JP5442220B2 - 射出成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ウエルド部の強度を改善することができる射出成形品の製造方法に関する。
一般に射出成形におけるウエルドは、多点ゲートの場合、必然的に発生する。また、ウエルドは、一点ゲートであっても偏肉比の大きな射出成形品や押し切りピンを設けた射出成形品を射出成形する場合のように、ゲートから金型キャビティ内に射出された溶融樹脂流が分岐し、これがさらに合流する合流部に対応し成形体表面に発生する。すなわち、ウエルドは溶融樹脂流が合流して形成される合流界面が成形体表面に表出した接合部位を示す。
このような成形品のウエルドは、上記のような各種の要因が複合して生じる場合が多く、現実の複雑な形状の成形品において、ウエルドの生じない成形品を得ることは極めて困難である。かかるウエルド部においては、ウエルドマークと称される線状の模様が生じ外観を損ねるのみならず、単に溶融樹脂が合流して融着一体化しただけで樹脂の均一な混合が行われないこともあって、樹脂が本来有する強度よりはるかに低い強度しか得られないという極めて重大な問題が生じる。
ウエルド部における強度低下を改善する方法として、ランナーを経て複数のゲートから金型キャビティ内へ溶融樹脂が射出され、その金型キャビティ内において複数の溶融樹脂流が合流する合流部に対応して成形体表面にウエルド部が形成されるサーモトロピック液晶ポリマーの射出成形方法において、上記合流する溶融樹脂流の一方が上記合流部において実質的に合流した後に再流動することが出来るような容積を有するキャビティであって上記金型キャビティとは別個のキャビティを上記複数のゲートのうちの一つのゲート近くのランナー部に設ける方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、射出充填される溶融樹脂が分流する点から該分流樹脂の合流により形成されるウエルド部までの分流樹脂流路の少なくとも一方の側に、進退可能なピストンを内蔵した樹脂溜めを成形品キャビティから突出させて設けた金型を用い、ウエルドが形成された後、まだ内部で樹脂が流動性を維持している間にウエルド部で樹脂の移動を生じさせ、ウエルド部での樹脂あるいは充填剤の配向等を乱すことによるウエルド強度等の効率的な改善方法及びそのための金型が開示されている(特許文献2参照)。
ウエルド部における強度低下を改善するもう一つの方法として、ランナーを経て複数ゲートから金型キャビティ内へ溶融樹脂が射出され、その金型キャビティ内において複数の溶融樹脂が合流する合流部に対応して成形体にウエルド部が形成される熱可塑性樹脂組成物の射出成形方法において、上記合流する溶融樹脂流の一方が上記合流部において実質的に合流した後に再流動することができるような容積を有する樹脂溜めであって上記金型キャビティ又はランナーの少なくとも一方の側に突出した樹脂溜めを設ける方法が開示されている。
特開平05−318517号公報 特開平06−008293号公報 特開平05−285990号公報
特許文献1の方法では厚み3mm以下、特許文献3の方法では厚み4mm以下の薄い成形品には適用した例が無い。特許文献2に記載の方法でも薄い成形品の場合には充分なウエルド強度改善を実現できていない。ところが、薄肉コネクター等の薄い精密成形品において嵌合時に割れる等の問題が発生している。さらに、近年では、様々な部品の肉薄化が進んでいるため、薄い成形品の成形の際にもウエルド強度を改善する技術が求められている。
また、特許文献2、3の方法は、樹脂が合流した後に再流動させる技術であり、金型において、樹脂溜めの位置及び体積は、樹脂の固化速度、成形品体積、さらには樹脂温度、金型温度、射出圧等を成形条件とも関連するものであり一義的に規定することは難しい。このため所望の改善の程度に対して、最良の樹脂溜めの位置等がほぼ一義的に決められ、高品質な射出成形品を容易に成形することを可能にする技術が求められている。
特に特許文献2の方法では、樹脂溜めの体積を大きくすれば、ウエルド部において多くの樹脂を移動させることができ、ウエルド強度を改善することができるが、大きい樹脂溜めでは、樹脂の消費量が多くなってしまうために現実的ではなく、できるだけ小さな樹脂溜めで、ウエルド強度を改善する技術が求められている。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、所望の改善の程度での、最良の樹脂溜めの位置、樹脂溜めの体積をほぼ一義的に決めることができ、薄い射出成形品に対しても充分にウエルド強度の改善ができる射出成形品の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記のような課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、キャビティ内の複数の溶融樹脂流の合流により形成されるウエルド部までの分流路の少なくとも一方の側であって、そのウエルド部を除くウエルド部付近から突出した樹脂溜めを設けた金型を用いる射出成形品の製造方法であり、前記樹脂溜めは、ゲート中央部からウエルド部までの成形品体積をV、前記Vのうち、ウエルド部から前記樹脂溜めの湯口中央部までの成形品体積をV、前記樹脂溜めの体積をV、とした場合に、下記の式(I)を満たすように配置される射出成形品の製造方法であれば、以上のような課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
[式I]
(V/V)>−71.4(V/V)+47.8(V/V)−10.0(V/V)+0.78 ・・・(I)
(1) キャビティ内の複数の溶融樹脂流の合流により形成されるウエルド部までの分流路の少なくとも一方の側であって、前記ウエルド部を除くウエルド部付近から突出した樹脂溜めを設けた金型を用いる射出成形品の製造方法であって、 前記樹脂溜めは、ゲート中央部からウエルド部までの成形品体積をV、前記Vのうち、ウエルド部から前記樹脂溜めの湯口中央部までの成形品体積をV、前記樹脂溜めの体積をV、とした場合に、下記の式(I)を満たすように配置される射出成形品の製造方法。
[式I]
(V/V)>−71.4(V/V)+47.8(V/V)−10.0(V/V)+0.78 ・・・(I)
(2) キャビティ内の複数の溶融樹脂流の合流により形成されるウエルド部までの分流路の少なくとも一方の側であって、前記ウエルド部を除くウエルド部付近から突出した樹脂溜めを設けた金型を用いる射出成形品の製造方法であって、前記樹脂溜めは、ゲート中央部からウエルド部までの成形品体積をV、前記Vのうち、ウエルド部から前記樹脂溜めの湯口中央部までの成形品体積をV、前記樹脂溜めの体積をV、とした場合に、下記の式(II)を満たすように配置される射出成形品の製造方法。
[式II]
(V/V)>−35.6(V/V)+27.0(V/V)−6.56(V/V)+0.66 ・・・(II)
(3) 前記(V/V)は0.10以上0.17以下である(1)又は(2)に記載の射出成形品の製造方法。
(4) 前記(V/V)は0.10以上0.25以下である(1)から(3)のいずれかに記載の射出成形品の製造方法。
(5) 射出樹脂が液晶ポリマーであり、前記射出成形品の厚みが1mm未満である(1)から(4)のいずれかに記載の射出成形品の製造方法。
本発明によれば、キャビティ内の複数の溶融樹脂流の合流により形成されるウエルド部までの分流路の少なくとも一方の側であって、前記ウエルド部を除くウエルド部付近から突出した樹脂溜めを設けた金型を用いる射出成形品の製造方法において、所望のウエルド強度改善の程度での、用いる金型における最良の樹脂溜めの位置、樹脂溜めの体積をほぼ一義的に決めることができる。
本発明によれば、1mm未満の極めて薄い射出成形品に対しても充分にウエルド強度の改善ができる。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本発明は、射出成形品の製造方法において、キャビティ内の複数の溶融樹脂流の合流により形成されるウエルド部までの分流路の少なくとも一方の側であって、そのウエルド部を除くウエルド部付近から突出した特定の樹脂溜めを設けた金型を用いることを特徴とする。
<金型>
本発明の射出成形品の製造方法に用いる金型は、上記の通り、樹脂溜めを持つ。樹脂溜めが無ければ、樹脂がウエルド部で流動方向に対して直角の方向に配向し、樹脂同士の絡み合い等の相互作用が小さいため、この部分の強度が低下してしまう。本発明では、樹脂溜めに樹脂を流し込むことにより、ウエルド部にも樹脂流動方向の配向が生じるので、ウエルド部の強度が改善される。また、樹脂溜め付近には、樹脂の流動方向に対して直角方向、すなわち樹脂溜めの湯口に向かう配向が生じ、樹脂溜めを、ウエルド部を除くウエルド部付近に設けることで、ウエルド部の樹脂の配向を乱すことができるので、樹脂同士の相互作用が強まり、ウエルド部の強度低下を防ぐことができる。
本発明の射出成形品の製造に用いる金型は、樹脂溜めが、ゲート中央部からウエルド部までの成形品体積をV、Vのうち、ウエルド部から上記樹脂溜めの湯口中央部までの成形品体積をV、上記樹脂溜めの体積をV、とした場合に、下記の式(I)を満たすように配置されることを特徴とする。ウエルド部の曲げ強度が、その他の部分の曲げ強度の40%以上である領域を式(I)で表すことができる。なお、ウエルド部が生じることにより曲げ強度は低下するが、どの程度の曲げ強度が残るかを示す保持率とは、(ウエルド部の曲げ強度/その他の部分の曲げ強度)×100(%)から求まる値を採用する。例えば、下記式Iの場合には保持率が40%以上の領域を示す。
[式I]
(V/V)>−71.4(V/V)+47.8(V/V)−10.0(V/V)+0.78 ・・・(I)
金型に下記式を満たすような樹脂溜めを設けることで、ウエルド部の曲げ強度が、その他の部分の曲げ強度の40%以上になる。本発明は、このようなウエルド強度を大きく改善できることに加えて、所望の改善の程度での、用いる金型における最良の樹脂溜めの位置、樹脂溜めの体積をほぼ一義的に決めることができる。
ウエルド部の曲げ強度の測定方法は、後述する方法で測定した曲げ強度の値を採用するものとする。
また、樹脂溜め位置が下記式(II)を満たすように配置される金型を用いて、射出成形品を製造することにより、ウエルド部の曲げ強度が、その他の部分の曲げ強度の50%以上になる。ウエルド部に強度がさらに改善できるので好ましい。上記式(I)の場合と同様に、ウエルド部の曲げ強度が、その他の部分の曲げ強度の50%以上である領域を式(II)で表すことができる。
[式II]
(V/V)>−35.6(V/V)+27.0(V/V)−6.56(V/V)+0.66 ・・・(II)
上記式から、ウエルド部が所望の曲げ強度を実現するための、樹脂溜めの位置、樹脂溜めの体積が容易に決まる。また、後述する通り、樹脂溜めの位置、体積を最適化することにより、余分に必要になる樹脂の消費量を抑えて、所望のウエルド強度改善の効果を得ることができる。
本発明の射出成形品の製造方法において、V/Vの範囲は、通常、所望の射出成形品のウエルド強度改善の程度により適宜変更される。例えば、保持率40%以上のウエルド強度を持つ成形品が必要な場合には、上記式Iを満たすように樹脂溜めの位置、樹脂溜めの体積を製造者が自由に決定する。ここで、V/Vの範囲は、0.10以上0.17以下であることが好ましい。射出成形品の体積に対して樹脂溜めの体積が大きければ樹脂の移動量が多くなり配向を乱しやすく、ウエルド部の強度が改善されやすいことが知られているが、図4、5から明らかなようにV/Vが上記範囲にあれば、樹脂溜めの体積を抑えつつ高いウエルド強度改善の効果を実現することができる。また、図5から明らかなように、保持率が40%以上を実現することができるのは、V/Vが0.065以上の範囲である。同様に図5から、保持率50%以上を実現することができるのは、V/Vが0.085以上の範囲である。また、図4、図5から明らかなようにV/Vの範囲が、上記の0.10以上0.17以下であれば、保持率40%以上、50%以上の領域が広く、保持率40%以上、50%以上を実現する可能性が高まるので好ましい。
本発明の射出成形品の製造方法において、V/Vの範囲は、通常、所望の射出成形品のウエルド強度改善の程度により適宜変更されるが、0.10以上0.25以下であることが好ましい。射出成形品の体積に対して、樹脂溜めの体積を大きくすることで、上記の通りウエルド部の強度は改善されやすくなるが、樹脂溜めの体積を大きくすると余分な樹脂の消費量が多くなり、その分費用がかさみ好ましくない。
/Vの範囲が0.10以上0.15以下であり、V/Vの範囲が0.10以上0.25以下であれば、非常に高いウエルド部の強度改善の効果が得られ、且つ余分に必要になる樹脂の消費量を抑えることができるので好ましい。
樹脂溜めを設ける位置は、樹脂溜めの体積との関係で決定されるが、樹脂溜めの距離がウエルド部から長すぎると、樹脂溜めによる樹脂の配向を乱す効果がウエルド部まで影響しにくくなり、樹脂溜め体積を極端に大きくする必要が生じ好ましくない。また、樹脂溜めの距離がウエルド部から短すぎる場合、すなわちV/Vが0.065より小さくなると、ウエルド部に沿った樹脂流動を乱し、ウエルド部に直角方向の配向を生じさせ難くなるので好ましくない。なお「樹脂溜め距離」とは、樹脂溜めの湯口中央部からウエルド部までの距離のことをいう。
本発明に用いる金型には、樹脂溜めは複数個設けてもよい。複数の樹脂溜めを設けるにあたっては、分流樹脂路の両方に設け複雑な樹脂の圧入を行うことも可能であるが、できれば分流回路の一方の側にウエルドに沿って設けることが好ましい。
金型と、樹脂溜めと、をつなぐ湯口の厚さは、特に限定されないが、湯口の厚さは、樹脂の流動が保てる範囲内で、より薄い方が好ましい。湯口の厚さを絞ることで、樹脂溜め内部の圧力とキャビティ内の圧力との差が大きくなり、樹脂が流れ込みやすくなるため、ウエルド部に樹脂流動方向の配向を生じさせやすく、また、樹脂溜め付近では、樹脂の配向が乱され、樹脂同士の相互作用も高まることから、ウエルド強度改善の効果が高まる。
上記のような本発明に用いる金型は、公知のいずれの熱可塑性樹脂の射出成形にも適用可能であるが、従来の成形方法ではウエルド部での強度低下が激しかったものに対し適用するのが特に有効である。例えば、結晶性樹脂、特に液晶ポリマーの従来法による成形法においては、ウエルド部をはさんでその両側にウエルドに沿って分子が配向するため、ウエルド部においては他の部分に比べ著しく低い強度しか得られないが、本発明の成形方法及び金型によれば、ウエルド部における斯かる配向が効率よく乱されることにより十分な強度改善が可能である。また無機充填剤、特に繊維状充填剤の配合された熱可塑性樹脂においても、無機充填剤、特に繊維状充填剤がウエルドに沿って配向するので同様の問題が生じ易いものであったが、本発明の成形方法及び金型は、斯かる樹脂組成物の成形に対しても極めて有効である。
<射出成形品>
本発明の製造方法で製造可能な射出成形品の形状等は特に限定されず、様々な形状の射出成形品の成形に本発明の製造方法を適用することができる。
上記特許文献1に記載の方法等では、射出成形品の厚さが、極めて薄い場合にはウエルド強度改善の効果が得られないが、本発明の射出成形品の製造方法であれば、厚み1mm未満の薄い射出成形品であってもウエルド強度の改善をすることができる。さらに0.5mm未満の射出成形品であってもウエルド強度の改善をすることができる。このように、薄い射出成形品であってもウエルド強度の改善ができることは、本発明の特徴の一つである。
本発明の製造方法により得られる射出成形品は、ウエルド部の強度が大きく改善されたものである。本発明では、樹脂溜めを設けない場合と比較して、3倍以上のウエルド強度の改善を実現することができる。さらに、樹脂溜めの位置、体積等の設定によっては、4倍以上のウエルド強度の改善を実現することが可能である。
本発明の製造方法は、上述の通り、様々な樹脂を用いた射出成形品の製造に適用することができるが、強度が弱いために、嵌合時に割れる等の問題が生じている薄肉コネクター等の精密成形品に適用することが好ましい。さらに、上記のような液晶性ポリマーを用いた薄肉コネクターでも、ウエルド強度の改善を実現することができるため、本発明の製造方法を好ましく適用することができる。
本発明の射出成形品の製造方法は、樹脂溜めを備えた上記のような金型を用いるものであれば、樹脂の固化速度、成形品容量、さらには樹脂温度、金型温度、射出圧等を成形条件等は特に限定されない。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<材料>
液晶性樹脂(ポリプラスチックス社製「ベクトラE130i」)
<成形方法>
下記評価例の射出成形品は、図1に示される金型、成形機(Sodick Plustech社製「TR100EH」)を用いて、以下の条件で成形を行った。得られる成形品のサイズは50mm×5mm×(下記表に示す厚み)である。また、成形品の厚みの変更は、図1に示される「製品・ランナー」の取替えにより行い、樹脂溜め位置の変更は、図1に示される「樹脂溜め」の取替えにより行い、樹脂溜め体積の変更は、当該部のエジェクトピンの長さを変更し、樹脂溜めの深さを変更することにより行った。なお、ウエルド部の位置については、樹脂溜めのない金型を用いて射出成形品を得ることにより確認した。
[成形条件]
成形温度:350℃
射出速度:100mm/sec
金型温度:70℃
サイクル時間:14秒
樹脂溜め位置とV/Vとの関係、及び樹脂溜め深さとV/Vとの関係を表1、表2にそれぞれ示した。
Figure 0005442220
Figure 0005442220
<実施例1>
表3に示す金型を用いて、実施例及び比較例の射出成形品を製造した。以下に示す方法で曲げ強度を測定した。測定結果を表3に示した。
[曲げ強度の測定]
図2に示す曲げ試験機(ORIENTEC社製「TENSILON RTA−250」):試験速度が1mm/min、スパンが20mm、支点Rが2.0mmと、図3に示す荷重治具(図3に記載の寸法はマイクロメーターを用いて測定した。単位はmmである)を用いて実施例及び比較例の試験片のウエルド部の曲げ強度、及びウエルド部を以外の部分の曲げ強度を測定した。さらに、上述の計算方法により保持率を求めた。曲げ強度、保持率を表3に示した。
Figure 0005442220
表3から分かるように、特定の体積の樹脂溜めを特定の位置に設けることで、ウエルド部の強度を改善する効果が高まることが確認された。また、改善前(比較例)の保持率及び改善後の保持率(実施例)は、成形品の厚みにほとんど依存しないことが確認された。
[実施例2]
表4に示す様々なV/V、V/Vの金型を用いて、ウエルド部の曲げ強度を測定することにより、曲げ強度の保持率を計算した。保持率を表4に示した。また、図4に横軸V/V、縦軸V/Vとして、グラフを図示した。プロット部分に記載されている数字は保持率である。また、併せて、保持率40%以上になる回帰曲線、及び保持率が50%以上になる回帰曲線も図示した。
Figure 0005442220
表4をグラフ化した図4によれば、保持率が40%以上となる領域を示す近似曲線と、保持率50%以上を示す近似曲線が明らかになった。なお、グラフ中の数字は保持率である。
図5は、表4で示されるデータを元にUMETRICS社製解析ソフト「MODDE6」を用いることにより求めた保持率が10%以上、20%以上。30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上となる領域を示す。グラフ中の数字が保持率を示し、各実線より上方の領域が、実線で示される保持率以上の保持率を示す領域を表す。
本発明は、図4に示される回帰曲線で特定している。この図4に示される保持率40%以上を表す回帰曲線及び保持率50%以上を表す回帰曲線と、図5に示される保持率40%以上を表す曲線と保持率50%以上を表す曲線とは、厳密には同じではないが、図4、5に示される範囲においては、等価である。
回帰曲線から明らかなように、V/Vが0.1から0.17の範囲であれば、樹脂溜めの体積を抑えつつウエルド強度を改善できることが確認された。また、樹脂溜めの体積が大きいほどウエルド強度改善の効果が高いことが確認された。
<実施例3>
表5に示すように湯口の厚さの異なる金型を用いて、射出成形品を製造した。各成形品の曲げ強度の保持率を表5に示した。
Figure 0005442220
表5の結果から明らかなように、湯口の厚みが薄いほどウエルド強度改善の効果が大きいことが確認された。
本発明の実施に用いられる金型を示す図である。(a)は正面図、(b)は、A−A線断面略示図である。 成形品の強度の評価に用いた曲げ試験機である。 成形品の強度の評価に用いた荷重治具である。 /VとV/Vと保持率との関係を示す図である。 計算により得られたV/VとV/Vと保持率との関係を示す図である。

Claims (5)

  1. キャビティ内の複数の溶融樹脂流の合流により形成されるウエルド部までの分流路の少なくとも一方の側であって、前記ウエルド部を除くウエルド部付近から突出した樹脂溜めを設けた金型を用いる射出成形品の製造方法であって、
    前記樹脂溜めは、ゲート中央部からウエルド部までの成形品体積をV、前記Vのうち、ウエルド部から前記樹脂溜めの湯口中央部までの成形品体積をV、前記樹脂溜めの体積をV、とした場合に、下記の式(I)を満たすように配置される射出成形品の製造方法。
    (V/V)>−71.4(V/V)+47.8(V/V)−10.0(V/V)+0.78 ・・・(I)
  2. キャビティ内の複数の溶融樹脂流の合流により形成されるウエルド部までの分流路の少なくとも一方の側であって、前記ウエルド部を除くウエルド部付近から突出した樹脂溜めを設けた金型を用いる射出成形品の製造方法であって、
    前記樹脂溜めは、ゲート中央部からウエルド部までの成形品体積をV、前記Vのうち、ウエルド部から前記樹脂溜めの湯口中央部までの成形品体積をV、前記樹脂溜めの体積をV、とした場合に、下記の式(II)を満たすように配置される射出成形品の製造方法。
    (V/V)>−35.6(V/V)+27.0(V/V)−6.56(V/V)+0.66 ・・・(II)
  3. 前記(V/V)は0.10以上0.17以下である請求項1又は2に記載の射出成形品の製造方法。
  4. 前記(V/V)は0.10以上0.25以下である請求項1から3のいずれかに記載の射出成形品の製造方法。
  5. 射出樹脂が液晶ポリマーであり、前記射出成形品の厚みが1mm未満である請求項1から4のいずれかに記載の射出成形品の製造方法。
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