JP3279232B2 - 加熱調理器 - Google Patents
加熱調理器Info
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Description
着しても、簡単に汚れを除去することができる為、その
反射特性を長期間維持することが可能な高反射非粘着金
属材料、及びこれを庫内を構成する金属部品(以下”内
筐体等”と称する)に用いた加熱調理器に関するもので
ある。
やアルミニウムの薄板が用いられていたが、これらの表
面は本来撥水性を有していないので、汚れ等が付着しや
すく、また汚れ等が付着した場合、それを除去すること
が困難であった。
鉛メッキ鋼板や溶融亜鉛・アルミメッキ鋼板等の表面処
理鋼板をその内筐体等に用い、熱源からのエネルギーを
ある程度反射させることにより、被加熱物を効率よく加
熱するような構成をとられていた。また、内筐体等の一
部に、琺瑯処理を施した金属材料を用い、汚れ付着時の
手入れ作業の軽減を図ったり、触媒分解作用を有する材
料を塗装等により表面に形成した金属材料を用い、付着
した汚れを自己分解することにより、汚れの蓄積を抑え
るといった工夫をされているものもあった。
来の金属材料では、汚れが付着していくに従って、反射
効率が低下していくという問題があった。
成では、被加熱物等から発生した汚れが内筐体等の表面
に付着すると、熱源からのエネルギーの内筐体等の表面
での反射が低下していくため、加熱性能が変化していっ
た。また、従来の表面処理鋼板では付着した汚れを除去
することは非常に困難であり、当初の加熱性能を回復す
ることができなかった。すなわち、使用していくに従っ
て、内筐体等の表面での反射効率が悪くなる方向に変化
していくことが避けられず、反射エネルギーを有効に活
用するための内筐体等の設置方法の設計に於いても、あ
る程度反射効率が低下した状態に合わせていく必要があ
った。
料は何れも反射率が低いため、熱源からのエネルギーを
有効に利用することができなかった。
であり、高反射非粘着金属材料及びそれを用いた加熱調
理器を提供することを目的とする。
に本発明は、波長700nm〜30μmの電磁波を発生
させるヒーターを有し、前記電磁波の全反射率が50%
以上の金属素材表面に前記電磁波の透過率90%以上の
透明な撥水処理膜を形成した高反射非粘着金属材料を内
筐体として使用した加熱調理器とする。
器の内筐体等に用いることにより、内筐体等の表面での
熱エネルギーの反射を有効に利用した効率の良い調理器
を提供することが可能である。また、内筐体等の表面が
汚れて反射効率が低下しても、その汚れを簡単に拭き取
り当初の反射効率に戻すことが可能であるため、内筐体
等の設置方法に於いても、当初の最も良い反射効率に合
わせた設計が可能となり、さらにエネルギー効率の良い
加熱調理器を提供することが可能である。
0nm〜30μmの電磁波を発生させるヒーターを有
し、前記電磁波の全反射率が50%以上の金属素材表面
に前記電磁波の透過率90%以上の透明な撥水処理膜を
形成した高反射非粘着金属材料を内筐体として使用した
加熱調理器とする。
ネルギーが拡散反射されるため、被加熱物にムラなく焼
き色をつけることが可能である。またこの金属材料を照
明器具の反射板や建材のパネル部品に用いた場合、反射
光が特定の箇所に集中したり、特定の方向から見ると反
射した光源が直接見え非常に眩しいといったことがな
く、反射光を有効に利用することが可能である。なお、
ここで言う拡散反射率とは、基材に対して垂直方向以外
から入射したエネルギーに対して、その正反射方向以外
へ拡散反射したエネルギーの割合のことである。すなわ
ち「全反射率」=「正反射率」+「拡散反射率」の関係
が成り立つ。
30μmの電磁波を発生させるヒーターと、パンくず受
けを有し、前記パンくず受けに前記電磁波の全反射率が
50%以上の金属素材表面に前記電磁波の透過率90%
以上の透明な撥水処理膜を形成した高反射非粘着金属材
料を使用した加熱調理器とする。
中心線平均粗さを0.1μm以下とすることにより、表
面の凹凸が小さくなるため反射率が良くなると同時に、
汚れが付着した場合も、表面の凹凸への食い込みが少な
くなり、撥水処理膜の効果がより有効に発揮され、汚れ
の除去が非常に容易になる。
して、フッ化炭素基を有するシラン系カップリング剤を
表面に化学的に結合させることにより形成したり、また
フッ化炭素基を有する分子を含むゾルゲル膜をコーティ
ングすることにより形成し、透明な撥水処理膜が形成さ
れるので、入射光を撥水処理膜によって減衰させること
なく反射でき、非常に効率が良くなる。またこれらの撥
水処理膜は金属素材表面と化学的に結合しているため、
撥水膜の密着性、摩耗性、耐熱性等の耐久性も非常に良
好になる。
処理層として、酸化珪素を主成分とする皮膜を形成する
ことにより、金属素材表面と撥水処理膜の密着性を更に
向上させてやることが可能である。これは、例えば酸化
珪素を主成分とする下地処理剤としてオクタクロロトリ
シロキサン(化学式:Cl3SiOSiCl2OSiCl
3、以下”OCTS”と称する)を用いた場合、分子の
一方でしか多分子と結合しないフッ化炭素基を有するシ
ランカップリング剤などと比較して、分子の両端で金属
表面等の他分子と結合が可能で、さらに分子の大きさも
小さい為、金属表面でより緻密に結合することができ
る。更に、この下地処理層の表面は反応性の高いクロル
基(−Cl)が形成されているので、次に来る撥水処理
膜の反応基とも化学的に結合しやすくなる。また、この
緻密な下地処理層は、アルカリ金属イオン(例えば、N
aClのNa+イオン)等の不純物や熱による結合の破
壊も低下させる効果もある。この下地処理層には、他に
も酸化珪素を主成分とする一般的なシリカコートやシリ
ケート処理なども応用が可能なことは言うまでもない。
処理層として、アルマイト処理を施すことにより、その
表面に金属素材よりも多くの水酸基(−OH)が形成さ
れているので、次に来る撥水処理膜と化学的に結合しや
すくなる。また、アルマイト処理をすることにより、金
属素材表面自身も硬くなるので、耐摩耗性が良くなり、
汚れの除去に対しても有利になる。
スターに応用した場合を代表として、図面を参照にしな
がら説明する。
材料の外観図、(b)はその断面図である。ここで1は
高反射金属素材、2は撥水処理膜である。
であるオーブントースターの外観図、(b)は断面図で
ある。ここで、11は前面が開口した外筐体、12は調
理庫、13は調理庫12を形成する内筐体(庫内奥、上
面及び側面を含む)、14は前面に引き出し可能なパン
くず受けである。15は内筐体13の上部側壁に懸架さ
れた上ヒーター、16は内筐体13下部側壁に懸架され
た下ヒーターである。17は上ヒーター15と下ヒータ
ー16間に前後にスライド自在に内筐体13に設けた焼
き網であり、18は内筐体13の前側開口部の開閉を行
う扉であり、扉18の下部の軸を中心に回転自在に本体
に取り付けられている。扉18の開閉に連動して焼き網
17は前後にスライドする。19は外筐体11の前面の
扉17の右方に設けられた前板であり、前板19にはタ
イムスイッチ20等の操作部が設けられている。
て、図1で示した高反射非粘着金属材料を用いて、内筐
体13及びパンくず受け14を作成した。金属素材の反
射率及びその表面に形成した撥水処理膜の透過率を(表
1)に示すような組み合わせとした。この様なオーブン
トースターで、実調理における焼き性能を比較した。
い、その反射率は表面仕上げの状態で調節した。また、
撥水処理膜としては、本体No.1、4は実施例5で形成
方法の詳細を説明する分子コート、本体No.2、3は透
明な専用プライマーの上に、四フッ化エチレン・パーフ
ルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(略称”PF
A”)粉体塗料(三井・デュポンフロロケミカル社製)
を塗装・焼き付けることによりそれぞれ形成した。分子
コートの透過率はいずれも100%であり、また、本体
No.2、3はプライマー及び粉体塗料の膜厚を調整する
ことにより、所定の透過率とした。本体No.5として本
体No.4と同等の金属素材表面に撥水処理膜を形成して
いないものも比較評価した。
ブントースターにて、市販の冷凍グラタンを加熱調理
し、表面が所定の焼き色になるまでの時間を計測するこ
とにより焼き性能を比較した。また、この操作を繰り返
し行い、内筐体等の表面にある程度汚れが付着してきた
100回目の時点で、水を含ませて良く絞った布巾(以
下”濡れ布巾”と称する)で内筐体13及びパンくず受
け14の表面を拭き取り、再度冷凍グラタンの調理時間
を測定した。この拭き取り前の汚れ付着は通常使用の1
〜5年に相当する。
お、冷凍グラタンに表示されている標準調理時間は10
分間である。
(初回)は本体No.3以外は標準調理時間よりも短い時
間で、グラタンの表面に十分な焼き色が付き調理が終了
した。特に、本体No.4、5は1回目で1分24〜26
秒も標準調理時間よりも早く調理が終了した。
いては、本体No.1〜4は比較的簡単に除去が可能であ
り、初回と同等の状態にまで回復したが、本体No.5は
付着した汚れがほとんど取れなかった。
(表2)に示す通りであるが、本体No.1〜4は、ほぼ
初回と同レベルの焼き時間で調理が完了した。これに対
して本体No.5では調理時間が初回よりも2分近く長く
なり、標準時間の10分間よりも長くなってしまった。
また、表面の焼き色のムラも非常に大きく、内筐体等の
反射度合いが調理物の焼き色に大きく影響することがわ
かる。
て、全反射率が50%以上の金属素材表面に、透過率9
0%以上の透明な破水膜を施すことにより、長期的に標
準時間内で調理可能なオーブントースターを実現するこ
とができた。
0μmのいわゆる赤外線領域である。実際の調理器に対
しては、波長300nm〜1mmの電磁波の一例とし
て、これらの波長領域を有効に照射している「ハロゲン
ヒーター」(近遠赤外領域:700nm〜2.5μm)
や、「遠赤外線ヒーター」(遠赤外領域:2.5μm〜
30μm)として実用化されている。すなわち、これら
の波長領域を有効に反射する素材で有れば、オーブント
ースターや電子レンジのような調理器に対して効果があ
り、本発明の目的を達成することができる。
鉛・アルミ合金めっき鋼板で、表面のアルミニウム比率
が55%の材料(新日鉄社製:商品名”ガルバリウム鋼
板)、40%の材料(試作品)、及び5%の材料(新日
鉄社製:商品名”スーパージンク”)で、内筐体13及
びパンくず受け14を作成した。また撥水処理膜として
は実施例5で形成方法の詳細を説明する分子コートによ
り形成した。これらのオーブントースターを用いて、実
施例1と同様に市販の冷凍グラタンを加熱調理し、表面
が所定の焼き色になるまでの時間を計測した。この結果
を(表3)に示す。ここで本体No.1は実施例1に用い
たものと同じである。
6は本体No.1よりも劣るものの、1回目、101回目
ともに標準時間よりも早く調理が終了した。これに対し
て、金属素材表面のアルミニウム含有量が少ない本体N
o.7、8は、所要時間がいずれも標準時間より長くなっ
た。これは表面での熱エネルギーの反射が十分でなく、
調理物表面に焼き色が着くまでの時間が長くなってしま
ったものと考えられる。ちなみにそれぞれのオーブント
ースター本体の内筐体およびパンくず受けに用いた材料
表面の全反射率を測定してみると、本体No.1は73
%、本体No.6は61%、本体No.7は47%、本体No.
8は32%であり、金属素材表面のアルミニウム含有量
が50%以上であると、全反射率がほぼ50%以上とな
っており、標準時間内に調理を終了することが可能であ
った。これらの反射率の差は、金属素材表面のアルミニ
ウム含有量の差に起因し、これが調理所要時間の長短に
も影響しているものと考えられる。
受け14として、(表4)に示すように中心線平均粗さ
が異なる部品を準備し、その上に実施例5で形成方法の
詳細を説明する分子コートを施し撥水性能を持たせた。
スターの焼き網17上に直接ウィウンナーソーセージを
載せ、10分間加熱した。このときウインナーソーセー
ジから油等が流出し、パンくず受けの上に滴下された。
調理終了後、パンくず受けの油等はそのままにして、ト
ーストを20回行った。この後パンくず受けを本体より
取り出し、濡れ布巾で油等の汚れの除去を行った。この
ときの除去のしやすさも(表4)に併せて示す。ここで
◎は簡単に除去が可能、○は十分に拭き取れば除去可
能、△は十分に拭き取っても一部汚れの付着が残ること
を示す。
の中心線平均粗さが0.5μmの金属素材を用いた場合
は、汚れが完全に除去できなかった。これは金属素材表
面が全て撥水性の膜に覆われていても、表面の凹凸に物
理的に付着した汚れは除去しにくいためと考えられる。
この様な状況が繰り返されると、十分な手入れを行って
いてもパンくず受け表面への汚れの付着が広がり、調理
性能、特に焼き色への悪影響の発生が容易に考えられ
る。
ば、撥水処理膜の効果が十分に発揮され、汚れがこびり
着かず、簡単な手入れで汚れの除去が可能なオーブント
ースターを提供することが可能である。
面の全反射率は55%であり、中心線平均粗さが0.1
μm以下であれば、表面での全反射率がほぼ50%以上
となっている。
のみ説明したが、内筐体を構成する部品に於いても同様
の効果が得られる。
パンくず受け14に用いる金属素材に於いて、全反射率
及び拡散反射率が(表5)に示すような組み合わせの物
を準備した。これらの内筐体及びパンくず受けには実施
例5で形成方法の詳細を説明する分子コートを施し撥水
性能を持たせてある。これらのオーブントースターにて
食パンのトーストを行い、焼き色の付き具合を確認し
た。その結果も併せて(表5)に示す。なおトースト焼
き色において、◎及び○は均一に焼き色が付いたこと
を、×は焼き色に不具合が生じたことを示す。
13及び14はいずれも所定時間内に問題なく焼き色が
付いた。特に本体No.14は短時間で均一に焼き色が付
いた。一方本体No.12はトースト終了時に焼き色のム
ラが発生し、本体No.15では所定時間経過しても、焼
き色が不十分であった。これらは拡散反射が不十分なた
めに特定方向に反射エネルギーが集中し焼き色にムラが
生じたり(本体No.12)、拡散反射が十分に起こって
いても、金属素材自身の全反射率が小さく、十分に焼き
色が付かなかった(本体No.15)ためと考えられる。
パンくず受け14に於いて、(表6)に示す「粉体塗
装」、「PTFEフィルム」、「分子コート」、「ゾル
ゲル膜」により撥水処理膜を形成させた。それぞれの処
理方法を簡単に示す。「粉体塗装」は、実施例1で述べ
たPFA粉体塗料を用いており詳細は省略する。
フィルム(デュポン製)を熱融着により、金属素材表面
に密着させたものである。
化炭素基を有するシランカップリング剤の1つであるヘ
プタデシルデカフルオロデシルトリクロロシラン(化学
式:C8F17(CH2)2SiCl3)数%をシリコーンオ
イルに混ぜた液に、アセトンで完全に洗浄した部品を所
定時間浸漬させ、同雰囲気内に引き上げ完全に乾かした
後、通常雰囲気下へ取り出すことにより作成した。
7C2H4(COH3)3(以下”KBM”と称する)から
なる撥水分子をシリカ成分に分散させてゾル液を作成
し、この液にアセトンで完全に洗浄した部品を浸漬さ
せ、一定速度で引き上げ、その後300℃で30分間焼
成することにより作成した。それぞれの撥水処理膜の透
過率は(表6)に示す通りである。
スターにおいて、撥水処理膜の基本特性である基材との
結合性、汚れの除去性および耐熱性を確認した。以下に
それぞれの評価方法を簡単に述べる。
をかけ、10000往復擦った後、外観および撥水性を
確認した。
フライの再加熱を実機で100回実施し、その後濡らし
た布巾で表面に付着した汚れを拭き取り、その拭き取り
やすさを確認した。
650回行い、その後の外観および撥水性を確認した。
ここで○は不具合無く使用できたこと、△はやや不具合
が発生したが使用は可能であったこと、×は不具合が発
生し使用が不可能であったことを示す。
では本体No.16および17は、摩耗分の撥水処理膜が
完全に無くなっており、水の接触角も金属素材と変わら
ない値であった。これに対して本体No.18および19
は、表面状態に変化はなく、また水の接触角も初期値と
同程度であった。
れがほとんど取れず、また本体No.17も完全には除去
できなかったのに対して、本体No.18および19は何
の問題もなく汚れが除去できた。
よび17はいずれも部分的に熱分解し、その部分が変色
するとともに撥水性も低下していた。これに対して、本
体No.18および本体No.19は外観上の変化もなく、撥
水性も低下していなかった。
の差によって説明することができる。粉体塗装やPTF
Eフィルムは基材と物理的に結合している。これに対し
て、分子コートやゾルゲル膜は基材と化学的に結合して
おり、機械的な力や熱に対する耐久性が格段に良くなっ
ている。
オロデシルトリクロロシラン以外のフッ化炭素基を有す
るシランカップリング剤や、KBM以外のフッ素化炭素
基を有する分子を用いても同様の効果が得られる。
材で、(b)にその断面を示す。ここで1は高反射金属
素材、2は撥水処理膜、3は下地処理層である。金属素
材としてはアルミニウムを用いた。また下地処理層とし
ては、シリコーンオイル中にオクトクロロトリシロキサ
ン(化学式:Cl3SiOSiCl2OSiCl3、以
下”OCTS”と称する)を分散させ、その中に基材を
所定時間浸漬させることにより、OCTSを化学吸着さ
せたもの、及び鏡面アルマイト処理を施すことにより形
成したものを、下地処理層を形成していないものと比較
した。撥水処理膜はいずれも実施例5の分子コートによ
り形成した。
熱性及び耐磨耗性で評価した。耐熱性は300℃の電気
炉内に500時間放置し、その後の撥水処理膜表面にお
ける水の接触角を測定した。一方、耐磨耗性は濡れ布巾
に500g程度の加重をかけ、10000往復擦った
後、磨耗箇所に於ける水の接触角を測定した。なお、こ
れまでの経験より、撥水性が有効に作用するには、接触
角が85度以上必要であることがわかっている。また、
評価前の接触角は各サンプルとも105〜7度の間であ
ったため、ほぼ同等であると判断した。(表7)に本実
施例のサンプルの下地処理層の内容及び各評価後の接触
角を示す。
いものはいずれの評価でも接触角が85度を下回ってい
るが、下地処理層を形成させたものはいずれも85度を
大きく上回っている。特に、OCTSを処理したものは
耐熱性が、鏡面アルマイト処理を行ったものは耐磨耗性
が向上していた。この様に、適切な下地処理を形成させ
ることによって、撥水処理膜の耐久性を大きく向上させ
ることが可能である。
CTSを処理したもの及び鏡面アルマイト処理すること
により形成したものに限定して説明したが、もちろんこ
れらに限定されることはなく、一般的にシリカコートや
シリケート処理と言われているものをはじめとする酸化
珪素を主成分とする皮膜の形成や、各種のアルマイト処
理によっても、同様の効果が得られる。
ーを例として説明したが、もちろんこれに限定されるも
のではなく、オーブン、オーブンレンジ、電子レンジ、
ロースター、トースターなどの加熱調理器や、照明器具
の反射板、建材用パネル等、反射性が必要でかつ汚れの
付着による反射性の低下を防ぐ必要のある箇所に適用可
能である。
エネルギーの反射を有効に利用した効率の良い調理器を
提供することが可能である。また、内筐体等の表面が汚
れて反射効率が低下しても、その汚れを簡単に拭き取り
当初の反射効率に戻すことが可能であるため、内筐体等
の設置方法に於いても、当初の最も良い反射効率に合わ
せた設計が可能となり、さらにエネルギー効率の良い加
熱調理器を提供することが可能である。
材料の外観図 (b)同、高反射非粘着金属材料の要部断面図
加熱調理器の外観図 (b)同、加熱調理器の要部断面図
金属材料の外観図 (b)同、高反射非粘着金属材料の要部断面図
Claims (7)
- 【請求項1】 波長700nm〜30μmの電磁波を発
生させるヒーターを有し、前記電磁波の全反射率が50
%以上の金属素材表面に前記電磁波の透過率90%以上
の透明な撥水処理膜を形成した高反射非粘着金属材料を
内筐体として使用した加熱調理器。 - 【請求項2】 波長700nm〜30μmの電磁波を発
生させるヒーターと、パンくず受けを有し、前記パンく
ず受けに前記電磁波の全反射率が50%以上の金属素材
表面に前記電磁波の透過率90%以上の透明な撥水処理
膜を形成した高反射非粘着金属材料を使用した加熱調理
器。 - 【請求項3】 金属素材として、中心線平均粗さを0.
1μm以下としたものを用いたことを特徴とした請求項
1または2記載の加熱調理器。 - 【請求項4】 撥水処理膜は、フッ化炭素基を有するシ
ランカップリング剤を、表面に化学的に結合させたこと
を特徴とする請求項1または2記載の加熱調理器。 - 【請求項5】 撥水処理膜は、フッ化炭素基を有する分
子を含むゾルゲル膜をコーティングしたことを特徴とす
る請求項1または2に記載の加熱調理器。 - 【請求項6】 撥水処理膜の下地処理として、酸化珪素
を主成分とする下地処理層を形成させたことを特徴とす
る請求項1または2に記載の加熱調理器。 - 【請求項7】 撥水処理膜の下地処理層として、アルマ
イト処理による下地処理層を形成させたことを特徴とす
る請求項1または2に記載の加熱調理器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28012797A JP3279232B2 (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | 加熱調理器 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP28012797A JP3279232B2 (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | 加熱調理器 |
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JPH11117078A JPH11117078A (ja) | 1999-04-27 |
JP3279232B2 true JP3279232B2 (ja) | 2002-04-30 |
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