JP5438654B2 - 内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置 - Google Patents

内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置 Download PDF

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Description

本発明は、バルブタイミングを変更する可変動弁機構と同バルブタイミングを特定時期に保持する保持機構とを備える内燃機関の油圧式駆動式可変動弁装置に関する。
内燃機関に搭載される装置として、カム軸により開閉駆動されるバルブのバルブタイミングを運転状態に応じて変更する可変動弁機構を備えた油圧駆動式の可変動弁装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
例えば図7(A)に示す可変動弁機構1は、クランク軸に同期して回転するハウジング2及びカム軸に同期して回転するベーンロータ3といった同一の回転軸周りに回転する2つの回転体を備えている。このベーンロータ3の各ベーン3Aは、ハウジング2の内部に形成された収容室4に配置されている。それらベーン3Aにより、収容室4が進角室5と遅角室6とに区画されている。そして、進角室5及び遅角室6に供給される作動油の圧力により同収容室4でベーン3Aを変位させ、上述したハウジング2とベーンロータ3とを相対回転させることにより、バルブタイミングが変更される。なお、図7では、カム軸の回転方向、すなわちベーンロータ3の回転方向を矢印Rにて示している。
また、この可変動弁機構1には、最進角時期と最遅角時期との間の特定時期にバルブタイミングを保持するための保持機構7が設けられている。この保持機構7は、図7(B)に示すように、ベーン3Aに設けられたピン7Aと、同ピン7Aをベーンロータ3から突出する方向に付勢するばね7Bと、作動油が供給される油圧室7Cと、ハウジング2に設けられた凹部7Dとを備えている。そして、機関停止時において油圧室7Cにおける油圧が低下すると、ばね7Bにより付勢されたピン7Aが凹部7Dに嵌入することによりベーンロータ3とハウジング2との相対回転が規制され、バルブタイミングが特定時期に保持される。
特に従来、こうした保持機構としては、ハウジングに設けられた凹部に複数の段部が設けられたもの、いわゆるラチェット機構を有するものが知られている。以下、こうしたラチェット機構を有する保持機構の機能について説明する。
機関停止時においてバルブタイミングが上述した特定時期に保持されなかったときには、バルブタイミングは最遅角時期となった状態で停止する。その後、機関始動が開始されると、カム軸には進角側及び遅角側にバルブタイミングを変更させようとするトルクが交互に作用する。そしてこうした交番トルクが作用することにより、バルブタイミングが遅角側及び進角側に変化するように両回転体がその向きを変化させつつ相対回転するようになる。
このように機関始動時にカム軸に対して交番トルクが作用すると、保持機構の段部にピンが順次嵌入し、バルブタイミングは最遅角時期から徐々に進角する。そして、最終的に、上述した複数の段部のうち最も進角側に形成された段部(最終段部)にピンが嵌入すると、バルブタイミングの進角が規制部によって規制されるため、ハウジングとベーンロータとの相対回転が規制されてバルブタイミングが特定時期に保持されることとなる。
特開2010−127252号 特開2003−083012号 特開2002−122009号
上述したように、ラチェット機構を有する保持機構にあっては、最終段部にピンが嵌入したときにバルブタイミングの進角が規制部によって規制される。そのため、こうした規制部によりバルブタイミングの進角が規制されることのない他の段部に嵌入するときと比較して、最終段部にピンが嵌入するときは、同ピンがばねにより付勢されて段部に嵌入する方向に突出することのできる期間が短くなる。そのため、他の段部に嵌入するときと比較するとピンが嵌入し難いものとなり、機関始動に際してバルブタイミングを速やかに特定時期に保持できなくなることが懸念される。
本発明は、機関始動に際してバルブタイミングを速やかに特定時期に保持することのできる内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、クランク軸及びカム軸の一方と同期して回転する第1の回転体及び他方と同期して回転する第2の回転体を含み、それら両回転体を同一の回転軸周りに油圧を用いて相対回転することにより前記カム軸にて開閉駆動されるバルブのバルブタイミングを変更する可変動弁機構と、前記第1の回転体に設けられたピンを前記第2の回転体に設けられた凹部に向けて付勢しこれに嵌入させることで両回転体の相対回転を規制しバルブタイミングを特定時期に保持する一方、前記ピンを前記凹部から抜脱してその規制を解除する保持機構とを備える内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置において、前記保持機構は、前記両回転体の相対回転に伴ってバルブタイミングが最遅角時期から前記特定時期にまで進角する際に、前記両回転体が所定の相対回転量θ1,θ2,…,θ(i)をもって相対回転する毎に前記ピンが順次嵌入してバルブタイミングの遅角を規制する段部であって同バルブタイミングが前記特定時期にまで進角したときに前記ピンが嵌入する最終段部を含む複数の段部が前記凹部に形成されるとともに、前記最終段部に前記ピンが嵌入したときにバルブタイミングの進角を規制する規制部を備え、前記所定の相対回転量θ1,θ2,…,θ(i)のうち前記最終段部の1段前の段部に前記ピンが嵌入したときから前記最終段部に前記ピンが嵌入するまでの前記両回転体の所定の相対回転量θ(i)である最終相対回転量が最も小さくなるように前記ピンと前記複数の段部との位置関係が設定されることを要旨とする。
機関始動時において、バルブタイミングが最遅角時期にあるときにカム軸に対して交番トルクが作用すると、この交番トルクにより両回転体が相対回転する。そして、最初の段部に対して嵌入可能な位置にまで移行したピンがこの最初の段部に向かって突出すると、同ピンが最初の段部に嵌入する。こうしたピンの嵌入は、バルブタイミングが進角するようにカム軸に対してトルク(負トルク)が作用している間、及びバルブタイミングが遅角するようにカム軸に対してトルク(正トルク)が作用している間のいずれかの時期に生じる。また、こうしてピンが最初の段部に嵌入してバルブタイミングの遅角が規制されている状態で、交番トルクにより両回転体が更に相対回転すると、ピンは次の段部に嵌入する。このように、カム軸に交番トルクが作用して両回転体が所定の相対回転量θ1,θ2,…,θ(i)をもって相対回転する毎に複数の段部にピンが順次嵌入し、バルブタイミングの遅角が規制されることでバルブタイミングが段階的に進角するようになる。
ここで、最終段部の1段前の段部にピンが嵌入したときから最終段部にピンが嵌入するまでの期間では、上述した負トルクが作用している間において、バルブタイミングは特定時期においてその進角が規制部により規制される。そして、次に作用する正トルクによりバルブタイミングが遅角する方向に両回転体が相対回転すると、ピンは規制部による規制が解除され、突出不可能な位置に移行する。したがって、バルブタイミングの進角が規制部により規制されることのない他の段部に嵌入するときと比較して、ピンが最終段部に嵌入しようとするときには、同ピンが最終段部に突出可能な位置にある期間が短くなる傾向にある。
もちろん、規制部によってバルブタイミングの進角を規制するに際して余裕をもってより進角側の位置にて規制するようにすれば、ピンが最終段部に突出可能な位置にある期間を長くすることはできる。しかしながらこの場合には、バルブタイミングを特定時期に保持したときに両回転体の相対回転をある程度許容せざるを得ず、その結果、カム軸に交番トルクが作用することによりピンが段部の側面と接触を繰り返すこととなり、異音の発生やピン及び段部の損傷を招くなどといった事態を招くこととなり好ましくない。
この点、上記構成によれば、上述した所定の相対回転量θ1,θ2,…,θ(i)のうち、最終相対回転量θ(i)が最も小さくなるようにピンと複数の段部との位置関係が設定されている。そのため、最終段部の1段前の段部にピンが嵌入したときから、最終段部にピンが突出可能な位置に移行するまでの期間、すなわち、バルブタイミングが特定時期で規制されるまでの期間を短く設定することができる。これにより、ピンが最終段部に嵌入可能な位置にある期間を長く設定することができ、同ピンが最終段部に嵌入しやすくなる。したがって、機関始動に際してバルブタイミングを速やかに特定時期に保持することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置において、前記最終相対回転量θ(i)を除く各所定の相対回転量θ1,θ2,…が互いに等しくなるように前記複数の段部が形成されることを要旨とする。
同構成では、最終相対回転量θ(i)を除く各所定の相対回転量θ1,θ2,…が互いに等しくなるように複数の段部が形成されるため、最終相対回転量θ(i)を他の所定の相対回転量よりも小さくする分を、他の段部に対応する各所定の相対回転量θ1,θ2,…に対して均等に振り分けることができる。そのため、最終相対回転量θ(i)を小さくすべく、特定の段部に対応する一部の所定の相対回転量のみを大きくする場合と比較して、バルブタイミングが最遅角時期であった状態からピンが最初の段部に嵌入し難くなることを抑制することができるとともに、ピンが他の段部に嵌入した後に次の段部に嵌入し難くなることを抑制することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置において、前記保持機構は、第1の制限機構及び第2の制限機構を各別に含むものであり、前記第1の制限機構は、前記第1の回転体から突出した第1のピンが前記第2の回転体に設けられた第1の凹部に嵌入することにより、バルブタイミングが前記特定時期よりも進角側に両回転体の相対的な回転位相が変化することを規制するものであり、前記第2の制限機構は、前記第1の回転体から突出した第2のピンが前記第2の回転体に設けられた第2の凹部に嵌入することにより、バルブタイミングが前記特定時期よりも遅角側に両回転体の相対的な回転位相が変化することを規制するものであり、前記第1の制限機構及び第2の制限機構が協働して前記第1の回転体及び前記第2の回転体の相対的な回転位相を前記特定時期に保持することを要旨とする。
ここで、上述した特定時期に規制されたピンは、機関始動後に所定条件が成立すると凹部から抜脱されるとともに、特定時期に保持されていたバルブタイミングが機関運転状態に適した所望の時期となるように制御される。この際、単一の制限機構を備える保持機構では、特定時期に規制されたピンの進角側及び遅角側への相対回転がいずれも規制されるため、カム軸に作用する交番トルクによってバルブタイミングが遅角側に変化しようとするとき、及びバルブタイミングが進角側に変化しようとするときのいずれも同ピンは凹部から抜脱し難くなることが懸念される。
この点、同構成によれば、第1のピンは、カム軸の交番トルクによってバルブタイミングが遅角側に変化しようとしているときに、第1の凹部から抜脱することができる一方、第2のピンは、カム軸の交番トルクによってバルブタイミングが進角側に変化しようとしているときに、第2の凹部から抜脱することができる。したがって、これらピンを第1及び第2の制限機構に形成された各凹部から速やかに抜脱させることができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置において、前記複数の段部は、前記第1の凹部及び前記第2の凹部の少なくとも一方に複数形成されるものであり、前記第1の凹部及び前記第2の凹部の一方に形成された複数の段部に前記ピンが嵌入する間に、他方の凹部に形成された段部に対する前記ピンの嵌入が少なくとも1回実行されることを要旨とする。
同構成によれば、第1の凹部及び前記第2の凹部の一方に形成された複数の段部にピンが嵌入する間に、他方の凹部に形成された段部に対するピンの嵌入が少なくとも1回実行されるため、ある段部にピンが嵌入した後、同一の凹部に形成された次の段部にピンが嵌入するまでに要する相対回転量を大きく設定することができるようになる。したがって、加工精度や組み付け精度が段部の形状誤差に及ぼす影響を抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置において、前記保持機構は、機関始動時において油圧に基づく前記両回転体の相対回転がなされない場合であっても前記カム軸に対して作用する交番トルクにより前記ピンが段部に順次嵌入可能となるように前記各所定の相対回転量θ1,θ2,…,θ(i)が設定されることを要旨とする。
同構成によれば、機関始動時であって進角室の油圧が低い若しくは発生していない場合であっても、交番トルクの作用によりバルブタイミングを特定時期まで自律的に進角させることができる。そのため、機関始動に適するバルブタイミングで機関始動を好適に実行することができるようになる。
本発明にかかる内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置を具体化した第1の実施形態について、これを備える内燃機関とその周辺構成を示す概略構成図。 同実施形態にかかる可変動弁機構について、そのカバーを取り外した内部構造を示す端面図。 図2のB−B線に沿う断面構造を示す断面図。 進角制限機構及び遅角制限機構の断面図であって、バルブタイミングが最遅角時期から特定時期まで進角する際におけるバルブタイミングの遅角が規制される各時期を説明する図。 バルブタイミングが最遅角時期から特定時期まで進角する際のバルブタイミングと時間との関係を示す図。 第2の実施形態にかかる可変動弁機構の断面構造を示す断面図であって、図3に示す断面構造に対応する図。 (A)は従来技術の可変動弁機構の内部構造を示す端面図であり、(B)は(A)のC−C線に沿う断面構造を示す断面図。
(第1の実施形態)
以下、図1〜図5を参照して、本発明を内燃機関の吸気バルブについてそのバルブタイミングを変更する油圧駆動式可変動弁装置として具体化した第1の実施形態を説明する。
図1に示すように、内燃機関10の気筒内には、ピストン11が往復動可能に収容されている。このピストン11には、同ピストン11の往復動により回転するクランク軸12が連結されている。また、内燃機関10の上部には、吸気バルブ21を開閉する吸気用のカム軸22と、排気バルブ23を開閉する排気用のカム軸24とが設けられている。また、カム軸22の先端には、吸気バルブ21のバルブタイミングを変更する可変動弁機構20が設けられている。
一方、内燃機関10の下部には、作動油を貯留するオイルパン14が取り付けられているとともに、クランク軸12の回転力により駆動されてオイルパン14の作動油を組み上げるオイルポンプ13が設けられている。このオイルポンプ13により作動油が供給される作動油通路90には、可変動弁機構20の各部に対する作動油の給排状態を変更するオイルコントロールバルブ91が設けられている。
内燃機関10には、同内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサが設けられている。例えば、こうした各種センサとして、クランク軸12の近傍に設けられてクランク角及び機関回転速度を検出するクランク角センサ101、カム軸22の近傍に設けられて同カム軸22の位置を検出するカム角センサ102等がある。これら各種センサから出力される信号は、内燃機関10の各種装置を総括的に制御する電子制御装置100に取り込まれる。
電子制御装置100は、演算装置、駆動回路の他、各種制御の演算結果やその演算に用いられる関数マップ等を記憶する記憶装置等を備えている。そして、この電子制御装置100は、各種センサからの出力信号に基づき内燃機関10の運転状態を検出するとともに、各種制御を実行する。こうした制御の一つであるバルブタイミング可変制御では、機関運転状態に基づいてオイルコントロールバルブ91のバルブ位置を適宜変更することにより、可変動弁機構20に対する作動油の給排状態を調節することにより、吸気バルブ21のバルブタイミングを機関運転状態に応じた時期に制御する。
次に、図2を併せて参照して、可変動弁機構20の構成について説明する。可変動弁機構20のスプロケット31は、図示しないタイミングチェーンを介してクランク軸12と駆動連結されている。このスプロケット31に一体形成されたハウジング32には、その径方向内側に延びる3つの区画部34が設けられている。また、ハウジング32には、カム軸22と同期して回転するベーンロータ33が回動可能に収容されている。このベーンロータ33には、ボルトによりカム軸22に対して一体回転可能に連結されるボス33Aと、3つのベーン33Bを有している。そして、ハウジング32の各区画部34とベーンロータ33のボス33Aによって収容室35が区画形成されるとともに、この収容室35は各ベーン33Bにより進角室36と遅角室37とにそれぞれ区画されている。なお、ベーンロータ33はカム軸22と同期して回転する第1の回転体として機能する。
さらに、可変動弁機構20には、ハウジング32とベーンロータ33との相対回転を規制することにより、最遅角時期PLと最進角時期PHとの間の特定時期PMにバルブタイミングを保持する保持機構40が設けられている。この特定時期PMは、バルブタイミングが機関始動に適した時期となるように設定されている。
保持機構40は、異なるベーン33Bとハウジング32とにそれぞれ設けられた進角制限機構50と遅角制限機構70とを備えている。進角制限機構50は、バルブタイミングが特定時期PMよりも進角する方向にハウジング32とベーンロータ33とが相対回転することを規制する機能を有している。一方、遅角制限機構70は、バルブタイミングが特定時期PMよりも遅角する方向にハウジング32とベーンロータ33とが相対回転することを規制する機能を有している。また、進角制限機構50及び遅角制限機構70は、バルブタイミングが最遅角時期PLにある状態から同バルブタイミングを特定時期PMまで段階的に順次進角させる機能もそれぞれ有している。そして、これら進角制限機構50及び遅角制限機構70の協働によりバルブタイミングが特定時期PMに保持される。
次に、図3を併せて参照して、保持機構40の詳細な構成について説明する。以下では、カム軸22の軸方向において可変動弁機構20のカバー30が配置される側を「先端側」とし、その反対側を「基端側」とする。
進角制限機構50は、ベーン33Bに設けられた円筒状の進角制限ピン51と、この進角制限ピン51が嵌入する進角制限凹部53とを備えている。この進角制限ピン51を軸方向に沿って往復駆動する進角制限動作部52は、進角制限ピン51を基端側に付勢するばね55と、ベーン33Bに形成されて同ばね55を収容する空間54とにより構成されている。この空間54は、ばね55が収容されるばね室56と、作動油通路90を通じて供給される作動油により進角制限ピン51を先端側に押圧するための油圧室57とに区画されている。
遅角制限機構70は、ベーン33Bに設けられた円筒状の遅角制限ピン71と、この遅角制限ピン71が嵌入する遅角制限凹部73とを備えている。遅角制限ピン71を軸方向に沿って往復駆動する遅角制限動作部72は、遅角制限ピン71を基端側に付勢するばね75と、ベーン33Bに形成されて同ばね75を収容する空間74とにより構成されている。この空間74は、ばね75が収容されるばね室76と、作動油通路90を通じて供給される作動油により遅角制限ピン71を先端側に押圧するための油圧室77とに区画されている。
スプロケット31における軸方向先端側の側面31Aには、円板状の第1位相板38及び第2位相板39が重ね合わされて組み付けられている。これら第1位相板38及び第2位相板39には、軸方向に貫通する複数の貫通孔がその周方向に沿ってそれぞれ形成されている。なお、これら第1位相板38及び第2位相板39は、スプロケット31及びハウジング32とともに、クランク軸12と同期して回転する第2の回転体として機能する。
上述した進角制限凹部53及び遅角制限凹部73は、スプロケット31の側面31Aと、第1位相板38及び第2位相板39の貫通孔の内周面38A,39Aとによりそれぞれ形成されている。そして、これら進角制限凹部53及び遅角制限凹部73には、スプロケット31(ハウジング32)とベーンロータ33との相対回転に伴いバルブタイミングが最遅角時期PLから特定時期PMにまで進角する際において、バルブタイミングの遅角を順次規制する4つの段部60(61〜64)が形成されている。
段部60は、進角制限凹部53に形成された第2段部62及び第3段部63と、遅角制限凹部73に形成された第1段部61及び最終段部64とから構成される。詳しくは、第1段部61及び第2段部62は、第1位相板38の貫通孔の内周面38Aと、第2位相板39における軸方向先端側の側面39Bとによりそれぞれ構成される。また、第3段部63及び最終段部64は、第2位相板39の貫通孔の内周面39Aと、スプロケット31の側面31Aとでそれぞれ構成される。
図4に併せて示すように、これら複数の段部60は、進角制限ピン51又は遅角制限ピン71が対応するいずれかの段部60に嵌入したときにこれらピン51,71の遅角側への変位を規制する複数の段差(第1の段差73A,第2の段差53A,第3の段差53B,第4の段差73B)をそれぞれ有している。
これら複数の段差は、第1位相板38及び第2位相板39に形成された貫通孔の内周面38A,39Aでそれぞれ形成される。具体的には、第1段差73Aは、第1位相板38の貫通孔の内周面38Aで形成され、第1段部61における遅角側の段差に相当する。そして、この第1段差73Aで遅角制限ピン71の遅角側への変位が規制されることにより、最遅角時期PLよりも進角側に設定された第1遅角時期PX1でバルブタイミングの遅角が規制される。
第2段差53Aは、第1位相板38の貫通孔の内周面38Aで形成され、第2段部62における遅角側の段差に相当する。そして、この第2段差53Aで進角制限ピン51の遅角側への変位が規制されることにより、第1遅角時期PX1よりも進角側に設定された第2遅角時期PX2でバルブタイミングの遅角が規制される。
第3段差53Bは、第2位相板39の貫通孔の内周面39Aで形成され、第3段部63における遅角側の段差に相当する。そして、この第3段差53Bで進角制限ピン51の遅角側への変位が規制されることにより、第2遅角時期PX2よりも進角側に設定された第3遅角時期PX3でバルブタイミングの遅角が規制される。
第4段差73Bは、第2位相板39の貫通孔の内周面39Aで形成され、最終段部64における遅角側の段差に相当する。そして、この第4段差73Bで遅角制限ピン71の遅角側への変位が規制されることにより、第3遅角時期PX3よりも進角側に設定された特定時期PMでバルブタイミングの遅角が規制される。
さらに、第1位相板38の貫通孔の内周面38Aであって進角制限凹部53における進角側の端部53Cは、進角制限ピン51の進角側への変位を規制する規制部53Cとして機能する。そして、この規制部53Cで進角制限ピン51の進角側への変位が規制されることにより、特定時期PMでバルブタイミングの進角が規制される。
第1相対回転量θ1は、ベーン33Bが進角室36の遅角側内壁36Aに当接したとき(最遅角時期PL)から遅角制限ピン71が第1段部61に嵌入するまで(第1遅角時期PX1)、詳しくは同ピン71の遅角側への変位が第1段差73Aにて規制された状態になるまでのスプロケット31とベーンロータ33との相対回転量に相当する。
第2相対回転量θ2は、遅角制限ピン71が第1段部61に嵌入したとき(第1遅角時期PX1)から進角制限ピン51が第2段部62に嵌入するまで(第2遅角時期PX2)、詳しくは同ピン51の遅角側への変位が第2段差53Aにて規制された状態になるまでのスプロケット31とベーンロータ33との相対回転量に相当する。
第3相対回転量θ3は、進角制限ピン51が第2段部62に嵌入したとき(第2遅角時期PX2)から進角制限ピン51が第3段部63に嵌入するまで(第3遅角時期PX3)、詳しくは同ピン51の遅角側への変位が第3段差53Bにて規制された状態になるまでのスプロケット31とベーンロータ33との相対回転量に相当する。
最終相対回転量θ4は、進角制限ピン51が第3段部63に嵌入したとき(第3遅角時期PX3)から、遅角制限ピン71が最終段部64に嵌入するまで(特定時期PM)、詳しくは同ピン71の遅角側への変位が第4段差73Bにて規制された状態になるまでのスプロケット31とベーンロータ33との相対回転量に相当する。
上述した第1相対回転量θ1、第2相対回転量θ2、第3相対回転量θ3、及び最終相対回転量θ4のうち、最終相対回転量θ4を除く各相対回転量θ1〜θ3は、互いに等しく設定されている。また、これら相対回転量θ1〜θ4は、カム軸22に作用する交番トルクに基づくスプロケット31とベーンロータ33との相対回転量θTよりもそれぞれ小さく設定されている。なお、バルブタイミングが特定時期PMに保持されたときにおける進角制限ピン51と規制部53Cとのクリアランス、及び遅角制限ピン71と第4段差73Bとのクリアランスについては、進角室36及び遅角室37の油圧が低い若しくは発生していない場合であっても、進角制限ピン51及び遅角制限ピン71が不要に変位することを抑えることのできる好適な大きさにそれぞれ設定されている。
次に、こうした構成を備える可変動弁機構20の動作について説明する。
機関運転に伴いクランク軸12が回転するとその駆動力がタイミングチェーン(図示略)を介して可変動弁機構20に伝達され、この可変動弁機構20とともに、カム軸22が回転する。これにより、吸気バルブ21はカム軸22に設けられたカム(図示略)により開閉される。
また、可変動弁機構20の進角室36及び遅角室37に対する作動油の供給又は排出がオイルコントロールバルブ91を通じて制御されると、進角室36及び遅角室37の油圧に基づき収容室35でベーン33Bが変位する。これにより、スプロケット31及びハウジング32に対するベーンロータ33の相対回転位置、すなわちクランク軸12に対するカム軸22の相対回転位置が変更され、吸気バルブ21のバルブタイミングが変更される。
具体的には、可変動弁機構20の進角室36に対して作動油が供給される一方で遅角室37の作動油が排出されることにより、ベーンロータ33がハウジング32に対して進角側方向に相対回転すると、バルブタイミングが進角される。そして、ベーン33Bが遅角室37の進角側内壁37Aに当接すると、バルブタイミングは最進角時期PHとなる。
また、遅角室37に対して作動油が供給される一方で進角室36の作動油が排出されることにより、ベーンロータ33がハウジング32に対して遅角側方向に相対回転すると、バルブタイミングは遅角される。そして、ベーン33Bが進角室36の遅角側内壁36Aに当接すると、バルブタイミングは最遅角時期PLとなる。
なお、このように進角室36及び遅角室37の油圧の制御によりバルブタイミングが最遅角時期PLと最進角時期PHとの間で変更されるときには、進角制限ピン51及び遅角制限ピン71はベーン33B内に収容された状態に維持される。すなわち、このときには進角制限機構50の油圧室57に作動油が供給されることにより、同油圧室57の油圧がばね55の付勢力よりも大きくなるように維持されるため、進角制限ピン51は先端側に向けて押圧されることにより進角制限凹部53から抜脱されてその規制が解除されている。また、遅角制限機構70の油圧室77に対しても作動油が供給されることにより、同油圧室77の油圧がばね75の付勢力よりも大きくなるように維持されるため、遅角制限ピン71は先端側に押圧されることにより遅角制限凹部73から抜脱されてその規制が解除されている。
機関停止要求時には、バルブタイミングが特定時期PMになるようにオイルコントロールバルブ91を通じて進角室36及び遅角室37の油圧が制御される。そして、進角制限機構50の油圧室57から作動油が排出されてこの油圧室57の油圧が低下すると、ばね55で付勢された進角制限ピン51が進角制限凹部53(第3段部63)に嵌入する。併せて、遅角制限機構70の油圧室77から作動油が排出されてこの油圧室77の油圧が低下すると、ばね75で付勢された遅角制限ピン71が遅角制限凹部73(最終段部64)に嵌入する。これにより、進角制限ピン51の進角側への変位が規制部53Cで規制されるとともに、遅角制限ピン71の遅角側への変位が第4段差73Bで規制されて、バルブタイミングが特定時期PMに保持される。
その後、バルブタイミングが特定時期PMにある状態で機関始動が開始される。そして、機関始動後に所定条件が成立すると、進角制限ピン51及び遅角制限ピン71が進角制限凹部53及び遅角制限凹部73からそれぞれ抜脱される。その後、上述したように、バルブタイミングが機関運転状態に適した所望の時期となるように、オイルコントロールバルブ91の制御が実行される。
ところで、機関停止時においてバルブタイミングが特定時期PMに保持されなかったときには、ベーンロータ33とスプロケット31との相対回転によりバルブタイミングが最遅角時期PLまで変化する。これは、進角室36及び遅角室37への作動油の供給停止に伴い、バルブタイミングが遅角する方向に向かってクランク軸12とカム軸22とが相対回転するためである。そして、その後の機関始動時には、カム軸22に対して作用する交番トルクにより、バルブタイミングが遅角側及び進角側に変化するようにベーンロータ33とスプロケット31とがその向きを変化させつつ相対回転するようになる。詳しくは、カム軸22に対して、バルブタイミングが進角する方向に作用する負トルクと、バルブタイミングが遅角する方向に作用する正トルクとが交互に作用する。
次に、図5を併せて参照して、機関始動時においてバルブタイミングが最遅角時期PLから特定時期PMまで進角する態様について説明する。
バルブタイミングが最遅角時期PLにあるときに、カム軸22に対して交番トルクが作用すると、まず、負トルクの作用によりスプロケット31に対してベーン33Bが進角側に相対回転する。これにより進角制限ピン51及び遅角制限ピン71が進角側に相対回転量θTだけ変位する。このとき、遅角制限ピン71は、第1段部61の第1段差73Aよりも進角側に移行するとともに、バルブタイミングは第1遅角時期PX1を超えて大きく進角する。次に、正トルクの作用によりスプロケット31に対してベーン33Bが遅角側に相対回転し、これにより進角制限ピン51及び遅角制限ピン71が遅角側に変位する。こうしてピン51,71が変位している間のいずれかの時期において、遅角制限ピン71が第1段部61に向けて突出可能な位置にあるとき、換言すると、遅角制限ピン71が第1段部61の軸方向先端側に位置するときに(図5に示す「嵌入可能な期間T1」)、同ピン71がばね75により付勢されて第1段部61に向けて突出する。そして、第1段差73Aと遅角制限ピン71とが接触して同ピン71の遅角側への変位が規制されることにより、バルブタイミングの遅角が第1遅角時期PX1で規制される。この状態が、遅角制限ピン71が第1段部61に嵌入した状態に相当する。
こうして遅角制限ピン71が第1段部61に嵌入した後、さらにピン51,71が進角側及び遅角側に変位する間に進角制限ピン51が第2段部62に向けて突出すると、バルブタイミングの遅角が第2遅角時期PX2で規制される。この状態が、進角制限ピン51が第2段部62に嵌入にした状態に相当する。
こうして進角制限ピン51が第2段部62に嵌入にした後、さらにピン51,71が進角側及び遅角側に変位する間に進角制限ピン51が第3段部63に向けて突出すると、バルブタイミングの遅角が第3遅角時期PX3で規制される。この状態が、進角制限ピン51が第3段部63に嵌入した状態に相当する。
なお、上述したように、第1相対回転量θ1と第2相対回転量θ2と第3相対回転量θ3とは互いに等しく設定されている。そのため、第1段部61への遅角制限ピン71の嵌入可能な期間T1と、第2段部62への進角制限ピン51の嵌入可能な期間T2と、第3段部63への進角制限ピン51の嵌入可能な期間T3とは互いに等しくなる。
第3段部63に進角制限ピン51が嵌入した後、さらに、カム軸22に対して負トルクが作用すると、ベーン33Bとスプロケット31との相対回転により進角制限ピン51及び遅角制限ピン71が進角側に変位する。そして、進角制限ピン51の進角が規制部53Cにより規制されると、負トルクの作用が継続している間、図5の実線で示すように、バルブタイミングの進角が特定時期PMで規制される。こうしてバルブタイミングの進角が特定時期PMで規制されている期間において、最終段部64の軸方向先端側に位置している遅角制限ピン71が最終段部64に嵌入する。
このように、所定の相対回転量(第1相対回転量θ1、第2相対回転量θ2、第3相対回転量θ3、及び最終相対回転量θ4)をもってスプロケット31とベーンロータ33とが相対回転する毎に複数の段部60(61〜64)にピン51,71が順次嵌入し、バルブタイミングの遅角が規制されることで、バルブタイミングが段階的に進角しつつ特定時期PMにまで進角する。
ところで、上述したように、最終段部64に遅角制限ピン71が嵌入しようとするときには、負トルクが作用している期間、バルブタイミングの進角は特定時期PMで規制される。そのため、この次に正トルクが作用するときには、規制部53Cによる規制が解除され、遅角制限ピン71は第4段差73Bを超えて速やかに遅角側に移行することとなり、同ピン71が最終段部64に嵌入できない位置にまで移行する。すなわち、進角制限ピン51は第3段部63の底部に接触する一方、遅角制限ピン71は第1段部61の底部に接触し、同ピン71が最終段部64に嵌入できない状態になる。
これに対し、仮に、進角制限機構50に規制部53Cが設けられていない場合に、最終段部64に遅角制限ピン71が嵌入しようとするときには、負トルクが作用している期間、図5の二点差線で示すように、特定時期PMを超えてバルブタイミングは大きく進角する。すなわち、遅角制限ピン71は第4段差73Bよりも大きく進角側へ移行する。そのため、進角制限機構50に規制部53Cが設けられている場合と比較して、この次に正トルクが作用しているときにおいて、遅角制限ピン71が第4段差73Bよりも遅角側に移行するまでの期間が長くなる。したがって、遅角制限ピン71が最終段部64に嵌入しようとするときにバルブタイミングの進角が特定時期PMで規制されると、進角が規制されることのない他の段部へピン71が嵌入しようとするときと比較して、同ピン71の嵌入可能な期間が短くなる傾向にある。
こうして嵌入可能な期間が短くなると、遅角制限ピン71が最終段部64に嵌入し難くなることが懸念される。さらに、同ピン71が最終段部64に嵌入し難くなることにより、この嵌入が完了するまで、交番トルクの作用に伴いベーンロータ33とスプロケット31との相対回転が繰り返され、機関始動に際してバルブタイミングを速やかに特定時期PMに保持することができなくなるといった問題が生じる虞もある。
なお、規制部53Cによってバルブタイミングの進角を規制するに際して、余裕をもってより進角側の位置にて規制するようにすれば、遅角制限ピン71が最終段部64に突出可能な位置にある期間を長くすることはできる。しかしながらこの場合には、バルブタイミングを特定時期PMに保持したときにベーンロータ33とスプロケット31との相対回転をある程度許容せざるを得ない。その結果、カム軸22への交番トルクにより規制部53Cと進角制限ピン51との接触、及び最終段部64の側面と遅角制限ピン71との接触が繰り返されることとなり、異音の発生やピン及び段部60の側面の損傷を招くなどといった事態を招くこととなり好ましくない。そのため、本実施形態では、上述したように、進角室36及び遅角室37の油圧が低い若しくは発生していない場合であっても、進角制限ピン51及び遅角制限ピン71が不要に変位することを抑えることのできる好適な大きさにそれぞれ設定されている。
そこで、本実施形態では、上述したように、最終相対回転量θ4が、他の各所定の相対回転量(第1相対回転量θ1、第2相対回転量θ2、第3相対回転量θ3)よりも小さく設定されている。これにより、本実施形態では、第3段部63に進角制限ピン51が嵌入した後、バルブタイミングが特定時期PMで規制されるまでの期間TMを相対的に短く設定することができる。
例えば、最終相対回転量θ4が、上述した第1相対回転量θ1、第2相対回転量θ2、及び第3相対回転量θ3と同一の「想定相対回転量θ4s」であって、バルブタイミングの特定時期PMが、「想定特定時期PMs」に設定されている場合を想定する。この場合には、第3段部63に進角制限ピン51が嵌入した後、負トルクの作用している期間において、一点鎖線で示すように、バルブタイミングが想定特定時期PMsで規制される。この規制までに要する期間「TMs」は、本実施形態における規制までの期間「TM」よりも同図に示す「ΔT」だけ長い。したがって、この場合における遅角制限ピン71が最終段部64に嵌入可能な想定期間「T4s」よりも、本実施形態における嵌入可能な期間「T4」は「ΔT」だけ長くなり(T4=T4s+ΔT)、同ピン71が最終段部64に対して嵌入しやすくなる。
すなわち、最終相対回転量θ4を相対的に小さく設定することにより、遅角制限ピン71が最終段部64に対して嵌入可能な位置(特定時期PM)にある期間を長く設定することができる。そのため、遅角制限ピン71が最終段部64に嵌入可能である期間T4を長くすることができる。
以上説明した第1の実施形態によれば、以下の作用効果を得ることができる。
(1)所定の相対回転量θ1〜θ4のうち、最終相対回転量θ4が最も小さくなるように進角制限ピン51及び遅角制限ピン71と4つの段部60(61〜64)との位置関係が設定されている。したがって、第3段部63に進角制限ピン51が嵌入したときから、遅角制限ピン71が最終段部64に突出可能な位置にまで移行するまでの期間TM、すなわち進角制限ピン51が規制部53Cに規制されるまでの期間TMを短く設定することができる。これにより、遅角制限ピン71が最終段部64に嵌入可能な位置にある期間T4を長く設定することができ、同ピン71が最終段部64に嵌入しやすくなる。したがって、機関始動に際してバルブタイミングを速やかに特定時期PMに保持することができるようになる。
(2)所定の相対回転量(第1相対回転量θ1、第2相対回転量θ2、第3相対回転量θ3、最終相対回転量θ4)のうち、最終相対回転量θ4を除く各所定の相対回転量(第1相対回転量θ1、第2相対回転量θ2、第3相対回転量θ3)が互いに等しくなるように他の段部61〜63が形成される。そのため、最終相対回転量θ4について他の所定の相対回転量θ1,θ2,θ3よりも小さくする分を、これら第1相対回転量θ1、第2相対回転量θ2、及び第3相対回転量θ3に対して均等に振り分けることができる。したがって、最終相対回転量θ4を小さくすべく、特定の段部に対応する一部の所定の相対回転量のみを大きくする場合と比較して、最遅角時期PLにあった遅角制限ピン71が第1段部61に嵌入し難くなることを抑制することができる。また併せて、遅角制限ピン71が第1段部61に嵌入してから進角制限ピン51が第2段部62に嵌入し難くなることを抑制することができ、進角制限ピン51が第2段部62に嵌入してから同ピン51が第3段部63に嵌入し難くなることを抑制することができるようになる。
(3)保持機構40は、進角制限機構50及び遅角制限機構70を各別に備えている。そのため、カム軸22に作用する交番トルクによってバルブタイミングが遅角側に変化しようとしているとき、進角制限ピン51は進角制限機構50から抜脱しやすくなる。一方、カム軸22に作用する交番トルクによってバルブタイミングが進角側に変化しようとしているとき、遅角制限ピン71が遅角制限機構70から抜脱しやすくなる。したがって、機関始動時において、これらピン51,71を進角制限凹部53及び遅角制限凹部73から速やかに抜脱させることができるようになる。
(4)複数の段部60として、第2段部62及び第3段部63が進角制限凹部53に形成されるとともに、第1段部61及び最終段部64が遅角制限凹部73に形成されている。また、第1段部61に遅角制限ピン71が嵌入してから最終段部64に遅角制限ピン71が嵌入するまでの間に、第2段部62及び第3段部63への進角制限ピン51の嵌入がそれぞれ実行される。そのため、例えば進角制限機構50に形成された第2段部62及び第3段部63に対して進角制限ピン51の嵌入が連続して行われた後に、遅角制限機構70に形成された第1段部61及び最終段部64に対して遅角制限ピン71の嵌入が連続して行われるようにした構成と比較して、遅角制限機構70において、第1段部61に遅角制限ピン71が嵌入した後、最終段部64に同ピン71が嵌入するまでに要する相対回転量(第2相対回転量θ2+第3相対回転量θ3+最終相対回転量θ4)を大きく設定することができる。したがって、加工精度や組み付け精度が段部60の形状誤差に及ぼす影響を抑制することができる。
(5)所定の相対回転量(第1相対回転量θ1、第2相対回転量θ2、第3相対回転量θ3、最終相対回転量θ4)は、カム軸22に対して作用する交番トルクに基づくスプロケット31とベーンロータ33との相対回転量θTよりもそれぞれ小さく設定されている。そのため、機関始動時であって進角室36の油圧が低い若しくは発生していない状態であっても、交番トルクの作用により、進角制限ピン51又は遅角制限ピン71を対応する次の段部に嵌入可能な位置にまで移行させることができる。したがって、機関始動に際して最遅角時期PLにあるバルブタイミングを特定時期PMにまで自律的に速やかに進角させることができ、機関始動に適するバルブタイミングにて機関始動を実行することができる。
(第2の実施形態)
次に、図6を参照して,本発明にかかる内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置を具体化した第2の実施形態について、上述した第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すことにより詳細な説明を省略する。
上述した第1の実施形態では、保持機構40が進角制限機構50及び遅角制限機構70を各別に備える例を示したが、本実施形態では、単一の保持機構110を備えている。また、第1の実施形態では、複数の段部60として、第2段部62及び第3段部63が進角制限凹部53に形成されるとともに、第1段部61及び最終段部64が遅角制限凹部73に形成される例を示したが、本実施形態では、複数の段部130として、第1段部131、第2段部132、及び最終段部133が凹部113に形成される。
保持機構110は、ベーン33Bに設けられた円筒状のピン111と、このピン111が嵌入する凹部113とを備えている。このピン111を軸方向に沿って往復駆動する制限動作部112は、ピン111を基端側に付勢するばね115と、ベーン33Bに形成されて同ばね115を収容する空間114とにより構成されている。この空間114は、ばね115が収容されるばね室116と、作動油通路90を通じて供給される作動油によりピン111を先端側に押圧するための油圧室117とに区画されている。
スプロケット31における軸方向先端側の側面31Aには、円板状の第1位相板121、第2位相板122、及び第3位相板123が重ね合わされて組み付けられている。これら位相板121,122,123には、軸方向に貫通する貫通孔がそれぞれ設けられている。
上述した凹部113は、第1位相板121、第2位相板122、及び第3位相板123のそれぞれの貫通孔の内周面とスプロケット31の側面31Aとにより形成されている。そして、この凹部113には、スプロケット31とベーンロータ33との相対回転に伴いバルブタイミングが最遅角時期PLから特定時期PMにまで進角する際においてバルブタイミングの遅角を順次規制する3つの段部130(第1段部131、第2段部132、最終段部133)が形成されている。
第1段部131における遅角側の内周面は、バルブタイミングの遅角を第1遅角時期PX1で規制する第1段差141として機能する。
第2段部132における遅角側の内周面は、バルブタイミングの遅角を第2遅角時期PX2で規制する第2段差142として機能する。
最終段部133における遅角側の内周面は、バルブタイミングの遅角を特定時期PMで規制する第3段差143として機能する。また、凹部113には、その進角側の端部において、最終段部133にピン111が嵌入したときにバルブタイミングの進角を規制する規制部150が設けられている。
第1相対回転量θ1は、ベーン33Bが進角室36の遅角側内壁36Aに当接したとき(最遅角時期PL)からピン111が第1段部131に嵌入するまで(第1遅角時期PX1)、詳しくは同ピン111の遅角側への変位が第1段差141にて規制された状態になるまでのスプロケット31とベーンロータ33との相対回転量に相当する。
第2相対回転量θ2は、ピン111が第1段部131に嵌入したとき(第1遅角時期PX1)から同ピン111が第2段部132に嵌入するまで(第2遅角時期PX2)、詳しくは同ピン111の遅角側への変位が第2段差142にて規制された状態になるまでのスプロケット31とベーンロータ33との相対回転量に相当する。
最終相対回転量θ3は、ピン111が第2段部132に嵌入したとき(第2遅角時期PX2)から、同ピン111が最終段部133に嵌入するまで(特定時期PM)、詳しくは同ピン111の遅角側への変位が第3段差143にて規制された状態になるまでのスプロケット31とベーンロータ33との相対回転量に相当する。
上述した第1相対回転量θ1、第2相対回転量θ2、及び最終相対回転量θ3のうち、最終相対回転量θ3を除く第1相対回転量θ1と第2相対回転量θ2は、等しく設定されている。また、これら相対回転量θ1〜θ3は、カム軸22に作用する交番トルクに基づくスプロケット31とベーンロータ33との相対回転量θTよりもそれぞれ小さく設定されている。さらに、バルブタイミングが特定時期PMに保持されたときにおけるピン111と第3段差143とのクリアランス、及び同ピン111と規制部150とのクリアランスについては、進角室36及び遅角室37の油圧が低い若しくは発生していない場合であっても、ピン111が不要に変位することを抑えることのできる好適な大きさにそれぞれ設定されている。
次に、機関始動時において、バルブタイミングが最遅角時期PLから特定時期PMまで進角する態様について説明する。
機関始動時において、バルブタイミングが最遅角時期PLにあるときに、カム軸22に対して交番トルクが作用すると、この交番トルクの作用によりスプロケット31とベーン33Bとが相対回転する。これにより、ピン111が第1段部131に向けて突出可能な位置にあるときに同ピン111がばね115により付勢されて第1段部131に向けて突出する。そして、第1段差141とピン111とが接触して同ピン111の遅角側への変位が規制されることにより、バルブタイミングの遅角が第1遅角時期PX1で規制される。この状態が、ピン111が第1段部131に嵌入した状態に相当する。
こうしてピン111が第1段部131に嵌入した後、さらにピン111が進角側及び遅角側に変位する間に同ピン111が第2段部132に向けて突出すると、バルブタイミングの遅角が第2遅角時期PX2で規制される。この状態が、ピン111が第2段部132に嵌入した状態に相当する。
こうしてピン111が第2段部132に嵌入した後、さらに、負トルクの作用によりピン111が進角側に変位して同ピン111の進角側への変位が規制部150により規制されると、この負トルクが作用している期間、バルブタイミングは特定時期PMに維持される。そして、こうしてバルブタイミングの進角が特定時期PMで規制されている期間において、最終段部133の軸方向先端側に位置しているピン111が最終段部133に嵌入する。これにより、ピン111の遅角側への変位が第3段差143で規制されるとともに、同ピン111の進角側への変位が規制部150で規制され、バルブタイミングが特定時期PMで保持される。
以上説明した第2の実施形態によれば、上記(1)、(2)、(5)に示した各作用効果を奏することができる。
(その他の実施形態)
なお、この発明にかかる内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置は、上述した各実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、それら実施形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記第1の実施形態では、第1段部61(遅角制限機構70)→第2段部62(進角制限機構50)→第3段部63(進角制限機構50)→最終段部64(遅角制限機構70)の順に進角制限ピン51又は遅角制限ピン71が嵌入する例を示したが、複数の段部にピンが嵌入する順番については、変更することができる。例えば、進角制限機構50に形成された2つの段部に連続して進角制限ピン51が嵌入した後に、遅角制限機構70に形成された2つの段部に連続して遅角制限ピン71が嵌入するようにしてもよい。この場合であっても、上記(1)、(2)、(3)、(5)に示した各作用効果を奏することができる。また、進角制限機構50に形成された段部への進角制限ピン51の嵌入と、遅角制限機構70に形成された段部への遅角制限ピン71の嵌入とが交互に実行されるように複数の段部を形成するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、最終相対回転量を除く各所定の相対回転量が互いに等しくなるように複数の段部60,130を形成する例を示した。しかし、最終相対回転量が最も小さく設定されていれば、各所定の相対回転量は異なるように設定してもよい。この場合であっても、上記(1)に示した作用効果を奏することができる。
・上記各実施形態では、複数の位相板38,39,121〜123を用いて複数の段部60,130をそれぞれ形成する例を示した。しかし、複数の段数の形成態様についてはこれらの例に限られない。例えば、単一の板に複数の段部を形成する構成や、スプロケット31に複数の段部を形成する構成を採用してもよい。さらに、スプロケット31側ではなく、カバー30側に複数の段部を形成するようにしてもよい。
・上記第1の実施形態では、複数の段部60として4つの段部(61〜64)が凹部53,73に形成された例を示し、上記第2の実施形態では、複数の段部130として3つの段部(131〜133)が凹部113に形成された例を示した。しかし、こうした複数の段部の段数は、これらの例に限ったものではなく、5段以上の段部を形成することもできる。すなわち、最終相対回転量が最も小さくなるように複数の段部が凹部に形成されている構成であれば、上記(1)に示した作用効果を奏することができる。なお、機関始動に適するバルブタイミングが特定時期PMとして設定されること、及び、交番トルクによりバルブタイミングが自律的に特定時期PMにまで進角することができること、といった点を考慮して、複数の段部の段数や所定の相対回転量を設定することが望ましい。
・上記各実施形態では、カム軸22に作用する交番トルクに基づくスプロケット31とベーンロータ33との相対回転量θTよりも所定の相対回転量θ1〜θ4が小さく設定される例を示した。これは、上述したように、機関始動時に最遅角時期PLにあるバルブタイミングが自律的に特定時期PMまで進角すべく設定されている。しかし、機関始動時において進角室36に対して作動油を早期に供給することができ、これによりバルブタイミングの進角を油圧により補助することのできる構成であれば、所定の相対回転量θ1〜θ4を相対的に大きく設定することもできる。この場合であっても、上記(1)〜(4)に示した各作用効果を奏することができる。
・上記各実施形態では、ベーン33Bにピン51,71,111を設けるとともに、スプロケット31側に凹部53,73,113を形成する例を示した。しかし、ベーン33Bに凹部53,73,113を形成するとともに、スプロケット31側にピン51,71,111を設けるようにしてもよい。この場合であっても、上述した各作用効果を奏することができる。
・上記各実施形態では、可変動弁機構20のスプロケット31及びハウジング32がクランク軸12に駆動連結され、ベーンロータ33がカム軸22に駆動連結された例を示した。しかし、スプロケット31及びハウジング32がカム軸22に駆動連結され、ベーンロータ33がクランク軸12に駆動連結されるように可変動弁機構20を構成してもよい。この場合であっても、上述した各作用効果を奏することができる。
・上記各実施形態では、本発明の油圧式可変動弁装置を吸気バルブ21のバルブタイミングを変更する可変動弁機構20として具体化した例を示したが、排気バルブ23のバルブタイミングを変更する可変動弁機構として本発明を具体化することも可能である。また、吸気バルブ21のバルブタイミングを変更する可変動弁機構、及び排気バルブ23のバルブタイミングを変更する可変動弁機構のそれぞれに本発明を適用することも可能である。
10…内燃機関、11…ピストン、12…クランク軸、13…オイルポンプ、14…オイルパン、20,1…可変動弁機構、21…吸気バルブ、22…吸気用カム軸、23…排気バルブ、24…排気用カム軸、30…カバー、31…スプロケット(第2の回転体)、31A…側面、32,2…ハウジング(第2の回転体)、33,3…ベーンロータ(第1の回転体)、33A…ボス、33B,3A…ベーン(第1の回転体)、34…区画部、35,4…収容室、36,5…進角室、36A…遅角側内壁、37,6…遅角室、37A…進角側内壁、38,121…第1位相板(第2の回転体)、38A…内周面、39,122…第2位相板(第2の回転体)、39A…内周面、39B…側面、40,110,7…保持機構、50…進角制限機構(第1の制限機構)、51…進角制限ピン(ピン、第1のピン)、52…進角制限動作部、53…進角制限凹部(凹部、第1の凹部)、53A,142…第2段差、53B,143…第3段差、53C,150…規制部、54,74,114…空間、55,75,115,7B…ばね、56,76,116…ばね室、57,77,117,7C…油圧室、60,130…段部、61,131…第1段部、62,132…第2段部、63…第3段部、64,133…最終段部、70…遅角制限機構(第2の制限機構)、71…遅角制限ピン(ピン、第2のピン)、72…遅角制限動作部、73…遅角制限凹部(凹部、第2の凹部)、73A,141…第1段差、73B…第4段差、90…作動油通路、91…オイルコントロールバルブ、100…電子制御装置、101…クランク角センサ、102…カム角センサ、111,7A…ピン、112…制限動作部、113,7D…凹部、123…第3位相板。

Claims (5)

  1. クランク軸及びカム軸の一方と同期して回転する第1の回転体及び他方と同期して回転する第2の回転体を含み、それら両回転体を同一の回転軸周りに油圧を用いて相対回転することにより前記カム軸にて開閉駆動されるバルブのバルブタイミングを変更する可変動弁機構と、前記第1の回転体に設けられたピンを前記第2の回転体に設けられた凹部に向けて付勢しこれに嵌入させることで両回転体の相対回転を規制しバルブタイミングを特定時期に保持する一方、前記ピンを前記凹部から抜脱してその規制を解除する保持機構とを備える内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置において、
    前記保持機構は、前記両回転体の相対回転に伴ってバルブタイミングが最遅角時期から前記特定時期にまで進角する際に、前記両回転体が所定の相対回転量θ1,θ2,…,θ(i)をもって相対回転する毎に前記ピンが順次嵌入してバルブタイミングの遅角を規制する段部であって同バルブタイミングが前記特定時期にまで進角したときに前記ピンが嵌入する最終段部を含む複数の段部が前記凹部に形成されるとともに、前記最終段部に前記ピンが嵌入したときにバルブタイミングの進角を規制する規制部を備え、前記所定の相対回転量θ1,θ2,…,θ(i)のうち前記最終段部の1段前の段部に前記ピンが嵌入したときから前記最終段部に前記ピンが嵌入するまでの前記両回転体の所定の相対回転量θ(i)である最終相対回転量が最も小さくなるように前記ピンと前記複数の段部との位置関係が設定される
    ことを特徴とする内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置において、
    前記最終相対回転量θ(i)を除く各所定の相対回転量θ1,θ2,…が互いに等しくなるように前記複数の段部が形成される
    ことを特徴とする内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置。
  3. 前記保持機構は、第1の制限機構及び第2の制限機構を各別に含むものであり、
    前記第1の制限機構は、前記第1の回転体から突出した第1のピンが前記第2の回転体に設けられた第1の凹部に嵌入することにより、バルブタイミングが前記特定時期よりも進角側に両回転体の相対的な回転位相が変化することを規制するものであり、
    前記第2の制限機構は、前記第1の回転体から突出した第2のピンが前記第2の回転体に設けられた第2の凹部に嵌入することにより、バルブタイミングが前記特定時期よりも遅角側に両回転体の相対的な回転位相が変化することを規制するものであり、
    前記第1の制限機構及び第2の制限機構が協働して前記第1の回転体及び前記第2の回転体の相対的な回転位相を前記特定時期に保持する
    請求項1又は2に記載の内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置において、
    前記複数の段部は、前記第1の凹部及び前記第2の凹部の少なくとも一方に複数形成されるものであり、
    前記第1の凹部及び前記第2の凹部の一方に形成された複数の段部に前記ピンが嵌入する間に、他方の凹部に形成された段部に対する前記ピンの嵌入が少なくとも1回実行される
    ことを特徴とする内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置において、
    前記保持機構は、機関始動時において油圧に基づく前記両回転体の相対回転がなされない場合であっても前記カム軸に対して作用する交番トルクにより前記ピンが段部に順次嵌入可能となるように前記各所定の相対回転量θ1,θ2,…,θ(i)が設定される
    ことを特徴とする内燃機関の油圧駆動式可変動弁装置。
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