JPH08205995A - 炊飯器 - Google Patents

炊飯器

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JPH08205995A
JPH08205995A JP1584095A JP1584095A JPH08205995A JP H08205995 A JPH08205995 A JP H08205995A JP 1584095 A JP1584095 A JP 1584095A JP 1584095 A JP1584095 A JP 1584095A JP H08205995 A JPH08205995 A JP H08205995A
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JP
Japan
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inner pot
heat
rice cooker
rice
heater
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JP1584095A
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English (en)
Inventor
Nobushige Arai
暢茂 洗
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炊飯ヒータの熱効率を低下させることなく、
内釜を取り外したときの炊飯器のデザイン性を高める。 【構成】 内釜2と炊飯ヒータ3との間に、炊飯ヒータ
3からの電磁波を透過する結晶化ガラスからなる保護体
20を設ける。保護体20は、内釜2の底外表面の肩部
分に面接触され、内釜2の底中央に対しては隙間をあけ
て配置され、色彩あるいは模様を有することにより炊飯
ヒータ3を隠す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁波を放射する炊飯
ヒータを用いた保温機能を有する炊飯器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来の炊飯器として、電磁波を吸収する
外表面を有する内釜と波長0.3〜5.6μmの電磁波
を照射するハイスピード発熱の光輝炊飯ヒータから構成
されたものがある。この炊飯器では、内釜を炊飯器本体
から取り外すと、炊飯器本体の底には炊飯ヒータが丸見
えになる。特に、速い温度上昇特性を有する光輝炊飯ヒ
ータとしてはハロゲンヒータが適しているけれども、シ
ーズヒータのように丈夫さ、および異物の落下付着によ
る汚れや石英ガラス管に独特の失透現象等に対して十分
でない点がある。また、光輝シーズヒータやカンタルス
ーパー(カンタル株式会社製の電気抵抗発熱体の商品
名、二珪化モリブデンMoSi2とガラス相を主とする
セラミック成分で構成された緻密なサーメット材)の様
に、表面温度が800〜2000℃になるヒータを用い
ても、一般使用の400〜600℃のシーズヒータと比
べるとハロゲンヒータと同様に強度上問題があり、異物
の付着による腐食劣化の問題もある。また、外見上の見
苦しさ、およびデザイン上好ましくない等の性能上の問
題と商品性の問題があって改善が必要とされていた。
【0003】そこで、上記の問題を解消するために、図
10に示すように、同一出願人による特願平6−222
917号において、炊飯器本体1に、内釜2と、この内
釜2に間隔を置いて配置された電磁波を放射する炊飯ヒ
ータ(ハロゲンヒータ)3とが内装され、内釜2の炊飯
ヒータ3に面した表面に、熱吸収、熱放射に優れた特性
を有し炊飯ヒータ3を保護する保護体4が設けられたも
のを提案した。
【0004】保護体4は内釜2の底面形状と同形状に形
成されて内釜2に近接あるいは密着して配置されている
ので、炊飯ヒータ3を汚れや傷つきから守ることができ
る。なお、図中、5は温度検知器、6は内鍋、7は外
鍋、8は内蓋、9は保温ヒータ、10は上蓋、11は操
作パネル、12は制御部である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の炊飯器
では、内釜を炊飯器本体から取り外すと、炊飯ヒータは
見えないが、内部の保護体の黒色面、あるいは反射板等
の反射面が見えデザイン性の悪い外観となり、意匠性を
損ねていた。また、保護体の皮膜は傷がつきやすく、清
掃のときに注意が必要であった。
【0006】そこで、本発明は、加熱効率を高めなが
ら、外観デザインを重視した構造の炊飯器の提供を目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、図1の如く、炊飯器本体1に、内釜2と、内釜2
を加熱するための炊飯ヒータ3とが内装され、内釜2の
外表面に電磁波を吸収する皮膜処理が施され、内釜2と
炊飯ヒータ3とが間隔を置いて配置され、内釜2と炊飯
ヒータ3との間に電磁波透過耐熱ガラス製の保護体20
が設けられ、保護体20は、内釜2の底外表面に対応し
た形状に成型され、内釜2の底外表面と熱伝導接触する
ようにしたものである。そして、保護体20が結晶化ガ
ラス製とされ、色彩あるいは模様が施されている。
【0008】また、他の課題解決手段として、図6の如
く、保護体40が、内釜2の底外表面と熱伝導接触され
た熱吸収、熱放射に優れた特性を有する熱伝導板41
と、内釜2に間隔を置いて配置された電磁波を透過する
耐熱ガラス板42とによって形成されたものである。
【0009】そして、炊飯ヒータ3からの電磁波を内釜
2に向けて反射させる反射板43が保護体40と一体的
に設けられたり、耐熱ガラス板42を熱伝導板41に対
して着脱自在に取り付けている。なお、保護体20ある
いは耐熱ガラス板42の板厚は、電磁波透過効率および
強度の面から2.0mm±1.0mmが好ましい。
【0010】
【作用】上記課題解決手段において、炊飯ヒータ3から
照射されて保護体20に到達した電磁波は、保護体20
を透過し、また若干吸収されて熱に変換され上面に熱伝
導される。そして、保護体20を透過した電磁波は内釜
2の皮膜に吸収され、また保護体20の上面から熱放射
して内釜2の底面に接触した部分から内釜2に直接熱伝
達され、熱を内釜2内部の炊飯水に素早く伝え、加熱効
率がよくなる。また、内釜2を炊飯器本体1から取り外
せば、色彩または模様を有する保護体20が見え、すっ
きりしたデザインの炊飯器となっている。
【0011】また、他の課題解決手段において、炊飯ヒ
ータ3から照射された電磁波は直接あるいは反射板43
に反射されて耐熱ガラス板42に到達する。そして、耐
熱ガラス板42を透過して、内釜2の皮膜に吸収され加
熱が行われる。また、炊飯ヒータ3と耐熱ガラス板42
の間の空間にこもった熱および耐熱ガラス板42に吸収
された熱は、熱伝導板41に伝わり、熱伝導板41の内
釜2の底面に接触した部分から内釜2へ熱伝導される。
この両者の熱によって、加熱効率が高まり、内釜2が均
一に加熱される。
【0012】そして、内釜2を取り外したときには、耐
熱ガラス板42によって、炊飯ヒータ3は見えない。ま
た、耐熱ガラス板42を取り外すことによって、清掃が
容易となる。
【0013】
【実施例】
(第一実施例)本実施例の炊飯器は、図1の如く、有底
短円筒状の炊飯器本体1と、その上面開口を覆う開閉自
在な上蓋10とを備え、炊飯器本体1内には、内鍋6と
この内鍋6を覆うように空隙をあけて外鍋7とが設けら
れている。内鍋6には、挿脱自在に内釜2が収納され、
内釜2の下方に炊飯ヒータ(ハロゲンヒータ)3が配設
されている。このように基本的な構造は従来のものと同
じであるが、内釜2の底面に、熱吸収、熱放射に優れた
特性を有し炊飯ヒータ2を保護する保護体20が密着し
て設けられている。なお、図中、11は操作パネル、1
2はマイクロコンピュータ等を有する制御部である。
【0014】前記上蓋10は、中空状に形成されてお
り、下面に内釜2の上面開口を開閉自在に覆う内蓋8が
若干上下に動くように取り付けられている。そして、そ
の中空内部には保温ヒータ9が装着されており、保温機
能を果たしている。
【0015】前記内鍋6は、少なくとも内面に反射効率
のよい光輝平滑表面仕上げを施した鏡面光沢を有するア
ルミニウムまたはアルミニウム合金、あるいは光輝アル
ミニウムめっき鋼板等とからなる円形の容器であり、そ
の上縁が炊飯器本体1に取り付けられている。さらに鏡
面光沢を有する内面には、耐久性のある耐熱、耐食性の
あるSiO2ゾルゲル塗料による透明薄膜コートが1〜
10μm程度の膜厚で施されており、熱回収効果を高め
ている。
【0016】前記外鍋7は、内鍋6からの外方向への輻
射を阻止する仕切り板の役割をしており、素材として
は、熱反射効率のよい耐熱性の鏡面光沢のあるSUS4
30などのステンレス鋼板、アルミニウムめっき鋼板、
アルミニウムが適している。そして、外鍋7は、内鍋6
よりも大径の容器とされ炊飯器本体1に固定されてお
り、この外鍋7と内鍋6との空隙が断熱層となり、炊飯
器本体1の外表面が高温化するのを防いでいる。ところ
で、この空間が空気でなく真空になるように外鍋7と内
鍋6を真空構造にすることにより、断熱効果が高まって
内釜2への加熱効率が向上し、炊飯器本体1の外表面の
高温化防止もより一層顕著になる。
【0017】前記内釜2は、アルミニウムまたはアルミ
ニウム合金等の高熱伝導性、耐熱性および耐衝撃性を有
する金属を母材とするもので、底面は中央が平坦ないし
やや窪んだ半球面状に形成されており、内鍋6に対し周
囲に空隙を有して収容されており、前記保護体20上に
載置されている。
【0018】内釜2の内面には、図2,3に示すよう
に、清掃性の向上を図るためにフッ素樹脂系のコーティ
ング層30が形成されており、これによって内釜2に付
着した炊飯米も容易に洗い落とすことができ、炊き上が
り米飯の掻き混ぜも楽にできる。なお、フッ素樹脂コー
ティング層30の代わりに非粘着性と熱放射性に優れた
遠赤外線輻射皮膜を施してもよい。これは、金属酸化物
の耐熱性微粉末、カーボンブラック、マイカ顔料と四ふ
っ化フッ素樹脂を主成分とする塗料をコーティングした
もので、波長5.6〜25μmの電磁波を輻射するとと
もに調理物の焦げ付き防止、清掃性の向上が図られる。
【0019】また、内釜2の外面には、波長0.3〜
5.6μmまでの可視光線から遠赤外線の電磁波を吸収
するとともに波長5.6〜25μmの電磁波を反射する
特性を備えた黒色の選択吸収膜31が形成されている。
選択吸収膜31は、酸化ニッケル、酸化銅、酸化クロー
ム、酸化コバルト、酸化鉄等の薄膜の半導体皮膜を10
μm以下に仕上げたアルマイト二次電解着色または塗料
塗装仕上げを行って形成する。選択吸収膜31は、30
0℃以上の温度に耐える組成になっており、これによっ
て、炊飯ヒータ3から照射された電磁波を吸収する効率
が90%以上になり、吸収した電磁波が熱に変換した熱
線は内釜2内の水と米を効率よく加熱する。ところで、
上記の選択吸収膜以外に、選択吸収塗料を用いた黒色の
皮膜、また母材にアルミニウム以外の金属を用いた場合
に選択吸収性能を有するコバルト選膜やブラッククロー
ム選膜処理等、また選択吸収性はないが、熱吸収性の優
れた黒色アルマイトや黒色耐熱性コーティング、セラミ
ックコーティングでもよい。
【0020】そして、内釜2の表面処理は次のようにし
て行われる。すなわち、内釜2の母材であるアルミニウ
ム製の内釜成形品32の内面にブラスト加工等によって
粗面化を行う前処理を施し、その前処理層33上にフッ
素樹脂系塗料を塗布してフッ素樹脂コーティング層30
を形成している。また、内釜成形品32の外面は光沢を
有する平滑面となるように処理され、この平滑仕上げさ
れた外面に前処理として脱脂処理を行った後、酸洗い処
理面34にアルマイト処理を施した上で、アルマイト処
理層35上にニッケル等の塩類で二次電解着色の黒色系
選択吸収膜31を形成している。
【0021】前記炊飯ヒータ3は、可視光線から遠赤外
線領域の波長を含む電磁波、具体的には波長0.3〜
5.6μmまでの電磁波を発生する発熱体からなるもの
で、ハロゲンヒータ、石英ガラス管ヒータ、従来技術で
述べたカンタルスーパーのサーメット等の瞬間発熱また
は比較的早い発熱ができるものが適している。すなわ
ち、これらの瞬間発熱体は、熱容量が小さく早く発熱
し、電源を切ったときの蓄熱も少ないので早く冷えて内
釜2を早く冷却することになり、内釜2および保護体2
0に与える熱影響がないということで、美味しい理想炊
飯プロセス条件に結び付くことになる。そして、炊飯ヒ
ータ3はリング状に成形され、保護体20の下方に一定
の空間を置いて内鍋6の底部に装着されている。
【0022】前記保護体20は、耐熱衝撃性のある結晶
化ガラスの素材を用いて、内釜2の底面が密着してはま
り込むように内釜2の底面と同形状の凹みを有する円形
の皿形に成形され、強度面においても実使用に十分耐え
られる肉厚(1〜6mm)の成型品とされる。なお、保
護体20の形状として、内釜2の側面まで覆うような鍋
形に成形してもよい。また、凹みの中央に温度検知器5
を嵌合する穴が形成されている。保護体20の外周壁
は、内鍋6の内面に突設された突起21に支持された支
持リング22に嵌め込まれており、保護体20が所定位
置に固定され、なおかつ持ち上げると内鍋6から取り外
すことができるようになっている。支持リング22は内
鍋6に内接され、隙間のない状態になっているので炊飯
時の煮汁の流入を防止できる。
【0023】ここで、保護体20のガラス材質は、耐熱
ガラスでも冷熱サーモショックの温度差300℃の長時
間に耐える耐熱衝撃性のある材質が必要である。そのた
め、結晶化ガラスでないと使用に耐えない。実際に、耐
熱性があるとされているパイレックスガラスをテストし
たが2〜3回の使用でクラックが入り割れてしまった。
その理由は、使用する前に熱歪を除去する焼きなましを
していても使用中に生じる温度差で歪みが入るためであ
る。その点、結晶化ガラスは、使用前の成形時には結晶
化熱処理を経て完成するので、歪みがなく、サーモショ
ックでの温度差も800℃なので、使用時の歪みも形成
しない利点がある。
【0024】そして、保護体20の色調は、透明色でも
よいが、炊飯器内部、即ち、内釜2を取り外した内部の
意匠性を考えると、保護体20の下方に設置した炊飯ヒ
ータ3や内鍋6の底部が見えないようにするために、
赤、茶、紫、白等の着色透明のガラスにするとよい、あ
るいは前記透明ガラスを用いて、炊飯ヒータ3側の面に
着色透明の釉薬印刷を施してもよい。このように、保護
体20のガラスの色調を透明色にするかあるいは光の透
過に影響の少ない耐熱性のフリットカラー模様印刷、釉
薬(フリット)と着色顔料を主成分とするカラークリア
の薄膜透明印刷を施すことにより、炊飯ヒータ3から照
射される電磁波を90%以上の透過効率で透過させるこ
とができる。
【0025】ところで、保護体20は内釜2と密着して
炊飯ヒータ3の熱を伝達しなければならないので、保護
体20のガラス成形皿は、内釜2の底面形状に対して精
度の良い仕上がり寸法になっている必要がある。そのた
め、プレス成型で仕上げているが、保護体20は薄いも
のがよく、内釜2と密着した時の内釜2と保護体20の
合計の板厚が5mm以下になるように、保護体20の厚
みは3mmぐらいまでがよい。合計の板厚が5mm以上
になると、温度検知器5によるセンシング精度が低下し
て温度制御が難しくなるとともに電磁波の透過効率が悪
くなって加熱時、冷却時の立ち上がり、降下速度が鈍く
なり、美味しい炊飯を達成することができなくなる。
【0026】上記構成において、内釜2に洗米した米と
水を投入した上で操作パネル11の炊飯操作ボタンを押
すと炊飯が開始され、炊飯ヒータ3が内釜2を加熱す
る。炊飯ヒータ3から上方に照射された電磁波は、保護
体20に到達する。また、他の方向に照射された電磁波
は、内鍋6の内面により反射されて保護体20に到達す
る。保護体20の下面において、電磁波は保護体20を
透過または若干吸収されて熱に変換され、上面に熱伝導
される。そして、上面から熱放射して内釜2の底面に密
着した部分からは内釜2に直接熱伝達され、内釜2の底
面以外の保護体20に密着していない部分、たとえば内
釜2の上方外周面へは、保護体20の透過電磁波により
放射された遠赤外線が内釜2の選択吸収膜31に吸収さ
れ、熱を内釜2内部の炊飯水に伝えることで効率よく加
熱される。
【0027】炊飯米が炊き上がると、内釜2の温度が温
度検知器5の動作点に達し、炊飯終了後は一旦全てのヒ
ータ3,9が断電される。そして、炊飯時に高温となっ
た内釜2の外面や内鍋6の内面が冷却され、温度検知器
5の感知温度が所定の保温温度まで低下すると、炊飯ヒ
ータ3が内釜2を加熱するとともに、保温ヒータ9が上
蓋10を加熱して炊き上げられた炊飯米を一定の保温温
度に保持する。これらの炊飯時および保温時には、制御
部12において温度検知器5から得られる温度データに
基づき、炊飯ヒータ3および保温ヒータ9の入力を制御
している。
【0028】このように、炊飯ヒータ3が素早く発熱し
て、その熱が効率よく内釜2に伝達されるので、炊飯時
の吸水領域への昇温立ち上がりが早くなり、吸水領域で
の温度の均一化によって、米に十分な吸水を行える。そ
して、炊飯領域への昇温立ち上がりを早くして、均一な
加熱によって米飯を炊き上げ、デンプンをα化させて、
むらし領域においてデンプンを完全にα化させ、炊きむ
らのない美味しい炊飯米を得ることができる。したがっ
て、図4に示したような理想的な炊飯プロセス曲線に沿
った加熱が可能となり、早くて美味しい炊飯、保温がで
きる。
【0029】そして、内釜2と炊飯ヒータ3の間に何も
ない場合の内釜2の加熱効率は80〜85%に対して、
この間に3〜5mm厚みの耐熱性の結晶化ガラスを炊飯
ヒータ3の保護ガラス板としておいた場合は65〜68
%の加熱効率(約10%強の低下)となるのが、内釜2
と炊飯ヒータ3との間に電磁波透過性のよい材料で成型
した熱吸収、熱放射に優れた保護体20を設け、かつ内
釜2の底面に熱的に接触した構造にすることにより、8
0%前後にすることができた。
【0030】なお、保護体20を内釜2の底面に密着さ
せずに1mm以下の隙間を置いて近接させてもよい。こ
の場合でも、同じ効率となるが、1mm以上の隙間があ
ると、内釜2の熱吸収効率が大きく低下してしまう。し
たがって、保護体20の成形時において内釜2の底面形
状と完全に一致させることは困難であるが、多少隙間が
できても機能上問題がないので、保護体20の成形が容
易になるといった効果がある。
【0031】また、内釜2を炊飯器本体1から取り外し
ても、保護体20によって炊飯ヒータ3は隠され、内鍋
6内への煮汁や異物の侵入が阻止されているので、炊飯
ヒータ3の破損や異物の付着による腐食劣化を防止で
き、耐久性が向上して長寿命化を図ることができる。し
かも、炊飯器本体1の内部が露出しないことによって、
外見上の見苦しさがなくなり、すっきりしたデザインと
なって、商品性の優れた炊飯器を提供することができ
る。そして、保護体20を着脱自在としているので、清
掃しやすく、部品交換も行いやすくできるとともに製品
の組立性も向上させることができる。
【0032】(第二実施例)本実施例では、図5の如
く、炊飯ヒータ3と内鍋6との間の空間に放物線形状の
曲面をしたリング状の反射板25を設けている。この反
射板25によって、炊飯ヒータ3からの下方に向かう電
磁波は上方に向けて反射される。そのため、内鍋6の底
面からの反射が少なくなり、炊飯ヒータ3から発せられ
る電磁波の大部分を内釜2に向けて照射できることにな
り、加熱効率がよくなる。また、保護体20と反射板2
5により炊飯ヒータ3の周辺を密閉構造にすると、反射
板25の温度が約600℃になるのを、本実施例の如く
開放することにより約300℃に押さえられる。なお、
他の構成は第一実施例と同じである。
【0033】(第三実施例)本実施例では、図6の如
く、保護体40が内釜2の底外表面の肩部分に面接触さ
れた熱吸収、熱放射に優れた特性を有する熱伝導板41
と、内釜2の底中央に間隔をおいて配置された電磁波を
透過する耐熱ガラス板42とによって形成されている。
また、反射板43が熱伝導板41に一体的に設けられて
いる。そして、炊飯ヒータ3、上下に二分割された外鍋
44、内鍋45、保護体40、温度検知器5を一体構造
にてユニット化が図られている。
【0034】前記熱伝導板41は、銅、アルミニウム等
の熱伝導性のよい金属、あるいは熱をよく伝える構造の
ステンレス鋼薄板を用いて、その外周部分は内釜2の底
面の肩部分が密着してはまり込むように内釜2の底面と
同じ曲率を有するように成形され、下面には電磁波吸収
皮膜処理が施されている。また、中央部分は、L字状の
段部46によって外周部分とつながり、リング状に凹形
の溝が形成され、この溝が前記反射板43とされる。反
射板43のヒータ側内面には第一実施例の内鍋と同様の
鏡面処理が施され、反射板43の中央に形成された中央
孔の端縁が内鍋45の中央孔の端縁に載置されている。
【0035】前記耐熱ガラス板42は、第一実施例の保
護体と同じ材質のもので、リング状のやや凹んだ平板に
成型されており、着色あるいは模様を施してもよい。耐
熱ガラス板42の内外周の端部がそれぞれ段部46およ
び反射板43の中央孔端縁に載置され、熱伝導板41に
対して着脱自在となっている。ところで、耐熱ガラス板
42は、光透過ガラスの肉厚が薄ければ薄いほど光の透
過損失が少なく、熱の籠もり(蓄熱)が少なくてすむけ
れども、逆に衝撃や押圧、落下、熱衝撃等の機械的強度
が弱くなるので、極端に薄くできない。そこで、実験結
果により強度面から2.0±1.0mmの肉厚にすれば
よいことが判明した。そして、耐熱ガラス板42、反射
板43、内鍋45の各中央孔には、外鍋44に突設され
た温度検知器5が挿通されている。
【0036】そして、内鍋45の上端は鍵形に折曲さ
れ、ここに熱伝導板41の上端のフランジが載置されて
いる。内鍋45は外鍋44の下側部分の上端に載置さ
れ、内鍋45の上端に外鍋44の上側部分が載置されて
いる。この構造によって、こぼれ落ちた米粒が内鍋45
内に侵入することを防いでいる。なお、図中、47は冷
却ファン、48はコードリールである。
【0037】そして、炊飯ヒータ3周辺に籠もる熱が熱
伝導板41から内釜2の肩部分に熱伝導して内釜2に伝
達され、耐熱ガラス板42を透過した電磁波は内釜2に
吸収され、熱伝導板41から伝導される熱および耐熱ガ
ラス板42を透過した電磁波による熱によって内釜2の
底は全周から加熱される。
【0038】したがって、均一加熱と高効率加熱を達成
することができ、従来では約65%の加熱効率であった
ものが、70〜73%に上昇される。さらに、耐熱ガラ
ス板42の肉厚を3〜4mmから2.0mmにすると7
6〜80%にすることができ、高火力となりおいしい炊
飯米飯に仕上げるための理想炊飯プロセス曲線を形成す
ることができるから、従来にないおいしい炊飯およびお
いしい炊飯保温につなげられる。
【0039】また、耐熱ガラス板42を着脱可能とする
ことにより、電磁波の透過を阻害する汚れや曇り、焦げ
付き等が生じたときに取り外して清掃できるとともに、
破損したときの交換も容易となる。しかも、各部材をユ
ニット化することにより、炊飯器への組み込みが容易に
なり、組み立て性がよくなり、交換作業も容易に行うこ
とができる。
【0040】(第四実施例)本実施例では、図7の如
く、第三実施例の炊飯器に対して反射板43の形状を放
物面を有する皿形にしている。さらに、内鍋45を反射
板43に沿うように放物面を有する皿形に成形し、反射
と遮熱の両効果を高めている。他の構成は第三実施例と
同じである。これによって、炊飯ヒータ3の電磁波を効
率よく耐熱ガラス板42に反射することができ、耐熱ガ
ラス板42からの電磁波照射範囲が広くなり、内釜2に
与えられる熱量が多くなって加率効率がさらに高くな
る。
【0041】(第五実施例)本実施例では、図8の如
く、保護体が内釜2の肩部分に面接触する熱伝導板50
および内釜2の底中央に間隔を置いて配設された耐熱ガ
ラス板51からなり、それぞれ第三実施例のものと同じ
ものを使用しているが、熱伝導板50の形状が異なって
いる。すなわち、熱伝導板50は、図9の如く、中央に
耐熱ガラス板51を載置するための孔52が形成され、
煮汁が流れ落ちないように内鍋6に密接して突起21に
引っかかって支持されている。また、耐熱ガラス板51
は、中央に温度検知器5を挿通する孔が形成されて、熱
伝導板50の孔52の孔縁52aに支持されている。耐
熱ガラス板51は、炊飯ヒータ3を完全に覆う大きさと
され、その外径は炊飯ヒータ3の径より大きく、かつ中
央の孔径は炊飯ヒータ3の径より小さく、最小径は70
mmまでがよい。なお、耐熱ガラス板51の外径が大き
すぎると、熱伝導板50の接触する面積が小さくなり、
加熱効率の向上に寄与できなくなる。
【0042】ここで、耐熱ガラス板51は取り付けたま
まの場合は、耐熱ガラス板51を透過して直接内釜2に
到達する電磁波による熱および熱伝導板50を介して伝
達される熱の両方を利用して加熱されるが、耐熱ガラス
板51を取り外した場合は、電磁波が内釜2に直接到達
され、ある場合に比べて電磁波の減衰する割合は減る
が、耐熱ガラス板51から熱伝導板50への熱伝導分が
減るので加熱効率はあまり変わらない。ただし、取り外
して使用する場合は、炊飯調理時に落下する塩、しょう
ゆ、水滴等の食品落下で炊飯ヒータ3であるハロゲンヒ
ータの石英透明ガラスが失透現象を起こす危険がある。
そこで、熱伝導板50によって炊飯ヒータ3を覆うよう
にしておけばよい。
【0043】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。例えば、炊
飯ヒータ3を内釜2の底外表面の肩部分の下方に配し、
保護体の熱伝導板50を内釜2の底中央に接触するよう
に設け、耐熱ガラス板51を内釜2の肩部分に対向させ
て設けてもよい。また、温度検知器は熱伝導接触部の肩
部分に配置するサイドサーモ構造にしてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明の
請求項1,2によると、電磁波透過性のよい耐熱衝撃性
の特性を有した炊飯ヒータ保護用の耐熱ガラス製の保護
体が設けられ、この保護体は内釜の底面形状に対応する
ように成形され、しかも熱的に接触する構造にしている
ので、熱を透過させるのと吸収した熱を伝える両方の働
きがあり、炊飯ヒータからの熱を効率よく内釜の外表面
に伝達することができ、しかも炊飯ヒータを外部からの
衝撃や異物から防いでおり、炊飯ヒータの耐久性を高め
長寿命化を図ることができる。したがって、炊飯ヒータ
の電磁波が直接内釜に当たる構造のものに比べて、加熱
効率を低下させずに速い炊飯加熱と内釜の全周加熱がで
き、炊きむらのない均一なおいしい炊飯米飯を得ること
ができる。
【0045】また、内釜を取り外したとき炊飯ヒータを
直接見えなくでき、炊飯ヒータへの異物等の付着を防ぐ
ことができる。しかも、ガラスで構成することにより、
デザイン上の豪華さが得られ、変形や皮膜のはげ落ち、
腐食、汚れのこびりつき等がなく、清掃時の引っ掻き強
度や化学薬品のクリーニング剤に対しても金属保護体よ
り耐久性があり、汚れ付着、焦げ付きを生じても清掃し
やすいという大きな特徴があり、いつまでも効果的に電
磁波を保護体を介して内釜に与えることができ、商品性
を高めることができる。
【0046】特に、保護体に色彩または模様を施すこと
により、内釜を取り外したときに内部の炊飯ヒータを見
えなくするとともにすっきりとしたデザインが得られ
る。
【0047】請求項3によると、保護体を熱伝導板と耐
熱ガラス板から構成しているので、両者のよい点を活用
でき、さらに加熱効率を向上させることができる。ま
た、デザイン的にも優れたものにできるとともに、ガラ
スの特性によって清掃性も確保できる。
【0048】請求項4によると、反射板により炊飯ヒー
タの熱を有効に利用でき、加熱効率を高めることができ
る。また、保護体と一体にすることによって、組み立て
性が向上する。
【0049】請求項5によると、耐熱ガラス板を取り外
すことができるので、清掃を容易に行うことができ、加
熱効率の低下を防げる。また、破損しても交換作業が容
易であり、炊飯ヒータのメンテナンスも容易に行うこと
ができる。
【0050】請求項6によると、2.0mm±1.0m
mの板厚の結晶化ガラスを耐熱ガラス板にしているの
で、耐熱衝撃性に優れ、長期間安心して使用することが
できる。また、機械的強度を維持しながら炊飯ヒータか
らの電磁波の高い透過効率が得られ、加熱効率の高い構
造の炊飯器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例の炊飯器の断面図
【図2】内釜の構造を模式的に示す断面図
【図3】内釜の断面構造の拡大図
【図4】炊飯プロセスの曲線図
【図5】第二実施例の炊飯器の断面図
【図6】第三実施例の炊飯器の断面図
【図7】第四実施例の炊飯器の断面図
【図8】第五実施例の炊飯器の断面図
【図9】(a)他の実施例の炊飯器の保護体の平面図、
(b)同じく断面図
【図10】従来の炊飯器の断面図
【符号の説明】
1 炊飯器本体 2 内釜 3 炊飯ヒータ 20,40 保護体 41 熱伝導板 42 耐熱ガラス板 43 反射板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炊飯器本体に、内釜と、該内釜を加熱す
    るための炊飯ヒータとが内装され、前記内釜の外表面に
    電磁波を吸収する皮膜処理が施され、前記内釜と前記炊
    飯ヒータとが間隔を置いて配置された炊飯器において、
    前記内釜と前記炊飯ヒータとの間に電磁波透過耐熱ガラ
    ス製の保護体が設けられ、該保護体は、前記内釜の外表
    面に対応した形状に成型され、前記内釜の外表面と熱伝
    導接触することを特徴とする炊飯器。
  2. 【請求項2】 保護体は色彩あるいは模様を有する耐熱
    ガラス板とされたことを特徴とする請求項1記載の炊飯
    器。
  3. 【請求項3】 炊飯器本体に、内釜と、該内釜を加熱す
    るための炊飯ヒータとが内装され、前記内釜の外表面に
    電磁波を吸収する皮膜処理が施され、前記内釜と前記炊
    飯ヒータとが間隔を置いて配置された炊飯器において、
    前記内釜と前記炊飯ヒータとの間に保護体が設けられ、
    該保護体が、前記内釜の外表面と熱伝導接触された熱吸
    収、熱放射に優れた特性を有する熱伝導板と、前記内釜
    に間隔を置いて配置された電磁波を透過する耐熱ガラス
    板とによって形成されたことを特徴とする炊飯器。
  4. 【請求項4】 炊飯ヒータからの電磁波を内釜に向けて
    反射させる反射板が保護体と一体的に設けられたことを
    特徴とする請求項3記載の炊飯器。
  5. 【請求項5】 耐熱ガラス板が、熱伝導板に対して着脱
    自在に取り付けられたことを特徴とする請求項3または
    4記載の炊飯器。
  6. 【請求項6】 耐熱ガラス板は2.0mm±1.0mm
    の板厚からなる結晶化ガラス製とされたことを特徴とす
    る請求項2ないし5のいずれかに記載の炊飯器。
JP1584095A 1995-02-02 1995-02-02 炊飯器 Pending JPH08205995A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111281115A (zh) * 2018-12-10 2020-06-16 浙江苏泊尔家电制造有限公司 用于烹饪器具的烹饪方法和烹饪器具

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