JP2005349794A - 樹脂評価システム - Google Patents

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秀作 西山
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Abstract

【課題】 本発明は樹脂評価システムに関し、最も成形バラツキに影響する樹脂粘度バラツキを定量的に記録することが可能な樹脂評価システムを提供することを目的としている。
【解決手段】 射出成形機10を用いて予め設定した射出条件でエアショット時の時間−圧力波形又は位置−圧力波形を自動的に取得する手段と、ある一つの樹脂グレードを同じ成形条件及び乾燥条件で複数回取得し重複した圧力データを記録する手段21と、その複数回の圧力測定データから統計的代表値とバラツキの指標値を算出する手段24bと、最も確からしい粘度として代表値を採用して粘度近似式を算出し、採用し得る上下限値の粘度としてバラツキの目標値を採用して粘度近似式を算出する手段25bとを有し、樹脂固有値である粘度データとして採用し得る最も確からしい粘度データと上下限の粘度データを同時に登録するように構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は樹脂評価システムに関し、更に詳しくは射出成形に使用する樹脂の評価と、実成形を忠実に再現する樹脂流動解析及び樹脂流動解析技術を元にした射出成形システムに関する。
図16は射出成形機の構成例を示す図である。図において、201はノズル、202はシリンダ、203はスクリュー、204はシリンダ内に樹脂のペレットを供給するホッパ、205は射出機構部を搭載するフロントプレート、206はリアプレートである。フロントプレート205とリアプレート206との間にはガイドバー207が複数設けられ、これらのガイドバー207にガイドされてプレッシャープレート208が左右方向に移動可能に配置される。
プレッシャープレート208にはスクリュー203の基部が回転自在に取り付けられている。この基部にはプーリーが取り付けられ、スクリュー回転用サーバモータM1によって駆動プーリー、タイミングベルト等を介してスクリュー203が回転駆動される。また、プレッシャープレート208には圧力センサ(ロードセル)209を介してボールナット210が取り付けられ、このボールナット210にはボールネジ211が螺合している。ボールネジ211は射出用サーボモータM2によって駆動プーリー、タイミングベルト、受動プーリーを介して回転駆動されるようになっている。
射出工程時には、射出用サーボモータM2が駆動され、ボールネジ211が回転し、ボールネジ211に螺合するナット210及びプレッシャープレート208が前進(図の左方向)し、スクリュー203も前進してシリンダ202内の溶融された樹脂が射出されることになる。噴出された樹脂は、図示しない金型に入り、冷えて固まることで、所望の形の樹脂製品ができる。
従来の樹脂流動解析及び射出成形支援システムで使用される樹脂データ、特に粘度データは専用の粘度測定機にり測定するのが一般的である。また、実際の成型状況にマッチした樹脂特性を測定する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。この方法による樹脂評価方法は、同一の樹脂に対して樹脂温度依存及び射出速度依存に対する樹脂圧力値(射出圧力値)の関係式を持ち、同一のグレード樹脂の特性を製造ロット間及び乾燥条件等の違いを測定結果毎に比較・推定することが可能である(例えば特許文献1参照)。
一方、射出成形用の流動解析は、解析形状モデル、成形条件データ及び物性データを用いてシミュレーション計算される。特に粘度データの精度が非常に重要である。そこで実際の射出成形状況と同じ状況での樹脂粘度を実現する方法が知られている(例えば特許文献2参照)。ここで、特許文献1により得られた樹脂温度、射出速度−圧力の関係から樹脂温度、せん断速度−粘度の関係に変換され、解析に適用が可能となった。
また、他の技術として、CAE(Computer Aided Engineering)による樹脂流動解析結果を利用して簡単な方法で成形条件の射出圧力カーブを得る方法が知られている(例えば特許文献3参照)。
特開2002−331558号公報(第8〜10頁、図9) 特開2003−145577号公報(第3〜4頁、図1) 特開2000−355033号公報(第6〜7頁、図2)
一般に、粘度データは専用の粘度測定機(キャピラリレオメータ等)により測定するが、測定バラツキが大きく、また、測定時間がかかるため、複数回測定し、統計的確からしさ等の評価がされていなかった。前記特許文献1により粘度測定の利便性が大きく改善され、複数回の粘度測定も容易となった。
しかしながら、その測定誤差は依然として存在している。特に、射出速度が低い測定データのバラツキが大きい。図17はエアショット(金型がない状態で溶融された樹脂をノズルから噴出すること)圧力測定のバラツキを示す図である。図において、横軸はスクリュー移動量[mm]、縦軸は圧力[MPa]又は圧力差[MPa]である。使用した樹脂はABS/PC、測定樹脂温度は250゜C、測定射出速度は10mm/s、シリンダ径20mm、ノズル穴径2.5mmである。
図のf1が樹脂評価装置で1回目に測定した時の樹脂圧力、f2が樹脂評価装置で2回目に測定した時の樹脂圧力、f3がf1とf2の差分である。同じ射出成形機、同じ樹脂を用いても、図のf1、f2に示すように圧力はばらつく。
一般に、流動解析システムで利用するには、樹脂温度、せん断速度−粘度の関係に変換が必要であり、一般にせん断速度依存性はべき乗、樹脂温度依存性は自然対数の乗数の関係があり、せん断速度−粘度のグラフは両対数グラフでプロットされるのが一般的である。粘度を最も利用しやすい3定数粘度式に近似する場合、グラフ上では僅差でも実数に戻した場合、その差が大きく、一つのフィッティング結果である粘度で解析した場合、実圧力がどのようにばらつくか予測できなかった。粘度ηは、次式で表わされる。
Figure 2005349794
ここで、
Figure 2005349794
はせん断速度、Tは樹脂温度である。A,B,Cはいわゆる近似式係数である。3定数A,B,Cが分かれば、粘度が求まる。
また、せん断速度によりバラツキ分布が変化することが、実測圧力値のバラツキとしては把握できていても、その効果を解析に適用することができなかった。
逆に、一般的に樹脂の物性値も製造ロット毎にバラツキを有しているが、そのバラツキを定量的かつ簡便に評価する方法がなかった。前記特許文献1に記載されている発明によりその測定の簡便性は改善されたが、その測定結果を蓄積するデータベースにバラツキ実績を蓄積し、新たにとった測定データを評価する手段を有していなかった。
一方、これまでの樹脂流動解析は、樹脂の粘度データを物質固有の一意の値として扱っており、樹脂物性は変動がないものとして扱っている。そのため、従来の樹脂流動解析では実成形における樹脂物性変動による成形条件変動を検討することはできなかった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、最も成形バラツキに影響する樹脂粘度バラツキを定量的に記録することが可能な樹脂評価システムを提供することを目的としている。
(1)請求項1記載の発明は、射出成形機を用いて予め設定した射出条件でエアショット時の時間−圧力波形又は位置−圧力波形を自動的に取得する手段と、ある一つの樹脂グレードを同じ成形条件及び乾燥条件で複数回取得し重複した圧力データを記録する手段と、その複数回の圧力測定データから統計的代表値とバラツキの指標値を算出する手段と、最も確からしい粘度として代表値を採用して粘度近似式を算出し、採用し得る上下限値の粘度としてバラツキの目標値を採用して粘度近似式を算出する手段とを有し、樹脂固有値である粘度データとして採用し得る最も確からしい粘度データと上下限の粘度データを同時に登録することを特徴とする。
(2)請求項2記載の発明は、前記樹脂温度、射出速度−圧力の値から樹脂温度、せん断速度−粘度の関係に変換する手段として、成形機のシリンダ−ノズル間の形状を記録した成形機データベースを有し、当該成型機のシリンダ−ノズル間形状における圧力損失と等価となる相当キャピラリィ長さと相当半径を算出する手段を有することを特徴とする。
(3)請求項3記載の発明は、前記樹脂温度、射出速度−圧力の値から樹脂温度、せん断速度−粘度の関係に変換する手段として、当該成型機、当該樹脂とスプル圧力センサを内蔵した金型を使用して取得した実測のスプル圧力データに対し、解析スプル圧力が適合するように流動シミュレーションを繰り返して粘度を探索計算する手段を有することを特徴とする。
(4)請求項4記載の発明は、前記複数回取得した圧力データの取得時成形条件が異なる場合、樹脂温度−圧力の近似式を使用して測定圧力値を補間する手段を設け、測定条件が不揃いの圧力データからも当該粘度データを算出することを特徴とする。
(5)請求項5記載の発明は、樹脂データベースに蓄えられた最も確からしい粘度データとその上下限の粘度データを用いて流動解析を行なう手段と、流動解析結果からスプル圧力を算出する手段と、スプル圧力から射出圧力を算出する手段を有し、これから成形しようとしている成形条件により解析を実施し、スプル先端圧力と射出圧力をそれぞれ算出し、そのスプル先端圧力及び射出圧力を表示する手段を有することを特徴とする。
(6)この発明において、事前解析条件として、粘度データの上下限値を誤差要因とし、これから成形しようとする製品の成形条件を制御因子とした解析計算結果のスプル先端圧力及び射出圧力を分析することを特徴とする。
(7)また、この発明において、射出成形機を用い、予め設定した射出条件でエアショット時の時間−圧力波形又は位置−圧力波形を自動的に取得する手段と、ある一つの樹脂グレードを同じ成形条件及び乾燥条件で複数回取得した圧力データを記録する手段と、その複数回の圧力測定データから代表値とバラツキの指標を算出する手段とを有し、粘度を算出する元データとして算出した代表値と上下限情報を登録した樹脂データベースを有することを特徴とする。
(8)また、この発明において、予め蓄積された樹脂の圧力代表値と上下限情報を有し、今回取得したエアショット圧力値の偏差値を求める手段を有し、採用可否の判断となるしきい値と偏差値を比較して、樹脂納品時にそのロットの良否判定と傾向を取得することを特徴とする。
(1)請求項1記載の発明によれば、樹脂固有値である粘度データとして採用し得る最も確からしい粘度データと上下限の粘度データを同時に登録して、最も成形バラツキに影響する樹脂粘度バラツキを定量的に記録することが可能となる。
(2)請求項2記載の発明によれば、成形機のシリンダ−ノズル間の形状における圧力損失と等価となる相当キャピラリィ長さと相当半径を算出することができる。
(3)請求項3記載の発明によれば、解析スプル圧力が適合するように流動シミュレーションを繰り返して粘度を算出することができる。
(4)請求項4記載の発明によれば、測定条件が不揃いの圧力データからも粘度データを算出することができる。
(5)請求項5記載の発明によれば、採用しようとする樹脂のバラツキを想定した場合の所要圧力の範囲を事前に予測することができる。
(6)また、本発明によれば、事前解析条件として、粘度データの上下限値を誤差要因とし、これから成形しようとする製品の成形条件を制御因子とした解析計算結果のスプル先端圧力及び射出圧力を分析することができる。
(7)また、本発明によれば、射出成形機を用い、予め設定した射出条件でエアショット時の時間−圧力波形又は位置−圧力波形を自動的に取得する手段と、ある一つの樹脂グレードを同じ成形条件及び乾燥条件で複数回取得した圧力データを記録する手段と、その複数回の圧力測定データから代表値とバラツキの指標を算出する手段とを有し、粘度を算出する元データとして算出した代表値と上下限情報を登録した樹脂データベースを有することにより、最も成形バラツキに影響する樹脂粘度バラツキを定量的に記録することが可能となる。
(8)また、本発明によれば、予め蓄積された樹脂の圧力代表値と上下限情報を有し、今回取得したエアショット圧力値の偏差値を求める手段を有し、採用可否の判断となるしきい値と偏差値を比較して、樹脂納品時にそのロットの良否判定と傾向を取得することにより、樹脂納品時にそのロットの良否判定と傾向を取得することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。
図1は本発明のシステム構成例を示すブロック図であり、システム構成と処理手順を示している。図において、10は射出成形機、20は第1コンピュータシステム、30は第2コンピュータシステム、40は第3コンピュータシステムである。1はこれら射出成形機10、第1コンピュータシステム20、第2コンピュータシステム30、第3コンピュータシステムが共通接続されるシステムバスである。
射出成形機10には制御システムが組み込まれており、エアショット条件設定部2にエアショット条件を設定し、エアショット自動運転部3で自動運転する。この自動運転において、エアショットデータ計測部4はエアショットデータを計測する。エアショットデータ計測部4で計測されたデータは、エアショットデータファイル整形部5に記憶される。エアショットデータファイル送信部6は、エアショットデータファイル整形部5のデータを送信する。
第1コンピュータシステム20において、11は樹脂特性評価システム用データを記憶する樹脂特性評価システム用データベース11である。データベース2には、エアショット波形と分析結果が記憶される。エアショットデータ受信部12は射出成形機10からのエアショットデータを受信する。エアショットデータ分析部13は、射出速度、樹脂温度−射出圧力の関係式を算出する。
第2コンピュータシステム30において、21は粘度、樹脂物性等の解析用樹脂データを記憶する樹脂データベースである。既存エアショットデータを使用する場合、エアショットデータの検索部22aでエアショットデータの検索を行ない、エアショットデータの摘出部23aでエアショットデータの摘出を行なう。エアショットデータ正規化部24aはエアショットデータの正規化を行なう。統計的代表、バラツキ算出部25aは統計的代表値とバラツキを算出する。せん断速度−粘度変換部26aは、せん断速度から粘度への変換を行なう。樹脂データベース21の取り込みファイル形式出力部27aは、取り込みファイルを第3コンピュータシステム40に出力する。
新規エアショットデータを取得する場合、エアショット条件設定部22bは射出成形機10のエアショット条件設定部2にエアショット取得条件を設定する。エアショット取得条件送信部23bはエアショット取得条件を送信する。エアショットデータの摘出部24bはエアショットデータの摘出を行なう。統計的代表、バラツキ算出部25bは統計的代表値の算出と、バラツキの算出を行なう。せん断速度−粘度変換部26bはせん断速度から粘度への変換を行なう。樹脂データベース21の取り込みファイル形式出力部27bは、解析用樹脂データベースの取り込みファイル形式を出力する。
第3コンピュータシステム40は取得したデータを用いてシステムの解析を行なう。コンピュータシステム40において、バラツキを持つ樹脂物性データを用いて解析を行なう場合について説明する。精度の最も確からしい値による解析部31は、精度の最も確からしい値による解析を行なう。次に、粘度の上下限値による解析部32は、粘度の上下限値による解析を行なう。とり得る圧力範囲算出部33は、とり得る圧力範囲の算出を行なう。成形可否判定部34は、成形可否の判定を行なう。
次に、これら構成要素の関係を有機的に結合した場合の動作について説明する。エアショットデータを取得するために電動射出成形機10があり、その制御装置にエアショット圧力(値又は波形)を取得するための射出条件を入力する。入力された射出条件(樹脂温度、射出速度)及びデータ取得条件でエアショット時の時間−圧力波形又は位置−圧力波形を取得する。
ここで、エアショットの度、少なくとも樹脂グレード、データ取得年月日、データ取得成形条件、データ取得条件、取得した圧力波形、圧力値(最終値、漸近値)を記録したデータファイル21を作成し保存する。次に、その樹脂のエアショット圧力から粘度を算出するために採用するデータファイルを選択し、それをサンプル母集団として取得整形条件における圧力値の統計的に最も確からしい値として、平均値、中央値、最頻値等を算出する。同時にバラツキを表す指標として範囲、分散、標準偏差、変動係数等を算出する。解析に利用される粘度データとして樹脂データベース21に登録する時、基本値として最も確からしい値の何れかを選択し、粘度を算出し登録する。また、バラツキの実績値から採用し得る上下限値としてバラツキを表す指標のうちの何れかの値を採用し、上下限の粘度データとして算出し、同時に登録している。
次に、どのようにして粘度を求めているかについて説明する。図2は射出圧力と射出速度特性を示す図である。縦軸は射出圧力を、横軸は射出速度を示す。射出圧力はノズル先端の圧力を、射出速度はノズル先端の速度をそれぞれ示している。所定の射出速度をパラメータとして、それぞれの射出速度において、複数の測定を行なう。そして、測定した値から統計的代表値(平均値、中央値、最頻度)が求まる。そして、バラツキの指標値(範囲、分散、標準偏差、標準誤差、変動係数)が求まる。図では、真ん中の×が最も確からしい値、その上下における×がバラツキの上下限値を示している。
次に、図2に示す射出圧力と射出速度の特性から図3に示す粘度−せん断速度特性を求めることを考える。粘度は、射出成形機の特性を基も的確に表示するデータである。従来のシステムでは、この粘度を専用のキャピラリィ粘度計(キャピラリィレオメータ)で求めていた。図4はキャピラリィ粘度計の構成例を示す図である。ノズル部の長さをL、空洞部の半径をR、ノズル部に作用する圧力(キャピラリィ印加圧)をΔPとする。キャピラリィ粘度計は、溶融された樹脂を射出した時の反力から粘度をもとめるようになっている。本願発明では、専用の粘度計を用いることなく、粘度を求めることができるようにした点が特徴となっている。せん断速度
Figure 2005349794
は次式で表わされる。
Figure 2005349794
ここで、Qは溶融樹脂の流量であり、次式で表わされる。
Q=πR2v (3)
ここで、Reは相当半径であり、実験的に求めたものである。vは射出速度である。Rは射出成形機のシリンダ半径である。相当半径Reは図4に示すキャピラリィ粘度計と等価な実際の射出成形機のノズル部分の仮想的な半径を示している。キャピラリィ粘度計と実際のノズルとは差があることに鑑みて、実際のノズルに適用した場合の半径を示している。相当半径Reは、次式で求めることができる。
Figure 2005349794
ここで、ΔPはノズルの印加圧力(定圧)である。一方、せん断応力τは次式で表わされる。
τ=Re・ΔP/2Le (5)
ここで、Leはノズル部分の相当キャピラリィ長さ(=ノズル長)である。
ここで、実験的に求めた樹脂の粘度ηは次式で表わされる。
Figure 2005349794
(3)〜(5)式を(6)式に代入すれば、粘度ηは求まる。求まった粘度ηから解析に用いるηの算出式
Figure 2005349794
を求める。(6)式は、実験値であり、この実験値から最小2乗法を用いたフィッティングにより(7)式を算出する。これで、圧力データから粘度データへの変換がなされたことになる。この変換は、図1のせん断速度−粘度変換部26a、26bが行なう。この近似式(7)式を用いて、解析用のデータを算出する。そして、樹脂固有値である粘度データとして採用し得る最も確からしい粘度データと上下限の粘度データを同時に求めて、樹脂データベース21に記憶しておく。ここで、樹脂データベース21に記憶する粘度データは、以下のような式で記憶される。
Figure 2005349794
ここで、η1は最も確からしい粘度、η2は粘度の上限値、η3は粘度の下限値である。具体的には、(7)式に示す3種類の粘度データが記憶されることになる。Ai,Bi,Ci(i=1〜3)はそれぞれ対応する3定数である。
この実施の形態例によれば、樹脂固有値である粘度データとして採用し得る最も確からしい粘度データと上下限の粘度データを同時に登録して、最も成形バラツキに影響する樹脂粘度バラツキを定量的に記録することが可能となる。
図5は正確な粘度が判明しているマスタバッチがある場合の粘度算出手順を示す図である。縦軸は粘度、横軸はせん断速度である。(a)は粘度とせん断速度との関係を示す図である。(b)におけるフローは以下の通りである。
先ず、相当半径(初期値)を入力する(S1)。次に、今回の測定粘度をプロットする(S2)。次に、既知の粘度プロットとの差分(面積)を算出する(S3)。次に、求めた差分が最小であるかどうかをチェックする(S4)。差分が最小でない場合、相当半径の変更を行ない(S5)、ステップS2に戻る。ステップS4において差分が最小である場合、相当半径を決定し(S6)、決定した相当半径によるプロットのフィッティングを行なう(S7)。次に、粘度を決定し(S8)、処理を終了する。この実施の形態例によれば、成形機のシリンダ−ノズル間の形状における圧力損失と等価となる相当キャピラリの長さと相当半径を算出することができる。
図6は実測スプル圧力による粘度算出手順を示す図である。ここで、スプル圧とは、金型を実際に取り付けた状態における金型入口の圧力をいう。図は、予め正確な粘度が判明しているマスタバッチが存在しない場合、流路形状の判明している流路を流動した時の解析圧力と実測圧力が合う粘度を繰り返し計算により探索し、探索した結果の粘度を最も確からしい粘度として粘度として採用することにより、相当半径が逆算できる手順を示している。
先ず、センサ金型によるスプル圧力を取得する(S1)。次に、粘度をパラメータとした実験計画法により粘度をチューニングする(S2)。次に、相当半径を算出する(S3)。即ち、この手順によれば、予め正確な粘度が判明している樹脂マスタバッチが存在しない場合、流路形状の判明している流路を流動時の解析圧力と実測圧力が合う粘度を繰り返し計算により探索し、探索した結果の粘度を最も確からしい粘度として(8)式の粘度として採用することにより、相当半径を算出することができる。この樹脂の形態例によれば、解析スプル圧力が適合するように流動シミュレーションを繰り返して粘度を算出することができる。
予め正確な粘度が判明している樹脂マスタバッチが存在しない場合、流路形状の判明している流路を流動した時の解析圧力と実測圧力が合う粘度を繰り返し計算により探索し、探索した結果の精度を最も確からしい粘度として前述の(8)式の粘度として採用することにより、相当半径を算出することができる。
図7は近似式を使用したプロットデータ正規化手順を示す図である。(a)は射出速度[mm/sec]と射出圧力[MPa]との関係を示す図、(b)はプロットデータの正規化手順を示す図である。図は複数回取得した圧力データの取得成形条件(樹脂温度、射出時間)が異なる場合、射出速度、樹脂温度−圧力の近似式
P=A・vα・eBT (8)
を使用して測定圧力値を補間する手順を示している。ここで、Pは射出圧力、vは射出速度、Tは樹脂温度、A〜Cは近似式係数である。
(a)において、図のグラフは(8)式で示す射出圧力の様子を示している。図中、●は10,20,100,200mm/secで表された特性を、○は射出速度5,11,110mm/secを10,20,100,200mm/secに揃えたデータを示している。この図において、パラメータは樹脂温度(T1〜T3)である。
次に、(b)について説明する。先ず、所望の射出条件の圧力データがあるかどうかチェックする(S1)。圧力データがない場合、今回測定のエアショットデータ内挿近似式を算出する(S2)。次に、所望の射出条件における圧力値を推定する(S3)。ステップS1において所望の射出条件の圧力データがある場合には、ステップS4に進む。ステップS4では、推定データで母集団に統合する。次に、統計的代表値とバラツキ値を算出する(S5)。
この実施の形態例では、複数回取得した圧力データの取得時成形条件(樹脂温度、射出時間)が異なる場合、射出速度、樹脂温度−圧力の近似式(8)式を使用して測定圧力を補間する手順を示している。
この樹脂の形態例によれば、測定条件が不揃いの圧力データからも粘度データを算出することができる。
図8は粘度グラフにおける最も確からしい粘度(平均値)ととり得る粘度範囲(全範囲)の関係を示す図である。横軸はlog10(せん断速度)、縦軸はlog10(粘度η)である。図は、樹脂データベースに蓄えられた最も確からしい粘度データとその上下限の粘度データを採用し、これから成形しようとしている成形条件により解析を実施して、スプル先端圧力と射出圧力をそれぞれ算出し、そのスプル先端圧力(値又は波形)及び射出圧力(値又は波形)を表示する手順を示している。
樹脂データベース21に蓄えられた最も確からしい粘度データとその上下限の粘度データを採用し、これから成形条件により解析を実施して、スプル先端圧力と射出圧力をそれぞれ算出し、そのスプル先端圧力(値または波形)及び射出圧力(値又は波形)を表示する手順を示している。
図8において、f1は最も確からしい値によるプロット、f2、f3は範囲を採用した上下限プロットを示す。f4、f5、f6は分布関数である。これら3つの特性曲線は、温度をパラメータとしている。T1はf2を、T2はf1を、T3はf3をそれぞれ示す。
図9は粘度グラフによる最も確からしい粘度(平均値)ととり得る粘度範囲(標準偏差)の関係を示す図である。
この実施の形態例によれば、採用しようとする樹脂のバラツキを想定した場合の所用圧力の範囲を事前に予測することができる。
図10は粘度バラツキを使用した安定成形条件算出ステップを示す図である。図は、図8、図9において実施する解析を成形条件を制御因子とした実験計画法(例えば田口メソッド)の直交表の組み合わせで行なうことにより、樹脂のバラツキを考慮した安定成形条件を定量的に事前推定するステップを示している。
横軸時間と縦軸圧力により表した解析射出圧力特性の、上限粘度による解析射出圧力をN2、最も確からしい粘度による解析射出圧力をN1、下限粘度による解析射出圧力をN3として、これらN1〜N3を信号因子とする解析結果出力をA、粘度バラツキを誤差要因として織り込んだ場合のSN比(安定度)をBとする(直交表)。これら条件を元にSN比から安定条件を決定する(S7)。
最も確からしい粘度で実験計画に基づいた解析を行なう(S1)。次に、上下限粘度で同様に解析する(S2)。次に、N=3で分析する(S3)。次に、粘度の上下限によるバラツキが推定される(S4)。次に、粘度と成形条件の関係が推定される(S5)。次に、ステップS7で求めたSN比を元に最も安定した成形条件を算出する(S6)。
この実施の形態例は、図8、図9において実施する解析の成形条件を制御因子とした実験計画法による直交表の組み合わせで行なうことにより、樹脂のバラツキを考慮した安定成形条件を定量的に事前推定するものである。
この実施の形態例によれば、事前形成条件として、粘度データの上下限値を誤差要因とし、これから成形しようとする製品の成形条件を制御因子とした解析計算結果のスプル先端圧力及び射出圧力を分析することができる。
図11は保存データ構成を示す図である。図において、Cは測定データファイル、DはINDEXファイルを示している。INDEXファイルには、解析した結果が入る。例えば粘度データ(統計的代表値)とバラツキ情報が入る。
21は樹脂データベースである。樹脂データベースに登録する情報として、圧力の実測データを登録する手順を示している。測定データが、例えば
230,90,61となっている場合、“230”が樹脂温度を、“90”が射出速度[mm/sec]を、“61”が射出圧力[MPa]を示している。
この実施の形態例によれば、粘度を算出する元データとして算出した代表値と、上下限情報を登録した樹脂データベースを有することにより、最も成形バラツキに影響する樹脂粘度バラツキを定量的に記録することが可能となる。
図12はとり得る粘度範囲と受入検査時のプロットによる良否判定の説明図である。横軸はlog10(せん断速度)を、縦軸はlog10(粘度)を示す。図において、Kは上下限を超えたプロットを示し、Jは標準偏差を採用した上下限プロットを示している。図は樹脂温度、射出速度−圧力のデータの段階で、樹脂納品時における受け入れ検査として、エアショット圧力値の偏差値を求め、上下限情報と比較し、受け入れ可否を判定する手順を示している。
この実施の形態例によれば、予め蓄積された樹脂の圧力代表値と上下限情報を有し、今回取得したエアショット圧力値の偏差値を求める手段を有し、採用可否の判断となるしきい値と偏差値を比較して、樹脂納品時にそのロットの良否判定と傾向を取得することにより、樹脂納品時にそのロットの良否判定と傾向を取得することができる。
次に、樹脂評価方法及び装置を使用したデータ登録方法について具体的に説明する。先ず、ノズル電動式射出成形機で、計量を可能にするため射出成形機固定側プラテンにノズルタッチ用板を取り付ける。そして、使用する樹脂を樹脂メーカが指定した乾燥条件で乾燥を行なう。次に、電動式射出成形機で樹脂評価条件を入力する。樹脂評価条件は、シリンダ温度(樹脂温度)及び射出速度を複数設定し、計量位置、背圧、回転数、サックバック量等を固定して入力する。測定の条件を安定化させるため、数回のパージを行なった後、樹脂評価装置により測定を開始する。
樹脂圧力測定は、全て自動で行なわれる。測定条件の例として、射出ユニットが前進し、測定用板にノズル先端が突き当たり、射出ユニットが停止後、計量を開始する。計量終了後、射出ユニットが後退して、指定した樹脂温度及び射出速度により射出を開始する。これにより、スクリュー末端のロードセルで受けた射出圧力を樹脂圧力とし、時間と樹脂圧力データ及び測定条件データがネットワークを介してコンピュータ内へ格納される。これを測定した条件分繰り返す。
コンピュータ内では、格納された時間と樹脂圧力データから樹脂圧力データの末端の値(最終樹脂圧力)を算出する。また、速度及び温度下における最終樹脂圧力を(9)式に代入し、最小2乗法により、3定数樹脂物性係数のαn、βn、θnを算出後、係数をデータ保存する。
P=θn・vαn・eβnT (9)
ここで、αn、βn、θnは定数(nは測定した回数)である。Pは樹脂圧力、vは射出速度、Tは樹脂温度である。以上を基本工程として、従来の樹脂評価方法及び装置で測定を実施する。
本発明では、基本工程を樹脂の製造ロットや季節及び気温が変化した時だけ、樹脂乾燥条件、温度、速度及び計量条件は固定し、任意回数実施する。そのため、算出される定数のαn、βn、θnは測定した回数分存在することになる。ここで、粘度プロットのための成形条件が揃っている場合は、その測定圧力のまま蓄積することができる。しかしながら、成形条件が不揃いの場合、先に算出した当該エアショットにおけるαn、βn、θnを用い、成形条件を補間した時の圧力値を推定し、採用するようにしている。
次に、採用し得る程度の上下限情報の作成手順を説明する。ここでは、バラツキの指標を求め、それを記録する。本実施の形態例では、推定計算のため代表値として平均値、バラツキの指標としては分散を記録している。このようにすることにより、せん断速度によりバラツキの傾向が異なることを記録できるようにしている。具体的には、せん断速度が低い場合はバラツキ傾向が大きく、せん断速度が高い場合にはバラツキが少ないことである。
図13は本発明のデータ登録フローを示す図である。先ず、エアショット条件を設定する(S1)。次に、エアショットデータを取得する(S2)。次に、同じ樹脂の測定データが既存のものとしてあるかどうかチェックする(S3)。同じ樹脂の測定データがない場合には測定シーケンスに入る(S4)。測定データがある場合には、既存データを検索する(S5)。次に、エアショット条件が今回と同じであるかどうかチェックする(S6)。異なる場合には、プロット条件を入力し(S7)、各測定データ毎の内挿式によりプロット条件における圧力値を推定する(S8)。
ステップS6において、エアショット条件が同じ場合、又はステップS8により圧力値を推定した場合には、各プロット条件における圧力値データをマージする(S9)。次に、各プロット条件における圧力値の統計的代表値(一般には平均値)を算出する(S10)。次に、各プロット条件における代表値を採用して粘度を算出する(S11)。そして、最も確からしい粘度を求めて(S12)、樹脂データベース21に記憶させる。次に、各プロット条件における圧力値のバラツキ指標値(一般に分散、標準偏差)を算出する(S13)。
次に、各プロット条件における上限のバラツキ指標値(一般に平均値+標準偏差)を採用して粘度を算出する(S14)。そして、上限の粘度を求めて(S15)、樹脂データベース21に記憶させる。次に、各プロット条件における下限のバラツキ指標値(一般に平均値+標準偏差)を採用して粘度を算出する(S16)。そして、下限の粘度を求めて(S17)、樹脂データベース21に記憶させる。以上の処理が終了したら、算出したデータを樹脂データベース21に登録して処理を終了する。なお、樹脂データベース21に記憶されたデータは、読み出されて既存データ40として、ステップS5における検索の対象となる。
図14は登録データによるロット判定フローを示す図である。先ず、エアショット条件を設定し(S1)、エアショットデータを取得する(S2)。そして、同じ樹脂の測定データが既存のものとしてあるかどうかチェックする(S3)。ない場合には、データ蓄積処理に入る(S4)。ステップS3において、既存データが存在する場合には、既存データを検索する(S5)。そして、エアショット条件が同じであるかどうかチェックする(S6)。異なる場合にはプロット条件を入力し(S7)、各測定データ毎の内挿式によりプロット条件における圧力値を推定する(S8)。
ステップS6において、エアショット条件が同じであった場合、又はステップS8においてプロット条件における圧力値を推定した後は、各プロット条件における圧力値の上下限値を呼び出す(S9)。一方、樹脂データベース21からは上限の圧力値41と下限の圧力値42が呼び出され、今回測定の圧力値が既存データの上下限値内に入っているかどうかチェックする(S10)。はみ出している場合には、受入検査不合格とし、返品する(S11)。上下限値内に入っている場合には、受入検査合格とし、当該製品を受け入れる(S12)。
図15は本発明の相当成形条件算出のフローを示す図である。先ず、成形条件と射出圧力(解析値)の関係を求める実験計画を立案する(S1)。立案されるものは、信号因子−射出出力(解析値)、制御因子−成形条件、誤差因子−粘度バラツキである。次に、直交表に基づいた整形条件(制御因子)の組み合わせで、誤差要因として平均値、上限値、下限値の3つの粘度データを採用した解析を実施する(S2)。次に、S/N比の関係式を求めることにより、制御因子毎の成形条件値からのS/N比推定式を得る(S3)。
次に、各成形条件毎に、粘度バラツキに対して最安定条件を算出する(S4)。これは実績の粘度バラツキに対して鈍感な成形条件45となる。次に、感度の関係式を求めることにより、制御因子毎に成形条件値の任意の組み合わせにおける粘度平均値からの圧力、上下限値からの圧力を得る(S5)。次に、受入検査合格樹脂において、発生し得る射出圧力範囲と最も確からしい射出圧力を算出する(S6)。ステップS6により、受入検査合格した樹脂を使用した場合の任意の成形条件時にとり得る射出圧力値46が得られる。次に、最安定条件を量産に採用する(S7)。
本発明によれば、最も成形バラツキに影響する樹脂粘度バラツキを定量的に記録することが可能となり、樹脂受入検査時に不良樹脂を事前に選別することができる。かつ、そのバラツキを有した測定データからとり得る粘度の最も確からしい粘度と上下限粘度を使用して相当成形することにより、粘度バラツキを想定した時にとり得る射出圧力を算出することができ、実成形することなく、成形可否や監視圧力範囲が算出できる。
以上のように、本発明によれば、不良樹脂に起因する成形不良が回避できる。また、成形時の異常圧力を事前に把握でき、成形可否が迅速にできる。
(付記1) 射出成形機を用いて予め設定した射出条件でエアショット時の時間−圧力波形又は位置−圧力波形を自動的に取得する手段と、
ある一つの樹脂グレードを同じ成形条件及び乾燥条件で複数回取得し重複した圧力データを記録する手段と、
その複数回の圧力測定データから統計的代表値とバラツキの指標値を算出する手段と、
最も確からしい粘度として代表値を採用して粘度近似式を算出し、採用し得る上下限値の粘度としてバラツキの目標値を採用して粘度近似式を算出する手段と、
を有し、
樹脂固有値である粘度データとして採用し得る最も確からしい粘度データと上下限の粘度データを同時に登録することを特徴とする樹脂評価システム。
(付記2) 前記樹脂温度、射出速度−圧力の値から樹脂温度、せん断速度−粘度の関係に変換する手段として、成形機のシリンダ−ノズル間の形状を記録した成形機データベースを有し、当該成型機のシリンダ−ノズル間形状における圧力損失と等価となる相当キャピラリィ長さと相当半径を算出する手段を有することを特徴とする付記1記載の樹脂評価システム。
(付記3) 前記樹脂温度、射出速度−圧力の値から樹脂温度、せん断速度−粘度の関係に変換する手段として、当該成型機、当該樹脂とスプル圧力センサを内蔵した金型を使用して取得した実測のスプル圧力データに対し、解析スプル圧力が適合するように流動シミュレーションを繰り返して粘度を探索計算する手段を有することを特徴とする付記1記載の樹脂評価システム。
(付記4) 前記複数回取得した圧力データの取得時成形条件が異なる場合、樹脂温度−圧力の近似式を使用して測定圧力値を補間する手段を設け、測定条件が不揃いの圧力データからも当該粘度データを算出することを特徴とする請求項1記載の樹脂評価システム。
(付記5) 樹脂データベースに蓄えられた最も確からしい粘度データとその上下限の粘度データを用いて流動解析を行なう手段と、流動解析結果からスプル圧力を算出する手段と、スプル圧力から射出圧力を算出する手段を有し、これから成形しようとしている成形条件により解析を実施し、スプル先端圧力と射出圧力をそれぞれ算出し、そのスプル先端圧力及び射出圧力を表示する手段を有することを特徴とする付記1記載の樹脂評価システム。
(付記6) 事前解析条件として、粘度データの上下限値を誤差要因とし、これから成形しようとする製品の成形条件を制御因子とした解析計算結果のスプル先端圧力及び射出圧力を分析することを特徴とする付記4記載の樹脂評価システム。
(付記7) 射出成形機を用い、予め設定した射出条件でエアショット時の時間−圧力波形又は位置−圧力波形を自動的に取得する手段と、
ある一つの樹脂グレードを同じ成形条件及び乾燥条件で複数回取得した圧力データを記録する手段と、
その複数回の圧力測定データから代表値とバラツキの指標を算出する手段と、
を有し、粘度を算出する元データとして算出した代表値と上下限情報を登録した樹脂データベースを有することを特徴とする樹脂評価システム。
(付記8) 予め蓄積された樹脂の圧力代表値と上下限情報を有し、今回取得したエアショット圧力値の偏差値を求める手段を有し、採用可否の判断となるしきい値と偏差値を比較して、樹脂納品時にそのロットの良否判定と傾向を取得することを特徴とする付記5記載の樹脂評価システム。
本発明のシステム構成例を示すブロック図である。 射出圧力−射出速度特性を示す図である。 粘度−せん断速度特性を示す図である。 キャピラリィ粘度計(キャピラリィレオメータ)の構成例を示す図である。 正確な粘度が判明しているマスタバッチがある場合の粘度算出手段を示す図である。 実測スプル圧力による粘度算出手順を示す図である。 近似式を使用したプロットデータ正規化手順を示す図である。 粘度グラフにおける最も確からしい粘度ととり得る粘度範囲の関係を示す図である。 粘度グラフにおける最も確からしい粘度ととり得る粘度範囲の関係を示す図である。 粘度バラツキを使用した安定成形条件算出ステップを示す図である。 保存データ構成例を示す図である。 とり得る粘度範囲と受入検査時のプロットによる良否判定の説明図である。 本発明のデータ登録フローを示す図である。 登録データによるロット判定フローを示す図である。 本発明の相当成形条件算出のフローを示す図である。 射出成形機の構成例を示す図である。 エアショット圧力測定のバラツキを示す図である。
符号の説明
1 システムバス
2 エアショット条件設定部
3 エアショット自動運転部
4 エアショットデータ計測部
5 エアショットデータファイル整形部
6 エアショットデータファイル送信部
10 射出成形機
11 樹脂特性評価用データベース
12 エアショットデータ受信部
13 エアショットデータ分析部
20 第1コンピュータシステム
21 樹脂データベース
22a エアショットデータの検索部
22b エアショット取得条件設定部
23a エアショットデータの検出部
23b エアショット取得条件送信部
24a エアショットデータ正規化部
24b エアショットデータの検出部
25a 統計的代表、バラツキ算出部
25b 統計的代表、バラツキ算出部
26a せん断速度−粘度変換部
26b せん断速度−粘度変換部
27a 取り込みファイル形式出力部
27b 取り込みファイル形式出力部
30 第2コンピュータシステム
31 粘度の最も確からしい値による解析部
32 粘度の上下限値による解析部
33 とり得る圧力範囲算出部
34 成形可否判定部
40 第3コンピュータシステム

Claims (5)

  1. 射出成形機を用いて予め設定した射出条件でエアショット時の時間−圧力波形又は位置−圧力波形を自動的に取得する手段と、
    ある一つの樹脂グレードを同じ成形条件及び乾燥条件で複数回取得し重複した圧力データを記録する手段と、
    その複数回の圧力測定データから統計的代表値とバラツキの指標値を算出する手段と、
    最も確からしい粘度として代表値を採用して粘度近似式を算出し、採用し得る上下限値の粘度としてバラツキの目標値を採用して粘度近似式を算出する手段と、
    を有し、
    樹脂固有値である粘度データとして採用し得る最も確からしい粘度データと上下限の粘度データを同時に登録することを特徴とする樹脂評価システム。
  2. 前記樹脂温度、射出速度−圧力の値から樹脂温度、せん断速度−粘度の関係に変換する手段として、成形機のシリンダ−ノズル間の形状を記録した成形機データベースを有し、当該成型機のシリンダ−ノズル間形状における圧力損失と等価となる相当キャピラリィ長さと相当半径を算出する手段を有することを特徴とする請求項1記載の樹脂評価システム。
  3. 前記樹脂温度、射出速度−圧力の値から樹脂温度、せん断速度−粘度の関係に変換する手段として、当該成型機、当該樹脂とスプル圧力センサを内蔵した金型を使用して取得した実測のスプル圧力データに対し、解析スプル圧力が適合するように流動シミュレーションを繰り返して粘度を探索計算する手段を有することを特徴とする請求項1記載の樹脂評価システム。
  4. 前記複数回取得した圧力データの取得時成形条件が異なる場合、樹脂温度−圧力の近似式を使用して測定圧力値を補間する手段を設け、測定条件が不揃いの圧力データからも当該粘度データを算出することを特徴とする請求項1記載の樹脂評価システム。
  5. 樹脂データベースに蓄えられた最も確からしい粘度データとその上下限の粘度データを用いて流動解析を行なう手段と、流動解析結果からスプル圧力を算出する手段と、スプル圧力から射出圧力を算出する手段を有し、これから成形しようとしている成形条件により解析を実施し、スプル先端圧力と射出圧力をそれぞれ算出し、そのスプル先端圧力及び射出圧力を表示する手段を有することを特徴とする請求項1記載の樹脂評価システム。
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