JP5451335B2 - マウント装置およびマウント方法 - Google Patents
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Description
そして、上記のような状態のウェハをダイシングすると、ダイシングされた各チップ間隔は、接着シートの弾性復元力によりチップ間隔が不均一になってしまい、これら各チップをピックアップする時に正確な位置を支持することができなくなる。これにより、支持したチップを正確な位置にボンディングすることができなくなりボンディング不良を発生する不都合が生じる。
また、本発明のマウント装置では、前記接着シート支持手段は、前記移動部材を前記中央方向に向かって移動させる制御機構を備えている、ことが好ましい。
ここで、接着シートは、ある程度の張力が加えられないと被着体に皺や気泡なく貼付することはできない。本発明でいう「余分な張力」とは、例えば、上記のようにチップの間隔が不均一になってボンディング不良を発生するといった、被着体に所定の処理を施す各過程において支障を来たすような張力のことをいう。
図1において、マウント装置1は、被着体としてのウェハW1およびフレームとしてのリングフレームRFに接着シートとしてのマウント用シートMSを貼付し、このマウント用シートMSでウェハW1とリングフレームRFとを一体化するものである。ここで、ウェハW1は、図2(A)にも示すように、外縁部がそれ以外の部分よりも厚くなるように研削されることで、厚さ方向(裏面側)に突出した環状の凸部W11が外縁部に形成され、凸部W11で囲まれた内側に凹部W12が形成されるとともに、その表面(研削面の反対側であり、図1の下側の面)W13に回路が形成された半導体ウェハである。ウェハW1は、凹部W12の底面W15および内周面W16と、凸部W11の頂面W14とにマウント用シートMSが貼付されてリングフレームRFと一体化される。マウント用シートMSは、基材シートの一方の面に接着剤層が積層された構成を有し、ウェハW1の外形形状よりも大きな外形形状を有するとともに、リングフレームRFの開口部よりも大きく、その面内に収まる外形に予め切断されている。なお、表面W13には、図示しない保護シートが貼付されている。
そして、マウント装置1は、マウント用シートMSを供給するシート供給手段2と、このシート供給手段2から供給されるマウント用シートMSをウェハW1に貼付する第1貼付手段としての減圧貼付手段3と、ウェハW1やリングフレームRF等を移動させる移動手段4と、マウント用シートMSをリングフレームRFに貼付する第2貼付手段としての第2押圧ローラ5とを備えている。なお、以下の説明において、図1中右側を上流側、同図左側を下流側ということがある。
被着体支持手段33は、ウェハW1が載置されるとともに直動モータ332で昇降する略円板状の内側テーブル331を備えている。内側テーブル331は、図示しない保持手段によって、ウェハW1をその上面で所定位置に保持可能に設けられている。
接着シート支持手段34は、ゴムや樹脂等で構成された弾性変形可能な部材によりリング状に形成され、上面でマウント用シートMSを支持可能な移動部材としての変形許容部材341と、この変形許容部材341を保持する保持部342と、この保持部342を昇降または傾斜させる傾斜手段343とを備えている。保持部342は、筒状の保持部本体344と、この保持部本体344の下端面の上流側と下流側を結ぶ下端連結部345とを備えている。傾斜手段343は、下端連結部345の上流側および下流側を昇降させる上流側直動モータ347と、下流側直動モータ348とを備えている。なお、変形許容部材341は、マウント用シートMSよりも弾性率が小さい材質のものが採用されている。
フレーム支持手段35は、接着シート支持手段34を囲む円筒状に形成されて上面にリングフレームRFが載置される外側テーブル351と、この外側テーブル351を昇降させる一対の直動モータ352とを備えている。外側テーブル351は、図示しない保持手段によって、リングフレームRFをその上面で所定位置に保持可能に設けられている。
第2押圧ローラ5は、図示しない駆動手段によって図1中上下方向に昇降可能に設けられている。
まず、下チャンバ31がシート供給手段2よりも上流側に位置している状態において、被着体支持手段33およびフレーム支持手段35で、ウェハW1およびリングフレームRFがそれぞれ図示しない保持手段によって所定の位置に位置決めされて保持される。このとき、ウェハW1の頂面W14は、リングフレームRFの上面よりも上方に位置するように位置決めされ、変形許容部材341の上面は、ウェハW1の頂面W14よりも上方に位置するように位置決めされている。
そして、移動手段4で下チャンバ31を下流側に移動させつつ、シート供給手段2から繰り出したマウント用シートMSを第1押圧ローラ28で押圧することで、マウント用シートMSが変形許容部材341の上面に貼付される。この後、図1に示すように、下チャンバ31が上チャンバ32の真下まで到達したときに移動手段4での移動を停止させる。
そして、図2(B)に示すように、直動モータ371の駆動によって、凹部押さえ部材378を下降させてマウント用シートMSをウェハW1の底面W15に押圧し、底面W15の外縁領域にマウント用シートMSを押圧する。このとき、凹部押さえ部材378と変形許容部材341との間が拘束されているので、凹部押さえ部材378よりも外側に位置する接着シート部分に張力が発生しようとしても、変形許容部材341がその張力によってウェハW1の中央側に弾性変形することで、マウント用シートMSに余計な張力が発生することを抑制することができる。
その後も直動モータ371を駆動し続けることで、図2(C)に示すように、付勢手段375の付勢力に抗して凸部押さえ部材373がマウント用シートMSをウェハW1の頂面W14に押圧して貼付する。このとき、変形許容部材341も上流側、下流側直動モータ347,348の駆動によって下降させる。
この後、気圧調整孔323から空間Aに大気を導入すると、気圧によってウェハW1の底面W15全面にマウント用シートMSが貼付されることとなる。以上により、マウント用シートMSがウェハW1の底面W15および内周面W16と、凸部W11の頂面W14とに貼付される。
すなわち、マウント用シートMSに加わる張力によって変形許容部材341が変形されるため、リングフレームRFに貼付されたマウント用シートMSに余計な張力が発生することを抑制でき、ウェハW1を個片化した際に、マウント用シートMSの弾性復元力でチップの間隔が不均一になることがないため、適切にチップをピックアップできる。また、変形許容部材341をゴムや樹脂等の弾性変形可能な部材により構成したため、変形許容部材341を変形させるための制御機構などを設ける必要がなく、構成の簡略化を図ることができる。さらに、マウント用シートMSを傾斜姿勢としてからリングフレームRFへの貼付を行うので、マウント用シートMSとリングフレームRFとの間に気泡を巻き込むことを防止できる。
図4は、第2実施形態に係るマウント装置1Bを示す部分断面図である。
第2実施形態のマウント装置1Bと第1実施形態のマウント装置1との相違点は、シート供給手段2の代わりにシート供給手段2Bを設けたことと、減圧貼付手段3内に切断手段6Bを新たに設けた点である。
シート供給手段2Bは、図示しないフレームに支持されている。このフレームには、帯状シートMS1をロール状に巻回して支持する支持ローラ211Bと、モータ213Bにより駆動する上流駆動ローラ212Bと、上流駆動ローラ212Bとの間に帯状シートMS1を挟み込むピンチローラ214Bと、図示しないモータによって駆動し、切断手段6Bにより切断されたマウント用シートMSがくりぬかれた帯状シートMS1を回収する回収ローラ221Bと、モータ223Bにより駆動する下流駆動ローラ222Bと、下流駆動ローラ222Bとの間に帯状シートMS1を挟み込むピンチローラ224Bと、図示しない移動手段により図4中上下方向と左右方向とに往復移動可能な往復本体部231Bと、この往復本体部231Bに支持されたガイドローラ232Bと、回転モータ234Bによって回転可能に設けられた駆動ローラ233Bとを備えている。
図6(A),(B)は、第3実施形態に係るマウント装置1Cの動作説明図である。
第3実施形態のマウント装置1Cと第1実施形態のマウント装置1との相違点は、凹部W12を有するウェハW1の代わりに凹部を有さないウェハW2が貼付対象であるとともに、減圧貼付手段3の代わりに、第1貼付手段としての押付貼付手段3Cを設けた点である。
押付貼付手段3Cの貼付基台31A上には、被着体支持手段33Cと、接着シート支持手段34と、フレーム支持手段35とが設けられている。また、被着体支持手段33Cの上方には、押付手段38Cが設けられている。押付手段38Cは、平面形状がウェハW2と略等しい形状であって、緩やかな曲面の押付面382Cを有するとともに、直動モータ383Cで昇降可能な押付部材381Cを備えている。なお、押付部材381Cは、弾性変形可能な部材によって構成されている。
この後、押付部材381Cの押付面382Cにより、マウント用シートMSのシート中央部をウェハW2の裏面W21に押し付けると、押付部材381Cが徐々に弾性変形してこの押し付けられた部分が裏面W21に貼付される。この貼付に伴って、未貼付シート部分にウェハW2の中央部側への張力が発生するが、変形許容部材341がその張力によってウェハW2の中央側に弾性変形することで、マウント用シートMSに余計な張力が発生することを抑制することができる。
そして、ウェハW2からはみ出たマウント用シートMSをリングフレームRFへ貼付する際には、例えば、マウント用シートMSを傾斜させずに水平にしたまま、かつ、変形許容部材341を変形させたまま、貼付基台31Aを下流側に移動させて、第2押圧ローラ5でマウント用シートMSをリングフレームRFに押し付ける。
図7(A),(B)は、第4実施形態に係るマウント装置1Dの動作説明図である。
第4実施形態のマウント装置1Dと第3実施形態のマウント装置1Cとの相違点は、接着シート支持手段34を、フレーム支持手段35の外側において、接着シートSを支持可能な接着シート支持手段34Dとした点である。
接着シート支持手段34Dは、第3実施形態の変形許容部材341よりも直径が大きいリング状の変形許容部材341Dと、この変形許容部材341Dを支持する略筒状の保持部本体344Dとを備えている。保持部本体344Dは、外側テーブル351を囲むように上流側直動モータ347と下流側直動モータ348に支持されている。
例えば、被着体がウェハW1,W2である場合を示したが、被着体はそれらに限定されるものではなく、ウェハW1,W2以外にガラス板、鋼板、または、樹脂板、その他の板状部材や、板状部材以外のものも対象とすることができる。
マウント用シートMSをリングフレームRFに貼付する際に、下チャンバ31や貼付基台31Aを移動させずに第2押圧ローラ5を移動させてもよいし、下チャンバ31や貼付基台31Aと第2押圧ローラ5とを共に移動させてもよい。
さらに、移動部材は上記の構成以外に、マウント用シートMSが貼付される面に複数のベアリング等の回転部材を配置した構成としてもよい。この場合、凹部押さえ部材378よりも外側に位置するマウント用シートMS部分に張力が発生しようとしたときに、この回転部材が張力によって回転することで、マウント用シートMSに余計な張力が発生することを抑制することができる。
また、シート供給手段2Bと切断手段6Bを第3,第4実施形態のマウント装置1C,1Dに設けてもよい。また、第1〜第2実施形態では、マウント用シートMSを傾斜させずに水平にしたまま、かつ、変形許容部材341を変形させたまま、第2押圧ローラ5でマウント用シートMSをリングフレームRFに押し付けてもよい。そして、回転ブレード66Bの代わりに回転しないカッタを設け、このカッタをリングフレームRFの周方向に沿って移動させてマウント用シートMSを切断してもよい。また、回転ブレード66Bの代わりに円筒状のカッタを設け、このカッタをリングフレームRF上のマウント用シートMSに押し付けることでマウント用シートMSを切断してもよい。さらには、第1,第2実施形態のマウント装置1,1Bにおける貼付対象をウェハW2としてもよい。
2,2B…シート供給手段
3…減圧貼付手段(第1貼付手段)
3C,3D…押付貼付手段(第1貼付手段)
4…移動手段
5…第2押圧ローラ(第2貼付手段)
6B…切断手段
33,33C…被着体支持手段
34,34D…接着シート支持手段
35…フレーム支持手段
341,341D…変形許容部材(移動部材)
343…傾斜手段
MS…マウント用シート(接着シート)
RF…リングフレーム(フレーム)
W1,W2…ウェハ(被着体)
Claims (4)
- 基材シートの一方の面に接着材層が積層された接着シートを介して、フレームと被着体とを一体化するマウント装置であって、
前記被着体を支持する被着体支持手段と、
前記被着体の外側に位置した状態で前記フレームを支持可能なフレーム支持手段と、
前記被着体の外形形状よりも大きな外形形状を有する前記接着シートを供給するシート供給手段と、
前記被着体を囲む位置に配置されるとともに、当該被着体の中央方向に向かって移動可能な移動部材を有し、前記供給された接着シートを当該移動部材の上面に貼付することで当該接着シートを支持する接着シート支持手段と、
前記接着シート支持手段に支持された接着シートに対して前記被着体の反対側に設けられた押圧部材を前記被着体の一方の面に直交する方向に移動させることで前記接着シートを前記被着体の一方の面に貼付する第1貼付手段と、
前記被着体からはみ出している接着シートを前記フレームに貼付する第2貼付手段と、を備えていることを特徴とするマウント装置。 - 前記移動部材は、前記第1貼付手段によって接着シートを前記被着体の一方の面に貼付するときに、前記接着シートに作用する張力により変形可能な部材により形成されている変形許容部材であることを特徴とする請求項1に記載のマウント装置。
- 前記接着シート支持手段は、前記移動部材を前記中央方向に向かって移動させる制御機構を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマウント装置。
- 基材シートの一方の面に接着材層が積層された接着シートを介して、フレームと被着体とを一体化するマウント方法であって、
前記被着体を支持する工程と、
前記被着体の外側に位置した状態で前記フレームを支持する工程と、
前記被着体の外形形状よりも大きな外形形状を有する前記接着シートを供給する工程と、
前記被着体を囲む位置に配置されるとともに、当該被着体の中央方向に向かって移動可能な移動部材を用い、前記供給された接着シートを当該移動部材の上面に貼付することで当該接着シートを支持する工程と、
前記支持された接着シートに張力が作用するとき、または、張力が作用する前に、前記移動部材を移動させるとともに、前記支持された接着シートに対して前記被着体の反対側に設けられた押圧部材を前記被着体の一方の面に直交する方向に移動させることで前記接着シートを前記被着体の一方の面に貼付する工程と、
前記被着体からはみ出している接着シートを前記フレームに貼付する工程とを有することを特徴とするマウント方法。
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