JP5439594B2 - 包装体の殺菌方法および装置 - Google Patents

Description

本発明は、少なくとも部分的に全周が閉じた包装スリーブとして構成される包装体の殺菌方法であって、包装スリーブに殺菌剤を施与する工程から成る方法に関する。
本発明はそれ以外にも、少なくとも部分的に全周が閉じた包装スリーブとして構成される包装体の殺菌装置であって、包装スリーブに施与する殺菌剤用の供給装置を有している装置にも関する。

そのような方法および装置は、殺菌のために、特に紙パックなど、包装体の滅菌のためにも使用される。ラミネート状の材料から製造される包装体は、多くは片側の領域が既に閉じられ、その反対側の領域が開口した状態で、相応の殺菌工程に送られた後、続いて充填工程に送られるようになっている。したがってその殺菌の基本原理は、ボトル状の容器の殺菌に類似しているが、ただ殺菌剤については、なおも開口しているボトルの注ぎ口の領域からではなく、尚も開口している片側の領域から包装体の内部空間に導入されるようになっている。

効果的な殺菌のためには通例、包装体の内壁面の全領域が殺菌剤と一様かつ集中的に接触することを保証するためにも、管状の供給装置を包装体の内部空間に挿入するか、または殺菌剤を内部空間の中に噴射することが要求される。したがって供給機構の繰り出し工程と戻し工程を繰り返す周期運転が必要となるか、または、連続稼働方式にする場合は搬送方向に移動される供給機構を使用することが要求される。

本発明の課題は、高スループット率で効果的な殺菌が促進されるように、冒頭に記した種類の方法を改良することにある。
本発明のさらにもう一つの課題は、高スループット率で質的に高価値の殺菌が促進されるように、および/または、低スループット率で殺菌剤の使用量の低減が達成されるように、冒頭に記した種類の装置を構成することにある。

上述の課題は、方法については本発明にしたがって、包装スリーブをスリーブの長手方向で両側の端部領域が開口している状態で殺菌トンネルに通して搬送し、その内部で包装スリーブに殺菌剤を施与すること、および、この殺菌トンネルに沿って、一つの包装スリーブの一方の開口している末端部から流れ出る殺菌剤が、隣接する包装スリーブの一方の開口している末端部の内部へと導かれることによって解決される。
により解決される。

上述の課題は、装置については本発明にしたがって、殺菌トンネルに包装スリーブ用の搬送装置が備えられて、包装スリーブが、スリーブの長手方向で両側の端部が開口している状態で搬送されるように、殺菌トンネルが構成されること、供給装置が殺菌トンネルの領域に配置されること、および殺菌トンネルの領域に、一つの包装スリーブの一方の開口している末端部から出て隣接する包装スリーブの一方の開口している末端部の中へと入るように、殺菌剤の流を案内するための、少なくとも一つの転向管路が配置されることにより解決される。

包装スリーブの殺菌を両側の末端部が開口した状態で行うことにより、包装体の内部空間の中に供給機構を挿入する必要なく、殺菌剤が包装体の内部を通り一様かつ集中的に流れることを保証することができる。それ以外にも、殺菌剤の流れを、これが蛇行しながら順番に並べて配置されている複数の包装スリーブを通り抜けるように、導くことが可能であるために、使用される殺菌剤の有効利用が保証される。

複数の転向管路を使用することにより、特に包装スリーブに作用する殺菌剤の作用時間を長めに設定することが可能となる。複数の転向管路と殺菌トンネルとを組み合わせることにより、同じ殺菌剤を異なる包装スリーブに繰り返して施与することが可能になり、またそれにより、一定量の殺菌剤の作用時間を相応に何倍にも増やして利用することが可能となる。

一つの包装スリーブから隣接する包装スリーブへとＵ字状の流路に沿って殺菌剤の移送を行うと、コンパクトな配列にとって一助となる。
包装スリーブが、固定式に配置されているそれぞれの転向管路を通り過ぎて移動されることにより、装置の極めてシンプルな構造を達成することができる。

ほかにも、連続する複数の包装スリーブから成る列の中に空き場所が生じた場合に、殺菌剤の損失のない先への移送が保証されるようにすることも、本発明の重要な観点の一つである。そのような空き場所は、例えば畳まれた状態にある包装体を筒状に広げる際の誤動作により、または品質監視や、それに続く損傷した包装スリーブの選別の結果として生じることがある。

包装スリーブの連続搬送を行うと、高スループットにとって一助となる。
別の実施形態にしたがって、包装スリーブの搬送を一定数量ずつ増分するように行うようにしてもよい。

殺菌トンネルの領域に、複数の転向管路を位置調整および／または交換を可能として配置すると、形状が異なる包装スリーブの滅菌にとって一助となる。転向管路を交換可能であるように配置することによって、特にフォーマットが異なる包装体の効果的な殺菌を実行することができる。この場合包装体のフォーマットは、全長および／または断面形状に関して異なるものであるとよい。

殺菌剤の少なくとも一部を再循環系統の内部で循環させることにより、僅かな殺菌剤消費量とならび僅かなエネルギ消費量にとって一助とすることができる。
図面には、本発明の幾つかの実施例が概略的に示されている。

殺菌剤用の複数のＵ字形の転向要素が備えられた殺菌トンネルの側面概略図である。 底部封緘、充填、ならびに最終封緘用の装置の概略図である。 畳まれた状態にある包装体を筒状に開いて搬送装置に受け渡す工程を説明するための概略図である。 図３に示される装置を上から見たときの概略図である。 殺菌剤の再循環管路が備えられた、図１に対する変形実施形態を示す図である。 回転式環状搬送路が備えられた変形実施形態を示す図である。 包装スリーブが相互間隔を詰めて配置されている、図１および図５に対する変形実施形態を示す図である。 殺菌トンネルの内部の包装スリーブを、これに対して配置されている搬送要素とともに拡大して示す概略図である。

図１には、包装スリーブ１の殺菌装置の側面概略図が示される。それぞれの包装スリーブ１は、供給部２から殺菌装置の領域内に搬送されるが、畳まれた状態にある包装体１は殺菌に先立ち筒状に開かれるようになっている。殺菌トンネル３の領域には搬送装置４が配設されるが、これは例えばエンドレースチェーンとして実現されたものであるとよい。

包装スリーブ１は、スリーブの長手方向５でそれぞれ反対側に位置する端部６、７が開口しているように構成されている。包装スリーブ１は、スリーブの長手方向５を取り囲む方向については、全周が閉じているように構成されており、それにより筒状の基本構造をもたらしている。

殺菌トンネル３の領域には、複数の転向管路８がそれぞれの端部６、７と向き合わせて配置されている。これらの転向管路８は、実質的にＵ字形に延びて、殺菌剤のための流路を提供する。殺菌トンネル３はそれ以外にも殺菌剤用の供給装置９を有している。この供給装置９の領域にはヒータ１０が配置されるとよい。

殺菌剤、例えば過酸化水素と空気から成る混合物は、リザーバ１１から取り出されて、ヒータ１０を通り供給装置９の領域に導かれる。場合によっては空気と殺菌剤から成る混合物の組成を監視するためのセンサ１２が備えられているとよい。殺菌剤は、供給装置９から搬送装置１３内の最初の包装スリーブ１の開口端部６の中へと流れ込み、この端部とは反対側に位置する端部７領域で再び包装スリーブから外へと逃れるようになっている。そこでは殺菌剤が続いて最初の転向管路８の中に流れ込み、この転向管路８から、搬送方向１３で次に位置する包装スリーブ１の隣接する開口端部７の中へと導かれるようになっている。殺菌剤が捕集装置１４の領域に達し、そこから再使用に備えて準備するために再循環管路１５の領域に導かれるまで、上述の工程が搬送方向１３に順番に並べて配置される全ての包装スリーブ１に関して繰り返されることになる。

図１に示される、殺菌トンネル３の領域内の搬送方向１３と同じ向きの成分を持つ殺菌剤の流れの向きに代わり、供給装置９と捕集装置１４の位置を入れ替えて、搬送方向１３とは逆向きの殺菌剤の流れ成分を実現することも可能である。

搬送方向１３で捕集装置１４の下流側には乾燥装置１６が配置されているが、その領域では類型的に無菌空気１７がヒータ１８に供給され、続いて開口している包装スリーブ１に通して導かれるようになっている。この乾燥用の無菌空気１７も、複数の転向管路８を使用して、複数の両側で開口している包装スリーブ１を順番に通り導かれるようにするとよいが、この無菌空気１７は捕集装置１９の領域で雰囲気に流れるか、または再使用に供されるようになっている。

搬送装置４の稼働は、連続的に行われても周期的に行われてもかまわない。
図２には、殺菌後の包装スリーブ１をさらに加工するためのシステムコンポーネントが示されている。図１に示される乾燥装置１６に続いて、包装スリーブ１の端部６、７の一方を封緘するための封緘ステーション２０が配置されている。ここでは例えば底部の封緘が行われるとよい。封止された領域の最終加工は、ヒートシールヘッド２１を使用して、無菌空気供給部２２から無菌空気を同時に供給しながら行われる。材料安定性を達成するための定着期２３を経た後、充填ステーション２４の領域では、さらに無菌空気を供給しながら充填が行われる。

その後最終加工工程において第２端部６、７の封緘が、例えば屋根型頂部の熱シールとして行われる。最後に造形装置２５を適用することにより、包装体の所定の輪郭形状の厳密な遵守を保証できるようにしている。

上記で殺菌を例にとり説明した加工工程は、任意の殺菌率が達成されるように、および／または、滅菌が実行されるように、実現することができる。
図３には、供給部２から搬送装置４への受け渡し工程が拡大図で示される。供給部２の領域では、包装体が畳まれた状態で搬送される。受け渡し要素２７を使用して、包装体は受け取られて搬送装置４上に移し替えられる。この移し替え工程の間に、畳まれた状態にある包装体を筒状に開く工程が行われる。搬送装置４の領域では、開いた後の包装スリーブに、まず無菌ガス、好適には調温空気が施与される。そのために噴出ノズル２８が使用される。

図４には、図３に示される配列を上から見た図が示される。そこでは受け渡し要素２７の領域に、吸盤状のつかみ具２９を確認することができる。包装体１の保持は、例えば負圧を加えることで行うことができる。噴出ノズル２８を使用した無菌ガスの施与工程は、活性化または除塵の目的で導入されるとよい。

噴出ノズル２８から放出される高温空気は、両側が開口した包装スリーブ１を通り抜けて流れ、捕集装置３０から排出管路３１に送られる。
図５には、図１に示される実施形態の変形例が示される。殺菌剤用の供給部９は、そこでは搬送装置４の中央領域に配置されている。それにより殺菌剤の流れに、搬送方向１３とは逆向きの運動成分を持たせている。同様に無菌空気の流れも、乾燥装置１６の領域では搬送方向１３とは逆向きの運動成分を有しており、搬送方向１３で供給装置９の下流側で、無菌空気は捕集装置１９を使用して排出されるようになっている。そのように排出される無菌空気は、殺菌剤用の再循環管路１５の中に送り込まれ、そこで過酸化水素と混合される。所定の混合比が守られるかは、センサ１２によりチェックされる。余剰ガスはスクラバ３２に通して系外に排出される。

本発明にしたがった殺菌ステーションは、高速搬送下での連続稼働に特に適したものとなっている。個々の包装スリーブ１には殺菌剤が集中的に施与する上に、繰り返し何度も殺菌剤が内部を通り流れることにより、高い殺菌率が保証される。フォーマットが異なる包装スリーブ１についても、転向管路８の位置調整を通じて簡単に適合化を行うことができる。

転向管路８が固定式に配置される場合、殺菌剤は、その全量が包装スリーブ１の内部を通り流れるのではなく、一部は包装スリーブ１の表面に沿って通過することになる。これは殺菌トンネル３の内部で起きることから、流れがそのように案内されることは、包装スリーブ１の外まわりの殺菌も行われることになるために、有利であるとみなされる。

図６に示される実施形態においては、殺菌対象である包装スリーブの搬送が直線状の搬送路に沿って行われるのではなく、包装スリーブ１は供給部２から回転式環状加工路または回転式加工ドラムに受け渡されるようになっている。しかしそれを別として、その基本原理は、搬送が直線状に行われる既述の実施形態と実質的に同一である。

図７には、包装スリーブ１が相互間にごく僅かな距離だけをおいて配置される変形実施形態が示されている。この配置方式により、殺菌装置は一段とコンパクトなものとなる。この実施形態では、転向管路８を箱型に構成して、流れを案内するための隔壁板３３がこれに備えられるようにするとよい。個々の包装スリーブ１間の距離は、それぞれの包装スリーブの間に尚も十分な殺菌剤が流れて、そこで必要な殺菌ないしは滅菌を実行できるような寸法に決定される。

図７にも、殺菌装置内で包装スリーブの前方送りを実行する搬送要素３４が示されている。搬送要素３４は、送り装置に取り付けられる引き連れ用のフィンガとして構成されたものであるとよい。特にこれらの搬送要素３４により、包装スリーブ１間の守られなければならない距離を設定することが想定されている。搬送要素３４は、図８に示される実施形態においてはＵ字形の形状を有している。

１ 包装スリーブ
２ 供給部
３ 殺菌トンネル
４ 搬送装置
５ スリーブの長手方向
６ 端部
７ 端部
８ 転向管路
９ 供給装置
１０ ヒータ
１１ リザーバ
１２ センサ
１３ 搬送方向
１４ 捕集装置
１５ 再循環管路
１６ 乾燥装置
１７ 無菌空気
１８ ヒータ
１９ 捕集装置
２０ 封緘ステーション
２１ ヒートシールヘッド
２２ 無菌空気供給部
２３ 定着期
２４ 充填ステーション
２５ 造形装置
２７ 受け渡し要素
２８ 噴出ノズル
２９ つかみ具
３０ 捕集装置
３１ 排出管路
３２ スクラバ
３３ 隔壁板
３４ 搬送要素

Claims (18)

1. 少なくとも部分的に全周が閉じた包装スリーブとして構成された包装体の殺菌方法であって、前記包装体に殺菌剤を適用する殺菌方法方法において、
   前記包装スリーブ（１）を、スリーブの長手方向（５）で両側の端部（６，７）領域が開口している状態で、殺菌トンネル（３）に通して搬送し、その内部で前記包装スリーブ（１）に前記殺菌剤を適用するステップ、および
   前記殺菌トンネル（３）に沿って、一つの包装スリーブ（１）の開口している末端部から流れ出る殺菌剤を、隣接する包装スリーブ（１）の開口している末端部の中へと導くステップ
   を有することを特徴とする、方法。
2. 一つの包装スリーブ（１）から隣接する包装スリーブへ、殺菌剤を、Ｕ字状の流路に沿って移送することを特徴とする、請求項１に記載の方法。
3. 前記包装スリーブ（１）を、固定配置された複数の転向管路（８）を通り過ぎて移動することを特徴とする、請求項１または２に記載の方法。
4. 前記包装スリーブ（１）を連続搬送することを特徴とする、請求項１〜３のいずれか一項に記載の方法。
5. 前記包装スリーブ（１）を一定数量ずつ増分するように搬送することを特徴とする、請求項１〜３のいずれか一項に記載の方法。
6. 前記殺菌トンネル（３）の領域に転向管路（８）が、位置調整および／または交換を可能に配置されることを特徴とする、請求項１〜５のいずれか一項に記載の方法。
7. フォーマットが異なる包装スリーブに対応するように寸法決定された複数の転向管路（８）が使用されることを特徴とする、請求項６に記載の方法。
8. 前記殺菌剤の少なくとも一部を、再循環系統内で循環することを特徴とする、請求項１〜６のいずれか一項に記載の方法。
9. 前記殺菌剤により前記包装スリーブの内面も外面も殺菌することを特徴とする、請求項１〜８のいずれか一項に記載の方法。
10. 少なくとも部分的に全周が閉じた包装スリーブとして構成された包装体の殺菌装置であって、前記包装スリーブに殺菌剤を適用するための殺菌剤用の供給装置を有している殺菌装置において、
    殺菌トンネル（３）に前記包装スリーブ（１）用の搬送装置（４）が備えられ、前記包装スリーブ（１）を、スリーブの長手方向（５）で両側の端部（６，７）が開口している状態で搬送するように、前記殺菌トンネル（３）が構成されること、
    前記供給装置（９）が前記殺菌トンネル（３）の領域に配置されること、および
    前記殺菌トンネル（３）の領域に、一つの包装スリーブ（１）の開口している末端部から出て隣接する包装スリーブ（１）の開口している末端部の中へと入る前記殺菌剤の流れを案内するための、少なくとも一つの転向管路（８）が配置されること
    を特徴とする、装置。
11. 前記転向管路（８）が、ほぼＵ字形の流路を形成することを特徴とする、請求項１０に記載の装置。
12. 前記転向管路（８）が、前記殺菌トンネル（３）の領域に定置式に配置されることを特徴とする、請求項１０または１１に記載の装置。
13. 前記包装スリーブ（１）が連続的に搬送されるように、前記搬送装置（４）が構成されることを特徴とする、請求項１０〜１２のいずれか一項に記載の装置。
14. 前記包装スリーブ（１）が一定数量ずつ増分するように搬送されるように、前記搬送装置（４）が構成されることを特徴とする、請求項１０〜１２のいずれか一項に記載の装置。
15. 前記転向管路（８）が前記殺菌トンネル（３）の領域に調整可能に配置されることを特徴とする、請求項１０〜１４のいずれか一項に記載の装置。
16. フォーマットが異なる包装スリーブ（１）に対して使用される転向管路（８）の寸法諸元が、フォーマットごとに互いに異なることを特徴とする、請求項１５に記載の装置。
17. 前記転向管路（８）の流出口が、前記包装スリーブ（１）の断面積よりも大きくなるように寸法決定された断面積を有することを特徴とする、請求項１０〜１６のいずれか一項に記載の装置。
18. 前記殺菌剤用の供給装置（９）が、前記殺菌剤用の循環系統の部材として構成されることを特徴とする、請求項１０〜１７のいずれか一項に記載の装置。

Images