JP5443878B2 - 透明導電膜付き基材 - Google Patents

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Description

本発明は、表面に透明導電膜を設けた透明導電膜付き基材に関するものである。
透明導電膜は、液晶ディスプレイやPDP、タッチパネル、また有機ELや太陽電池などの分野で、透明電極として広く用いられている。このような透明で導電性を発現する透明導電膜を形成するにあたっては、透明で導電性を有する材料を用いて膜を形成する方法の他に、透明樹脂に導電性物質を含有させて膜を形成することによって、導電性物質の形状や配向によって透明性を確保しつつ導電性が発現した透明導電膜を形成する方法がある。
特に近年では、導電性物質としてカーボンナノファイバーやカーボンナノチューブといった材料を用いて透明導電膜を形成する手法が報告されており、例えば特許文献1にみられるように、気相法炭素繊維を用いて透明導電膜を形成する例がある。しかし、カーボン系の材料は比抵抗が50S/cm程度であるため、1000Ω/□以下というような低い表面抵抗値が必要な透明電極への適用は、現在では困難である。
一方、特許文献2では、金属ナノワイヤを用いて透明導電膜を形成することが提案されている。金属ナノワイヤは比抵抗が小さいので、金属ナノワイヤを含有する透明導電膜によって低い表面抵抗値の透明電極を形成することが可能である。
ここで、上記のようなデバイスに透明導電膜を適用するにあたって、透明導電膜には通常、必要に応じたパターニングが施されているのが一般的である。そして、透明導電膜2は透明基材1の表面に形成して使用されるのが一般的であり、このように透明基材1の表面に形成した透明導電膜2をパターニングすると、図3に示すように透明基材1の表面は、透明導電膜2で覆われる部分と、透明導電膜2で覆われず透明基材1が露出する部分とが形成されることになる。しかしこの場合、透明基材1の屈折率と透明導電膜2の屈折率の差から、透明導電膜2で覆われる部分と、透明基材1が露出する部分とで反射率や反射色が異なり、透明導電膜2のパターン形状が目で認識することができるようになって、表示デバイスとしての表示品質が損なわれるという問題が生じるものであった。
また表層にハードコート層を設けて形成される透明基材の場合には、ハードコート層の上に透明導電膜が形成されるので、ハードコート層の屈折率と透明導電膜の屈折率の差からこのような問題が生じるものである。さらに、ハードコート層の膜厚は通常1〜5μmにコントロールされている場合が多く、特に1〜3μm程度に設計されている場合には反射光による干渉が認識され易くなるため、透明導電膜の屈折率がハードコート層の屈折率と異なると、パターンの視認性がより著しくなる場合がある。
特開2002−266170号公報 特表2009−505358号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、透明導電膜のパターンの視認性を低くして、表示品質が損なわれるようなおそれがない透明導電膜付き基材を提供することを目的とするものである。
本発明に係る透明導電膜付き基材は、透明基材の表面に金属ナノワイヤを含有する透明導電膜を備えて形成され、前記透明導電膜の屈折率と、前記透明基材の前記透明導電膜との接触界面部の屈折率との差が、0.02以下であり、前記透明導電膜は、屈折率制御用の粒子を含有する樹脂溶液の塗膜によって形成されていることを特徴とするものである。
このように透明導電膜と透明基材の屈折率の差が0.02以下と小さいことによって、透明基材の表面に形成した透明導電膜をパターニングするにあたって、透明導電膜と透明基材の屈折率の差によって生じる、透明導電膜のパターン形状の視認性を低くすることができるものである。また透明導電膜を形成する樹脂の種類が制約されることなく、屈折率制御用の粒子で透明導電膜の屈折率を調整して、透明基材の屈折率との差を0.02以下に設定することができるものである。
ここで、透明導電膜の屈折率とは、金属ナノワイヤを含む透明導電膜自体の屈折率をいうものである。尚、本発明の透明導電膜が、透明基材の表面に金属ナノワイヤを含有する樹脂溶液を塗布して形成されるウエット工法膜であると、屈折率調整がフィラー添加により可能なことからドライプロセスよりも簡便であり、透明基材に対する屈折率調整が行ない易いものである。
また本発明は、上記の屈折率制御用の粒子として、フッ化マグネシウム、シルセスキオキサン、二酸化ケイ素、ジルコニア、アルミナ、酸化亜鉛、二酸化チタン、TOから選ばれる少なくとも一種からなる粒子を用いることを特徴とするものであり、また上記の樹脂溶液の樹脂として、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリシリコン、ポリアクリレート、ポリシラン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリオレフィン、フッ素重合体、ポリアミド、ポリイミド、ポリノルボルネン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、あるいはこれらの共重合体または混合物から選ばれる少なくとも一種を用いることを特徴とするものである。
樹脂と屈折率制御用の粒子を、これらから選んで用いることによって、透明基材の屈折率との差が0.02以下になるように透明導電膜を形成することができるものである。
また本発明は、上記の屈折率制御用の粒子の平均粒子径が5〜100nmであり、且つ樹脂溶液中の屈折率制御用の粒子の含有量が、固形分換算で0.5〜50質量%であることを特徴とするものである。
屈折率制御用の粒子の平均粒子径と含有量をこの範囲に設定することによって、金属ナノワイヤ同士の接触点の減少を抑制し、透明導電膜の導電性が低下することを防ぐことができると共に、透明導電膜の透明性が低下することを防ぐことができるものである。
本発明によれば、上記のように透明導電膜と透明基材の屈折率との差を0.02以下と小さくすることによって、透明基材の表面に形成した透明導電膜をパターニングするにあたって、透明導電膜と透明基材の屈折率の差によって生じる、透明導電膜のパターン形状の視認性を低くすることができるものであり、表示品質が損なわれることがなくなるものである。
本発明の実施の形態の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態の他の一例を示す概略図である。 パターニングした透明導電膜を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明において金属ナノワイヤとしては任意のものを用いることができるものであり、また金属ナノワイヤの製造手段には特に制限は無く、例えば、液相法や気相法などの公知の手段を用いることができる。具体的な製造方法にも特に制限は無く、公知の製造方法を用いることができる。例えば、Agナノワイヤの製造方法として、Adv.Mater.2002,14,P833〜837や、Chem.Mater.2002,14,P4736〜4745、前述の特許文献2等を、Auナノワイヤの製造方法として、特開2006−233252号公報等を、Cuナノワイヤの製造方法として、特開2002−266007号公報等を、Coナノワイヤの製造方法として、特開2004−149871号公報等を挙げることができる。特に、上記のAdv.Mater.及びChem.Mater.で報告されたAgナノワイヤの製造方法は、水系で簡便にかつ大量にAgナノワイヤを製造することができ、また銀の導電率は金属中で最大であることから、本発明で用いる金属ナノワイヤの製造方法として好ましく適用することができる。
本発明において金属ナノワイヤの平均直径は、透明性の観点から200nm以下であることが好ましく、導電性の観点から10nm以上であることが好ましい。平均直径が200nm以下であれば光透過率の低下を抑えることができるため好ましい。一方で、平均直径が10nm以上であれば導電体としての機能を有意に発現でき、平均直径がより大きい方が導電性が向上するため好ましい。従って平均直径は、より好ましくは20〜150nmであり、40〜150nmであることが更に好ましい。また金属ナノワイヤの平均長さは、導電性の観点から1μm以上であることが好ましく、凝集による透明性への影響から100μm以下であることが好ましい。より好ましくは1〜50μmであり、3〜50μmであることが更に好ましい。金属ナノワイヤの平均直径及び平均長さは、SEMやTEMを用いて十分な数のナノワイヤについて電子顕微鏡写真を撮影し、個々の金属ナノワイヤ像の計測値の算術平均から求めることができる。金属ナノワイヤの長さは、本来直線状に伸ばした状態で求めるべきであるが、現実には屈曲している場合が多いため、電子顕微鏡写真から画像解析装置を用いて金属ナノワイヤの投影径及び投影面積を算出し、円柱体を仮定して算出する(長さ=投影面積/投影径)ものとする。計測対象の金属ナノワイヤ数は、少なくとも100個以上が好ましく、300個以上の金属ナノワイヤを計測するのが更に好ましい。
上記の金属ナノワイヤは樹脂溶液に分散させて使用されるものであり、樹脂溶液の膜形成のための樹脂としては、モノマーやオリゴマーの重合反応によりポリマー化してマトリクスを形成するものが用いられる。
マトリクス形成用の樹脂のなかでも、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリシリコン、ポリアクリレート、ポリシラン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリオレフィン、フッ素重合体、ポリアミド、ポリイミド、ポリノルボルネン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、あるいはこれらの共重合体または混合物を用いるのが好ましい。
上記のマトリクス形成用の樹脂成分として、光重合反応または熱重合反応する樹脂を使用する場合、可視光、または紫外線や電子線のような電離放射線の照射により直接または開始剤の作用を受けて重合反応を生じるモノマーあるいはオリゴマーを用いることができ、アクリル基あるいはメタクリル基を有するモノマーあるいはオリゴマーが好適である。中でも架橋させて耐擦傷性、硬度を上げるには多官能性バインダー成分であることが好ましい。
そして一分子中に一個の官能基をもつものとして、具体的には例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ−トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレートフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−コハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
また二個以上の官能基を持つものとして、具体的には例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート、グリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられ、更にベンゼン環を有する化合物としては、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、変性ビスフェノールAジアクリレートエチレングリコールジアクリレート、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキサイドテトラメチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールA−ジエポキシ−アクリル酸付加物、エチレンオキサイド変性ビスフェノールFジアクリレート、ポリエステルアクリレート等の多官能アクリレート類あるいはメタクリレート類が挙げられる。
また、1,2−ビス(メタ)アクリロイルチオエタン、1,3−ビス(メタ)アクリロイルチオプロパン、1,4−ビス(メタ)アクリロイルチオブタン、1,2−ビス(メタ)アクリロイルメチルチオベンゼン、1,3−ビス(メタ)アクリロイルメチルチオベンゼンなどの硫黄含有(メタ)アクリレート類を用いることも高屈折率化に有効である。
さらに、紫外線や熱による硬化を促進させるため、光または熱重合開始剤を配合してもよい。
光重合開始剤としては、一般に市販されているもので構わないが、特に例示すると、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製「イルガキュアー651」)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製「イルガキュアー184」)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製「ダロキュアー1173」、ランベルティー社製「エサキュアーKL200」)、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)(ランベルティー社製「エサキュアーKIP150」)、2−ヒドロキシエチル−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製「イルガキュアー2959」)、2−メチル−1(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製「イルガキュアー907」)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製「イルガキュアー369」)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製「イルガキュアー819」)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製「CGI403」)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(=TMDPO)(BASF社製「ルシリンTPO」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製「ダロキュアーTPO」)、チオキサントンまたはその誘導体などが挙げられ、これらのうち1種、あるいは2種以上混合して用いることができる。
また、光増感作用の目的により第三アミン、例えばトリエタノールアミン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、イソペンチルメチルアミノベンゾエートなどを添加しても良い。
熱による重合開始剤としては、主として過酸化ベンゾイル(BPO)などの過酸化物、アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)などのアゾ化合物が用いられる。
上記の光重合開始剤や熱重合開始剤の配合量は、通常、組成物(樹脂成分+金属ナノワイヤ)100質量部に対し、0.1〜10質量部程度が好ましい。
また、エポキシ基、チオエポキシ基、オキセタニル基等のカチオン重合性官能基を有するモノマーあるいはオリゴマーを用いてもよい。さらに必要に応じて光カチオン開始剤等を組み合わせて用いることもできる。これらは同様に多官能であることが好ましい。
また、熱重合する樹脂については一般的にゾル−ゲル系材料が挙げられ、アルコキシシシラン、アルコキシチタン等のゾル−ゲル系材料が好ましい。これらのなかでもアルコキシシランが好ましい。ゾル−ゲル系材料は、ポリシロキサン構造を形成する。アルコキシシランの具体的は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等があげられる。これらアルコキシシランはその部分縮合物等として用いることができる。これらのなかでもテトラアルコキシシラン類またはこれらの部分縮合物等が好ましい。特に、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランまたはこれらの部分縮合物が好ましい。
さらに、樹脂溶液のマトリクス形成用樹脂として導電性高分子を用いることもできる。導電性高分子としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリトリフェニルアミン等を例示することができる。
また樹脂溶液のマトリクス形成用樹脂としては、上記した光重合性の樹脂、熱重合性の樹脂、導電性高分子から選ばれる2種類以上のものを併用してもよい。
本発明は、樹脂溶液に金属ナノワイヤの他に、所望により屈折率制御用の粒子を分散させて使用するものである。屈折率制御用の粒子としては、例えば、フッ化マグネシウム、シルセスキオキサン、二酸化ケイ素、ジルコニア、アルミナ、酸化亜鉛、二酸化チタン等の微粒子を挙げることができるが、マトリクス形成用樹脂にナノ分散した状態で複合することができればよく、これらに限定されない。また微粒子は、単一組成でもかまわないが、複合組成でもかまわない。例えば、二酸化ケイ素やシルセスキオキサン、ポリスチレン等の低屈折率微粒子の場合には、コアシェルの中空構造を持つより低屈折率な微粒子でもよいし、メソポーラスシリカのようにメソポーラス構造を持つ更に低屈折率な微粒子を用いてもよい。また高屈折率無機酸化物粒子の場合には、シリカ−アルミナ、シリカージルコニア、ITO(インジウムー亜鉛複合酸化物)、ATO(インジウム−スズ複合酸化物)等の微粒子でもかまわない。
これらの屈折率制御用粒子は、マトリクス形成用樹脂によって形成される透明導電膜の屈折率を、透明基材の屈折率に近くなるように制御して調整するためのものであり、マトリクス形成用樹脂の屈折率が透明基材の屈折率より大きいときには、マトリクス形成用樹脂の屈折率より小さい屈折率を有する粒子を用い、マトリクス形成用樹脂で形成される透明導電膜の屈折率を粒子で低下させて、透明基材の屈折率に近付けることができるものである。逆にマトリクス形成用樹脂の屈折率が透明基材の屈折率より小さいときには、マトリクス形成用樹脂の屈折率より大きい屈折率を有する粒子を用い、マトリクス形成用樹脂で形成される透明導電膜の屈折率を粒子で高めて、透明基材の屈折率に近付けることができるものである。
屈折率制御用粒子の平均粒子径は5〜100nmであることが好ましく、5〜50nmであることがより好ましい。平均粒子径がこの範囲を超えて大きいと、透明導電膜のヘイズが高くなって透明性が低下するおそれがある。また、平均粒子径がこの範囲未満の場合には、粒子が樹脂溶液中で凝集して凝集粒子となるので、平均粒子径が大きい場合と同様にヘイズが高くなって透明性が低下するおそれがある。またこの範囲を超えて大きな粒子を用いた場合には、透明導電膜内において金属ナノワイヤ同士が接触導通することを粒子で阻害して、透明導電膜の導電性が低下するおそれがある。尚、本発明において平均粒子径は、レーザ回折・散乱法によって測定された値である。
樹脂溶液への金属ナノワイヤの配合量は、後述のように透明導電膜を形成した際に、透明導電膜中に金属ナノワイヤが0.01〜90質量%含有されるように調整して設定するのが好ましい。金属ナノワイヤの含有量は0.1〜30質量%がより好ましく、さらに好ましくは0.5〜10質量%である。
また樹脂溶液への屈折率制御用粒子の配合量は、後述のように透明導電膜を形成した際に、透明導電膜中に屈折率制御用粒子が0.5〜50質量%含有されるように調整して設定するのが好ましい。屈折率制御用粒子の含有量は0.5〜20質量%の範囲であることがより好ましい。屈折率制御用粒子の含有量が上記の範囲未満であると、透明導電膜の屈折率を調整することが難しくなる。逆に屈折率制御用粒子の含有量がこの範囲を超えて多いと、透明導電膜のヘイズが高くなって透明性が低下し、また透明導電膜内において金属ナノワイヤ同士が接触導通することを粒子で阻害して、透明導電膜の導電性が低下するおそれがある。
屈折率制御用粒子の配合量は上記の範囲内で、透明導電膜の屈折率が透明基材の屈折率にできるだけ近くなるように設定されるものである。そして上記のように屈折率制御用粒子の含有量が多くなると透明導電膜のヘイズが高くなる傾向があるので、透明導電膜の膜を形成するマトリクス形成用樹脂として屈折率が透明基材の屈折率に近いものを選び、屈折率制御用粒子の配合量が必要最小量となるようにするのが好ましい。
ここで、樹脂溶液には、樹脂固形分、金属ナノワイヤ、屈折率制御用粒子など固形成分を溶解乃至分散するための溶剤が含有されることが必須であるが、溶剤の種類は特に限定されるものではない。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、あるいはこれらの混合物を用いることができる。これらの中でも、ケトン系の有機溶剤を用いるのが好ましく、ケトン系溶剤を用いて樹脂溶液を調製すると、透明基材の表面に容易に均一に塗布することができ、かつ、塗工後において溶剤の蒸発速度が適度で乾燥むらを起こし難いので、均一な厚さの大面積の透明導電膜を容易に得ることができるものである。また、溶剤としては上記の有機溶剤の他に、水を用いる場合もあり、有機溶剤と水を組み合わせて用いる場合もある。溶剤の量は、上記の各固形成分を均一に溶解、分散することができ、樹脂溶液を調製した後の保存時に凝集を来たさず、かつ、塗工時に希薄すぎない濃度となるように適宜調節するものである。この条件が満たされる範囲内で溶剤の使用量を少なくして高濃度の樹脂溶液を調製し、容量をとらない状態で保存し、使用時に必要分を取り出して塗工作業に適した濃度に溶剤で希釈するのが好ましい。固形分と溶剤の合計量を100質量部とした時に、全固形分0.1〜50質量部に対して、溶剤の量を50〜99.9質量部に設定するのが好ましく、さらに好ましくは、全固形分0.5〜30重量部に対して、溶剤を70〜99.5質量部の割合で用いることにより、特に分散安定性に優れ、長期保存に適した樹脂溶液を得ることができる。用いる樹脂と溶剤の組み合わせについては、特に規定されるものではないが、配合する樹脂が溶解しやすい溶剤を用いるほうが好ましい。また塗工する透明基材によっては、用いる溶剤によって溶解が発生する場合もあるので、予め透明基材への溶解性を確認したうえで適切な溶剤組成を設計することが望ましい。
一方、本発明で用いる透明基材において、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。透明基材の形状としては、例えば平板状、シート状、フィルム状などが挙げられ、また構造としては、例えば単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、適宜選択することができる。透明基材の材料についても特に制限はなく、無機材料及び有機材料のいずれであっても好適に用いることができる。透明基材を形成する無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコンなどが挙げられる。また有機材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセテート系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリル系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また本発明において透明基材としては、上記のような基材単体のものであってもよいが、基材の表面に一層ないし複数層のハードコート層が形成されたものであってもよい。このように透明基材がハードコート層を備える場合、透明導電膜はハードコート層の上に形成されるものである。
このハードコート層はモノマーを重合した樹脂で形成されていてもよく、この樹脂中に粒子等を含んでいてもよい。樹脂としては、特に限定されるものではないが、上記の透明導電膜を形成するマトリクス形成樹脂と同じものを用いることが可能であり、また粒子としては樹脂より低い屈折率あるいは高い屈折率を有するもの、樹脂より高い硬度を有するもの、耐熱性が高いものなど、種々の機能を有するものを用いることができる。
本発明において、透明導電膜との関係で透明基材の屈折率が問題になるのは、透明導電膜との接触界面部である。従って本発明において透明基材の屈折率とは、透明基材が基材単体のものであれば、透明基材自体の屈折率をいうものであり、透明基材が表面にハードコート層を有するものであれば、ハードコート層の屈折率をいうものである。
そして透明基材1の表面に、上記の金属ナノワイヤ3と、屈折率制御用粒子4とを配合した樹脂溶液を塗布して乾燥・硬化させることによって、図1のように透明導電膜2を形成することができるものである。このように形成される透明導電膜2中には図1のように、透明なマトリクス樹脂5内に金属ナノワイヤ3や、屈折率制御用粒子4がほぼ均一に分散した状態で含有されている。樹脂溶液の塗布方法としては、例えば、スピンコート法、キャスト法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法などが挙げられる。また透明導電膜2の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01〜100μm程度の範囲が好ましく、0.05〜10μmの範囲がより好ましく、さらに好ましくは0.1〜3μmの範囲である。尚、図2は、透明基材1として、基材1aの表面にハードコート層1bを設けて形成したものを示すものであり、透明導電膜2はハードコート層1bの上に形成してある。
このように形成される透明導電膜2にあって、膜中に含有される金属ナノワイヤ3同士が接触しあうことによって高い導電性を発現するものである。そして透明導電膜2の屈折率は、屈折率制御用粒子4を含有することによって、透明基材1の屈折率と近いものに調整されている。従って、透明導電膜2にパターニングを施すことによって、図3のように透明基材1の表面に、透明導電膜2で覆われる部分と、透明基材1が露出する部分とが形成されても、透明基材1の屈折率と透明導電膜2の屈折率の差が小さいために、透明導電膜2で覆われる部分と、透明基材1が露出する部分との間での反射率や反射色の差が小さくなる。このため、透明導電膜2のパターン形状が目立つようなことがなくなり、透明導電膜2のパターンの視認性を低くすることができるものである。例えば、表示デバイス等においては、透明導電膜2のパターンが認識され易いと、反射の斑模様が見えたり、液晶ディスプレイなどのセルピッチとのモアレが見えたりするなどの問題が生じ、表示デバイスとしての表示品質が損なわれるが、上記のように透明導電膜2のパターンの視認性を低くすることによって、表示品質を格段に改善することが可能になるものである。
ここで本発明は、透明基材1と透明導電膜2の屈折率の差が0.02以下になるように、屈折率制御用粒子4の種類や含有量を調整して、透明導電膜2の屈折率を制御するものである。透明導電膜2の屈折率と透明基材1の屈折率との差が0.02を超えて大きいと、透明導電膜2と透明基材1の屈折率差を小さくすることによって、透明導電膜2のパターンの視認性を低くすることの効果を十分に得ることができない。
尚、屈折率制御用粒子4として、無機物粒子など透明導電膜2を形成するマトリクス樹脂よりも硬度の高いものを用いることによって、透明導電膜2の表面硬度を向上することができ、また耐摩耗性も向上できるものであり、タッチパネルのように透明導電膜2に繰り返して接触されることが必須のデバイスにおいてより有用である。
上記のようにして得られる本発明に係る透明導電膜付き基板の用途は、特に制限されるものではないが、有機EL素子、透明配線、光電変換素子、電磁波シールド、タッチパネル、電子ペーパー等に適用することができるものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
光硬化性アクリル樹脂(新中村化学社製「A−DPH」)23.75質量部と、メチルエチルケトン14.2質量部およびメチルイソブチルケトン34.2質量部を混合し、アクリル樹脂を溶解させた後、さらに中空シリカ(日揮触媒化成工業社製:固形分20質量%、中空シリカの平均粒子径60nm)6.25質量部を加えて、混合物Aを調製した。また金属ナノワイヤとして銀ナノワイヤを用いた。この銀ナノワイヤは、公知論文「Materials Chemistry and Physics vol.114 p333-338 “Preparation ofAg nanorods with high yield by polyol process”」に準じて作製したものであり、平均直径150nm、平均長さ5μmである。この金属ナノワイヤ1.5質量部をメチルエチルケトン20.0質量部に分散させた混合物Bを調製した。そして混合物Aと混合物Bをよく混合した後、これに光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュア184」)0.1質量部を加えてよく混合し、さらに25℃の恒温雰囲気下で1時間撹拌混合することによって、金属ナノワイヤを含む樹脂溶液からなるコーティング材組成物を得た。
そして透明基材としてガラス板(屈折率1.49)を用い、上記のコーティング材組成物をワイヤーバーコーター#10で透明基材の表面に塗布し、120℃で2分間乾燥した後、UV積算量400mJ/cmでUVを照射することによって、膜厚0.2μmの透明導電膜を形成した透明導電膜付き基材を得た(図1参照)。
透明導電膜のマトリクス樹脂の屈折率は1.52であるが、屈折率が1.32の中空シリカを屈折率制御用粒子として15質量%含有することによって、透明導電膜の屈折率を1.49に調整することができた。
(実施例2)
光硬化性アクリル樹脂(新中村化学社製「A−DPH」)22.5質量部と、メチルエチルケトン11.7質量部およびメチルイソブチルケトン31.7質量部を混合し、アクリル樹脂を溶解させた後、さらにジルコニア分散液(シーアイ化成社製:固形分20質量%、ジルコニアの平均粒径20nm)を12.5質量部加えて、混合物Aを調製した。また金属ナノワイヤとして実施例1と同じ銀ナノワイヤを用い、この金属ナノワイヤ1.5質量部をメチルエチルケトン20.0質量部に分散させた混合物Bを調製した。そして混合物Aと混合物Bをよく混合した後、光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュア184」)0.1質量部を加えてよく混合し、さらに25℃の恒温雰囲気下で1時間撹拌混合することによって、金属ナノワイヤを含む樹脂溶液からなるコーティング材組成物を得た。
そして透明基材として透明PETフィルム(屈折率1.665)を用い、上記のコーティング材組成物をワイヤーバーコーター#10で透明基材の表面に塗布し、120℃で2分間乾燥した後、UV積算量400mJ/cmでUVを照射することによって、膜厚0.2μmの透明導電膜を形成した透明導電膜付き基材を得た(図1参照)。
透明導電膜のマトリクス樹脂の屈折率は1.52であるが、屈折率が1.94のジルコニアを屈折率制御用粒子として35質量%含有することによって、透明導電膜の屈折率を1.67に調整することができた。
(実施例3)
光硬化性アクリル樹脂(新中村化学社製「A−DPH」)17.5質量部と、メチルエチルケトン8.0質量部およびメチルイソブチルケトン27.9質量部を混合し、アクリル樹脂を溶解させた後、さらにシリカ分散液(日産化学社製:固形分30質量%、シリカの平均粒子径20nm)を25質量部加えて、混合物Aを調製した。また金属ナノワイヤとして実施例1と同じ銀ナノワイヤを用い、この金属ナノワイヤ1.5質量部をメチルエチルケトン20.0質量部に分散させた混合物Bを調製した。そして混合物Aと混合物Bをよく混合した後、光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュア184」)0.1質量部を加えてよく混合し、さらに25℃の恒温雰囲気下で1時間撹拌混合することによって、金属ナノワイヤを含む樹脂溶液からなるコーティング材組成物を得た。
そして透明基材としてハードコート付透明アクリルフィルム(ハードコートの屈折率1.515)を用い、上記のコーティング材組成物をワイヤーバーコーター#10で透明基材の表面に塗布し、120℃で2分間乾燥した後、UV積算量400mJ/cmでUVを照射することによって、膜厚0.2μmの透明導電膜を形成した透明導電膜付き基材を得た(図1参照)。
透明導電膜のマトリクス樹脂の屈折率は1.52であるが、屈折率が1.46のシリカを屈折率制御用粒子として5質量%含有することによって、透明導電膜の屈折率を1.51に調整することができた。
(実施例4)
光硬化性アクリル樹脂(新中村化学社製「A−DPH」)15.0質量部と、メチルイソブチルケトン16.7質量部を混合し、アクリル樹脂を溶解させた後、さらに二酸化チタン分散液(日揮触媒化成社製:固形分20質量%、二酸化チタンの平均粒子径10nm)を50.0質量部加えて、混合物Aを調製した。また金属ナノワイヤとして実施例1と同じ銀ナノワイヤを用い、この金属ナノワイヤ1.5質量部をメチルエチルケトン16.7質量部に分散させた混合物Bを調製した。そして混合物Aと混合物Bをよく混合した後、光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュア184」)0.1質量部を加えてよく混合し、さらに25℃の恒温雰囲気下で1時間撹拌混合することによって、金属ナノワイヤを含む樹脂溶液からなるコーティング材組成物を得た。
そして透明基材として透明PETフィルム(屈折率1.675)を用い、上記のコーティング材組成物をワイヤーバーコーター#10で透明基材の表面に塗布し、120℃で2分間乾燥した後、UV積算量400mJ/cmでUVを照射することによって、膜厚0.2μmの透明導電膜を形成した透明導電膜付き基材を得た(図1参照)。
透明導電膜のマトリクス樹脂の屈折率は1.52であるが、屈折率が1.94の二酸化チタンを屈折率制御用粒子として10質量%含有することによって、透明導電膜の屈折率を1.67に調整することができた。
(実施例5)
光硬化性アクリル樹脂(新中村化学社製「A−DPH」)20.0質量部と、メチルエチルケトン6.7質量部およびメチルイソブチルケトン26.7質量部を混合し、アクリル樹脂を溶解させた後、さらにITO分散液(EVONIK社製:固形分20質量%、ITO粒子の平均粒子径10nm)を25.0質量部加えて、混合物Aを調製した。また金属ナノワイヤとして実施例1と同じ銀ナノワイヤを用い、この金属ナノフィラー1.5質量部をメチルエチルケトン20.0質量部に分散させた混合物Bを調製した。そして混合物Aと混合物Bをよく混合した後、光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュア184」)0.1質量部を加えてよく混合し、さらに25℃の恒温雰囲気下で1時間撹拌混合することによって、金属ナノワイヤを含む樹脂溶液からなるコーティング材組成物を得た。
また透明基材としてハードコート付透明アクリルフィルム(ハードコートの屈折率1.53)を用い、上記のコーティング材組成物をワイヤーバーコーター#10で透明基材の表面に塗布し、120℃で2分間乾燥した後、UV積算量400mJ/cmでUVを照射することによって、膜厚0.2μmの透明導電膜を形成した透明導電膜付き基材を得た(図2参照)。
透明導電膜のマトリクス形成樹脂の屈折率は1.52であるが、屈折率が1.8のITOを屈折率制御用粒子として10質量%含有することによって、透明導電膜の屈折率を1.54に調整することができた。
(比較例1)
光硬化性アクリル樹脂(新中村化学社製「A−DPH」)25.0質量部と、メチルエチルケトン16.7質量部およびメチルイソブチルケトン36.7質量部を混合し、アクリル樹脂を溶解させて、混合物Aを調製した。また金属ナノワイヤとして実施例1と同じ銀ナノワイヤを用い、この金属ナノワイヤ1.5質量部をメチルエチルケトン20.0質量部に分散させた混合物Bを調製した。そして混合物Aと混合物Bをよく混合した後、光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュア184」)0.1質量部を加えてよく混合し、さらに25℃の恒温雰囲気下で1時間撹拌混合することによって、金属ナノワイヤを含む樹脂溶液からなるコーティング材組成物を得た。
そして透明基材として透明PETフィルム(屈折率1.665)を用い、上記のコーティング材組成物をワイヤーバーコーター#10で透明基材の表面に塗布し、120℃で2分間乾燥した後、UV積算量400mJ/cmでUVを照射することによって、膜厚0.2μmの透明導電膜を形成した。このときの透明導電膜の屈折率は1.64であった。
(比較例2)
高屈折率モノマー(大阪ガスケミカル社製「BPF」:ビスフェノールフルオレン)25.0質量部と、メチルエチルケトン16.7質量部およびメチルイソブチルケトン36.7質量部を混合し、混合物Aを調製した。また金属ナノワイヤとして実施例1と同じ銀ナノワイヤを用い、この金属ナノワイヤ1.5質量部をメチルエチルケトン20.0質量部に分散させて混合物Bを調製した。そして混合物Aと混合物Bをよく混合した後、光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュア184」)0.1質量部を加えてよく混合し、さらに25℃の恒温雰囲気下で1時間撹拌混合することによって、金属ナノワイヤを含む樹脂溶液からなるコーティング材組成物を得た。
そして透明基材としてハードコート付透明アクリルフィルム(ハードコートの屈折率1.515)を用い、上記のコーティング材組成物をワイヤーバーコーター#10で透明基材の表面に塗布し、120℃で2分間乾燥した後、UV積算量400mJ/cmでUVを照射することによって、透明導電膜を形成した。このときの透明導電膜の屈折率は1.54であった。
(比較例3)
ガラス板(屈折率1.51)の表面に、透明導電膜としてITO膜(屈折率2.00)をスパッタして形成することによって、透明導電膜付き基材を得た。
上記の実施例1〜5及び比較例1〜3の透明導電膜付き基材について、透明導電膜の屈折率、透明導電膜の表面抵抗、透明基材の表面と透明導電膜の反射率の差、透明基材の表面と透明導電膜の反射色の差を測定した。
ここで、透明導電膜の屈折率は、yaman社製「Filmtek3000」を用いて測定した。透明導電膜の表面抵抗の測定は、表面抵抗値計(三菱化学社製「HirestaIP (MCP−HT260)」)を使用して行なった。反射率差は、分光光度計(日立製作所製「U−4100」)を用いて、波長550nmでの透明基材と透明導電膜の反射率を測定し、その差を算出して求めた。反射色差は、分光測色計(コニカミノルタ製「CM−3600d」)を用い、透明基材と透明導電膜のb*を測定し、その差を算出して求めた。結果を表1に示す。
Figure 0005443878
表1にみられるように、透明基材と透明導電膜の屈折率の差が0.02以下と小さい各実施例のものは、透明基材と透明導電膜の間で反射率差や反射色差が小さく、透明導電膜をパターニングするにあたって、透明導電膜のパターンの視認性を低くできることが確認された。
1 透明基材
2 透明導電膜
3 金属ナノワイヤ
4 屈折率制御用の粒子
5 マトリクス樹脂

Claims (4)

  1. 透明基材の表面に金属ナノワイヤを含有する透明導電膜を備えて形成され、前記透明導電膜の屈折率と、前記透明基材の前記透明導電膜との接触界面部の屈折率との差が、0.02以下であり、前記透明導電膜は、屈折率制御用の粒子を含有する樹脂溶液の塗膜によって形成されていることを特徴とする透明導電膜付き基材。
  2. 前記屈折率制御用の粒子として、フッ化マグネシウム、シルセスキオキサン、二酸化ケイ素、ジルコニア、アルミナ、酸化亜鉛、二酸化チタン、TOから選ばれる少なくとも一種の粒子を用いることを特徴とする請求項に記載の透明導電膜付き基材。
  3. 前記樹脂溶液の樹脂として、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリシリコン、ポリアクリレート、ポリシラン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリオレフィン、フッ素重合体、ポリアミド、ポリイミド、ポリノルボルネン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、あるいはこれらの共重合体または混合物から選ばれる少なくとも一種を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明導電膜付き基材。
  4. 前記屈折率制御用の粒子の平均粒子径が5〜100nmであり、且つ前記樹脂溶液中の前記屈折率制御用の粒子の含有量が、固形分換算で0.5〜50質量%であることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の透明導電膜付き基材。
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