JP5806838B2 - 食品包装材および調理用容器 - Google Patents

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Description

本発明は、食品等を加熱調理する際に使用可能な食品包装材および調理用容器に関する。
従来、一般家庭や飲食店等でオーブントースターやグリル等の調理器具を用いて食品等を加熱調理する際に、調理器具内部の汚れを防止するための防汚材として、アルミ箔が用いられている。また、アルミ箔は、食品の内部に効率的に火を通す或いは味をしみ込ませるための調理補助具(例えば、落し蓋、表面の焦げ付き防止のための保護蓋など)としても用いられている。
一方、近年においては、冷凍食品の簡易容器やトレー等の調理用容器や食品包装材としてもアルミ箔が利用されている。このようにアルミ箔を調理用容器や食品包装材として用いる場合、オーブントースターやグリル等の調理器具の熱線に対するアルミ箔自身の熱吸収率が低いため、加熱調理時間が長くなるという問題が生じる。そのため、熱吸収率の向上を図る目的で、種々の検討がなされている。
例えば、特許文献1には、熱吸収特性改善のためにアルミ箔の片面または両面を黒色に塗装した、金属箔及びこれを用いた食品容器が記載されている。また、例えば、特許文献2には、容器底面が微細な凹凸またはエンボッシングされているとともに、容器底面外面に黒色のエポキシ系の熱吸収塗料を塗布することにより、熱吸収率(α)及び熱放射率(ε)が特定範囲に調整された厚さ0.5〜3μmの熱吸収皮膜が形成された、簡易包装調理用アルミニウム箔容器が記載されている。
実開平01−127524号公報 特許3731000号公報
しかしながら、特許文献1のようにアルミ箔を黒色に塗装するのみでは、オーブントースターやグリル等からの熱線の吸収を十分に高めることはできず、加熱調理時間の短縮化の観点から改善が求められている。また、かかる金属箔を調理器具の熱源と食品との間に介在させた場合には、金属箔に対面する食品の表面に十分な焦げ目をつけることが困難であり、風味を向上させるために用いる調理補助具として改善が求められている。
また、特許文献2のように黒色のエポキシ系の熱吸収塗料を塗布することで形成された熱吸収皮膜は、オーブントースター等で用いられている石英ヒーターやセラミックヒーターに対する熱線の吸収が十分に高められたものとは言えない。すなわち、特許文献2に記載された簡易包装調理用アルミニウム箔容器は、オーブン或いはレンジオーブンによる加熱を想定したものである。具体的には、熱吸収皮膜の熱吸収率(α)は、500℃の熱源の放射エネルギーの熱吸収率を示すもので0.8〜25μmの近赤外線・赤外線の分光反射率を測定し、熱源温度500℃における黒体放射エネルギーに対するエネルギーの割合から求められると定義され、熱吸収皮膜の熱放射率(ε)は、100℃に加熱された場合の熱放射率を示すもので、2.5〜25μmの赤外線の分光反射率を測定し、物体の温度100℃における黒体放射エネルギーに対するエネルギーの割合から求めるものであると定義されている。これらのことからも明らかなように、特許文献2に記載された熱吸収皮膜は、その測定波長域が広いので波長が長い領域と短い領域とで熱吸収の差が大きいため、また、アルミニウム等の熱伝導率が高い素材では、熱放射よりも食材への伝熱量が大きく寄与し、熱放射率の差異が食品の加熱効率に現れにくいため、オーブントースター等で用いられている石英ヒーターやセラミックヒーターに対する熱吸収が十分に高められたものとは言えない。そして、このように特許文献2に記載された簡易包装調理用アルミニウム箔容器は熱吸収が十分に高められたものではないので、アルミ箔と接触する食品の底面に十分な焦げ目をつけることが困難であった。さらには、特許文献2のように容器底面に凹凸やエンボッシングを施すと、食品の底面とアルミ箔との接触が不十分となり、加熱調理時間の短縮化が不十分になり易く、また、アルミ箔と接触する食品の底面に十分な焦げ目をつけることが困難であるという問題もあった。
そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、オーブントースター等の調理器具で汎用されている石英ヒーターやセラミックヒーターに対する熱吸収がより一層高められ、これにより加熱料理時間が短縮可能であり、さらには食品の表面に十分な焦げ目を容易に付与し得る、食品包装材および調理用容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者は、熱吸収材料及びその熱吸収特性に着目して鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下(1)〜(4)を提供する。
〔1〕
基材と熱吸収層とがこの順に積層され、
前記熱吸収層は、2.4〜2.5μmの波長域における分光反射率が0.1〜35%であり、
前記熱吸収層が、DBP(ジブチルフタレート)吸収量が60〜200ml/100gであるカーボンブラックを含む、
焦げ目付け用食品用包装材または焦げ目付け用調理用容器。
〔2〕
前記基材が、5〜50μmの厚みを有する金属箔からなる、
前項〔1〕に記載の焦げ目付け用食品用包装材または焦げ目付け用調理用容器。
〔3〕
前記熱吸収層は、カーボンブラックを1〜15wt%含むインキ組成物を塗布乾燥して形成されたものである、
前項〔1〕又は〔2〕に記載の焦げ目付け用食品用包装材または焦げ目付け用調理用容器。
〔4〕
オーブントースター用である、
前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の焦げ目付け用食品用包装材または焦げ目付け用調理用容器。
本発明によれば、オーブントースター等の調理器具に汎用されている石英ヒーターやセラミックヒーターに対する熱吸収がより一層高められ、これにより、加熱料理時間を短縮することができ、さらには、食品の表面に十分な焦げ目を容易に付与し得る。したがって、従来には存在なかった新たなコンセプトの調理補助具が簡易且つ低コストで実現される。また、その構成が簡易であり、取扱性にも優れ、低コストで製造可能なので、生産性及び経済性をも高められる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は、この実施の形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
本実施形態の食品用包装材または調理用容器は、基材と熱吸収層とがこの順に積層され、かかる熱吸収層が、2.4〜2.5μmの波長域における分光反射率が0.1〜35%であることを特徴とする。ここで、基材上に熱吸収層が積層されているとは、基材と熱吸収層とが直接接触して積層された態様のみならず、基材と熱吸収層とが離間して積層された態様、すなわち、基材と熱吸収層との間に一以上の他の層(プライマー層等の中間層等)が介在する態様を包含する概念である。
基材の具体例としては、オーブントースターやグリル等の調理器具を用いた加熱調理に使用可能なものであれば特に限定されず、公知のものを適宜選択して用いることができる。その具体例としては、例えば、紙、アルミニウム等の金属箔又は合金箔、アルミニウムやステンレス等の金属板又は合金板、陶器、磁器、陶磁器、ガラス等のセラミックス、及びこれらの複合体(積層体或いはコンポジット)が挙げられるが、これらに特に限定されない。調理時の熱による変形や劣化を抑制する観点から、耐熱性に優れるものが好ましい。具体的には、基材は、30〜300℃程度の温度領域、さらには50〜250℃程度の温度領域において、耐熱性に優れるものが好ましい。このような耐熱性に優れる基材としては、金属箔又は合金箔、金属板又は合金板、セラミックスの他、耐熱性紙や耐熱性樹脂等が挙げられる。
基材の形状は、所望の形態とすることができ、特に限定されない。例えば、フィルム状、シート状、板状、カップ状、器状、折袋状、半折袋状、袋状、筒状、格子状、網状等、任意の形状を採用することができる。さらに、基材は、その一部或いは全部が湾曲又は屈曲していてもよい。
基材の厚さは、所望の形態に応じて適宜設定することができ、特に限定されない。例えば、食品包装材として用いる場合、使用する素材によって異なるが、基材の厚さは、5〜50μm程度が好ましい。一般的には、基材の厚さが5μm以上であると、使用中に切れたり破れたりし難くなる傾向にあり、基材の厚さが50μm以下であると、折り曲げたりカットし易い傾向にあるので、上記の範囲内に設定することで取扱性及び生産性が高められる。一方、調理用容器として用いる場合、使用する素材によって異なるが、基材の厚さは、従来使用されているものと同様の厚さ、例えば8〜150μm程度が好ましい。例えばアルミ箔容器の場合、一般的には、基材の厚さが8μm以上であると、成型加工中に切れたり破れたりし難くなる傾向にあり、基材の厚さが150μm以下であると、成型加工がし易くなる傾向にあるので、上記の範囲内に設定することで取扱性及び生産性が高められる。また、アルミニウム板やステンレス板等を成型加工した調理用容器の場合、同様の理由から、基材の厚さは30〜2000μm程度が好ましい。
熱吸収層は、基材の少なくとも一部に形成されていればよく、その形成箇所は、特に限定されない。すなわち、熱吸収層は、例えば、基材の一面にのみ形成されていても、基材の複数面に形成されていても、基材の全面に形成されていてもよい。熱吸収特性をより一層高める観点から、熱吸収層は、少なくとも、熱源と対面する位置に形成されていることが好ましい。
熱吸収層は、2.4〜2.5μmの波長域における分光反射率が0.1〜35%であることが必要とされる。かかる熱吸収層を採用することにより、オーブントースター等で汎用されている石英ヒーターやセラミックヒーターに対する熱吸収特性が殊に高められ、これにより、食品の加熱調理時間を短縮することができ、また、食品の表面に十分な焦げ目を容易につけることも可能となる。本発明者らの知見によれば、2.4μm未満の波長や2.5μmを超える波長はこれらが発生する熱線の波長領域の中心値から外れているため、これらの波長域における分光反射率は、加熱調理時間に対する影響が少ないため、重用ではないことが判明した。例えば8μmの波長域の分光反射率が35%以下であっても、2.4〜2.5μmの波長域の分光反射率が35%より大きいと、加熱調理時間を多少は短くすることができるものの、焦げ目を付けることが容易ではない。なお、2.4〜2.5μmの波長域における分光反射率の測定は、日本分光社(株)製、紫外可視近赤外分光光度計V−670で測定可能である。本明細書においては、かかる分光反射率の値は、5度の角度、25℃の常温、正反射光を含む条件にて測定したものとする。
熱吸収層の2.4〜2.5μmの波長域における分光反射率は、0.1〜35%であることが必要である。この値が35%より大きいと、加熱調理時間は幾分か短くすることができるものの、焦げ目を付けることが容易ではない傾向にある。一方、この値が0.1%より小さいと、食品の表面が焦げすぎてしまう傾向にある。加熱調理時間の短縮化するとともに食品の表面に適度な焦げ目を再現性よく形成する観点から、熱吸収層の2.4〜2.5μmの波長域における分光反射率は3〜33%であることが好ましい。
上述した熱吸収層は、カーボンブラックを含むことが好ましい。カーボンブラックは、2.4〜2.5μmの波長域における吸収効率に優れるのみならず、熱伝導性及び耐熱性にも優れ、その上さらに比較的に安価に入手可能であるため、これを採用することにより、低コストで高性能な食品包装材および調理用容器を実現し得る。なお、カーボンブラックは、1種を単独で用いることができ、また、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上述したカーボンブラックは、DBP(ジブチルフタレート)吸収量が60〜200ml/100gであることが好ましく、DBP吸収量は70〜180ml/100gであることがより好ましい。かかるカーボンブラックを用いることにより、オーブントースターやグリル等の熱線が効率よく吸収され、これにより、短時間で効率よく加熱調理でき、また、食品の表面に十分な焦げ目を容易に付けることができる。また、DBP吸収量が200ml/100g以下のものは、分散性が高く、各種印刷技術を用いて基材上にコーティングする際に均一な皮膜を形成し易いため、取扱性及び生産性が高められる。このようなカーボンブラックが吸収特性に優れ、高い伝熱性能を発揮する理由は、定かではないが、おそらく、カーボンブラックのストラクチャーが高次元に成長しているためと考えられる。なお、本明細書において、カーボンブラックのDBP(ジブチルフタレート)吸収量は、JISK6217−4に準拠して測定された値とする。
本実施形態で好適に使用可能なカーボンブラックの具体例としては、例えば、三菱カーボンブラックCB#20(三菱化学株式会社)、トーカブラック#7100F(東海カーボン株式会社)、カーボンブラックCX−115・C270(旭カーボン株式会社)等が挙げられる。
熱吸収層は、上記カーボンブラック以外に、当業界で公知の他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素質材料、酸化チタン、酸化亜鉛、導電性酸化亜鉛、シリカ等の金属酸化物、樹脂バインダー、分散剤、荷電調整剤、pH調整剤、レベリング剤、消泡剤、ワックス、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤等が挙げられるが、これらに特に限定されない。とりわけ、熱吸収層に伝熱特性に優れる成分が含まれていると、加熱時間が短縮されるため、好ましい。また、熱吸収層に酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ等の無機金属が含まれていると耐熱性が向上する傾向にあるため、好ましい。
熱吸収層の色は、2.4〜2.5μmの波長域における分光反射率が0.1〜35%である限り、特に限定されない。熱吸収層に酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ等の無機金属が含まれていると、変色が生じ難くなる傾向にあるため、好ましい。
熱吸収層の厚さは、特に限定されないが、0.1〜20.0μmであることが好ましく、0.5〜18μmであることがより好ましい。熱吸収層の厚さが20μm以下であると、アルミ箔を折り曲げた時に剥離し難くなり、食品中へのコンタミが予防される傾向にあり、熱吸収層の厚さが0.1μm以上であると、熱吸収層に吸収ムラが発生し難くなる傾向にあるので、好ましい。
上述した熱吸収層は、上記カーボンブラック及び必要に応じて配合される各種溶剤その他の成分等を含むインキ組成物を基材上(或いは中間層上)に塗布し、乾燥させることにより、再現性よく簡易に得ることができる。なお、この熱吸収層を形成するタイミングは、特に限定されない。未加工の基材(或いは中間層)上に熱吸収層を形成しても、予め成型加工された基材(或いは中間層)上に熱吸収層を形成してもよい。以下、かかるインキ組成物について詳述する。
上述した分光反射率を満たす熱吸収層を再現性よく簡易に製造する観点から、インキ組成物は、カーボンブラックを1〜15wt%含有することが好ましく、2〜10wt%含有することがより好ましい。カーボンブラックの含有量が1wt%以上であると、熱線の吸収が高くなる傾向にあり、短時間で効率よく加熱調理でき、また、食品の表面に十分な焦げ目を容易に付けることができる。また、カーボンブラックの含有量が15wt%以下であると、均一分散或いは溶解させ易いので、取扱性及び生産性が高められる。
インキ組成物は、上記カーボンブラック以外に、当業界で公知の他の成分を含むことができる。他の成分としては、上述した各種溶剤の他、例えば、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素質材料、酸化チタン、酸化亜鉛、導電性酸化亜鉛、シリカ等の金属酸化物、樹脂バインダー、分散剤、荷電調整剤、pH調整剤、レベリング剤、消泡剤、ワックス、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
溶剤の具体例としては、例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン、エチルベンゼン)、エステル(酢酸エチル)、ケトン系溶剤(メチルエチルケトン)、アルコール(イソプロピルアルコール、イソブタノール)、グリコール誘導体等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは、1種を単独で用いることができ、また、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
樹脂バインダーの具体例としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、変性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂、フラン樹脂、セルロース誘導体等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは、1種を単独で用いることができ、また、2種以上を組み合わせて用いることもできる。なお、これらのうち加熱調理時の雰囲気温度における耐熱性が不十分な樹脂バインダーを用いる場合は、インキ組成物を基材(或いは中間層)上に塗布・乾燥して熱吸収層を作製した後に、熱吸収層上に耐熱性の高いニスやOPワニス等を塗布することが好ましい。
インキ組成物の調製方法は、特に限定されず、常法にしたがい当業界で公知の手法を適宜選択することができる。例えば、カーボンブラックを必要に応じて配合される樹脂バインダーや分散剤等とともに溶剤中に配合し、必要に応じて分散処理、混合処理或いは混練処理、均一化処理等を施すことにより、インキ組成物を調製することができる。これら処理時においては、公知の処理装置を使用することができる。その具体例としては、例えば、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル、バスケットミル、ホモミキサー、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」等)、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)等が挙げられるが、これらに特に限定されない。処理能力やコスト等を考慮すると、メディア型分散機を使用することが好ましい。この場合、メディアとして、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ、磁性ビーズ、ステンレスビーズ等を用いることができる。
かかるインキ組成物として、市販の塗料やインキ組成物を使用することもでき、例えば、サーモジン(登録商標)CT−30ブラック(東京熱化学工業株式会社)等が入手可能である。
インキ組成物の塗布方法は、特に限定されず、常法にしたがい当業界で公知の手法を適宜選択することができる。その具体例としては、例えば、グラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、バーコート法、スプレーコート法、エクストルージョンコート法、ディップコート法、スピンコート法、滴下法、インクジェット法等が挙げられるが、これらに特に限定されない。また、グラビア印刷、EB印刷、UV印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷などの印刷法を利用することもできる。
インキ組成物を基材上に塗布する際、密着性を高める目的で、アンカー剤を使用することができる。同様に、水洗処理、薬品処理、脱脂処理、プラズマ照射処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、蒸気処理などの各種表面処理を行うこともできる。
インキ組成物の塗布量は、所望する熱吸収層の厚さ等を考慮して適宜設定することができ、特に限定されない。例えば、アルミ箔等の薄い金属箔を用いた食品包装材の場合、インキ組成物の塗布量は0.2〜5g/mが好ましい。インキ組成物の塗布量が5g/m以下であると、調理の際に折り曲げても塗布面が剥がれ落ちにくく、食品への混入が避けられる。また、インキ組成物の塗布量が0.2g/m以上であると、十分な熱吸収特性が得られ易い傾向にある。一方、アルミニウム板やステンレス板等を用いた調理用容器の場合、インキ組成物の塗布量は0.5〜30g/mが好ましい。インキ組成物の塗布量が30g/m以下であると、熱吸収特性に優れるのみならず、溶剤の乾燥ムラが発生し難くなり、調理中に異臭が発生し難くなる傾向にある。一方、インキ組成物の塗布量が0.5g/m以上であると、十分な熱吸収特性が得られ易い傾向にあるとともに、インキ組成物の塗布乾燥後に容器成型した際に、亀裂等が発生し難い傾向にある。
塗膜物性の向上や含有成分の脱落防止を目的として、又は、熱吸収層を保護する或いは耐熱性を高める目的で、熱吸収層上に、耐熱性の高いニスやOPワニス等を塗布してもよい。
以上説明したとおり、本実施形態の食品用包装材または調理用容器は、基材上に2.4〜2.5μmの波長域における分光反射率が0.1〜35%である熱吸収層が積層されているので、オーブントースター等の調理器具に汎用されている石英ヒーターやセラミックヒーターに対する熱吸収が殊に優れており、そのため、加熱料理時間を短縮することができ、さらには、食品の表面に十分な焦げ目を容易に付与し得る。したがって、従来には存在なかった新たなコンセプトの調理補助具が簡易且つ低コストで実現される。また、本実施形態の食品用包装材または調理用容器は、構成が簡易であり、取扱性にも優れ、低コストで製造可能なので、生産性及び経済性にも優れたものとなる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、実施例及び比較例における各物性の測定方法及び評価方法を説明する。
<分光反射率>
熱吸収層の2.4〜2.5μmの波長域における分光反射率は、日本分光社紫外可視近赤外分光光度計V−670に積分球ユニットILN−725を用いて、5度の角度、25℃の常温、正反射光を含む条件にて測定した。
<DBP吸収量>
カーボンブラックのDBP吸収量は、JISK6217−4に準拠した方法で測定した。
<加熱調理時間>
50g±10gのジャガイモを、基材面がジャガイモに対面し熱吸収層が露出するように20cm*15cmの試料を用いて丸く包み、その中央部にK熱電対を差し込むことで作製された包装体を、オーブントースター1300W(三洋電機社製 SK−WQ2)内に載置して加熱し、その中央部が70℃になるまでの時間を計測し、以下の基準で評価した。
○・・・5分以下
△・・・7分以下〜5分より長い
×・・・7分より長い
<焦げ付き>
紀文社製はんぺん110gを、基材面がはんぺんの表裏面に当接し熱吸収層が上下面に露出するように20cm*15cmの試料を用いてU字に包むことで作製された包装体を、オーブントースター1300W(三洋電機社製 SK−WQ2)内に載置して3分加熱し、その際のはんぺん表面の状態を目視により観察し、以下の基準で評価した。
○・・・全面に焦げ色
△・・・端など部分的に焦げ色
×・・・白色のまま
[実施例1]
市販のアルミホイル(住軽アルミ箔社製、マイホイル(登録商標)業務用、厚さ20μm)の片面(光沢なし面)に、インキ組成物(東京熱化学工業社製サーモジン(登録商標)CT−30ブラック(カーボンブラック、DBP吸収量 約70ml/100g、6wt%含有))をメイヤーバーNO.8(WET状態で約10g/m)で塗布し、200℃15分で乾燥することで、実施例1の食品用包装材を作製した。
[実施例2]
市販のアルミホイル(住軽アルミ箔社製、マイホイル(登録商標)、厚さ11μm)の片面(光沢なし面)に、インキ組成物(東京熱化学工業社製サーモジン(登録商標)CT−30(カーボンブラック、DBP吸収量 約70ml/100g、6wt%含有))をメイヤーバーNO.4(WET状態で約5g/m)で塗布し、200℃15分で乾燥することで、実施例2の食品用包装材を作製した。
[実施例3]
市販のアルミホイル(住軽アルミ箔社製、マイホイル(登録商標)、厚さ11μm)の片面(光沢なし面)に、インキ組成物(T&K TOKA社製PT90墨(カーボンブラック、DBP吸収量 約120ml/100g、8wt%含有))をメイヤーバーNO.8(WET状態で約10g/m)で塗布し、200℃15分で乾燥することで、実施例3の食品用包装材を作製した。
[実施例4]
市販のアルミホイル(住軽アルミ箔社製、マイホイル(登録商標)業務用、厚さ20μm)の片面(光沢なし面)に、インキ組成物(東京熱化学工業社製サーモジン(登録商標)CT−30ブラックをメイヤーバーNO.8(WET状態で約10g/m))で塗布し、200℃15分で乾燥することで、実施例4の食品用包装材を作製した。
その後、実施例4の食品用包装材を小判型にカップ成型することにより、実施例4の調理用容器を作製した。
[比較例1]
インキ組成物を塗布せずに、実施例1と同じ市販のアルミホイルをそのまま比較例1の食品用包装材として用いた。
[比較例2]
実施例1のインキ組成物に代えて、大阪印刷インキ製造社製 オピコートESH(カーボンブラック、DBP吸収量50ml/m、6wt%含有)を用い、これをWET状態で2g/m塗布(乾燥後約0.68g/m)すること以外は、実施例1と同様に処理して、比較例2の食品用包装材を作製した。
[比較例3]
実施例2のインキ組成物に代えて、東京熱化学工業社製サーモジン(登録商標)(二酸化三鉄、DBP吸収量40ml/m 5wt%含有)を用いること以外は、実施例2と同様に処理して、比較例3の食品用包装材を作製した。
[比較例4]
実施例2のインキ組成物においてDBP吸収量 約70ml/100gのカーボンブラックをDBP吸収量 約30ml/100gのカーボンブラックに置き換え、このインキ組成物を実施例2のインキ組成物に代えて用いること以外は、実施例2と同様に処理して、比較例4の食品用包装材を作製した。
[比較例5]
比較例2の食品用包装材に、深さ2mm、ピッチ10個/cmの凹凸加工を施すことにより、比較例5の食品用包装材を作製した。
表1に、実施例1〜4の食品用包装材及び比較例1〜5の食品用包装材の評価結果を示す。
Figure 0005806838
なお、上述したとおり、本発明は、上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更を加えることが可能である。
以上説明した通り、本発明は、オーブントースター等の調理器具に汎用されている石英ヒーターやセラミックヒーターに対する熱吸収がより一層高められ、これにより、加熱料理時間を短縮することができ、食品の表面に十分な焦げ目を容易に付与し得るとともに、その構成が簡易であり、取扱性にも優れ、さらには、低コストで製造可能であり生産性及び経済性にも優れるので、従来には存在なかった新たなコンセプトの調理補助具として、食品産業、特にオーブントースターや電子レンジのオーブントースター機能を用いた加熱調理の分野で、広く且つ有効に利用できる。

Claims (4)

  1. 基材と熱吸収層とがこの順に積層され、
    前記熱吸収層は、2.4〜2.5μmの波長域における分光反射率が0.1〜35%であり、
    前記熱吸収層が、DBP(ジブチルフタレート)吸収量が60〜200ml/100gであるカーボンブラックを含む、
    焦げ目付け用食品用包装材または焦げ目付け用調理用容器。
  2. 前記基材が、5〜50μmの厚みを有する金属箔からなる、
    請求項1に記載の焦げ目付け用食品用包装材または焦げ目付け用調理用容器。
  3. 前記熱吸収層は、カーボンブラックを1〜15wt%含むインキ組成物を塗布乾燥して形成されたものである、
    請求項1又は2に記載の焦げ目付け用食品用包装材または焦げ目付け用調理用容器。
  4. オーブントースター用である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の焦げ目付け用食品用包装材または焦げ目付け用調理用容器。
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