JP2000237681A - 防汚反射体およびこれを有する調理器 - Google Patents

防汚反射体およびこれを有する調理器

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JP2000237681A
JP2000237681A JP3954699A JP3954699A JP2000237681A JP 2000237681 A JP2000237681 A JP 2000237681A JP 3954699 A JP3954699 A JP 3954699A JP 3954699 A JP3954699 A JP 3954699A JP 2000237681 A JP2000237681 A JP 2000237681A
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JP3954699A
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Azusa Shiga
あづさ 志賀
Shigetoshi Kanazawa
成寿 金澤
修三 ▲徳▼▲満▼
Shuzo Tokumitsu
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱変色により着色したステンレス鋼を調理
器、暖房器具等の高温反射板に使用する場合、外観変
化、反射率の低下、耐食性劣化などの表面特性の変化の
問題を有していた。 【解決手段】 熱処理によって着色したステンレス基材
1に有機高分子である含フッ素重合体からなる防汚膜2
を設けることを特徴とする高反射防汚性板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス基材表
面の反射特性を損なわず意匠性および防汚性を付与する
ことを可能とする表面処理を施した防汚反射体およびこ
れを有する調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼の加熱変色を意匠性に利用
する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、加熱変色によ
り着色したステンレス鋼を調理器、暖房器具等の高温反
射板に使用する場合、外観変化、反射率の低下、耐食性
劣化などの表面特性の変化の問題を有していた。また、
調理器等にステンレス鋼を用いる場合、ステンレス鋼表
面に何らかの防汚性処理を施さなければならないが、従
来のフッ素ポリマーを塗布する方法では、塗膜の膜厚が
厚くなることから、輻射による熱量損失が大きいという
問題を有していた。
【0004】本発明は、上記従来の問題点を解決するも
ので、ステンレス基材表面の反射特性を損なわず、意匠
性および防汚性を付与した防汚反射体を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の防汚反射体は、熱処理により着色したステン
レス基材表面と、その基材表面上に設けた酸素バリアー
性及び防汚性を有する透明薄膜とからなる構成を有して
いる。この構成により、高反射性、意匠性、防汚性を兼
ね備えた表面処理を実現できる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
高反射率を有するステンレス基材を熱処理することによ
り着色し、更にその上に有機高分子である含フッ素重合
体薄膜を形成することを特徴とする防汚反射体であり、
この構成により、反射特性と意匠性、防汚性を兼ね備え
た表面処理を実現できる。さらに、有機高分子よりなる
コーティングであるため、延性に優れ、コーティング後
の加工(プレス、曲げ等)を可能としている。
【0007】本発明の請求項2記載の発明は、熱処理す
ることにより着色したステンレス基材と、その上に少な
くともシランカップリング剤を有する層と、更にその上
に有機高分子である含フッ素重合体薄膜を有する防汚反
射体であり、この構成により、酸素バリアー性が更に向
上し、着色したステンレス基材の外観変化防止、耐食性
劣化防止に、より効果を発揮する。また、前記請求項3
のようにステンレス基材表面と化学結合を形成する官能
基を有しない含フッ素重合体を用いた場合においても、
基材表面に密着した防汚薄膜を形成することが可能とな
る。
【0008】本発明の請求項3に記載の発明は、含フッ
素重合体薄膜が耐熱性、酸素バリアー性を有することを
特徴とする請求項1または2記載の防汚反射体としてい
るので、着色したステンレス基材表面の酸化による外観
変化、反射率の低下、耐食性劣化を防ぐことが可能とな
る。
【0009】本発明の請求項4記載の発明は、含フッ素
重合体薄膜が、ステンレス基材表面に化学結合により密
着していることを特徴とする請求項2記載の防汚反射体
であり、この構成により、防汚性薄膜がステンレス基材
表面に強固に密着し、耐久性に優れた防汚性薄膜を形成
することが可能となる。
【0010】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
請求項1〜4のいずれか1項に記載した防汚反射体を用
いた調理器であり、これにより反射特性と意匠性、防汚
性を兼ね備えた電化調理器とすることが可能となる。ま
た、コーティング膜が延性に優れることから、コーティ
ング後の成型が可能となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。図1において、本発明の防汚反射
体は、熱処理によって着色したステンレス基材1に有機
高分子である含フッ素重合体よりなる防汚膜2を設けて
形成しているものである。
【0012】また、図2には、本発明の防汚反射体の表
面における分子レベルの模式図を示す。有機高分子であ
る含フッ素重合体よりなる防汚膜2は、官能基Xと表面
水酸基の加水分解により、熱処理によって着色したステ
ンレス基材1表面に結合している。官能基Xは、アミノ
基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシル
基、エステル基、ハロゲン基、エポキシ基の少なくとも
1種である。
【0013】ステンレス基材(SUS430のBA仕上
げ、2B仕上げ、No.4仕上げ)の熱処理による変色
度合いをミノルタカメラ(株)製色彩計を用いて測定
し、Lab表示法による色差(ΔE)で表した。熱処理
条件と色差(ΔE)の関係を図3に示す。2B仕上げ、
No.4仕上げについては(図3中の4、5、7、
8)、300℃、350℃の両条件で、短時間で目で確認でき
る程度まで(ΔEが12以上)変色している。BA仕上
げについても(図3中3、6)、熱処理時間の増加に伴
い変色が進んでいる。これにより熱処理条件を選択する
ことで、着色度合いを制御することが可能となる。
【0014】含フッ素重合体からなる防汚膜2は、アミ
ノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシル
基、エステル基、ハロゲン基、エポキシ基の少なくとも
1種の官能基を少なくとも2つ有する官能基含有含フッ
素重合体溶液を塗布、焼成することで形成する。例え
ば、非晶質の含フッ素重合体溶液である旭硝子(株)製
サイトップを塗布し、乾燥、焼成することで形成する。
【0015】このような方法で形成した含フッ素重合体
からなる防汚膜2の膜厚と基材を100%とした場合の反射
率を図4に示す。反射率は次式((1−防汚膜の輻射
率)/(1−基材の輻射率))×100により、輻射率か
ら換算し求めた。輻射率はDEVICE&SERVICE COMPANY製の
簡易型輻射率計を用いて3〜30μmの波長範囲で測定し
た。図3より、80%以上の反射率を保つためには、含フ
ッ素重合体からなる防汚膜2は好ましくは膜厚0.8μm以
下であることが望ましい。
【0016】また、図5において本発明の防汚反射体
は、熱処理によって着色したステンレス基材1にシラン
カップリング剤よりなる下層膜9を設けて、更にこの下
層膜上に有機高分子である含フッ素重合体よりなる防汚
膜10を設けて形成しているものである。
【0017】シランカップリング剤よりなる下層膜9
は、チッソ(株)製サイラエースS330等の1%溶液
(溶媒は住友スリーエム(株)製のフッ素系不活性液体
であるフロリナートを用いる)を浸漬処理し、180℃×3
0分焼成することで形成する。
【0018】また、有機高分子である含フッ素重合体よ
りなる防汚膜10の形成には、上記の含フッ素重合体か
らなる防汚膜2と同様の試薬の他、デュポン製の“テフ
ロン”AF等を用いても良い。
【0019】次に、本発明の防汚反射体について、酸化
による外観変化測定をした。未処理のSUS430BA
仕上げを色差の基準として、350℃の熱処理後の色差
(ΔE)を測定した結果を図6に示す。未処理11は6
時間後の色差値20の状態から、更に24時間後(トータ
ルで30時間の熱処理後)には、32にまで色差が変化し
ている。一方、6時間の熱処理により色差値20まで着色
した後、本発明の有機高分子である含フッ素重合体より
なる防汚膜を形成した12は、その後24時間の熱処理
においても、色差値は23と変化はより小さいのもであっ
た。
【0020】次に、この防汚反射体の撥水耐久性を300
℃で加熱して加速評価した結果を図7に示す。100時間
経過した後でも初期の接触角110℃を保っており、膜の
劣化等の問題は生じていないことが解る。
【0021】次に、実調理における効果を検討した。各
反射率の庫内について、オーブン電子レンジを用いたト
ースト調理における調理時間とパンの重量変化を図8に
示す。従来のオーブン電子レンジを用いたトースト調理
(自動メニューによる)では、オーブントースターを用
いた場合に比べ、調理時間が長くなることから、パンの
重量変化(含水量変化)が大きく、パンが硬くなり食感
が劣る。本発明の高反射防汚性板を用いた場合、調理時
間を短縮出来たことで、パンの重量変化が小さくなり、
表面は適度な焦げ目が付くが中部の水分は保たれてお
り、よりおいしく仕上げることが可能となった。
【0022】
【発明の効果】以上から明らかなように、請求項1記載
の発明によれば、反射特性に優れ、かつ意匠性、防汚性
を兼ね備えた防汚反射体を提供することが可能となる。
また、コーティング後の加工(プレス、曲げ等)を可能
とする。
【0023】また、請求項2記載の発明によれば、酸素
バリアー性が更に向上し、着色したステンレス基材の外
観変化防止、耐食性劣化防止に、より効果を発揮する。
また、ステンレス基材表面と化学結合を形成する官能基
を有しない含フッ素重合体を用いた場合においても、基
材表面に密着した防汚薄膜を形成することが可能とな
り、コーティング材料の密着性を向上することが可能と
なる。また、下層膜に有機系および無機系色素を分散す
ることにより更に意匠性を向上することも可能となる。
【0024】本発明の請求項3に記載の発明によれば、
着色したステンレス基材の外観変化、反射率の低下、耐
食性劣化を防ぐことが出来、初期の反射特性を保持する
ことが可能となる。
【0025】本発明の請求項4記載の発明によれば、ア
ンカー効果により密着している従来のフッ素コートと比
較して、耐久性に優れた防汚性膜形成することが可能と
なる。
【0026】また、請求項5記載の発明によれば、反射
特性と防汚性を兼ね備えた電化調理器を提供することが
可能となる。特に、オーブン電子レンジ、オーブントー
スター、炊飯器等の庫内に用いた場合、反射率が向上
し、輻射による熱量損失が抑えられ、調理時間短縮、そ
れに伴う省エネ効果が発揮できる。オーブン電子レンジ
庫内の従来フッ素コート鋼板に代替した場合、庫内が明
るくなり意匠性も向上する。かつステンレス素地に比較
し汚れが目立ちにくい効果も期待できる。また、ジャー
ポットのフッ素コートに代替した場合、味、臭いの点で
湯質が向上することも期待できる。また、後加工が可能
であるため、立体成型後のコーティング方法検討や設備
導入を必要とせず、コスト削減効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す防汚反射体の断面図
【図2】本発明の防汚反射体の表面における分子レベル
の模式図
【図3】本発明のステンレス基材の熱処理条件と色差
(ΔE)との関係示す図
【図4】本発明の含フッ素重合体からなる防汚膜2の膜
厚と輻射率及び基材に対する反射率を示す図
【図5】本発明の実施例を示す防汚反射体の断面図
【図6】本発明の防汚反射体について、350℃の熱処理
後の色差(ΔE)を未処理のSUS430BA仕上げを
基準として測定した結果を示す図
【図7】本発明の防汚反射体の撥水耐久性を300℃で加
熱して加速評価した結果を示す図
【図8】オーブン電子レンジを用いたトースト調理にお
ける調理時間とパンの重量変化を示す図
【符号の説明】
1 熱処理によって着色したステンレス基材 2 有機高分子である含フッ素重合体よりなる防汚膜 9 シランカップリング剤よりなる下層膜 10 有機高分子である含フッ素重合体よりなる防汚膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲徳▼▲満▼ 修三 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3L087 AA01 AA02 AA04 AB11 AC07 AC12 DA07 DA09 DA15 DA23 DA26 DA27 4D075 CA18 CA34 DB04 DC38 EB16 EB42 EC45

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス基材を熱処理することにより
    着色し、更にその上に有機高分子である含フッ素重合体
    薄膜を形成することを特徴とする防汚反射体。
  2. 【請求項2】 熱処理することにより着色したステンレ
    ス基材と、その上に少なくともシランカップリング剤を
    有する層と、更にその上に有機高分子である含フッ素重
    合体薄膜を有する防汚反射体。
  3. 【請求項3】 含フッ素重合体薄膜が耐熱性、酸素バリ
    アー性を有することを特徴とする請求項1または2記載
    の防汚反射体。
  4. 【請求項4】 含フッ素重合体薄膜が、ステンレス基材
    表面に化学結合により密着していることを特徴とする請
    求項3記載の防汚反射体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載した
    防汚反射体を有する調理器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7257323B2 (en) 2001-11-21 2007-08-14 Nec Corporation Signal-off detection circuit and optical receiving device using the same

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