法
上記コークス炉炭化室の検査装置(コークス押出機)を用いて、押出ラムを約448mm/sの一定速度で、全長15560mmの炭化室に挿入し、レーザー距離計11(測定周期:10回/秒)、レーザー受光位置認識手段であるビデオカメラ6(測定周期:1回/秒)などを動作させ、炉壁までの距離(YL)の測定、及び、レーザー受光位置の変位(XL、XT)の測定を行った。炉壁の検査には約35秒(34.7秒)を要した。
【0056】
炭化室入口及び出口において測定した距離の結果に基づいて、炭化室入口における炭化室長手方向中心線から内部観察手段までの距離(D0)、及び、炭化室出口における前記中心線から内部観察装置までの距離(DT)を算出したところ、それぞれD0=−14.63mm、DT=28.06mmとなった。
【0057】
また、レーザー受光位置認識手段であるビデオカメラ6を用いて、炭化室入口のレーザー受光位置と炭化室入口からの移動距離Lにおけるレーザー受光位置の変位(XL)を測定した結果を図10に示した。図10から、炭化室入口におけるレーザー受光位置と炭化室出口におけるレーザー受光位置との変位(XT)は、XT=−27mmであった。この結果より、内部観察手段は、炭化室出口付近では、見かけ上(レーザーが炭化室の長手方向中心線と平行に照射されていたと仮定すると)、右側に約27mmずれていることが分かる。
【0058】
上記のようにして求めたXT、DT、及び、D0より、XDとWとを算出すると次のようになった。
【0059】
D=DT−D0=28.06−(−14.63)=42.69mm、
W=XT−XD=−27−42.69=−69.69mm
この結果より、押出機本体から照射されたレーザーが炭化室出口付近では右側に約70mmずれていることが分かる。そして、W=−69.69mm、T=15560mmを下記式に代入して、図10に示した距離(XL)の各値について、DL=D0+XL−W×(L/T)によって、内部観察手段の軌跡(DL)を求めた。その結果を、図11に示した。図11から、実際には、内部観察手段が炭化室出口付近において、炭化室の中心線から左壁面側に約30mmずれていることが分かった。また、炭化室内での内部観察手段の軌跡(DL)にもとづいて、右炉壁までの実測測定距離(YL)と左炉壁までの実測測定距離(YL)のそれぞれを補正し、炭化室の長手方向中心線から炉壁までの距離(SL)を求めた結果を、図12に示した。図12中、「△」でプロットされている曲線は、実測測定距離(YL)を、「○」でプロットされている曲線は、軌跡(DL)に基づいて補正をした距離(SL)を示している。また、前記変位(XL)、軌跡(DL)、測定距離(YL)、および、前記中心線から炉壁までの距離(SL)の測定結果を表1に示した。
【0060】
【表1】
Figure 0004220800
【0061】
図12及び表1の結果より、補正後の左炉壁面までの距離(SL)は、炭化室出口側では、炭化室内での内部観察手段の位置を特定する前の測定距離(YL)よりもやや大きくなっており、一方、補正後の右炉壁面までの距離(SL:絶対値)は、炭化室出口側において、前記測定距離(YL:絶対値)よりも小さくなっていることが分かる。このように、炭化室を検査する内部観察手段の軌跡を特定し、さらに、特定された軌跡に基づいて、実測した各炉壁までの距離を補正すると、炭化室長手方向中心線から各炉壁までの正確な距離を得ることができる。
【0062】
尚、前記測定距離(YL)は、測定周期が10回/1秒のレーザー距離計を使用して、炭化室の全長(T)にわたる約350ポイントで測定されているが、前記変位(XL)は、測定周期が1回/1秒のデジタルビデオカメラを用いて、炭化室の全長(T)にわたる約35ポイントでのみ測定されている。従って、図12および表1では、測定距離(YL)の測定ポイントと変位(XL)の測定ポイントが一致するポイントのデータのみを示した。前記測定距離(YL)の測定ポイントと変位(XL)の測定ポイントが一致しない測定距離(YL)の補正は、便宜上、両者が一致するときの軌跡(DL)の値を援用してもよい。例えば、表1中、移動距離(L)が448mm〜897mmの間では、測定距離(YL)の測定ポイントがほかに9点実在するが(表1には記載せず)、便宜上、これらの測定ポイントに対しては、移動距離448mmにおける軌跡(D448)=-17.62mmを援用して、中心線から炉壁までの距離(SL)を求めてもよい。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、狭幅の空間内へ導入された内部観察手段の位置を特定することができ、狭幅の空間を介して対面する左右の壁面の状態を精度よく観察することができる。特に、前記狭幅の空間がコークス炉炭化室の場合は、炭化室の長手方向中心線から左右の炉壁面までの距離を精度よく測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 炉壁に欠損がない炭化室の水平断面図。
【図2】 炉壁に欠損がある炭化室の水平断面図。
【図3】 本発明の検査装置を例示する側面図。
【図4】 本発明で使用する内部観察手段を例示する水平断面図。
【図5】 本発明の検査装置の別例を例示する側面図。
【図6】 本発明の検査装置の別例を例示する側面図。
【図7】 内部観察手段の位置関係を例示する説明図。
【図8】 押出ラムの挿入状態及びレーザー受光位置の変位を例示する説明図。
【図9】 レーザーの傾斜を例示する説明図。
【図10】 炭化室入口からの距離Lにおけるレーザー受光位置の変位(XL)を示すグラフ。
【図11】 炭化室入口からの距離Lにおける押出ラムの軌跡(DL)を示すグラフ。
【図12】 炭化室長手方向中心線から左右の炉壁までの距離を示すグラフ。
【符号の説明】
1:検査機本体(押出機本体)、2:導入手段(押出ラム)、3:内部観察手段、4:レーザー出力手段、5:レーザー受光手段、6:レーザー受光位置認識手段(ビデオカメラ)、7:ラムヘッド、10:耐熱ケーシング、
11:距離測定手段(レーザー距離計)、12:測定データ処理手段、13:給電手段、14:画像撮像手段、15:レーザー式位置検出スイッチ、16:バンドパスフィルタ、17:鏡、18:窓、19:配線、20:炉壁、21:炭化室長手方向中心線

Claims (2)

  1. 狭幅の空間を介して対面するコークス炉炭化室の壁面の状態を検査するコークス炉炭化室の検査装置であって、前記検査装置は、コークス押出装置であって、
    押出機本体、
    前記押出機本体によって前記空間内へ導入される押出ラム、
    前記押出ラムに設置され、距離測定手段を備える内部観察手段、
    前記押出機本体側に設置されたレーザー出力手段、
    前記押出ラムに設置され、前記レーザー出力手段から照射されるレーザーを受光する受光手段、及び、
    前記レーザー受光手段のレーザー受光位置を認識する画像撮像手段とを備え、前記内部観察手段は、耐熱ケーシングを有し、該耐熱ケーシング内に、給電手段、前記レーザー受光位置認識手段である画像撮像手段、前記距離測定手段、及び、測定データ処理手段を備えていることを特徴とするコークス炉炭化室の検査装置を用いて、
    前記押出ラムを全長(T)のコークス炉炭化室へ挿入し、
    前記押出ラムに設置された内部観察手段を用いて、炭化室入口および炭化室出口における内部観察手段から炉壁までの距離(Y0、)を測定し、炭化室入口(L=0)における炭化室長手方向中心線から内部観察手段までの距離(D)と、炭化室出口(L=T)における前記中心線から内部観察手段までの距離(D)とを求める工程;
    前記レーザー受光位置認識手段である画像撮像手段を用いて、炭化室入口でのレーザー受光位置と炭化室入口からの距離Lにおけるレーザー受光位置との変位(X)、および、炭化室入口でのレーザー受光位置と炭化室出口におけるレーザー受光位置との変位(X)を測定する工程;
    前記距離(D)と(D)、及び、前記変位(X)と(X)から、炭化室入口からの距離Lにおける内部観察手段の軌跡(D)を特定することを特徴とするコークス炉炭化室内を検査する内部観察手段の軌跡の特定方法。
  2. 狭幅の空間を介して対面するコークス炉炭化室の壁面の状態を検査するコークス炉炭化室の検査装置であって、前記検査装置は、コークス押出装置であって、
    押出機本体、
    前記押出機本体によって前記空間内へ導入される押出ラム、
    前記押出ラムに設置され、距離測定手段を備える内部観察手段、
    前記押出機本体側に設置されたレーザー出力手段、
    前記押出ラムに設置され、前記レーザー出力手段から照射されるレーザーを受光する受光手段、及び、
    前記レーザー受光手段のレーザー受光位置を認識する画像撮像手段とを備え、前記内部観察手段は、耐熱ケーシングを有し、該耐熱ケーシング内に、給電手段、前記レーザー受光位置認識手段である画像撮像手段、前記距離測定手段、及び、測定データ処理手段を備えていることを特徴とするコークス炉炭化室の検査装置を用いて、
    前記押出ラムを全長(T)のコークス炉炭化室へ挿入し、
    前記押出ラムに設置された内部観察手段を用いて、炭化室入口からの距離Lにおける内部観察手段から炉壁までの距離(Y)を測定し、炭化室入口(L=0)における炭化室長手方向中心線から内部観察手段までの距離(D)と、炭化室出口(L=T)における前記中心線から内部観察手段までの距離(D)とを求める工程;
    前記レーザー受光位置認識手段である画像撮像手段を用いて、炭化室入口でのレーザー受光位置と炭化室入口からの距離Lにおけるレーザー受光位置との変位(X)および、炭化室入口でのレーザー受光位置と炭化室出口におけるレーザー受光位置との変位(X)を測定する工程;
    前記距離(D)と(D)、及び、前記変位(X)と(X)から、炭化室入口からの距離Lにおける内部観察手段の軌跡(D)を特定する工程;及び
    前記軌跡(D)に基づいて、前記測定距離(Y)を補正する工程を含むことを特徴とするコークス炉炭化室の検査方法。
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