JP5441663B2 - 多層構造メタルマスク - Google Patents

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Description

本発明は、電解めっきの単層メタルマスクよりも経時変化によるメタルマスクの伸びを抑制した高寸法精度を得られる電解めっき層の多層皮膜構造を持つ多層構造メタルマスクに関するものである。
従来技術としては、多層型皮膜構造を持つメタルマスクにおいて、電気めっき層と過剰析出しない無電解めっき層とが交互に積層形成され、同一平面上での板厚差を小さくした多層構造メタルマスク(例えば、特許文献1参照)が存在している。
特開2008−279762号公報(特許請求の範囲の欄、発明の詳細な説明の欄、及び図1〜図13を参照)
前記従来技術は、電気めっき層の間に無電解めっき層を挟み込むことによって、板厚の安定化と印刷時の伸びを減少させた多層構造メタルマスクである。
無電解めっきは、電気めっき(以下、電解めっきという)とは異なり、電流分布の問題がないので析出されるめっきの厚さは均一となる。よって、メタルマスクの厚みにおける無電解めっきの占める割合を多くすることによって、板厚のばらつきが少ないメタルマスクを得ることが期待できる。
ところが、無電解めっきを使用する無電解めっき浴は、総じてめっき浴の使用寿命が短く、通常特定の回数の使用しかできないという問題があり、無電解めっき浴を生産に用いる際には、大量の排水が排出されることとなる。排出された排水には処理されにくい有機物が含まれるので、その排液を処理するためにコストの増加をもたらす。また、無電解めっき浴は相当不安定で、自己析出現象を引き起こすため、正常な生産に悪影響を及ぼし、さらに、無電解めっき浴の濃度を安定させるためには常に補充溶液を添加する必要があり、その制御も電解めっき浴と比べると煩雑である。また、無電解めっき浴の操作は、室温より高い条件、例えば60℃で行われるため、大量のエネルギーが必要となり、生産コストの上昇をもたらす。また、無電解めっきの析出速度は電解めっきの析出速度よりも非常に遅く、例えば無電解ニッケル−リンめっきの析出速度は、60℃の浴温度で1時間あたり約2μm〜3μmである。そのため、無電解ニッケル−リンめっきを30μmの厚みまで析出するとなると、10時間〜15時間という長時間にわたる反応時間を要するため、生産効率が落ちると同時にエネルギーの消耗が著しく増加してしまう。
以上のように、無電解めっきを使用するには種々の問題があった。
上記の目的を達成することができる本発明の第1発明は、請求項1に記載された通りの多層構造メタルマスクであり、次のようなものである。
電解めっきの単層メタルマスクの上にニッケル−リンの電解めっき層を一層重ね、さらにその上に電解めっきの単層メタルマスクを積層するように、電解めっきの単層メタルマスクとニッケル−リンの電解めっき層を交互に積層して、電解めっきの単層メタルマスクの間にニッケル−リンの電解めっき層を挟み込んで、電解めっきの単層メタルマスクよりも経時変化によるメタルマスクの伸びを抑制した高寸法精度を得られる電解めっき層の3層以上の多層皮膜構造を持つ構成である。
上記の目的を達成することができる本発明の第2発明は、請求項2に記載された通りの多層構造メタルマスクであり、次のようなものである。
請求項1に記載の発明に加えて、電解めっきの単層メタルマスクの間に挟み込むニッケル−リンの電解めっき層の厚みを2μm〜5μmにした構成である。
上記の目的を達成することができる本発明の第3発明は、請求項3に記載された通りの多層構造メタルマスクであり、次のようなものである。
請求項1または請求項2に記載の発明に加えて、多層構造メタルマスクに熱処理を施した構成である。
上記の目的を達成することができる本発明の第4発明は、請求項4に記載された通りの多層構造メタルマスクであり、次のようなものである。
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明に加えて、電着層にエッチング法で凹部を形成する構成である。
本発明に係る多層構造メタルマスクは、上記説明のような構成を有するので、以下に記載する効果を奏する。
(1)無電解めっきは無電解浴を使用するがために、浴の管理が電解めっき浴より煩雑であり、さらに無電解めっきは長時間に亘る成膜時間が必要となるので、生産効率が落ちる。本発明は、これらの問題を解決するために無電解めっきを行わなくしたものである。
(2)電解ニッケル−リンめっきは2μm〜5μm成膜(奨励できるのは3μmである)するだけで、メタルマスクの伸びを抑制することができる。
(3)電解ニッケル−リンめっきの厚みを薄く析出し、さらに挟み込んで多層構造とすることによって、電解ニッケル−リンめっきの割れ易いという問題を回避できるものである。
(4)電解ニッケル−リンめっきを挟み込んで多層構造としたメタルマスク自体を熱処理(150℃〜400℃で1時間)することによって、さらにメタルマスクの伸びを抑制できるものである。
本発明の多層構造メタルマスクの製造方法の工程を示す断面図である。 本発明の多層構造メタルマスク(エッチング仕様)の製造方法の工程を示す断面図である。
電解めっきの単層メタルマスクの上にニッケル−リンの電解めっき層を一層重ね、さらにその上に電解めっきの単層メタルマスクを積層するように、電解めっきの単層メタルマスクとニッケル−リンの電解めっき層を交互に積層して、電解めっきの単層メタルマスクの間にニッケル−リンの電解めっき層を挟み込んで、電解めっきの単層メタルマスクよりも経時変化によるメタルマスクの伸びを抑制した高寸法精度を得られる電解めっき層の3層以上の多層皮膜構造を持つ多層構造メタルマスク
である。
以下、本発明の一実施例を添付図面で詳細に説明する。
図1は本発明の多層構造メタルマスクの製造方法の工程を示す断面図である。図2は、本発明の多層構造メタルマスク(エッチング仕様)の製造方法の工程を示す断面図である。
先ず、図1(a)に示すように、導電性の電鋳母型1を用意する。
使用する導電性の電鋳母型1としては、SUS301やSUS304といったステンレス材が好適であるが、鉄、銅、ニッケル合金、アルミニウムといった金属材料も用いることができる。さらに、ガラス板や樹脂フィルム等に、例えばニッケル、クロム、ITO(Indium Tin Oxide)膜といった導電性被膜を付与したものを電鋳母型として用いることもできる。
また、必要に応じて導電性の電鋳母型に表面処理を行っても構わない。
ここでいう表面処理とは、後に施すレジスト膜の密着性の向上や、電鋳被膜の外観を向上させる等の目的で行うものであり、上述の目的を達成するのであればどのような処理を施しても構わないが、例えばバフ研磨といった物理的処理や、塩酸処理といった化学的処理、それらを複合した処理を行う。また、アルカリ脱脂等の脱脂処理を加えてもよい。
次いで、図1(b)に示すように、電鋳母型1に感光性のレジスト膜2を形成する。
感光性のレジスト膜2を形成する方法としては、ドライフィルムレジストといったフィルム状の感光性レジストを既存のラミネータを使用してラミネートするといった方法や、液状の感光性レジストをロールコータやスピンコータ、バーコータやカーテンコータ、ディップコータといった既存の液状レジスト塗布装置を使用して電鋳母型1上に形成するといった方法があるが、何れの方法を使用しても構わない。感光性レジストには大別してネガタイプとポジタイプが存在するが、どちらのタイプの感光性レジストを使用しても構わない。
なお、感光性レジストの厚みに関しては、少なくとも後の工程で行う1次電着層5の電解めっきの厚みと、2次電着層6である電解ニッケル−リンめっきの厚みの和よりも厚くする。
本実施例では、ネガタイプのドライフィルムレジストを既存のラミネータ装置を使用してステンレス材の電鋳母型1上にラミネートする。
次いで、図1(c)に示すように、レジスト膜2にパターン3を露光する。露光方法に関しては、ガラスやフィルムといった素材のパターン3が形成されたフォトマスクをレジスト膜2に密着させた後に超高圧水銀灯やメタルハライドランプといった紫外線を発生する光源を使用してレジスト膜2に紫外線を照射しても良いし、半導体レーザや超高圧水銀灯を光源に持つ直接描画装置を使用して、前記フォトマスクを使用せずにレジスト膜2にパターン3を直接描画しても構わない。
なお、密着露光用のフォトマスクや描画パターンはレジストのタイプに合わせてネガパターンかポジパターンかを選択して使用する。
本実施例では、大日本スクリーン製造社製直接描画装置LI−8500を使用して、パターン3を直接レジスト膜2に描画している。
次いで、図1(d)に示すように、パターン3を描画したレジスト膜2を現像、乾燥し、パターンレジスト膜4を形成する。
本実施例では、ネガタイプのレジストを使用しているため、前記直接描画装置で描画した部分のレジストが残り、パターンレジスト膜4を形成している。
次いで、図1(e)に示すように、パターンレジスト膜4を形成した電鋳母型1を、例えばスルファミン酸ニッケルめっき浴の1次電鋳槽に移し、例えばニッケルあるいはニッケルを主成分とする合金等の電鋳を行って、電鋳母型1のパターンレジスト膜4で覆われていない表面に1次電着層5を形成する。1次電着層5の表面状態は光沢面でも半光沢面でも無光沢面でも、何れの表面粗さの電着層でもよい。また、表面硬度といった表面状態以外のめっき特性に関しても特に制限はないものである。要するにメタルマスクとして使用できる特性を有していれば、どのような電解浴で形成した電着層でも構わないものである。
次いで、1次電着層5を形成した電鋳母型1を1次電鋳槽から引き上げ、必要ならば水洗や酸処理といった前処理を施したのち、1次電着層5が形成された電鋳母型1を2次電鋳槽に入れて、図1(f)に示すように、1次電着層5上に2次電着層6として電解ニッケル−リンめっきを2μm〜5μmの厚み(推奨できるのは3μmである)で形成する。
本実施例では、2次電着層6の形成は、例えばスルファミン酸ニッケル100〜750g/l、ホウ酸15〜40g/l、ホスホン酸5〜100g/l、サッカリンナトリウム1〜10g/l、ピット防止剤微量、電流密度0.1〜3A/dm2、pH1〜pH5、浴温45℃のスルファミン酸ニッケル−リン浴からなる電解めっき槽である2次電鋳槽に入れることにより行う。
次いで、1次電着層5上に2次電着層6を形成した電鋳母型1を2次電鋳槽から引き上げ、必要ならば水洗や酸処理といった前処理を施したのち、1次電着層5上に2次電着層6を形成した電鋳母型1を、再度スルファミン酸ニッケルめっき浴の1次電鋳槽に移し、図1(g)に示すように、例えばニッケルあるいはニッケルを主成分とする合金等の電鋳を行って、2次電着層6上に3次電着層7を形成する。3次電着層7の表面状態は光沢面でも半光沢面でも無光沢面でも、何れの表面粗さの電着層でもよいし、表面硬度といった表面状態以外のめっき特性に関しても特に制限はないものである。要するにメタルマスクとして使用できる特性を有していれば、どのような電解浴で形成した電着層でも構わないものである。また、3次電着層7は1次電着層5と異なる組成の電解浴で電着形成してもよいことは言うまでもない。
次いで、2次電着層6上に3次電着層7を形成した電鋳母型1を3次電鋳槽から引き上げ、必要ならば水洗や酸処理といった前処理を施したのち、図1(h)に示すように剥離液によりパターンレジスト膜4を除去し、さらに電鋳母型1から剥がすことにより、単層メタルマスクよりも伸びを抑制した3層構造のメタルマスク9が完成する{図1(i)}。
完成された3層構造メタルマスク9は、各電解めっき層の合計板厚で、2次電着層6であるニッケル−リンめっき層の2μm〜5μm(推奨3μm)と、1次電着層5及び3次電着層7を合計した厚みになる。
つまり、本発明による多層構造メタルマスクは、その層の組み合わせる数により多層構造にするものである。
以上、3層構造メタルマスクについて説明したが、これは電解めっきで作製するニッケル−リンめっき層を、従来の電解めっき法で作製したメタルマスクに挟み込むものである。
この際に、電解ニッケル−リンめっき層の厚みを薄くすることによって、電解ニッケル−リンめっき層の問題点である割れ易さを回避することができる。
また、メタルマスク自体を電鋳母型1から剥がしてから熱処理(150℃〜400℃で1時間の処理)をすることによってさらに伸びを抑制することができる。
さらに、電解ニッケル−リンめっき層はエッチング法で凹を形成する際の、エッチング時のストップ層として使用することができる。
次に、エッチング法にて凹部を形成した3層構造メタルマスクの一実施例を添付図面にて詳細に説明する。
先ず、所定の厚みで形成した3層構造のメタルマスクを用意する{図2(a)}。
3層構造メタルマスクの形成方法は、前記図1(a)〜図1(g)と同様の方法で形成するので、説明は省略する。
なお、図2(a)以降に示すように、パターン開口部8がエッチングエリアに含まれている場合は、パターンレジスト膜4の厚みは少なくとも1次電着層5の厚みと2次電着層6の厚みの和よりも厚ければよい。
なぜならば、1次電着層5の厚みと2次電着層6の厚みと3次電着層7の厚みの和がパターンレジスト膜4の厚みよりも厚くなってしまい、パターンレジスト膜4の厚みを超えて3次電着層7がオーバーハング状態で形成されて3次電着層7でパターン開口部8が塞がれてしまったとしても、後の工程であるエッチング工程において、パターン開口部8の3次電着層7がエッチングで除去されるからである。
また、次工程において3次電着層7がエッチングされて凹部が形成されるため、1次電着層5と2次電着層6の厚みの和はエッチングして残った凹部の底部の厚みで、1次電着層5と2次電着層6と3次電着層7の厚みの和はエッチングしないで残す部分のメタルマスクの厚みになるように形成しておくものである。
次いで、図2(b)に示すように、3次電着層7上に感光性のレジスト膜10を形成する。
本実施例では、図1(b)と同様に、ネガタイプのドライフィルムレジストを既存のラミネータ装置を使用して3次電着層7上にラミネートする。
次いで、図2(c)に示すように、レジスト膜10にパターン11を露光する。露光方法に関しては、図1(c)同様に大日本スクリーン製造社製直接描画装置LI−8500を使用して、前記描画装置の機能を使用して図示しない認識マークで位置合わせを行ってから、パターン11を直接レジスト膜10に描画する。
次いで、図2(d)に示すように、パターン11を描画したレジスト膜10を現像・乾燥し、パターンレジスト膜12を形成する。本実施例では、ネガタイプのレジストを使用しているため、前記直接描画装置で描画した部分のレジストが残り、パターンレジスト膜12を形成している。
次いで、図2(e)に示すように、塩化第二鉄溶液といった既存のエッチング液を使用して、パターンレジスト膜12で覆われていない3次電着層7をエッチングする。3次電着層7が徐々にエッチングされていくと、エッチング液は電解ニッケル−リンめっき層である2次電着層6に到達する。すると、2次電着層6は電解ニッケル−リンめっき層であるために、エッチング速度が急激に遅くなる。つまり、電解ニッケル−リンめっき層である2次電着層6がエッチングのストップ層の役割を果たすため、1次電着層5までエッチングが進行せず、エッチング深さのバラツキが少ないエッチングが可能となる。
また、このエッチングの際、塩化第二鉄溶液により電解ニッケル−リンめっき層が酸化されて表面に酸化皮膜が形成されるため、電解ニッケル−リンめっき面が外観上黒化するので、目視でエッチング量(深さ)を確認することができる。
さらに、エッチング時のストップ層として電解ニッケル−リンめっきを使用することで、ストップ層のないエッチングと比較してエッチングエリアにおけるエッチング量(深さ)のバラツキを少なくでき、精度良くエッチングできるため、エッチング量(深さ)をより深くすることができる。
次いで、必要ならば水洗や酸処理といった前処理を施したのち、図2(f)に示すように剥離液によりパターンレジスト膜12を除去し、さらに電鋳母型1から剥がすことにより、単層メタルマスクよりも伸びを抑制した3層構造のメタルマスク(エッチング仕様)13が完成する{図2(g)}。
なお、前記したように、エッチング時のストップ層として電解ニッケル−リンめっきを使用することで、ストップ層のないエッチングと比較してエッチングエリアにおけるエッチング量(深さ)のバラツキを少なくでき、精度良くエッチングできるため、電鋳母型1からメタルマスク(エッチング仕様)13を剥がすときに凹部に発生し易い歪みを抑制することができる。
次いで、メタルマスク自体を電鋳母型1から剥がして熱処理(150℃〜400℃で1時間の処理)をすることによって、さらにエッチングメタルマスク13の伸びを抑制することができる。
ここで、電解ニッケル−リンめっき皮膜の厚みを2μm〜5μmが望ましいとしたことの理由を簡単に説明する。
近年、例えば導電性ボール搭載用マスクとして使用されるメタルマスクは、導電性ボールを搭載する基板に事前に形成されているフラックスを避けるため、必ずと言ってよいほど、凹部を形成した構造となっている。さらに、年々導電性ボールの径が小さくなっているために、凹部の底部の厚みを薄くする要求が高まってきている。しかしながら、フラックスを避けるために、ある程度の凹部の深さも必要であり、近年では、メタルマスクの総厚の半分以上の厚みをエッチングして凹部を形成しなければならない場合が多くなってきている。
通常、エッチング液を使用してエッチングを行う場合、深さ方向にエッチングが進行していくと同時に周辺部(横方向)もエッチングされていく、いわゆるサイドエッチという現象が発生する。サイドエッチが発生するエッチングエリア外周部のエッチング量(深さ)は、エッチングエリア中央部付近と比較すると、エッチング量(深さ)が少ないため、エッチングエリア中央部と周辺部ではエッチング量(深さ)にバラツキがある。
そこで、電解ニッケル−リン皮膜をストップ層として使用することでエッチング速度を遅らせ、エッチング量(深さ)のバラツキを少なくするのだが、電解ニッケル−リン皮膜の厚みが薄いと、エッチングエリアの中央部と周辺部のエッチング量(深さ)のバラツキを少なくする前に電解ニッケル−リン皮膜がエッチング液によってエッチングされてしまい、エッチングの進行を抑えることができなくなって、1次電着層5までエッチングしてしまう事態に陥ってしまう。
そこで、エッチングの進行を食い止めるのに必要な電解ニッケル−リンめっき皮膜の膜厚は、2μm超は必要であることをつきとめたものである。
次に、電解ニッケル−リンめっき皮膜の厚みの上限を5μmとした理由は、クラック防止のためである。
電解ニッケル−リンめっき皮膜はめっきのみの状態であっても、ビッカース硬さ(HV)は600あり、割れやすくなる傾向がある。
従って、電解ニッケル−リンめっき皮膜の厚みが5μmを超すと、クラックの発生が多くなり、そのクラックが起点となってメタルマスクの破損に結びつく可能性がある。
以上を踏まえて、電解ニッケル−リンめっき層の厚みは2μm〜5μmが望ましいものである。
なお、本メタルマスクはそのままの状態でも使用可能であるが、スクリーン印刷用マスクとして、あるいは導電性ボール搭載用マスクといった各種マスクとして使用する場合においては、メタルマスクを例えば枠体に直接貼り付けた状態で使用することもできるし、また、メタルマスクを枠体の略中央部にスクリーンメッシュ等の支持シートを介して貼り付けた、いわゆるコンビネーションマスクとして使用することもできる。
電解めっき層で形成する多層構造メタルマスクであれば、各種印刷用マスク、ボール搭載用マスク、ボール吸着用マスク、開口部にメッシュ構造を持つマスク、サスペンドメタルマスク、有機EL作製等に使用する蒸着マスクといった各種マスクに応用することができる。
1・・・・電鋳母型
2・・・・レジスト膜
3・・・・開口パターン
4・・・・パターンレジスト膜
5・・・・1次電着層
6・・・・2次電着層
7・・・・3次電着層
8・・・・パターン開口部
9・・・・メタルマスク
10・・・・レジスト膜
11・・・・パターン
12・・・・パターンレジスト膜
13・・・・メタルマスク(エッチング仕様)

Claims (4)

  1. 電解めっきの単層メタルマスクの上にニッケル−リンの電解めっき層を一層重ね、さらにその上に電解めっきの単層メタルマスクを積層するように、電解めっきの単層メタルマスクとニッケル−リンの電解めっき層を交互に積層して、電解めっきの単層メタルマスクの間にニッケル−リンの電解めっき層を挟み込んで、電解めっきの単層メタルマスクよりも経時変化によるメタルマスクの伸びを抑制した高寸法精度を得られる電解めっき層の3層以上の多層皮膜構造を持つことを特徴とする多層構造メタルマスク。
  2. 電解めっきの単層メタルマスクの間に挟み込むニッケル−リンの電解めっき層の厚みを2μm〜5μmにしたことを特徴とする請求項1に記載の多層構造メタルマスク。
  3. 請求項1または請求項2に記載の多層構造メタルマスクに熱処理を施したことを特徴とする多層構造メタルマスク。
  4. エッチング法で凹部を形成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の多層構造メタルマスク。
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