JP2013048133A - 分割装置及び分割方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】分割予定線が形成された板状部材の保持手段と、板状部材を分割する外力付与手段とを相対移動させることで、板状部材の全領域をチップに分割することのできる分割装置を提供すること。
【解決手段】ウエハWFを分割予定線LSに沿って分割する分割装置10であり、当該装置は、接着シートASを介して支持されたウエハWFを保持する保持手段11と、ウエハWFを分割するための外力を付与する外力付与手段12と、保持手段11と外力付与手段12とを相対移動させる移動手段14とを備えている。外力付与手段12を保持手段11に保持されたウエハWFの面に沿って横方向に移動させながら、接着シートASに気体を噴出して外力を付与することでウエハWFが折れ曲がるように変形し、分割予定線LSでチップCIに分割される。
【選択図】図1

Description

本発明は分割装置及び分割方法に係り、更に詳しくは、半導体ウエハ等の板状部材を、予め形成した分割予定線に沿って分割することに適した分割装置及び分割方法に関する。
従来、ハーフダイシングやステルスダイシング等のダイシング技術により分割予定線が形成された半導体ウエハ(以下、「ウエハ」と称する場合がある)を分割予定線に沿って個々のチップに個片化する分割装置として、例えば、特許文献1に開示される分割装置が知られている。特許文献1記載の分割装置は、リングフレームの内側領域にシート材を介してウエハを支持し、前記リングフレームをフレーム支持台に支持した状態でシート材をエキスパンドすることによってチップを分割する構成となっている。
特開2007−142199号公報
しかしながら、特許文献1記載の分割装置にあっては、ウエハ外周縁とリングフレーム内周縁との間に表出するシート材部分をエキスパンドリングにより上方に突き上げることで、当該シート材にウエハの面方向外側への引張力を付与するものであるため、エキスパンドリングの内側に位置するシート材は、外周部は伸びが大きいものの、中心部は外周部に比べて伸びが小さくなる。従って、中心付近のチップが分割されない、という不都合を招来する。上記のような不都合を解消するためにエキスパンドリングの突き上げ量を大きくすることが考えられるが、例えばシート材が固く伸びにくいものの場合、中心付近に引張力が付与される前に、シート材がリングフレームから剥がれてしまうことや、シート材が破断してしまうという別の不都合も招来する。
[発明の目的]
本発明の目的は、板状部材を分割予定線に沿って確実に分割することのできる分割装置及び分割方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、分割予定線が形成されて接着シートに貼付された板状部材を処理対象物とし、前記板状部材を分割予定線に沿って分割する分割装置であって、前記処理対象物を保持する保持手段と、前記保持手段に保持された板状部材に対して外力を付与する外力付与手段と、前記保持手段と外力付与手段とを前記板状部材の面方向に相対移動させる移動手段とを備え、前記外力付与手段は、前記処理対象物に対して前記板状部材の面に交差する方向の外力を付与することで前記板状部材を分割する、という構成を採っている。
本発明において、前記外力付与手段は、前記処理対象物に気体を吹き付ける気体噴出部及び、前記処理対象物を吸引する吸引部の少なくとも一方を備える構成とすることができる。
また、前記外力付与手段は、前記処理対象物における一部領域に外力を付与可能に設けられ、前記外力付与手段に対して前記相対移動方向における前方及び、後方の少なくとも一方に設けられ、前記処理対象物を所定姿勢に保つ補助手段が前記外力付与手段に併設されている。
更に、前記外力付与手段の外力を制御する圧力制御手段を更に含む、という構成を採っている。
また、本発明は、分割予定線が形成されて接着シートに貼付された板状部材を処理対象物とし、前記板状部材を分割予定線に沿って分割する分割方法であって、記処理対象物を保持する工程と、前記処理対象物に外力付与手段で外力を付与する工程と、前記処理対象物と外力付与手段とを前記板状部材の面方向に相対移動させながら、前記処理対象物に対して前記板状部材の面に交差する方向の外力を付与することで前記板状部材を分割する工程とを有する、という手法を採っている。
本発明によれば、処理対象物に対して板状部材の面に交差する方向の外力を付与するので、板状部材の一部に引張力が付与されず分割不良が発生するといった不都合を回避することができる。
また、外力付与手段を気体噴出部や吸引部により構成した場合には、気体の加減圧を安定した外力として処理対象物に対して作用させることで、当該接着シートの平面位置を変化させることができ、その変化により分割予定線で板状部材を分割することができる。
更に、補助手段を設けた場合には、外力付与手段が接着シートに外力を付与するときに処理対処物の所定姿勢を保つことができ、外力を接着シートに対して局所的に付与することが可能となる。
また、圧力制御手段を備えた構成によれば、処理対象物に一定の外力を付与しながら板状部材を分割できる他、処理対象物の剛性に応じて圧力を適性化することもできる。
実施形態に係る分割装置の概略正面図。 分割装置の要部平面図。 分割装置の動作を説明する正面図。 (A)〜(C)は、動作説明図。 (A)〜(B)は、それぞれ変形例に係る動作説明図。
以下、本実施形態に係る分割装置について、図面を参照しながら説明する。
なお、本明細書の方向若しくは位置を示す用語は、特に明示しない限り、図1を基準とし、「前」とは同図中手前側を示す一方、「後」とは、同奥行き側について用いられ、「左」、「右」、「上」、「下」も同様に図1を基準とする。
分割装置10は、分割予定線LSが形成されて接着シートASを介してリングフレームRFの内側に支持された板状部材としてのウエハWFを処理対象物WKとし、当該処理対象物WKに対してウエハWFの面に交差する方向に外力を付与してウエハWFを変形させることでチップCIに分割するように構成されている。
図1及び図2に示されるように、前記分割装置10は、リングフレームRFを介して処理対象物WKを保持する保持手段11と、当該保持手段11に保持されたウエハWFを分割するための外力を処理対象物WKに付与する外力付与手段12と、この外力付与手段12に併設された補助手段13と、保持手段11と外力付与手段12とを相対移動させる移動手段14と、外力付与手段12及び補助手段13に接続されたレギュレータや減圧弁等の圧力制御手段15、16とを備えて構成されている。ここで、本実施形態に係るウエハWFは、図示しないダイサーやレーザ照射装置等の分割予定線形成装置を用いてハーフダイシング、ステルスダイシング等の溝又は脆質層を施して分割予定線LSが形成されたものが採用されている。そして、本発明に係る分割装置10により、分割予定線LSに沿ってウエハWFが分割される。
前記保持手段11は、フレーム20に支持される駆動機器としての回動モータ21によって回転可能に設けられた回転プレート22と、この回転プレート22の左右両側において回動モータ21を中心とする対称位置にそれぞれ設けられた駆動機器としてのリニアモータ24と、これらリニアモータ24の出力軸24Aに支持され上下方向に移動可能に設けられた平板状の押さえ板26と、当該押さえ板26に支持された駆動機器としてのエアシリンダ27によって押さえ板26の下面に離間接近可能に設けられたガイドプレート28とにより構成されている。押さえ板26と、ガイドプレート28は、前後方向に延び、ガイドプレート28は、その上面側にリングフレームRFを載せたときに、当該リングフレームRFが前後、左右に位置ずれすることがないように、リングフレームRFの外形に沿った段部28Aを有する略L字型の形状となっている。また、押さえ板26は、ガイドプレート28に支持されたリングフレームRFの上面側に位置し、ガイドプレート28との間にリングフレームRFを挟持する。
前記外力付与手段12は、保持手段11の下方において、前後方向に延びる筐体30に設けられ、筐体30の上面幅方向中央に位置する凹溝から気体を噴出可能に設けられた気体噴出部32と、当該気体噴出部32に連通する配管34を介して接続された圧縮ポンプや送風機等の加圧装置35とにより構成されている。配管34の途中には、圧力制御手段15が配置されており、処理対象物WKの厚みや、剛性に応じて加圧装置35の圧力が調整可能となっている。
前記補助手段13は、筐体30の上面側において、気体噴出部32を中間に挟むように配置された一対の多孔質部材からなる吸引体40と、当該吸引体40に連通する配管43を介して接続された吸引ポンプやエジェクター等の減圧装置44とにより構成されている。吸引体40は、筐体30の上面側に埋設されて当該吸引体40の上面が筐体30の上面と同一平面内に位置するように設けられている。なお、配管43の途中には、外力付与手段12と同様に、圧力制御手段16が配置されている。
前記移動手段14は、ベース50に配置され、前記筐体30を左右方向に移動させる駆動機器としてのリニアモータ52により構成され、そのスライダ53に筐体30が支持されている。
次に、本実施形態における分割方法について、図3、図4をも参照しながら説明する。
リングフレームRFに支持された処理対象物WKは、図示しない搬送手段によって段部28Aに搬送され、エアシリンダ27の駆動によりガイドプレート28を上昇させることで保持手段11に保持される。筐体30は、気体噴出部32がウエハWFの一端側より径方向外側に位置するようにリニアモータ52を介して待機状態とされている。
ウエハWFを分割すべき動作指令が図示しない制御手段により分割装置10に付与されると、リニアモータ24の駆動によりリングフレームRF及び処理対象物WKの位置を降下させる(図3参照)。この降下は、接着シートASが筐体30の上面に接する位置で停止する。
次いで、図4(A)〜(C)に示されるように、気体噴出部32は、加圧装置35の駆動により凹溝から加圧空気を処理対象物WKに噴出する。この際、吸引体40は、減圧装置44の駆動により、接着シートASを吸引し、気体噴出部32による気体が一対の吸引体40間における処理対象物WKに局所的に噴出される。
前記気体噴出部32による気体噴出と吸引体40による吸引を継続的に行いながらリニアモータ52の駆動により筐体30をウエハWFに沿ってウエハWFの径方向他端側に移動させることで、前後方向に沿う分割予定線LSごとにウエハWFを分割することができる。
この気体噴出により、処理対象物WKは、上向きの外力すなわち押し上げ力が付与されることになり、分割予定線LSに対応する位置で山折り状態に折れ曲がり、当該折れ曲がりによってウエハWFを分割してチップCIに個片化することとなる。
次いで、加圧装置35及び減圧装置44の駆動を停止させ、リニアモータ24の駆動によりリングフレームRF及び処理対象物WKの位置を上昇させる。回動モータ21の駆動により回転プレート22を処理対象物WKの周方向に90度回転させ、以後、上記同様の動作を繰り返すことで、前後方向に沿う分割予定線LSごとの分割を行うことができる。
相対回転動作は、回転プレート22を回転させるものに限らず、リニアモータ52の下方に回動モータ21を配置しリニアモータ52及び筐体30を回転させてもよいし、回転プレート22の上方及びリニアモータ52の下方の双方に回動モータ21を配置し、回転プレート22並びにリニアモータ52及び筐体30を回転させてもよい。
従って、このような実施形態によれば、ウエハWFと接着シートASとの接着領域の全てに対して気体を噴出し、ウエハWFの面に交差する方向に押し上げる外力を付与する構成としたから、ウエハWFの一部の分割が行われなくなるような不都合を解消することができる。
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、位置若しくは配置等に関し、必要に応じて当業者が様々な変更を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、筐体30を移動させることで気体噴出位置を接着シートASの面に沿ってずらす構成としたが、保持手段11側を移動させるようにしてもよいし、筐体30と保持手段11の両方を移動させるようにしてもよい。
また、図5(A)に示されるように、気体噴出部32を吸引部60に替え、処理対象物WKを吸引して処理対象物WKを凹部内に引き込むようにして分割する構成、或いは、図5(B)に示されるように、気体噴出部32を吸引部60に替える一方、吸引体40を噴出体61としてウエハWFを分割する構成にしてもよい。要するに、本発明は、処理対象物WKに気体を噴出させたり、処理対象物WKを吸引したりすることでウエハWFを分割予定線LSで分割することができるように構成されていれば足りる。
また、板状部材として半導体ウエハWFを対象としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ガラス板、鋼板、木板、樹脂板又はセラミック基板等、その他の板状部材を対象とすることもでき、また、半導体ウエハはシリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハであってもよい。
また、外力付与手段12は、接着シートAS側から外力を付与する構成に限らず、ウエハWF側から外力を付与するようにしてもよい。
また、外力付与手段12及び補助手段13は、前記実施形態の形状のものに限らず、所定間隔をあけて前後左右に複数配置された吸引孔を有するプレート部材により構成されていてもよい。
また、気体噴出部32及び吸引部60は、処理対象物WKを挟むようにそれぞれ配置し、接着シートAS側及びウエハWF側の双方から同時又は交互に外力を付与するようにしてもよいし、処理対象物WKの面方向に左右並列に設け、接着シートAS側、ウエハWF側の何れか一方又は双方から処理対象物WKに対して同時又は交互に外力を付与するようにしてもよい。
また、分割予定線LSは、ハーフダイシング、ステルスダイシングにより形成されるものに限らず、溝や脆質層を施すことが可能であれば、エッチングや他の方法により形成されていてもよい。更に、分割予定線LSを検知可能なセンサやカメラなどの検知手段を設け、検知手段が分割予定線LSを検知したときに外力付与手段12が処理対象物に対して外力を付与するように構成されていてもよい。
また、外力付与手段12は、気体噴出部32、吸引部60に限らず、筐体30の上面に凸部を設けたものや、スキージやローラー等の部材で処理対象物WKに対して外力を付与するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、補助手段13を外力付与手段12の移動方向における前方及び後方両側に設けるものを例示したが、処理対象物WKを所定姿勢に保つことが可能であれば、前方又は後方の何れか一方で構成されていてもよい。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダ及びロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
10 分割装置
11 保持手段
12 外力付与手段
13 補助手段
14 移動手段
15、16 圧力制御手段
32 気体噴出部(外力付与手段)
40 吸引体(補助手段)
60 吸引部(外力付与手段)
61 噴出体(補助手段)
WK 処理対象物
WF 半導体ウエハ(板状部材)
LS 分割予定線
AS 接着シート

Claims (5)

  1. 分割予定線が形成されて接着シートに貼付された板状部材を処理対象物とし、前記板状部材を分割予定線に沿って分割する分割装置であって、
    前記処理対象物を保持する保持手段と、
    前記保持手段に保持された板状部材に対して外力を付与する外力付与手段と、
    前記保持手段と外力付与手段とを前記板状部材の面方向に相対移動させる移動手段とを備え、
    前記外力付与手段は、前記処理対象物に対して前記板状部材の面に交差する方向の外力を付与することで前記板状部材を分割することを特徴とする分割装置。
  2. 前記外力付与手段は、前記処理対象物に気体を吹き付ける気体噴出部及び、前記処理対象物を吸引する吸引部の少なくとも一方を備えることを特徴とする請求項1記載の分割装置。
  3. 前記外力付与手段は、前記処理対象物における一部領域に外力を付与可能に設けられ、
    前記外力付与手段に対して前記相対移動方向における前方及び、後方の少なくとも一方に設けられ、前記処理対象物を所定姿勢に保つ補助手段が前記外力付与手段に併設されていることを特徴とする請求項1又は2記載の分割装置。
  4. 前記外力付与手段の外力を制御する圧力制御手段を更に含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の分割装置。
  5. 分割予定線が形成されて接着シートに貼付された板状部材を処理対象物とし、前記板状部材を分割予定線に沿って分割する分割方法であって、
    前記処理対象物を保持する工程と、
    前記処理対象物に外力付与手段で外力を付与する工程と、
    前記処理対象物と外力付与手段とを前記板状部材の面方向に相対移動させながら、前記処理対象物に対して前記板状部材の面に交差する方向の外力を付与することで前記板状部材を分割する工程とを有することを特徴とする分割方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015002289A (ja) * 2013-06-17 2015-01-05 株式会社ディスコ ウェーハ分割装置
JP2015222756A (ja) * 2014-05-22 2015-12-10 株式会社ディスコ ウエーハの加工方法および分割装置
JP2017112266A (ja) * 2015-12-17 2017-06-22 株式会社ディスコ ウエーハの加工方法
JP2017112267A (ja) * 2015-12-17 2017-06-22 株式会社ディスコ ウエーハの加工方法

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