JPH0918143A - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板の製造方法

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JPH0918143A
JPH0918143A JP18805995A JP18805995A JPH0918143A JP H0918143 A JPH0918143 A JP H0918143A JP 18805995 A JP18805995 A JP 18805995A JP 18805995 A JP18805995 A JP 18805995A JP H0918143 A JPH0918143 A JP H0918143A
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layer
treatment
copper
forming
printed wiring
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JP18805995A
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English (en)
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Kiyotomo Nakamura
清智 中村
Risaburo Yoshida
利三郎 吉田
Akitsu Oota
秋津 太田
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 配線層やバイアホールを高精度で形成できハ
ローイング現象も抑制できて高品質の多層プリント配線
板を安定して量産できる製造方法を提供する。 【構成】 絶縁基板1に設けられた銅層2上に感光性レ
ジスト層3を形成しこれをパターン化すると共に露出す
る銅層をエッチングして内層配線層を形成した後、この
内層配線層に接着性絶縁層を介して銅箔又は片面銅張積
層板を積層しこの積層体にスルーホールを穿設して多層
プリント配線板を製造方法において、上記銅層の表面に
対しアルカリ性酸化処理液による黒化処理とリン酸系処
理液又は有機酸系処理液による微細表面化処理の工程を
含む前処理を行い、かつ酸素存在下で乾燥処理を行った
後、処理後の銅層2上に感光性レジスト層を形成して上
記工程を順次行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層プリント配線板の
製造方法に係り、特に、微細で高精度の配線パターンの
形成が可能でかつ製造コストの低減も図れる多層プリン
ト配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の多層プリント配線板は、図13
〜図14に示すように絶縁基板mと、この基板mの少な
くとも片面側に交互に積層された絶縁層n及び配線層p
とでその主要部が構成され、かつ、絶縁基板mと絶縁層
n及び配線層pから成る積層体の厚み方向に沿って穿設
された貫通孔qとその内壁面に形成されたメッキ層sか
ら成るスルーホールHにより上記配線層n同士が導通さ
れているものである。
【0003】そして、近年、この多層プリント配線板に
対し配線層のパターン微細化の要請がますます高まって
いる。
【0004】ところで、この多層プリント配線板として
は、内層配線層が形成された内層配線板に対し接着性絶
縁層を介して金属箔若しくは金属箔を有する絶縁基板を
積層しこの積層体に上記スルーホールを形成して得られ
るラミネート型多層プリント配線板と、ベース配線層が
形成されたベース回路板上にバアイホールを備える絶縁
層と中間配線層を交互に形成しかつ最外絶縁層を設けて
成る積層体に上記スルーホールを形成して得られる図1
3〜図14に示されたビルドアップ型多層プリント配線
板(特開平4−148590号公報参照)が知られてい
る。
【0005】以下、これ等多層プリント配線板の従来の
製造方法について説明する。
【0006】まず、ラミネート型多層プリント配線板の
製造方法について図15に従って説明すると、絶縁基板
の全面に対し、粗化処理、防錆、熱変色防止等の適宜表
面処理が施された銅箔をその粗化処理面側が上記絶縁基
板と接するように積層してプリント配線板用素材(銅張
積層板)を得、次いで、脱脂処理、酸洗処理、銅箔表面
をバフ研磨のような機械的研磨、化学研磨を施した後、
この表面に感光性ドライフィルム等を貼着して感光性レ
ジスト層を形成し、かつ、この感光性レジスト層へ所望
パターンの露光、現像を行って感光性レジスト層をパタ
ーン化すると共に、このレジスト層から露出する銅箔に
対し湿式のエッチング処理を施して銅箔の配線層(内層
配線層となる)を形成し、更にレジスト層を剥離して内
層回路板を得る。
【0007】次に、図16に示すように得られた内層回
路板にまず脱脂処理および酸洗処理を施し、次に、例え
ば、水酸化ナトリウム(NaOH)が15〜25g/l
程度溶解されたアルカリ性亜塩素酸ナトリウム水溶液等
で銅の内層配線層を表面処理して黒色で針状結晶のCu
Oより成る酸化膜を形成させる黒化処理を施し、かつ、
乾燥させた後、こうして黒化処理された内層回路板を1
枚又は接着性絶縁層(プリプレグ)を介して多数枚重ね
合わせ、更に1枚又は重合された内層回路板の少なくと
も片面側に接着性絶縁層(プリプレグ)を介して外層配
線層用の金属箔単体若しくは金属箔を有する絶縁基板を
積層して一体化し、続いてこの一体化された積層体に対
しドリル等の穿設手段を用いてその厚み方向に沿って貫
通孔を穿設し、この貫通孔の内壁面をメッキ処理して上
記内層配線層同士若しくは内層配線層と上記金属箔が導
通されるスルーホールを形成し、最後に、上記金属箔を
パターン化して外層配線層を形成し完成されるものであ
った。
【0008】他方、ビルドアップ型多層プリント配線板
の製造方法は、上記内層回路板と同様の工程で得られた
ベース回路板のベース配線層に対し図17に示すように
脱脂処理(必要に応じて行う処理)と酸洗処理を施し、
かつ、上記黒化処理を施した後、この処理面に感光性絶
縁層を塗布し、仮乾燥させた後、この感光性絶縁層を露
光・現像によりパターン化してバイアホールを備える絶
縁層を形成し、次いで乾燥させた後にメッキ等の手段に
より上記絶縁層上に金属被膜を成膜する。次に、この金
属被膜に対しバフ研磨と化学研磨処理を施し、感光性ド
ライフィルムを貼着し、かつ、露光・現像してパターン
化すると共にこの感光性ドライフィルムから露出した上
記金属被膜をエッチングして中間配線層を形成し、更に
感光性ドライフィルムを剥離しかつ乾燥させる。尚、こ
れ等の工程は中間配線層の必要数に応じて複数回繰り返
され、かつ、絶縁層に設けられたバイアホールを介して
上記ベース配線層と中間配線層、並びに中間配線層同士
の導通が図られている。
【0009】次に、図18に示すように上記中間配線層
上に感光性絶縁層を塗布し、かつ、仮乾燥の後この感光
性絶縁層を露光・現像によりパターン化してバイアホー
ルを備える最外絶縁層を形成しかつ乾燥させ、次いで、
絶縁層を介して積層されたベース回路板と中間配線層並
びに最外絶縁層から成る積層体に対しドリル等の穿設手
段を用いてその厚み方向に沿って貫通孔を穿設し、か
つ、メッキ処理により上記最外絶縁層上に外層配線層用
のメッキ被膜を形成すると共に、貫通孔の内壁面に上記
配線層同士若しくは配線層と上記メッキ被膜が導通され
るスルーホールを形成する。そして、最後にメッキ被膜
をパターン化して外層配線層を形成し完成されるもので
あった。
【0010】ところで、ラミネート型多層プリント配線
板の内層回路板製造工程並びにビルドアップ型多層プリ
ント配線板のベース回路板製造工程のいずれにおいて
も、感光性レジスト層を形成する前に、銅箔表面を研磨
して表面を粗面化かつ新鮮面にし感光性レジスト層との
密着性を高める処理が施されている。
【0011】しかし、この従来法では感光性レジスト層
と銅箔表面との密着性が充分とはいえず、感光性レジス
ト層と銅箔表面の隙間からエッチング液が侵入し易いた
め、エッチング後における銅箔の配線層(すなわち内層
配線層又はベース配線層)に形状の乱れやパターン欠け
等が見られる欠点を有していた。更にいえば、感光性レ
ジスト層が形成される銅箔表面は研磨面であるので金属
特有の光反射面になっており、このことが上記感光性レ
ジスト層への所望パターンの露光時にパターン形状の乱
れを引起こす原因になるものであった。
【0012】この点を図19に従って説明する。図19
において絶縁基板mの上に積層された銅層(銅箔)p’
は将来的にパターンエッチングされて内層配線層(又は
ベース配線層)となるものである。露光工程では、銅層
p’は感光性ドライフィルム(感光性レジスト)uによ
りにより全面被覆されている。この感光性ドライフィル
ムuに対して、透明基板v1に所望パターンのネガ型の
遮光膜v2を有する露光マスクを介して露光を行うこと
によりドライフィルムuを所望パターン状に感光硬化さ
せる。しかし、上述したように銅層p’の表面は研磨に
より粗な光沢面となっており、図19に示すように入射
光wは銅層p’の面に達して乱反射する。特に、入射光
w1のように遮光膜v2の終端近くから入射した光は、
銅層p’の表面で乱反射してドライフィルムuの感光パ
ターンの形状を乱し、なおかつ露光マスクの遮光膜v2
の表面とも反射し、以下、多重反射を繰返してますます
ドライフィルムuの感光領域の形状を乱す。そして、こ
の形状の乱れが、現像、エッチングにまで継承され、配
線層として高精度パターンの形成を困難にさせてしまう
原因と考えられる。
【0013】他方、ビルドアップ型多層プリント配線板
においては、上記中間配線層を形成する際に、この中間
配線層とベース配線層との導通を図るため両者の間に設
けられる感光性絶縁層に対し露光・現像処理してバイア
ホールを設ける必要があるが、この感光性絶縁層の露光
・現像工程においても上記ベース配線層の光反射性に起
因して多重反射が生じ、バイアホールの形状を乱してバ
イヤホールの開設精度を低下させるという問題点があっ
た。
【0014】更に、内層配線層とベース配線層のパター
ン精度並びにバイアホールの開設精度が劣るといった欠
点に加えて、これ等従来法によりラミネート型若しくは
ビルドアップ型の多層プリント配線板を製造した場合、
スルーホールの形成に際しての貫通孔の穿設処理に起因
して以下に述べるような“ハローイング”と称される現
象を生ずる問題があった。
【0015】すなわち、ラミネート型多層プリント配線
板の製造方法を例に挙げ上記スルーホール形成工程を図
面を参照して更に詳しく説明すると、図20に示すよう
に上述した方法にてパターン化された銅の内層配線層を
有する複数枚の内層回路板aを外層用銅箔a1と共に接
着性絶縁層(プリプレグ)bを介し積層して一体化し、
かつ、適宜穿設手段により図21に示すような貫通孔c
を穿設(ドリリング)した後、この貫通孔cの内壁面を
銅めっきにて覆うため化学銅めっき処理を施し、図22
に示すようなめっき層dを積層体表面と貫通孔c内壁面
にそれぞれ成膜して貫通孔cと一部のめっき層dで構成
されるスルーホールを形成する。
【0016】次いで、この化学銅めっき層dの面上に貫
通孔c周辺の一部と外層配線層形成部位を除きフォトレ
ジスト層eをパターン状に形成する(図23参照)と共
に、このフォトレジスト層eから露出する部位に順次銅
の電解めっき層fとはんだめっき層gを形成(図24参
照)し、かつ、上記フォトレジスト層eを除去した後、
この銅の電解めっき層fとはんだめっき層gをマスクに
して図25に示すように化学銅めっき層等をエッチング
により除去し、更にこれ等面上にソルダー・レジスト層
hを成膜して図26に示すようなラミネート型多層プリ
ント配線板iを製造している。
【0017】ところで、上記複数枚の内層回路板を接着
性絶縁層(プリプレグ)を介して積層する際、内層回路
板に設けられた内層配線層が銅により構成されているこ
とから上記接着性絶縁層との密着性が充分でなく内層配
線層と接着性絶縁層とが経時的に剥離し易いため、上述
したようにパターン化された銅の内層配線層の表面に黒
化処理を施して黒色で針状結晶のCuOより成る酸化膜
を形成し、針状結晶の酸化膜を介在させることにより接
着性絶縁層との接着強度の向上を図る方法(いわゆる黒
化処理と称される)が採られていた。そして、この方法
を採ることで全体的には内層配線層と接着性絶縁層との
接着強度の向上が図れたが、その反面、CuOで構成さ
れた酸化膜(黒化膜)はアルカリ溶液に対し耐性を有す
るものの酸には比較的容易に溶解されてしまうため、上
述した貫通孔の化学銅めっき処理の際において化学銅め
っきに対する触媒性を付与するため塩酸酸性のパラジウ
ム・錫水溶液にて処理するような場合、貫通孔の内壁面
から露出する積層面がこの酸性のパラジウム・錫水溶液
に触れその接触部位の酸化膜が溶解して上記配線層の金
属銅が露出し、図27に示すようにピンク色のリングr
がスルーホール(貫通孔c)の周縁に沿って形成される
“ハローイング”と称される現象が発生してしまう欠点
があった。
【0018】また、上記塩酸酸性のパラジウム・錫水溶
液処理に加えてフォトレジスト層から露出する部位に銅
の電解めっき層を形成する際、このめっき液にはアルカ
リ性のピロ燐酸銅溶液と酸性の硫酸銅溶液が知られてい
るが、前者のピロ燐酸銅溶液は廃液処理の問題を生じる
ことから後者の硫酸銅溶液が多用される傾向にある。従
って、この酸性の硫酸銅溶液を使用した電解めっき処理
によって上記酸化膜が溶解しピンク色のリングが更に拡
大してしまうこともあった。
【0019】そして、これ等塩酸酸性のパラジウム・錫
水溶液による処理や硫酸銅溶液を使用した電解めっき処
理によって発生するピンク色リングの幅(L)は、スル
ーホールの径が小さくなる程拡大する傾向にあり、例え
ば、直径0.8mmのスルーホールでは100μm以下で
あるのに対し、直径0.4mm以下のスルーホールでは2
00〜400μm程度になることもあった。
【0020】このような現象が発生すると、貫通孔c内
壁面の内層配線層と接着性絶縁層との界面に空隙が形成
されてしまうため、これ等間の接着強度の低下が起こっ
て経時的に剥離し易くなり、かつ、この空隙内に製造工
程中の処理液が残留し易くなるため多層プリント配線板
としての信頼性を低下させてしまう問題があった。
【0021】以上、ラミネート型多層プリント配線板を
例に挙げて説明したが、ビルドアップ型多層プリント配
線板の多層化工程においても貫通孔のめっき処理を必要
とすることから、この場合においてもスルーホール周囲
にピンクリングが発生してスルーホール内壁面のベース
配線層と絶縁層との界面に空隙が形成され、これ等間の
接着強度が低下し、また、処理液が残留し易く、その信
頼性が損なわれる点はラミネート型の場合と同様であっ
た。
【0022】この様な技術的背景の下、前者の欠点であ
る内層配線層(又はベース配線層)のパターン化に関し
ては上記銅層表面に対する粗化処理の粗さ程度を小さく
しかつ粗化を均一化させて感光性レジスト層と銅層表面
との密着性を改善し、配線パターン精度の向上を図った
方法が提案されている。すなわち、特開平6−4572
9号公報においては、銅張積層板の銅層表面に対しブラ
ックオキサイド処理を施して黒化膜を形成し、次いで塩
酸により表面層を溶解させて金属の酸化皮膜を除去し銅
層表面の粗さ程度を小さくさせると共に粗化の均一化を
図り、これにより上述した感光性レジスト層と銅層表面
間へのエッチング液の侵入を防止して配線パターン精度
を向上させた方法が提案されている。
【0023】他方、後者のハローイング現象を回避する
方法として、特開平2−58898号公報においては上
述した黒化処理にて形成された銅の酸化膜(黒化膜)の
一部について1/30〜1/10規定の硫酸により溶解
処理を施し上記酸化膜(黒化膜)の表面状態を改質して
ハローイング現象を回避する方法を開示している。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平6−4
5729号公報に記載の方法では、銅層表面に形成され
た黒化膜を塩酸処理液で溶解して金属の酸化皮膜が除去
されてることから、上記銅層の粗化面は依然として金属
光沢を残しているため、露光マスクの遮光膜表面と銅層
の粗化面間における上記多重反射現象が起こり易く配線
パターンの精度を向上させる上において未だ改善の余地
を有していた。また、上記処理液として濃度の低い塩酸
処理液を用いた場合には、処理面である黒化膜表面に塩
化銅が析出しかつこれが表面に残留し易いため銅層表面
の微細表面化が充分に図れなくなる問題点も有してい
た。
【0025】また、特開平2−58898号公報並びに
特開平6−45729号公報に記載の方法では黒化膜の
表面を溶解させる処理液として塩酸あるいは硫酸等が適
用されている関係上、塩酸等の処理液が収容された同一
浴を用いて複数枚の銅張積層板等を連続して処理した場
合、浴内におけるCuOの溶解量が増えるに従い処理液
のpHが変動し、これに伴い上記銅層表面の処理の程度
もばらついてしまうため、得られるプリント配線板の信
頼性が低下する問題点を有していた。
【0026】尚、上記浴内の処理液を新しい処理液と頻
繁に交換することにより上記銅層表面の処理の程度を揃
えることは可能であるが、かかる方法を採った場合、作
業能率が悪くなりかつ処理コストも割高となる問題点を
有していた。
【0027】本発明はこの様な問題に着目してなされた
もので、その課題とするところは、各配線層並びにバイ
アホールを高精度で形成できかつハローイング現象も抑
制でき高品質の多層プリント配線板を安定して量産でき
る製造方法を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は上
記課題を解決するため鋭意研究を行ったところ、多層プ
リント配線板の内層回路板(又はベース回路板)製造工
程やビルドアップ型の中間配線層形成工程において、感
光性レジスト層を形成する前に、上記銅層の表面に対
し、黒化処理とこれに続くリン酸系処理液若しくは有機
酸系処理液から成る酸性処理液による微細表面化処理の
工程を含む前処理を行い、かつ、酸素存在下で乾燥処理
を行った場合、上記微細表面の光反射率の低下が図られ
上述した露光処理時における多重反射現象が抑制されて
パターン精度の高い配線層やバイアホールの形成が可能
となることを見出だした。
【0029】また、このような前処理を施した場合、ビ
ルドアップにおける多層化工程においても、ベース配線
層の表面に形成された微細な凹凸に沿って絶縁層が変形
しベース配線層と絶縁層との接着強度が改善されるた
め、その後の酸性処理液による処理の際に上記酸性処理
液がベース配線層と絶縁層との間に浸透し難くなりハロ
ーイング現象の発生や接着強度の低下を防止でき、ビル
ドアップ型多層プリント配線板の信頼性を著しく向上さ
せられることも発見した。
【0030】更に、リン酸系処理液若しくは有機酸系処
理液から成る酸性処理液は、従来例において用いられて
いる塩酸、硫酸等の処理液に較べてpHの安定性に優
れ、これ等処理液が収容された同一浴を用いて連続的に
銅層の微細表面化処理を行ってもpHの変動が少ないこ
とからその処理能力が低下し難く、処理液の管理が簡便
でしかも安定に大量の微細表面化処理を行える利点をも
有している。
【0031】本発明はこのような技術的発見に基づき完
成されたものである。
【0032】すなわち、請求項1に係る発明は、絶縁基
板の少なくとも片面に設けられた銅層に感光性レジスト
層を形成し、この感光性レジスト層をパターン化すると
共に、このレジスト層から露出する銅層をエッチング処
理して銅の内層配線層を形成する内層回路板製造工程
と、1枚の内層回路板若しくは接着性絶縁層を介して重
合された複数枚の内層回路板の少なくとも片面側に、接
着性絶縁層を介し外層配線層用の金属箔単体若しくは金
属箔を有する絶縁基板を積層する積層工程と、得られた
積層体に対しその厚み方向に沿って貫通孔を穿設し、か
つ、この貫通孔の内壁面をメッキ処理して上記内層配線
層同士若しくは内層配線層と上記金属箔が導通されるス
ルーホールを形成するスルーホール形成工程と、上記金
属箔をパターン化して外層配線層を形成する外層配線層
形成工程とを具備する多層プリント配線板の製造方法を
前提とし、上記内層回路板製造工程において上記銅層の
表面に対し、黒化処理とこれに続くリン酸系処理液若し
くは有機酸系処理液からなる酸性処理液による微細表面
化処理の工程を含む前処理を行い、かつ、酸素存在下で
乾燥処理を行った後、感光性レジスト層を形成すること
を特徴とするものである。
【0033】他方、請求項2に係る発明はビルドアップ
型多層プリント配線板の製造方法に関するものである。
【0034】すなわち、請求項2に係る発明は、絶縁基
板の少なくとも片面に設けられた銅層に感光性レジスト
層を形成し、この感光性レジスト層をパターン化すると
共に、このレジスト層から露出する銅層をエッチング処
理して銅のベース配線層を形成するベース回路板製造工
程と、得られたベース回路板上に感光性絶縁層を形成
し、この感光性絶縁層をパターン化してバイアホールを
備える絶縁層を形成すると共に、この絶縁層上に金属被
膜を形成しかつエッチング処理によりパターン化して中
間配線層を形成する中間配線層形成工程と、上記中間配
線層上に感光性絶縁層を形成し、かつ、この感光性絶縁
層をパターン化してバイアホールを備える最外絶縁層を
形成する最外絶縁層形成工程と、絶縁層を介して積層さ
れた上記ベース回路板と単一若しくは複数の中間配線層
並びに最外絶縁層から成る積層体に対しその厚み方向に
沿って貫通孔を穿設し、かつ、メッキ処理により上記最
外絶縁層上に外層配線層用のメッキ被膜を形成すると共
に、貫通孔の内壁面に上記配線層同士若しくは配線層と
上記メッキ被膜が導通されるスルーホールを形成するス
ルーホール形成工程と、上記メッキ被膜をパターン化し
て外層配線層を形成する外層配線層形成工程とを具備す
る多層プリント配線板の製造方法を前提とし、上記ベー
ス回路板製造工程において上記銅層の表面に対し、黒化
処理とこれに続くリン酸系処理液若しくは有機酸系処理
液からなる酸性処理液による微細表面化処理の工程を含
む前処理を行い、かつ、酸素存在下で乾燥処理を行った
後、感光性レジスト層を形成することを特徴とするとす
るものである。
【0035】この様な技術的手段において銅箔等の銅層
に対しアルカリ性酸化処理液による黒化処理とこれに続
くリン酸系処理液若しくは有機酸系処理液から成る酸性
処理液による微細表面化処理の工程を含む前処理を行っ
た後、酸素存在下で乾燥処理を行う際、加熱条件下でこ
れを行った方が好ましい。乾燥処理の時間短縮が図れる
と共に銅層表面の酸化が促進されて光反射率をより低下
させることができるからである。この加熱条件として
は、加熱温度60℃〜140℃、加熱時間15分〜2時
間、好ましくは120℃、1時間程度を例示できる。請
求項3に係る発明はこのような技術的理由に基づいてな
されたものである。
【0036】すなわち、請求項3に係る発明は、請求項
1又は2記載の発明に係る多層プリント配線板の製造方
法を前提とし、上記乾燥処理を加熱条件下において行う
ことを特徴とするものである。
【0037】次に、上記微細表面化処理に適用される酸
性処理液としては、リン酸、若しくは、酢酸、酒石酸、
クエン酸等の有機酸、及び、これ等の酸を用いる酸性の
緩衝液が挙げられる。特に、リン酸並びにクエン酸及び
これ等の緩衝液はpH安定性が良好なため、これ等処理
液が収容された同一浴を用いて連続的に銅層の微細表面
化処理を行ってもpHの変動が少ないことから処理能力
が低下し難い利点を有している。また、上記緩衝液と同
様に、酸解離定数の逆数の対数値で、3.00程度の有
機酸、例えば、グリシン、ブロモ酢酸、サリチル酸、
(R,R)−酒石酸、クロロ酢酸、2−クロロプロピオ
ン酸等も微細表面化処理中のpHの変動が少ない点で優
れており好適に利用できる。
【0038】尚、リン酸若しくはクエン酸処理液のpH
はpH0〜3、好ましくはpH1.5〜2.5のものが
適用される。pH0未満の強い酸を適用すると上記微細
な凹凸が形成されることなく表面が平滑化されてしまい
銅層と感光性レジスト層との密着性の向上が図れなくな
るからである。一方、pH3を越える弱い酸を適用する
ことは可能であるが、CuOの溶解除去と微細な凹凸の
形成に長時間を要してしまい処理効率が極端に低下して
しまうからである。
【0039】また、酸溶液の解離度は温度に依存して変
化しそのpHも温度に依存して変化するため、上記pH
の調整に当たっては微細表面化処理を行う際の温度条件
に留意することを要する。尚、銅層の微細表面化処理は
室温〜80℃程度の温度で行うことができ、また、この
処理時間は上記処理液と銅層との反応が平衡状態に達す
るまで行うことが望ましく、通常15秒〜5分程度であ
る。また、リン酸は、クエン酸に較べて解離度が高いた
め低温の処理液温度で酸処理が行える利点を有してい
る。
【0040】そして、pH0〜3のリン酸系処理液とし
ては、リン酸水溶液あるいはリン酸水溶液に適量のリン
酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム等を添加した
緩衝液等が挙げられる。また、pH0〜3のクエン酸系
処理液としては、クエン酸の水溶液あるいはクエン酸水
溶液に燐酸水素二ナトリウム又はクエン酸カリウムを適
量添加した緩衝液等が適用できる。また、リン酸三ナト
リウムの水溶液に(クエン酸+リン酸二水素カリウム+
ホウ酸+ジエチルパルビツル酸)又は(ホウ酸+クエン
酸+クエン酸)を適量添加した緩衝液等が挙げられる。
【0041】請求項4〜6に係る発明は上述した理由に
より酸性処理液を特定した発明に関する。
【0042】すなわち、請求項4に係る発明は、請求項
1〜3のいずれかに記載の発明に係る多層プリント配線
板の製造方法を前提とし、上記酸性処理液がpH0〜3
のリン酸系処理液から成ることを特徴とするものであ
り、他方、請求項5に係る発明は、上記酸性処理液がp
H0〜3のクエン酸系処理液から成ることを特徴とする
ものである。
【0043】また、請求項6に係る発明は、請求項4又
は5記載の発明に係る多層プリント配線板の製造方法を
前提とし、上記リン酸系処理液若しくはクエン酸系処理
液が緩衝液であることを特徴とするものである。
【0044】次に、本発明において適用できる上記絶縁
基板としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマ
レイミドトリアジン等が含浸されたガラス繊維等の有機
系材料基板、アルミナ、窒化アルミニウム等のセラミッ
ク系材料基板、ガラス基板、銅、アルミニウム等の金属
系基板に陽極酸化、絶縁物被覆等絶縁処理を施した基板
等が例示され、かつ、ポリ四フッ化エチレン樹脂等のフ
ッ素樹脂系基板の適用も可能である。また、これ等絶縁
基板の片面あるいは両面に銅層を設けた片面銅張積層
板、両面銅張積層板等が多用される。
【0045】また、上述した前処理等が施された銅層上
に形成される感光性レジスト層としては、感光性ドライ
フィルム(例えば、日立化成工業社製 商品名H−S9
40)、液状レジスト(例えば、東京応化工業社製 商
品名PMER)、及び、電着レジスト(例えば、東亜合
成化学工業社製 商品名フォトイマージュED TH−
1)等が例示できる。また、エッチング液についても、
通常のプリント配線板の製造に適用されているものが利
用でき、例えば、第二塩化銅、アルカリ性エッチング液
(塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム等)等が挙げら
れる。
【0046】この様に本発明によれば、絶縁基板に設け
られた銅層表面に微細でかつ均一な凹凸が形成されるた
め感光性レジスト層との密着性の向上が図れ、これに伴
い銅層表面と感光性レジスト層間へのエッチング液の侵
入を防止することができ、かつ、前処理された銅層面に
対し酸素存在下で乾燥処理を行っているため上記銅層の
光反射率の低下も図れパターン露光時における感光領域
の形状の乱れを抑制できる。従って、ラミネート型とビ
ルドアップ型のいずれにおいても画線幅の小さい銅の内
層配線層(又はベース配線層)を高精度で形成すること
ができ、かつ、ビルドアップ型多層プリント配線板を製
造するに際しこの配線層上に感光性樹脂から成る絶縁層
を設ける場合においても高い精度でバイアホールを開設
することができる。
【0047】また、ラミネート型多層プリント配線板を
製造するに際し上述の表面形状を備えた配線層を有する
複数枚の内層回路板を接着性絶縁層を介し重合して多層
プリント配線板を製造する場合、上記内層配線層の微細
でかつ均一な凹凸面に沿って接着性絶縁層が変形するた
め内層配線層と接着性絶縁層との接着強度の向上が図れ
る。また、ビルドアップ型の多層プリント配線板を製造
する場合にも、感光性絶縁層が上記ベース配線層の微細
な凹凸に沿って変形するためベース配線層と感光性絶縁
層との接着強度の向上を図ることができる。従って、い
ずれの場合にも、その後の酸性処理液(例えば、化学銅
めっき処理の前の塩酸酸性のパラジウム・錫水溶液や電
解めっき処理の際の酸性硫酸銅溶液等)による処理の際
に上記酸性処理液が内層配線層(又はベース配線層)と
絶縁層との間に浸透し難くなるため上記ハローイング現
象の発生や接着強度の低下を防止することができる。
【0048】更に、微細表面化処理に適用されるリン酸
系処理液若しくは有機酸系処理液から成る酸性処理液
は、従来例において用いられている塩酸、硫酸等の処理
液に較べてpHの安定性が良好なことから、リン酸系処
理液若しくは有機酸系処理液から成る酸性処理液が収容
された同一浴を用いて複数枚のプリント配線板用素材を
連続的に処理した場合でもそのpHの変動が小さいため
微細表面化処理における処理液管理の簡便化を図ること
ができ、また、安定して大量に上記微細表面化処理を行
うことができる。
【0049】また、上記銅層を銅箔で構成した場合、絶
縁基板へ積層する前の銅箔に対してアルカリ性酸化処理
液による黒化処理と酸性処理液による微細表面化処理の
工程を含む前処理を行えるため、上記前処理を誤っても
無駄になるのは銅箔のみであることから製造コストの低
減が図れ、かつ、巻取方式による連続処理も可能となる
ことから前処理の簡便化も図れる。また、銅箔の製造工
程、得られた銅箔に対する上記前処理工程、処理された
銅箔の絶縁基板への積層工程、並びに銅箔のパターニン
グ処理等を連続工程で行った場合、保管のための防錆及
び熱変色防止等の表面処理を銅箔に対し施す必要がなく
なるため、その分、工程数の低減も図ることができる。
【0050】
【作用】請求項1及び請求項3〜6に係る発明によれ
ば、ラミネート型多層プリント配線板の内層回路板製造
工程において、銅層の表面に対し、黒化処理とこれに続
くリン酸系処理液若しくは有機酸系処理液からなる酸性
処理液による微細表面化処理の工程を含む前処理を行
い、かつ、酸素存在下で乾燥処理を行った後、上記感光
性レジスト層を形成しており、他方、請求項2〜6に係
る発明によれば、ビルドアップ型多層プリント配線板の
内層回路板製造工程において、銅層の表面に対し、黒化
処理とこれに続くリン酸系処理液若しくは有機酸系処理
液からなる酸性処理液による微細表面化処理の工程を含
む前処理を行い、かつ、酸素存在下で乾燥処理を行った
後、上記感光性レジスト層を形成しているため、上記銅
層の光反射率低下が図られ、露光処理時における多重反
射現象が防止されることからパターン精度の高い配線層
並びにバイアホールを形成することが可能となる。
【0051】また、ラミネート型多層プリント配線板を
製造するに際し微細表面形状を備えた配線層を有する複
数枚の内層回路板を接着性絶縁層を介し重合して多層配
線板を製造する場合、上記内層配線層の微細でかつ均一
な凹凸面に沿って接着性絶縁層が変形するため内層配線
層と接着性絶縁層との接着強度の向上が図れ、他方、ビ
ルドアップ型の多層プリント配線板を製造する場合に
も、感光性絶縁層が上記ベース配線層の微細な凹凸に沿
って変形するためベース配線層と感光性絶縁層との接着
強度の向上を図ることができる。
【0052】従って、いずれの場合にも、その後の酸性
処理液による処理の際に酸性処理液が内層配線層(又は
ベース配線層)と絶縁層との間に浸透し難くなるため上
述したハローイング現象の発生や接着強度の低下を防止
することが可能となる。
【0053】更に、リン酸系処理液若しくは有機酸系処
理液から成る酸性処理液は、従来例において用いられて
いる塩酸、硫酸等の処理液に較べてpHの安定性に優
れ、これ等処理液が収容された同一浴を用いて連続的に
銅層の微細表面化処理を行ってもpHの変動が少ないこ
とからその処理能力が低下し難く、処理液の管理が簡便
でしかも安定した微細表面化処理を行うことが可能とな
る。
【0054】
【実施例】次に、本発明の実施例に先だって主にリン酸
処理液についてその微細表面化処理特性を確認するため
以下の確認試験を行った。
【0055】『リン酸濃度とpH』まず、水100cc
に、リン酸[85%、関東化学(株)製]を加えていき
そのpH変化を確認した。この結果を図8に示す。
【0056】『リン酸のpH安定性(1)』次に、上記
結果を参考にして水溶液のpHが略1.8になるように
下記の通り6種(a〜f)の処理液を調製した。 a.リン酸0.36%…pH=1.78 b.リン酸3.4%+リン酸三ナトリウム33.0g/l…pH=1.70 c.リン酸5.95%+リン酸三ナトリウム74.5g/l…pH=1.67 d.リン酸8.50%+リン酸三ナトリウム110g/l…pH=1.62 e.リン酸17.0%+リン酸三ナトリウム293g/l…pH=1.82 f.クエン酸40g/l…pH=1.49 これ等6種の処理液(水溶液:40℃)300ccに1
N−NaOHを加えていき、そのpH変化を調べた。こ
の結果を図9に示す。
【0057】そして、この図9に示されたグラフ図か
ら、ある濃度以上のリン酸緩衝液はクエン酸(f)より
もpHの安定性が良好であることが確認できた。
【0058】『リン酸のpH安定性(2)』次に、pH
安定性と建浴コストのバランスを考慮したリン酸処理液
の最適濃度を求めた。尚、クエン酸処理液を用いた実験
結果より上記微細表面化処理に適したpH値は2.3以
下であることが既に確認されていることから、図9のグ
ラフ図についてpH1.8〜2.3の範囲を拡大して再
度プロットした。この結果を図10に示す。
【0059】そしてこれ等(a〜fの処理液)について
回帰式を求め微分した結果を以下に示す。尚、この数値
が小さい程pHは変動し難いことを意味する。
【0060】 a. Y’= 1.648 × 10-1 b. Y’= 3.118 × 10-2 c. Y’= 1.919 × 10-2 d. Y’= 1.313 × 10-2 e. Y’= 1.021 × 10-2 f. Y’= 1.018 × 10-1 『リン酸のpH安定性(3)』そこで、リン酸処理液の
リン酸濃度を横軸にしてグラフを作成し上記微分値の変
化を調べた。この結果を図11に示す。
【0061】そして、図11に示されたグラフ図から、
リン酸処理液のリン酸濃度10%付近からほとんどpH
の安定性が向上していないことが確認される。この結
果、リン酸濃度は10%付近で使用することが最も効率
がよく(すなわちpH安定性と処理コストの低減とを共
に図れる)、今回のサンプルではリン酸8.50% +
リン酸三ナトリウム110g/l(d)の処理液が最も
効率のよい組成であることが確認できた。
【0062】『CuOの溶解量と各処理液のpH安定
性』次に、以下の3種の処理液について酸化銅粉を加え
て疑似的に処理液を疲労させ錯体の析出時期を調査し
た。すなわち、以下処理液1000ccにCuO粉を加
えていき、pHの変化と沈殿物発生の有無を調べた。
尚、この試験結果から同一浴により処理液を交換するこ
となく連続的に何枚のプリント配線板用素材(銅張積層
板)を処理可能であるか(処理可能枚数)が確認でき
る。
【0063】 (1)硫酸処理液:0.1体積%(液温…室温) (2)クエン酸処理液:クエン酸41.2g/l (液温…65℃) +Na2 HPO4 0.6g/l (3)リン酸処理液:リン酸8.50% (液温…40℃) +リン酸三ナトリウム110g/l(上述のd) この結果を図12及び下記表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】この結果から、リン酸処理液とクエン酸処
理液は硫酸処理液に較べてCuOの溶解量が多くかつp
H安定性が良好であることが確認できる。
【0066】『処理可能枚数』また、これ等の結果から
各処理液についてその処理可能枚数を計算により求め
た。
【0067】尚、比較的大型の配線板に相当する510
mm×609mmサイズの両面ベタ銅箔1枚の銅張積層
板について黒化処理によりCuOを形成し、処理された
両面ベタ銅箔から溶解するCuOの量は、Cuに換算
(Cu:分子量63.5、CuO:分子量79.5)す
ると2.678gとなり、また、CuOの量に換算する
と、 2.67:63.5 = x:79.5より、x
=3.34gとなる。
【0068】また処理浴の容量は100(リットル)と
する。
【0069】(1)硫酸処理液の処理可能枚数 CuO溶解量とpHとの関係を示した図12のグラフ図
から、CuO溶解量が0.85(g/l)程度でpHが
3を越えてしまうことが確認できる。
【0070】そして、100(リットル)の処理浴にお
いてはCuOが85gでpH3を越えることになるため
その処理可能枚数は85÷3.34=25.4枚とな
る。
【0071】従って、硫酸処理液を適用した場合、25
枚程度で処理液を交換することが必要になるためその処
理液管理が繁雑となることが理解される。
【0072】(2)クエン酸処理液の処理可能枚数 CuO溶解量とpHとの関係を示した図12のグラフ図
から、CuO溶解量が略1.5(g/l)で沈殿が発生
しその後の処理が困難となることが確認できる。そし
て、100(リットル)の処理浴においてはCuOが1
50gでその後の処理が困難となることからその処理可
能枚数は150÷3.34=44.9枚となる。
【0073】従って、硫酸処理液を適用した場合に較べ
て処理液管理が簡便となることが理解される。
【0074】(3)リン酸処理液の処理可能枚数 CuO溶解量とpHとの関係を示した図12のグラフ図
から、CuO溶解量が略4.5(g/l)で沈殿が発生
しその後の処理が困難となることが確認できる。そし
て、100(リットル)の処理浴においてはCuOが4
50gでその後の処理が困難となることからその処理可
能枚数は450÷3.34=134.7枚となる。
【0075】従って、硫酸処理液を適用した場合に較べ
て処理液管理が簡便となることが理解される。
【0076】次に、本発明に係る多層プリント配線板の
製造方法について図面に基づいて詳細に説明する。
【0077】『内層回路板(ベース回路板)製造工程』
既に説明したようにラミネート型多層プリント配線板の
内層回路板の製造工程と、ビルドアップ型多層プリント
配線板のベース回路板の製造工程とは同一である。
【0078】そこで、まず、これ等内層回路板若しくは
ベース回路板の製造工程を図1に基づいて説明する。
【0079】すなわち、絶縁基板の全面に銅層が積層さ
れているプリント配線板用素材(銅張積層板)に対し
て、その銅層表面をバフ研磨等の機械的研磨を施す点は
従来と変わりはない。この工程は、この発明にとって本
質的でない。その理由は、上記プリント配線板用素材の
銅層表面に傷や異物がなければこの工程は不要になるか
らである。次いで、必要に応じて化学研磨を行ってもよ
い。この発明では、化学研磨は文字通り必要に応じて施
せばよく、全く必要ない場合が多いという意味で、この
発明にとって前工程の機械的研磨よりも本質的でない。
尚、プリント配線板用素材における上記銅層は、これを
銅箔で構成してもよいし、銅メッキ、スパッタリング等
の物理的若しくは化学的製膜手段により形成してもよく
任意である。
【0080】続いて、プリント配線板用素材の銅層に対
してアルカリ性酸化処理液による黒化処理を行う。この
黒化処理は、銅層の表面に酸化第二銅(CuO)の皮膜
を形成する処理である。この黒化処理により銅層の表面
にはCuOの針状結晶が生成する。しかし、その表面の
凹凸は粗面であってこのままでは感光性ドライフィルム
等の感光性レジスト層との密着性に問題がある。すなわ
ち、銅層表面と感光性レジスト層との間に間隙を生じる
等の欠点がある。ここで、粗面とは表面にCuOの針状
結晶が1.0μm程度若しくはそれ以上の厚さで存在す
ることを意味する。尚、上記アルカリ性酸化処理液とし
ては、アルカリ性亜塩素酸ナトリウム水溶液等の周知の
黒化処理液が適用できる。
【0081】次いで、リン酸系処理液若しくは有機酸系
処理液から成る酸性処理液による微細表面化処理を行
う。この酸性処理液による微細表面化処理は、先の黒化
処理により生じた粗面を適度に溶解エッチングし微細な
凹凸面に変換させる働きがある。ここで微細な凹凸面と
は、0.2〜0.05μm程度若しくはそれ以下の高低
の凹凸面であることを意味する。加えて、表面の皮膜は
金属銅(Cu)〜酸化第一銅(Cu2 O)に変化してい
ると推定される。いずれにしても、この処理により微細
な凹凸面であって感光性ドライフィルム等感光性レジス
ト層との密着性の良い表面が得られる。尚、この微細表
面化処理に適用されるリン酸若しくは有機酸から成る酸
性処理液は、特開平6−45729号公報並びに特開平
2−58898号公報において使用されている塩酸、硫
酸等の処理液に較べてpHの安定性が良好なため、リン
酸若しくは有機酸から成る酸性処理液が収容された同一
浴を用いて複数枚のプリント配線板用素材(銅張積層
板)を連続的に処理した場合でもそのpHの変動が小さ
いことから上記微細表面化処理の程度にばらつきが少な
い利点を有している。更に、低濃度の塩酸処理液が用い
られた場合に較べて塩化銅の析出がない利点を有してい
る。
【0082】そして、リン酸系処理液若しくは有機酸系
処理液から成る酸性処理液による微細表面化処理の後、
水洗浄を行うと共に酸素存在下で乾燥処理を行う。この
乾燥処理により銅層表面が黒褐色を呈し酸化が増進され
る。その皮膜は、CuOとCu2 Oの混合組成と推定さ
れるが、本発明の狙いである微細な凹凸面の形成及び感
光性ドライフィルム等感光性レジスト層との良密着性に
対して特に悪影響は認められず、かつ、この酸化により
銅層表面の光反射率の低下が図られ、上述した露光処理
時における多重反射現象を防止することを可能にする。
【0083】この後の工程、すなわち、感光性ドライフ
ィルム等感光性レジスト層を形成し、この感光性レジス
ト層へ所望パターンを露光して現像すること、及び、現
像により露出した上記銅層に対し湿式エッチング処理を
行って銅の配線層を形成する、という点では従来法と同
様である。
【0084】図2にこの発明の製造方法における露光工
程の様子を示す。図2において、絶縁基板1の上に積層
された銅層2は、微細な凹凸表面であるので銅層表面と
感光性レジスト層3の間に間隙を生じることがない。し
かも、銅層2は低反射面となっているので、入射光6は
銅層2の面に達しても反射光の強度は極めて小さいもの
となる。従って、繰返し反射(すなわち多重反射)する
ようなこともなく、感光性レジスト層3の感光領域の形
成を乱すことがない。この乱れのない形状が、現像、エ
ッチングにまで継承され、配線層として高精度のパター
ンを実現できると考えられる。尚、図中、5はフォトマ
スクの透明基板、4のこの透明基板5上に設けられた遮
光膜、6は露光光線を示しており、6aは上記露光光線
6のうち遮光膜4近傍を透過する露光光線である。
【0085】また、この様な方法にて形成された配線層
を有する回路板を内層回路板として使用してラミネート
型多層プリント配線板を製造する場合、この内層回路板
に接着性絶縁層を介し銅箔又は片面銅張積層板を重合し
て加熱加圧した場合、上記配線層(内層配線層)の微細
な凹凸に沿って絶縁層は変形するため配線層と絶縁層と
の接着強度の向上が図れる。また、ビルドアップ型多層
プリント配線板を製造する場合にも、感光性絶縁層が上
記配線層(ベース配線層)の微細な凹凸に沿って変形す
るためベース配線層と感光性絶縁層との接着強度の向上
が図れる。
【0086】従って、いずれの場合にも、その後の酸性
処理液(例えば、化学銅めっき処理の前の塩酸酸性のパ
ラジウム・錫水溶液や電解めっき処理の際の酸性硫酸銅
溶液等)による処理の際に上記酸性処理液が配線層と接
着性絶縁層との間に浸透し難くなるため上述したハロー
イング現象の発生や接着強度の低下を防止することが可
能となる。
【0087】尚、上記銅層として銅箔を適用した場合に
は絶縁基板に積層する前の銅箔に対し上述した黒化処理
と微細表面化処理等を施すことが可能であり、かつ、こ
れ等処理を施してから絶縁基板に積層しプリント配線板
を製造することが可能である。この場合、上記黒化処理
や微細表面化処理等製造途中の操作を誤っても無駄にな
るのは積層前の銅箔のみのため、無駄に消費される素材
が少なくなる分、製造コストの低減が図れる。
【0088】また、銅箔の製造工程から始まってこの銅
箔に対する上記前処理工程、処理された銅箔の絶縁基板
への積層工程、並びに銅箔のパターニング処理等を連続
工程で行った場合、保管のための防錆及び熱変色防止等
の表面処理を銅箔に対して予め施しておく必要がないた
め、その分、工程数の低減が図れ、更に、巻取方式によ
る連続処理も可能になるため、前処理の簡便化が図れ
る。尚、巻取方式による前処理を行った後、連続して絶
縁基板への積層処理を施さない場合には、巻取られた銅
箔の処理表面が錆びないような条件下で保管することが
望ましい。
【0089】以下、一面側が粗化処理された銅箔を用い
ると共に絶縁基板に積層する前に上述した黒化処理等を
施して内層回路板(又はベース回路板)を製造する方法
について図3を用い詳細に説明する。
【0090】まず、電解法若しくは圧延法等により製造
されその絶縁基板と接する側が粗化処理された銅箔の少
なくとも光沢面側(非粗化処理面側)に対しアルカリ性
酸化処理液による黒化処理を施す。この銅箔としては、
その使用目的に応じて任意膜厚の銅箔が使用され、内層
配線(又はベース配線)用には膜厚72μm、35μ
m、18μm程度のものが利用される。また、絶縁基板
と接着される面(いわゆる粗化処理面)には上記粗化処
理により7〜10μm程度の凹凸が形成されており、そ
の反対面(いわゆる光沢面)には1〜2μm程度の凹凸
が形成されている。また、銅箔はその保管のための防錆
及び熱変色防止等の表面処理は不要であり、従って、銅
箔表面を露出させる機械的研磨並びに化学研磨等の処理
も不要となる。
【0091】次いで、リン酸系処理液若しくは有機酸系
処理液から成る酸性処理液による微細表面化処理を行
い、かつ、酸素存在下で乾燥処理を行う。尚、これ等一
連の黒化処理並びに微細表面化処理等は銅箔単体に対し
て行っているため、上述したようにこれ等処理を誤った
場合でも無駄になるのは銅箔のみであり、かつ、銅箔単
体に対し行っていることから巻取方式の連続処理も可能
となる利点を有している。また、これ等一連の前処理が
施された銅箔については、これを巻き取った状態で一時
保管してもよいしそのまま連続して次の工程である絶縁
基板との積層処理を施してもよい。すなわち、これ等一
連の前処理が施された銅箔を絶縁基板と略同程度の大き
さに切断し、かつ、適宜接着剤若しくはプリプレグ等を
間に介しその粗化処理面側が絶縁基板と接するように積
層する。尚、エポキシ樹脂が含浸されたガラス繊維で構
成された絶縁基板に対し一連の前処理が施された銅箔を
重合し、ベルジャー内に入れてその積層を行う場合の条
件についてその一例を示すと、まず、真空排気後窒素ガ
スを導入してベルジャー内を50Torr程度に調整
し、かつ、圧力:15kg/cm2 〜25kg/c
2 、加圧時間:120分〜160分、加熱温度:17
0℃〜200℃程度の条件で積層を行えばよい。また、
加熱条件については、120℃〜150℃、30分間程
度の予備加熱を行った後、昇温処理した場合、上記絶縁
基板の反りが抑制できる点において有利である。
【0092】尚、銅箔を絶縁基板に積層した後の工程、
すなわち、感光性ドライフィルム等を密着し、このドラ
イフィルムへの所望パターンの露光・現像を行うこと、
及び、現像処理にて形成されたパターン状のエッチング
レジストから露出する銅箔に対し湿式のエッチング処理
を施して配線層を形成する工程については、図1の工程
と同様である。
【0093】ここで、上記銅箔の絶縁基板と接する側の
粗化処理面の粗が大きい場合、上述したエッチング処理
を施しても銅残り現象(銅の厚みが不均一なためエッチ
ングしきれずにところどころに銅が残ってしまう現象)
が生ずることがある。この様な場合、粗化処理されてな
い銅箔を適用すると共にこの銅箔の両面に対してアルカ
リ性酸化処理液による黒化処理とこれに続くリン酸系処
理液若しくは有機酸系処理液から成る酸性処理液による
微細表面化処理の工程を含む前処理を行い、かつ、酸素
存在下で乾燥処理を行った後、上記絶縁基板に対し銅箔
を積層すればよい。すなわち、粗化処理されてない銅箔
を適用した場合、粗化処理されている銅箔に較べて銅の
厚みが均一なためエッチング時における銅残り現象を防
止でき、かつ、絶縁基板と接する側の銅箔面もアルカリ
性酸化処理液による黒化処理と酸性処理液による微細表
面化処理が施されて微細粗面化しているため絶縁基板に
対する充分な接着強度を付与することが可能となる。
【0094】尚、銅層として上述の銅箔を適用した場
合、その銅箔の厚さが薄いと銅箔単体で上述した一連の
前処理を連続的に行うことが困難になることがある。こ
の様な場合、上記黒化処理と微細表面化処理の前処理が
施される前若しくは施された後の銅箔に対しその絶縁基
板と接する側の一面にプリプレグ若しくは樹脂層を設け
ることが望ましい。
【0095】『ラミネート型多層プリント配線板の多層
化工程』ラミネート型多層プリント配線板の多層化工程
は、図16で示した黒化処理を施す必要が無い点を除き
従来法と同様でよい。すなわち、1枚の内層回路板若し
くは接着性絶縁層を介して重合された複数枚の内層回路
板の少なくとも片面側に、接着性絶縁層を介して外層配
線層用の金属箔単体若しくは金属箔を有する絶縁基板
(例えば、銅箔又は片面銅張積層板)を積層して多層化
し、かつ、得られた積層体に対しその厚み方向に沿って
貫通孔を穿設し、この貫通孔の内壁面をメッキ処理して
配線層同士若しくは配線層と上記金属箔が導通されるス
ルーホールを形成し、最後に上記金属箔をパターン化し
て外層配線層を形成して多層プリント配線板を得ること
で可能である。
【0096】そして、この多層化工程(積層工程)にお
いても、内層配線層の上に積層される絶縁層がこの内層
配線層表面の微細な凹凸に沿って変形し内層配線層と絶
縁層との接着強度が向上するため、その後の酸性処理液
による処理の際に上記酸性処理液が内層配線層と絶縁層
との間に浸透し難くなりハローイング現象の発生や接着
強度の低下を防止でき、このため、多層プリント配線板
の信頼性を著しく向上させることができる。
【0097】『ビルドアップ型多層プリント配線板の多
層化工程』また、ビルドアップ型多層プリント配線板の
多層化工程も従来法と同様でよい。すなわち、上記ベー
ス配線層を形成した後、このベース配線層上にエポキシ
樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシアクリ
レート樹脂等から成る感光性樹脂層を形成する。尚、後
の工程において熱による仮硬化工程や露光硬化工程、乾
燥工程での樹脂の収縮を抑制するため、アルミナ、二酸
化珪素、タルク、硫酸バリウム等のフィラーを配合させ
ることが望ましい。
【0098】そして、必要に応じて仮硬化工程(溶剤系
の感光性樹脂を適用した場合、溶剤分を揮発させるため
この仮硬化処理を行う)を行った後、所望パターンの露
光・現像を行い、かつ、ベーキング(乾燥)・バフ研磨
等を行ってバイアホールが開設された絶縁層を形成す
る。次に、絶縁層の表面粗化処理を行い、かつ、無電解
メッキの前処理(ソフトエッチング工程・酸洗工程によ
りバイアホールから露出するベース配線層の酸化膜を除
去してベース配線層と中間配線層との導通不良を防止す
るための処理)を行った後、無電解メッキ、電解メッキ
により中間配線層用の金属皮膜を製膜しこれをパターニ
ングして中間配線層を形成する。以下、必要に応じてこ
れ等の工程を繰返し、多層の中間配線層等を順次形成し
た後、最外絶絶縁層を形成すると共に上述したスルーホ
ール形成を行って目的とするプリント配線板を得ること
ができる。
【0099】尚、本発明においては、上記ベース配線層
上に絶縁層を介し中間配線層を設けるに際しても、微細
な凹凸で低反射面を有する上記ベース配線層の銅層が作
用して絶縁層におけるバイアホールの加工精度の改善が
図れる。
【0100】すなわち、上述した前処理等を施して形成
されたベース配線層上に感光性絶縁層を設け、この感光
性絶縁層をパターン化してバイアホールを備える絶縁層
を形成する際、上記ベース配線層を構成する銅層表面は
微細な凹凸でかつ低反射面になっているためこの銅層と
感光性絶縁層との密着性は良好であり、かつ、この感光
性絶縁層に対し露光マスクを介して所望パターンの露光
を行った場合に露光マスクとベース配線層間における多
重反射が起こり難い。従って、図4に示すように絶縁層
7のベース配線層2’上に位置しベース配線層2’とベ
ース配線層(図示せず)との接続部を構成するバイアホ
ール8についてもこれを高精度で開設することが可能と
なる。
【0101】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0102】[実施例1] 『内層回路板製造工程』表裏両面に厚さ18μmの銅箔
が貼着されかつエポキシ樹脂が含浸されたガラス繊維か
ら成る銅張積層板(340mm×510mm×0.3m
m)を適用し、バフ研磨を施した後、以下の条件による
黒化処理を施した。
【0103】 黒化処理液の組成:NaOH 21g/l NaClO2 43g/l Na3PO4・12H2O 17g/l 処理液温度:90℃ 処理時間:4.5分 こうして黒化処理された銅箔面はCuOの針状結晶とみ
られる黒色を帯びていた。次に、この黒化処理された銅
箔を有する銅張積層板を以下に示す酸性処理液内に浸漬
しその銅箔の微細表面化処理を行った。
【0104】 酸性処理液の組成:クエン酸 41g/l Na2HPO4 0.57g/l 酸性処理液の温度:60〜65℃ 酸性処理液のpH:約2.0 処理時間:3分 こうして微細表面化処理された銅箔面は赤色(Cu又は
Cu2 Oの色)を示していたが、水洗し、120℃・1
時間の加熱乾燥処理を施したところ黒褐色に変化した。
この銅箔表面を走査型電子顕微鏡で観察すると、黒化処
理直後の銅箔表面では比較的大きな針状結晶が観察され
るのに対し、微細表面化処理を施した銅箔においては針
状結晶が見られず、針状結晶よりさらに微細な凹凸面が
生成していることが確認できた。
【0105】続いて感光層の厚みが30μmの感光性ド
ライフィルムを貼着し、超高圧力水銀灯を使用して、ラ
イン・アンド・スペース50μm/50μmの内層配線
層パターンを一括露光法により焼き付け、かつ、上記ド
ライフィルムを常法にて現像した後、所定の銅腐食液に
て湿式エッチング処理を施して内層配線層を形成した。
ドライフィルム剥離後、走査型電子顕微鏡で観察する
と、厚み18μmの配線層の上面幅のサイズは38μ
m、底部の幅は45μmであり、エッチファクター5.
1でパターン側壁が直線形状の極めて良好なパターン精
度を示した。
【0106】『光反射率の測定』次に、上記銅張積層板
に同様のバフ研磨、黒化処理、微細表面化処理及び乾燥
処理を施し、紫外可視分光光度計[(株)島津製作所製
商品名MPS2000]を使用し、その表面の光反射
率を測定した。
【0107】また、比較のため上記銅張積層板に同様の
バフ研磨を施し、かつ、黒化処理、微細表面化処理及び
乾燥処理を施すことなくその表面の光反射率を測定し
た。
【0108】この結果を図5に示す。
【0109】この図から分かるように、実施例に係る処
理が施された銅張積層板は、測定した領域の全域に亘っ
て低い光反射率を示している。特に、多層プリント配線
板の露光光源としては超高圧力水銀灯や無極ランプが広
く利用されているが、これ等超高圧力水銀灯や無極ラン
プの発光光線の中で高強度のi線(波長365nmの
光)やg線(波長436nmの光)に対する光反射率が
10%以下と極めて低く、これ等露光光線の多重反射光
が少なく、この多重反射光が感光性レジスト層のパター
ン精度に影響し難いことが確認できた。
【0110】尚、超高圧力水銀灯の発光光線の相対強度
及び無極ランプの発光光線の相対強度を図6及び図7に
示す。
【0111】『多層化工程』こうして得られた内層回路
板を使用し、複数枚の内層回路板を外層配線層用銅箔と
共に接着性絶縁層を介し加熱加圧して重合し、これ等を
積層した。
【0112】そして、従来と同様にこの積層体をドリル
により孔開け加工して直径0.35mmの貫通孔を形成し
た後、貫通孔内壁を塩酸酸性のパラジウム・錫水溶液で
処理すると共に化学銅めっきし、更に水洗、酸洗等の常
套処理を施し、かつ、従来同様のフォトレジスト層を形
成した後、下記条件で電解銅めっき処理を施した。
【0113】 めっき液の組成:CuSO4・5H2O 60〜70g/l H2SO4 200〜210g/l めっき温度:常温 電流密度:およそ1.8A/dm2 めっき厚み:約15μm 次に、従来同様、はんだめっき処理、フォトレジスト層
剥離処理、エッチング処理、及び、ソルダー・レジスト
層形成処理等を経て多層プリント配線板を製造した。
【0114】この様にして得られた多層プリント配線板
についてその配線層に生じたピンクリングの幅を測定し
たところピンクリングは確認されなかった。
【0115】一方、上記内層回路板についてその銅箔を
上記黒化処理液とクエン酸処理液内に順次浸漬して銅箔
を表面処理し、かつ、これを加熱乾燥させた後、この銅
箔をパターン化することなくこれ等複数枚の内層回路板
を接着性絶縁層を介し加熱加圧して重合し、上記多層プ
リント配線板とは異なる積層体を製造した。そして、こ
れ等の積層体についてその表面処理された銅箔と接着性
絶縁層間のピール強度(接着強度)を測定したところ
0.91kg/cmの好結果を示しており、この実施例
に係る多層プリント配線板においてはその配線層と接着
性絶縁層との間の接着強度が充分であることを確認して
いる。
【0116】次に、溶融したはんだ浴槽に上記積層体を
浸漬すると共にこれを引上げた後、上記配線層と接着性
絶縁層との間の接着強度を測定したところ、0.91k
g/cmを示しはんだ処理に基づく接着強度の劣化がな
いことも確認できた。
【0117】[実施例2]実施例1と同様の黒化処理を
行い、しかる後、微細表面化処理として以下に示す酸性
処理液を用いた点を除き実施例1と同様の操作を行っ
た。
【0118】 酸性処理液の組成:H3PO4 87g/l Na3PO4・12H2O 110g/l 酸性処理液の温度:40℃ 処理時間:2分 続いて感光層の厚みが20μmの感光性ドライフィルム
を貼着し、超高圧力水銀灯を使用して、ライン・アンド
・スペース30μm/30μmの配線層パターンを一括
露光法により焼き付け、かつ、上記ドライフィルムを常
法にて現像した後、所定の銅腐食液にて湿式エッチング
処理を施して内層配線層を形成した。ドライフィルム剥
離後、走査型電子顕微鏡で観察すると、厚み18μmの
配線層の上面幅のサイズは22μm、底部の幅は30μ
mであり、極めて良好なパターン精度を示した。
【0119】尚、こうして求めた内層回路板を使用し
て、実施例1と同様に多層プリント配線板を製造した。
【0120】こうして求めた多層プリント配線板につい
てその配線層に生じたピンクリングの幅を測定したとこ
ろピンクリングは確認されなかった。
【0121】[実施例3]まず、電解法により製造され
その絶縁基板(エポキシ樹脂が含浸されたガラス繊維か
ら成る)と接する側が粗化処理された厚さ18μmの銅
箔を以下の黒化処理液内に浸漬しその光沢面側と粗化処
理面側を黒化処理した。
【0122】 黒化処理液の組成:NaOH 21g/l NaClO2 43g/l Na3PO4・12H2O 17g/l 処理液温度:95℃ 処理時間:4.5分 こうして黒化処理された銅箔面はCuOの針状結晶とみ
られる黒色を帯びていた。次に、この黒化処理された銅
箔を以下のクエン酸処理液内に浸漬しその光沢面側と粗
化処理面側を酸処理した。
【0123】 酸性処理液の組成:クエン酸 41.0g/l Na2HPO4 0.57g/l 酸性処理液のpH:約2.0 処理液温度:65℃ 処理時間:2.5分 こうして酸処理された銅箔面は赤色(Cu又はCu2
の色)を示していたが、水洗し、120℃・1時間の加
熱乾燥処理を施したところ黒色に近い灰色に変化した。
この銅箔両面を走査型電子顕微鏡で観察すると、黒化処
理直後の銅箔両面では比較的大きな針状結晶が観察され
るのに対し、微細表面化処理を施した銅箔においては針
状結晶が見られず、針状結晶よりさらに微細な凹凸面が
生成していることが確認できた。
【0124】続いて、この銅箔を上記絶縁基板(エポキ
シ樹脂が含浸されたガラス繊維から成る)と同程度の大
きさに切断し、この銅箔と絶縁基板を重合し、ベルジャ
ー内に入れかつ下記条件で積層した。
【0125】(積層条件) 雰 囲 気:真空排気後窒素ガスを導入し、50Tor
r程度に調整した。
【0126】圧 力:20kg/cm2 加圧時間:140分 加熱温度:120〜150℃、30分程度予備加熱を行
った後、180℃に設定 次に、上記絶縁基板に積層された銅箔表面(光沢面側)
に感光性ドライフィルム(日立化成工業社製 商品名H
−S940)を貼着し、ライン・アンド・スペース50
μm/50μmの配線層パターンを一括露光法により焼
き付け、かつ、上記ドライフィルムを常法にて現像した
後、所定の銅腐食液にて湿式エッチング処理を施して配
線層を形成した。ドライフィルム剥離後、走査型電子顕
微鏡で観察すると、厚み18μmの配線層の上面幅のサ
イズは38μm、底部の幅は45μmであり、エッチフ
ァクター5.1でパターン側壁が直線形状の極めて良好
なパターン精度を示した。
【0127】尚、こうして求めた内層回路板を使用し
て、実施例1と同様に多層プリント配線板を製造した。
【0128】こうして求めた多層プリント配線板につい
てピンクリングは確認されなかった。
【0129】[実施例4]電解法により製造されその絶
縁基板(エポキシ樹脂が含浸されたガラス繊維から成
る)と接する側が粗化処理されていない厚さ18μmの
銅箔を適用した点と、実施例3と同様の黒化処理を施し
た銅箔に対し下記の条件で微細表面化処理を行った点を
除き実施例3と同様の操作を行い、かつ、同様の結果を
得た。
【0130】 リン酸処理液の組成:リン酸 (リン酸濃度8.50重量%) リン酸三ナトリウム 110g/l リン酸処理液のpH:略1.62 処理液温度:40℃ 処理時間:2.0分 [実施例5]電解法により製造されその絶縁基板(エポ
キシ樹脂が含浸されたガラス繊維から成る)と接する側
が粗化処理されていない厚さ18μmの銅箔を適用した
点と、実施例3と同様の黒化処理を施した銅箔に対し下
記の条件で微細表面化処理を行った点を除き実施例3と
同様の操作を行い、かつ、同様の結果を得た。
【0131】 クエン酸処理液の組成:クエン酸 41.2g/l Na2HPO4 1.1g/l クエン酸処理液のpH:約2.30 処理液温度:65℃ 処理時間:2.5分 [実施例6]実施例1の内層回路板と同様な処理により
ベース回路板を製造した。
【0132】次に、得られたベース回路板のベース配線
層上に感光性樹脂(日本チバガイギー社製 商品名ブロ
ビマー52)を塗布し、露光・現像によりベース配線層
上のバイアホール部分の樹脂を除去して絶縁層を形成し
た。尚、この絶縁層を形成する際においても、上記ベー
ス配線層の表面には微細な凹凸が形成されているため感
光性樹脂とベース配線層表面との間に隙間が生じること
がなく、かつ、ベース配線層表面が低反射面となってい
るため加工精度良好なバイアホールを有する絶縁層を形
成することができた。
【0133】そして、この絶縁層上に、無電解めっきと
電解めっきとを施して厚さ約2μmの銅層を形成し、次
に、上記ベース回路板製造工程と同様に黒化処理及び微
細表面化処理を施した後、上記銅層をパターニングし、
上記バイアホールの部位でベース配線層に導通した中間
配線層を形成した。そして、上記感光性樹脂の塗布工程
から中間配線層のパターニング工程までを繰り返し、互
いにバイアホール部位で導通した多層の中間配線層を形
成した。
【0134】次に、これ等中間配線層の上に上記感光性
樹脂を塗布し露光・現像処理を施し、かつ、銅層を形成
した後、従来と同様にこの積層体をドリルにより孔開け
加工して直径0.35mmの貫通孔を形成し、貫通孔内壁
を塩酸酸性のパラジウム・錫水溶液で処理すると共に化
学めっきし、更に水洗・酸洗等の常套処理を施し、か
つ、従来同様のフォトレジスト層を形成した後、上記条
件で電解銅めっき処理した。
【0135】 めっき液の組成:CuSO4・5H2O 60〜70g/l H2SO4 200〜210g/l めっき温度:常温 電流密度:およそ1.8A/dm2 めっき厚み:約15μm 次に、従来同様、はんだめっき処理、フォトレジスト層
剥離処理、エッチング処理、及び、ソルダー・レジスト
層形成処理等を経て多層プリント配線板を製造した。
【0136】この様にして求めた多層プリント配線板に
ついてピンクリングは確認されなかった。
【0137】
【発明の効果】請求項1〜6に係る発明によれば、ラミ
ネート型多層プリント配線板の内層回路板製造工程やビ
ルドアップ型多層プリント配線板の内層回路板製造工程
において、露光処理時における多重反射現象が防止され
てその配線層やバイアホールのパターン精度を向上させ
ることが可能となり、また、多層化工程においても酸性
処理液の浸透を防止してハローイング現象の発生や接着
強度の低下を防止できる。更に、処理液の管理が簡便で
しかも安定した微細化処理を行うことが可能となる。
【0138】このため、高精度で高品質の多層プリント
配線板が安定して量産でき、その信頼性が飛躍的に向上
する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多層プリント配線板の内層回路板
における製造工程の工程順を示す説明図。
【図2】本発明に係る多層プリント配線板の露光工程の
様子を示す説明図。
【図3】本発明に係る多層プリント配線板の内層回路板
における製造工程の工程順を示す説明図。
【図4】ビルドアップ型多層プリント配線板の製造途上
の概略斜視図。
【図5】実施例及び比較例に係る銅張積層板の銅層の光
反射率を示すグラフ図。
【図6】超高圧力水銀灯の発光光線の相対強度を示すグ
ラフ図。
【図7】無極ランプの発光光線の相対強度を示すグラフ
図。
【図8】確認試験により求められたリン酸(85%)滴
下量(ml)とpHとの関係を示すグラフ図。
【図9】確認試験により求められた各処理液における1
N−NaOH滴下量(ml)とpHとの関係を示すグラ
フ図。
【図10】図9のグラフ図の一部拡大図。
【図11】確認試験により求められたリン酸処理液にお
けるリン酸濃度と微分値との関係を示すグラフ図。
【図12】確認試験により求められた各処理液における
CuO溶解量(g/l)とpHとの関係を示すグラフ
図。
【図13】従来例に係るビルドアップ型多層プリント配
線板の概略断面図。
【図14】従来例に係るビルドアップ型多層プリント配
線板の概略断面図。
【図15】従来例に係るラミネート型多層プリント配線
板の内層回路板製造工程の工程順を示す説明図。
【図16】従来例に係るラミネート型多層プリント配線
板の多層化工程の工程順を示す説明図。
【図17】従来例に係るビルドアップ型多層プリント配
線板の中間配線層を形成する工程の工程順を示す説明
図。
【図18】従来例に係るビルドアップ型多層プリント配
線板の最外絶縁層とスルーホールの形成工程の工程順を
示す説明図。
【図19】従来例に係る内層回路板の露光工程の様子を
示す説明図。
【図20】従来例に係るラミネート型多層プリント配線
板の製造工程途上の斜視図。
【図21】従来例に係るラミネート型多層プリント配線
板の製造工程途上の斜視図。
【図22】従来例に係るラミネート型多層プリント配線
板の製造工程途上の斜視図。
【図23】従来例に係るラミネート型多層プリント配線
板の製造工程途上の斜視図。
【図24】従来例に係るラミネート型多層プリント配線
板の製造工程途上の斜視図。
【図25】従来例に係るラミネート型多層プリント配線
板の製造工程途上の斜視図。
【図26】従来例に係るラミネート型多層プリント配線
板の製造工程途上の斜視図。
【図27】スルーホール形成後における従来の多層プリ
ント配線板の一部拡大斜視図。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 銅層 2’ ベース配線層 3 感光性レジスト層 4 遮光膜 5 透明基板 6 入射光 7 絶縁層 8 バイアホール

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板の少なくとも片面に設けられた銅
    層に感光性レジスト層を形成し、この感光性レジスト層
    をパターン化すると共に、このレジスト層から露出する
    銅層をエッチング処理して銅の内層配線層を形成する内
    層回路板製造工程と、 1枚の内層回路板若しくは接着性絶縁層を介して重合さ
    れた複数枚の内層回路板の少なくとも片面側に、接着性
    絶縁層を介し外層配線層用の金属箔単体若しくは金属箔
    を有する絶縁基板を積層する積層工程と、 得られた積層体に対しその厚み方向に沿って貫通孔を穿
    設し、かつ、この貫通孔の内壁面をメッキ処理して上記
    内層配線層同士若しくは内層配線層と上記金属箔が導通
    されるスルーホールを形成するスルーホール形成工程
    と、 上記金属箔をパターン化して外層配線層を形成する外層
    配線層形成工程とを具備する多層プリント配線板の製造
    方法において、 上記内層回路板製造工程において上記銅層の表面に対
    し、黒化処理とこれに続くリン酸系処理液若しくは有機
    酸系処理液からなる酸性処理液による微細表面化処理の
    工程を含む前処理を行い、かつ、酸素存在下で乾燥処理
    を行った後、感光性レジスト層を形成することを特徴と
    する多層プリント配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】絶縁基板の少なくとも片面に設けられた銅
    層に感光性レジスト層を形成し、この感光性レジスト層
    をパターン化すると共に、このレジスト層から露出する
    銅層をエッチング処理して銅のベース配線層を形成する
    ベース回路板製造工程と、 得られたベース回路板上に感光性絶縁層を形成し、この
    感光性絶縁層をパターン化してバイアホールを備える絶
    縁層を形成すると共に、この絶縁層上に金属被膜を形成
    しかつエッチング処理によりパターン化して中間配線層
    を形成する中間配線層形成工程と、 上記中間配線層上に感光性絶縁層を形成し、かつ、この
    感光性絶縁層をパターン化してバイアホールを備える最
    外絶縁層を形成する最外絶縁層形成工程と、 絶縁層を介して積層された上記ベース回路板と単一若し
    くは複数の中間配線層並びに最外絶縁層から成る積層体
    に対しその厚み方向に沿って貫通孔を穿設し、かつ、メ
    ッキ処理により上記最外絶縁層上に外層配線層用のメッ
    キ被膜を形成すると共に、貫通孔の内壁面に上記配線層
    同士若しくは配線層と上記メッキ被膜が導通されるスル
    ーホールを形成するスルーホール形成工程と、 上記メッキ被膜をパターン化して外層配線層を形成する
    外層配線層形成工程とを具備する多層プリント配線板の
    製造方法において、 上記ベース回路板製造工程において上記銅層の表面に対
    し、黒化処理とこれに続くリン酸系処理液若しくは有機
    酸系処理液からなる酸性処理液による微細表面化処理の
    工程を含む前処理を行い、かつ、酸素存在下で乾燥処理
    を行った後、感光性レジスト層を形成することを特徴と
    する多層プリント配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】上記乾燥処理を加熱条件下において行うこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の多層プリント配線
    板の製造方法。
  4. 【請求項4】上記酸性処理液がpH0〜3のリン酸系処
    理液から成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  5. 【請求項5】上記酸性処理液がpH0〜3のクエン酸系
    処理液から成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の多層プリント配線板の製造方法。
  6. 【請求項6】上記リン酸系処理液若しくはクエン酸系処
    理液が緩衝液であることを特徴とする請求項4又は5記
    載の多層プリント配線板の製造方法。
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