JP2010247430A - ジェッティング現象の発生の有無を判定する方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の成形条件での、前記プラスチック成形用金型のキャビティ内の所定の位置における前記溶融樹脂材料のせん断応力を流動解析により算出するせん断応力導出工程と、それぞれの前記成形条件で前記樹脂材料を実際に射出成形しジェッティング現象の発生の有無を確認する確認工程と、前記確認工程の結果から、ジェッティング現象が発生する場合のせん断応力の最小値と、ジェッティング現象が発生しない場合のせん断応力の最大値と、の間のせん断応力を、ジェッティング現象の発生の有無を判定するための閾値として求める閾値導出工程と、を備える方法で判定する。
【選択図】図4
Description
準備工程は、使用する樹脂材料や金型を決定する工程である。本発明は様々な樹脂材料、様々な形状や材質の金型に適用可能である。
上記の通り、本発明のジェッティング現象の発生の有無を判定する方法は、どのような樹脂材料に対しても用いることができる。レイノルズ数を用いて判定する方法では、ジェッティング現象の発生の有無を正確に判定できない場合があった。しかし、本発明の判定方法を用いれば、結晶性熱可塑性樹脂、非晶性熱可塑性樹脂を問わず、それぞれの樹脂材料において正確にジェッティング現象の発生の有無を判定することができる。
本発明のジェッティング現象を判定する方法は、上記の通りどのような形状の金型であっても正確にジェッティング現象の発生の有無を判定できるが、特に以下のような金型でジェッティング現象の発生が問題になる。本発明のジェッティング現象の発生の有無を判定する方法は、ジェッティング現象が発生しやすい金型を用いるために、事前にジェッティング現象が発生しない成形条件を検討しなければならない場合に特に効果を発揮する。本発明を用いればジェッティング現象の発生の有無を正確に判定することができ、最適な成形条件を容易に決定することができるからである。
算出工程は、金型キャビティ内で最も溶融樹脂材料のせん断速度が速くなる位置を算出する工程である。後述する通り、本発明のジェッティング現象の発生の有無を判定する方法は、金型キャビティ内の所定の位置における溶融樹脂材料のせん断応力を流動解析により求めることが特徴である。したがって、せん断応力を求める所定の位置をせん断速度の速い位置に設定することで、より正確にジェッティング現象発生の有無を判定することができる。せん断速度が最大の位置で、せん断応力が最大になる可能性が極めて高いからである。
せん断応力導出工程は、複数の成形条件での、上記プラスチック成形用金型キャビティ内の所定の位置における上記溶融樹脂材料のせん断応力を流動解析により求める工程である。より具体的には、上記と同様に従来公知の流動解析ソフトを用いる方法で導出することができる。
確認工程とは、それぞれの成形条件で樹脂材料を実際に射出成形し、ジェッティング現象の発生の有無を確認する工程である。上記の溶融樹脂材料のせん断応力が大きくなるとジェッティング現象が発生しやすいが、どの程度のせん断応力でジェッティング現象が生じるかは、実際に成形して確かめなければ決まらないからである。しかし、一度、ジェッティング現象が生じる溶融樹脂材料のせん断応力を決めれば、同じ種類の材料であればその基準は変わらないため、ジェッティング現象が発生するか否かの判定に用いることができる。この際、射出成形に用いるキャビティの材質や形状についても配慮が必要である。
閾値導出工程は、確認工程の結果から、ジェッティング現象が発生する場合のせん断応力の最小値と、ジェッティング現象が発生しない場合のせん断応力の最大値と、の間のせん断応力を、ジェッティング現象の発生の有無を判定するための閾値として求める工程である。「確認工程の結果」とは、それぞれの成形条件における、金型キャビティ内の所定の位置での、せん断応力の最大値と、ジェッティング現象発生の有無と、の結果である。
本発明のジェッティング現象の発生の有無を判定する方法において得られるせん断応力閾値以下となる成形条件で射出成形を行うことで、高品質な成形体を高い生産性で製造することができる。
<準備工程>
[材料]
ポリアセタール樹脂1:「ジュラコン(登録商標)M90−44」(ポリプラスチックス社製)、メルトインデックス:9g/min(190℃、2160g荷重)
ポリアセタール樹脂2:「ジュラコン(登録商標)M270−44」(ポリプラスチックス社製)メルトインデックス:27g/min(190℃、2160g荷重)
ポリアセタール樹脂3:「ジュラコン(登録商標)M450−44」(ポリプラスチックス社製)メルトインデックス:45g/min(190℃、2160g荷重)
金型1:80mm角3mmt平板(ゲートサイズ:厚み1mm×幅2mm×長さ2mm)
金型キャビティ表面材質:キャビティ表面の材質は、溶融樹脂材料の金型壁面への拘束挙動に影響を及ぼすことがあり、同じ材質のものを使用
[流動解析ソフト]
流動解析ソフト:Moldflow Plastic Insight Version 6.1 Revision 5 Build 7511 三次元充填解析
本発明の金型については、キャビティ内に特に厚みの薄い箇所がないという理由から、溶融樹脂材料のせん断速度は、ゲート付近で最も速くなると考えられる。このため、図5に矢印で示す位置での流動解析を行った。
ポリアセタール樹脂1について、流動解析ソフトを用いて、成形体形状データ(80mm角3mmt平板、スプルー、ランナー、ゲート、及びゲート近傍のキャビティを図6に示すようにモデル化)、樹脂データとして下記表に示すポリアセタール樹脂のデータ、樹脂温度データとして200℃、金型温度データとして80℃、スクリュー径(φ36mm)と射出速度1mm/secから算出される射出率データとして1.02(cm3/sec)を予め入力し、コンピューターを用いて流動解析を行った。流動解析の結果から、せん断速度、粘度の経時的変化を求め、これらの粘度とせん断速度からせん断応力の最大値を求めた。ポリアセタール樹脂2、ポリアセタール樹脂3についても同様に、流動解析からせん断応力の最大値を求めた。
射出成形機(ファナック ROBOSHOT α100iA)を用いて、下記成形条件で実際に射出成形を行い、ジェッティング現象の発生の有無を確認した。
[成形条件]
スクリュー径:φ36mm
シリンダー温度:(ノズル/C1/C2/C3/C4=200℃/200℃/190℃/180℃/60℃)
金型温度:80℃
射出速度:1mm/sec
射出速度を5mm/sec、10mm/sec、50mm/sec、100mm/secに変更し、それぞれの射出速度から求めた射出率を下記表に示した。各射出率におけるせん断応力の最大値を、上記と同様の流動解析から求めた。そして、これらの条件で実際に射出成形を上記確認工程と同様の条件で行いジェッティング現象の発生の有無を確認した。射出速度、射出率、せん断応力の最大値、せん断応力が最大になるときのせん断速度、ジェッティングの発生の有無を表1に示した。さらに、縦軸をせん断応力、横軸をせん断速度として、せん断応力の最大値と、せん断応力が最大になるときのせん断速度と、の関係を図7に示した。
金型のゲートサイズを厚み2mm×幅4mm×長さ2mmに変更した以外は、実施例1と同様の方法で閾値を求めた。射出速度、射出率、せん断応力の最大値、せん断応力が最大になるときのせん断速度、ジェッティングの発生の有無を表2に示した。さらに、縦軸をせん断応力、横軸をせん断速度として、せん断応力の最大値と、せん断応力が最大になるときのせん断速度と、の関係を図8に示した。
Claims (6)
- プラスチック成形用金型に、樹脂材料を溶融させた溶融樹脂材料を射出して、成形体を製造するに際して、ジェッティング現象の発生の有無を判定する方法であって、
複数の成形条件での、前記プラスチック成形用金型のキャビティ内の所定の位置における前記溶融樹脂材料のせん断応力を流動解析により算出するせん断応力導出工程と、
それぞれの前記成形条件で前記樹脂材料を実際に射出成形しジェッティング現象の発生の有無を確認する確認工程と、
前記確認工程の結果から、ジェッティング現象が発生する場合のせん断応力の最小値と、ジェッティング現象が発生しない場合のせん断応力の最大値と、の間のせん断応力を、ジェッティング現象の発生の有無を判定するための閾値として求める閾値導出工程と、を備えるジェッティング現象の発生の有無を判定する方法。 - 前記所定の位置が、前記プラスチック成形用金型の流動断面において、高さ及び幅が非連続的に拡大している位置である請求項1に記載のジェッティング現象の発生の有無を判定する方法。
- 前記せん断応力導出工程は、粘度とせん断速度とを算出し、せん断応力を求める工程である請求項1又は2に記載のジェッティング現象の発生の有無を判定する方法。
- 前記樹脂材料に含まれる樹脂が、ポリアセタール樹脂である請求項1から3のいずれかに記載のジェッティング現象の発生の有無を判定する方法。
- 請求項1から4のいずれに記載のジェッティング現象の発生の有無を確認する方法から導出されるせん断応力閾値以下となる成形条件で行う射出成形体の製造方法。
- せん断速度の低下又は流動断面積の拡大により前記せん断応力閾値以下とする成形条件で行う請求項5に記載の射出成形体の製造方法。
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