JP5767052B2 - 転写装置および転写方法 - Google Patents
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Description
本実施形態では、特に明示しない限り、「上」、「下」、「左」、「右」といった方位を示す用語は、図1を基準として用いる。
本実施形態において、転写装置1は、接着シートS1に貼付されるとともに、複数のチップWAに個片化されたウェハWを複数の片状体とし、これらチップWAを転写シートS2に転写するものであり、このウェハWは、基材シートBS1と、この基材シートBS1の一方の面(上面)に積層された接着剤層AD1とを備える接着シートS1に接着剤層AD1を介して貼付されている。また、転写シートS2は、基材シートBS2と、この基材シートBS2の一方の面(下面)に積層された接着剤層AD2を備え、リングフレームRFに貼付されている。なお、チップWAは、ウェハWが格子状にダイシングされて6面体に形成されている。
第2支持手段3は、第1支持手段2の上方に配置され、第1支持手段の支持面211に対向する支持面311を有する保持部材31を備え、保持部材31の内部には、流動化手段5を構成するコイルヒータ52が設けられている。なお、支持面311には、図示しない無数の吸引孔が設けられ、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段に接続されてリングフレームRFに貼付された転写シートS2を吸引保持可能に構成されている。
押圧手段6は、テーブル21に接続される加圧ポンプやタービン等の加圧手段61を備え、支持面211に設けられた図示しない給排気孔を介して流体としての気体を噴きつけることで、接着シートS1の両面に気圧差を生じさせ、接着シートS1を基材シートBS1側から転写シートS2に接近する方向に変形させるように構成されている。
割断手段7は、減圧ポンプや真空エジェクタ等の減圧手段71を備え、支持面211に設けられた図示しない給排気孔を介して接着シートS1を基材シートBS1側から吸引することで、変形させた接着シートS1を転写シートS2から離間してテーブル21に引き戻し、吸引保持可能に構成されている。
まず、図1に示すように、転写装置1は、減圧手段71を駆動して、接着シートS1を介してウェハWを支持面211で吸引支持する。一方、第2支持手段3は、図示しない吸引手段を駆動して、転写シートS2を基材シートBS2側から保持部材31で吸引保持する。
次いで、転写装置1は、加圧手段61を停止するとともに、減圧手段71を駆動し、支持面211の図示しない吸排気孔を介して空気を吸引することで、転写シートS2の両面に気圧差(圧力差)を生じさせる。すると、図2(B)に示すように、チップ間C内に入り込んだ接着シートS1が支持面211側に引き戻される。このとき、接着剤層AD2は、基材シートBS2との接着力よりも、接着シートS1の接着剤層AD1との接着力の方が強く設定されているので、接着シートS1に接着している接着剤層AD2部分が基材シートBS2から剥離される。これにより、各チップWAと基材シートBS2との間に位置する残置接着剤層AD3と、接着シートS1に接着された除去接着剤層AD4とが形成される。なお、残置接着剤層AD3は、隣接するチップWA上に位置する別の残置接着剤層AD3と接続することはない。
さらに、加圧手段61から噴出する流体を加熱手段によって熱したものとすれば、コイルヒータ51,52を省略することもでき、流体の熱によって接着剤層AD2を流動化させつつ、接着シートS1を変形させることができる。
また、減圧手段71は、加圧手段61が噴きつけた気体、液体、ジェル状のもの等を吸引できるものを採用してもよい。
さらに、剥離手段8のチャック装置81を停止させておき、保持部材31を移動させたり、チャック装置81と保持部材31との両方を移動させたりすることで、接着シートS1をウェハWから剥離するようにしてもよい。
さらに、接着剤層AD2が流動化手段5がなくとも基材シートBS2との接着力よりも強く接着シートS1に接着するものの場合、流動化手段5は不要である。なお、流動化手段5は、接着剤層AD2が流動化する限りにおいて、第1支持手段2側と第2支持手段3側の何れか一方に設けるように構成してもよい。
さらに、接着シートS1を引っ張ることで、当該接着シートS1に貼付されている各チップWAの間隔を拡げるエキスパンド手段を設けてもよい。これによりチップ間Cを大きくして接着シートS1が入り込み易くできる。
また、前記実施形態では、片状体として6面体のチップWAを例示したが、片状体は5面体以下でもよいし、7面体以上であってもよく、チップ間Cに位置する接着剤層AD2を基材シートBS2から剥離できれば足りる。
また、割断手段7として減圧手段71を設けずに、図3に示す剥離手段8で割断手段7を構成してもよいし、減圧手段71と剥離手段8との両方で割断手段7を構成してもよい。
さらに、前記実施形態では、チップ間Cに位置する接着シートS1を転写シートS2に接近する方向に変形させたが、チップ間Cに位置する転写シートS2を接着シートS1に接近する方向に変形させたり、チップ間Cに位置する接着シートS1と転写シートS2との両方を相互に接近する方向に変形させたりする構成としてもよい。この場合、保持部材31の図示しない吸引口に加圧手段61や減圧手段71と同様の別の加圧手段や減圧手段が連通するように構成し、当該図示しない吸引口を介して気体を噴きつけたり、気体を吸引したりできるように構成すればよい。
さらに、転写シートS2を接着シートS1に向かって変形させるように密閉された空間を形成し、この空間を減圧したり加圧したりしてもよく、このとき、支持面311と転写シートS2との間に減圧や加圧が及ばないようにするシールド手段を設けるとよい。
半導体ウェハは、シリコン半導体ウェハや化合物半導体ウェハ等が例示できる。また、複数の片状体としては、半導体ウェハをダイシングすることにより得られるチップに限らず、光ディスク、ガラス板、鋼板、樹脂板等や、その他の部材のみならず、任意の形態の部材や物品などが個片化され、平面的に配列されたものを対象とすることができる。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
2 第1支持手段
3 第2支持手段
4 当接手段
5 流動化手段
6 押圧手段
7 割断手段
61 加圧手段(流体噴出手段)
62 弾性部材
AD2 接着剤層
BS2 基材シート
C チップ間(間隙)
S1 接着シート
S2 転写シート
WA チップ(片状体)
Claims (2)
- 互いに所定の間隔だけ離れて平面的に配列されるとともに、接着シートの一方の面に貼付された複数の片状体を、基材シートの一方の面に接着剤層を備えた転写シートに転写する転写装置であって、
前記複数の片状体を前記接着シートを介して支持する第1支持手段と、
前記転写シートを前記第1支持手段で支持された前記複数の片状体に対向させて支持する第2支持手段と、
前記第1支持手段で支持された複数の片状体と前記第2支持手段で支持された転写シートとを相対移動させることで、前記複数の片状体を前記接着剤層に当接させる当接手段と、
前記複数の片状体の間隙に位置する接着シートと前記転写シートとを相対的に接近する方向に変形させることで、当該接着シートと前記接着剤層とを接着させる押圧手段と、
前記接着シートと前記転写シートとの少なくとも一方を相対的に離間する方向に移動させて、前記間隙に位置する前記接着剤層を前記基材シートから引き剥がす割断手段と、を備えることを特徴とする転写装置。 - 互いに所定の間隔だけ離れて平面的に配列されるとともに、接着シートの一方の面に貼付された複数の片状体を、基材シートの一方の面に接着剤層を備えた転写シートに転写する転写方法であって、
前記複数の片状体を前記接着シートを介して支持し、
前記転写シートを前記複数の片状体に対向させて支持し、
前記複数の片状体と前記転写シートとを相対移動させることで、前記複数の片状体を前記接着剤層に当接させ、
前記複数の片状体の間隙に位置する接着シートと前記転写シートとを相対的に接近する方向に変形させることで、当該接着シートと前記接着剤層とを接着させ、
前記接着シートと前記転写シートとの少なくとも一方を相対的に離間する方向に移動させて、前記間隙に位置する前記接着剤層を前記基材シートから引き剥がす、ことを特徴とする転写方法。
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