JP2003130365A - 加熱調理器 - Google Patents

加熱調理器

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JP2003130365A
JP2003130365A JP2001328828A JP2001328828A JP2003130365A JP 2003130365 A JP2003130365 A JP 2003130365A JP 2001328828 A JP2001328828 A JP 2001328828A JP 2001328828 A JP2001328828 A JP 2001328828A JP 2003130365 A JP2003130365 A JP 2003130365A
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heat
coating film
reflectance
heating
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JP2001328828A
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Mamoru Isoya
守 礒谷
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はオーブンレンジ等の加熱調理器に関
するものであり、耐摩耗性を持ち、非粘着性を有しなが
ら熱効率を向上させた加熱調理器を提供することであ
る。 【解決手段】 金属基材13の熱反射率の20%から5
0%を保持する非粘着性塗膜14を設けた壁面材12を
用いて加熱室15を構成し、前記非粘着性塗膜14にテ
トラフルオロエチレン−パープルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体を用いたことにより、加熱調理器の庫内
壁面に熱反射性能と非粘着性能と耐摩耗性を持たせるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子レンジやオー
ブンレンジなどの加熱調理器に関し、特に加熱効率を上
げるための加熱室の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子レンジやオーブンレンジで
は、被調理物の加熱源としてマイクロ波もしくはヒータ
を用い、また、オーブントースターではヒータを用いて
いた。そして、加熱室の内壁面材料としてはステンレス
鋼板やメッキ鋼板あるいは表面に非粘着性の塗装をした
ステンレス鋼板やメッキ鋼板等の金属基材が用いられ、
前記非粘着性の塗装により壁面が汚れ難く、あるいは汚
れが着いても拭き取り易い構成にしていた。
【0003】図5は、従来の加熱調理器の概略構成側面
断面図であり、図6は同加熱調理器の概略構成正面断面
図である。図5および図6に示すように、従来のオーブ
ンレンジ等の加熱調理器は、加熱室1の庫内に被調理物
等を収容し、加熱手段2により主に電熱加熱する、また
加熱手段2とボデー3の間には断熱層4が設けられてい
る。下部の加熱手段2の下側には、断熱層4を介して底
板5が設けられており、さらに加熱室1の後側には裏板
6を設けている。加熱室1の開口部には、ドア7が設け
られている。また、被調理物等を置くためにターンテー
ブル8や皿受け台9が用いられる。高周波調理を行う時
の高周波発生装置10は加熱室後部に設けている。加熱
室の内壁面には非粘着性塗膜11を設けている。
【0004】加熱室の庫内壁面の塗装処理に熱反射性を
付与するという技術は、特開平10−208862号公
報に開示されており、塗膜中にアルミニウム等の熱反射
性材料を混合し、熱反射率を向上させるという構成が考
えられていた。前記公報によると、耐熱塗膜の中にアル
ミニウム粉末を混合した被膜、あるいは、熱反射率で2
0%〜50%の被膜を得るというものであった。プライ
マー塗装膜ではアルミニウム粉末を混合せずトップ塗装
膜にアルミニウム粉末を混合し、反射性能を持たせるも
のであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような電子レンジやオーブンレンジ等の加熱調理器で
は、調理中に飛散した油分や煮こぼれした食品等で加熱
室の庫内壁面が汚れ、さらに加熱等により汚れがこびり
着くことがあった。このようにステンレス鋼板等の金属
基材で構成された加熱室では調理物等の汚れは取り難い
ものであった。
【0006】そこで、従来は、汚れを取り易くするため
に、加熱室の庫内壁面の金属基材の表面に非粘着性の塗
装を施すことがあった。しかし、ステンレス鋼板等の金
属基材の表面に非粘着性の塗装を施すと汚れは取り易く
なるが、ステンレス鋼板等の金属基材の表面の熱反射率
に比べて塗膜表面の熱反射率が低くなり、オーブン調理
やトースト等の調理時間が長くなるという問題があっ
た。
【0007】特開平10−208862号公報に示すよ
うに、塗膜中にアルミニウム等の熱反射性材料を混合
し、熱反射率を向上させるという構成が考えられたが、
塗膜中に、熱反射性の材料を混合しても、熱反射性能は
50%程度が限界であり、これ以上の熱反射性能を得よ
うとすると塗膜の密着性や耐摩耗性等が低下し実用に耐
えないものとなった。
【0008】本発明は、前記課題を解決するもので、金
属基材表面の熱反射性能を生かし、かつ、非粘着性を付
与して汚れ難くした加熱調理器を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の加熱調理器は、金属基材の熱反射率の20
〜50%を保持する非粘着性塗膜を設けた壁面材を用い
た構成としたものである。本発明は上記した構成によっ
て、加熱調理器の庫内壁面に熱反射性能と非粘着性能と
を持たせることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、壁面材
が、非粘着性塗膜を表面に備えた金属基材を有し、か
つ、前記壁面材の熱反射率が前記金属基材の熱反射率の
20〜50%である加熱室を設けた加熱調理器としたこ
とにより、加熱調理器の庫内壁面に熱反射性能と非粘着
性能とを持たせることができる。
【0011】請求項2に記載の発明は、特に、請求項1
に記載の非粘着性塗膜の膜厚を1μmから15μmとす
ることにより、熱反射性を持たせることができる。
【0012】請求項3に記載の発明は、特に、請求項1
又は2記載の非粘着性塗膜がフッ素樹脂を有することに
より、非粘着性能を持たせることができる。
【0013】請求項4に記載の発明は、特に、請求項3
記載のフッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン−パープ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体であることによ
り、非粘着性能を持たせることができ、耐摩耗性のより
高い塗膜とすることができる。
【0014】請求項5に記載の発明は、特に請求項1〜
4のいずれか1項に記載の金属基材が、非磁性体である
ことにより、磁性体の金属基材より高周波加熱効率を向
上させることができる。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の金属基材が、アルミメッキ鋼板、アルミ亜鉛合金メッ
キ鋼板、または亜鉛メッキ鋼板のうちの少なくとも1つ
であることにより、磁性体の金属基材より高周波加熱効
率を向上させることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図1〜4を
参照しながら説明する。
【0017】(実施例1)図1に本発明の加熱調理器の
加熱室壁面材の断面図を示す。
【0018】図1に示すように、壁面材12は金属基材
13の表面に非粘着性塗膜14を設けた構成である。金
属基材13として本実施例では55%アルミニウム45
%亜鉛メッキ鋼板を用いた。非粘着性塗膜12として、
フッ素樹脂であるテトラフルオロエチレン−パープルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、PFAと略
す)をポリエーテルサルフォン樹脂(以下、PESと略
す)と溶媒に分散した塗料を用いて得た。
【0019】また、図2は本実施例1の加熱調理器の概
略構成側面断面図であり、図3は同加熱調理器の概略構
成正面断面図である。図2、図3において、加熱室15
の側面および後面の壁を構成する壁面材12の表面に非
粘着性塗膜14を設けてある。
【0020】15は加熱調理器であるオーブンレンジの
加熱室であり、庫内に食品等を入れて加熱するためのも
のである。加熱室15の庫内の天井面の上および庫内の
底面の下には加熱装置16を設けている。加熱装置16
としては、管状ヒータや面状ヒータ、シーズヒータ等が
ある。本実施例では管状ヒータを用いた。加熱室15の
上面の加熱装置16とボデー17の間および加熱室15
の下面の加熱装置16と底板18の間には、断熱部材1
9をそれぞれ設け、加熱装置16の熱が加熱室15の庫
内に効率的に伝わるようにしている。断熱部材19とし
ては、金属製の断熱板およびセラミックウールやガラス
ウールあるいは発泡ウレタン等を用いることができる。
本実施例ではセラミックウール製の断熱材と金属製の断
熱板を用いた。また、加熱室15の側壁の外側にも同様
な断熱部材19を設けている。また、裏板20とボデー
17および底板19とはビス等(図示せず)で結合して
いる。21はオーブンレンジのドアであり、庫内の熱を
遮蔽する機能と電波漏洩を抑える機能を持つ。調理物等
(図示せず)は、ターンテーブル22の上の皿受け台2
3の上に載せて加熱する。高周波調理を行う時の高周波
発生装置24は加熱室後部に設けている。
【0021】なお、断熱部材19、ターンテーブル22
および皿受け台23は、必要に応じて設けるものであ
り、必ず必要であると限定するものではない。
【0022】赤外線等の熱線を透過しない物質の熱反射
率と、熱吸収率との間には、[熱反射率]=1−[熱吸
収率]の関係がある。また、物質の熱の放射率は物質の
熱の吸収率に等しいことから、物質の熱放射率を測定す
ることによって求められる。
【0023】熱放射率の測定は、簡易熱放射率計{DEVI
CE & SERVICE Co.製、MODEL.AE}を用い、室温20〜2
2℃、湿度50〜70%、風速0.1m/s以下の実験
室内で行った。この時の交流電圧は100±2Vであっ
た。アルミニウム板を下限基準(放射率0.04)、ア
ルミニウム板に疑似黒体塗膜を設けた板を上限基準(放
射率0.93)として測定した。
【0024】また、オーブンレンジの加熱室内でホウロ
ウ製の角皿を用いる場合、オーブンの側壁にレール部を
張り出し加工で成形している。そのレールの上にホウロ
ウ製の角皿を設置することによりオーブン調理を実施す
る場合があるが、角皿とレール部の接触部分で摺動によ
る摩耗が生じる。従来の塗膜では、2kgの荷重を上か
ら加えた外径18mmの試験管の底面で塗膜面を6cm
のストロークで1時間に1000往復の割合で擦る耐摩
耗性試験を行ったところ、30000回以上でも金属基
材面の露出が見られなかった。
【0025】前記非粘着性塗膜14として、厚み1μm
耐摩耗性顔料5%添加品において、熱反射率は47%で
あった。金属基材の熱反射率を100%として、その金
属基材上に塗装した場合の熱反射率の割合を相対的熱反
射率ということにすると、無塗装の場合の55%アルミ
ニウム45%亜鉛メッキ鋼板の熱反射率が96%である
から、前記の場合の無塗装の55%アルミニウム45%
亜鉛メッキ鋼板に対する相対的熱反射率は49%とな
る。また、2kgの荷重を上から加えた外径18mmの
試験管の底面で塗膜面を6cmのストロークで1時間に
1000往復の割合で擦る耐摩耗性試験を行ったとこ
ろ、3000回で金属基材面が露出した。同じ膜厚で耐
摩耗性顔料無しの場合700回であったので、耐摩耗性
顔料の効果が出ていると考えられる。
【0026】また、前記非粘着性塗膜14として、厚み
1μm耐摩耗性顔料2%添加品において、熱反射率は6
0%であり、同様に相対的熱反射率は63%となる。ま
た、前記と同様の耐摩耗試験を行ったところ、760回
で金属基材面の露出が見られた。これより、ほぼ耐摩耗
性顔料が無添加の場合と同じ効果しか得られていないこ
とが分かる。膜厚が薄いため耐摩耗性顔料の効果が小さ
かったと考えられる。
【0027】また、前記非粘着性塗膜14として、厚み
1μm耐摩耗性顔料10%添加品において、熱反射率は
44%であり、同様に相対的熱反射率は46%となる。
また、前記と同様の耐摩耗試験を行ったところ、600
0回で金属基材面の露出が見られた。
【0028】また、前記非粘着性塗膜14として、厚み
3μm耐摩耗性顔料5%添加品において、熱反射率は4
2%であり、同様に相対的熱反射率は44%となる。ま
た、前記と同様の耐摩耗試験を行ったところ、1500
0回で金属基材面の露出が見られた。
【0029】また、前記非粘着性塗膜14として、厚み
3μm耐摩耗性顔料10%添加品において、熱反射率は
38%であり、同様に相対的熱反射率は40%となる。
また、前記と同様の耐摩耗試験を行ったところ、250
00回で金属基材面の露出が見られた。
【0030】また、前記非粘着性塗膜14として、厚み
5μm耐摩耗性顔料5%添加品において、熱反射率は3
0%であり、同様に相対的熱反射率は31%となる。ま
た、前記と同様の耐摩耗試験を行ったところ、3000
0回でも金属基材面の露出は無かった。
【0031】また、前記非粘着性塗膜14として、厚み
10μm耐摩耗性顔料3%添加品において、熱反射率は
20%であり、同様に相対的熱反射率は21%となる。
また、前記と同様の耐摩耗試験を行ったところ、300
00回でも金属基材面の露出は無かった。
【0032】また、前記非粘着性塗膜14として、厚み
10μm耐摩耗性顔料5%添加品において、熱反射率は
15%であり、同様に相対的熱反射率は16%となる。
また、前記と同様の耐摩耗試験を行ったところ、300
00回でも金属基材面の露出は無かった。
【0033】また、前記非粘着性塗膜14として、厚み
10μm耐摩耗性顔料2%添加品において、熱反射率は
28%であり、同様に相対的熱反射率は29%となる。
また、前記と同様の耐摩耗試験を行ったところ、200
00回で金属基材面の露出が見られた。
【0034】また、前記非粘着性塗膜14として、厚み
10μm耐摩耗性顔料0%添加品において、熱反射率は
32%であり、同様に相対的熱反射率は33%となる。
また、前記と同様の耐摩耗試験を行ったところ、150
00回で金属基材面の露出が見られた。
【0035】また、前記非粘着性塗膜14として、厚み
15μm耐摩耗性顔料3%添加品において、熱反射率は
13%であり、同様に相対的熱反射率は14%となる。
また、前記と同様の耐摩耗試験を行ったところ、300
00回でも金属基材面の露出は無かった。
【0036】また、前記非粘着性塗膜14として、厚み
15μm耐摩耗性顔料0%添加品において、熱反射率は
21%であり、同様に相対的熱反射率は22%となる。
また、前記と同様の耐摩耗試験を行ったところ、250
00回で金属基材面の露出が見られた。
【0037】また、前記非粘着性塗膜14として、厚み
20μm耐摩耗性顔料0%添加品において、熱反射率は
15%であり、同様に相対的熱反射率は16%となる。
また、前記と同様の耐摩耗試験を行ったところ、300
00回でも金属基材面の露出は無かった。
【0038】また、前記非粘着性塗膜14として、ポリ
テトラフルオロエチレン樹脂(以下、PTFEと略す)
をポリエーテルサルフォン樹脂(以下、PESと略す)
と溶媒に分散した物を用いた場合、厚み1μm耐摩耗性
顔料0%添加品において、熱反射率は68%であり、同
様に相対的熱反射率は71%となる。また、前記と同様
の耐摩耗試験を行ったところ、300回で金属基材面の
露出が見られた。
【0039】また、前記非粘着性塗膜14として、PT
FE系で厚み3μm耐摩耗性顔料10%添加品におい
て、熱反射率は42%であり、同様に相対的熱反射率は
44%となる。また、前記と同様の耐摩耗試験を行った
ところ、15000回で金属基材面の露出が見られた。
【0040】また、前記非粘着性塗膜14として、PT
FE系で厚み10μm耐摩耗性顔料0%添加品におい
て、熱反射率は32%であり、同様に相対的熱反射率は
33%となる。また、前記と同様の耐摩耗試験を行った
ところ、10000回で金属基材面の露出が見られた。
【0041】また、前記非粘着性塗膜14として、PT
FE系で厚み10μm耐摩耗性顔料5%添加品におい
て、熱反射率は15%であり、同様に相対的熱反射率は
16%となる。また、前記と同様の耐摩耗試験を行った
ところ、30000回でも金属基材面の露出は無かっ
た。
【0042】上記、非粘着性塗膜14を加熱室15の壁
面に使用したオーブンレンジでトーストを焼いた場合、
従来の非粘着性フッ素塗料では、4分30秒であった
が、55%アルミニウム45%亜鉛メッキ鋼板鋼板に前
記非粘着性塗膜14を設けない場合では3分20秒であ
った。
【0043】前記、PFA系の非粘着性塗膜14の、厚
み1μm耐摩耗性顔料2%添加品において、焼き時間は
3分56秒であった。
【0044】また、厚み1μm耐摩耗性顔料5%添加品
において、4分11秒であった。
【0045】また、厚み1μm耐摩耗性顔料10%添加
品において、4分15秒であった。
【0046】また、厚み3μm耐摩耗性顔料5%添加品
において、4分16秒であった。
【0047】また、厚み3μm耐摩耗性顔料10%添加
品において、4分18秒であった。
【0048】また、厚み5μm耐摩耗性顔料5%添加品
において、4分20秒であった。
【0049】また、厚み10μm耐摩耗性顔料5%添加
品において、4分31秒であった。
【0050】また、厚み10μm耐摩耗性顔料3%添加
品において、4分25秒であった。
【0051】また、厚み15μm耐摩耗性顔料3%添加
品において、4分32秒であった。
【0052】また、厚み20μm耐摩耗性顔料0%添加
品において、4分31秒であった。
【0053】また、厚み3μm耐摩耗性顔料10%添加
品において、4分18秒であった。
【0054】前記、PTFE系の非粘着性塗膜14の、
厚み1μm耐摩耗性顔料0%添加品において、焼き時間
は3分55秒であった。
【0055】また、厚み3μm耐摩耗性顔料10%添加
品において、4分16秒であった。
【0056】また、厚み10μm耐摩耗性顔料0%添加
品において、4分20秒であった。
【0057】また、厚み10μm耐摩耗性顔料5%添加
品において、4分31秒であった。以上より、膜厚が薄
い場合には、耐摩耗性顔料比率を高くし、膜厚が厚い場
合には耐摩耗性顔料比率を低くする事により、熱反射性
と耐摩耗性を持つ塗膜とすることができ、トーストの焼
き時間を短縮することができる。膜厚としては1μm〜
15μm、顔料比率としては、2%〜10%が良く、特
に、膜厚3μm〜10μm、顔料比率3〜5%が望まし
い。
【0058】また、PTFE樹脂系とPFA樹脂系を比
較すると、PFA樹脂系の方が摩耗に強いことがわか
る。
【0059】また、図4は、相対的熱反射率とトースト
の焼き時間の関係を示す図である。上記実施例に示すよ
うに、耐摩耗性を持ちながらトーストの焼き時間を向上
させるには、熱反射率として20%〜50%保持する膜
が好ましいことがわかる。
【0060】以上の結果を(表1)にまとめた。
【0061】
【表1】 従来の、塗膜中に反射材を添加する系では、表面の反射
率を上げようとするとアルミ等の金属顔料比率を高くす
る必要があったので、銀白色系の色や灰色系の色になっ
た。しかしながら、本発明のように金属基材の反射率を
利用する系だと、塗膜の熱透過性を阻害しない程度であ
れば、金色系や黄色系、赤系、青系、銀白色系などの着
色が可能となる効果が得られる。
【0062】本実施例の加熱調理器で高周波加熱を行っ
たところ、金属基材をフェライト系ステンレス等の磁性
材料を用いた場合より高周波加熱効率が向上した。
【0063】1000mlのガラスビーカー2個に10
℃の水1000mlずつ合計2000mlをいれ、高周
波加熱したところ、水温を20℃にするのに金属基材と
してフェライト系ステンレスSUS430を用いた場合
2分48秒かかったが、本実施例では2分41秒であ
り、電力で約22Wの効率アップとなった。
【0064】これは、フェライト系ステンレスSUS4
30の場合には、磁性体であるので高周波加熱の際に、
表面で磁性損失が発生し、エネルギーを消費するために
加熱効率が低かったと考えられる。
【0065】なお、本実施例では、アルミ亜鉛合金メッ
キ鋼板として、55%のアルミニウムと45%亜鉛を含
有するアルミ亜鉛合金メッキ鋼板を用いたが、基材表面
が非磁性体である他の金属基材も用いることができる。
【0066】基材表面が非磁性体であるとは、例えば
2.45GHzの高周波の場合、電波の表皮深さは、金
属表面の数μm程度であるので、それより深い金属部分
には電波の浸透は少ない。従って、アルミ亜鉛合金メッ
キ鋼板の基材である鉄鋼の磁性は高周波加熱効率にはほ
とんど影響しなかったと考えられる。
【0067】オーステナイト系ステンレスのSUS30
4を用いた場合、同様にフェライト系ステンレスSUS
430を用いた場合より、高周波加熱効率を向上させる
ことができた。
【0068】なお、非磁性体の金属であるアルミニウム
やチタンを鉄やステンレス鋼とクラッドさせたクラッド
材を用いても、アルミニウムやチタンそのものを用いて
も同様の効果を得ることができる。
【0069】なお、加熱手段として電熱装置以外にも、
電熱や燃焼により加熱した熱風を循環させる方式やマグ
ネトロンによる加熱という方法もある。
【0070】なお、加熱調理器の加熱室は、通常ステン
レス鋼板等の金属基材で構成されるが加熱温度に耐え、
かつ、熱反射性を有する材料であれば金属基材に限定さ
れるものではない、例えば、耐熱性樹脂やセラミックに
金属メッキ等の表面処理を行った材料や樹脂やセラミッ
クと金属箔等を表面に構成した材料でも加熱室を構成す
ることができる。
【0071】なお、上記実施例では、オーブンレンジの
場合を述べたが、電子レンジのオーブン庫内壁面を、金
属基材の熱反射率の20%〜50%を保持する非粘着性
塗膜を設けた壁面材で構成することにより、汚れがこび
り着きにくくすることができる。
【0072】なお、金属基材13を用いているが、板状
に限定するものではなく、ダイキャストや鋳造品等の金
属に対しても、上記非粘着性塗膜を形成することができ
る。
【0073】アルミニウムもしくはアルミニウムメッキ
鋼板、アルミ亜鉛合金メッキ鋼板を加熱室壁面に用いた
場合、ステンレス鋼板より高い熱反射性能を得ることが
できる。
【0074】なお、フッ素系樹脂の代わりにシリコーン
系樹脂を用いても、本発明の効果を得られると考える
が、薄膜を得るのが困難であった。
【0075】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、加熱調
理器の庫内壁面に熱反射性能と非粘着性能と耐摩耗性を
持たせることができ、加熱室内に付着した汚れをより簡
単に落とすことができ、かつ、トースト等の調理時間を
短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の加熱調理器の加熱室壁面材
の断面図
【図2】同加熱調理器の概略構成側面断面図
【図3】同加熱調理器の概略構成正面断面図
【図4】相対的熱反射率とトースト焼き時間の関係を示
す図
【図5】従来の加熱調理器の概略構成側面断面図
【図6】同加熱調理器の概略構成正面断面図
【符号の説明】
12 壁面材 13 金属基材 14 非粘着性塗膜 15 加熱室

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 壁面材が、非粘着性塗膜を表面に備えた
    金属基材を有し、かつ、前記壁面材の熱反射率が前記金
    属基材の熱反射率の20〜50%である加熱室を設けた
    加熱調理器。
  2. 【請求項2】 非粘着性塗膜の膜厚が1μmから15μ
    mである請求項1記載の加熱調理器。
  3. 【請求項3】 非粘着性塗膜がフッ素樹脂を有する請求
    項1または2記載の加熱調理器。
  4. 【請求項4】 フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン
    −パープルオロアルキルビニルエーテル共重合体である
    請求項3記載の加熱調理器。
  5. 【請求項5】 金属基材が、非磁性体である請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  6. 【請求項6】 金属基材が、アルミメッキ鋼板、アルミ
    亜鉛合金メッキ鋼板、または亜鉛メッキ鋼板のうちの少
    なくとも1つである請求項5記載の加熱調理器。
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