JP2004195059A - 調理容器 - Google Patents

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Rikichi Otake
利吉 大竹
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OOTAKE SERAMU KK
OTAKE SERAMU KK
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OOTAKE SERAMU KK
OTAKE SERAMU KK
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Abstract

【課題】容器体が吸水することにより発生する発熱層の損傷、調理物の焦げ付き、並びに電磁調理器の損壊を防止する。
【解決手段】吸水性を有する陶磁器製容器体1の内面、外面又は内外面に電磁誘導発熱体から成る発熱層2を形成し、該発熱層2の表面、並びに容器体1の表面全体に不透水性且つ耐熱性の保護膜層3を形成することによって、容器体1を外界から完全に遮断し、容器体内部への水の侵入を阻止する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、陶磁器製にして電磁調理器対応の調理容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電磁調理器に対応可能な非金属系の調理容器として、釉薬が施された土鍋の裏底面にアルミニウム等の電磁誘導発熱体を焼き付け、発熱層を形成したものが知られている。
この様に、容器体の素材として土鍋を用いるのは、表面に形成されたガラス質の釉薬層で素材内部の細孔内に閉じ込められている空気が、断熱材として作用し、調理後の保温効果が高いためである。
【0003】
研究開発段階や出願段階で先行技術調査を行っておらず、記載すべき先行技術文献を知りません。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、土鍋の脚部となる環状突起(所謂、ハマの部分。)の下端部や、蓋と噛み合わせる鍔部の先端部には釉薬層がなく、洗浄時等に前記無釉部分や、発熱層と土鍋の境界から水が滲み込み、この水が調理中に加熱されて気化し、かかる蒸気の膨張によって、容器体の内部側から押された発熱層が剥離し、更に容器体外へ放散した蒸気が電磁調理器上で結露して、電磁調理器の温度センサーを毀損してしまう等の不具合があった。
又、水(蒸気)の熱伝達率は、素材である陶磁器や、素材内部に閉じ込められている空気よりも高く、熱が伝わり易いため、加熱中の発熱層において、素材内部の水と接触している部分は、非接触部分よりも早く温度が上昇し、異常加熱、加熱むらによって、発熱層の溶断、調理物の焦げ付きが発生した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来技術に基づく、調理容器の発熱層の損傷、調理物の焦げ付き、並びに電磁調理器の損壊を防止せねばならない課題に鑑み、吸水性を有する陶磁器製容器体の内面、外面又は内外面に電磁誘導発熱体から成る発熱層を形成し、該発熱層の表面、並びに容器体の表面全体に不透水性且つ耐熱性の保護膜層を形成することによって、容器体を外界から完全に遮断し、容器体内部への水の侵入を阻止する様にして、上記課題を解決する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示す様に、本発明に係る調理容器は、吸水性を有する陶磁器製の容器体1、例えば土鍋の内側全面に電磁誘導発熱体から成る発熱層2を形成し、該発熱層2の表面、並びに容器体1の表面全体(容器体1における発熱層2が形成されていない部位の全体。)に不透水性且つ耐熱性の保護膜層3を形成し、容器体1全体を保護膜層3で被覆して、密封したものである。
容器体1は、調理時の熱に耐え得る程度の耐熱性を備えていれば、その原料は限定されず、例えば、陶石、蝋石、長石、ペタライト、石灰、粘土、カオリン、珪石、アルミナ等の従前から用いられている一般的な窯業原料の中から、熱膨張率、耐火度等を考慮して、一種選択するか、二種以上選択し混合して用いれば良い。
電磁誘導発熱体は、アルミニウム、銅、鉄、銀、又はこれらの合金等で良く、要するに、電磁誘導によって発熱する金属類であれば良い。
保護膜層3の素材としては、水を通さず、調理時の熱に耐え得る被膜を形成可能なものでなければならず、例えば、焼成によってガラス化する釉薬や、ポリテトラフルオロエチレが良い。
図2に示す様に、内外面の保護膜層3を夫々異なる素材で形成しても良く、例えば、内面側の保護膜層3をポリテトラフルオロエチレで形成し、外面側の保護膜層3を釉薬で形成しても良い。
【0007】
本実施例では、発熱層2を容器体1の内側全面に設けているが、その形成箇所は限定されず、容器体1の外側全面、内外両側の全面、又はいずれか一方の一部にだけ部分的に設けても良い。
【0008】
次に本発明に係る調理容器の製造方法に関し、内面側の保護膜層をポリテトラフルオロエチレで形成し、外面側の保護膜層を釉薬で形成した上記実施例のものに基いて説明する。
先ず、低熱膨張率原料、例えばリチウム含有のペタライトと、粘土等の窯業原料を配合し、鋳込み等の方法で成形し、得られた成形体を素焼きして、吸水性を有する素地(容器体1)を形成する。
次に、容器体1の外側全面(柄を有する場合は、柄の部分も含む。)に釉薬を施し、本焼成してガラス質の釉薬から成る保護膜層3を容器体1の外面全体に形成する。
次に、容器体1の内側全面に、熱溶射等の方法でアルミニウム金属等の電磁誘導発熱体を融着させ、容器体1の内面全体に発熱層2を形成する。
発熱層2の形成方法としては、電磁誘導発熱体を担持させた転写紙を利用しても良く、この場合は、容器体1の内面に転写紙を貼付し、上記本焼成温度より低温で再度焼成して電磁誘導発熱体を融着させる。
最後に、発熱層2をポリテトラフルオロエチレで被覆して、発熱層2の表面に保護膜層3を形成する。
この時、容器体1の上端部まで残さず被覆し、外面側の保護膜層3と内面側の保護膜層3を連続させ、容器体1全体を保護膜層3で完全に覆う様にする。
【0009】
次に本発明に係る調理容器の作用について説明する。
本発明の調理容器は、全体が保護膜層3で被覆されているから、水に濡れても全く吸水せず、容器体1を構成している素材の内部は常に乾いているため、磁気を受けた発熱層2はムラなく均一に発熱する。
【0010】
【発明の効果】
要するに本発明は、吸水性を有する陶磁器製容器体1の内面、外面又は内外面に電磁誘導発熱体から成る発熱層2を形成し、該発熱層2の表面、並びに容器体1の表面全体に不透水性且つ耐熱性の保護膜層3を形成したしたので、電磁調理用の容器と機器の損壊を防止できるだけでなく、発熱層2がムラなく均一に発熱することにより、調理物を焦げ付かせることなく、美味しく仕上げることが出来る。
【0011】
内面側の保護膜層3をポリテトラフルオロエチレで形成したので、上記焦げ付き防止効果をより高めることが出来、又ポリテトラフルオロエチレは大量生産品だから、品質が安定すると共に、安価なものとすることが出来る。
【0012】
外面側の保護膜層3をガラス質の釉薬で形成したので、従前からの窯業の技術を用い、例えば、窯変釉で暖かな風合いを醸し出したり、転写紙や筆入れ等で上絵付けを施して、多種多様なバリエーション展開を図ることが出来る等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る調理容器の縦断面図である。
【図2】内外面の保護膜層を夫々別素材で形成した調理容器の縦断面図である。
【符号の説明】
1 容器体
2 発熱層
3 保護膜層

Claims (3)

  1. 吸水性を有する陶磁器製容器体の内面、外面又は内外面に電磁誘導発熱体から成る発熱層を形成し、該発熱層の表面、並びに容器体の表面全体に不透水性且つ耐熱性の保護膜層を形成したことを特徴とする調理容器。
  2. 内面側の保護膜層をポリテトラフルオロエチレで形成したことを特徴とする請求項1記載の調理容器。
  3. 外面側の保護膜層をガラス質の釉薬で形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の調理容器。
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