特許文献1のように、金属板材にエッチング処理を施し、あるいは電鋳により、表面に印刷パターンに対応する凹部を形成したオフセット印刷用凹版によれば、微細なパターンの凹部であっても比較的容易に形成できるので、オフセット印刷用凹版を安価で製造できる。しかし、これら方法により形成されるオフセット印刷用凹版、とくに電鋳により形成されるオフセット印刷用凹版は、形成時に内部応力が生じやすく、大きな内部応力が生じたオフセット印刷用凹版では、その全体に歪や反りが発生し平坦度が著しく低下する。このように、オフセット印刷用凹版の平坦度が低下すると、凹部への印刷対象(例えばはんだペーストや導電性インキなど)の充填を適切に行うことができず、また凹部に充填した印刷対象を適正に転写することができないため、印刷品質の低下を招く。因みに、オフセット印刷用凹版の厚み寸法を大きくすれば歪や反りの発生を抑制できるが、電鋳によるオフセット印刷用凹版の形成は、厚み寸法が大きくなるほど高価になるため、その分製造コストが上昇してしまう。
その点、特許文献2のグラビアオフセット印刷用凹版においては、凹版用ガラス(ベース層)上に導電層および金属層(パターン層)を積層しているので、金属層に内部応力が生じていたとしても、凹版用ガラスで金属層を支持して、金属層に歪や反りが生じるのを阻止し、印刷品質が低下するのを回避できる。しかし、特許文献2のグラビアオフセット印刷用凹版では、凹版用ガラス上に電解めっきを施して金属層を形成し、そのめっき成長面を印刷用凹版の表面として利用している。そのため、凹版表面の平坦度は高くなく、電解めっき後に研磨加工を施してその平坦度を向上させる必要があり、その分製造に手間を要する。加えて、凹版用ガラス上に金属層を直接積層して形成するので、反転パターン形成や電解めっきを含む印刷用凹版を製造する一連の過程において、常に破損しやすい凹版用ガラスを取り扱う必要がある。そのため、凹版用ガラスの破損を防止するために取り扱いが煩雑になるのを避けられず、その分グラビアオフセット印刷用凹版の生産性が低下してしまう。また、印刷用凹版を製造する一連の過程で凹版用ガラスが割れた場合には、凹版用ガラスと共にパターン部も破損するため、その全体を廃棄しなければならない。また、廃棄時の凹版用ガラスとパターン部の分別にも手間を要する。
本発明の目的は、ガラス板からなるベース層の取り扱いを簡便にでき、従って、生産性を向上して、その製造コストを削減できるグラビアオフセット印刷用凹版を提供することにある。
本発明の目的は、パターン層が、接着層を介してベース層に接着固定されているグラビアオフセット印刷用凹版において、接着層の全体を容易に、しかも確実に硬化させ、ベース層にパターン層を強固に接着固定することができるグラビアオフセット印刷用凹版の製造方法を提供することにある。
本発明のグラビアオフセット印刷用凹版は、所定のパターン凹部1が形成されたパターン層2と、パターン層2を支持するガラス板からなるベース層3とが積層され構成されており、パターン層2が、接着層4を介してベース層3に接着固定されていることを特徴とする。
接着層4は光硬化性樹脂で構成し、ベース層3は透光性を有するガラス板で構成する。なお、ここで言う「光硬化性樹脂」とは、紫外線あるいは可視光線の照射により硬化する樹脂を意味する。
パターン凹部1の開口面側の出隅部分に、部分円弧状の丸面部9を形成する。
パターン凹部1の底面側の入隅部分に、部分円弧状の丸面部10を形成する。
パターン層2の表面に、金属からなるコーティング層8を形成する。
パターン凹部1において対向する側壁面7・7を、パターン凹部1の底面側から開口面側に向かって上広がり状に形成する。
また、本発明は、印刷用凹版が、透光性を有するガラス板からなるベース層3と、所定のパターン凹部1が形成されたパターン層2とを備えており、パターン層2が接着層4を介してベース層3に接着固定されているグラビアオフセット印刷用凹版の製造方法を対象とする。印刷用凹版の製造方法は、光硬化性樹脂からなる接着層4をベース層3の表面に積層する工程と、接着層4上にパターン層2を積層する工程と、接着層4を露光し硬化させる工程とを含む。接着層4を露光し硬化させる工程において、ベース層3の側から硬化用光を接着層4に照射して、接着層4を硬化することを特徴とする。
パターン層2は、図3に示すように、母型11の表面に、パターン凹部1に対応するレジスト体15を有するパターンレジスト16を形成する工程と、パターンレジスト16を用いて、母型11上に電着金属を電鋳して、パターン層2となる電鋳層17を形成する工程と、母型11から電鋳層17を剥離する工程と、を含んで形成する。母型11は導電性の金属平板26を含み、該金属平板26の表面に電着金属を電鋳して電鋳層17を形成し、電鋳層17の母型面が露出するように接着層4上に積層する。なお、ここで言う「母型面」とは、電着金属が電鋳される母型11に接する側の面のことを意味する。
母型11は、図8に示すように、導電性の金属平板26と、金属平板26の表面に電解めっき、または無電解めっきにより形成された導電層27とを備える。導電層27の表面に電着金属を電鋳して電鋳層17を形成し、電鋳層17の母型面が露出するように接着層4上に積層する。
母型11は、図10に示すように、導電性の金属平板26と、該金属平板26上に積層される接着層29、および薄膜状の導電層30とを備える。図9に示すように、母型11は、ガラス板32の表面に無電解めっきにより形成された電着層33上に、電着金属を電鋳して導電層30を形成し、ガラス板32、電着層33、および導電層30が積層された状態で、導電層30上に、接着層29、および金属平板26を積層したのち、ガラス板32、および電着層33を除去して形成する。導電層30の表面に電着金属を電鋳して電鋳層17を形成し、電鋳層17の母型面が露出するように接着層4上に積層する。
パターン層2は、図11に示すように、母型11の表面に、パターン凹部1に対応するレジスト体を有するパターンレジスト16を形成する工程と、パターンレジスト16を用いて、母型11上に電着金属を電鋳して、パターン層2となる電鋳層17を形成する工程と、母型11から電鋳層17を剥離する工程と、を含んで形成する。母型11は、図11に示すように、ガラス板35と、ガラス板35の表面に無電解めっきにより形成された導電層36とを備え、該導電層36の表面に電着金属を電鋳して電鋳層17を形成し、電鋳層17の母型面が露出するように接着層4上に積層する。
接着層4を露光し硬化させる工程に先立って、図4に示すように、積層したベース層3、接着層4、およびパターン層2を、上下一対の押圧ローラ21・21の間を通過させて積層方向に押圧する。
本発明では、ガラス板からなるベース層3と、所定のパターン凹部1が形成されたパターン層2とが積層され構成されているグラビアオフセット印刷用凹版において、接着層4を介してベース層3にパターン層2を接着固定した。これによれば、別途形成したパターン層2をベース層3に接着固定できるので、グラビアオフセット印刷用凹版を製造する一連の過程において、パターン層2の接着固定時のみベース層3を取り扱うようにすることができる。これにより、凹版用ガラス(ベース層)の取り扱いが煩雑であった従来形態に比べて、ベース層3の取り扱いを簡便にでき、従って、グラビアオフセット印刷用凹版の生産性を向上して、その製造コストを削減できる。
また、本発明のグラビアオフセット印刷用凹版では、パターン層2を別途形成してベース層3に接着固定するので、例えば電鋳、エッチング、電解あるいは無電解めっきなど、種々の方法でパターン層2を形成できる。また、パターン層2を構成する材料においても、金属、樹脂、あるいは金属と樹脂の複合材などを用いることができる。従って、印刷対象の性状に最適な材料、および方法で形成したパターン層2を備えたグラビアオフセット印刷用凹版を得ることができる。
また、接着層4の溶解除去によりベース層3とパターン層2を容易に分離することができる。これにより、例えばベース層3に対するパターン層2の接着固定時に、ベース層3のみが破損した場合には、接着層4を溶解除去して両者2・3を分離して、パターン層2を再利用することができる。また、ベース層3とパターン層2の分別を容易に行える利点もある。
接着層4は光硬化性樹脂で構成し、ベース層3はガラス板で構成すると、印刷時にブランケット胴からパターン層2に作用する荷重を、樹脂からなる接着層4が有する弾性により、ベース層3に分散させた状態で伝達できる。これにより、ベース層3に対して局所的な荷重が作用するのを阻止して、ベース層3にクラックなどの破損が生じるのを防止できる。また、透光性を有するガラス板でベース層3を構成すると、接着層4を満遍なく露光して、接着層4の全体を確実に硬化させ、両者を強固に接着固定できる。例えば熱により反応して硬化する接着剤や、水分に反応して硬化する接着剤の場合、周縁から離れた中央付近の接着剤は、反応が不十分になりやすく本来の接着力が得られない場合がある。これに対して、本発明では、接着層4の全体を確実に硬化させることができるので、十分な接着力を得ることができる。
部分円弧状の丸面部9を形成してパターン凹部1の開口面側の出隅部分を丸めてあると、ドクターによる印刷対象の充填時に、ドクターの先端が出隅部分に引っ掛かり難くすることができる。従って、ドクターが接触することによる出隅部分の磨耗や破損を効果的に防止することができる。
部分円弧状の丸面部10を形成してパターン凹部1の底面側の入隅部分を丸めてあると、入隅部分に印刷対象がこびりつくのを解消して、ブランケット胴への印刷対象の転写を的確に行うことができる。また、グラビアオフセット印刷用凹版の洗浄時に、印刷対象が入隅部分に残留することなく、確実に洗浄を行うことができる。
パターン層2の表面に、金属からなるコーティング層8を形成すると、ドクターやブランケット胴が接触するパターン層2の表面の硬度を、所望の硬度に設定できる。これにより、例えばドクターより硬度の低い金属でパターン層2を形成し、ドクターより硬度の高い金属でコーティング層8を形成することにより、ブランケット胴の押圧によりパターン層2にクラックが生じるのを抑制しながら、ドクターによる傷の発生を防止できる。
パターン凹部1において対向する側壁面7・7を、パターン凹部1の底面側から開口面側に向かって上広がり状に形成すると、ドクターによるパターン凹部1への印刷対象の充填時に、印刷対象の入口部分を大きくして、充填を的確に行うことができる。また、ブランケット胴への印刷対象の転写時に、印刷対象の出口部分を大きくして、パターン凹部1内に充填された印刷対象がパターン凹部1から抜け出すのを容易化することができる。従って、印刷対象の充填、および転写を良好に行うことができるので、印刷品質を向上することができる。
本発明のグラビアオフセット印刷用凹版の製造方法では、接着層4を露光し硬化させる工程において、ベース層3の側から硬化用光を接着層4に照射して、接着層4を硬化するようにした。これによれば、ベース層3を透過した硬化用光を接着層4に照射して、接着層4を硬化できる。従って、硬化用光が他の構成部材に遮られることなく、接着層4を満遍なく露光して、接着層4の全体を確実に硬化させ、両者を強固に接着固定できる。
母型11は導電性の金属平板26を含み、該金属平板26の表面に電着金属を電鋳して電鋳層17を形成すると、電鋳層17の母型面を、金属平板26の表面と同一の平坦度および表面粗度を有するものとすることができる。従って、金属平板26の表面の状態を調整することにより、電鋳層17の母型面を所望の平坦度および表面粗度に設定できる。この電鋳層17の母型面が露出するように接着層4上に積層することにより、パターン層2の表面が所望の平坦度および表面粗度に設定されたグラビアオフセット印刷用凹版を得ることができる。
母型11は導電性の金属平板26と、該金属平板26の表面に電解めっき、または無電解めっきにより形成された導電層27とを備え、導電層27の表面に電着金属を電鋳して電鋳層17を形成した。このように、電解めっき、または無電解めっきにより形成された導電層27によれば、その表面を容易に鏡面状にして表面粗度を小さくできる。従って、金属平板26の表面に電着金属を電着する場合に比べて、電鋳層17の母型面の表面粗度をより良好に形成できる。この電鋳層17の母型面が露出するように接着層4上に積層することにより、より良好な表面粗度のパターン層2を備えたグラビアオフセット印刷用凹版を得ることができる。因みに、金属平板26の表面を鏡面状に研磨することで、同等の表面粗度を得られるが、研磨に要する費用や手間がかかるため、印刷用凹版の製造コストが増加してしまう。
母型11は、導電性の金属平板26と、該金属平板26上に積層される接着層29および薄膜状の導電層30とを備え、導電層30の表面に電着金属を電鋳して電鋳層17を形成した。母型11は、ガラス板32の表面に無電解めっきにより形成された電着層33上に、電着金属を電鋳して導電層30を形成し、ガラス板32、電着層33、および導電層30が積層された状態で、導電層30上に、接着層29、および金属平板26を積層したのち、ガラス板32、および電着層33を除去して形成した。このように、ガラス板32の電着層33上に電鋳して形成した導電層30によれば、平坦度が高く、表面粗度の小さな導電層30とすることができる。また、接着層29で導電層30を金属平板26に接着固定することにより、導電層30を金属平板26で支持して導電層30に歪や反りが発生するのを防止できる。以上より、導電層30の表面に電着金属を電鋳して電鋳層17を形成することにより、金属平板26、または金属平板26上の導電層27の表面に電着金属を電鋳する場合に比べて、電鋳層17の母型面の平坦度および表面粗度をさらに良好に形成できる。この電鋳層17の母型面が露出するように接着層4上に積層することにより、より良好な平坦度および表面粗度のパターン層2を備えたグラビアオフセット印刷用凹版を得ることができる。
母型11はガラス板35と、ガラス板35の表面に無電解めっきにより形成された導電層36とを備え、該導電層36の表面に電着金属を電鋳して電鋳層17を形成した。このように、ガラス板35の表面に無電解めっきにより形成された導電層36によれば、平坦度が高く、表面粗度の小さな導電層36とすることができる。従って、導電層36の表面に電着金属を電鋳して電鋳層17を形成することにより、金属平板26、または金属平板26上の導電層27の表面に電着金属を電鋳する場合に比べて、電鋳層17の母型面の平坦度および表面粗度をさらに良好に形成できる。この電鋳層17の母型面が露出するように接着層4上に積層することにより、さらに良好な平坦度および表面粗度のパターン層2を備えたグラビアオフセット印刷用凹版を得ることができる。
接着層4を露光し硬化させる工程に先立って、積層したベース層3、接着層4、およびパターン層2を、上下一対の押圧ローラ21・21の間を通過させて積層方向に押圧すると、パターン層2の厚み寸法のばらつきを接着層4で吸収して、各層2・3・4を積層した時の合計の厚み寸法を全体で均一にできる。これにより、パターン層2の表面の平坦度を、ガラス板からなるベース層3の平坦度に近づけることができ、従って、平坦度の高いグラビアオフセット印刷用凹版を得ることができる。
(第1実施形態) 図1から図4に、本発明に係るグラビアオフセット印刷用凹版とその製造方法の第1実施形態を示す。図1、図2に示すようにグラビアオフセット印刷用凹版は、所定のパターン凹部1が形成されたパターン層2と、パターン層2を支持するベース層3で構成される。本実施形態におけるパターン層2は電鋳により形成されており、パターン凹部1は一群の直線溝を平行に整列させた状態で形成されている(図2参照)。ベース層3は、透光性を有するガラス板で形成される。
パターン層2は、接着層4を介してベース層3に接着固定されており、電鋳時の母型面(後述する電鋳層17の形成時に、電着金属が析出を開始する析出開始面のことをいい、電鋳層17の形成終了時に母型11の表面に接する側の面である。)が表面に露出するように積層される。接着層4は光硬化性樹脂で構成されており、ベース層3上に、接着層4、次いでパターン層2を積層したのち、紫外線光(硬化用光)を照射することにより、ベース層3にパターン層2が接着固定される。本実施形態における接着層4は、フィルム状の光硬化型のソルダーレジストで構成した。なお、接着層4は、例えば硬化後の鉛筆硬度が2H〜6Hの光硬化性樹脂で構成することが好ましく、これにより、接着層4のパターン層2およびベース層3へ対する密着性が向上する。接着層4はソルダーレジスト以外に、例えば感光性フォトレジストなどで構成することができる。
上記のように、接着層4は光硬化性樹脂で構成すると、印刷時にブランケット胴からパターン層2に作用する荷重を、樹脂からなる接着層4が有する弾性により、ベース層3に分散させた状態で伝達できる。これにより、ベース層3に対して局所的な荷重が作用するのを阻止して、ベース層3にクラックなどの破損が生じるのを防止できる。
パターン凹部1内を含むパターン層2の表面には、図1に示すように、クロムからなるコーティング層8が電解めっきにより形成されている。コーティング層8を電解めっきにより形成することにより、入隅部分はめっき厚が平面部分よりも厚くめっきされ、逆に出隅部分はめっき厚が平面部分よりも薄くめっきされる。これにより、図1に示すように、パターン凹部1の開口面側の出隅部分には部分円弧状の丸面部9が形成され、パターン凹部1の底面側の入隅部分には部分円弧状の丸面部10が形成される。このように、パターン凹部1の開口面側の出隅部分に部分円弧状の丸面部9を形成して丸めてあると、ドクターによる印刷対象の充填時に、ドクターの先端が出隅部分に引っ掛かり難くすることができる。従って、ドクターが接触することによる出隅部分の磨耗や破損を効果的に防止することができる。加えて、パターン凹部1の底面側の入隅部分に部分円弧状の丸面部10を形成しで丸めてあると、入隅部分に印刷対象がこびりつくのを解消して、ブランケット胴への印刷対象の転写を的確に行うことができる。また、グラビアオフセット印刷用凹版の洗浄時に、印刷対象が入隅部分に残留することなく、確実に洗浄を行うことができる。
上記のように、パターン層2の表面にクロムなどの金属からなるコーティング層8を形成すると、ドクターやブランケット胴が接触するパターン層2の表面の硬度を、所望の硬度に設定できる。これにより、例えばドクターより硬度の低い金属でパターン層2を形成し、ドクターより硬度の高い金属でコーティング層8を形成することにより、ブランケット胴の押圧によりパターン層2にクラックが生じるのを抑制しながら、ドクターによる傷の発生を防止できる。
パターン凹部1において対向する側壁面7・7は、パターン凹部1の底面側から開口面側に向かって上広がり状に形成されている。このように、側壁面7・7を上広がり状に形成すると、ドクターによるパターン凹部1への印刷対象の充填時に、印刷対象の入口部分を大きくして、充填を的確に行うことができる。また、ブランケット胴への印刷対象の転写時に、印刷対象の出口部分を大きくして、パターン凹部1内に充填された印刷対象がパターン凹部1から抜け出すのを容易化することができる。従って、印刷対象の充填、および転写を良好に行うことができるので、印刷品質を向上することができる。ここで言う、印刷対象とは、例えばはんだペースト、クリームはんだ、液状はんだ、導電性インキなどを挙げることができる。
図3、図4に本実施形態に係るグラビアオフセット印刷用凹版の製造方法を示す。まず、パターン層2を形成するが、図3(a)に示すように、母型11は導電性を有するステンレス製の金属平板26で構成されており、母型11の表面にフォトレジスト層12を形成する。このフォトレジスト層12は、ネガタイプの感光性ドライフォトレジストを、所定の高さに合わせて一枚ないし数枚ラミネートして熱圧着により形成した。次いで、フォトレジスト層12の上に、パターン凹部1に対応する透光孔13を有するパターンフィルム(ガラスマスク)14を密着させたのち、紫外線光ランプで紫外線光を照射して露光を行った。ここでは、紫外線光ランプから拡散光を照射することにより、フォトレジスト層12に対して下広がりのテーパー状に露光を行った。次いで、現像、乾燥の各処理を行って、未露光部分を溶解除去することにより、図3(b)に示すように、台形状のレジスト体15を有するパターンレジスト16を母型11上に形成した。
続いて、パターンレジスト16を形成した母型11を所定の条件に建浴した電鋳槽に入れ、図3(c)に示すように、先のレジスト体15で覆われていない母型11の表面にニッケルからなる電着金属を電鋳して、パターン層2に相当する電鋳層17を形成した。ここでは、パターンレジスト16の高さ寸法を超えるように電鋳して、電鋳層17を形成した。最後に、図3(d)に示すように、電鋳層17より母型11の剥離とパターンレジスト16の除去をすることによって、一群の溝(パターン凹部1)を有するパターン層2を得た。このように、金属平板26の表面に電着金属を電鋳して電鋳層17を形成すると、電鋳層17の母型面を、金属平板26の表面と同一の平坦度および表面粗度を有するものとすることができる。従って、金属平板26の表面の状態を調整することにより、電鋳層17の母型面を所望の平坦度および表面粗度に設定できる。
次いで、接着層4を介してベース層3に上記のパターン層2を接着固定する。接着層4は、フィルム状の光硬化型のソルダーレジストを、所定の高さに合わせて一枚ないし数枚ラミネートして熱圧着により形成した。まず、ベース層3のサイズに合わせてカットした接着層4をベース層3に重ね合わせ、これを図4(a)に示すように上下一対の圧着ローラ19・19の間を通過させて、接着層4をベース層3に積層した。一対の圧着ローラ19・19の対向隙間は、ベース層3と接着層4の合計の厚み寸法よりも僅かに小さく設定してあり、接着層4をベース層3に圧接して積層する。なお、一対の圧着ローラ19・19はそれぞれヒーター20を備えており、熱を加えながら圧接できるようになっている。接着層4を積層したベース層3は、一対の圧着ローラ19・19間を複数回通過させることが好ましく、これにより、厚み寸法のばらつきを低減し、全体の厚み寸法を略均一にすることができる。
続いて、接着層4上に電鋳層17が母型に接していた母型面、すなわち、パターン凹部1が形成されている側の面が露出するようにパターン層2を重ね合わせ、これを図4(b)に示すように上下一対の押圧ローラ21・21の間を通過させて積層方向に押圧した。一対の押圧ローラ21・21の対向隙間は、ベース層3、接着層4、およびパターン層2の合計の厚み寸法よりも僅かに小さく設定してあり、ベース層3、接着層4、パターン層2の3者を圧接して積層する。なお、一対の押圧ローラ21・21はそれぞれヒーター22を備えており、熱を加えながら圧接できるようになっている。このように、接着層4に対する露光に先立って、積層したベース層3、接着層4、およびパターン層2を、上下一対の押圧ローラ21・21の間を通過させて積層方向に押圧すると、パターン層2の厚み寸法のばらつきを接着層4で吸収して、各層2・3・4を積層した時の合計の厚み寸法を全体で均一にできる。これにより、パターン層2の表面の平坦度を、ガラス板からなるベース層3の平坦度に近づけることができ、従って、平坦度の高いグラビアオフセット印刷用凹版を得ることができる。一対の押圧ローラ21・21による積層方向への押圧は、複数回行うことが好ましい。これにより、全体の厚み寸法をより均一にすることができ、パターン層2の平坦度をさらに向上することができる。
次いで、図4(c)に示すようにパターン層2から食み出ている不要な接着層4部分を除去し、ベース層3の露出面、すなわちベース層3の下面側から紫外線光ランプで紫外線光(硬化用光)を照射し、光硬化型のソルダーレジストからなる接着層4を硬化した。これにより、ベース層3にパターン層2が接着固定される。このように、ベース層3を透過した紫外線光を接着層4に照射して、接着層4を硬化できるので、紫外線光が他の構成部材に遮られることなく、接着層4を満遍なく露光して、接着層4の全体を確実に硬化させ、両者を強固に接着固定できる。最後に、電解めっきによりパターン層2の表面にクロムからなるコーティング層8を形成した。以上により、パターン層2が、接着層4を介してベース層3に接着固定されているグラビアオフセット印刷用凹版を得た。
以上のように、第1実施形態のグラビアオフセット印刷用凹版によれば、別途形成したパターン層2をベース層3に接着固定できるので、グラビアオフセット印刷用凹版を製造する一連の過程において、パターン層2の接着固定時のみベース層3を取り扱うようにすることができる。これにより、凹版用ガラス(ベース層)の取り扱いが煩雑であった従来形態に比べて、ベース層3の取り扱いを簡便にでき、従って、グラビアオフセット印刷用凹版の生産性を向上して、その製造コストを削減できる。
また、溶剤を用いて接着層4を溶解除去することによりベース層3とパターン層2を容易に分離することができる。これにより、例えばベース層3に対するパターン層2の接着固定時に、ベース層3のみが破損した場合には、両者2・3を分離してパターン層2を再利用することができる。また、グラビアオフセット印刷用凹版の繰り返しの使用によってパターン層2が破損した場合でも、破損したパターン層2を新規なパターン層2に取り替えることにより、ベース層3を再利用することができる。接着層4の溶解除去により、ベース層3とパターン層2の分別を容易に行える利点もある。
(第2実施形態) 図5および図6に、本発明に係るグラビアオフセット印刷用凹版とその製造方法の第2実施形態を示す。図5に示すように、本実施形態では、一群の溝に替えて、一群のスリットをパターン層2に形成する点が先の第1実施形態と異なる。これにより、コーティング層8が形成されていない状態のパターン凹部1の底面には、接着層4が露出している。
本実施形態のパターン層2は、第1実施形態の製造方法と同様にして、台形状のレジスト体15を有するパターンレジスト16を母型11上に形成するが、図6(c)に示すように、母型11の表面にニッケルからなる電着金属を電鋳する際に、パターンレジスト16の高さ寸法を超えないように電鋳して、電鋳層17を形成した点が、先の第1実施形態の製造方法と異なる。これにより、図6(d)に示すように、電鋳層17より母型11の剥離とパターンレジスト16の除去をすることによって、一群のスリット(パターン凹部1)を有するパターン層2を得た。本実施形態のグラビアオフセット印刷用凹版によれば、パターン層2の厚み寸法を薄くでき、従って、グラビアオフセット印刷用凹版を薄型化できる。他は第1実施形態と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施形態においても同じとする。
(第3実施形態) 図7に、本発明に係るグラビアオフセット印刷用凹版とその製造方法の第3実施形態を示す。本実施形態では、パターン凹部1における対向する側壁面7・7を平行に形成した点が先の第1実施形態と異なる。本実施形態のパターン層2は、パターンレジスト16を形成する際に、紫外線光ランプから平行光を照射することにより、長方形状のレジスト体15を有するパターンレジスト16を母型11上に形成した。次いで、母型11の表面にニッケルからなる電着金属を電鋳して、パターン層2に相当する電鋳層17を形成し、母型11より電鋳層17とパターンレジスト16を剥離することによって、側壁面7・7が平行なパターン層2を得た。このように、対向する側壁面7・7は上広がり状である必要はなく、本実施形態のように平行に形成してもよく、また、下窄まり状に形成することもできる。
(第4実施形態) 図8に、本発明に係るグラビアオフセット印刷用凹版とその製造方法の第4実施形態を示す。本実施形態では、パターン層2を形成する際の母型11の構成が先の第1実施形態と異なる。
図8(a)に示すように、母型11は、導電性を有するステンレス製の金属平板26と、金属平板26の表面に形成されたニッケルからなる導電層27とで構成されており、導電層27は、電解めっきにより形成される。導電層27の表面には剥離処理が施してある。まず、母型11の表面にフォトレジスト層12を形成し、次いで、フォトレジスト層12の上に、パターン凹部1に対応する透光孔13を有するパターンフィルム14を密着させたのち、紫外線光ランプで紫外線光を照射して露光を行った。次いで、現像、乾燥の各処理を行って、未露光部分を溶解除去することにより、図8(b)に示すように、台形状のレジスト体15を有するパターンレジスト16を母型11上に形成した。
続いて、パターンレジスト16を形成した母型11を所定の条件に建浴した電鋳槽に入れ、図8(c)に示すように、先のレジスト体15で覆われていない母型11の導電層27の表面にニッケルからなる電着金属を電鋳して、パターン層2に相当する電鋳層17を形成した。ここでは、パターンレジスト16の高さ寸法を超えるように電鋳して、電鋳層17を形成した。最後に、図8(d)に示すように、電鋳層17より母型11の剥離とパターンレジスト16の除去をすることによって、一群の溝(パターン凹部1)を有するパターン層2を得た。
上記のように本実施形態の電鋳層17(パターン層2)においては、母型11の導電層27の表面に電着金属を電鋳して形成した。このように、電解めっきにより形成された導電層27によれば、その表面を容易に鏡面状にして表面粗度を小さくできる。従って、金属平板26の表面に電着金属を電着する場合に比べて、電鋳層17の母型面の表面粗度をより良好に形成できる。
(第5実施形態) 図9および図10に、本発明に係るグラビアオフセット印刷用凹版とその製造方法の第5実施形態を示す。本実施形態では、パターン層2を形成する際の母型11の構成が上記の各実施形態と異なる。図10(a)に示すように、母型11は、導電性を有するステンレス製の金属平板26と、金属平板26上に積層される接着層29および薄膜状の導電層30とで構成される。本実施形態の母型11は以下の方法で形成される。まず、図9(a)に示すように、ガラス板32の表面に無電解めっきによりチタン、ニッケル、またはクロムからなる電着層33を形成し、さらに、図9(b)に示すように、電着層33の表面にニッケルからなる電着金属を電鋳して、導電層30を形成した。続いて、図9(c)に示すように、導電層30上に接着剤からなる接着層29および金属平板26を積層し、接着層29を硬化させて固定した。最後に、ガラス板32および電着層33を剥離し、導電層30の表面に剥離処理を施すことにより、母型11を得た。
図10(a)に示すように、まず、母型11の表面にフォトレジスト層12を形成し、次いで、フォトレジスト層12の上に、パターン凹部1に対応する透光孔13を有するパターンフィルム14を密着させたのち、紫外線光ランプで紫外線光を照射して露光を行った。次いで、現像、乾燥の各処理を行って、未露光部分を溶解除去することにより、図10(b)に示すように、台形状のレジスト体15を有するパターンレジスト16を母型11上に形成した。
続いて、パターンレジスト16を形成した母型11を所定の条件に建浴した電鋳槽に入れ、図10(c)に示すように、先のレジスト体15で覆われていない母型11の導電層30の表面にニッケルからなる電着金属を電鋳して、パターン層2に相当する電鋳層17を形成した。ここでは、パターンレジスト16の高さ寸法を超えるように電鋳して、電鋳層17を形成した。最後に、図10(d)に示すように、電鋳層17より母型11の剥離とパターンレジスト16の除去をすることによって、一群の溝(パターン凹部1)を有するパターン層2を得た。
上記のように本実施形態の電鋳層17(パターン層2)においては、母型11の導電層30の表面に電着金属を電鋳して形成したので、金属平板26、または金属平板26上の導電層27の表面に電着金属を電鋳する場合に比べて、電鋳層17の母型面の平坦度および表面粗度をさらに良好に形成できる。
(第6実施形態) 図11に、本発明に係るグラビアオフセット印刷用凹版とその製造方法の第6実施形態を示す。本実施形態では、パターン層2を形成する際の母型11の構成が上記の各実施形態と異なる。
母型11は、ガラス板35と、ガラス板35の表面に形成されたクロムからなる導電層36とで構成されており、導電層36は無電解めっきにより形成される。導電層36の表面には剥離処理が施してある。まず、図11(a)に示すように、母型11の表面にフォトレジスト層12を形成し、次いで、フォトレジスト層12の上に、パターン凹部1に対応する透光孔13を有するパターンフィルム14を密着させたのち、紫外線光ランプで紫外線光を照射して露光を行った。次いで、現像、乾燥の各処理を行って、未露光部分を溶解除去することにより、図11(b)に示すように、台形状のレジスト体15を有するパターンレジスト16を母型11上に形成した。
続いて、パターンレジスト16を形成した母型11を所定の条件に建浴した電鋳槽に入れ、図11(c)に示すように、先のレジスト体15で覆われていない母型11の導電層36の表面にニッケルからなる電着金属を電鋳して、パターン層2に相当する電鋳層17を形成した。ここでは、パターンレジスト16の高さ寸法を超えるように電鋳して、電鋳層17を形成した。最後に、図11(d)に示すように、電鋳層17より母型11の剥離とパターンレジスト16の除去をすることによって、一群の溝(パターン凹部1)を有するパターン層2を得た。
上記のように本実施形態の電鋳層17(パターン層2)においては、ガラス板35の表面に無電解めっきにより形成された導電層36の表面に電着金属を電鋳して形成した。これにより、金属平板26、または金属平板26上の導電層27の表面に電着金属を電鋳する場合に比べて、電鋳層17の母型面の平坦度および表面粗度をさらに良好に形成できる。
(第7実施形態) 図12に、本発明に係るグラビアオフセット印刷用凹版とその製造方法の第7実施形態を示す。本実施形態では、まず、図12(a)に示すように、母型11は導電性を有するステンレス製の金属平板26で構成されており、母型11の表面にフォトレジスト層12を形成する。このフォトレジスト層12は、ネガタイプの感光性ドライフォトレジストを、所定の高さに合わせて一枚ないし数枚ラミネートして熱圧着により形成した。次いで、フォトレジスト層12の上に、パターン凹部1の反転形状に対応する透光孔13を有するパターンフィルム(ガラスマスク)14を密着させたのち、紫外線光ランプで紫外線光を照射して露光を行い、フォトレジスト層12に対して下窄まりのテーパー状に露光を行った。次いで、現像、乾燥の各処理を行って、未露光部分を溶解除去することにより、図12(b)に示すように、逆台形状のレジスト体15を有するパターンレジスト16を母型11上に形成した。
続いて、パターンレジスト16を形成した母型11を所定の条件に建浴した電鋳槽に入れ、図12(c)に示すように、先のレジスト体15で覆われていない母型11の表面にニッケルからなる電着金属を電鋳(1次電鋳)して、パターン凹部1に対応するダミーパターン体40を形成した。ダミーパターン体40を形成した後、母型11からパターンレジスト16を除去し、金属平板26およびダミーパターン体40の表面に剥離処理を施した。
続いて、ダミーパターン体40を形成した母型11を所定の条件に建浴した電鋳槽に入れ、図12(d)に示すように、ダミーパターン体40で覆われていない母型11の表面にニッケルからなる電着金属を電鋳(2次電鋳)して、パターン層2に相当する電鋳層17を形成した。ここでは、ダミーパターン体40の高さ寸法を超えるように電鋳して、電鋳層17を形成した。最後に、図12(e)に示すように、電鋳層17よりダミーパターン体40と母型11を一体で剥離することによって、一群の溝(パターン凹部1)を有するパターン層2を得た。なお、本実施形態においては、第1実施形態と同様の母型11を用いたが、第4から第6実施形態に示した母型11を用いてもよい。
上記のように、母型11にパターン凹部1に対応するダミーパターン体40を電鋳により形成すると、電鋳層17よりダミーパターン体40と母型11を一体で剥離することができる。これにより、剥離したダミーパターン体40と母型11に剥離処理を施したのち、再度電鋳層17を形成することができ、従って、上記各実施形態のように、電鋳層17を電鋳する都度パターンレジスト16を形成する必要がなく、パターン層2の形成を容易に行うことができる。
(第8実施形態) 図13に、本発明に係るグラビアオフセット印刷用凹版とその製造方法の第8実施形態を示す。本実施形態では、コーティング層8を廃した点が先の第1実施形態と異なる。本実施形態においても、パターン凹部1の出隅部分と入隅部分に丸面部9および丸面部10が設けられている。丸面部9および丸面部10は、接着層4を介してパターン層2をベース層3に接着固定したのち、非処理部位に保護膜を設けたパターン層2にエッチング処理を施して形成する。このように、コーティング層8を省略した場合でも、パターン層2に丸面部9および丸面部10を形成することで、出隅部分にドクターの先端が引っ掛かり難くすることができ、入隅部分に印刷対象がこびりつくのを解消できる。なお、丸面部9および丸面部10の形成はエッチング処理以外に、パターン層2に電解研磨を施すことにより形成してもよく、また、丸面部9および丸面部10は、パターン層2をベース層3に接着固定する前に形成してもよい。なお、本実施形態のパターン層2の表面状態(平坦度および表面粗度)は、電鋳層17を形成する際の母型11によって異なり、所望する表面状態に応じて製造時の母型11を選択すればよい。
上記の各実施形態では、パターン層2はニッケルからなる電着金属を電鋳して形成したが、電着金属はニッケルに限らず、ニッケル合金など電鋳が可能な素材に変更することができる。ニッケル合金として、例えばニッケル−コバルト合金を採用することで、電鋳時の内部応力を低減してパターン層2全体の反りを抑制することができる。また、パターン層2となる電鋳層17は、異なる素材で複数回電鋳を行って積層構造の電鋳層17としてもよい。例えばクロム、チタン、またはニッケル−リンからなる1層目を形成後、ニッケル、またはニッケル−コバルトからなる2層目を形成する。この場合には、硬度の高い素材で表面側の層(1層目)を形成するのでコーティング層8を省略した場合でも、パターン層2の表面の硬度を高く設定できる。従って、パターン凹部1の幅や径が小さく、コーティング層8を形成することが困難なパターン層2の場合に有効である。また、パターン層2は、金属以外に樹脂あるいは、金属と樹脂の複合材であってもよい。パターン層2を樹脂で形成する場合には、フォトリソグラフィあるいはエッチングなど製造方法で所定のパターン凹部1が形成されたパターン層2を得ることができる。パターン層2は電鋳以外にエッチングにより形成することができる。
さらに、コーティング層8は、蒸着、スパッタリング、または無電解めっきで形成してもよく、また、その素材も各実施形態に記載されたものに限られない。剥離処理は、母型11(導電層27、導電層30、導電層36)の表面に施されているが、パターンレジスト16形成後に、母型11(導電層27、導電層30、導電層36)及びレジスト体15の表面に施すようにしても良い。接着層4は、ロール状に巻上げたフィルム状の光硬化型ソルダーレジストから先端部分を繰り出して積層し、積層後にベース層3に合わせてカットしてもよい。接着層4は、一液性や二液性の乾燥型接着剤、あるいは基材シートの両面に粘着層を形成した両面テープであってもよい。