JP2001323187A - 非粘着性塗膜物およびそれを用いた調理器具 - Google Patents

非粘着性塗膜物およびそれを用いた調理器具

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adhesive coating
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coating film
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は電子レンジやオーブンレンジなどの
調理器具の汚れ防止、および、加熱効率を上げるための
加熱室の構成に関するものである。 【解決手段】 無機質を主成分とする被膜中に非粘着性
物質12を分散した非粘着性塗膜物11を調理器具の加
熱室15の庫内壁面、または、筐体17の表面に用いる
ことによって、付着した汚れを落とし易く、傷つきにく
いという効果を持つものである。また、無機質を主成分
とする被膜中に非粘着性物質12を分散した非粘着性塗
膜物11を調理器具の加熱室15の庫内壁面に用いるこ
とにより、金属表面の熱反射性能を生かし、トースト等
の焼き時間が速くなり、かつ、非粘着性を付与して汚れ
難く、かつ、傷つきにくいという効果を持つものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非粘着性塗膜物に関
し、特に電子レンジやオーブンレンジなどの調理器具の
汚れ防止に関する。
【0002】
【従来の技術】電子レンジやオーブンレンジ等は、マイ
クロ波もしくはヒータ等の電熱装置を用いた調理器具で
あり、図4にその側面断面図、図5にその正面断面図を
示す。
【0003】図4および図5に示すように、加熱室1の
庫内に被調理物等を収容し、加熱手段2により主に電熱
加熱する、また加熱手段2と筐体3の間には断熱層4が
設けられている。下部の加熱手段2の下側には、断熱層
4を介して底板5が設けられており、さらに加熱室1の
後側には裏板6が設けられている。加熱室1の開口部に
は、ドア7が設けられている。また、被調理物等を置く
ためにターンテーブル8や皿受け台9が用いられてい
る。
【0004】従来のオーブンレンジでは、オーブン庫内
の側面にフッ素樹脂塗装を施し、非粘着性を付与すると
いう技術が用いられていた。
【0005】また、加熱室の庫内壁面の塗装処理に熱反
射性を付与するという技術は、特開平10−20886
2号公報に示すように、塗膜中にアルミニウム等の熱反
射性材料を混合し、熱反射率を向上させるという構成が
考えられていた。前記公報によると、耐熱塗膜の中にア
ルミニウム粉末を混合した被膜、あるいは、熱反射率で
20%〜50%の被膜を得るというものであった。プラ
イマー塗装膜ではアルミニウム粉末を混合せずトップ塗
装膜にアルミニウム粉末を混合し、反射性能を持たせる
ものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
電子レンジやオーブンレンジ等の調理器具に用いられて
きたフッ素樹脂系の塗料等は、表面硬度が低く、傷つき
や摩耗に弱いという問題があった。
【0007】また、前記特開平10−208862号公
報に示すように、塗膜中にアルミニウム等の熱反射性材
料を混合し、熱反射率を向上させるという構成が考えら
れたが、塗膜中に、熱反射性の材料を混合しても、熱反
射性能は50%程度が限界であり、これ以上の熱反射性
能を得ようとすると塗膜の密着性等が低下し実用に耐え
ないものとなった。
【0008】本発明は、前記課題を解決するもので、非
粘着性を付与して汚れ難くし、かつ、傷つきにくくした
塗膜を用いた調理器具を提供すること、また、金属表面
の熱反射性能を生かす調理器具を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の非粘着性塗膜物では、無機質を主成分とす
る被膜中に非粘着性物質を分散する構成とした。本発明
は前記した構成によって、傷つきにくい非粘着性の塗膜
を形成することができ、表面に着いた汚れをより簡単に
落とすことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の非粘着性
塗膜物では、無機質を主成分とする被膜中に非粘着性物
質を分散する構成とした。本発明は上記した構成によっ
て、非粘着性の塗膜を形成することができ、表面に着い
た汚れをより簡単に落とすことができる。
【0011】本発明の請求項2記載の非粘着性塗膜物で
は、無機質を主成分とする被膜が珪素、硼素、チタン、
アルミニウム、ジルコニウム、ゲルマニウム、リチウ
ム、ナトリウム、鉄、ガリウム、マグネシウム、リン、
アンチモン、スズ、タンタル、バナジウムの酸化物、硫
化物、水酸化物もしくはそれらの複合物からなる構成と
した。本発明は上記した構成によって、傷つきにくい非
粘着性の塗膜を形成することができ、表面に着いた汚れ
をより簡単に落とすことができる。
【0012】本発明の請求項3記載の非粘着性塗膜物で
は、非粘着性物質として、フッ素樹脂もしくはフッ素樹
脂複合体を用いた構成とした。本発明は上記した構成に
よって、非粘着性の塗膜を形成することができ、表面に
着いた汚れをより簡単に落とすことができる。
【0013】本発明の請求項4記載の非粘着性塗膜物で
は、非粘着性物質の大きさが0.5μmを越えない非粘
着性物質を用いた構成とした。本発明は上記した構成に
よって、非粘着性の塗膜を形成することができ、表面に
着いた汚れをより簡単に落とすことができる。
【0014】本発明の請求項5記載の調理器具では、無
機質を主成分とする被膜中に非粘着性物質を分散した非
粘着性塗膜物を塗膜形成材として用いる構成とした。本
発明は上記した構成によって、傷つきにくい非粘着性の
塗膜を形成することができ、表面に着いた汚れをより簡
単に落とすことができる調理器具とすることができる。
【0015】本発明の請求項6記載の調理器具では、無
機質を主成分とする被膜中に非粘着性物質を分散した非
粘着性塗膜物を加熱室庫内壁面または筐体の表面の少な
くとも一方に塗膜形成材として設ける構成とした。本発
明は上記した構成によって、傷つきにくい非粘着性の塗
膜を形成することができ、表面に着いた汚れをより簡単
に落とすことができる調理器具とすることができる。
【0016】本発明の請求項7記載の調理器具では、非
粘着性塗膜物の厚みが2.0μmを越えない厚みとした
構成とした。本発明は上記した構成によって、傷つきに
くい非粘着性の塗膜を形成することができ、表面に着い
た汚れをより簡単に落とすことができる調理器具とする
ことができる。
【0017】本発明の請求項8記載の調理器具では、熱
反射率が基材金属の熱反射率の50%以上になるように
非粘着性塗膜物の層を設けた壁面材を加熱室に設ける構
成とすることにより、金属表面の熱反射性能を生かし、
かつ、非粘着性を付与して汚れ難く、かつ傷つきにくい
調理器具を提供することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0019】(実施例1)図1は、本発明の実施例1の
非粘着性塗膜物の構成断面図である。
【0020】図1において、10はステンレス鋼板のS
US430であり、11は非粘着性塗膜物、12は非粘
着性物質である。
【0021】非粘着性塗膜物11は、ブチルアルコール
溶媒の珪素アルコキシドを主成分とする溶液に、非粘着
性物質12として、平均粒径0.5μmのPTFE(ポ
リテトラフルオロエチレン)を分散した塗料をSUS4
30上にスプレー塗装し300℃10分間焼成して得
た。本実施例では加熱室の15の壁面にこの非粘着性塗
膜物11の層を膜厚約1μmに形成した。
【0022】本実施例の非粘着性塗膜物11の上に付着
した汚れは拭き取りやすかったのに対して、非粘着性塗
膜物11を設けない場合は汚れがこびり着いて拭き取り
難かった。これは、非粘着性塗膜物11の表面に非粘着
性物質12であるフッ素樹脂の粒子が分散され、塗膜表
面にフッ素樹脂の粒子が現れているため汚れがこびり着
き難かったと考えられる。
【0023】また、非粘着性塗膜物11の表面の水の接
触角を測定すると、初期の熱処理前で110゜であった
のに対して、300℃100時間熱処理後の水の接触角
を測定すると109゜とほぼ変わらず耐熱性の高いこと
が分かる。
【0024】ステンレス鋼板10に処理した非粘着性塗
膜物11の表面に、砂糖と醤油を1対1で混合した液を
10μl滴下し250℃で30分焼き付けた後、濡れ布
巾で拭き取る試験を行ったところ、焼き付いた汚れは濡
れ布巾で拭き取れたのに対して、非粘着性塗膜物11の
無いステンレス鋼板は焼き付いて拭き取れなかった。
【0025】本実施例において、非粘着性物質12であ
るフッ素樹脂粒子の粒径を0.01μm以上0.5μm
以下とした。この理由は、粒径が0.5μmより大きく
なると、塗膜への分散性が悪くなり非粘着性が低下する
ためである。また、粒径を0.01μmより小さくする
と塗膜中への分散が困難になると共に非粘着性が低下す
るので好ましくない。実用的には塗膜化および非粘着性
の点から平均粒径で0.03〜0.1μmが好ましい。
【0026】また、非粘着性塗膜物11の厚みは、2μ
mを越えない厚みが好ましい。2μmを越えると塗膜化
が困難になるためである。実用的には塗膜化および非粘
着性の点から0.1μm〜1.0μmが望ましい。
【0027】焼成温度は、150℃〜350℃が望まし
い、350℃を越えると塗膜が白濁化し透明性が失われ
て行くためである。150℃より低いと塗膜が硬化不足
になるためである。塗膜硬度、非粘着性、透明性の点か
ら200℃〜300℃で焼成することが望ましい。白濁
化しても良い用途では400℃での焼成も可能である。
【0028】本発明の非粘着性塗膜物11の表面硬度
は、鉛筆硬度で5H以上であり、通常のフッ素樹脂系塗
料の鉛筆硬度H程度に比べてより固く、傷つきに強い事
が分かる。
【0029】なお、無機質を主成分とする被膜としてゾ
ルゲル法で作成したシリカ被膜を用いたが、硼素、チタ
ン、アルミニウム、ジルコニウム、ゲルマニウム、リチ
ウム、ナトリウム、鉄、ガリウム、マグネシウム、リ
ン、アンチモン、スズ、タンタル、バナジウムの酸化
物、硫化物、水酸化物もしくはそれらの複合物を用いて
も同様の効果を得ることができる。また、無機質を主成
分とする被膜は、シランカップリング剤等の有機成分を
含有することを妨げるものではない。
【0030】なお、本実施例では、非粘着性物質8とし
てのフッ素樹脂粒子として、PTFE(ポリテトラフル
オロエチレン)を用いたが、テトラフルオロエチレン−
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PF
A)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エ
チレン共重合体(E/TFE)、ポリクロロトリフルオ
ロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレ
ン−エチレン共重合体(ECTFE)ポリビニリデンフ
ルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(P
VF)を単独で、または、前記フッ素系樹脂の少なくと
も2つを用いた複合物も用いることができる。
【0031】なお、非粘着性物質12として、フッ素樹
脂粒子を用いたが、シリコーン樹脂やポリイミド樹脂や
ポリパラバン酸樹脂等と複合させた粒子を用いても良
い。
【0032】なお、非粘着性物質12として、無機粒子
にフッ素樹脂およびフッ素樹脂複合体をコーティングし
た粒子を用いても良い。
【0033】上記実施例では、ステンレス鋼板10とし
てSUS430を用いたが、他のフェライト系あるいは
オーステナイト系あるいはマルテンサイト系ステンレス
を用いても同様の効果が得られる。
【0034】なお、ステンレス鋼板10を用いている
が、板状に限定するものではなく、ダイキャストや鋳造
品等の金属に対しても、上記非粘着膜を形成することが
できる。また、ステンレス鋼板以外にも、鋼板、メッキ
鋼板やアルミニウム、銅、チタン、マグネシウム、ニッ
ケル、亜鉛、鉄、珪素、あるいはそれらの合金やその他
の遷移金属等も用いることができる。
【0035】また、ステンレス鋼板やその他上記金属製
の鍋、フライパン、マグカップ、皿等の容器、スプーン
等に非粘着性性塗膜物11を用いることにより、上記と
同様の汚れの着きにくい、また、傷つきにくい調理器具
とすることができ、また、撥水性が向上したことにより
汚れのこびりつきが少なくなり水や洗剤等で洗浄しやす
くなるという効果も得られた。
【0036】(実施例2)本実施例は、実施例1で得ら
れた非粘着性塗膜物11を調理器具に用いた点である。
以下、図2および図3に基づいて説明する。なお、図2
は側面断面図、図3は正面断面図である。
【0037】図2および図3において、本実施例の調理
器具は、加熱室15の庫内に被調理物等を収容し、加熱
手段16により主に電熱加熱する、また加熱手段16と
筐体17の間には断熱層18が設けられている。下部の
加熱手段16の下側には、断熱層18を介して底板19
が設けられており、さらに加熱室15の後側には裏板2
0を設けている。加熱室15の開口部には、ドア21が
設けられている。また、被調理物等を置くためにターン
テーブル22や皿受け台23が用いられる。
【0038】本実施例では、加熱室15の庫内壁面に非
粘着性塗膜物11を用いた。非粘着性塗膜物11は、ブ
チルアルコール溶媒の珪素アルコキシドを主成分とする
溶液に非粘着性物質12として、PTFE(ポリテトラ
フルオロエチレン)の粒径として平均粒径0.05μm
のものを分散した塗料をステンレス鋼板10としてSU
S430にスプレー塗装し300℃10分間焼成し膜厚
を約1μmに作成したものである。これにより、シリカ
被膜中に非粘着性物質12としてフッ素樹脂粒子を分散
した非粘着性塗膜物11を加熱室15の壁面に形成し
た。加熱室15の庫内壁面に非粘着性塗膜物11を用い
ることにより、調理物等からの汚れがこびり着きにく
く、拭き取りやすくなり、非粘着性塗膜物11の表面硬
度は、鉛筆硬度で5H以上であり、通常のフッ素樹脂系
塗料より傷つきにくくなった。
【0039】また、筐体17の表面に非粘着性塗膜物1
1を用いた。加熱室15の庫内壁面に非粘着性塗膜物1
1を用いることにより、調理物等からの汚れがこびり着
きにくく、拭き取りやすくなり、非粘着性塗膜物11の
表面硬度は、鉛筆硬度で5H以上であり、通常のフッ素
樹脂系塗料より傷つきにくくなった。
【0040】本実施例では、加熱室15の庫内壁面と筐
体17の表面に両方に設けたが、加熱室15の庫内壁面
のみに非粘着性塗膜物11を設けても同様の効果があ
り、筐体17の表面のみに非粘着性塗膜物11を設けて
も同様の効果があることは言うまでもない。
【0041】上記非粘着性塗膜物11を加熱室壁面に使
用した調理器具でトーストを焼いた場合、3分35秒で
あった。従来の非粘着性フッ素塗料では、4分30秒で
あったが、ステンレス鋼板SUS430に前記非粘着膜
を設けない場合では3分25秒であった。
【0042】赤外線等の熱線を透過しない物質の熱反射
率と、熱吸収率との間には、[熱反射率]=1−[熱吸
収率]の関係がある。また、物質の熱の放射率は物質の
熱の吸収率に等しいことから、物質の熱放射率を測定す
ることによって求められる。
【0043】熱放射率の測定は、簡易熱放射率計{DEVI
CE & SERVICE Co.製、MODEL.AE}を用い、室温20〜2
2℃、湿度50〜70%風速0.1m/s以下の実験室
内で行い、この時の交流電圧は100±2Vであった。
アルミニウム板を下限基準(放射率0.04)、アルミ
ニウム板に疑似黒体塗膜を設けた板を上限基準(放射率
0.93)として測定した。
【0044】上記ステンレス鋼板10基材の非粘着性塗
膜物11の熱反射率は、88%であった。無塗装の場合
のSUS430の熱反射率が93%であった。また、従
来の黒系色のフッ素樹脂塗膜の熱反射率は15%であっ
た。
【0045】以上より、非粘着性塗膜物11を加熱室壁
面に使用した場合、約1μmと薄膜であるために、ま
た、透明性が高いために、基材のステンレス鋼板の熱反
射性能をほとんど妨げることなく、高い熱反射性を保持
しているので従来よりも速くトーストが焼けるという効
果が得られたと考えられる。
【0046】熱反射率が基材金属の熱反射率の50%よ
り低いとトーストの焼き性能で比較して熱反射性向上に
よる焼き時間短縮効果が低くなり、従来塗料との差が小
さくなった。また、塗膜の厚みが薄い程トーストの焼き
時間は短縮できるが0.1μm以下ではあまり焼き性能
の時間短縮効果は向上しなかった。従来のフッ素樹脂系
非粘着膜よりもトースト等の焼き性能を向上させつつ、
非粘着性を持たせるには、塗膜の密着性や造膜性やスプ
レー等での塗装による量産性等を考慮すると0.3μm
から1μm程度が好ましい。
【0047】なお、前記実施例同様、基材をステンレス
鋼板に限定するものではない。
【0048】アルミニウムもしくはアルミニウムメッキ
鋼板、アルミ亜鉛合金メッキ鋼板を加熱室壁面に用いた
場合、ステンレス鋼板より高い熱反射性能を得ることが
できる。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明の非粘着性塗膜物に
よれば、無機質を主成分とする被膜中に非粘着性物質を
分散する構成としたことにより、非粘着性の塗膜を形成
することができ、表面に着いた汚れを簡単に落とすこと
ができる。
【0050】また本発明の非粘着性塗膜物を用いた調理
器具によれば調理物等の汚れがこびり着き難く拭き取り
やすく、傷つきにくい調理器具を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の非粘着性塗膜物の構成断面
【図2】本発明の実施例2の調理器具の側面断面図
【図3】同調理器具の正面断面図
【図4】従来の調理器具の側面断面図
【図5】従来の調理器具の正面断面図
【符号の説明】
10 ステンレス鋼板(基材金属) 11 非粘着性塗膜物 12 非粘着性物質 15 加熱室 17 筐体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機質を主成分とする被膜中に非粘着性物
    質を分散した非粘着性塗膜物。
  2. 【請求項2】無機質を主成分とする被膜が珪素、硼素、
    チタン、アルミニウム、ジルコニウム、ゲルマニウム、
    リチウム、ナトリウム、鉄、ガリウム、マグネシウム、
    リン、アンチモン、スズ、タンタル、バナジウムの酸化
    物、硫化物、水酸化物のいずれか1つまたは少なくとも
    2つ以上の複合物からなる請求項1に記載の非粘着性塗
    膜物。
  3. 【請求項3】非粘着性物質として、フッ素樹脂またはフ
    ッ素樹脂複合体を用いた請求項1または2に記載の非粘
    着性塗膜物。
  4. 【請求項4】非粘着性物質の大きさが0.5μmを越え
    ない非粘着性物質を用いた請求項1ないし3のいずれか
    1項に記載の非粘着性塗膜物。
  5. 【請求項5】塗膜形成材として請求項1ないし4のいず
    れか1項に記載の非粘着性塗膜物を用いた調理器具。
  6. 【請求項6】加熱室の壁面または筐体の表面の少なくと
    も一方に塗膜形成材として請求項1ないし4のいずれか
    1項に記載の非粘着性塗膜物を用いた調理器具。
  7. 【請求項7】非粘着性塗膜物の厚みを2.0μmを越え
    ない厚みとした請求項5または6に記載の調理器具。
  8. 【請求項8】熱反射率が基材金属の熱反射率の50%以
    上になるように非粘着性塗膜物の層を設けた壁面材を加
    熱室に設ける構成とした請求項5ないし7いずれか1項
    記載の調理器具。
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