JP2004241177A - 電磁調理器用土鍋 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁調理器を用いて美味しいご飯を炊くことのできる電磁調理器用土鍋を提供する。
【解決手段】電磁調理器用土鍋1は、鍋本体2と、鍋本体2の上面開口部を覆う外蓋3と、鍋本体3と外蓋3との間に配置される中蓋4とを備え、鍋本体2の底部下面に、銀などを含有する発熱層5と、発熱層5を被覆して剥離を防止する保護層6とを設けている。鍋本体2、外蓋3および中蓋4は、誘電性無機物質を主原料として形成されたものであり、外蓋3の一部には貫通状の通気孔7を設け、中蓋4には多孔質セラミックスで形成した複数の水蒸気排出部8を配置している。水蒸気排出部8は加熱中に発生する水蒸気を選択的に通すが、ご飯のネバネバ成分は通さない性質を有している。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電磁調理器を用いて鍋料理や炊飯をすることのできる土鍋に関する。
【0002】
【従来の技術】
電磁調理器はエネルギ効率が高く、火炎なしで食材を加熱調理することができるだけでなく、二酸化炭素などの燃焼ガスなども発生しないなどの利点があるので一般家庭にもかなり普及している。
【0003】
従来、電磁調理器に使用できる鍋は、電磁調理器に載置したときに渦電流が発生して自己発熱する素材で形成されたものに限られていたが、電磁調理器を用いて土鍋料理をしたいというニーズの高まりに伴い、近年、電磁調理器に載せて料理することのできる土鍋も開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−133429号公報(第2−4頁)
【0005】
特許文献1に記載されている電磁調理器用土鍋を用いることにより電磁調理器を熱源とした様々な土鍋料理を作ることができる。また、土鍋料理の終わりの段階においては、残っている汁にご飯を入れて雑炊などを作ることもできるので便利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1などに記載されている電磁調理器用土鍋は、食材が汁に浸った状態で煮込む料理には適しているが、水分が蒸発するまで煮込むと土鍋が損傷するおそれがあるので、このような土鍋を用いて電磁調理器を熱源としてご飯を炊くことは困難である。
【0007】
また、特許文献1などに記載されている電磁調理器用土鍋は急速に加熱するとひびが生じたり、割れたりすることがあるので、加熱速度の速いAC200V式電磁調理器には不向きであり、ガスコンロなどに載せて直接加熱することはできない。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、電磁調理器を用いて美味しいご飯を炊くことのできる電磁調理器用土鍋を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の電磁調理器用土鍋は、誘電性無機物質を主原料として形成された鍋本体と、鍋本体の上面開口部を覆う外蓋と、鍋本体と外蓋との間に配置される中蓋とを備え、鍋本体の少なくとも底部に、白金、銀の少なくとも一方を含有する発熱層と、この発熱層を被覆する保護層とを設け、中蓋の一部に多孔質セラミックスで形成された水蒸気排出部を設けたことを特徴とする。
【0010】
電磁調理器用土鍋を構成する鍋本体に所定比率に調整した米と水を入れ、電磁調理器の所定位置に載置して電源を入れると、電磁調理器から発生する交番磁界によって鍋本体底部の発熱層が発熱して鍋本体内の米と水が加熱される。このときに発生する水蒸気により、外蓋および中蓋で覆われた鍋本体の内圧が高まり、この高圧状態を維持しながら連続的に加熱される。このような加熱過程で発生する水蒸気は中蓋の水蒸気排出部を通じて徐々に排出されていくため、鍋本体中の液状水分がなくなった時点で加熱を停止すれば米飯が炊き上がる。
【0011】
中蓋に設けられた水蒸気排出部は、水蒸気を通すが、ご飯の美味しさを構成する特有のネバネバ成分を通さない性質を有している。このため、炊飯中にネバネバ成分が失われることがなく、食感に優れた、美味しいご飯を炊くことができる。なお、中蓋と鍋本体との接触部分の気密性を高めるため、中蓋の外周部分にシリコーンゴム製のパッキンを装着すれば、中蓋と鍋本体との接触部分からの水蒸気の漏出がなくなり、中蓋の水蒸気排出部のみから水蒸気が排出されるようになる。これにより、ネバネバ成分の保持機能が高まるため、さらに、食感に優れた、美味しいご飯を炊くことができるようになる。
【0012】
発熱層および保護層は鍋本体の底部下面(鍋の外面)、底部上面(鍋の内面)の少なくとも一方に設けることが望ましい。発熱層などを鍋本体の底部下面に設けた場合、使用中、電磁調理器の調理面(鍋載置面)に発熱層が最接近した状態となるため発熱効率が向上する。また、発熱層の熱は鍋本体を介して被加熱物に伝わるので被加熱物を均一加熱することができ、底部の局部的発熱が抑制されることで被加熱物に焦げが生じるのを防止することができる。
【0013】
一方、発熱層などを鍋本体の底部上面に設けた場合、使用中、発熱層などが被加熱物に最接近した状態となるため、被加熱物を素早く加熱することができる。
また、保護層が電磁調理器などの硬質物体に接触しないので、損傷を受け難くなる結果、耐久性が良好となる。
【0014】
発熱層は白金、銀の少なくとも一方を含有しているため、加熱効率が高く、発熱量も大である。発熱層は、白金、銀の少なくとも一方とガラスフリットとターピオネールとを含有する発熱用ペーストを鍋本体の底部下面あるいは底部上面に直接的に加圧塗布、溶射、吹付けあるいは転写した後、850℃〜1200℃程度の温度で焼成することによって形成することができる。この発熱層は鍋本体との密着性も良好で耐久性および信頼性に優れている。
【0015】
また、保護層は酸化ケイ素、酸化ホウ素、酸化ナトリウム、酸化カリウムのいずれかを含有することが望ましい。これにより発熱層との密着性が良好となり、洗剤、塩分あるいは化学薬品に侵されることがなく、耐久性、耐熱性、耐蝕性、耐退色性、安全性および耐環境性などに優れたものとなる。なお、保護層は、酸化ケイ素、酸化ホウ素、酸化ナトリウム、酸化カリウムなどを含む剥離防止用ペーストを前記保護層の表面に塗布、溶射または吹付けした後、830℃〜900℃の温度で焼成することによって形成することができる。
【0016】
また、本発明の電磁調理器用土鍋は、誘電性無機物質を主原料として形成された鍋本体と、鍋本体の上面開口部を覆う外蓋と、鍋本体と外蓋との間に配置される中蓋とを備え、鍋本体の少なくとも底部に、白金、銀の少なくとも一方と、ガラスフリットまたは釉薬とを含有する発熱保護層を設け、中蓋の一部に多孔質セラミックスで形成された水蒸気排出部を設けたことを特徴とする。
【0017】
このような構成とすることにより、鍋本体の少なくとも底部に、電磁調理器から発生する交番磁界によって発熱する発熱保護層を有するものとなるため、前述した電磁調理器用土鍋と同様の機能、効果を発揮する。また、発熱保護層は、発熱層と保護層とが一体化したものであるため、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0018】
なお、前述と同様、発熱保護層は鍋本体の底部下面(鍋の外面)、底部上面(鍋の内面)の少なくとも一方に設けることが望ましい。発熱層などを鍋本体の底部下面に設けた場合、発熱効率、均一加熱性が向上し、被加熱物に焦げが生じるのを防止することができる。また、発熱保護層を鍋本体の底部上面に設けた場合、被加熱物を素早く加熱することができ、損傷を受け難くなることで耐久性が良好となる。
【0019】
ここで、発熱保護層は、鍋本体の底部下面、底部上面などに対し、白金、銀の少なくとも一方とガラスフリットとの混合物を吹付け、塗布、溶射あるいは転写した後、850℃〜900℃で焼成するか、白金、銀の少なくとも一方と釉薬との混合物を吹付け、塗布、溶射あるいは転写した後、1100℃〜1200℃で焼成することによって形成することができる。
【0020】
また、中蓋の中心を囲む複数位置に水蒸気排出部を設けることにより、加熱中に発生する水蒸気は複数の位置から均等に排出されるようになる。これにより、鍋本体中の内圧を均等に保ちながら加熱することができるようになるため、美味しいご飯を炊くことができる。
【0021】
鍋本体を形成する誘電性無機物質としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化第二鉄、二酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムおよび酸化リチウムを含有するものが望ましい。このような組成とすることにより、鍋本体などの吸水率(鍋本体が吸水し得る水の質量の鍋本体の質量に対する百分率)が6%以下となり、常温から500℃程度までの温度範囲における熱膨張率も殆どゼロとなる。このため、急速加熱してもひびが生じたり、割れたりすることがなくなり、加熱速度の大きなAC200V式電磁調理器での使用が可能となり、ガスコンロなどに載せて直接加熱することもできるようになる。なお、中蓋および外蓋は一般的な磁器あるいはセラミックスなどで形成することができる。
【0022】
また、水蒸気排出部を形成する多孔質セラミックスに含まれる気孔の平均直径を20μm〜95μmとし、この多孔質セラミックスの気孔率(見かけの体積に対する気孔の体積の百分率)を40%〜45%とすることが望ましい。これにより、炊飯加熱中に鍋本体内に発生するネバネバ成分は通さず、水蒸気を選択的に通す機能が最も優れたものとなるため、美味しいご飯を炊くことができる。
【0023】
なお、気孔の平均直径が20μmより小さくなると水蒸気を通し難くなり、95μmより大きくなると水蒸気だけでなくネバネバ成分まで通すようになるため、前記範囲が好適である。同様に、多孔質セラミックスの気孔率が40%より低くなると水蒸気を通し難くなり、45%より大きくなるとネバネバ成分まで通すようになるため、前記範囲が好適である。
【0024】
また、水蒸気排出部を形成する多孔質セラミックスは、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化第二鉄、二酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムおよび酸化マンガンを含有することが望ましい。
このような構成とすることにより、平均直径が85μm〜95μmの気孔を40%〜45%含有する多孔質セラミックスを容易に形成することができ、加熱中に遠赤外線を放出する機能も発揮するようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態である電磁調理器用土鍋を示す分解断面図、図2は図1に示す電磁調理器用土鍋を構成する外蓋の平面図、図3は図1に示す電磁調理器用土鍋を構成する中蓋の平面図である。
【0026】
図1〜図3に示すように、本実施形態の電磁調理器用土鍋1は、鍋本体2と、鍋本体2の上面開口部を覆う外蓋3と、鍋本体3と外蓋3との間に配置される中蓋4とを備え、鍋本体2の底部下面に、銀などを含有する発熱層5と、発熱層5を被覆して剥離を防止する保護層6とを設けている。保護層6は酸化ケイ素、酸化ホウ素、酸化ナトリウム、酸化カリウムなどを含有している。
【0027】
鍋本体2は、ペタライト、櫛粘土、蛙目粘土、朝鮮カオリン、三石クレーなどを原料として焼成されたものであり、外蓋3の一部には貫通状の通気孔7を設け、中蓋4には多孔質セラミックスで形成した水蒸気排出部8を設けている。また、外蓋3および中蓋4は一般的な磁器で形成されている。
【0028】
図1に示すように、鍋本体2の内周面上方には階段状をした上位段差部10および中位段差部9を設け、その下方には縮径部11を設けている。中蓋4は中位段差部9に載置され、外蓋3は上位段差部10に載置される。縮径部11は後述する棚蓋12を保持するためのものである。
【0029】
図4,図5に示すように、電磁調理器用土鍋1を構成する鍋本体2に所定比率に調整した米と水との混合物13を入れ、電磁調理器14の所定位置に載置して電磁調理器14を作動させると、電磁調理器14から発生する交番磁界によって鍋本体2の底部の発熱層5に渦電流が生じて発熱層5が発熱する。そして、この熱が鍋本体2に伝達され、内部の米Rと水Wと混合物13を加熱する。
【0030】
このとき、沸騰した水Wから発生する水蒸気によって外蓋3および中蓋4で覆われた鍋本体2の内圧が高まり、この高圧状態を維持しながら連続的に加熱される。この後は加熱時間の経過に伴い、中蓋4の水蒸気排出部8、外蓋3の通気孔7および鍋本体3と外蓋3との隙間15を通じて水蒸気が徐々に排出されていくため、鍋本体2中の混合物13中の液状水分がなくなった時点で電磁調理器14の電源を切って加熱を停止すればご飯が炊き上がる。
【0031】
発熱層5は銀などを含有しているため、加熱効率が高く、発熱量も大であり、鍋本体2との密着性が良好で、耐久性および信頼性にも優れている。また、保護層6が酸化ケイ素、酸化ホウ素、酸化ナトリウム、酸化カリウムなどを含有しているため、発熱層5との密着性が良好である。このため、洗剤、塩分あるいは化学薬品に侵されることがなく、耐久性、耐熱性、耐蝕性、耐退色性、安全性および耐環境性などにも優れている。
【0032】
図3に示すように、水蒸気排出部8は湾曲した小判形状であり、中蓋4の中心を囲む4つの位置に互いに等間隔を成すように90度ごとに配置している。これにより、加熱中に発生する水蒸気はこれらの複数位置から均等に排出され、鍋本体2中の内圧を均等に保ちながら加熱できるようになるため、美味しいご飯を炊くことができる。なお、水蒸気排出部の形状、配置個数などは図3に示す形態に限定するものではないので、例えば、円形の水蒸気排出部を中蓋4の中心を囲むように120度間隔あるいは90度間隔で配置することもできる。
【0033】
鍋本体2は、二酸化ケイ素を65.49重量%程度、酸化アルミニウムを28.29重量%程度、酸化第二鉄を0.68重量%程度、二酸化チタンを0.44重量%程度、酸化カルシウムを0.33重量%程度、酸化マグネシウムを0.87重量%程度、酸化ナトリウムを0.66重量%程度、酸化カリウムを0.79重量%程度、酸化リチウムを1.84重量%程度含有する誘電性無機物質によって形成している。
【0034】
これにより、鍋本体2の吸水率(鍋本体2が吸水し得る水の質量の鍋本体2の質量に対する百分率)は6%以下となり、常温から500℃程度までの温度範囲における熱膨張率も殆どゼロとなるため、急速加熱してもひびが生じたり、割れたりすることがない。したがって、加熱速度の速いAC200V式電磁調理器での使用が可能であり、ガスコンロなどに載せて直接加熱することもできる。
【0035】
本実施形態においては、発熱層5および保護層6は鍋本体2の底部下面(鍋の外面)に設けられているため、使用中は、電磁調理器14の調理面(鍋載置面)に発熱層5が最接近した状態となる。したがって、電磁調理器14から発生する交番磁界により発熱層5が効率良く発熱することとなり、高い発熱効率が得られる。また、発熱層5の熱は鍋本体2を介して被加熱物(米Rと水W)に伝わることで被加熱物は均一に加熱され、底部の局部的発熱も抑制されるためご飯に焦げができるのを防止することができる。
【0036】
中蓋4に配置された水蒸気排出部8を構成する多孔質セラミックスは、平均直径が85μm〜95μm程度の気孔を含み、その気孔率は40%〜45%程度となっている。これにより、炊飯加熱中、鍋本体2内に発生するご飯のネバネバ成分を通さず、水蒸気のみを選択的に通すこととなるため、食感に優れた美味しいご飯を炊くことができる。なお、中蓋4の外周部分にシリコーンゴム製パッキン(食品衛生法上の問題のないもの)を装着すれば、鍋本体2の中位段差部9と中蓋4との接触部分の気密性が高まり、中蓋4と鍋本体2との接触部分からの水蒸気漏出をなくすことができる。これにより、中蓋4の水蒸気排出部8のみから水蒸気が排出されるようになるため、ネバネバ成分の保持機能が高まり、さらに、食感に優れた、美味しいご飯を炊くことができるようになる。
【0037】
また、水蒸気排出部8を構成する多孔質セラミックスは、二酸化ケイ素を5.73重量%程度、酸化アルミニウムを90.45重量%程度、酸化第二鉄を0.50重量%程度、二酸化チタンを1.31重量%程度、酸化カルシウムを0.32重量%程度、酸化マグネシウムを0.31重量%程度、酸化ナトリウム0.26重量%程度、酸化カリウムを0.11重量%程度、酸化マンガンを0.30重量%程度含有している。
【0038】
このような組成とすることにより、前述した選択的透過機能に加え、加熱中に遠赤外線を放出する機能も発揮して、ふっくらとした美味しいご飯を炊くことができた。なお、遠赤外線分光放射計(日本電子株式会社製JIR−E500)を用いて、前記多孔質セラミックの遠赤外線放射率を測定したところ、表面温度89.5℃において81.6重量%(積分放射率)という結果が得られ、加熱中に遠赤外線を放出していることを確認することができた。
【0039】
次に、図6,図7を参照して、土鍋1のその他の使い方について説明する。図6に示すように、大きさの異なる多数の貫通孔12aを分散配置した円板状の棚蓋12を、図7に示すように、水Wを入れた鍋本体2の縮径部11に嵌め込んだ状態とすることもできる。そして、棚蓋12上に被加熱物を載置した後、中蓋4および外蓋3を被せて電磁調理器で加熱すれば、土鍋1を蒸し器としても使用することができる。
【0040】
このような使い方においても、水蒸気排出部8を構成する多孔質セラミックスは水蒸気のみを選択的に通過させるため、ご飯のネバネバ成分に相当するような旨み成分、食感成分などを逃したくない蒸し料理などをする場合に好適である。
【0041】
次に、図8,図9を参照し、本発明の第2、第3実施形態について説明する。
図9は第2実施形態の電磁調理器用土鍋を構成する鍋本体21を示す垂直断面図であり、図10は第3実施形態の電磁調理器用土鍋を構成する鍋本体22を示す垂直断面図である。なお、鍋本体21,22以外の部材は第1実施形態の場合と同様であるため、鍋本体以外の図面は省略する。
【0042】
図8に示す鍋本体21においては、発熱層5および保護層6は鍋本体21の底部上面(鍋の内面)に設けているため、使用中は、発熱層5が被加熱物に最接近した状態となり、被加熱物を素早く加熱することができ、炊飯などの調理時間の短縮化を図ることができる。また、保護層6が電磁調理器などの硬質物体に接触しないので、損傷を受け難くなる結果、耐久性も良好である。その他の機能、効果などについては前述した鍋本体2と同様である。
【0043】
図9に示す鍋本体22において、銀とガラスフリットとを含有する発熱保護層16を鍋本体22の底部上面(鍋の内面)に設けている。前述の鍋本体21などと同様、電磁調理器から発生する交番磁界によって発熱保護層16が発熱するため、被加熱物を素早く加熱することができ、炊飯などの調理時間の短縮化を図ることができ、耐久性も良好である。その他の機能、効果などについては前述した鍋本体2,21と同様である。また、発熱保護層16は、発熱層と保護層とが一体化したものであるため、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0044】
発熱保護層16は、銀とガラスフリットとの混合物を吹付けした後、850℃〜900℃で焼成することによって形成したものである。このほか、白金、銀の少なくとも一方と釉薬との混合物を吹付け、塗布、溶射あるいは転写した後、1100℃〜1200℃で焼成することによって形成することもできる。釉薬を用いると硬質の発熱保護層を形成することができるため、外観性が良好となり、損傷し難く、耐久性も高まる。なお、発熱保護層16は鍋本体22の底部上面(鍋の内面)のほか、底部下面(鍋の外面)に設けることもでき、その場合は前述した鍋本体2と同様の機能、効果が得られる。
【0045】
【発明の効果】
本発明により、以下に示す効果を奏する。
【0046】
(1)誘電性無機物質を主原料として形成された鍋本体と、外蓋と、中蓋とを備え、鍋本体の少なくとも底部に発熱層と保護層とを設け、発熱層が白金などを含有し、保護層が酸化ケイ素、酸化ホウ素などを含有し、中蓋の一部に多孔質セラミックスで形成された水蒸気排出部を設けたことにより、炊飯中にネバネバ成分が失われることがなくなるため、電磁調理器を用いて美味しいご飯を炊くことができる。
【0047】
(2)中蓋の中心を囲む複数位置に水蒸気排出部を設けたことにより、加熱中に発生する水蒸気は複数位置から均等に排出するようになる結果、鍋本体中の内圧を均等に保ちながら加熱することができるようになるため、美味しいご飯を炊く上で有効である。
【0048】
(3)鍋本体を形成する誘電性無機物質が、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化第二鉄、二酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムおよび酸化リチウムを含有することにより、鍋本体などの吸水率が6%以下となり、熱膨張率も殆どゼロとなるため、加熱速度の大きなAC200V式電磁調理器での使用が可能となり、ガスコンロなどに載せて直接加熱することもできるようになる。
【0049】
(4)水蒸気排出部を形成する多孔質セラミックスに含まれる気孔の平均直径を20μm〜95μmとし、この多孔質セラミックスの気孔率を40%〜45%とすることにより、炊飯加熱中に鍋本体内に発生するネバネバ成分は通さず水蒸気を選択的に通す機能が最も優れたものとなる。
【0050】
(5)多孔質セラミックスが、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化第二鉄、二酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムおよび酸化マンガンを含有することにより、平均直径が85μm〜95μmの気孔を40%〜45%含有する多孔質セラミックスを容易に形成することができ、加熱中に遠赤外線を放出する機能も発揮するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である電磁調理器用土鍋を示す分解断面図である。
【図2】図1に示す電磁調理器用土鍋を構成する外蓋の平面図である。
【図3】図1に示す電磁調理器用土鍋を構成する中蓋の平面図である。
【図4】図1に示す電磁調理器用土鍋の使用状態を示す正面図である。
【図5】図4に示す電磁調理器用土鍋の垂直断面図である。
【図6】図1に示す電磁調理器用土鍋に使用可能な棚蓋を示す平面図である。
【図7】図1に示す電磁調理器用土鍋に図7に示す棚蓋を使用した状態を示す縦断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態である電磁調理器用土鍋を構成する鍋本体の垂直断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態である電磁調理器用土鍋を構成する鍋本体の垂直断面図である。
【符号の説明】
1 電磁調理器用土鍋
2,21,22 鍋本体
3 外蓋
4 中蓋
5 発熱層
6 保護層
7 通気孔
8 水蒸気排出部
9 中位段差部
10 上位段差部
11 縮径部
12 棚蓋
12a 貫通孔
13 混合物
14 電磁調理器
15 隙間
16 発熱保護層
R 米
W 水

Claims (6)

  1. 誘電性無機物質を主原料として形成された鍋本体と、前記鍋本体の上面開口部を覆う外蓋と、前記鍋本体と前記外蓋との間に配置される中蓋とを備え、
    前記鍋本体の少なくとも底部に、白金、銀の少なくとも一方を含有する発熱層と、前記発熱層を被覆する保護層とを設け、
    前記中蓋の一部に多孔質セラミックスで形成された水蒸気排出部を設けたことを特徴とする電磁調理器用土鍋。
  2. 誘電性無機物質を主原料として形成された鍋本体と、前記鍋本体の上面開口部を覆う外蓋と、前記鍋本体と前記外蓋との間に配置される中蓋とを備え、
    前記鍋本体の少なくとも底部に、白金、銀の少なくとも一方と、ガラスフリットまたは釉薬とを含有する発熱保護層を設け、
    前記中蓋の一部に多孔質セラミックスで形成された水蒸気排出部を設けたことを特徴とする電磁調理器用土鍋。
  3. 前記中蓋の中心を囲む複数位置に前記水蒸気排出部を設けた請求項1または2記載の電磁調理器用土鍋。
  4. 前記鍋本体を形成する誘電性無機物質が、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化第二鉄、二酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムおよび酸化リチウムを含有するものである請求項1または2記載の電磁調理器用土鍋。
  5. 前記水蒸気排出部を形成する多孔質セラミックスに含まれる気孔の平均直径が20μm〜95μmであって、前記多孔質セラミックスの気孔率が40%〜45%である請求項1記載の電磁調理器用土鍋。
  6. 前記多孔質セラミックスが、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化第二鉄、二酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムおよび酸化マンガンを含有するものである請求項1,2,5のいずれかに記載の電磁調理器用土鍋。
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