JP3319885B2 - 炊飯器 - Google Patents

炊飯器

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JP3319885B2
JP3319885B2 JP22291794A JP22291794A JP3319885B2 JP 3319885 B2 JP3319885 B2 JP 3319885B2 JP 22291794 A JP22291794 A JP 22291794A JP 22291794 A JP22291794 A JP 22291794A JP 3319885 B2 JP3319885 B2 JP 3319885B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁波を放射する光輝
炊飯ヒータを用いた保温機能を有する炊飯器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の炊飯器として、特願平5−316
147号において、炊飯器本体に、波長0.3〜5.6
μmの電磁波を吸収するとともに波長5.6〜25μm
の遠赤外線を反射する特性を備えた外表面を有する内釜
と電磁波を照射する光輝炊飯ヒータとが内装されたもの
が提案されている。
【0003】この炊飯器では、内釜を炊飯器本体から取
り外すと、炊飯器本体の底には炊飯ヒータが丸見えにな
る。特に、速い温度上昇特性を有する光輝炊飯ヒータと
してはハロゲンヒータが適しているけれども、シーズヒ
ータのように丈夫さ、および異物の落下付着による汚れ
や石英ガラス管に独特の失透現象等に対して十分でない
点がある。また、光輝シーズヒータやカンタルスーパー
(カンタル株式会社製の電気抵抗発熱体の商品名、二珪
化モリブデンMoSi2とガラス相を主とするセラミッ
ク成分で構成された緻密なサーメット材)の様に、表面
温度が800〜2000℃になるヒータを用いても、一
般使用の400〜600℃のシーズヒータと比べるとハ
ロゲンヒータと同様に強度上問題があり、異物の付着に
よる腐食劣化の問題もある。また、外見上の見苦しさ、
およびデザイン上好ましくない等の性能上の問題と商品
性の問題があって改善が必要とされていた。
【0004】そこで、上記の問題を解消するために、図
8に示すように、内釜1と光輝炊飯ヒータ2との間に電
磁波を透過する耐熱衝撃性を有するガラス板(透明耐熱
結晶化ガラス)3を配置した構造としている。なお、図
中、4は炊飯器本体、5は温度検知部、6は内鍋、7は
保温ヒータ、8は内蓋、9は上蓋である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記炊飯器の
ガラス板は、光輝炊飯ヒータから照射する電磁波エネル
ギーを透過するものの内釜に伝達するのに妨げとなって
いる。すなわち、ガラス板の種類にもよるが、内釜内の
炊飯用水を加熱する熱効率はガラス板がない場合の約8
0%に対して約63〜70%と1〜2割ダウンしてしま
い、熱効率の低下を招く。
【0006】そこで、本発明は、光輝炊飯ヒータを破損
や腐食劣化から守り、かつ熱効率を大幅に低下させない
ように熱伝導を考慮した炊飯器の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、内釜14とこれに間隔を置いて配置した電磁波を
放射する炊飯ヒータ15との関係を熱吸収、熱伝達の観
点から検討した結果、内釜14底面の板厚を二分して、
内釜14底面の一部を分離独立させて熱吸収、熱放射に
優れた特性を有し炊飯ヒータ15を保護する保護体16
とするものである。
【0008】保護体16は、炊飯ヒータ側表面に電磁波
吸収皮膜が施され、内釜側表面に熱放射性のよい皮膜が
施されている。また、保護体16を内釜14の底面形状
と同形状に形成して、内釜14に近接あるいは密着して
配置する、あるいは保護体16を炊飯ヒータ15の上方
を覆うような形状とし、内釜14に近接あるいは密着し
て配置するものである。そして、保護体16は、炊飯器
本体10および内釜14に対して着脱自在としておく。
【0009】
【作用】上記課題解決手段において、内釜14と炊飯ヒ
ータ15との間に炊飯ヒータ15を破損や腐食劣化から
保護する保護体16を内釜14の一部という考えで、熱
吸収、熱放射に優れた特性を有する保護体16を内釜1
4に密着あるいは近接させた構造であるため、保護体1
6が炊飯ヒータ15の電磁波を吸収して内釜14に熱伝
達して、内釜14の熱吸収効率を大幅に低下させること
なく、炊飯ヒータ15を外部に露出させず、しかも異物
の付着を防ぐことができる。
【0010】
【実施例】
(第一実施例)本発明の第一実施例における炊飯器は、
図1の如く、有底短円筒状の炊飯器本体10と、その上
面開口を覆う開閉自在な上蓋11とを備え、炊飯器本体
10内には、内鍋12とこの内鍋12を覆うように空隙
をあけて外鍋13とが設けられている。内鍋12には、
挿脱自在に内釜14が収納され、内釜14の下方に光輝
炊飯ヒータ15が配設されている。そして、内釜14の
底面に、熱吸収、熱放射に優れた特性を有し炊飯ヒータ
15を保護する保護体16が密着して設けられており、
この保護体16に当接するように温度検知器17が内鍋
12を貫通して外鍋13に突設されている。なお、図
中、18は操作パネル、19はマイクロコンピュータ等
を有する制御部である。
【0011】前記上蓋11は中空状に形成されており、
下面に内釜14の上面開口を開閉自在に覆う内蓋20が
若干上下に動くように取り付けられている。そして、そ
の中空内部には保温ヒータ21が装着されており、保温
機能を果たしている。
【0012】前記内鍋12は、少なくとも内面に反射効
率のよい光輝平滑表面仕上げを施した鏡面光沢を有する
アルミニウムまたはアルミニウム合金、あるいは光輝ア
ルミニウムめっき鋼板等とからなる円形の容器であり、
その上縁が炊飯器本体10に取り付けられている。さら
に鏡面光沢を有する内面には、耐久性のある耐熱、耐食
性のあるSiO2ゾルゲル塗料による透明薄膜コートが
1〜10μm程度の膜厚で施されており、熱回収効果を
高めている。
【0013】前記外鍋13は、内鍋12からの外方向へ
の輻射を阻止する仕切り板の役割をしており、素材とし
ては、熱反射効率のよい耐熱性の鏡面光沢のあるSUS
430などのステンレス鋼板、アルミニウムめっき鋼
板、アルミニウムが適している。そして、外鍋13は、
内鍋12よりも大径の容器とされ炊飯器本体10に固定
されており、この外鍋13と内鍋12との空隙が断熱層
となり、炊飯器本体10の外表面が高温化するのを防い
でいる。ところで、この空間が空気でなく真空になるよ
うに外鍋13と内鍋12を真空構造にすることにより、
断熱効果が高まって内釜14への加熱効率が向上し、炊
飯器本体10の外表面の高温化防止もより一層顕著にな
る。
【0014】前記内釜14は、アルミニウムまたはアル
ミニウム合金等の高熱伝導性、耐熱性および耐衝撃性を
有する金属を母材とするもので、底面は中央が平坦ない
しやや窪んだ半球面状に形成されており、内鍋12に対
し周囲に空隙を有して収容されており、前記保護体16
上に載置されている。
【0015】内釜14の内面には、図2,3に示すよう
に、清掃性の向上を図るためにフッ素樹脂系のコーティ
ング層30が形成されており、これによって内釜14に
付着した炊飯米も容易に洗い落とすことができ、炊き上
がり米飯の掻き混ぜも楽にできる。なお、フッ素樹脂コ
ーティング層30の代わりに非粘着性と熱放射性に優れ
た遠赤外線輻射皮膜を施してもよい。これは、金属酸化
物の耐熱性微粉末、カーボンブラック、マイカ顔料と四
ふっ化フッ素樹脂を主成分とする塗料をコーティングし
たもので、波長5.6〜25μmの電磁波を輻射すると
ともに調理物の焦げ付き防止、清掃性の向上が図られ
る。
【0016】また、内釜14の外面には、波長0.3〜
5.6μmまでの可視光線から遠赤外線の電磁波を吸収
するとともに波長5.6〜25μmの電磁波を反射する
特性を備えた黒色の選択吸収膜31が形成されている。
選択吸収膜31は、酸化ニッケル、酸化銅、酸化クロー
ム、酸化コバルト、酸化鉄等の薄膜の半導体皮膜を10
μm以下に仕上げたアルマイト二次電解着色または塗料
塗装仕上げを行って形成する。選択吸収膜31は、30
0℃以上の温度に耐える組成になっており、これによっ
て、炊飯ヒータ15から照射された電磁波を吸収する効
率が90%以上になり、吸収した電磁波が熱に変換した
熱線は内釜14内の水と米を効率よく加熱する。ところ
で、上記の選択吸収膜以外に、選択吸収塗料を用いた黒
色の皮膜、また母材にアルミニウム以外の金属を用いた
場合に選択吸収性能を有するコバルト選膜やブラックク
ローム選膜処理等、また選択吸収性はないが、熱吸収性
の優れた黒色アルマイトや黒色耐熱性コーティング、セ
ラミックコーティングでもよい。
【0017】そして、内釜14の表面処理は次のように
して行われる。すなわち、内釜14の母材であるアルミ
ニウム製の内釜成形品32の内面にブラスト加工等によ
って粗面化を行う前処理を施し、その前処理層33上に
フッ素樹脂系塗料を塗布してフッ素樹脂コーティング層
30を形成している。また、内釜成形品32の外面は光
沢を有する平滑面となるように処理され、この平滑仕上
げされた外面に前処理として脱脂処理を行った後、酸洗
い処理面34にアルマイト処理を施した上で、アルマイ
ト処理層35上にニッケル等の塩類で二次電解着色の黒
色系選択吸収膜31を形成している。
【0018】前記炊飯ヒータ15は、可視光線から遠赤
外線領域の波長を含む電磁波、具体的には波長0.3〜
5.6μmまでの電磁波を発生する発熱体からなるもの
で、ハロゲンヒータ、石英ガラス管ヒータ、従来技術で
述べたカンタルスーパーのサーメット等の瞬間発熱また
は比較的早い発熱ができるものが適している。すなわ
ち、これらの瞬間発熱体は、熱容量が小さく早く発熱
し、電源を切ったときの蓄熱も少ないので早く冷えて内
釜14を早く冷却することになり、内釜14および保護
体16に与える熱影響がないということで、美味しい理
想炊飯プロセス条件に結び付くことになる。そして、炊
飯ヒータ15はリング状に成形され、保護体16の下方
に一定の空間を置いて内鍋12の底部に装着されてい
る。
【0019】前記保護体16は、銅、アルミニウム等の
熱伝導性のよい金属、あるいは熱をよく伝える構造のス
テンレス鋼薄板(板厚0.8mm以下)を用いて、図4
の如く、内釜14の底面が密着してはまり込むように内
釜14の底面と同形状の凹部36を有する円形の皿形に
成形され、凹部36の中央に温度検知部17を嵌合する
孔37が穿設されている。また、保護体16の外周壁1
6aは、内鍋12に内接し隙間のない状態になってお
り、炊飯時の煮汁が流入しないようにしており、その下
端が内鍋12の内面に突設された突起38に引っ掛かっ
ている。これによって、保護体16が所定位置に固定さ
れ、なおかつ持ち上げると内鍋12から取り外すことが
できる。
【0020】そして、保護体16のヒータ側下面には、
黒色の300〜600℃耐熱セラミックコーティング、
シリコン樹脂、PES(ポリエーテルサルフォン)樹
脂、ポリシロキサン系樹脂等をバインダーにした黒色耐
熱塗料でコーティングを行うか、アルミニウムでは二次
電解着色ブラックアルマイトまたはブラックニッケルア
ルマイト選択吸収膜処理を、銅ではブラッククロームめ
っきまたは選択吸収膜のブラッククロームめっきを、ス
テンレス鋼では素地表面にニッケルメッキを施してから
銅めっきを行い、その上から選択吸収ブラッククローム
めっきを処理を行う。この熱吸収処理を行うことによ
り、炊飯ヒータ15からの0.3〜5.6μmの電磁波
を90%以上の高効率で吸収し、吸収した熱を熱伝導で
内釜14に伝え、一部は輻射により遠赤外線を内釜14
の外周辺に放射し内釜14に吸収させることができる。
選択吸収膜が理想的ではあるが、長期信頼性、耐久性の
観点から熱吸収膜だけでもよい。
【0021】一方、内釜側上面には、熱放射性のよい黒
色の耐熱性を有するアルマイト処理、あるいは黒色のセ
ラミック塗料によるコーティング処理を行い、黒色高放
射皮膜とする。これにより、ヒータ側からの光エネルギ
ーを吸収して熱に変換し、変換した熱を内釜14の底面
に密着接触する部分から内釜14へ熱伝達し、密着して
いない部分からは遠赤外線を放射する構成となってい
る。
【0022】ここで、美味しく炊飯するためには、内釜
14が早く加熱され、早く冷却することが重要である。
このことからして、保護体16は内釜14の一部分とい
う考えで蓄熱のしない(熱容量の小さい)構造でなけれ
ばならない。そこで、保護体16は、この条件を満たす
ために素材が金属の場合、板厚を薄くして1mm以下に
する。また、成形後の強度も考慮すると、0.4〜1.
0mm程度が適当である。これによって、蓄熱性がなく
なり、熱効率が高くなって、美味しい炊飯、保温ができ
る。
【0023】また、上記のように保護体16は薄いもの
がよく、内釜14と密着接触したときの内釜14と保護
体16の合計の板厚が3mm以下になるようにしてお
く。特に、内釜14の厚みを1.5〜2.0mmにする
とよい。合計の板厚が3mm以上になると、温度検知部
17によるセンシング精度が低下して温度制御が難しく
なるとともに加熱時、冷却時の立ち上がり、降下速度が
鈍くなるので、美味しい炊飯を達成することができなく
なる。
【0024】上記構成において、内釜14に洗米した米
と水を投入した上で操作パネル18の炊飯操作ボタンを
押すと炊飯が開始され、炊飯ヒータ15が内釜14を加
熱する。炊飯ヒータ15から上方に照射された電磁波
は、保護体16に到達する。また、他の方向に照射され
た電磁波は、内鍋12の内面により反射されて保護体1
6に到達する。保護体16の下面において、電磁波は選
択吸収膜とよく波長適合して、保護体16に吸収されて
熱に変換され、上面に熱伝導される。そして、上面から
熱放射して内釜14の底面に密着した部分からは内釜1
4に直接熱伝達され、内釜14の底面以外の保護体16
に密着していない部分、たとえば内釜14の上方外周面
へは、保護体16の黒色高放射皮膜により放射された遠
赤外線が内釜14の選択吸収膜31に吸収され、熱を内
釜14内部の炊飯水に伝えることで効率よく加熱され
る。
【0025】炊飯米が炊き上がると、内釜14の温度が
温度検知部17の動作点に達し、炊飯終了後は一旦全て
のヒータ15,21が断電される。そして、炊飯時に高
温となった内釜14の外面や内鍋12の内面が冷却さ
れ、温度検知部17の感知温度が所定の保温温度まで低
下すると、炊飯ヒータ15が内釜14を加熱するととも
に、保温ヒータ21が上蓋11を加熱して炊き上げられ
た炊飯米を一定の保温温度に保持する。これらの炊飯時
および保温時には、制御部19において温度検知部17
から得られる温度データに基づき、炊飯ヒータ15およ
び保温ヒータ21の入力を制御している。
【0026】このように、炊飯ヒータ15が素早く発熱
して、その熱が効率よく内釜14に伝達されるので、炊
飯時の吸水領域への昇温立ち上がりが早くなり、吸水領
域での温度の均一化によって、米に十分な吸水を行え
る。そして、炊飯領域への昇温立ち上がりを早くして、
均一な加熱によって米飯を炊き上げ、デンプンをα化さ
せて、むらし領域においてデンプンを完全にα化させ、
炊きむらのない美味しい炊飯米を得ることができる。し
たがって、理想的な炊飯プロセスに沿った加熱が可能と
なり、早くて美味しい炊飯、保温ができる。
【0027】そして、内釜14と炊飯ヒータ15との間
に熱伝導性のよい材料で成型した熱吸収、熱放射に優れ
た保護体16を設け、かつ内釜14の底面全周に密着接
触する構造にすることにより、内釜14と炊飯ヒータ1
5の間に何もない場合の内釜14の加熱効率は80〜8
5%に対して、間に3〜5mm厚みの透明耐熱結晶化ガ
ラスを炊飯ヒータ15の保護ガラス板としておいた場合
65〜68%の加熱効率(約10%強の低下)となるの
が、上記の構造では、80%前後にすることができた。
【0028】なお、保護体16を内釜14の底面に密着
させずに1mm以下の隙間を置いて近接させてもよい。
この場合でも、同じ効率となるが、1mm以上の隙間が
あると、内釜14の熱吸収効率が大きく低下してしま
う。したがって、保護体16の成形時において内釜14
の底面形状と完全に一致させることは困難であるが、多
少隙間ができても機能上問題がないので、保護体16の
成形が容易になるといった効果がある。
【0029】また、保護体16によって、内釜14を炊
飯器本体10から取り外しても、炊飯ヒータ15は隠さ
れ、内鍋12内への煮汁や異物の侵入が阻止されている
ので、炊飯ヒータ15の破損や異物の付着による腐食劣
化を防止でき、耐久性が向上して長寿命化を図ることが
できる。しかも、炊飯器本体10の内部が露出しないこ
とによって、外見上の見苦しさがなくなり、すっきりし
たデザインとなって、商品性の優れた炊飯器を提供する
ことができる。そして、保護体16を着脱自在としてい
るので、清掃しやすく、部品交換も行いやすくできると
ともに製品の組立性も向上させることができる。
【0030】(第二実施例)本実施例では、図5の如
く、保護体40の形状を炊飯ヒータの形状に対応させて
いる。すなわち、リング状の炊飯ヒータ15に対して、
その上方を覆うように保護体40の中央に大径の円孔4
1を穿設している。そして、円孔41の外縁は内釜14
の底面に密着する形状に成形されている。炊飯ヒータ1
5は、上方に向けて電磁波を照射できるとともに円孔4
1から覗いたときに視角から外れた位置にくるように配
置されている。
【0031】また、炊飯ヒータ15の下方に反射板42
が配設されており、反射板42の外周部は炊飯ヒータ1
5を包囲するようにして保護体40に密着している。こ
の反射板42によって、内釜14を取り外したときに内
鍋12の底面が現れないようになっており、異物等が内
鍋12に溜まらない。なお、温度検知部17は、内鍋1
2に突設されて、反射板42を貫通して内釜14の底面
に当接している。図中、43は保温ヒータであり、他の
構成は第一実施例と同じである。
【0032】これによって、炊飯ヒータ15から照射さ
れた電磁波は、保護体40の円孔41を通して直接内釜
14の底面に当たることになる。また、電磁波の一部
は、反射して照射されるものと保護体40に熱吸収され
るものがある。そのため、内釜14への熱効率が大幅に
向上し、加熱効率が80〜82%となり、第一実施例に
比べてさらに効率の向上を図ることができる。しかも、
炊飯ヒータ15は保護体40によって隠されているの
で、炊飯ヒータ15を保護する効果も同様に備えてい
る。
【0033】(第三実施例)本実施例では、図6の如
く、炊飯ヒータ15、外鍋13a,13b、内鍋12、
保護体50、温度検知部17を一体構造にしてユニット
化が図られている。保護体50は、内釜14の底面が密
着してはまり込むように内釜14の底面と同形状の凹部
を有する円形の皿形に成形され、外周にフランジ51が
突設されており、その上下面には第一実施例で述べた皮
膜処理が施されている。
【0034】内鍋12は、アルミニウム(板厚0.8m
m)を用いて、内面が電磁波を反射するように鏡面状に
されており、内釜14の底面を覆うだけの深さとされ、
その上端に折曲成形された鍵形部52が設けられてい
る。そして、鍵形部52に山型のばね53が設置され
て、このばね53に保護体50のフランジ51が載置さ
れて上下動可能に支持されている。
【0035】外鍋は上外鍋13aと下外鍋13bに上下
二分割されており、SUS430(板厚0.5mm)の
ステンレス鋼が用いられ、下外鍋13bは、内鍋12を
一定の隙間を開けて覆っており、炊飯器本体10に着脱
可能に所定位置に位置決めされて載置されている。上外
鍋13aの上端は内鍋12の鍵形部52の下面に当接し
て、ねじ等により着脱可能に固定されている。また、上
外鍋13aは内鍋12の内径よりも少し小さくて内釜1
4を出し入れできるだけの内径を有する円筒状に形成さ
れ、その下端の折曲部54が内鍋12の鍵形部52の上
面にねじ等により固定されている。これによって、上外
鍋13aと内鍋12の鍵形部52との間に保護体50の
フランジ51が挿入される隙間が形成される。
【0036】ところで、このような隙間が存在すると、
内釜14の外面に付着した米粒等を除去し忘れて万一落
下すると、隙間を介して保護体50と内鍋12の間の空
間に入り込む可能性がある。そこで、図7の如く、上外
鍋13aの内径を保護体50のフランジ51の内径より
も小さくして差を設けており、米粒等が隙間に入らずに
保護体50の上面側に落下するような米粒侵入防止機構
となっている。なお、図中、55は保温ヒータ、56は
冷却ファン、57はコードリールである。
【0037】このような構成によって、上外鍋13aを
持ち上げると、保護体50、上下外鍋13a,13b、
内鍋12、温度検知部17が一体的に炊飯器本体10か
ら取り外すことができる。そして、上外鍋13aを内鍋
12から外すと、保護体50を取り外すことができる。
このように、各部品を一体で取り外して、それぞれの部
品に分割できるので、清掃や交換を容易に行うことがで
きる。また、炊飯器本体10内部が露出されるので、炊
飯器本体10のメンテナンス作業も容易に行える。しか
も、これらの各部品を組み立ててから炊飯器本体10に
取り付けることが可能となり、組み立て作業性を向上さ
せることができるとともに作業工程の削減によるコスト
ダウンも期待できる。なお、他の構成は第一実施例と同
じであり、同様の作用効果を奏する。
【0038】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。たとえば、
内釜の底面と保護体が密着する構造のときは、内釜の外
表面を特別に選択吸収膜にする必要はなく、内釜をアル
ミニウム等の熱伝導性の素材のままでもよい。そして、
底面以外の上方の外周面は底面で熱吸収し、熱伝導で内
釜上方に熱移動させて内釜内部を昇温するのであるが、
内釜内部から内釜外部に熱放射するのを防ぐために金属
光沢の状態、あるいはアルミニウムのときは、光輝アル
マイト仕上げにすると効果がある。さらに、内釜の底面
だけを黒色にして他の面は金属光沢のアルマイトの白あ
げ仕上げとするのもよい。これによって高効率吸収加熱
ができる。
【0039】炊飯ヒータの形状として、直管状のものを
ニの字状に並べてもよく、これに対応させて炊飯ヒータ
の上方を覆う部分を残して孔が形成された保護体として
もよい。
【0040】また、保護体を内釜の一部という考えのも
とに、保護体を内釜と別部材とするのではなく、外面側
に電磁波吸収特性を有した材料を用い、内面側に熱放射
性のよい材料を用いて内釜の底面をクラッド材で成形し
てもよい。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明の
請求項1によると、内釜の炊飯ヒータに面した表面に、
熱吸収、熱放射に優れた特性を有し炊飯ヒータを保護す
る保護体が設けられているので、炊飯ヒータからの熱を
効率よく内釜に伝達することができ、しかも炊飯ヒータ
を外部からの衝撃や異物から防いで炊飯ヒータの耐久性
を高め長寿命化を図ることができる。また、炊飯ヒータ
を直接見えなくできるので、デザイン的に優れ商品性を
高めることができ、また、保護体の炊飯ヒータ側表面に
電磁波吸収皮膜が施され、内釜側表面に熱放射性のよい
皮膜が施されているので、炊飯ヒータからの電磁波を熱
に変換して、その熱を内釜に効率良く伝達することがで
き、加熱効率の向上となる。
【0042】さらに、請求項のように、保護体が内釜
の底面形状と同形状に形成されて内釜に近接あるいは密
着して配置されることにより、保護体が吸収した熱を内
釜へ効率よく熱伝達することができ、炊飯ヒータの熱を
有効に活用でき、美味しい炊飯を達成することができ
る。
【0043】請求項によると、保護体が炊飯ヒータの
上方を覆うような形状とされ、内釜に近接あるいは密着
して配置されているので、炊飯ヒータから内釜に直接照
射される電磁波と、保護体を介して内釜に伝達される電
磁波に分かれ、保護体を内釜の底面全体に密着させる構
造のものよりも加熱効率をさらに向上させることができ
る。
【0044】請求項によると、保護体が炊飯器本体お
よび内釜に対して着脱自在とされているので、清掃がし
やすい。また、保護体を取り外すことにより、炊飯ヒー
タが露出されるので、部品交換が行いやすく、組み立て
性も向上させることができる。
【0045】したがって、炊飯ヒータの電磁波が直接内
釜に当たる場合の構造の加熱効率に比べて、熱効率を低
下させずに速い炊飯、内釜の全周加熱ができ、炊きむら
のない均一なおいしい炊飯米を得ることができる。ま
た、炊飯ヒータへの異物等の付着を防ぎ、さらに清掃し
やすく耐久性も向上し、いつまでも効果的に電磁波を保
護体を介して内釜に与えることができる。そして、内釜
を取り外したときの炊飯器内部の見苦しさを解消したす
っきりしたデザインにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の炊飯器の断面図
【図2】内釜の構造を模式的に示す断面図
【図3】内釜の断面構造の拡大図
【図4】保護体の平面図および断面図
【図5】第二実施例の炊飯器の断面図
【図6】第三実施例の炊飯器の断面図
【図7】図6におけるA部の拡大図
【図8】従来の炊飯器の断面図
【符号の説明】
10 炊飯器本体 12 内鍋 13 外鍋 14 内釜 15 炊飯ヒータ 16 保護体

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炊飯器本体に、内釜と、この内釜に間隔
    を置いて配置された可視光線から遠赤外線領域の波長を
    含む電磁波を放射する炊飯ヒータとが内装された炊飯器
    において、前記内釜の炊飯ヒータに面した表面に近接あ
    るいは密着して、熱吸収、熱放射に優れた特性を有し前
    記炊飯ヒータを外部に露出しないように隠す保護体を設
    け、該保護体の炊飯ヒータ側表面には電磁波吸収皮膜を
    施し、内釜側表面には熱放射性のよい皮膜を施したこと
    を特徴とする炊飯器。
  2. 【請求項2】 保護体は、熱伝導性の良い金属を用い、
    熱容量の小さい構造とされ、内釜の底面形状と同形状に
    形成されたことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
  3. 【請求項3】 保護体が炊飯ヒータの上方を覆うような
    形状とされたことを特徴とする請求項1または2記載の
    炊飯器。
  4. 【請求項4】 保護体が内釜を収納する内鍋に着脱自在
    とされたことを特徴とする請求項記載の炊飯器。
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