JP5850111B2 - 合成樹脂製保持器の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、転がり軸受用の合成樹脂製保持器の製造方法に関し、より詳細にはウエルド部の強度低下を防止する技術に関する。
各種機械や装置に組み込まれる転がり軸受の保持器として、軽量で柔軟性に優れる合成樹脂製保持器が使用されることが多くなっている。この合成樹脂製保持器は射出成形法で製造されており、1ないし複数のゲートから熱可塑性樹脂、もしくは熱可塑性樹脂に補強繊維材を配合した樹脂組成物の溶融物を金型に注入し、冷却固化させて得られる。
しかし、保持器は円環状であるため、ゲートから注入された溶融物は金型内で分流され、ある地点(例えばゲートと対向する位置)で合流し(以下「ウエルド位置」)、保持器には、このウエルド位置に相当するウエルド部が必ず生じる。このウエルド部は、溶融物が融着一体化しただけであるため、溶融物の均一な混合が起こらず、他の部位よりも強度が低くなる。特に、補強繊維材を配合した樹脂組成物を用いた場合は、ウエルド部において補強繊維材が流動方向に対し垂直に配向するため、補強効果が発現しないばかりでなく、他の部位では補強繊維材が流動方向に対し水平に配向しているため、ウエルド部と他の部位との強度差がより大きくなる。
そこで、キャビティに樹脂溜りを連結し、樹脂溜りに溶融物を流入させて溶融物の流動を乱すことでウエルド部を増強することが提案されている。例えば特許文献1では、樹脂溜りをウエルド位置に対応して設けることを提案している。しかしながら、保持器の種類によって樹脂溜りの位置が変更されており、例えば玉軸受用保持器では樹脂溜りの開口をキャビティの内周側に設けているのに対し、ころ軸受用保持器では樹脂溜りの開口をキャビティの外周側に設けており、ウエルド部の補強に必ずしも最適とは言えない。
また、特許文献2では、キャビティの分流流路の少なくとも一方にピストンを内蔵した樹脂溜りを設け、溶融物が合流した後にピストンを作動させて溶融物を移動させることを提案している。また、特許文献3では、分流流路の少なくとも一方に、入口に開閉バルブを設けた樹脂溜りを設けて、合流した溶融物を樹脂溜りに流入させることを提案している。しかしながら、何れの方法も金型が複雑で高価になり、金型の動作制御も難しくなる。しかも、樹脂溜りがウエルド位置と一致しておらず、溶融物の移動が少ないという問題もある。
また、特許文献4では、合流部から外れた周縁部に、溶融物の一部が流入可能な樹脂溜まりを設けると共に、樹脂溜りとキャビティとを連通する連通部でキャビティから樹脂溜りに流入する溶融物の流入量を制限し、溶融物をキャビティ内に充填された後に樹脂溜り内に充填させることを提案している。しかしながら、樹脂溜りがウエルド位置と一致しておらず、溶融物の移動が少ないという問題がある。
特開平10−318263号公報 特開平6−8293号公報 特開平4−310715号公報 特開2002−301742号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、従来よりもウエルド部の強度を高めた合成樹脂製保持器を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、合成樹脂製保持器のウエルド部の増強を検討した結果、軸受回転時に保持器には、その外周側よりも内周側に高い引張応力が発生することを見出した。具体的には、円筒ころ軸受用合成樹脂製保持器について軸受回転時に作用する最大引張応力を有限要素法により求めたところ、下記表1に示すように内周側を1とすると、外周側では0.8程度になることを知見した。
Figure 0005850111
そこで、保持器の内周側で、補強繊維材をよりランダムに分散させることがウエルド部の増強に有効になると考え、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は下記の合成樹脂製保持器の製造方法を提供する。
(1)転がり軸受用の合成樹脂製保持器の製造方法であって、
キャビティのウエルド位置に一致する位置の内径側に設けられた開口に通じる第1の樹脂溜りと、前記第1の樹脂溜まりに近接して該キャビティに設けられた開口に通じる第2の樹脂溜りとを備え、かつ、保持器のウエルド部の断面積をD(mm 、前記第1の樹脂溜りの体積をV1(mm 、前記第2の樹脂溜りの体積をV2(mm とするとき、下記(I)式及び(II)式を満足する保持器成形用金型を用い、保持器成形用樹脂組成物を射出成形することを特徴とする合成樹脂製保持器の製造方法。
(D/2)×1.0mm×2≦V1≦(D/2)×10mm×2 ・・・(I)
0.3×V1≦V2≦2.0×V1 ・・・(II)
(2)前記保持器成形用金型において、
前記第1の樹脂溜りの開口部の断面積を、前記ウエルド部の断面積(D)の1%以上20%以下とし、
前記第2の樹脂溜りの開口部の開口面積を、前記第1の樹脂溜りの開口部の開口面積に対して10%以上50%以下とすることを特徴とする上記(1)記載の合成樹脂製保持器の製造方法。
本発明では、キャビティのウエルド位置の内径側に第1の樹脂溜りを設け、更に第1の樹脂溜りに近接して設けた第2の樹脂溜りを備え、かつ、前記第1、第2の樹脂溜りの各体積を、ウエルド部の断面積を基に規定した金型を用いる。そのため、ゲートからキャビティ内に注入された溶融物は、第1の樹脂溜りに流れ込み、それに伴って補強繊維材も保持器内周側に向かって狭くなるハ字状に配向し、外周側で補強繊維材を同様に配向させた場合に比べてウエルド部の増強効果が高まる。更に、第2の樹脂溜りにより、溶融物は更に流動される。従って、ウエルド部及びその近傍における増強効果が高まり、耐久性や信頼性に優れる合成樹脂製保持器が得られる。換言すれば、保持器の肉厚を薄くすることができ、保持器の軽量化及び原料コストを低減することができる。また、肉厚を薄くした分、転動体のサイズを大きくすることもでき、軸受の定格荷重を上げることができ、軸受の長寿命化を図ることもできる。更には、このような合成樹脂製保持器を備える転がり軸受もまた耐久性に優れたものとなる。
本発明で得られる合成樹脂製保持器の一例である冠型保持器を示す斜視図である。 本発明で用いる金型をキャビティ上方から見た図である。 本発明で用いる他の金型をキャビティ上方から見た図である。 本発明で得られる合成樹脂製保持器の他の例である円筒ころ軸受用保持器を示す斜視図である。 本発明で得られる合成樹脂製保持器の他の例である円錐ころ軸受用保持器を示す斜視図である。 本発明で得られる合成樹脂製保持器の他の例である針状ころ軸受用保持器を示す斜視図である。 本発明で得られる合成樹脂製保持器の他の例であるアンギュラ玉軸受用保持器を示す斜視図である。 アンギュラ玉軸受用保持器の他の例を示す斜視図である。 円環引張試験の試験方法を説明するための図である。 樹脂溜りの体積と円環引張強度との関係を示すグラフである。 第1の樹脂溜りの開口部の断面積と、第2の樹脂溜りの開口部の断面積との関係を示すグラフである。 成形材料が第1の樹脂溜りに流入する状態を撮影した写真である。 図12と同一部分を、成形材料が第2の樹脂溜りに流入した直後に撮影した写真である。 試験2において、ウエルド部内径側の強度の測定方法を説明するための模式図である。
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明で得られる合成樹脂製保持器の一例である冠型保持器1を示す斜視図であるが、円環状の基部10の一方の側に、柱部11が等間隔で立設しており、隣接する一対の柱部11,11により、転動体(図示せず)を保持するためのポケット12が形成されている。
尚、保持器材料には、例えばポリアミドやポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂に、ガラス繊維や炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカー等の補強繊維材を配合した樹脂組成物が用いられる。補強繊維材の含有量は、樹脂組成物全量の40質量%以下が好ましく、これより多量になると樹脂量が少なすぎて成形の際の流動性が十分ではなく、後述する樹脂溜まりに流入し難くなり、ウエルド部の発生を抑制する効果が十分に得られない。また、成形時及び使用時の熱劣化を抑えるために、ヨウ化物系熱安定剤やアミン系熱安定剤を単独で、あるいは両方を添加してもよい。更に、耐衝撃性を改善するために、エチレンプロピレン非役ジエンゴム(EPDM)等のゴム系材料を配合してもよい。
この冠型保持器1は射出成形により製造されるが、本発明では図2に示すような金型100を用いる。尚、図2は保持器成形用金型100のキャビティ110を上方から見た図であり、簡単のために冠型保持器1の柱部11及びポケット12に相当する部分は省略してある。また、ゲート120を単一にしてある。
金型100において、ゲート120からキャビティ110内に、保持器材料である樹脂組成物の溶融物が注入されると、通常は、図示されるように左右に分かれて流動してゲート120と対向する位置にて合流して、得られる保持器1の基部10や柱部11には前記の合流位置にてウエルド部が生じる。以下、ウエルド部が生じる位置を仮想線Wで示し、ウエルド位置Wとする。そこで本発明では、金型100のキャビティ110のウエルド位置Wに一致する位置の内径側に設けた開口130aを通じて第1の樹脂溜り130を形成し、更にこの第1の樹脂溜り130の近傍に開口140aを通じて第2の樹脂溜り140を形成する。これにより、溶融物は、キャビティ110の全体を充填した後、第1の樹脂溜り130に流入し、その際ウエルド位置Wの内径側近傍で溶融物の流動状態が大きく乱れ、従来のウエルド部のような明確な境界が形成されなくなる。また、繊維状補強材を含有する場合は、繊維状補強材もランダムに配向する。更に、射出圧または保圧により、溶融物は第2の樹脂溜り140にも流入するため、第1の樹脂溜り130による流動性の乱れに加え、ウエルド部相当部分が全体的に第2の樹脂溜り140の側に移動し、更なる流動が起こる。このように、ウエルド位置Wの近傍において溶融物の流動状態がより激しく乱れ、結果としてウエルド部の強度がより高まる。しかも、ウエルド位置Wの外径側に第1の樹脂溜りを設けた場合よりも、得られる保持器の内周側での補強効果が高くなる。
尚、第2の樹脂溜り140は、キャビティ110の外径側に限らず、図3に示すように内径側に設けてもよい。更には、第2の樹脂溜り140は複数設けることもでき、その場合もキャビティ110の内径側、外径側の何れか一方、あるいは両方に設けることができる。例えば、図示は省略するが、第1の樹脂溜り130の両側内径側に2つの第2の樹脂溜り140を設けてもよいし、第1の樹脂溜り130の両側外径側に2つの第2の樹脂溜り140を設けてもよい。また、第1の樹脂溜り130の一方の側の内径側に第2の樹脂溜り140を設けるとともに、他方の側の外径側に第2の樹脂溜り140を設けることもできる。
金型100において、第1の樹脂溜り130の体積(V1)は、保持器のウエルド部の断面積(D)に対して以下の関係式(I)を満足し、第2の樹脂溜り140の体積(V2)は保持器のウエルド部の断面積(D)に対して以下の関係式(II)を満足する。尚、ウエルド部の断面積(D)とは、保持器をウエルドが発生した部分にて保持器軸線に沿って切断した断面の面積である。体積(V1)、(V2)がそれぞれの下限を下回ると、溶融物の移動量、流動量が少なすぎて補強繊維材の配向の乱れが不足して十分な強度改善効果が得られないおそれがある。一方、体積(V1)、(V2)が上限を上回っても樹脂の使用量が増すだけで、強度改善効果は変わらない。尚、Dの単位はmm であり、V1及びV2の単位はmm である。
(D/2)×1.0mm×2≦V1≦(D/2)×10mm×2 ・・・(I)
0.3×V1≦V2≦2.0×V1 ・・・(II)
また、第1の樹脂溜り130の開口部130aの断面積(D1a)は、ウエルド部の断面積(D)の1%以上20%以下にすることが好ましい。断面積(Da1)が下限を下回ると、第1の樹脂溜り130への溶融物の流入が制限されすぎて十分な強度改善効果が得られないおそれがある。一方、断面積(Da1)が上限を上回ると、溶融物が合流前に第1の樹脂溜り130に流入してしまい、この場合も十分な強度改善効果が得られないおそれがある。
溶融物を第1の樹脂溜り130に流入した後に、第2の樹脂溜り140に流入させるためには、第2の樹脂溜り140の開口140aの開口面積を第1の樹脂溜り130の開口130aの開口面積よりも小さくすればよい。具体的には、第2の樹脂溜り140の開口部140aの開口面積は第1の樹脂溜り130の開口部130aの開口面積に対して10以上50%以下とすることが好ましい。
更に、第2の樹脂溜り140による溶融物の移動を確実にするためには、第2の樹脂溜り140の開口140aが第1の樹脂溜まり130の開口130aに近い方が好ましい。具体的には、第1の樹脂溜り130の開口130aの中心と、第2の樹脂溜り140の開口140aの中心との距離が、ポケットの最大幅P(図1の冠型保持器1ではポケット12の曲率半径の2倍)以内に接近していることが好ましい。
本発明では、上記のように第1の樹脂溜り130及び第2の樹脂溜り140を備える保持器成形用金型100を用いる限り、成形条件には制限はなく、従来の合成樹脂製保持器を射出成形する際の成形条件をそのまま採用できる。
本発明は種々の変更が可能であり、上記は単一ゲートの場合であるが、ゲート120が複数の場合は、ゲート数に応じて複数生じるウエルド部と対向するようにキャビティ110の内径側に複数の第1の樹脂溜まり130を設け、更にその近傍に第2の樹脂溜り140を形成する。
また、保持器の種類も冠型保持器に限らず、図4に示すような円筒ころ軸受用保持器、図5に示すような円錐ころ軸受用保持器、図6に示すような針状ころ軸受用保持器、図7及び図8に示すようなアンギュラ玉軸受用保持器等にも応用でき、製造に際し、それぞれの保持器に対応する金型100のキャビティ110の内径側に第1の樹脂溜り130を設け、更にその近傍に第2の樹脂溜り140を付加すればよい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
〔試験1〕
図2に示すように、円環状のキャビティの内径側のゲートと対向する位置に開口部を形成して第1の樹脂溜りを連結して設け、更にキャビティの外径側の第1の樹脂溜りの開口部から位相を15°ずらした位置に開口部を形成して第2の樹脂溜りを連結して設けた。また、各樹脂溜りの体積及び開口部の断面積を可変にできる構成とした。そして、成形材料(ガラス繊維を25質量%の割合で含有するポリアミド66)をゲートから注入して射出成形し、円環試験片(内径58mm、外径66mm、幅5mm:断面積は20mmで、ウエルド部の断面積も同じ)を作製した。
そして、図9に示す試験装置を用いて円環引張試験を行い、円環試験片の引張強度を測定した。図示される試験装置では、上下一対の治具に円環試験片を、ウエルド部が治具の合わせ面と一致(図中水平)するように装着し、治具を上下方向に引っ張る構成になっている。
図10は、第1の樹脂溜りの開口部の断面積を2mm、第2の樹脂溜りの開口部の断面積を0.5mmに固定し、第1の樹脂溜りの体積を変更して円環引張強度を測定した結果を示している。但し、樹脂溜りを設けない(即ち体積0%)金型を用いた時の円環引張強度を1とする相対値で示してある。また、第2の樹脂溜りの体積は、第1の樹脂溜りの体積の30%、50%、100%または200%とした。
図示されるように、第1の樹脂溜りの体積が小さいと顕著な強度改善効果が認められず、ウエルド部の断面積と同等の20mm以上の範囲で強度改善効果が高まっている。但し、第1の樹脂溜りの体積がウエルド部の断面積の10倍(200mm)を超えると強度が低下してくる。また、第2の樹脂溜りの体積が、第1の樹脂溜りの体積の50〜200%とすることが強度改善効果に好ましいといえる。
また、図11は、第1の樹脂溜り及び第2の樹脂溜りの体積を100mmに固定し、それぞれの開口部の断面積を変更して円環引張強度を測定した結果を示している。図中の「〇」は下記の(a)、(b)の両方を満足する場合、「△」は(a),(b)の両方または何れか一方を満足しない場合を示している。
(a)成形材料の流動順序が「ウエルド部で会合→第1の樹脂溜りへの流入完了→第2の樹脂溜りへの流入開始」という順序である。
(b)円環引張強度が、樹脂溜りを設けない金型を用いた時の円環引張強度を1とする相対値で1.40以上である。
図示されるように、第1の樹脂溜りの開口部の断面積と第2の樹脂溜りの開口部の断面積との間には、好ましい比率が存在する。例えば、第1の樹脂溜りの開口部の断面積が4.0mmの場合には、第2の樹脂溜りの開口部の断面積が0.4mm(10%)〜2mm(50%)の範囲で強度改善効果が高まっている。
また、図12は、成形材料が第1の樹脂溜りに流入する状態を撮影した写真であるが、ガラス繊維が開口部に流れ込むように配向しているのがわかる。但し、ここでは第2の樹脂溜りへの流入は未だ無い。
図13は、成形材料が第2の樹脂溜りに流入した直後に同一部分を撮影した写真であるが、ガラス繊維がよりランダムに配向しているのがわかる。
〔試験2〕
(実施例2−1)
図4に示すような円筒ころ軸受用保持器(内径:106mm、外径:120mm、円周方向のポケット最大幅P:22mm)を作製するための金型を改良し、キャビティの内周面に第1の樹脂溜りを形成した。尚、符号Gで示すようにゲートを一方の円環状の基部の各ポケット中央部の内径側に設け、符号Wで示すように他方の円環状の基部の各ポケット中央部の内径側に第1の樹脂溜りの開口部を設けた。尚、ウエルド部の断面積は42mmである。また、第1の樹脂溜りの開口部の中心から8mm離れた外径側に、第2の樹脂溜りの開口部を設けて第2の樹脂溜りを連結した。尚、第1の樹脂溜りの体積を100mmとし、開口部の断面積を2mmとした。また、第2の樹脂溜りの体積を60mmとし、開口部の断面積を0.6mmとした。そして、成形材料(ガラス繊維を30質量%の割合で含有するポリフェニレンサルファイド)をゲートから注入して射出成形し、円筒ころ軸受用保持器を作製した。
(比較例2−1)
実施例2−1と同形で、樹脂溜りの無い金型を用いて同一成形材料を射出成形し、円筒ころ軸受用保持器を作製した。
(比較例2−2)
実施例2−1と同形で、第1の樹脂溜りをキャビティの外径側に形成した金型を用いて同一成形材料を射出成形し、円筒ころ軸受用保持器を作製した。
各保持器を組み込んだ試験軸受を作製し、耐久試験を行った。試験は、1時間毎に回転数を一定数ずつ上げていき、保持器が破損するまで試験軸受を連続回転させ、保持器が破損するまでの最高回転数を計測した。結果を表2に、比較例2−1の値を1とする相対値で示す。
また、図14に示すようにして、各保持器のウエルド部内径側の強度を測定した。即ち、保持器のウエルド部が形成されている側の基部から円弧状の試験片を切り出し、試験片200を外径側201が凸になるように試験台220の上に設置し、試験片200の中央に治具210を載置し、治具210を介して鉛直方向に荷重を加えた。治具210にはロードセル(図示せず)が接続しており、試験片200が破壊したときの荷重を求めた。結果を表2に、比較例2−1の値を1とする相対値で示す。
Figure 0005850111
表2に示すように、本発明に従い第1の樹脂溜りと第2の樹脂溜りとを有する金型を用いて成形することにより、ウエルド部の強度が高まり、軸受の耐久性も向上することがわかる。
〔試験3〕
(実施例3−1)
内径90mm、外径115mmの玉軸受用で、ポケットと柱部とが対向する構造の冠型保持器(円周方向のポケット最大幅P:20mm)用の金型を改良し、ゲートを柱部の幅方向中心位置に1個設けるとともに、対向するポケットの中心直下の内径側に第1の樹脂溜りを設けた。尚、ウエルド部の断面積は10mmである。また、第1の樹脂溜りの開口部の中心から18mm離れた外径側に、第2の樹脂溜りの開口部を設けて第2の樹脂溜りを連結した。尚、第1の樹脂溜りの体積を40mmとし、開口部の断面積を1.6mmとした。また、第2の樹脂溜りの体積を30mmとし、開口部の断面積を0.4mmとした。そして、成形材料(ガラス繊維を25質量%の割合で含有するポリアミド46)をゲートから注入して射出成形し、冠型保持器を作製した。
(比較例3−1)
実施例3−1と同形で、樹脂溜りの無い金型を用いて同一成形材料を射出成形し、冠型保持器を作製した。
(比較例3−2)
実施例3−1と同形で、第1の樹脂溜りをキャビティの外周側に形成した金型を用いて同一成形材料を射出成形し、冠型保持器を作製した。
そして、試験2と同様にして各保持器の耐久試験を行い、試験1と同様にして円環引張試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005850111
表3に示すように、本発明に従い第1の樹脂溜りと第2の樹脂溜りとを有する金型を用いて成形することにより、ウエルド部の強度が高まり、軸受の耐久性も向上することがわかる。
1 冠型保持器
10 基部
11 柱部
12 ポケット
100 保持器成形用金型
110 キャビティ
120 ゲート
130 第1の樹脂溜り
140 第2の樹脂溜り
W ウエルドライン

Claims (2)

  1. 転がり軸受用の合成樹脂製保持器の製造方法であって、
    キャビティのウエルド位置に一致する位置の内径側に設けられた開口に通じる第1の樹脂溜りと、前記第1の樹脂溜まりに近接して該キャビティに設けられた開口に通じる第2の樹脂溜りとを備え、かつ、保持器のウエルド部の断面積をD(mm 、前記第1の樹脂溜りの体積をV1(mm 、前記第2の樹脂溜りの体積をV2(mm とするとき、下記(I)式及び(II)式を満足する保持器成形用金型を用い、保持器成形用樹脂組成物を射出成形することを特徴とする合成樹脂製保持器の製造方法。
    (D/2)×1.0mm×2≦V1≦(D/2)×10mm×2 ・・・(I)
    0.3×V1≦V2≦2.0×V1 ・・・(II)
  2. 前記保持器成形用金型において、
    前記第1の樹脂溜りの開口部の断面積を、前記ウエルド部の断面積(D)の1%以上20%以下とし、
    前記第2の樹脂溜りの開口部の開口面積を、前記第1の樹脂溜りの開口部の開口面積に対して10%以上50%以下とすることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製保持器の製造方法。
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