JP4671255B2 - 電鋳製メタルマスクの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば各種電子部品等を実装する配線パターンプリント基板や半導体ウェハー等の被印刷体上に、半田ペーストなどの印刷物をスクリーン印刷する際に使用される電鋳製メタルマスクと、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる印刷用のメタルマスク1において、マスク本体にスキージ面側から印刷面に向かって下広がりテーパー状の多数の通孔をエッチング加工により形成することが、特開平3−75192号公報に公知である。これによれば、図9に示すごとくプリント基板などの被印刷体5にメタルマスク1を押し付け、メタルマスク1のスキージ面3にクリーム半田ペーストなど(以下、印刷ペーストPという)をのせ、スキージSで印刷ペーストPを各通孔2内に順にスキージングして充填し、被印刷体5からメタルマスク1を離して被印刷体5上に印刷ペーストPを転写させるようになっている。この際、先の通孔2がストレート状になっていると、被印刷体5からメタルマスク1を離すときに、版離れ性が悪く、被印刷体5上に移転付着させた印刷ペーストPが型崩れを起こし、形状が不安定になる。そこで先の従来例では各通孔2を印刷面4側に向かって下広がりテーパー状に形成して、版離れ性を良好なものとしている。
【0003】
しかし前出の従来例は、各通孔2をエッチング加工で形成するものであり、通孔2これ自体が高精度に仕上がらず、通孔2の内周面が微細なギザギザ面に形成されているので、印刷ペーストPが通孔2の内周面に食い付いて版離れ性に依然として問題がある。エッチング加工によるときは、生産性も悪い。
【0004】
そこで版離れ性を確保する観点から、メタルマスクを電鋳で製造することが公知である。そこでは、まず図10(A)に示すごとく電鋳母型10の表面にフォトレジスト層11を形成し、図10(B)に示すごとくフォトレジスト層11の上に、パターンフィルム12を配置して露光・現像処理し、図10(C)に示すごとく電鋳母型10上に所望パターンのパターンレジスト膜13を形成する。次いで、図10(D)に示すごとく電鋳母型10のパターンレジスト膜13で覆われていない表面に電着金属17を電着したのち、図10(E)に示すごとく電着金属17の表面を機械的研磨や電解研磨によって研磨する。最後に、図10(F)に示すごとく電着金属17を電鋳母型10から剥離し、パターンレジスト膜13を除去することにより、所望パターンの通孔2を有する製品メタルマスク1を得ている。
【0005】
かくして得たメタルマスク1の通孔2の断面形状は、通常は電鋳母型面側1aの孔径が小さく、電鋳面側1bの孔径が大きいテーパー状に形成される。これは、フォトレジスト層11の表面層から下層へ行くほど指数関数的に紫外光線が吸収される結果、電鋳母型10に面する側にまで光線が充分に達しにくいことに因る。このような通孔2のテーパー状化の傾向は紫外線透過率の小さいフォトレジストを使用するほど顕著に現れる。
【0006】
そこで、かかる電鋳製メタルマスク1を用いて印刷するに際しては、先の図9に示すごとくメタルマスク1を上下反転させて、その電鋳面側1bを印刷面4にして被印刷体5の上に密着させ、メタルマスク1の電鋳母型面側1aをスキージ面3にしてこの上に印刷ペーストPをのせ、スキージSをかけて印刷ペーストPを通孔2内に充填する。このようにメタルマスク1を上下反転させて使用するのは、前述したように通孔2の電鋳面側1bすなわち印刷面4側の孔径の方が大きくなるようにすると、被印刷体5への印刷ペーストPの版離れ性が良好になるからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のように印刷ペーストPの版離れ性のみを主眼としてメタルマスク1を上下反転させて印刷すると、メタルマスク1の電鋳面側1bとなる印刷面4は表面研磨しても、電鋳母型面側1aとなるスキージ面3ほどの平滑面を得ることができない。そのため、被印刷体5の表面との密着性が悪く、またメタルマスク1の通孔パターンの粗密の差などにより電鋳時におけるマスク厚の差が生じている場合、印刷時にかすれやにじみが生じるため、きれいに印刷できない。
【0008】
そこで本発明の目的は、通孔の断面形状に工夫を凝らすことにより、印刷ペーストの版離れ性を確保しながら、被印刷体への密着性に優れて高精度の印刷を可能にする電鋳製メタルマスクを提供することにある。本発明の目的は、このような印刷ペーストの版離れ性、印刷精度に優れる電鋳製メタルマスクを容易に得ることができるメタルマスクの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電鋳製メタルマスクは、図1に示すごとく、電着金属17からなるマスク本体に多数の通孔2が内外貫通状に透設され、各通孔2が、ストレート状に形成されたスキージ面3側の径小孔部2aと、この径小孔部2aにつながる接続部分2bを介して径小孔部2aよりも孔径が大きいベルボトム状に形成された印刷面4側の径大孔部2cとを有する断面形状になっている。ここで径小孔部2aがストレート状とは、完全なストレート状に限られず、若干の下すぼまり状のストレート、および若干の上すぼまり状のストレートをも含む概念である。接続部分2bは、印刷面4側に向かって先広がり状になっていることを意味し、先広がりのテーパー状というも同義語である。径大孔部2cは、印刷面4側に向かって全体的に先広がりテーパー状になっていてもよく、その限りにおいてベルボトム状とはドーム状と言い換えても本発明に包含される概念である。また、径大孔部2cは、印刷面4に近い部分がストレート状になっていてもよい。なお、電着金属17の電鋳は、ニッケル、銅、ニッケル−コバルト合金その他のニッケル合金等で行うことができる。
【0010】
また、電着金属17からなるマスク本体の印刷面4において、各通孔2まわりに環状鍔21が一体に突設されたものとなっている。そして、マスク本体が高硬度の電着金属で形成され、環状鍔21が低硬度の電着金属で形成されている。
【0013】
請求項記載の本発明は、電着金属17からなるマスク本体に多数の通孔2が独立して設けられた電鋳製メタルマスクの製造方法において、図4(A)に示すごとく電鋳母型10の表面に第1フォトレジスト層11aと第2フォトレジスト層11bとを順に積層し、その際に第1フォトレジスト層11aの露光感度を第2フォトレジスト層11bのそれよりも高くしてあるレジスト積層工程と、図4(B)に示すごとく第2フォトレジスト層11bの上にパターンフィルム12を配置して露光・現像処理して、図4(C)に示すごとく電鋳母型10の表面に、各通孔2に相当する、上すぼまり形状に形成された第1レジスト部16と、第1レジスト部16の上端に連続してストレート状に形成された第2レジスト部15とからなる多数のレジスト体13aを独立して有するパターンレジスト膜13を設けるパターンニング工程と、図5(A)・(B)に示すごとく電鋳母型10のパターンレジスト膜13で覆われていない表面に、薄肉の一次電着層17aと、一次電着層17a上にこれよりも硬度の高い厚肉の二次電着層17bとからなる電着金属17を二段階にわたって順に電着する電鋳工程と、図5(C)に示すごとく電鋳母型10から電着金属17を剥離する剥離工程と、前記剥離工程の前または後にパターンレジスト膜13を除去する工程とを経て、多数の通孔2がパターンレジスト膜13の除去により内外貫通状に透設された電鋳製メタルマスクの中間成形品1Aをつくる。続いて、図5(D)に示すごとく中間成形品1Aの電着金属17の電鋳母型面側1aに、各通孔2を含むこれの外周囲のみを塞ぐエッチング用のパターンレジスト19を接合する工程と、図5(E)に示すごとく中間成形品1Aの一次電着層17aをエッチングで除去する工程と、エッチング用のパターンレジスト19を除去する工程とを経る。かくして各通孔2は、図1に示すごとく電着金属17の電鋳面側1bであるマスク本体のスキージ面3側が、第2レジスト部15の除去に伴い、ストレート状に形成された径小孔部2aと、電着金属17の電鋳母型面側1aであるマスク本体の印刷面4側が、第1レジスト部16の除去に伴い、径小孔部2aにつながる接続部分2bを介して径小孔部2aよりも孔径が大きいベルボトム状に形成された径大孔部2cとを有する断面形状になっており、電着金属17からなるマスク本体の印刷面4には、各通孔2まわりに一次電着層17aによる環状鍔21が一体に突設されていることを特徴とする。
【0014】
請求項記載の本発明は、請求項記載のメタルマスクの製造方法において、第1フォトレジスト層11aの露光感度が、第2フォトレジスト層11bのそれよりも3〜30倍高く設定されたものを用いている。ここで、第1フォトレジスト層11aの露光感度を第2フォトレジスト層11bのそれよりも3倍以上としたのは、これを下回ると各通孔2の径大孔部2cが径小孔部2aよりも径大化せず、印刷面4に向かって下すぼまり状になるおそれがあるからである。また、第1フォトレジスト層11aの露光感度を第2フォトレジスト層11bのそれよりも30倍以下としたのは、これを上回ると径大孔部2cが下広がり状に開拡し過ぎることになり、とくに印刷面4に臨む径大孔部2cの開口周縁の仕上がり精度が確保できなくなるとともに、スキージング時に径小孔部2aからの印刷ペーストPが径大孔部2cに充填し切れず、被印刷体5上の転写ペーストの形状が不安定化するからである。
【0015】
請求項記載の本発明は、請求項または記載のメタルマスクの製造方法において、一次電着層17aが低硬度ニッケル層であって、二次電着層17bが高硬度ニッケル層になっている。高硬度ニッケルの二次電着層17bは、硬度が高いので、これによって形成される厚肉のメタル本体部分の全体強度をよく確保でき、低硬度ニッケルの一次電着層17aは、硬度が低くなるので、これによって形成される環状鍔21が被印刷体5に対して、ソフトに密着接触できることになる。一次電着層17aおよび二次電着層17bは、共にニッケル層としたので、汎用のスルファミン酸ニッケルを主成分とするニッケル浴とし、硫黄と炭素成分の含有の有無ないし多寡に基づき無光沢か光沢かすなわち低硬度か高硬度かを調整すればよい。
【0017】
請求項記載の本発明は、電着金属17からなるマスク本体に多数の通孔2が独立して設けられた電鋳製メタルマスクの製造方法において、図7(A)に示すごとく電鋳母型10の表面に第1フォトレジスト層11aと第2フォトレジスト層11bとを順に積層し、その際に第1フォトレジスト層11aの露光感度を第2フォトレジスト層11bのそれよりも高くしてあるレジスト積層工程と、図7(B)に示すごとく第2フォトレジスト層11bの上にパターンフィルム12を配置して露光・現像処理して、図7(C)に示すごとく電鋳母型10の表面に、各通孔2に相当する、ストレート状に形成された第1レジスト部16と、第1レジスト部16の上端に連続して上拡がり状に形成された第2レジスト部15とからなる多数のレジスト体13aを独立して有するパターンレジスト膜13を設けるパターンニング工程と、図8(A)に示すごとく電鋳母型10のパターンレジスト膜13で覆われていない表面に、一次電着層17aを第2レジスト部15の所定高さに到るまで一次電鋳したのち、図8(B)に示すごとく一次電着層17a上にこれよりも硬度の低い薄肉の二次電着層17bを二次電着して電着金属17を形成する電鋳工程と、図8(C)に示すごとくパターンレジスト膜13を除去する工程と、図8(D)に示すごとく電着金属17の電鋳面側1bに、各通孔2を含むこれの外周囲のみを塞ぐエッチング用のパターンレジスト19を被覆する工程と、図8(E)に示すごとく二次電着層17bをエッチングで除去するエッチング工程と、エッチング用のパターンレジスト19を除去する工程と、図8(F)に示すごとく電鋳母型10から電着金属17を剥離する工程とを経る。かくして得た各通孔2は、上下を反転して使用することにより、電着金属17の電鋳母型面側1aであるマスク本体のスキージ面3側が、第1レジスト部16の除去に伴いストレート状に形成された径小孔部2aと、電着金属17の電鋳面側1bであるマスク本体の印刷面4側が、第2レジスト部15の除去に伴い径小孔部2aにつながる接続部分2bを介して径小孔部2aよりも孔径が大きいベルボトム状に形成された径大孔部2cとを有する断面形状になっており、電着金属17からなるマスク本体の印刷面4には、図1に示すごとく各通孔2まわりに二次電着層17bによる環状鍔21が一体に突設されていることを特徴とする。
【0019】
請求項記載の本発明は、請求項記載のメタルマスクの製造方法において、一次電着層17aが高硬度ニッケル層であって、二次電着層17bが低硬度ニッケル層になっている。その趣旨は、請求項記載の本発明において説明したとおりである。
【0020】
請求項記載の本発明は、請求項または記載のメタルマスクの製造方法において、電鋳工程を経たのちパターンニング工程に入るに先立って、図8(C)に示すごとく電着金属17の電鋳面側1aを研磨処理する工程を含むものとなっている。この研磨工程は、公知の電解研磨ないし機械的研磨で行うことができ、電鋳面側1bが製品メタルマスク1の印刷面4となるので、印刷面4の表面平滑性を確保するためである。
【0021】
【発明の作用効果】
本発明の製造方法によって製造された電鋳製メタルマスクによれば、図2(A)に示すごとく被印刷体5にメタルマスク1を当てスキージSで印刷ペーストPを各通孔2にスキージングして充填したのち、被印刷体5からメタルマスク1を剥がす際に、通孔2はスキージ面3側が径小孔部2aに、印刷面4側が径大孔部2cになっているので、図2(B)に示すごとく通孔2に充填された印刷ペーストPが抜きテーパー効果により被印刷体5へ良好に転写され、メタルマスク1の版離れが良い。さらに各通孔2のスキージ面3側はストレート状の径小孔部2aが位置し、下方の径大孔部2cと連続しているので、ペースト印刷時にスキージからの圧力が径小孔部2aを介して適度な印圧を以て効果的に印刷ペーストPに対して加わり、また被印刷体5に転写された印刷ペーストPは、広い面積で被印刷体5に密着するので、密着強度が大であるとともに、ベルボトム(台形状)であるから版離れ性が良いことと相まって転写ペーストの形状安定性に優れる。加えて電鋳製のメタルマスクは、通孔2をエッチング加工する形式に比べて、高精度にしかも生産性を確保してつくれる利点を有する。
【0022】
また、マスク本体の印刷面4側には、図2に示すごとく通孔2まわりの外周囲を限って環状鍔21が突出形成された段彫り構造となっているので、被印刷体5に対してマスク本体の印刷面4は環状鍔21のみが適正な印圧で押し付けられることになる。従って、メタルマスク1が被印刷体5に全面接触する形式に比べて、被印刷体5に対する通孔2まわりを確実に密着させることができ、印刷ペーストPが通孔2まわりに滲み出ることをよく防止し、被印刷体5上の転写ペーストの形状安定性に優れたものとなる。
【0025】
請求項記載の本発明に係る電鋳製メタルマスクの製造方法によれば、図5(A)に示すごとく電鋳工程において電鋳母型10上に薄肉の一次電鋳層17aを、ついで図5(B)に示すごとく一次電鋳層17aよりも硬度の高い厚肉の二次電鋳層17bを順に電着して、一旦メタルマスクの中間成形品1Aをつくる。その後に、図5(D)に示すごとく中間成形品1Aの電鋳母型面側1aにエッチング用のパターンレジスト19を被覆し、次いで一次電鋳層17aをエッチング処理して除去することにより、図5(E)に示すごとくマスク本体の印刷面4には各通孔2まわりに残存せる一次電鋳層17aによる環状鍔21が一体に突設されるものとした。かかる環状鍔21が存在すると、マスク本体が硬度のある二次電鋳層17bで形成されているので、メタルマスク1の全体強度を確保しながら、環状鍔21は硬度が低いので、被印刷体5の表面にマスク本体の印刷面4が環状鍔21を介してソフトに密着接当することになり、被印刷体5に対するメタルマスクの密着性がより一層向上したものとなる。
【0026】
請求項記載の本発明は、請求項記載の電鋳製メタルマスクの製造方法において、第1フォトレジスト層11aの露光感度を第2フォトレジスト層11bのそれよりも3〜30倍高くなるようにしてあるので、各通孔2は印刷面4側の径大孔部2cがこれの下半部分において下すぼまり状にならずに少なくとも略ストレート状ないし下広がり状になり、かつ径大孔部2cの印刷面4に臨む下端開口面が過大に開拡せず下端開口面の形状精度もよく確保し得る。
【0027】
請求項記載の本発明に係る電鋳製メタルマスクの製造方法によれば、請求項または記載の電鋳工程において、一次電着層17aを低硬度ニッケルとしたので、高硬度ニッケルからなる二次電着層17bとの密着性がよい。しかも、一次電着層17aおよび二次電着層17bは、いずれもニッケル層としたので、汎用のスルファミン酸ニッケルを主成分として、硫黄と炭素成分の含有の多寡で無光沢か光沢かすなわち低硬度か高硬度かのニッケル浴を建浴でき、その調整が容易に行える。
【0029】
請求項記載の本発明に係る電鋳製メタルマスクの製造方法によれば、図7(A)に示すごとく電鋳母型10の表面に第1フォトレジスト層11aと第2フォトレジスト層11bとを順に積層したのち、図7(B)に示すごとく第2フォトレジスト層11b上にパターンフィルム12を配置して露光・現像処理する。その際、第1フォトレジスト層11aの露光感度を第2フォトレジスト層11bのそれよりも高く設定してある。従って、二層11a・11bからなるフォトレジスト層11を露光・現像処理する際に、パターンフィルム12の透光孔12aを透過した光線により、第2フォトレジスト層11bで形成される各レジスト体13aの上方の第2レジスト部15は上すぼまり(下広がり)状に露光・硬化し、更に光線が露光感度の高い第1フォトレジスト層11aに達したときに減衰吸収されず、第1フォトレジスト層11aで形成される各レジスト体13aの下方の第1レジスト部16を略ストレート状に露光・硬化する。その結果、所望形状のレジスト体13aを有するパターンレジスト膜13を確実に形成することができる。また、電鋳製メタルマスク1は、上下を反転して使用することにより、図1に示すごとく環状鍔21を備えた通孔2を有するものとなり、請求項記載の本発明と実質的に同一の作用効果を奏するものとなる。
【0031】
請求項記載の本発明に係る電鋳製メタルマスクの製造方法によれば、請求項記載の電鋳工程において、一次電鋳層17aを低硬度ニッケルとしたので、高硬度ニッケルからなる二次電鋳層17bとの密着性がよい。しかも、一次電鋳層17aおよび二次電鋳層17bは、いずれもニッケル層としたので、汎用のスルファミン酸ニッケルを主成分として、硫黄と炭素成分の含有の多寡で無光沢か光沢かすなわち低硬度か高硬度かのニッケル浴を建浴でき、その調整が容易に行える。
【0032】
請求項記載の本発明に係る電鋳製メタルマスクの製造方法によれば、請求項または記載の本発明の作用効果に加えて、請求項の電鋳工程を経たのち、図8(C)に示すごとく電着金属17の電鋳面側1bを研磨処理しているので、この電鋳面側1bを製品メタルマスクの印刷面4としたとき、印刷面4の表面平滑性がよく確保されており、従って前記環状鍔21の外表面も平滑面に仕上がる。その結果、被印刷体5に対してメタルマスク1の印刷面4を環状鍔21を介して良好に密着接触させることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明に係る電鋳製メタルマスクの断面形状を図1に基づき説明すると、電鋳製メタルマスク1は、印刷ペーストPを通すための多数の通孔2が独立して内外貫通状に所定のパターンで透設されている。その各通孔2は、スキージ面3側が実質的にストレート状に形成された径小孔部2aと、この径小孔部2aにつながるアール状の接続部分2bを介して印刷面4側が径小孔部2bよりも孔径の大きいベルボトム状に形成された径大孔部2cとを有する断面形状になっている。ここでは、後述するように電鋳時の電鋳母型面側1aが印刷面4となって、電鋳時の電鋳面側1bがスキージ面3となっている点が注目されるべきである。
【0034】
このような断面形状の通孔2をもつメタルマスク1は、図2(A)に示すように、被印刷体5の表面上に印刷面4を下側にして置き、スキージ面3に印刷ぺーストPをのせ、スキージSでスキージングして印刷ぺーストPを通孔2内に充填する。次に、図2(B)に示すごとく被印刷体5からメタルマスク1を剥がして、各通孔2に充填の印刷ペーストPを被印刷体5上に転写させることになる。
【0035】
次に、かかる電鋳製メタルマスク1を得るための製造工程の基本原理を図3に基づき説明すると、図3(A)に示すごとく、まず電鋳母型10の表面に、各通孔2に相当する多数のレジスト体13aを独立して有するパターンレジスト膜13を設ける。但し、そのレジスト体13aは、電鋳母型10上に上すぼまり形状に形成された第1レジスト部16と、第1レジスト部16の上端に連続して実質的にストレート状に形成された第2レジスト部15とからなる。次に、図3(B)に示すごとく電鋳母型10上に、電着金属17を第2レジスト部15の所定高さに到るまで電鋳する。電鋳後に、図3(C)に示すごとく電着金属17の表面を研磨したのち、アルカリ溶液でパターンレジスト膜13を除去する。最後に図3(D)に示すごとく電鋳母型10から電着金属17を剥離してメタルマスク1の電鋳品を得る。パターンレジスト膜13は、電鋳母型10から電着金属17を剥離した後に除去してもよい。
【0036】
かくして、得た電鋳製メタルマスク1の各通孔2は、レジスト体13aの第1レジスト部16の除去に伴いマスク本体の印刷面4に臨む上すぼまり状の径大孔部2cと、レジスト体13aの第2レジスト部15の除去に伴いマスク本体のスキージ面3に臨むストレート状の径小孔部2aとを含むものとなる。以下、かかる電鋳製メタルマスクの具体的な製造方法について説明する。
【0037】
(第1実施例) 図4および図5は本発明に係る製造方法の第1実施例を示す。まず、図4(A)に示すごとくステンレス鋼製の電鋳母型10の一側表面にフォトレジスト層11を形成する。このフォトレジスト層11は、電鋳母型10の表面にネガタイプの感光性ドライフィルムレジストを1枚もしくは数枚ラミネートして熱圧着により形成した約30μm厚の第1フォトレジスト層11aと、第1フォトレジスト層11a上にネガタイプの感光性ドライフィルムレジストを1枚もしくは数枚ラミネートして熱圧着により形成した約20〜30μm厚の第2フォトレジスト層11bとからなる。
【0038】
ここで第1フォトレジスト層11aと第2フォトレジスト層11bとは、相互の露光感度が異なる。すなわち、第1フォトレジスト層11aを構成する感光性ドライフィルムレジストの露光感度は、第2フォトレジスト層11bのそれよりも3〜30倍の選ばれた範囲内で高くなっている。なお、フォトレジスト層11を構成する二層11a・11bのいづれか一方もしくは両方は、ドライフィルムに代えて液状フォトレジストを塗布して形成してもよい。
【0039】
次いで、図4(B)に示すように第2フォトレジスト層11bの上に、所望のマスクパターンに相当するパターン(円形の多数の透光孔12a)をもつネガタイプのパターンフィルム12を密着させ、紫外線ランプで所定の露光条件、露光時間でもって、紫外線光を照射して露光を行い、現像・乾燥の各処理を行って、未露光部分を溶解除去することにより、図4(C)に示すごとく各透光孔12aに対応して多数の独立したレジスト体13aを持つパターンレジスト膜13を形成する。
【0040】
露光・現像処理時に、各レジスト体13aは透光孔12aを透過した紫外線光により、第2フォトレジスト層11bで形成される上方の第2レジスト部15が略ストレートの円柱状に露光・硬化する。そして第2フォトレジスト層11bから第1フォトレジスト層11aに達した先の紫外線光は、第1フォトレジスト層11aの露光感度を第2フォトレジスト層11bのそれよりも高くしてあるので、電鋳母型10側へ行くに従って末広がり状に次いでストレート状に第1フォトレジスト層11aを硬化させる。その結果、各レジスト体13aは、上方の第2レジスト部15と、これの下方に第1フォトレジスト層11aで形成されるベルボトム状の第1レジスト部16とからなる。換言すれば、各レジスト体13aは、電鋳母型10上に上すぼまりのベルボトム状に形成された第1レジスト部16と、第1レジスト部16の上端に連続して実質的にストレート状に形成された第2レジスト部15とからなる。
【0041】
この第1レジスト部16は、第2レジスト部15との接続上端部分が下広がり状となるので、第2レジスト部15よりも径大となるが、どの程度まで径大化させるかは、露光器による露光時間等の条件はもちろんのこと、第1フォトレジスト層11aに使用する感光性ドライフィルムレジストの露光感度を選択することで決定される。
【0042】
次いで、パターンレジスト膜13を有する電鋳母型10をスルファミン酸ニッケル浴に移して電鋳を行い、図3(B)に示すように電鋳母型10のパターンレジスト膜13で覆われていない表面に電着金属17を形成する。この電鋳時に、電着金属17の厚さ(高さ)は、これが各レジスト体13aの第2レジスト部15を越えてレジスト体13aの上端近くにまで到る50μm程度に設定する。電着金属17の厚さを第2レジスト部15の領域内で変化させることにより、先の径小孔部2aの厚み方向長さを任意に調節できる。
【0043】
先の電鋳工程において、電着金属17は、図5(A)に示すごとく電鋳母型10に一次電鋳された極薄(1〜5μm)で低硬度(Hv:260〜300程度)の無光沢ニッケルの一次電着層17aと、図5(B)に示すごとく一次電着層17a上に二次電鋳された厚肉で高硬度(Hv:450〜600程度)の光沢ニッケルの二次電着層17bとからなる。具体的には、図5(A)に示すごとく電鋳母型10を陰極として無光沢ニッケル浴の電解液に浸漬して、該母型10の表面に約1〜5μm厚の一次電着層17aを形成した。この一次電着層17aを形成するための無光沢ニッケル浴の組成とメッキ条件とを以下に示す。
スルファミン酸ニッケル 450g/l
ホウ酸 30g/l
PH 4〜4.5
浴温 50℃
電流密度 2〜7A/dm2
【0044】
一次電着層17aを付けた電鋳母型10を上記浴より引き上げ、図5(B)に示すごとく光沢ニッケル浴の電解液に浸漬して、一次電着層17a上に約35〜45μm厚の光沢ニッケルの二次電着層17bを積層形成した。この二次電着層17bを形成するための光沢ニッケル浴の組成とメッキ条件とを以下に示す。
スルファミン酸ニッケル 450g/l
ブチンジオール 0.005〜0.01g/l
NTS 0.01〜0.05g/l
ホウ酸 30g/l
PH 4〜4.5
浴温 50℃
電流密度 2〜7A/dm2
【0045】
電鋳後に、図5(C)に示すごとく電着金属17の表面すなわち二次電着層17bの表面を機械的研磨や電解研磨により研磨する。その後に、アルカリ溶液による膨潤、溶解等の方法により、パターンレジスト膜13を除去したのち、電着金属17を電鋳母型10から剥離して、メタルマスク1の中間成形品1Aをつくる。パターンレジスト膜13の除去により、その各レジスト体13aに相当する部分には、各通孔2がそれぞれ独立して形成されたものとなる。
【0046】
メタルマスク中間成形品1Aには、図5(D)に示すごとく電着金属17の電鋳母型面側1aに、各通孔2の下面まわりのみを塞ぐエッチング用のパターンレジスト19を全面的に接合するとともに、電着金属17の電鋳面側1bにレジスト20を全面的に接合したのち、エッチングで一次電着層17aを除去する。
【0047】
最後に、先のレジスト19・20を除去することにより、図5(E)に示すごとくパターンレジスト19で覆われていた各通孔2の下面まわりの外周囲にのみ、残存せる一次電着層17aによる環状鍔21が形成されたメタルマスク1の電鋳製品を得た。
【0048】
かくして得たメタルマスク1は、図1に示すごとく電鋳時における電着金属17の電鋳母型面側1aがそのまま印刷面4となって、電鋳時における電着金属17の電鋳面側17bがスキージ面3となる。各通孔2は、先の第2レジスト部15の除去に伴う径小孔部2aと、先の第1レジスト部16の除去に伴う接続部分2bおよび径大孔部2cとを有するものとなる。すなわち、各通孔2は、スキージ面3に臨む径小孔部2aが、実質的にストレート状に形成されており、径小孔部2aに下広がりアール状の接続部分2bを介してつながり印刷面4に臨む径大孔部2cが、径小孔部2aよりも孔径の大きなベルボトム状に形成されたものとなっている。
【0049】
そのうえで、各通孔2の印刷面4側の開口周縁には、低硬度の無光沢ニッケルの一次電着層17aによる環状鍔21が形成されたものとなる。この環状鍔21は低硬度の無光沢ニッケルで形成されているので、被印刷体5側との密着性が良好となり、しかも高硬度の光沢ニッケルからなるマスク本体は、硬度が高いので全体の機械的強度を確保することができる。
【0050】
(第2実施例) 図6ないし図8は本発明の製造方法の第2実施例を示しており、このうち図6は基本原理を示す。この第2実施例において、電鋳母型10上にフォトレジスト層11を形成し、多数の独立したレジスト体13aを持つ図6(A)のパターンレジスト膜13を形成するまでの図7(A)〜図7(C)までの製造工程は、第1実施例における図4(A)〜図4(C)示す製造工程と実質的に同一である。但し、図7(A)においてフォトレジスト層11を構成する第1フォトレジスト層11aの厚みは、約25μmとして第2フォトレジスト層11bの厚さ(約35μm)よりも小さく設定してある。
【0051】
そこでの各レジスト体13aは、図7(C)示すごとく電鋳母型10上に略ストレート状に形成された第1レジスト部16と、第1レジスト部16の上端に連続して上広がりの逆ベルボトム状に形成された第2レジスト部15とからなる。すなわち、第2フォトレジスト層11bに使用するフォトレジストの露光感度を低く設定することで、紫外線光が下方へ向けて減衰され、下すぼまりのアール状に、つまり逆ベルボトム状に露光・硬化され、これに続く第1フォトレジスト層11aを露光感度の高いフォトレジストを使用することで、入射される紫外線光の減衰がほとんどない直線状に透過するように設定し、第1フォトレジスト層11aをストレート状に露光・硬化させる。換言すれば、第1フォトレジスト層11aの露光感度は、これで形成される第1レジスト部16が略ストレートの円柱状になるよう選択されている。
【0052】
引き続いてパターンレジスト膜13を有する電鋳母型10をスルファミン酸ニッケル浴に移して電鋳を行い、図6(B)示すように電鋳母型10のパターンレジスト膜13で覆われていない表面に電着金属17を形成する。この電鋳時には、電着金属17の厚さ(高さ)は、これが各レジスト体13aの第2レジスト部15の領域内に到る50μm程度に設定し、この厚みを変化させることで先の径大孔部2aの厚み方向長さ(高さ)を任意に変更できる。
【0053】
第2実施例における電着金属17は、図8(A)に示すごとく電鋳母型10に一次電鋳される厚肉で高硬度の光沢ニッケルの一次電着層17aと、図8(B)示すごとく一次電着層17a上に二次電鋳される極薄(1〜5μm)で低硬度の無光沢ニッケルの二次電着層17bとからなる。ここでの一次電着層17aおよび二次電着層17bは、第1実施例におけるニッケル浴の組成およびメッキ条件と同様にして形成される。
【0054】
電鋳後に、図8(C)に示すごとく電着金属17の表面すなわち二次電着層17bの表面を第1実施例と同様に研磨処理したのち、アルカリ溶液でパターンレジスト膜13を除去する。これで各レジスト体13aに相当する部分には、各通孔2がそれぞれ独立して形成されたものとなる。
【0055】
次に、電着金属17の電鋳面側1b、すなわち二次電着層17bの表面に、図8(D)に示すごとく各通孔2の上面まわりのみを塞ぐエッチング用のパターンレジスト19を接合したのち、図8(E)に示すごとく二次電着層17bをエッチング処理して除去する。続いて、先のパターンレジスト19を除去することにより、該パターンレジスト19で覆われていない外周囲にのみ、残存せる二次電着層17bによる環状鍔21が形成される。
【0056】
最後に、図8(F)に示すごとく電鋳母型10から電着金属17を剥離することにより、メタルマスク1の電鋳製品を得た。よって得た電鋳製メタルマスク1は、図8(F)の状態を上下反転させて使用することになるが、この使用状態における各通孔2および環状鍔21を含む断面形状は第1実施例と実質的に同一となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るメタルマスクの一部拡大縦断面図
【図2】本発明に係るメタルマスクの使用例を示す縦断面図
【図3】第1実施例に係るメタルマスクの製造工程の基本原理を示す工程説明図
【図4】第1実施例のメタルマスクの製造過程の工程説明図
【図5】第1実施例のメタルマスクの製造過程の工程説明図
【図6】第2実施例に係るメタルマスクの製造工程の基本原理を示す工程説明図
【図7】第2実施例のメタルマスクの製造過程の工程説明図
【図8】第2実施例のメタルマスクの製造過程の工程説明図
【図9】従来例のメタルマスクの使用例を示す縦断面図
【図10】従来の電鋳製メタルマスクの製造過程を示す工程説明図
【符号の説明】
1 メタルマスク
1a 電着金属の電鋳母型面側
1b 電着金属の電鋳面側
1A メタルマスクの中間成形品
2 通孔
2a 通孔の径小孔部
2b 通孔の接続部分
2c 通孔の径大孔部
3 スキージ面
4 印刷面
5 被印刷体
10 電鋳母型
11 フォトレジスト
11a 第1フォトレジスト層
11b 第2フォトレジスト層
12 パターンフィルム
13 パターンレジスト膜
13a レジスト体
15 第2レジスト部
16 第1レジスト部
17 電着金属
17a 一次電着層
17b 二次電着層
19 パターンレジスト
20 レジスト
21 環状鍔

Claims (6)

  1. 電着金属17からなるマスク本体に多数の通孔2が独立して設けられた電鋳製メタルマスクの製造方法において、
    電鋳母型10の表面に第1フォトレジスト層11aと第2フォトレジスト層11bとを順に積層し、その際に第1フォトレジスト層11aの露光感度を第2フォトレジスト層11bのそれよりも高くしてあるレジスト積層工程と、
    第2フォトレジスト層11bの上にパターンフィルム12を配置して露光・現像処理して、電鋳母型10の表面に、各通孔2に相当する、上すぼまり形状に形成された第1レジスト部16と、第1レジスト部16の上端に連続してストレート状に形成された第2レジスト部15とからなる多数のレジスト体13aを独立して有するパターンレジスト膜13を設けるパターンニング工程と、
    電鋳母型10のパターンレジスト膜13で覆われていない表面に、薄肉の一次電着層17aと、一次電着層17a上にこれよりも硬度の高い厚肉の二次電着層17bとからなる電着金属17を二段階にわたって順に電着する電鋳工程と、
    電鋳母型10から電着金属17を剥離する剥離工程と、前記剥離工程の前または後にパターンレジスト膜13を除去する工程とを経て、多数の通孔2がパターンレジスト膜13の除去により内外貫通状に透設された電鋳製メタルマスクの中間成形品1Aをつくり、中間成形品1Aの電着金属17の電鋳母型面側1aに、各通孔2を含むこれの外周囲のみを塞ぐエッチング用のパターンレジスト19を接合する工程と、
    中間成形品1Aの一次電着層17aをエッチングで除去する工程と、
    エッチング用のパターンレジスト19を除去する工程とを経て、
    各通孔2は、電着金属17の電鋳面側1bであるマスク本体のスキージ面3側が、第2レジスト部15の除去に伴い、ストレート状に形成された径小孔部2aと、電着金属17の電鋳母型面側1aであるマスク本体の印刷面4側が、第1レジスト部16の除去に伴い、径小孔部2aにつながる接続部分2bを介して径小孔部2aよりも孔径が大きいベルボトム状に形成された径大孔部2cとを有する断面形状になっており、電着金属17からなるマスク本体の印刷面4には、各通孔2まわりに一次電着層17aによる環状鍔21が一体に突設されていることを特徴とする電鋳製メタルマスクの製造方法。
  2. 第1フォトレジスト層11aの露光感度が、第2フォトレジスト層11bのそれよりも3〜30倍高く設定されている請求項1記載の電鋳製メタルマスクの製造方法。
  3. 一次電着層17aが低硬度ニッケル層であって、二次電着層17bが高硬度ニッケル層である請求項1または2記載の電鋳製メタルマスクの製造方法。
  4. 電着金属17からなるマスク本体に多数の通孔2が独立して設けられた電鋳製メタルマスクの製造方法において、
    電鋳母型10の表面に第1フォトレジスト層11aと第2フォトレジスト層11bとを順に積層し、その際に第1フォトレジスト層11aの露光感度を第2フォトレジスト層11bのそれよりも高くしてあるレジスト積層工程と、
    第2フォトレジスト層11bの上にパターンフィルム12を配置して露光・現像処理して、電鋳母型10の表面に、各通孔2に相当する、ストレート状に形成された第1レジスト部16と、第1レジスト部16の上端に連続して上拡がり状に形成された第2レジスト部15とからなる多数のレジスト体13aを独立して有するパターンレジスト膜13を設けるパターンニング工程と、
    電鋳母型10のパターンレジスト膜13で覆われていない表面に、一次電着層17aを第2レジスト部15の所定高さに到るまで一次電鋳したのち、一次電着層17a上にこれよりも硬度の低い薄肉の二次電着層17bを二次電着して電着金属17を形成する電鋳工程と、
    パターンレジスト膜13を除去する工程と、
    電着金属17の電鋳面側1bに、各通孔2を含むこれの外周囲のみを塞ぐエッチング用のパターンレジスト19を被覆する工程と、
    二次電着層17bをエッチングで除去するエッチング工程と、
    エッチング用のパターンレジスト19を除去する工程と、
    電鋳母型10から電着金属17を剥離する工程とを経て、
    各通孔2は、電着金属17の電鋳母型面側1aであるマスク本体のスキージ面3側が、第1レジスト部16の除去に伴いストレート状に形成された径小孔部2aと、電着金属17の電鋳面側1bであるマスク本体の印刷面4側が、第2レジスト部15の除去に伴い径小孔部2aにつながる接続部分2bを介して径小孔部2aよりも孔径が大きいベルボトム状に形成された径大孔部2cとを有する断面形状になっており、電着金属17からなるマスク本体の印刷面4には、各通孔2まわりに二次電着層17bによる環状鍔21が一体に突設されていることを特徴とする電鋳製メタルマスクの製造方法。
  5. 一次電着層17aが高硬度ニッケル層であって、二次電着層17bが低硬度ニッケル層である請求項4記載の電鋳製メタルマスクの製造方法。
  6. 電鋳工程を経たのちパターンニング工程に入るに先立って、電着金属17の電鋳面側1bを研磨処理する工程を含む請求項4または5記載の電鋳製メタルマスクの製造方法。
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