JP5481586B1 - キャリア付銅箔、キャリア付銅箔の製造方法、プリント配線板、プリント回路板、銅張積層板、及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

キャリア付銅箔、キャリア付銅箔の製造方法、プリント配線板、プリント回路板、銅張積層板、及びプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ファインピッチ形成に好適なキャリア付銅箔を提供する。
【解決手段】キャリア付銅箔は、極薄銅層を剥がした後、
エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)と、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)との比の値C(=エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)/エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm))が、
C=0.227×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.26
となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、前記極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、キャリア付銅箔、キャリア付銅箔の製造方法、プリント配線板、プリント回路板、銅張積層板、及びプリント配線板の製造方法に関し、特に、ファインパターン用のプリント配線基板の製造時に用いるキャリア付銅箔、キャリア付銅箔の製造方法、プリント配線板、プリント回路板、銅張積層板、及びプリント配線板の製造方法に関する。
プリント配線板は銅箔に絶縁基板を接着させて銅張積層板とした後に、エッチングにより銅箔面に導体パターンを形成するという工程を経て製造されるのが一般的である。近年の電子機器の小型化、高性能化ニーズの増大に伴い搭載部品の高密度実装化や信号の高周波化が進展し、プリント配線板に対して導体パターンの微細化(ファインピッチ化)や高周波対応等が求められている。
ファインピッチ化に対応して、最近では厚さ9μm以下、更には厚さ5μm以下の銅箔が要求されているが、このような極薄の銅箔は機械的強度が低くプリント配線板の製造時に破れたり、皺が発生したりしやすいので、厚みのある金属箔をキャリアとして利用し、これに剥離層を介して極薄銅層を電着させたキャリア付銅箔が登場している。極薄銅層の表面を絶縁基板に貼り合わせて熱圧着後、キャリアは剥離層を介して剥離除去される。露出した極薄銅層上にレジストで回路パターンを形成した後に、極薄銅層を硫酸−過酸化水素系のエッチャントでエッチング除去する手法(MSAP:Modified−Semi−Additive−Process)により、微細回路が形成される。
ここで、樹脂との接着面となるキャリア付銅箔の極薄銅層の表面に対しては、主として、極薄銅層と樹脂基材との剥離強度が十分であること、そしてその剥離強度が高温加熱、湿式処理、半田付け、薬品処理等の後でも十分に保持されていることが要求される。極薄銅層と樹脂基材の間の剥離強度を高める方法としては、一般的に、表面のプロファイル(凹凸、粗さ)を大きくした極薄銅層の上に多量の粗化粒子を付着させる方法が代表的である。
しかしながら、プリント配線板の中でも特に微細な回路パターンを形成する必要のある半導体パッケージ基板に、このようなプロファイル(凹凸、粗さ)の大きい極薄銅層を使用すると、回路エッチング時に不要な銅粒子が残ってしまい、回路パターン間の絶縁不良等の問題が発生する。
このため、WO2004/005588号(特許文献1)では、半導体パッケージ基板をはじめとする微細回路用途のキャリア付銅箔として、極薄銅層の表面に粗化処理を施さないキャリア付銅箔を用いることが試みられている。このような粗化処理を施さない極薄銅層と樹脂との密着性(剥離強度)は、その低いプロファイル(凹凸、粗度、粗さ)の影響で一般的なプリント配線板用銅箔と比較すると低下する傾向がある。そのため、キャリア付銅箔について更なる改善が求められている。
そこで、特開2007−007937号公報(特許文献2)及び特開2010−006071号公報(特許文献3)では、キャリア付極薄銅箔のポリイミド系樹脂基板と接触(接着)する面に、Ni層又は/及びNi合金層を設けること、クロメート層を設けること、Cr層又は/及びCr合金層を設けること、Ni層とクロメート層とを設けること、Ni層とCr層とを設けることが記載されている。これらの表面処理層を設けることにより、ポリイミド系樹脂基板とキャリア付極薄銅箔との密着強度を粗化処理なし、または粗化処理の程度を低減(微細化)しながら所望の接着強度を得ている。更に、シランカップリング剤で表面処理したり、防錆処理を施したりすることも記載されている。
WO2004/005588号 特開2007−007937号公報 特開2010−006071号公報
キャリア付銅箔の開発においては、これまで極薄銅層と樹脂基材との剥離強度を確保することに重きが置かれていた。そのため、ファインピッチ化に関しては未だ十分な検討がなされておらず、未だ改善の余地が残されている。そこで、本発明はファインピッチ形成に好適なキャリア付銅箔を提供することを課題とする。
上記MSAPによる微細回路の形成方法はスペース部の銅層をフラッシュエッチングで除去する工程を含んでいる。この工程はエッチング量が少ないほど、回路となる銅層の形状が良く、銅層の全てにおいて均一なエッチング量が好ましいとされている。しかしながら、銅層の全てを均一なエッチング量で処理するには、局所的に遅くなる箇所を律速に設計しなければならず、この律速量を踏まえたエッチングでは適した銅層回路形状を形成し難い場合がある。局所的に遅くなる箇所の発生要因としては、粗化粒子異常、銅層厚み等が考えられるが、この因子以外に銅層均一性も重要な要素である。極薄銅層形成では通常九十九折式めっきやドラム式めっき形成法を用いることが一般的であり、集電ロールやドラムには銅イオン電着を抑制するために、極薄銅層を形成するための各めっき処理の後に、その都度それぞれアルカリリンスを施す。このアルカリリンスにより極薄銅層の各めっき層表面が酸化され、再度銅層形成に至ると考えられる。このように、銅層内部に酸化等による酸素元素の濃縮層が存在すると、エッチング時にこの層が局所的な遅れを誘発するため、均一エッチングの疎外因子となる。本発明者は、アルカリリンス後に酸洗浄、エッチング又は高圧水洗浄によりエッチング疎外因子を除去することで、均一な極薄銅層を形成することができるとの知見を得た。そして、本発明者は鋭意研究を重ね、キャリア付銅箔から極薄銅層を剥がしてエッチングを行った後の、極薄銅層の剥離側表面の銅の量を制御することが、キャリア付銅箔の極薄銅層のエッチング性の向上に極めて効果的であることを見出した。
本発明は上記知見を基礎として完成したものであり、一側面において、銅箔キャリアと、銅箔キャリア上に積層された中間層と、中間層上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔であって、前記キャリア付銅箔を極薄銅層側から樹脂基材に積層し、220℃で2時間の条件で加熱圧着した後に、前記銅箔キャリアを前記極薄銅層から剥がした後、エッチング液として、硫酸11%、過酸化水素7%、n−プロパノール5%以下、及び、残分が水で構成された組成を有する原液を水で5倍希釈した処理液を用いて、前記銅箔キャリアを剥がした後の前記極薄銅層をエッチングした場合であって、エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)と、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)との比の値C(=エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)/エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm))が、
C=0.227×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.26
となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるキャリア付銅箔である。
本発明のキャリア付銅箔は一実施形態において、前記極薄銅層を剥がした後、エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)と、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)との比の値C(=エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)/エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm))が、
C=0.23×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.30
となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となる。
本発明のキャリア付銅箔は別の一実施形態において、前記極薄銅層を剥がした後、エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)と、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)との比の値C(=エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)/エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm))が、
C=0.235×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.32
となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となる。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記極薄銅層を剥がした後、エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)と、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)との比の値C(=エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)/エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm))が、
C=0.19×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.43
となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となる。
本発明は別の一側面において、銅箔キャリアと、銅箔キャリア上に積層された中間層と、中間層上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔であって、前記キャリア付銅箔を極薄銅層側から樹脂基材に積層し、220℃で2時間の条件で加熱圧着した後に、前記極薄銅層を剥がした後、エッチング液として、硫酸11%、過酸化水素7%、n−プロパノール5%以下、及び、残分が水で構成された組成を有する原液を水で5倍希釈した処理液を用いて、前記銅箔キャリアを剥がした後の前記極薄銅層をエッチングした場合であって、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みをB(μm)、エッチング前の極薄銅層の厚みをA(μm)として、B(μm)=A(μm)+3.5(μm)
となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるキャリア付銅箔である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記極薄銅層を剥がした後、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みをB(μm)、エッチング前の極薄銅層の厚みをA(μm)として、B(μm)=A(μm)+3.0(μm)
となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となる。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記極薄銅層を剥がした後、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みをB(μm)、エッチング前の極薄銅層の厚みをA(μm)として、B(μm)=A(μm)+2.5(μm)
となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となる。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記極薄銅層を剥がした後、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みをB(μm)、エッチング前の極薄銅層の厚みをA(μm)として、B(μm)=A(μm)+2.0(μm)
となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となる。
本発明は更に別の一側面において、前記極薄銅層を剥がした後、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みをB(μm)、エッチング前の極薄銅層の厚みをA(μm)として、B(μm)=1.1×A(μm)+1.2(μm)
となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となる。
本発明は更に別の一側面において、銅箔キャリアと、銅箔キャリア上に積層された中間層と、中間層上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔であって、前記極薄銅層の厚みが0.8〜1.2μmであり、前記キャリア付銅箔を極薄銅層側から樹脂基材に積層し、220℃で2時間の条件で加熱圧着した後に、前記極薄銅層を剥がした後、エッチング液として、硫酸11%、過酸化水素7%、n−プロパノール5%以下、及び、残分が水で構成された組成を有する原液を水で5倍希釈した処理液を用いて、前記銅箔キャリアを剥がした後の前記極薄銅層をエッチングした場合であって、
エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)が2.3μm
となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるキャリア付銅箔である。
本発明は更に別の一側面において、銅箔キャリアと、銅箔キャリア上に積層された中間層と、中間層上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔であって、前記極薄銅層の厚みが1.6〜2.4μmであり、前記キャリア付銅箔を極薄銅層側から樹脂基材に積層し、220℃で2時間の条件で加熱圧着した後に、前記極薄銅層を剥がした後、エッチング液として、硫酸11%、過酸化水素7%、n−プロパノール5%以下、及び、残分が水で構成された組成を有する原液を水で5倍希釈した処理液を用いて、前記銅箔キャリアを剥がした後の前記極薄銅層をエッチングした場合であって、
エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)が3.4μm
となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるキャリア付銅箔である。
本発明は更に別の一側面において、銅箔キャリアと、銅箔キャリア上に積層された中間層と、中間層上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔であって、前記極薄銅層の厚みが2.4〜3.6μmであり、前記キャリア付銅箔を極薄銅層側から樹脂基材に積層し、220℃で2時間の条件で加熱圧着した後に、前記極薄銅層を剥がした後、エッチング液として、硫酸11%、過酸化水素7%、n−プロパノール5%以下、及び、残分が水で構成された組成を有する原液を水で5倍希釈した処理液を用いて、前記銅箔キャリアを剥がした後の前記極薄銅層をエッチングした場合であって、
エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)が4.5μm
となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるキャリア付銅箔である。
本発明は更に別の一側面において、銅箔キャリアと、銅箔キャリア上に積層された中間層と、中間層上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔であって、前記極薄銅層の厚みが4.0〜6.0μmであり、前記キャリア付銅箔を極薄銅層側から樹脂基材に積層し、220℃で2時間の条件で加熱圧着した後に、前記極薄銅層を剥がした後、エッチング液として、硫酸11%、過酸化水素7%、n−プロパノール5%以下、及び、残分が水で構成された組成を有する原液を水で5倍希釈した処理液を用いて、前記銅箔キャリアを剥がした後の前記極薄銅層をエッチングした場合であって、
エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)が6.7μm
となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるキャリア付銅箔である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記エッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が3個/dm2以下となる。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記エッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が1個/dm2以下となる。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記エッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が0.1個/dm2以下となる。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記エッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が0個/dm2となる。


本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記エッチングによって20μm幅の回路を極薄銅層に形成したとき、前記回路の幅方向における最太部の幅(L)と、前記幅方向における最細部の幅(K)とが、K/L=0.7以上となる。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記エッチングによって20μm幅の回路を極薄銅層に形成したとき、前記回路の幅方向における最太部の幅(L)と、前記幅方向における最細部の幅(K)とが、K/L=0.75以上となる。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記銅箔キャリアが電解銅箔または圧延銅箔で形成されている。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記極薄銅層表面に粗化処理層を有する。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記粗化処理層が、銅、ニッケル、コバルト、りん、タングステン、ヒ素、モリブデン、クロム及び亜鉛からなる群から選択されたいずれかの単体又はいずれか1種以上を含む合金からなる層である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記粗化処理層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記極薄銅層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記極薄銅層上に樹脂層を備える。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記粗化処理層上に樹脂層を備える。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層の上に樹脂層を備える。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記樹脂層が接着用樹脂である。
本発明のキャリア付銅箔は更に別の一実施形態において、前記樹脂層が半硬化状態の樹脂である。
本発明は別の一側面において、銅箔キャリア上に中間層を形成し、前記中間層表面をアルカリリンスした後、前記中間層表面の酸化物を除去し、前記中間層上に電解めっきにより極薄銅層を形成する工程を備えたキャリア付銅箔の製造方法である。
本発明のキャリア付銅箔の製造方法は一実施形態において、前記酸化物除去を、酸洗浄、エッチング又は高圧水洗浄により行う。
本発明のキャリア付銅箔の製造方法は別の一実施形態において、前記極薄銅層上に粗化処理層を形成する工程をさらに含む。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔を用いて製造したプリント配線板である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔を用いて製造したプリント回路板である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔を用いて製造した銅張積層板である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層した後に、前記キャリア付銅箔の銅箔キャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、その後、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含むプリント配線板の製造方法である。
本発明によれば、ファインピッチ形成に好適なキャリア付銅箔を提供することができる。
エッチング時間と、エッチングにより減少した厚みとの関係を示すグラフである。 回路の幅方向における最太部の幅(L)と、幅方向における最細部の幅(K)とを理解するための極薄銅層の回路断面の模式図である。 実施例及び比較例に係る残銅が5個/dm2以下となるCの値と極薄銅層厚みとの関係を示すグラフである。 実施例及び比較例に係る残銅が5個/dm2以下となるエッチング厚みと極薄銅層厚みとの関係を示すグラフである。
<キャリア>
本発明に用いることのできるキャリアとしては銅箔を使用する。キャリアは典型的には圧延銅箔や電解銅箔の形態で提供される。一般的には、電解銅箔は硫酸銅めっき浴からチタンやステンレスのドラム上、或いは、九十九折り式電解めっきによる集電ロールに銅を電解析出して製造され、圧延銅箔は圧延ロールによる塑性加工と熱処理を繰り返して製造される。銅箔の材料としてはタフピッチ銅や無酸素銅といった高純度の銅の他、例えばSn入り銅、Ag入り銅、Cr、Zr又はMg等を添加した銅合金、Ni及びSi等を添加したコルソン系銅合金のような銅合金も使用可能である。なお、本明細書において用語「銅箔」を単独で用いたときには銅合金箔も含むものとする。
本発明に用いることのできるキャリアの厚さについても特に制限はないが、キャリアとしての役目を果たす上で適した厚さに適宜調節すればよく、例えば12μm以上とすることができる。但し、厚すぎると生産コストが高くなるので一般には70μm以下とするのが好ましい。従って、キャリアの厚みは典型的には12〜70μmであり、より典型的には18〜35μmである。
<中間層>
キャリアの上には中間層を設ける。中間層としては、キャリア付銅箔において当業者に知られた任意の中間層とすることができる。例えば、中間層はCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Al、又はこれらの合金、またはこれらの水和物、またはこれらの酸化物、あるいは有機物の何れか一種以上を含む層で形成することが好ましい。中間層は複数の層で構成されても良い。
中間層はキャリア側からCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Alの元素群の内何れか一種の元素からなる単一金属層、又は、Cr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Alの元素群から選択された一種以上の元素からなる合金層と、その上に積層されたCr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、P、Cu、Alの元素群から選択された一種以上の元素の水和物若しくは酸化物からなる層とから構成されていてもよい。
中間層はNi及びCrの2層で構成されることが好ましい。この場合、Ni層は銅箔キャリアとの界面に、Cr層は極薄銅層との界面にそれぞれ接するようにして積層する。
中間層は、例えば電気めっき、無電解めっき及び浸漬めっきのような湿式めっき、或いはスパッタリング、CVD及びPDVのような乾式めっきにより得ることができる。コストの観点から電気めっきが好ましい。
<極薄銅層>
中間層の上には極薄銅層を設ける。極薄銅層は、硫酸銅、ピロリン酸銅、スルファミン酸銅、シアン化銅等の電解浴を利用した電気めっきにより形成することができ、一般的な電解銅箔で使用され、高電流密度での銅箔形成が可能であることから硫酸銅浴が好ましい。極薄銅層の厚みは特に制限はないが、一般的にはキャリアよりも薄く、例えば12μm以下である。典型的には0.5〜12μmであり、より典型的には2〜5μmである。
極薄銅層にMSAPによる微細回路を形成する場合、スペース部の銅層をフラッシュエッチングで除去する工程を含んでいる。この工程はエッチング量が少ないほど、回路となる銅層の形状が良く、銅層の全てにおいて均一なエッチング量が好ましいとされている。銅層の全てを均一なエッチング量で処理する場合、局所的にエッチングが遅くなる箇所が生じることがある。その発生要因としては、銅層均一性が重要な要素である。銅箔キャリア上に中間層を介して極薄銅層を通常九十九折式めっきやドラム式めっきで形成する際、集電ロールやドラムには銅イオン電着を抑制するために、極薄銅層を形成するための各めっき処理の後に、その都度それぞれアルカリリンスを施す。このアルカリリンスにより極薄銅層の各めっき層表面が酸化されるが、銅層内部に酸化等による酸素元素の濃縮層が存在すると、エッチング時にこの層が局所的な遅れを誘発するため、均一エッチングの疎外因子となる。このため、本発明では、アルカリリンス後に、例えば酸洗浄、エッチング又は高圧水洗浄によりエッチング疎外因子である酸化物を除去することで、均一な極薄銅層を形成している。このようにして形成される本発明のキャリア付銅箔の極薄銅層は、キャリア付銅箔から極薄銅層を剥がしてエッチングを行った後の、極薄銅層の剥離側表面に残存する銅の量が制御されており、このため、キャリア付銅箔の極薄銅層のエッチング性が良好となる。上述の極薄銅層表面に残存する銅の量について以下に詳述する。
<キャリア付銅箔>
本発明のキャリア付銅箔は、銅箔キャリアと、銅箔キャリア上に積層された中間層と、中間層上に積層された極薄銅層とを備える。キャリア付銅箔は、極薄銅層を剥がした後、エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)と、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)との比の値C(=エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)/エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm))が、
C=0.227×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.26
となるまで極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるように制御されている。
ここで、「10μm径以上の銅残渣」とは、銅残渣を取り囲む最小円の直径が10μm以上の大きさである銅残渣のことを示す。
また、「エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)」は以下のように定める。すなわち、まず、JX日鉱日石金属社製JTC箔(厚み35μm)を用いて、以下の条件でエッチングを行う。
(エッチング条件)
・エッチング液として、三菱ガス化学製SE−07を20vol%(原液を水で5倍希釈、銅濃度50g/L)を用いる。
・エッチング液の温度を35±2℃に管理する。
・スプレー圧力:0.1MPa(スプレーは、エッチング対象の銅層に対して垂直にエチング液が当たるように行う。)
このようなエッチング条件で極薄銅層を除去するときの、エッチング時間と、エッチングにより減少した厚みとの関係を求める。エッチングにより減少した厚みはエッチング前後の重量差/密度/エッチング面積で推算した。
このようにして求めたエッチング時間と、エッチングにより減少した厚みとの関係を図1に示す。図1により、エッチング時間とエッチングにより減少した厚みとの関係が分かり、これによって上記「エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)」を定める。
また、「極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣」とは、極薄銅層を剥離面側から所定厚みだけエッチングしたときに、剥離面側から見たときのエッチング面の10μm径以上の銅残渣を示す。例えば、極薄銅層の剥離面と反対側に樹脂基板が貼り付けられている場合であれば、極薄銅層に対して剥離面側から所定厚みのエッチングを行ったとき、当該極薄銅層が全て除去されて、エッチング面が樹脂基板の露出した表面となっていることもある。
本発明のキャリア付銅箔は、上述のように、極薄銅層を剥がした後、エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)と、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)との比の値C(=エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)/エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm))が、
C=0.227×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.26
となるまで極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるように制御されているため、エッチング時の局所的なエッチング遅れを誘発する因子の発生が抑制されていることとなり、極薄銅層への均一なエッチングが可能となる。
また、本発明のキャリア付銅箔は、極薄銅層のエッチング性がより良好となるため、
C=0.23×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.30
となるまで極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるように制御されているのが好ましく、さらに、
C=0.235×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.32
となるまで極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるように制御されているのが好ましく、さらに、
C=0.19×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.43
となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、前記極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるように制御されているのが好ましい。
さらに、キャリア付銅箔から極薄銅層を剥がしてエッチングを行った後の、極薄銅層の剥離側表面に残存する銅の量が制御された本発明のキャリア付銅箔は、別の一側面において、極薄銅層を剥がした後、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みをB(μm)、エッチング前の極薄銅層の厚みをA(μm)として、B(μm)=A(μm)+3.5(μm)
となるまで極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるように制御されている。このような構成によれば、エッチング時の局所的なエッチング遅れを誘発する因子の発生が抑制されていることとなり、極薄銅層への均一なエッチングが可能となる。
また、本発明のキャリア付銅箔は、極薄銅層のエッチング性がより良好となるため、B(μm)=A(μm)+3.5(μm)
となるまで極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるように制御されているのが好ましく、さらに、B(μm)=A(μm)+3.0(μm)となるまで極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるように制御されているのがより好ましく、さらに、B(μm)=A(μm)+2.5(μm)となるまで極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるように制御されているのがより好ましく、さらに、B(μm)=A(μm)+2.0(μm)となるまで極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるように制御されているのがより好ましく、さらに、B(μm)=1.1×A(μm)+1.2(μm)となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、前記極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるように制御されているのがより好ましい。
さらに、キャリア付銅箔から極薄銅層を剥がしてエッチングを行った後の、極薄銅層の剥離側表面に残存する銅の量が制御された本発明のキャリア付銅箔は、別の一側面において、極薄銅層の厚みが0.8〜1.2μm、より好ましくは極薄銅層の厚みが0.8〜1.1μm、より好ましくは極薄銅層の厚みが0.8〜1.08μm、より好ましくは極薄銅層の厚みが0.8〜1.05μm、より好ましくは極薄銅層の厚みが0.8〜1.0μm、であり、極薄銅層を剥がした後、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)が2.3μmとなるまで極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるように制御されている。このような構成によれば、エッチング時の局所的なエッチング遅れを誘発する因子の発生が抑制されていることとなり、極薄銅層への均一なエッチングが可能となる。
さらに、キャリア付銅箔から極薄銅層を剥がしてエッチングを行った後の、極薄銅層の剥離側表面に残存する銅の量が制御された本発明のキャリア付銅箔は、別の一側面において、極薄銅層の厚みが1.6〜2.4μm、より好ましくは極薄銅層の厚みが1.6〜2.2μm、より好ましくは極薄銅層の厚みが1.6〜2.1μm、より好ましくは極薄銅層の厚みが1.6〜2.06μm、より好ましくは極薄銅層の厚みが1.6〜2.0μm、であり、極薄銅層を剥がした後、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)が3.4μmとなるまで極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるように制御されている。このような構成によれば、エッチング時の局所的なエッチング遅れを誘発する因子の発生が抑制されていることとなり、極薄銅層への均一なエッチングが可能となる。
さらに、キャリア付銅箔から極薄銅層を剥がしてエッチングを行った後の、極薄銅層の剥離側表面に残存する銅の量が制御された本発明のキャリア付銅箔は、別の一側面において、極薄銅層の厚みが2.4〜3.6μm、より好ましくは極薄銅層の厚みが2.4〜3.4μm、より好ましくは極薄銅層の厚みが2.4〜3.2μm、より好ましくは極薄銅層の厚みが2.4〜3.1μm、より好ましくは極薄銅層の厚みが2.4〜3.0μm、であり、極薄銅層を剥がした後、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)が4.5μmとなるまで極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるように制御されている。このような構成によれば、エッチング時の局所的なエッチング遅れを誘発する因子の発生が抑制されていることとなり、極薄銅層への均一なエッチングが可能となる。
さらに、キャリア付銅箔から極薄銅層を剥がしてエッチングを行った後の、極薄銅層の剥離側表面に残存する銅の量が制御された本発明のキャリア付銅箔は、別の一側面において、極薄銅層の厚みが4.0〜6.0μm、より好ましくは極薄銅層の厚みが4.0〜5.5μm、より好ましくは極薄銅層の厚みが4.0〜5.3μm、より好ましくは極薄銅層の厚みが4.0〜5.1μm、より好ましくは極薄銅層の厚みが4.0〜5.0μm、であり、極薄銅層を剥がした後、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)が6.7μmとなるまで極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるように制御されている。このような構成によれば、エッチング時の局所的なエッチング遅れを誘発する因子の発生が抑制されていることとなり、極薄銅層への均一なエッチングが可能となる。
本発明のキャリア付銅箔は、上述のように、極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下に制御されているのが好ましいが、極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が3個/dm2以下に制御されているのがより好ましく、極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が1個/dm2以下に制御されているのが更により好ましく、極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が0.1個/dm2以下に制御されているのが更により好ましく、極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が0個/dm2となるように制御されているのが更により好ましい。
また、エッチングによって20μm幅の回路を本発明の極薄銅層に形成したとき、回路の幅方向における最太部の幅(L)と、幅方向における最細部の幅(K)とが、K/L=0.7以上となるのが好ましい。ここで、図2に、回路の幅方向における最太部の幅(L)と、幅方向における最細部の幅(K)とを理解するための極薄銅層の回路断面の模式図を示す。図2に示すように、極薄銅層にエッチングによる回路形成を行ったとき、回路の幅方向において局所的にエッチングが進んでしまい、凹みが生じることがあるが、回路の幅方向における最太部の幅(L)の、この凹みの最も大きい部位(幅方向における最細部)の幅(K)に対する割合K/Lが0.7未満であれば、回路の凹みが大き過ぎて微細な回路形成が困難となる場合がある。エッチングによって20μm幅の回路を本発明の極薄銅層に形成したとき、前記回路の幅方向における最太部の幅(L)と、前記幅方向における最細部の幅(K)とが、K/L=0.75以上となるのがより好ましく、K/L=0.8以上となるのが更により好ましく、K/L=0.85以上となるのが更により好ましく、K/L=0.9以上となるのが更により好ましい。
<粗化処理>
極薄銅層の表面には、例えば絶縁基板との密着性を良好にすること等のために粗化処理を施すことで粗化処理層を設けてもよい。粗化処理は、例えば、銅又は銅合金で粗化粒子を形成することにより行うことができる。粗化処理は微細なものであっても良い。粗化処理層は、銅、ニッケル、コバルト、りん、タングステン、ヒ素、モリブデン、クロム及び亜鉛からなる群から選択されたいずれかの単体又はいずれか1種以上を含む合金からなる層などであってもよい。また、銅又は銅合金で粗化粒子を形成した後、更にニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体または合金等で二次粒子や三次粒子を設ける粗化処理を行うこともできる。その後に、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体または合金等で耐熱層または防錆層を形成しても良く、更にその表面にクロメート処理、シランカップリング処理などの処理を施してもよい。または粗化処理を行わずに、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体または合金等で耐熱層又は防錆層を形成し、さらにその表面にクロメート処理、シランカップリング処理などの処理を施して、クロメート処理層、シランカップリング処理層などの処理層を形成してもよい。すなわち、粗化処理層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成してもよく、極薄銅層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成してもよい。なお、上述の耐熱層、防錆層、クロメート処理層、シランカップリング処理層はそれぞれ複数の層で形成されてもよい(例えば2層以上、3層以上など)。
このようにして、銅箔キャリアと、銅箔キャリア上に積層された中間層と、中間層の上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔が製造される。キャリア付銅箔自体の使用方法は当業者に周知であるが、例えば極薄銅層の表面を紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等の絶縁基板に貼り合わせて熱圧着後にキャリアを剥がして銅張積層板とし、絶縁基板に接着した極薄銅層を目的とする導体パターンにエッチングし、最終的にプリント配線板を製造することができる。更に、プリント配線板に電子部品類を搭載することで、プリント回路板が完成する。
また、銅箔キャリアと、銅箔キャリア上に中間層が積層され、中間層の上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔は、前記極薄銅層上に粗化処理層を備えても良く、前記粗化処理層上に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層およびシランカップリング処理層からなる群のから選択された層を一つ以上備えても良い。
また、前記極薄銅層上に粗化処理層を備えても良く、前記粗化処理層上に、耐熱層、防錆層を備えてもよく、前記耐熱層、防錆層上にクロメート処理層を備えてもよく、前記クロメート処理層上にシランカップリング処理層を備えても良い。
また、前記キャリア付銅箔は前記極薄銅層上、あるいは前記粗化処理層上、あるいは前記耐熱層、防錆層、あるいはクロメート処理層、あるいはシランカップリング処理層の上に樹脂層を備えても良い。前記樹脂層は絶縁樹脂層であってもよい。
前記樹脂層は接着剤であってもよく、接着用の半硬化状態(Bステージ状態)の絶縁樹脂層であってもよい。半硬化状態(Bステージ状態)とは、その表面に指で触れても粘着感はなく、該絶縁樹脂層を重ね合わせて保管することができ、更に加熱処理を受けると硬化反応が起こる状態のことを含む。
また前記樹脂層は熱硬化性樹脂を含んでもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。また、前記樹脂層は熱可塑性樹脂を含んでもよい。その種類は格別限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、多官能性シアン酸エステル化合物、マレイミド化合物、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂などを含む樹脂を好適なものとしてあげることができる。
これらの樹脂を例えばメチルエチルケトン(MEK)、トルエンなどの溶剤に溶解して樹脂液とし、これを前記極薄銅層上、あるいは前記耐熱層、防錆層、あるいは前記クロメート処理層、あるいは前記シランカップリング剤層の上に、例えばロールコータ法などによって塗布し、ついで必要に応じて加熱乾燥して溶剤を除去しBステージ状態にする。乾燥には例えば熱風乾燥炉を用いればよく、乾燥温度は100〜250℃、好ましくは130〜200℃であればよい。
前記樹脂層を備えたキャリア付銅箔(樹脂付きキャリア付銅箔)は、その樹脂層を基材に重ね合わせたのち全体を熱圧着して該樹脂層を熱硬化せしめ、ついでキャリアを剥離して極薄銅層を表出せしめ(当然に表出するのは該極薄銅層の中間層側の表面である)、そこに所定の配線パターンを形成するという態様で使用される。
この樹脂付きキャリア付銅箔を使用すると、多層プリント配線基板の製造時におけるプリプレグ材の使用枚数を減らすことができる。しかも、樹脂層の厚みを層間絶縁が確保できるような厚みにしたり、プリプレグ材を全く使用していなくても銅張り積層板を製造することができる。またこのとき、基材の表面に絶縁樹脂をアンダーコートして表面の平滑性を更に改善することもできる。
なお、プリプレグ材を使用しない場合には、プリプレグ材の材料コストが節約され、また積層工程も簡略になるので経済的に有利となり、しかも、プリプレグ材の厚み分だけ製造される多層プリント配線基板の厚みは薄くなり、1層の厚みが100μm以下である極薄の多層プリント配線基板を製造することができるという利点がある。
この樹脂層の厚みは0.1〜80μmであることが好ましい。
樹脂層の厚みが0.1μmより薄くなると、接着力が低下し、プリプレグ材を介在させることなくこの樹脂付きキャリア付銅箔を内層材を備えた基材に積層したときに、内層材の回路との間の層間絶縁を確保することが困難になる場合がある。
一方、樹脂層の厚みを80μmより厚くすると、1回の塗布工程で目的厚みの樹脂層を形成することが困難となり、余分な材料費と工数がかかるため経済的に不利となる。更には、形成された樹脂層はその可撓性が劣るので、ハンドリング時にクラックなどが発生しやすくなり、また内層材との熱圧着時に過剰な樹脂流れが起こって円滑な積層が困難になる場合がある。
更に、この樹脂付きキャリア付銅箔のもう一つの製品形態としては、前記極薄銅層上、あるいは前記耐熱層、防錆層、あるいは前記クロメート処理層、あるいは前記シランカップリング処理層の上に樹脂層で被覆し、半硬化状態とした後、ついでキャリアを剥離して、キャリアが存在しない樹脂付き銅箔の形で製造することも可能である。
以下に、本発明に係るキャリア付銅箔を用いたプリント配線板の製造工程の例を幾つか示す。
本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、前記キャリア付銅箔と絶縁基板を極薄銅層側が絶縁基板と対向するように積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、その後、セミアディティブ法、モディファイドセミアディティブ法、パートリーアディティブ法及びサブトラクティブ法の何れかの方法によって、回路を形成する工程を含む。絶縁基板は内層回路入りのものとすることも可能である。
本発明において、セミアディティブ法とは、絶縁基板又は銅箔シード層上に薄い無電解めっきを行い、パターンを形成後、電気めっき及びエッチングを用いて導体パターンを形成する方法を指す。
従って、セミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記極薄銅層をエッチングにより除去することにより露出した前記樹脂にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記樹脂および前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
セミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記極薄銅層をエッチングにより除去することにより露出した前記樹脂の表面について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層及び極薄銅層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
本発明において、モディファイドセミアディティブ法とは、絶縁層上に金属箔を積層し、めっきレジストにより非回路形成部を保護し、電解めっきにより回路形成部の銅厚付けを行った後、レジストを除去し、前記回路形成部以外の金属箔を(フラッシュ)エッチングで除去することにより、絶縁層上に回路を形成する方法を指す。
従って、モディファイドセミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層表面にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストを設けた後に、電解めっきにより回路を形成する工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストを除去することにより露出した極薄銅層をフラッシュエッチングにより除去する工程、
を含む。
モディファイドセミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層及び極薄銅層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
本発明において、パートリーアディティブ法とは、導体層を設けてなる基板、必要に応じてスルーホールやバイアホール用の孔を穿けてなる基板上に触媒核を付与し、エッチングして導体回路を形成し、必要に応じてソルダレジストまたはメッキレジストを設けた後に、前記導体回路上、スルーホールやバイアホールなどに無電解めっき処理によって厚付けを行うことにより、プリント配線板を製造する方法を指す。
従って、パートリーアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について触媒核を付与する工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層表面にエッチングレジストを設ける工程、
前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、
前記極薄銅層および前記触媒核を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、
前記エッチングレジストを除去する工程、
前記極薄銅層および前記触媒核を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して露出した前記絶縁基板表面に、ソルダレジストまたはメッキレジストを設ける工程、
前記ソルダレジストまたはメッキレジストが設けられていない領域に無電解めっき層を設ける工程、
を含む。
本発明において、サブトラクティブ法とは、銅張積層板上の銅箔の不要部分を、エッチングなどによって、選択的に除去して、導体パターンを形成する方法を指す。
従って、サブトラクティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の表面に、電解めっき層を設ける工程、
前記電解めっき層または/および前記極薄銅層の表面にエッチングレジストを設ける工程、
前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、
前記極薄銅層および前記無電解めっき層および前記電解めっき層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、
前記エッチングレジストを除去する工程、
を含む。
サブトラクティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係るキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層する工程、
前記キャリア付銅箔と絶縁基板を積層した後に、前記キャリア付銅箔のキャリアを剥がす工程、
前記キャリアを剥がして露出した極薄銅層と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の表面にマスクを形成する工程、
マスクが形成されいない前記無電解めっき層の表面に電解めっき層を設ける工程、
前記電解めっき層または/および前記極薄銅層の表面にエッチングレジストを設ける工程、
前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、
前記極薄銅層および前記無電解めっき層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、
前記エッチングレジストを除去する工程、
を含む。
スルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、及びその後のデスミア工程は行わなくてもよい。
以下に、本発明の実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
1.キャリア付銅箔の製造
<実施例1〜4>
銅箔キャリアとして、厚さ35μmの長尺の電解銅箔(JX日鉱日石金属社製JTC)を用意した。この銅箔のシャイニー面に対して、以下の条件でロール・トウ・ロール型の連続めっきラインで電気めっきすることにより4000μg/dm2の付着量のNi層を形成した。
・Ni層
硫酸ニッケル:250〜300g/L
塩化ニッケル:35〜45g/L
酢酸ニッケル:10〜20g/L
クエン酸三ナトリウム:15〜30g/L
光沢剤:サッカリン、ブチンジオール等
ドデシル硫酸ナトリウム:30〜100ppm
pH:4〜6
浴温:50〜70℃
電流密度:3〜15A/dm2
水洗及び酸洗後、引き続き、ロール・トウ・ロール型の連続めっきライン上で、Ni層の上に11μg/dm2の付着量のCr層を以下の条件で電解クロメート処理することにより付着させた。
・電解クロメート処理
液組成:重クロム酸カリウム1〜10g/L、亜鉛0〜5g/L
pH:3〜4
液温:50〜60℃
電流密度:0.1〜2.6A/dm2
クーロン量:0.5〜30As/dm2
引き続き、ロール・トウ・ロール型の連続めっきラインで、中間層の上に表1に示す厚みの極薄銅層を以下の条件で電気めっきすることにより形成し、キャリア付銅箔を製造した。このとき、極薄銅層を形成するための各めっき処理の後に、その都度それぞれNaOH10g/L、残部水、を用いて液温35℃でアルカリリンスした後、表1に示す条件により極薄銅層を構成するめっき層表面について酸洗浄による酸化物除去(銅めっき前処理)を行った。
・極薄銅層
銅濃度:30〜120g/L
2SO4濃度:20〜120g/L
電解液温度:20〜80℃
電流密度:10〜100A/dm2
<実施例5〜8>
実施例1〜4と同様にして銅箔キャリア及び中間層を形成し、中間層の上に表1に示す厚みの極薄銅層を実施例1〜4と同じ条件で電気めっきすることにより形成し、キャリア付銅箔を製造した。このとき、極薄銅層を形成するための各めっき処理の後に、その都度それぞれNaOH10g/L、残部水、を用いて液温35℃でアルカリリンスした後、表1に示す条件により極薄銅層を構成するめっき層表面について酸洗浄による酸化物除去(銅めっき前処理)を行った。
<実施例9〜16>
実施例1〜4と同様にして銅箔キャリア及び中間層を形成し、中間層の上に表1に示す厚みの極薄銅層を実施例1〜4と同じ条件で電気めっきすることにより形成し、キャリア付銅箔を製造した。このとき、極薄銅層を形成するための各めっき処理の後に、その都度それぞれ表1に示す条件により高圧水洗浄による酸化物除去(銅めっき前処理)を行った。なお、本実施例ではアルカリリンスを行っていない。高圧水洗浄の際の水の噴射圧力は0.18MPa以上であることが好ましい。また、高圧水洗浄の際の水の噴射圧力は0.40MPa以下であることが好ましい。水の噴射圧力が高すぎる場合、銅箔キャリアや中間層が損傷する可能性があるためである。なお、表1で示す「イオン交換水」とはイオン交換樹脂により、水中に含まれるイオンを除去した水のことである。
<比較例1〜4>
実施例1〜4と同様にして銅箔キャリア及び中間層を形成し、中間層の上に表1に示す厚みの極薄銅層を実施例1〜4と同じ条件で電気めっきすることにより形成し、キャリア付銅箔を製造した。このとき、極薄銅層を形成するための各めっき処理の後に、その都度それぞれ表1に示す条件により水洗浄(銅めっき前処理)を行った。なお、本比較例ではアルカリリンスを行っていない。
<比較例5〜8>
実施例1〜4と同様にして銅箔キャリア及び中間層を形成し、中間層の上に表1に示す厚みの極薄銅層を実施例1〜4と同じ条件で電気めっきすることにより形成し、キャリア付銅箔を製造した。なお、極薄銅層を形成する際の、銅めっき前処理は行わなかった。
2.キャリア付銅箔の評価
上記のようにして得られたキャリア付銅箔について、以下の方法で各評価を実施した。
<極薄銅層の厚み>
作製したキャリア付銅箔の極薄銅層の厚みの測定は、FIB-SIMを用いて極薄銅層の断面を観察(倍率:10000〜30000倍)することにより行った。極薄銅層の断面において、30μm間隔で5箇所、極薄銅層の厚みを測定し、平均値を求めた。そして、前記平均値を極薄銅層の厚みとした。
<各銅層厚みエッチング後の10μm径以上の銅残渣>
作製したキャリア付銅箔と基材(三菱ガス化製:GHPL-832NX-A、0.05mm×4枚)とを積層して220℃×2hで加熱圧着した後、銅箔キャリアを引き剥がし、極薄銅層を露出させた。硫酸−過酸化水溶液(三菱瓦斯化製SE07)にて極薄銅層に対して各厚みエッチングできる量を調整し、表2に示すように全面エッチングを小型エッチングマシーン(二宮システム製 小型ハーフエッチング装置 No.K-07003)により実施した。このときのエッチング条件を以下に示す。
(エッチング条件)
・エッチング液として、硫酸−過酸化水溶液:三菱ガス化学製SE−07を20vol%(原液を水で5倍希釈、銅濃度50g/L)を用いた。
・エッチング液の温度を35±2℃に管理した。
・スプレー圧力:0.1MPa(スプレーは、エッチング対象の銅層に対して垂直にエチング液が当たるように行った。)
上記硫酸−過酸化水溶液:三菱ガス化学製SE−07にて極薄銅層に対して各厚みエッチングできる量については、あらかじめ、JX日鉱日石金属社製 電解銅箔JTC(厚み35μm)の全面をエッチングしたときの電解銅箔JTCの重量法で測定したエッチング量(銅層厚みの減少量)と、そのときのエッチング時間との関係を図1に示すようなグラフにして求めておき、実施例及び比較例で実際にかかったエッチング時間によって、エッチング量(銅層厚みの減少量)を推算して求めた。
エッチング量(銅層厚みの減少量)の測定方法は以下の式で求めた。
エッチング量(銅層厚みの減少量)(μm)=(エッチング前の重量(g))−(エッチング後の重量(g))/(エッチング面積(μm2)×銅の密度(g/μm3))
銅の密度=8.96g/cm3=8.96×10-12g/μm3とした。
具体的には、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB=エッチング時間(秒)×係数α(=0.0336)との関係を得て、これによってエッチング時間からエッチングで除去した極薄銅層の相当厚みBを求めた。すなわち、例えばエッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB=5μmとは、5μm÷係数α(=0.0336)=148.8秒間エッチングをした場合のことを意味する。
次に、全面エッチング後の基材に存在している10μm径以上の銅残渣数を実体顕微鏡により計測した。なお、測定面積は銅残渣数に応じて以下のようにした。
100個/dm2以上:10mm×10mm×3箇所
50個/dm2以上100個/dm2未満:30mm×30mm×3箇所
10個/dm2以上50個/dm2未満:50mm×50mm×3箇所
0個/dm2以上10個/dm2未満:120mm×170mm×3箇所
<エッチング性>
作製したキャリア付銅箔と基材(三菱ガス化製:GHPL-832NX-A、0.05mm×4枚)とを積層して220℃×2hで加熱圧着した後、銅箔キャリアを引き剥がし、極薄銅層を露出させた。次に、極薄銅層表面にレジストを形成した後、極薄銅層上に15μmの厚みで銅めっきによるめっきアップを行った後、エッチングにより回路を形成した。エッチング条件は、上記銅残渣測定と同様の条件とした。回路は、銅残渣が完全に除去された(銅残渣数が0個/dm2になったときの)エッチング量で20μm幅の回路をmSAPにより形成し、回路形成状態を比較した。回路形成比較においては、FIB-SIMで回路断面を観察し(倍率:10000〜30000倍)、図2に示す模式図で回路の幅方向における最太部の幅(L)と、幅方向における最細部の幅(K)とを求め、凹みの長さ:L−Kを求めた。また、回路性:K/Lを求めた。K/Lは1.0が最も良好で、数値が低くなるものほど形成性が低いものとした。
結果を表2に示す。
エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)と、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)との比の値C(=エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)/エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm))が、C=0.227×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.26、となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、前記極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となる実施例1〜16においては、凹みが小さく、回路性K/Lの値が大きく、回路の形成性が優れていることが分かった。
また、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みをB(μm)、エッチング前の極薄銅層の厚みをA(μm)として、B(μm)=A(μm)+3.5(μm)、となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、前記極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となる実施例1〜16においては、凹みが小さく、回路性K/Lの値が大きく、回路の形成性が優れていることが分かった。
また、エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)と、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)との比の値C(=エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)/エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm))が、C=0.227×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.26、となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、前記極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2より多くなる比較例1〜8においては、凹みが大きく、回路性K/Lの値が小さく、回路の形成性が劣っていることが分かった。
また、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みをB(μm)、エッチング前の極薄銅層の厚みをA(μm)として、B(μm)=A(μm)+3.5(μm)、となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行ったとき、前記極薄銅層のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2より多くなる比較例1〜8においては、凹みが大きく、回路性K/Lの値が小さく、回路の形成性が劣っていることが分かった。
図3に、実施例及び比較例に係る残銅が5個/dm2以下となるCの値と極薄銅層厚みAとの関係を示す。また、以下の各曲線も図3に示している:
(曲線A)式:C=0.19×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.43
(曲線B)式:C=0.235×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.32
(曲線C)式:C=0.23×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.30
(曲線D)式:C=0.227×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.26
図4に、実施例及び比較例に係る残銅が0個/dm2となるエッチング厚みBと極薄銅層厚みAとの関係を示す。また、以下の各曲線も図4に示している:
(曲線a)B(μm)=1.1×A(μm)+1.2(μm)
(曲線b)B(μm)=A(μm)+2.0(μm)
(曲線c)B(μm)=A(μm)+2.5(μm)
(曲線d)B(μm)=A(μm)+3.0(μm)
(曲線e)B(μm)=A(μm)+3.5(μm)

Claims (36)

  1. 銅箔キャリアと、銅箔キャリア上に積層された中間層と、中間層上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔であって、
    前記キャリア付銅箔を極薄銅層側から樹脂基材に積層し、220℃で2時間の条件で加熱圧着した後に、
    前記銅箔キャリアを前記極薄銅層から剥がした後、エッチング液として、硫酸11%、過酸化水素7%、n−プロパノール5%以下、及び、残分が水で構成された組成を有する原液を水で5倍希釈した処理液を用いて、前記銅箔キャリアを剥がした後の前記極薄銅層をエッチングした場合であって、
    エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)と、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)との比の値C(=エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)/エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm))が、
    C=0.227×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.26
    となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるキャリア付銅箔。
  2. 前記極薄銅層を剥がした後、
    エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)と、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)との比の値C(=エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)/エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm))が、
    C=0.23×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.30
    となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となる請求項1に記載のキャリア付銅箔。
  3. 前記極薄銅層を剥がした後、
    エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)と、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)との比の値C(=エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)/エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm))が、
    C=0.235×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.32
    となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となる請求項1又は2に記載のキャリア付銅箔。
  4. 前記極薄銅層を剥がした後、
    エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)と、エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)との比の値C(=エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm)/エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm))が、
    C=0.19×loge(エッチング前の極薄銅層の厚みA(μm))+0.43
    となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となる請求項1〜3のいずれかに記載のキャリア付銅箔。
  5. 銅箔キャリアと、銅箔キャリア上に積層された中間層と、中間層上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔であって、
    前記キャリア付銅箔を極薄銅層側から樹脂基材に積層し、220℃で2時間の条件で加熱圧着した後に、
    前記極薄銅層を剥がした後、エッチング液として、硫酸11%、過酸化水素7%、n−プロパノール5%以下、及び、残分が水で構成された組成を有する原液を水で5倍希釈した処理液を用いて、前記銅箔キャリアを剥がした後の前記極薄銅層をエッチングした場合であって、
    エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みをB(μm)、エッチング前の極薄銅層の厚みをA(μm)として、B(μm)=A(μm)+3.5(μm)
    となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるキャリア付銅箔。
  6. 前記極薄銅層を剥がした後、
    エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みをB(μm)、エッチング前の極薄銅層の厚みをA(μm)として、B(μm)=A(μm)+3.0(μm)
    となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となる請求項5に記載のキャリア付銅箔。
  7. 前記極薄銅層を剥がした後、
    エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みをB(μm)、エッチング前の極薄銅層の厚みをA(μm)として、B(μm)=A(μm)+2.5(μm)
    となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となる請求項5又は6に記載のキャリア付銅箔。
  8. 前記極薄銅層を剥がした後、
    エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みをB(μm)、エッチング前の極薄銅層の厚みをA(μm)として、B(μm)=A(μm)+2.0(μm)
    となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となる請求項5〜7のいずれかに記載のキャリア付銅箔。
  9. 前記極薄銅層を剥がした後、
    エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みをB(μm)、エッチング前の極薄銅層の厚みをA(μm)として、B(μm)=1.1×A(μm)+1.2(μm)
    となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となる請求項5〜8のいずれかに記載のキャリア付銅箔。
  10. 銅箔キャリアと、銅箔キャリア上に積層された中間層と、中間層上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔であって、
    前記極薄銅層の厚みが0.8〜1.2μmであり、
    前記キャリア付銅箔を極薄銅層側から樹脂基材に積層し、220℃で2時間の条件で加熱圧着した後に、
    前記極薄銅層を剥がした後、エッチング液として、硫酸11%、過酸化水素7%、n−プロパノール5%以下、及び、残分が水で構成された組成を有する原液を水で5倍希釈した処理液を用いて、前記銅箔キャリアを剥がした後の前記極薄銅層をエッチングした場合であって、
    エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)が2.3μm
    となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるキャリア付銅箔。
  11. 銅箔キャリアと、銅箔キャリア上に積層された中間層と、中間層上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔であって、
    前記極薄銅層の厚みが1.6〜2.4μmであり、
    前記キャリア付銅箔を極薄銅層側から樹脂基材に積層し、220℃で2時間の条件で加熱圧着した後に、
    前記極薄銅層を剥がした後、エッチング液として、硫酸11%、過酸化水素7%、n−プロパノール5%以下、及び、残分が水で構成された組成を有する原液を水で5倍希釈した処理液を用いて、前記銅箔キャリアを剥がした後の前記極薄銅層をエッチングした場合であって、
    エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)が3.4μm
    となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるキャリア付銅箔。
  12. 銅箔キャリアと、銅箔キャリア上に積層された中間層と、中間層上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔であって、
    前記極薄銅層の厚みが2.4〜3.6μmであり、
    前記キャリア付銅箔を極薄銅層側から樹脂基材に積層し、220℃で2時間の条件で加熱圧着した後に、
    前記極薄銅層を剥がした後、エッチング液として、硫酸11%、過酸化水素7%、n−プロパノール5%以下、及び、残分が水で構成された組成を有する原液を水で5倍希釈した処理液を用いて、前記銅箔キャリアを剥がした後の前記極薄銅層をエッチングした場合であって、
    エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)が4.5μm
    となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるキャリア付銅箔。
  13. 銅箔キャリアと、銅箔キャリア上に積層された中間層と、中間層上に積層された極薄銅層とを備えたキャリア付銅箔であって、
    前記極薄銅層の厚みが4.0〜6.0μmであり、
    前記キャリア付銅箔を極薄銅層側から樹脂基材に積層し、220℃で2時間の条件で加熱圧着した後に、
    前記極薄銅層を剥がした後、エッチング液として、硫酸11%、過酸化水素7%、n−プロパノール5%以下、及び、残分が水で構成された組成を有する原液を水で5倍希釈した処理液を用いて、前記銅箔キャリアを剥がした後の前記極薄銅層をエッチングした場合であって、
    エッチングで除去した極薄銅層の相当厚みB(μm)が6.7μm
    となるまで前記極薄銅層に対して剥離面側からエッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が5個/dm2以下となるキャリア付銅箔。
  14. 前記エッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が3個/dm2以下となる請求項1〜13のいずれかに記載のキャリア付銅箔。
  15. 前記エッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が1個/dm2以下となる請求項14に記載のキャリア付銅箔。
  16. 前記エッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が0.1個/dm2以下となる請求項15に記載のキャリア付銅箔。
  17. 前記エッチングを行った場合に、前記樹脂基材のエッチング表面の10μm径以上の銅残渣が0個/dm2となる請求項16に記載のキャリア付銅箔。
  18. 前記エッチングによって20μm幅の回路を極薄銅層に形成したとき、前記回路の幅方向における最太部の幅(L)と、前記幅方向における最細部の幅(K)とが、K/L=0.7以上となる請求項1〜17のいずれかに記載のキャリア付銅箔。
  19. 前記エッチングによって20μm幅の回路を極薄銅層に形成したとき、前記回路の幅方向における最太部の幅(L)と、前記幅方向における最細部の幅(K)とが、K/L=0.75以上となる請求項18に記載のキャリア付銅箔。
  20. 前記銅箔キャリアが電解銅箔または圧延銅箔で形成されている請求項1〜19のいずれかに記載のキャリア付銅箔。
  21. 前記極薄銅層表面に粗化処理層を有する請求項1〜20のいずれかに記載のキャリア付銅箔。
  22. 前記粗化処理層が、銅、ニッケル、コバルト、りん、タングステン、ヒ素、モリブデン、クロム及び亜鉛からなる群から選択されたいずれかの単体又はいずれか1種以上を含む合金からなる層である請求項21に記載のキャリア付銅箔。
  23. 前記粗化処理層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する請求項21又は22に記載のキャリア付銅箔。
  24. 前記極薄銅層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する請求項1〜21のいずれかに記載のキャリア付銅箔。
  25. 前記極薄銅層上に樹脂層を備える請求項1〜20のいずれかに記載のキャリア付銅箔。
  26. 前記粗化処理層上に樹脂層を備える請求項21又は22に記載のキャリア付銅箔。
  27. 前記耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層の上に樹脂層を備える請求項23又は24に記載のキャリア付銅箔。
  28. 前記樹脂層が接着用樹脂である請求項25〜27のいずれかに記載のキャリア付銅箔。
  29. 前記樹脂層が半硬化状態の樹脂である請求項25〜28のいずれかに記載のキャリア付銅箔。
  30. 銅箔キャリア上に中間層を形成し、前記中間層表面をアルカリリンスした後、前記中間層表面の酸化物を除去し、前記中間層上に電解めっきにより極薄銅層を形成する工程を備えたキャリア付銅箔の製造方法。
  31. 前記酸化物除去を、酸洗浄、エッチング又は高圧水洗浄により行う請求項30に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
  32. 前記極薄銅層上に粗化処理層を形成する工程をさらに含む請求項30又は31に記載のキャリア付銅箔の製造方法。
  33. 請求項1〜29のいずれかに記載のキャリア付銅箔を用いて製造したプリント配線板。
  34. 請求項1〜29のいずれかに記載のキャリア付銅箔を用いて製造したプリント回路板。
  35. 請求項1〜29のいずれかに記載のキャリア付銅箔を用いて製造した銅張積層板。
  36. 請求項1〜29のいずれかに記載のキャリア付銅箔と絶縁基板とを準備する工程、
    前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層する工程、
    前記キャリア付銅箔と絶縁基板とを積層した後に、前記キャリア付銅箔の銅箔キャリアを剥がす工程を経て銅張積層板を形成し、
    その後、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含むプリント配線板の製造方法。
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