JP2003225165A - 調理皿およびそれを用いた加熱調理器 - Google Patents

調理皿およびそれを用いた加熱調理器

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JP2003225165A
JP2003225165A JP2002026290A JP2002026290A JP2003225165A JP 2003225165 A JP2003225165 A JP 2003225165A JP 2002026290 A JP2002026290 A JP 2002026290A JP 2002026290 A JP2002026290 A JP 2002026290A JP 2003225165 A JP2003225165 A JP 2003225165A
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JP
Japan
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coating film
heat
cooking
cooking dish
heating
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JP2002026290A
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English (en)
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Mamoru Isoya
守 礒谷
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はオーブンレンジオーブントースター
などの加熱調理器の調理皿およびそれを用いた加熱調理
器に関するものであり、調理皿の熱吸収性能を調整する
ことによって、調理性能を調整する機能を持つ調理皿お
よびそれを用いた加熱調理器を提供するものである。 【解決手段】 加熱調理器の調理皿16、28の表面に
非粘着性塗膜20を設け、裏面に熱反射性塗膜21を設
ける構成としたことによって、表面に汚れが着き難くな
り、調理皿16、28として調理性能の調節機能を持た
せることができ、庫内の有効容積を大きくすることがで
きるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーブンレンジや
オーブントースターなどの加熱調理器の調理皿およびそ
れを用いた加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、オーブンレンジ等の加熱調理器に
は、ホウロウ製の皿もしくはセラミック製の皿や耐熱ガ
ラス製の皿が用いられていた。
【0003】図5は、従来の加熱調理器の要部構成断面
図である。図に示すように、従来の加熱調理器では、加
熱室1の内部に、調理皿である角皿2や調理皿である丸
皿3が設けられ、角皿2は保持部4に設置し、丸皿3は
回転台5に設置し、上加熱装置6および下加熱装置7に
より加熱するものである。回転装置8は回転台5および
丸皿3を回転するものである。
【0004】また、角皿2や丸皿3には、ホウロウ製や
セラミック製やガラス製のものが用いられてきた。
【0005】図6は、従来のホウロウ製の調理皿9の要
部拡大図である。調理皿9は、金属基材10の表面にホ
ウロウ被膜11を設けている。ホウロウ被膜11は通常
湿式もしくは乾式でホウロウ釉薬を表面に塗布し800
℃程度の高温で溶融し被膜化したものである。
【0006】図7は、特開平11−46986号公報に
示された加熱調理器の調理皿12の構成を示す要部拡大
図である。本従来例では、上記図2の例と同様に、金属
基材13の表面にホウロウ被膜14を設けてあり、その
上にフッ素樹脂系被膜15を設けている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の加熱調理器では、調理皿の表面及び裏面の、材質
が熱的に同等であり、すなわち、熱吸収の観点からは、
熱吸収率が高い材料を用いているため、調理皿の位置を
決めた後では、調理の焼き具合を調整する手段としては
加熱装置の出力を上げるか下げるかの調整ができるだけ
であった。また、下加熱装置の出力を大きくすると、調
理皿の表面に接した調理物の下面が焼け過ぎてしまうこ
とになり、同じ出力では調理皿の上に上げざるを得ず、
庫内の有効容積が小さくなり、高さ方向が低くなるとい
う課題があった。
【0008】特開平11−46986号公報に示された
加熱調理器の調理皿では、フッ素塗装の基材がホウロウ
であるため、表面裏面ともにホウロウ釉薬が同一であ
り、また、ホウロウの膜厚が厚いこと、から、熱吸収率
が高くなり、表面にフッ素樹脂系の塗料を設けることに
よっても、同じく、熱吸収性能を変えられないという課
題があった。
【0009】本発明は、上記課題を解決するもので、調
理皿の熱吸収性能を調整することによって、調理性能、
特に焼き性能を改善し、調整する機能を持つ調理皿およ
びそれを用いた加熱調理器を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、加熱調理器の調理皿の表面に非粘着性塗膜を設け、
裏面に熱反射性塗膜を設ける構成とした。
【0011】本発明は上記した構成によって、表面の非
粘着性により表面に汚れが着き難くなる。また、裏面に
熱反射性塗膜を設けることにより、調理皿として調理性
能の調節機能を持たせることができ、また、庫内の有効
容積を大きくすることができるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、加熱調
理器の調理皿の表面に非粘着性塗膜を設け、裏面に熱反
射性塗膜を設ける構成としたことによって、調理皿の表
面の非粘着性により表面に汚れが着き難くなるという汚
れ防止効果を持たせることができ、また、調理皿として
焼き具合を調節する等の調理性能の調節機能を持たせる
ことができる。
【0013】請求項2に記載の発明は、特に請求項1に
記載の非粘着性塗膜にフッ素樹脂を主成分とした塗膜で
形成することにより、より高い汚れ防止効果を持たせる
ことができる。
【0014】請求項3に記載の発明は、特に請求項2に
記載の非粘着性塗膜のフッ素樹脂にテトラフルオロエチ
レン−パープルオロアルキルビニルエーテル共重合体を
主成分とした塗膜で形成することにより、より少ないフ
ッ素樹脂で高い汚れ防止効果を持たせることができる。
【0015】請求項4に記載の発明は、特に請求項1記
載の調理皿の裏面の熱反射性塗膜に熱反射非粘着性塗膜
を用いたことにより、裏面の汚れ防止効果を高めるもの
である。
【0016】請求項5に記載の発明は、特に請求項4記
載の熱反射非粘着性塗膜として、基材の熱反射性を保持
する塗膜を用いたことにより、塗料の使用量をより少な
くすることができる。
【0017】請求項6に記載の発明は、特に請求項5記
載の基材の熱反射性を保持する塗膜に金属の熱反射率の
20%以上で膜厚が10μmを越えない塗膜を用いたこ
とにより、塗料の使用量をより少なくすることができ
る。
【0018】請求項7に記載の発明は、請求項1ないし
6記載の調理皿を後加工して形成することにより、加工
後に塗装するよりも少ない工数で調理皿を作ることがで
きる。
【0019】請求項8に記載の発明は、塗膜を塗布する
調理皿の基材として、少なくとも表面部分が非磁性体か
らなる基材とすることにより、電波調理の際のロスを少
なくすることができる。
【0020】請求項9に記載の発明は、特に請求項1な
いし8記載の調理皿を用いることにより、汚れが付きに
くく、焼き具合を調節する等の調理性能の調節機能をも
つ加熱調理器とすることができる。
【0021】請求項10に記載の発明は、側壁に保持部
を設けた加熱室と保持部の上に置く調理皿と前記調理皿
の上面および下面を加熱する加熱装置とからなり、前記
調理皿の表面に非粘着性の塗膜を設け、裏面に熱反射性
塗膜を設けたことにより、調理皿の表面に汚れ防止効果
をもち、調理皿として調理性能の調節機能を持たせるこ
とができ、また、庫内の有効容積を大きくすることがで
きる。
【0022】請求項11に記載の発明は、加熱室下面に
設けた回転台と前記回転台の上に置く調理皿と前記調理
皿の上面および下面を加熱する加熱装置とからなり、前
記調理皿の表面に非粘着性塗膜を設け、裏面に熱反射性
塗膜を設けたことにより、調理皿の表面に汚れ防止効果
をもち、調理皿として調理性能の調節機能を持たせるこ
とができ、また、庫内の有効容積を大きくすることがで
きる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。
【0024】(実施例1)図1に本発明の加熱調理器用
の調理皿の要部断面図を示す。
【0025】調理皿16の基材17は、55%アルミニ
ウム45%亜鉛めっき鋼板を用いた。基材17には、冷
延鋼板18の上に55%アルミニウム45%亜鉛の合金
めっき層19を施したものである。表面には、非粘着性
塗膜20として、ポリエーテルサルフォン樹脂(以下、
PES樹脂)に、着色顔料としてカーボンおよび体質顔
料として炭酸カルシウム、耐摩耗性顔料として酸化アル
ミニウムを配合した塗膜を下層にし、PES樹脂にテト
ラフルオロエチレン−パープルオロアルキルビニルエー
テル共重合体(以下、PFA樹脂)を樹脂比率で30%
配合した樹脂に、着色顔料を配合した塗膜を上層として
形成した。裏面には、熱反射性塗膜21として、シリコ
ーン樹脂塗料を1μmの厚みに形成した。
【0026】本実施例の調理皿16の表面に、1対1の
比率で混合した砂糖醤油を塗布し、250℃で30分恒
温槽に放置した後、表面を塗れ布巾で拭き取ったところ
容易に拭き取れた。
【0027】赤外線等の熱線を透過しない物質の熱反射
率と、熱吸収率との間には、[熱反射率]=1−[熱吸
収率]の関係がある。また、物質の熱の放射率は物質の
熱の吸収率に等しいことから、物質の熱放射率を測定す
ることによって求められる。
【0028】熱放射率の測定は、簡易熱放射率計{DEVI
CE & SERVICE Co.製、MODEL.AE}を用い、室温20〜2
2℃、湿度50〜70%風速0.1m/s以下の実験室内
で行い、この時の交流電圧は100±2Vであった。ア
ルミニウム板を下限基準(放射率0.04)、アルミニ
ウム板に疑似黒体塗膜を設けた板を上限基準(放射率
0.93)として測定した。
【0029】金属基材の熱反射率を100%として、そ
の金属基材上に塗装した場合の熱反射率の割合を相対的
熱反射率ということにすると、無塗装の場合の55%ア
ルミニウム45%亜鉛メッキ鋼板の熱反射率が93%で
あるから、熱反射性塗膜21の厚みをシリコーン樹脂塗
料で1μmにした場合、熱反射率は90%であるから相
対的熱反射率は97%となる。
【0030】図2に、図1に示した調理皿16を用いた
加熱調理器の要部構成断面図を示した。
【0031】加熱室22の内部に、調理皿16を保持部
23の上に設置し、上加熱装置24および下加熱装置2
5により加熱するものである。回転装置26は回転台2
7を回転するものである。
【0032】上加熱装置24の出力を600Wと下加熱
装置25の出力を600Wにした場合のホウロウ皿にお
けるクッキーの焼き色を基準に、保持部23の相対的位
置を(表1)に示した。
【0033】加熱室の容積は、加熱室底面から天井面の
高さと加熱室底面の面積を掛けた容積となるが、実際に
は、調理皿の面の位置からの高さが有効な容積となる。
【0034】従って、調理皿の相対的な位置が低いほ
ど、加熱室の有効容積は大きくなる。
【0035】熱反射性塗膜21の厚みをシリコーン樹脂
塗料で1μmにした場合、熱反射率は90%であるから
相対的熱反射率は97%となる。この時の保持部20の
相対的位置は、ホウロウ皿に比べて15mm低くできた。
【0036】熱反射性塗膜21の厚みをシリコーン樹脂
塗料で3μmにした場合、熱反射率は72%であるから
相対的熱反射率は77%となる。この時の保持部20の
相対的位置は、ホウロウ皿に比べて10mm低くできた。
【0037】熱反射性塗膜21の厚みをシリコーン樹脂
塗料で5μmにした場合、熱反射率は52%であるから
相対的熱反射率は56%となる。この時の保持部20の
相対的位置は、ホウロウ皿に比べて5mm低くできた。
【0038】熱反射性塗膜21の厚みをシリコーン樹脂
塗料で10μmにした場合、熱反射率は25%であるか
ら相対的熱反射率は27%となる。この時の保持部20
の相対的位置は、ホウロウ皿に比べて2mm低くできた。
【0039】熱反射性塗膜21の厚みをシリコーン樹脂
塗料で15μmにした場合、熱反射率は14%であるか
ら相対的熱反射率は15%となる。この時の保持部20
の相対的位置は、ホウロウ皿に比べて同じ高さであっ
た。
【0040】従って、熱反射率が高いほど、調理皿の相
対的位置を低くすることができるので、加熱室の有効容
積を大きくすることができる。
【0041】次に、非粘着性塗膜20としては上記と同
じ塗膜を形成し、熱反射性塗膜21として、PES樹脂
にPFA樹脂を30%配合した塗膜を1μmの厚みに形
成した場合、熱反射率は90%であるから相対的熱反射
率は97%となる。この時の保持部21の相対的位置
は、ホウロウ皿に比べて15mm低くできた。
【0042】この調理皿16の表面および裏面に、1対
1の比率で混合した砂糖醤油を塗布し、250℃で30
分恒温槽に放置した後、表面を塗れ布巾で拭き取ったと
ころ容易に拭き取れた。
【0043】熱反射性塗膜21の厚みをPFA樹脂塗料
で3μmにした場合、熱反射率は72%であるから相対
的熱反射率は77%となる。この時の保持部21の相対
的位置は、ホウロウ皿に比べて10mm低くできた。
【0044】熱反射性塗膜21の厚みをPFA樹脂塗料
で5μmにした場合、熱反射率は52%であるから相対
的熱反射率は56%となる。この時の保持部21の相対
的位置は、ホウロウ皿に比べて5mm低くできた。
【0045】熱反射性塗膜21の厚みをPFA樹脂塗料
で10μmにした場合、熱反射率は26%であるから相
対的熱反射率は28%となる。この時の保持部20の相
対的位置は、ホウロウ皿に比べて2mm低くできた。
【0046】熱反射性塗膜21の厚みをPFA樹脂塗料
で15μmにした場合、熱反射率は14%であるから相
対的熱反射率は15%となる。この時の保持部20の相
対的位置は、ホウロウ皿に比べて同じ高さであった。
【0047】次に、非粘着性塗膜20として、PES樹
脂に、着色顔料および体質顔料、耐摩耗性顔料を配合し
た塗膜を下層にし、PES樹脂にポリテトラフルオロエ
チレン樹脂(以下、PTFE樹脂)を樹脂比率で50%
配合した樹脂に、着色顔料を配合した塗膜を上層として
形成した。
【0048】また、熱反射性塗膜21として、PES樹
脂にPTFE樹脂を50%配合した塗膜を1μmの厚み
に形成した場合、熱反射率は90%であるから相対的熱
反射率は97%となる。この時の保持部21の相対的位
置は、ホウロウ皿に比べて15mm低くできた。
【0049】この調理皿16の表面および裏面に、1対
1の比率で混合した砂糖醤油を塗布し、250℃で30
分恒温槽に放置した後、表面を塗れ布巾で拭き取ったと
ころ容易に拭き取れた。
【0050】熱反射性塗膜21の厚みを上記PTFE樹
脂塗料で3μmにした場合、熱反射率は73%であるか
ら相対的熱反射率は78%となる。この時の保持部21
の相対的位置は、ホウロウ皿に比べて10mm低くでき
た。
【0051】熱反射性塗膜21の厚みを上記PTFE樹
脂塗料で5μmにした場合、熱反射率は53%であるか
ら相対的熱反射率は57%となる。この時の保持部21
の相対的位置は、ホウロウ皿に比べて5mm低くできた。
【0052】熱反射性塗膜21の厚みを上記PTFE樹
脂塗料で10μmにした場合、熱反射率は26%である
から相対的熱反射率は28%となる。この時の保持部2
0の相対的位置は、ホウロウ皿に比べて2mm低くでき
た。
【0053】熱反射性塗膜21の厚みを上記PTFE樹
脂塗料で15μmにした場合、熱反射率は15%である
から相対的熱反射率は16%となる。この時の保持部2
0の相対的位置は、ホウロウ皿に比べて同じ高さであっ
た。
【0054】以上のように、熱反射性塗膜21の反射率
が高い程、調理皿16の位置を低くできることから、庫
内の高さ方向が大きく取れ、庫内の有効容積が大きく取
ることができる。
【0055】また、熱反射性塗膜21として、シリコー
ン樹脂塗膜とPES樹脂にPFA樹脂を30%配合した
塗膜とPES樹脂にPTFE樹脂を50%配合した塗膜
とを比較するとシリコーン樹脂に比べて、PFA樹脂や
PTFE樹脂を用いた塗膜の方が非粘着性は高かく、汚
れがこびり付きにくく取れやすかった。これらのPFA
樹脂塗膜やPTFE樹脂塗膜のような熱反射非粘着性塗
膜の方がシリコーン樹脂塗膜より汚れがこびり付きにく
く取れ易いという効果がある。
【0056】また、非粘着性塗膜20に用いたPFA樹
脂とPTFE樹脂の塗膜を比較すると、PFA樹脂の方
がより配合料が少なくて同等の非粘着性を発揮すること
ができた。また、表面硬度を比較すると、PTFE樹脂
塗膜は鉛筆硬度でHBに対してPFA樹脂塗膜は鉛筆硬
度で2Hとより高くすることができた。
【0057】(実施例2)図3に、他の実施例の加熱調
理器用の調理皿の要部断面図を示す。
【0058】調理皿28の基材29は、55%アルミニ
ウム45%亜鉛めっき鋼板を用いた。基材29には、冷
延鋼板30の上に55%アルミニウム45%亜鉛の合金
めっき層31を施したものである。表面には、非粘着性
塗膜32として、PES樹脂に、着色顔料としてカーボ
ンおよび体質顔料として炭酸カルシウム、耐摩耗性顔料
として酸化アルミニウムを配合した塗膜を下層にし、P
ES樹脂にPFA樹脂を樹脂比率で30%配合した樹脂
に、着色顔料を配合した塗膜を上層として形成した。裏
面には、熱反射性塗膜33として、PES樹脂にPFA
樹脂を40%配合した塗膜を1μmに形成した。
【0059】本実施例の調理皿28の表面および裏面に
に、1対1の比率で混合した砂糖醤油を塗布し、250
℃で30分恒温槽に放置した後、表面を塗れ布巾で拭き
取ったところ容易に拭き取れた。
【0060】図4に、図3に示した調理皿28を用いた
加熱調理器の要部構成断面図を示した。
【0061】加熱室34の内部に、調理皿28を設け、
上加熱装置35および下加熱装置36により加熱するも
のである。回転装置37は回転台38および調理皿28
を回転するものである。
【0062】上加熱装置35の出力を700Wと下加熱
装置36の出力を500Wにした場合のホウロウ皿にお
けるクッキーの焼き色を基準に、調理皿28の相対的位
置を(表2)に示した。
【0063】非粘着性塗膜32としては上記と同じ塗膜
を形成し、熱反射性塗膜331として、PES樹脂にP
FA樹脂を30%配合した塗膜を1μmの厚みに形成し
た場合、熱反射率は90%であるから相対的熱反射率は
97%となる。この時の保持部21の相対的位置は、ホ
ウロウ皿に比べて10mm低くできた。
【0064】熱反射性塗膜21の厚みをPFA樹脂塗料
で3μmにした場合、熱反射率は73%であるから相対
的熱反射率は76%となる。この時の保持部21の相対
的位置は、ホウロウ皿に比べて7mm低くできた。
【0065】熱反射性塗膜21の厚みをPFA樹脂塗料
で5μmにした場合、熱反射率は52%であるから相対
的熱反射率は56%となる。この時の保持部21の相対
的位置は、ホウロウ皿に比べて4mm低くできた。
【0066】熱反射性塗膜21の厚みをPFA樹脂塗料
で10μmにした場合、熱反射率は26%であるから相
対的熱反射率は28%となる。この時の保持部20の相
対的位置は、ホウロウ皿に比べて2mm低くできた。
【0067】熱反射性塗膜21の厚みをPFA樹脂塗料
で15μmにした場合、熱反射率は14%であるから相
対的熱反射率は15%となる。この時の保持部20の相
対的位置は、ホウロウ皿に比べて同じ高さであった。
【0068】上記のように、基材の熱反射性を保持する
塗膜として、基材の熱反射率を保持する割合が高いほ
ど、調理皿の相対的位置を低くすることができ、庫内容
積を大きくすることができる。基材の熱反射率の20%
以上を保持し、膜厚が10μmを越えない塗膜を用いる
ことにより、好ましくは基材の熱反射率の50%以上を
保持し膜厚が5μmを越えない塗膜のほうが、調理皿の
相対的位置をより低くすることができ、庫内容積をより
大きくすることができる。また、これにより、より薄い
塗膜で形成できることから塗料の使用量を少なくするこ
とができる。
【0069】また、上記調理皿16および調理皿28を
用いて、高周波加熱を行ったところ、従来のホウロウ皿
の場合に、比べて、調理皿表面での損失が減少し、表面
での発熱が抑えられた。これは、ホウロウ皿の表面が磁
性体であるため、高周波加熱の際に、表面で磁性損失が
発生し、エネルギーを消費するために発熱したと考えら
れる。
【0070】なお、本実施例では、アルミ亜鉛合金メッ
キ鋼板として、55%のアルミニウムと45%亜鉛を含
有するアルミ亜鉛合金メッキ鋼板を用いたが、基材表面
が非磁性体である他の基材も用いることができる。
【0071】基材表面が非磁性体であるとは、例えば
2.45GHzの高周波の場合、電波の表皮深さは、金
属表面の数μm程度であるので、それより深い金属部分
には電波の浸透は少ない。従って、アルミ亜鉛合金メッ
キ鋼板の基材である鉄鋼の磁性は高周波加熱効率にはほ
とんど影響しなかったと考えられる。
【0072】オーステナイト系ステンレスのSUS30
4を用いた場合、同様に磁性体やフェライト系ステンレ
スSUS430を用いた場合より、損失を抑えることが
できる。
【0073】なお、非磁性体の金属であるアルミニウム
やチタンを鉄や鉄鋼やステンレス鋼とクラッドさせたク
ラッド材を用いても、アルミニウムやチタンそのものを
用いても同様の効果を得ることができる。
【0074】なお、調理皿16および調理皿28は、平
板状の鋼板に表面と裏面をそれぞれ塗装した後に加工し
たものである。これは、加工後に塗装する場合、従来の
ホウロウ皿のように表面裏面ともに同じ材質のものであ
れば一度の塗装で塗膜を形成できるが、表面と裏面の性
能は同じになる。成形の後に表面と裏面の塗装を別々に
行おうとすると、マスキングが必要で、表面の塗膜が裏
面に掛かった場合には裏面の性能が損なわれることにな
る。また、加工後に裏面のみに熱反射性の塗膜を均一に
塗り分けることは困難である。
【0075】従って、表面の非粘着性塗膜および裏面の
熱反射性塗膜を塗布した鋼板を後加工して形成すること
により、より少ない工数で、加工できるという効果があ
る。
【0076】上記実施例の非粘着性塗膜20および非粘
着性塗膜32では、着色顔料および体質顔料、耐摩耗性
顔料として、カーボン、炭酸カルシウム、酸化アルミニ
ウムを用いたがこれに限定するものではない。
【0077】鉄、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、
チタン、亜鉛等の金属の酸化物、水酸化物、炭化物、水
酸化物、硫化物、または、それらの複合酸化物やカーボ
ン等との混合物も使用することができる。
【0078】なお、非粘着性能を付与するために上記実
施例ではフッ素樹脂のポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)樹脂やテトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体(PFA)を用いた場
合を主に説明したが、テトラフルオロエチレン−ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオ
ロエチレン−エチレン共重合体(E/TFE)、ポリク
ロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリ
フルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)ポ
リビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフ
ルオライド(PVF)や前記フッ素系樹脂の混合物も用
いることができる。添加する樹脂として、ポリエーテル
サルフォン(PES)以外にも、ポリアミド(PA)系
樹脂、ポリイミド(PI)系樹脂、ポリエーテルイミド
(PEI)系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂
(PEEK)、ポリパラバン酸樹脂、エポキシ系樹脂、
ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹
脂等も用いる事ができる。
【0079】なお、加熱手段として電熱装置以外にも、
燃焼による加熱方式やマグネトロンによる電波加熱とい
う方法もある。
【0080】なお、基材として金属を用いたが、加熱温
度に耐え、かつ、熱反射性を有する材料であれば金属板
に限定されるものではない、例えば、耐熱性樹脂やセラ
ミックに金属メッキ等の表面処理を行った材料や樹脂や
セラミックと金属箔等を表面に構成した材料でも使用す
ることができる。
【0081】また、本実施例の熱反射性塗膜および熱反
射非粘着性塗膜を用いることにより、膜厚が薄くするこ
とができるので、基材を再利用する場合にシュレッダー
ダストの量を少なくすることができるため、廃棄物の量
を減らすことができる。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【発明の効果】以上のように本発明の加熱調理器用の調
理皿およびそれを用いた加熱調理器によれば、表面の非
粘着性により表面に汚れが着き難くなる。また、裏面に
熱反射性塗膜を設けることにより、調理皿として調理性
能の調節機能を持たせることができ、また、庫内の有効
容積を大きくすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の加熱調理器用の調理皿の要
部断面図
【図2】同加熱調理器用の調理皿を用いた加熱調理器の
概略構成断面図
【図3】本発明の実施例2の加熱調理器用の調理皿の要
部断面図
【図4】同加熱調理器用の調理皿を用いた加熱調理器の
概略構成断面図
【図5】従来の加熱調理器の概略構成断面図
【図6】従来の加熱調理器用の調理皿の要部断面図
【図7】従来の他の加熱調理器用の調理皿の要部断面図
【符号の説明】
16 調理皿 17 基材 20 非粘着性塗膜 21 熱反射性塗膜 22 加熱室 23 保持部 24 上加熱装置(加熱装置) 25 下加熱装置(加熱装置) 28 調理皿 29 基材 32 非粘着性塗膜 33 熱反射性塗膜

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に非粘着性塗膜を設け、裏面に熱反
    射性塗膜を設けてなる調理皿。
  2. 【請求項2】 非粘着性塗膜をフッ素樹脂を主成分とし
    た塗膜で形成した請求項1記載の調理皿。
  3. 【請求項3】 非粘着性塗膜のフッ素樹脂としてテトラ
    フルオロエチレン−パープルオロアルキルビニルエーテ
    ル共重合体を主成分とした塗膜で形成した請求項1〜2
    のいずれか1項記載の調理皿。
  4. 【請求項4】 裏面の熱反射性塗膜に熱反射非粘着性塗
    膜を用いた請求項1〜3のいずれか1項記載の調理皿
  5. 【請求項5】 熱反射非粘着性塗膜として、基材の熱反
    射性を保持する塗膜を用いた請求項4記載の調理皿。
  6. 【請求項6】 基材の熱反射性を保持する塗膜として、
    基材の熱反射率の20%以上で膜厚が10μmを越えな
    い塗膜を用いた請求項5記載の調理皿。
  7. 【請求項7】 表面の非粘着性塗膜および裏面の熱反射
    性塗膜を塗布した鋼板を後加工して形成してなる請求項
    1〜6のいずれか1項記載の調理皿。
  8. 【請求項8】 調理皿の基材として、少なくとも表面部
    分が非磁性体からなる基材とした請求項1〜7のいずれ
    か1項記載の調理皿。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項記載の調理
    皿を用いた加熱調理器。
  10. 【請求項10】 側壁に保持部を設けた加熱室と保持部
    の上に置く調理皿と前記調理皿の上面および下面を加熱
    する加熱装置とからなり、前記調理皿の表面に非粘着性
    塗膜を設け、裏面に熱反射性塗膜を設けてなる請求項1
    〜9のいずれか1項記載の加熱調理器。
  11. 【請求項11】 加熱室下面に設けた回転台と前記回転
    台の上に置く調理皿と前記調理皿の上面および下面を加
    熱する加熱装置とからなり、前記調理皿の表面に非粘着
    性の塗膜を設け、裏面に熱反射性塗膜を設けてなる請求
    項1〜9のいずれか1項記載の加熱調理器。
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