JP5436053B2 - 調理用着色アルミニウム箔及びそれを用いた焼き芋の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、調理用着色アルミニウム箔及びそれを用いた焼き芋の製造方法に関する。
アルミニウム箔は、食品分野、電子・電気分野等をはじめとして幅広い分野で利用されている。例えば、食品分野では「アルミニウムホイル」として食品包装・調理用に汎用されている。例えば、食品をアルミニウム箔で包んだり、又はアルミニウム箔を敷いてその上に食品を載せて加熱したりすることにより調理が行われる。このようにアルミニウム箔を用いて調理することにより、食品の表面に比較的満遍なく熱を加えることができる。
特許文献1、2には、着色により吸熱効果を高めたアルミニウム箔が記載されている。具体的には、特許文献1の実用新案登録請求の範囲第1項には、芋類等を火炉上にて焼く際用いられるアルミニウムホイルであって、火炉に対する包装外面を黒色となしたことを特徴とするアルミニウムホイルが記載されている。また、特許文献2の実用新案登録請求の範囲第1項には、被加熱物を包みまたは上に置いて加熱する目的の金属箔に関し、片面または両面に塗装または化学的方法等により吸熱処理を施した調理用等に使用する金属箔が記載されている。
従来、アルミニウム箔への着色は、通常、グラビア印刷により行われている。グラビア印刷は、印刷後に有機溶剤が殆ど残存しないために、食品包装・調理用のアルミニウム箔への着色に適しているからである。また、グラビア印刷は生産性が高く、任意のデザインやリサイクルマークの表示等、精密な図柄印刷にも適している。
近年、省資源の観点から調理用アルミニウム箔が薄膜化してきており、以前は20μm前後であったもの(例えば特許文献3)が5〜18μmになってきている。しかしながら、このような薄膜にグラビア印刷で全面着色を行うと、着色後の乾燥(インクを硬化させる)工程でアルミニウム箔にシワが寄るという問題がある。また、シワを起点に着色層が剥がれ落ちるという問題がある。なお、ニトロセルロース系のインク等で着色層を形成すればシワの問題は回避できるものの、耐熱性が弱いため食品を包装してオーブン等で加熱する用途には適していない。従って、薄膜化の要請と耐熱性・安全性の要請に十分に応え得る着色層の形成技術が望まれている。
ところで、加熱調理の一例として焼き芋の製造がある。焼き芋を製造するには、業者が使うような大きな石釜や、家庭で作るには石焼き芋器といった特別な調理具が必要となる。加熱手段はガスコンロである。それらにより得られる焼き芋は、味は甘く美味しいが準備が大変なことや、芋が焼きあがるのに時間がかかるという課題がある。なお、簡易的にアルミニウム箔でサツマイモを包んでオーブントースターで加熱するという方法があるが、簡易的ではあるが、やはり時間がかかり甘みが少ない。他に簡易用として電子レンジ対応の焼き芋器や、ラップでサツマイモを包んで電子レンジで加熱するという方法もあるが、芋の甘みが全く無く美味しくないのが現状である。従って、短時間で焼き芋の甘み(美味しさ)を引き出すことができる、サツマイモを包んでオーブントースターで加熱する用途に適したアルミニウム箔の開発も望まれている。
実開昭55−11139号公報 実開平1−127524号公報 実開平2−65543号公報
本発明は、シワの問題が改善された耐熱性・安全性の要求に応え得る調理用着色アルミニウム箔であって、サツマイモを包んでオーブントースターで加熱することにより、サツマイモの甘み(美味しさ)を短時間で引き出すことができる調理用着色アルミニウム箔を提供することを主な目的とする。
本発明者は上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の樹脂を含有する着色インクの乾燥塗膜により着色層を形成する場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の調理用着色アルミニウム箔及びそれを用いた焼き芋の製造方法に関する。
1.アルミニウム箔の片面に着色層が形成されている調理用着色アルミニウム箔であって、
前記着色層は、ポリアミドイミド樹脂及び顔料を含有する着色インクの乾燥塗膜により形成されていることを特徴とする調理用着色アルミニウム箔。
2.前記アルミニウム箔は、厚さが10〜30μmである、上記項1に記載の調理用着色アルミニウム箔。
3.前記アルミニウム箔は、艶面(ツヤ面)と艶ケシ面(ケシ面)を有し、前記ケシ面に前記着色層が形成されている、上記項1又は2に記載の調理用着色アルミニウム箔。
4.前記着色インクの乾燥塗膜における前記顔料の含有量は、25〜40重量%である、上記項1〜3のいずれかに記載の調理用着色アルミニウム箔。
5.前記顔料は、黒色顔料を含有する、上記項1〜4のいずれかに記載の調理用着色アルミニウム箔。
6.前記着色層は、面積比で0.5〜5%の非着色領域を有する、上記項1〜5のいずれかに記載の調理用着色アルミニウム箔。
7.焼き芋の製造用である、上記項1〜6のいずれかに記載の調理用着色アルミニウム箔。
8.上記項1〜7のいずれかに記載の調理用着色アルミニウム箔を用いて前記着色層が外側となるようにサツマイモを包み、オーブントースターで加熱することを特徴とする焼き芋の製造方法。
以下、本発明について詳細に説明する。
調理用着色アルミニウム箔
本発明の調理用着色アルミニウム箔は、基材となるアルミニウム箔の片面に、着色層が形成されており、前記着色層は、ポリアミドイミド樹脂及び顔料を含有する着色インクの乾燥塗膜により形成されていることを特徴とする。
特にポリアミドイミド樹脂を含有する着色インクを用いることにより、薄膜のアルミニウム箔に対して、耐熱性の高い着色層をシワの発生を効果的に抑制しながら形成することができる。そして、これにより得られる本発明の調理用着色アルミニウム箔は、とりわけ焼き芋製造用の着色アルミニウム箔として有用であり、着色層が外側になるようにサツマイモを包み、オーブントースターで加熱することにより短時間で甘み(美味しさ)を引き出した焼き芋を製造することができる。調理用着色アルミニウム箔の説明については、焼き芋製造用の用途についても触れながら説明する。
基材となるアルミニウム箔としては、公知のアルミニウム箔を用いることができ、特に限定されないが、アルミニウム純度98.0〜99.9重量%のアルミニウム箔を用いることが好ましい。例えば、JISH4160では、1000系(1N30、1070等)、3000系、8000系(8021、8079等)等のアルミニウム箔を用いることができ、調質(質別)も硬質材(H材(JISH0001))、半硬質材、軟質材(O材(JISH0001))のいずれも使用可能である。本発明では、焼き芋製造用として用いる場合には、取り扱い易さや焼き芋の包み易さから、軟質材が好ましい。
基材となるアルミニウム箔の厚さは10〜30μm程度が好ましい。アルミニウム箔の厚さが10μm未満であるとサツマイモを包むときに破れる場合がある。また、印刷加工(着色層の形成)の難易度が上がる。また、アルミニウム箔が厚いとサツマイモを包むときにアルミニウム箔とサツマイモとの間に空間が生じ易く、着色層に吸熱した熱のサツマイモへの伝熱効率が減少する。
なお、通常の市販アルミニウム箔は、一方の面が艶面(ツヤ面)、他方の面が艶ケシ面(ケシ面)と呼ばれ、各面の光沢が異なる。本発明では、ケシ面に着色層を形成することが好ましく、ケシ面の粗度(Ra)としては、0.2μm以上が好ましく、0.25μm以上がより好ましい。これは、ケシ面の方がツヤ面よりも粗度が大きいため顔料を含む着色インクの付着性が高いことと、ツヤ面の方がサツマイモを包んだ際にサツマイモ表面への密着性が大きいと考えられることが理由である。
着色層は、ポリアミドイミド樹脂及び顔料を含有する着色インクの乾燥塗膜により形成される。着色インクは、ポリアミドイミド樹脂の溶液と顔料との混合物が挙げられ、ポリアミドイミド樹脂を溶解する溶媒としては、食品業界で用いられる液体又は汎用の溶剤を使用することができる。例えば、エタノール、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、トルエン等が挙げられる。
なお、着色インクに含まれる樹脂としては、ポリアミドイミド樹脂に加えてアクリル樹脂やエポキシ樹脂等の耐熱性樹脂を含んでいてもよい。このように複数の樹脂を含有する場合には、樹脂100重量%におけるポリアミドイミド樹脂の含有量は60重量%以上であることが好ましい。
顔料としては、着色層に良好な吸熱効果を付与すべく黒色顔料が好ましい。黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック等が挙げられる。顔料の平均粒子径は限定されないが、20μm以下が好ましく、0.01〜10μmがより好ましい。
着色インクに含まれるポリアミドイミド樹脂の含有量としては、ポリアミドイミド樹脂を単独で用いる場合には、8〜14重量%が好ましく、11〜12重量%がより好ましい。また、ポリアミドイミド樹脂を溶解する溶媒を除く着色インク、即ち乾燥塗膜に含まれる顔料の含有量としては、25〜45重量%が好ましく、30〜40重量%がより好ましい。
着色層の形成方法は限定されないが、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷、カレンダー印刷等の印刷方法のほか、スプレー、刷毛、ローラー等の塗布方法等の公知の手法で着色インクを塗布した後、塗膜を乾燥(自然乾燥・加熱乾燥)させることにより形成できる。着色塗膜としては、0.8〜2.5g/mの塗布量(乾燥後)が好ましく、1〜1.5g/mの塗布量(乾燥後)がより好ましい。また、乾燥塗膜の厚さとしては、0.3〜3μmが好ましく、0.8〜1.8μmがより好ましい。着色層が薄すぎると急速加熱の効果が少なくなり、着色層を有さない公知のアルミホイルと効果が変わらなくなる。また、厚すぎると顔料の密着性が悪化して手やサツマイモに顔料が付着し易くなる。
上記ポリアミドイミド樹脂は、硬化温度が200℃以下、好ましくは180℃以下の樹脂であるため、塗膜の乾燥処理を180℃以下、好ましくは170℃以下、より好ましくは150℃以下で行うことができる。このような比較的低温で乾燥処理することにより、乾燥時のシワの発生を効率的に抑制することができる。乾燥時間は乾燥温度に応じて適宜設定できるが、通常3〜30秒程度である。耐熱性が高い樹脂としては、ポリアミドイミド樹脂以外に、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられるが、酒等の調味料に対する耐薬品性、被調理材由来の油分や調理油に対する耐油性、使用時の擦れに対して容易に着色層が剥がれ落ちにくいという耐摩擦性の点で、ポリアミドイミド樹脂が好適である。また、ポリアミドイミド樹脂中でも、環境ホルモンであるビスフェノールAを含まないものがより好適に使用される。
なお、着色層は全面ベタ層を基本とするが、面積比で0.5〜5%程度の非着色領域を形成することが好ましい。このような非着色領域は、文字、記号、図形等を部分的に形成することにより好適に形成できる。例えば、品番、使用方法、表裏の別などを非着色領域によって示すことが挙げられる。非着色領域を上記面積比の範囲で形成することにより、着色層を形成する際のシワの発生をより効果的に抑制することができる。
焼き芋の製造方法
以下では焼き芋の製造方法について説明するが、本発明の調理用着色アルミニウム箔は、サツマイモ以外の食材(例えば、ジャガイモ、きのこ類、とうもろこし、魚、肉類等)を着色層が外側となるように包み、オーブントースターで加熱調理する用途にも適用することができる。
本発明の調理用着色アルミニウム箔は、着色層が外側となるようにサツマイモを包み、オーブントースターで加熱する焼き芋の製造方法に好適に使用できる。つまり、本発明の調理用着色アルミニウム箔は、焼き芋製造用に好適に使用できる。
オーブントースターの加熱により、着色層を有さない公知のアルミホイル(「従来アルミ」と称する)よりも着色層(特に黒色着色層)の熱吸収性により焼きあがり時間が短縮される。(後記の実験例では、90℃到達時間を実験により調べた。本発明の調理用着色アルミニウム箔(「本願アルミ」と称する)は、578秒、従来アルミは803秒、石焼き芋器は1295秒であり、本願アルミは従来アルミに比べて約30%も早く、石焼き芋器よりも約55%も早く焼き上げることができる。)。また、石焼き芋器のように鍋や大きな装置を使わずに簡易に焼き芋を作ることができる。ここで、オーブントースターの加熱温度としては、200〜280℃が好ましく、210〜250℃がより好ましい。
本願アルミ、従来アルミ、石焼き芋器で焼いたサツマイモの糖度(Brix)を測定したところ、本願アルミ21.9%、従来アルミ17.7%、石焼き芋器21.5%となり、本願アルミは石焼き芋器とほぼ同等の値を示した。これにより石焼き芋器よりも手軽に素早く、甘く(美味しく)焼き芋を作れることが分かる。
また、26人に対して官能試験を行ったところ、過半数の19人が甘さ(美味しさ)の点で本発明の製造方法に有意差を感じた。
更に糖度を詳しく分析すると、サツマイモの主な糖度は果糖、ブドウ糖、ショ糖、麦芽糖の4つであるが、本願アルミの場合、特に麦芽糖が多く生成されている(本願アルミ112.3mg/g、従来アルミ51.2mg/g、石焼き芋器116.5mg/g)。以上より、石焼き芋器の問題点やその他の焼き芋を焼く方法よりも、本願アルミを用いることにより各問題点を解決して短時間で甘さ(美味しさ)を引き出した焼き芋を製造できる。
特にポリアミドイミド樹脂を含有する着色インクを用いることにより、薄膜のアルミニウム箔に対して、シワの発生を効果的に抑制しながら耐熱性の高い着色層を形成することができる。そして、これにより得られる本発明の調理用着色アルミニウム箔は、とりわけ焼き芋製造用の着色アルミニウム箔として有用であり、着色層が外側になるようにサツマイモを包み、オーブントースターで加熱することにより短時間で甘み(美味しさ)を引き出した焼き芋を製造することができる。
実験例1における90℃到達時間の平均時間の比較グラフである。 実験例1における90℃到達時点の庫内の平均温度の比較グラフである。 実験例1における糖度(Brix)の平均糖度の比較グラフである。 実験例1における4糖(果糖、ブドウ糖、ショ糖、麦芽糖)の平均糖度の比較グラフである。
以下に実施例及び実験例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1(調理用着色アルミニウム箔の製造)
2枚合わせ圧延の常法により1N30の軟質アルミニウム箔(18μm厚)を製造した。圧延ロール面(ツヤ面)の粗度(Ra)は0.12μmであり、逆面(ケシ面)の粗度(Ra)は0.27μmであった。なお、粗度(Ra)は、JIS B 0651に従って、アルミニウム箔表面の圧延直角方向の中心線平均粗さ(Ra)を接触式表面粗度計((株)東京精密製、「SURFCOM1400D-12」)を用いて測定した。
着色インクは、ポリアミドイミド樹脂溶液(東洋紡績株式会社製、「バイロマックス」)60重量部にカーボン顔料(三菱化学株式会社製、品番「♯2400B」)40重量部を配合することにより調製した。
前記アルミニウム箔のケシ面を印刷面とし、乾燥後の着色インク量が1.1g/mになるようにグラビア印刷により着色層を印刷した。着色層は全面ベタ状を基本とし、着色インクを載せない領域(文字・記号等)を2%(面積比)有するものとした。
印刷後、150℃で10秒乾燥し、本発明の調理用着色アルミニウム箔を得た。
なお、以下の実験例では、本発明の調理用着色アルミニウム箔を「本願アルミ」と称し、上記着色層を形成しない1N30の軟質アルミニウム箔を「従来アルミ」と称する。
実験例1(焼き芋の製造に関する比較実験)
(サツマイモ片の作製)
抜き型を用いてサツマイモを直径3.5cm、長さ2cmに成型した。このサツマイモ片を20個作製した。
(サツマイモ片の加熱)
各サツマイモ片を、それぞれ5分間水に浸してから、下記加熱を行った。
(A)本願アルミに包んでオーブントースター(サーモスタットなし、740W)で加熱、
(B)従来アルミに包んでオーブントースター(サーモスタットなし、740W)で加熱、
(C)包まずに市販の蒸し器(アルマイト製)に入れて蓋をして中火のガスコンロで加熱、
(D)包まずに市販の石焼き芋器(陶器製)に入れて蓋をして中火のガスコンロで加熱。
各条件について、サツマイモ片4個ずつ実験した。なお、(A)は、着色層を外側にしてサツマイモ片を密着して包んだ。(B)は、ケシ面を外側にしてサツマイモ片を密着して包んだ。また、(C)は湯気の立った状態にあらかじめ加熱しておいた蒸し器にサツマイモ片を入れた。(A)及び(B)はオーブントースター内の温度が室温の状態でサツマイモ片を入れて加熱した。(D)は室温の石焼き芋器にサツマイモ片を入れてから加熱した。
温度上昇効率
上記(A)〜(D)の各条件について、サツマイモ片の中心温度が90℃に到達するまでの時間を測定した。温度は温度計(ANRITSU製、「AM-8000K」)を用いて測定した。測定結果を下記表1及び図1に示す。図1は平均時間の比較グラフである。
Figure 0005436053
中心温度が90℃に到達するまでの時間は、蒸し器が最も早く、本願アルミよりも約1分30秒早く終了した。本願アルミは従来アルミよりも約4分、石焼き芋器よりも約12分早く中心温度が90℃に到達した。
庫内温度
上記(A)〜(D)の各条件について、中心温度が90℃に到達した時点の庫内温度を測定した。なお、庫内温度とは、(A)及び(B)はオーブントースター内の温度、(C)は蒸し器内の温度、(D)は石焼き芋器内の温度を指す。測定結果を下記表2及び図2に示す。図2は平均温度の比較グラフである。
Figure 0005436053
中心温度が90℃に到達した時点の庫内温度は、従来アルミが244.2℃、本願アルミが220.5℃、石焼き芋器202.8℃であった。蒸し器は湿式加熱のため、最も低く、102.2℃であった。
糖度(Brix)測定
中心温度が90℃に到達した各サツマイモ片を常温まで急冷してすりおろし、同重量の蒸留水で希釈したサンプル液の糖度(Brix)を糖度計(京都電子工業製、「RA-250」)により測定した。糖度の測定結果を下記表3及び図3に示す。図3は平均糖度の比較グラフである。なお、加熱処理をしない生サツマイモ片及び電子レンジを用いた結果(ラップで包み600Wで1分30秒加熱してサツマイモ片の中心温度を90℃に到達)を併せて示す。
Figure 0005436053
糖度(Brix)の比較では、本願アルミ=石焼き芋器>従来アルミ>蒸し器>電子レンジの順に糖度が低くなった。本願アルミは短時間加熱で石焼き芋器と同じ糖度が得られることが明らかになった。但し、糖度計(Brix)は、サンプル液に含まれる可溶性固形分(糖をはじめとして、塩類、タンパク質、酸など水に溶ける物質すべて)のパーセント濃度を示したものであるため、あくまでも目安である。
4糖(果糖、ブドウ糖、ショ糖、麦芽糖)測定
中心温度が90℃に到達した各サツマイモ片を常温まで急冷してすりおろしてファルコンチューブに入れ、80%のエタノール溶液で希釈し、遠心分離し、上澄みを50mlにメスアップしたサンプル液の4糖を糖度計(京都電子工業製、「RA-250」)により測定した。4糖の糖度測定結果を下記表4及び図4に示す。図4は平均糖度の比較グラフである。なお、加熱処理をしない生サツマイモ片及び電子レンジを用いた結果(ラップで包み600Wで1分30秒加熱してサツマイモ片の中心温度を90℃に到達)も併せて示す。
Figure 0005436053
4糖定量の結果から、特に麦芽糖(マルトース)において顕著な結果が得られた。麦芽糖は、加熱によりβ−アミラーゼがデンプンを分解することにより生成される。β−アミラーゼの至適温度は70℃付近であり、その温度帯で加熱される時間が長いほど麦芽糖の生成量は多い。本願アルミの麦芽糖量は、石焼き芋器の場合と実質的に差は無く、同程度の麦芽糖を生成したことが明らかになった。このことは、官能検査で有意に本願アルミのサツマイモが甘いと評価された大きな理由と考えられる。つまり、本発明の調理用着色アルミニウム箔(本願アルミ)を用いることにより、石焼き芋器よりも短時間で石焼き芋器と同程度の甘み(美味しさ)を有する焼き芋を製造することができる。家庭で簡便に且つ短時間で甘み(美味しさ)を引き出せる点で、本発明の調理用着色アルミニウム箔は特に焼き芋製造用のアルミニウム箔として有用である。

Claims (8)

  1. アルミニウム箔の片面に着色層が形成されている調理用着色アルミニウム箔であって、
    前記着色層は、ポリアミドイミド樹脂及び黒色顔料を含有する着色インクの乾燥塗膜により形成されてなり、前記着色インクの乾燥塗膜における前記黒色顔料の含有量は25〜40重量%であり、前記着色インクに含まれる樹脂100重量%における前記ポリアミドイミド樹脂の含有量は60重量%以上であることを特徴とする調理用着色アルミニウム箔。
  2. 前記アルミニウム箔は、厚さが10〜30μmである、請求項1に記載の調理用着色アルミニウム箔。
  3. 前記アルミニウム箔は、艶面(ツヤ面)と艶ケシ面(ケシ面)を有し、前記ケシ面に前記着色層が形成されている、請求項1又は2に記載の調理用着色アルミニウム箔。
  4. 前記黒色顔料は、平均粒子径が0.01〜10μmのカーボンブラックである、請求項1〜3のいずれかに記載の調理用着色アルミニウム箔。
  5. 前記着色層は、着色塗膜が0.8〜2.5g/mの塗布量(乾燥後)であり、乾燥塗膜の厚さが0.3〜3μmである、請求項1〜4のいずれかに記載の調理用着色アルミニウム箔。
  6. 前記着色層は、面積比で0.5〜5%の非着色領域を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の調理用着色アルミニウム箔。
  7. 焼き芋の製造用である、請求項1〜6のいずれかに記載の調理用着色アルミニウム箔。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の調理用着色アルミニウム箔を用いて前記着色層が外側となるようにサツマイモを包み、オーブントースターで加熱することを特徴とする焼き芋の製造方法。
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