JPH1146986A - 加熱調理器の調理容器 - Google Patents

加熱調理器の調理容器

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JPH1146986A
JPH1146986A JP14858598A JP14858598A JPH1146986A JP H1146986 A JPH1146986 A JP H1146986A JP 14858598 A JP14858598 A JP 14858598A JP 14858598 A JP14858598 A JP 14858598A JP H1146986 A JPH1146986 A JP H1146986A
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JP
Japan
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coat
cooking
enamel coating
enamel
substrate
Prior art date
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Pending
Application number
JP14858598A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Koiwa
芳明 小岩
Tsutomu Arai
勉 新井
Hideo Matsuki
秀雄 松木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd, Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波加熱調理器や炊飯器などに使用される
比較的大型の調理皿あるいは深い調理容器において、強
度、調理物の取り出し性及び清掃性に優れ、表面に傷が
つきにくく、基板の露出がなく、錆びることのない加熱
調理器の調理容器を得る。 【解決手段】 調理皿1の基板2をホーロー用鋼板と
し、ホーロー被膜3を塗着した後、フッ素樹脂による第
1コート4を塗着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高周波加熱調理
器や炊飯器等の加熱調理器に用いる調理容器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図15は、例えば特開平3−23322
7号公報に示された加熱調理器の一例である従来のオー
ブントースタに使用される調理皿の一部拡大断面図であ
る。図において、60は調理皿、61は表面を例えばエ
ッチング処理して複数の凸部61aとこの凸部61aの
間にタコツボ状に形成された凹部61bを有するアルミ
ニウム板から成る基板、62は基板61の全面にコーテ
ィングされたフッ素樹脂被膜であり、エッチングで形成
された凹部61bに食い込ませ、基板61と一体的に形
成したものである。
【0003】このような従来のオーブントースタの調理
皿60では、例えばクッキーのような調理物は直接調理
皿60に載せて加熱調理することができる。この場合、
調理皿60の表裏の両面にフッ素樹脂被膜62が形成さ
れているので、調理皿60の表面側に調理物がこびりつ
かず、また裏側にも汚れなどがこびりつくことがなく、
さらに汚れを落とし易く、調理皿60を常に清潔に保つ
ことができる。
【0004】上記従来例では外形が比較的小型のオーブ
ントースタの調理皿の場合について説明したが、次に外
形が比較的大型の高周波加熱調理器の調理皿の場合につ
いて説明する。図16は従来の高周波加熱調理器に使用
される一般的な調理皿の部分断面図、図17はこの調理
皿のD部分の拡大断面図である。図において、64は調
理皿、65は調理皿64の基材となるホーロー用鋼板か
ら成る基板、66は基板65の表面と裏面全面にコーテ
ィングされた耐熱性を有するホーロー被膜である。
【0005】このような従来の調理皿64では、基板が
鋼板であり、充分な強度を有しているので、調理皿64
の形状が比較的大型になった場合でも、加熱・衝撃など
により容易に変形することがない。また、ホーロー被膜
66が70〜120ミクロンの厚さにコーティングさ
れ、さらに、ホーロー被膜66そのものの強度も充分に
有しているので、高周波加熱調理器の加熱室(図示せ
ず)内から加熱された調理皿64を取り出すときに使用
する金属製の持ち手(図示せず)によって調理皿64へ
傷が付きにくく、従って傷による基板の露出がなく、発
錆しにくい調理皿64を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の調
理皿60では、基板61はアルミニウム板を基材として
使用しているので、例えばオーブントースタ等の調理皿
のように比較的小さな皿として用いる場合には強度的に
問題はないが、高周波加熱調理器に使用されるような比
較的大型の皿として用いる場合には、加熱・衝撃などに
より変形してしまうという強度的な問題点があった。
【0007】また、この強度的な問題点を解決して実使
用に耐えられる強度にするためには基板の厚みを2mm
以上にする必要があるが、これではコスト高になり、製
品化には適さなくなってしまうという別の問題点が生じ
てしまう。
【0008】さらに、調理皿の持ち手の使用によってフ
ッ素樹脂が傷ついたり、剥離してしまうこともあり、こ
れにより基板が露出することになり、この露出部に錆が
発生してしまうという問題点があった。
【0009】一方、上記のような従来の調理皿64で
は、基板65が鋼板であり充分な強度を有しており、ホ
ーロー被膜66は70〜120ミクロンの厚さに施さ
れ、ホーロー被膜66の強度も充分に有しているので、
上述のアルミニウム製基板61とフッ素樹脂で形成した
調理皿60のように変形の恐れがなく、また、持ち手に
よるホーロー被膜66の剥離がなく、基板65が露出し
ないため露出部に錆が発生するという問題点は生じな
い。
【0010】しかしながら、調理皿64の場合、クッキ
ーの生地を調理皿に直接のせて焼くとクッキー表面がこ
びりついてしまい、クッキーの形をくずさずに取り出す
ことが難しく、また、クッキーがこげついてしまうとな
かなか落とすことができず、お湯につけたり、金属タワ
シを使用して洗うことになり、いずれも使い勝手や清掃
性が悪く、さらに金属タワシを使用するとホーロー面に
傷がついてしまうという問題点があった。
【0011】この発明は、上述のような課題を解決する
ためになされたものであり、高周波加熱調理器あるいは
炊飯器などの加熱調理器に使用される比較的大型の調理
皿あるいは深い調理容器であって、強度、調理物の取り
出し性及び清掃性に優れ、表面に傷がつきにくく、基板
の露出がなく、錆びることのない調理容器を得るもので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係る加熱調理
器の調理容器は、所定形状に成形され、ホーロー用鋼板
からなる基板と、この基板の表面に塗着されたホーロー
被膜と、このホーロー被膜に塗着され、フッ素樹脂から
なる第1コートと、を備えたものである。
【0013】また、ホーロー被膜へ第1コートを塗着す
る前に、ホーロー被膜の表面を荒らすものである。
【0014】また、ホーロー被膜の表面を荒す手段とし
て、酸液を使うものである。
【0015】また、酸液として硝酸を使用するものであ
る。
【0016】また、第1コートは、フッ素、ポリエーテ
ルスルホン、パーフルオロアルコキシルアルカンを融合
させて構成するものである。
【0017】また、第1コートに塗着され、フッ素樹脂
を主成分とする第2のコートと、を備えたものである。
【0018】また、第1コートは、フッ素、ポリアミド
イミドを融合させて構成するものである。
【0019】また、調理容器の被加熱物の収納部分にの
み、第1コートを塗着したものである。
【0020】また、調理容器の被加熱物の収納部分にの
み、第1コートと第2コートを塗着したものである。
【0021】また、ホーロー被膜と第1コートを同一色
にしたものである。
【0022】また、ホーロー被膜と第1コートと第2コ
ートを同一色にしたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1である加
熱調理器の調理皿(調理容器)の外観を示す斜視図、図
2はこの調理皿の一部断面図、図3は図2のA部の拡大
断面図、図4はこの調理皿を収容して加熱調理を行う加
熱調理器の一例である高周波加熱調理器の斜視図、図5
はこの加熱調理器の加熱室の断面図である。
【0024】図において、1は角形の調理皿であり、そ
の全周には調理皿1を調理皿載置部17(後述)に載置
するための折り曲げ部1aが形成される。2は調理皿1
の基板であり、板厚0.8mm程度のホーロー用鋼板で
形成される。3は基板2の表面と裏面全面に施され、耐
熱性を有し、第1コート4(後述)との密着性を向上さ
せるために酸性の液体からなる酸液で表面を荒らしたホ
ーロー被膜である。ここで、酸液は硝酸を使用し、これ
によりホーロー被膜3の溶解性と第1コート4(後述)
との密着性に優れた効果を奏する。
【0025】4はフッ素(PTFE)とポリエーテルス
ルホン(PES)とパーフルオロアルコキシルアルカン
(PFA)を融合させたものに、着色顔料、体質顔料、
有機溶剤等を添加して塗料として構成した第1コートで
あり、図1では斜線で示す。なお、フッ素(PTFE)
とポリエーテルスルホン(PES)、パーフルオロアル
コキシルアルカン(PFA)の重量比、あるいはパーフ
ルオロアルコキシルアルカン(PFA)の添加の有無
は、塗装条件、焼付塗装炉、使用条件等を考慮して最適
になるように適宜変化させる。
【0026】10は加熱調理器の本体であり、この加熱
調理器はマグネトロン(図示せず)によってマイクロ波
を放射して加熱調理する電子レンジ機能と、ヒータの熱
を供給して加熱調理する電気オーブン機能の2つの機能
を有する複合調理器である。11は加熱室、12は加熱
室11の前面に開閉自在に軸支されたドア、13は加熱
調理を制御するための操作パネルである。
【0027】14は加熱室11の上方に設けられ、マイ
クロ波加熱調理するためのマイクロ波を給電する上給電
口、15は加熱室11の下方に設けられ、マイクロ波加
熱調理するためのマイクロ波を給電する下給電口であ
る。16は加熱室11の下部に設置され、モータ22
(後述)によって回転するターンテーブル、17は加熱
室11の両側壁を突出させて形成し、調理皿1を載置す
る調理皿載置部であり、調理皿載置部17に調理皿1の
全周囲に形成された折り曲げ部1aが載置される。
【0028】18は加熱室11の上部に上ヒータ取付板
19によって取り付けられた上ヒータ、20は上ヒータ
18の上方に設置され、上ヒータ18の熱を加熱室11
内へ導くための反射板、21は加熱室11の下部に設置
された下ヒータ、22は加熱室11の下方に設置され、
ターンテーブル16を回転させるモータ、23はモータ
22の駆動軸であり、ターンテーブル16は駆動軸23
に着脱自在に取り付けられている。
【0029】次に、動作について説明する。まず、調理
皿1の製造方法について説明する。ホーロー用鋼板を所
定の形状、例えば折り曲げ部1aを有する角皿形状にプ
レス加工し、プレス加工品として基板2を形成する。次
に、このプレス加工品にホーローを施すための前処理と
して、トリクレン脱脂またはアルカリ脱脂等を用いて、
プレス加工品からプレス加工時に使用した油分を除去す
る。油分除去が終わるとプレス加工品にホーロー被膜3
を施す。
【0030】次に、第1コート4を施すための前処理と
して、ホーロー被膜3を有するプレス加工品を酸液、例
えば硝酸液の中に通すことにより、ホーロー表面を荒ら
す。このホーロー表面を荒らしたプレス加工品の表面、
すなわち調理物が載置される面に対して、フッ素(PT
FE)とポリエーテルスルホン(PES)とパーフルオ
ロアルコキシルアルカン(PFA)を融合させたもの
に、着色顔料、体質顔料、有機溶剤等を添加して構成し
た塗料を第1コート4として10〜15μm塗布する。
【0031】その後、第1コート4を施したプレス加工
品を380〜400℃で20〜30分加熱して、第1コ
ート4をホーロー被膜3を施した基板2上に焼き付け
る。以上の工程で、基板2の表面処理が完了し、調理皿
1が製造される。
【0032】なお、上記の製造方法では、第1コート4
の前処理として酸液に通してホーロー表面を荒らす方法
を示したが、この酸液に通す方法に代えてショットブラ
スト等の機械的な方法によりホーロー被膜3表面を荒ら
すことによって、塗料との密着性を向上させるようにし
てもよい。
【0033】次に、調理皿1の使用方法について説明す
る。まず、クッキーを焼く場合について説明する。クッ
キーの生地(図示せず)を調理皿1に直接載せ、このク
ッキーの生地が載せられた調理皿1を加熱室11内の調
理皿載置部17に載置する。その後、ドア12を閉塞
し、操作パネル13の所定のキー操作をすることによ
り、上ヒータ18及び下ヒータ21の熱が加熱室11内
に放熱され、自動的に加熱調理が行われ、クッキーが焼
き上がる。このとき、調理皿1の表面には第1コート4
が施されているので、クッキーは調理皿1の表面にこび
りつくことなく、調理終了後、容易に取り出すことがで
きる。
【0034】次に、加熱調理後、使用された調理皿1を
清掃する場合について説明する。例えば、とりのモモ肉
を加熱すると肉汁や調味料が調理皿1の表面にこびりつ
くが、調理皿1の表面に第1コート4が施されているの
で、スポンジ等で簡単に洗い落とすことができる。
【0035】また、万一、第1コート4であるフッ素樹
脂被膜が傷ついた場合でも、第1コート4の下にはホー
ロー被膜3が施されていることにより、基板2が露出せ
ず発錆する恐れがない。さらに、第1コート4とホーロ
ー被膜3の色をほぼ同色、例えばホーロー被膜3の色に
合わせて黒色、白色、灰色等にすることにより、万一第
1コート4の表面に傷がついても剥離部分が目立たなく
なる。
【0036】なお、この実施の形態1では、加熱室11
の両側壁を突出させて形成した調理皿載置部17に角形
状の調理皿1を載置してヒータ加熱調理する場合につい
て説明したが、調理皿1はこれに限定して用いられるも
のではなく、加熱室11の下部に設けたターンテーブル
16上に載置してマイクロ波を発振させるマイクロ波加
熱調理や、ヒータ加熱とマイクロ波加熱を併用する調理
に用いることも可能であり、この場合には調理皿1を円
盤形状にして用いるのがよい。
【0037】実施の形態2.図6はこの発明の実施の形
態2である加熱調理器の調理皿(調理容器)の一部断面
図、図7は図6のB部の拡大断面図である。なお、調理
皿の外観形状は、コート部分を除き図1と同様のため、
説明を省略する。図において、実施の形態1と同一また
は相当部分には同一符号を付け、説明を省略する。5は
調理皿6(後述)の第1コート4の表面に塗布されたフ
ッ素(PTFE)を主成分とした第2コート、6は折り
曲げ部6aが形成された調理皿である。
【0038】次に、調理皿6の製造方法について説明す
る。まず、実施の形態1と同様に、プレス加工、油分除
去、ホーロー被膜付け、酸液による表面荒し、第1コー
ト4の塗布を行う。すなわち、ホーロー用鋼板から成る
基板2の上にホーロー被膜3を施し、ホーロー表面3を
酸液で荒らし、そのホーロー表面3上に、フッ素(PT
FE)とポリエーテルスルホン(PES)とパーフルオ
ロアルコキシルアルカン(PFA)を融合させたもの
に、着色顔料、体質顔料、有機溶剤等を添付して構成し
た第1コート4を施し、角形状の調理皿6を製造する。
【0039】次に第1コート4を施した調理皿6を10
0〜150℃で乾燥させて、その後、常温まで冷却し、
第1コート4の上にフッ素(PTFE)を主成分とした
塗料を第2コート5として10〜15μm塗布する。第
2コート5を施した調理皿6を380〜400℃で20
〜30分加熱して第2コート5を第1コート4上に焼き
付ける。この第2コート5の塗布により、実施の形態1
の調理皿1に較べて調理物の取り出し性及び清掃性がさ
らに向上する。
【0040】なお、ホーロー被膜3と第1コート4及び
第2コート5の色をほぼ同色にすることにより、第2コ
ート5と第1コート4に傷がついても目立たなくなる。
【0041】実施の形態3.上記実施の形態2では第1
コート4はフッ素(PTFE)とポリエーテルスルホン
(PES)とパーフルオロアルコキシルアルカン(PF
A)を融合させた塗料の例を示したが、この塗料に代え
てフッ素(PTFE)とポリアミドイミド(PAI)を
融合させた塗料を使用してもよい。これにより、第1コ
ート4が未乾燥の状態でも第2コート5を塗布でき、焼
き付けることができる。よって、実施の形態2に比べて
調理皿1を乾燥させる工程を省くことができる。
【0042】実施の形態4.図8はこの発明の実施の形
態4である加熱調理器の調理皿(調理容器)の外観を示
す斜視図、図9はこの調理皿の一部断面図、図10はこ
の調理皿を加熱室内から取り出す時の調理皿の取り出し
状態を示す図である。
【0043】図において、実施の形態1と同一または相
当部分には同一符号を付け、説明を省略する。7は角形
の調理皿であり、その全周には実施の形態1と同様の折
り曲げ部7aが形成されている。30はヒータ加熱調理
後、加熱されている調理皿7を加熱室11内から取り出
すために設けられた金属製の持ち手である。なお、図8
では第1コート4を斜線で示す。
【0044】次に、調理皿7の製造方法について説明す
る。まず、実施の形態1と同様にプレス加工、油分除
去、ホーロー被膜付け、酸液による表面荒しを行う。次
に、食品載置面である調理皿7底部の表面以外の部分に
第1コート4が塗布されないようにマスキングし、第1
コート4を塗布する。第1コート4を施した調理皿7を
実施の形態1と同様に380〜400℃で20〜30分
加熱する。以上の工程で、第1コート処理が完了し、ほ
ぼ食品が載置される表面の区域のみに第1コート4が施
された調理皿7が完成する。
【0045】また、実施の形態2のように調理皿表面の
第1コート4の上に第2コート5を第1コート処理と同
様にマスキングをして塗布すればさらに調理物の取り出
し性や清掃性が向上する。
【0046】さらに、実施の形態2と同様にホーロー被
膜3と第1コート4及び第2コート5の色をほぼ同色に
することで第1コート4及び第2コート5の塗布面とホ
ーロー被膜3面との境界線が目立たなくなるので調理皿
7が美麗に完成するとともに、第2コート5と第1コー
ト4に傷がついても目立たなくなる。
【0047】次に、取手30を用いて調理皿7を加熱室
11内から取り出す動作について説明する。まず、調理
皿7の外周に形成されている折り曲げ部7aに持ち手3
0の切り欠き部を引っかけるようにして取り付け、折り
曲げ部7aを持ち手30で挟む。次に、調理皿7を調理
皿載置部17の上をスライドさせるように引き出して加
熱室11内から取り出す。
【0048】この時に、調理皿7と持ち手30の接触部
は、第1コート4あるいは第1コート4と第2コート5
が塗布されておらず、比較的表面強度の強いホーロー被
膜3の面からなるので、ホーロー被膜3の面が持ち手3
0によって傷つけられることがない。また、調理皿載置
部17への収納・取り出し時にも折り曲げ部7aの表面
が傷つけられることがない。さらに、食品載置面には第
1コートのみ、あるいは第1コート4と第2コート5が
施されているので、食品の焦げ付きがなく、清掃性がよ
い。
【0049】実施の形態5.図11は、この発明を適用
する加熱調理器の他の一例である炊飯器の縦断面図、図
12はその炊飯器に用いる調理容器の縦断面図、図13
はこの調理容器の一部拡大断面図、図14は図13のC
部の拡大断面図である。
【0050】図において、31は本体で、ポリプロピレ
ン樹脂製の上部を開口した筒状の上ケース32と、同じ
く有底筒状の下ケース33とから構成される。34は上
ケース32の上部開口に嵌合固定した耐熱樹脂製の環状
上枠、35は本体31内に設けた耐熱樹脂からなる有底
筒状の下部保護枠、36は下端部を下部保護枠35の上
端部に接合し上端部を上枠34の開口部に接合した金属
製の上部保護枠で、これら上下の保護枠でその内側に後
述する調理容器の収納空間37を形成している。
【0051】38は、下部保護枠35の外側で後述する
調理容器の底面部中心に対向して配置固定したリング状
の加熱コイル、39は下部保護枠35の調理容器の外側
面下部に対向し、かつ加熱コイル38と同心状に配置固
定した加熱コイルで、両加熱コイルは電気的に直列に接
続される。40はこれら加熱コイル38、39の上から
下部保護枠35に接着剤にて固定されたフェライト、4
1は下部保護枠35の中央付近にて収納空間37内に突
出し調理容器の底面に当接する温度検出器、42は加熱
コイル38、39に高周波電流を供給するインバータ回
路からなる制御部、43は下ケース33の底部に開口し
た吸気孔、44は下ケース33の吸気孔43から離間し
た位置に開口した排気孔で、送風機45により吸気孔4
3から吸い込まれた外気は下ケース33と下部保護枠3
5との間の空間を経て排気孔44に至る。
【0052】46は上部保護枠36の外周に配置した保
温ヒータ、47は本体31の上部にヒンジ部48にて取
り付けた蓋体で、調理容器の開口を開閉自在に覆う。4
9は蓋体47を閉じた状態に本体31にロックするロッ
ク機構、50は蓋体46の内側に設けたステンレス材
(SUS304)からなる放熱板で、内側に蓋ヒータ5
1を取り付けている。
【0053】52は上記本体31の収納空間37に収納
した有底筒状の調理容器で、開口縁部に水平にフランジ
52aを上枠34に載置状態にして収納空間37に収納
される。
【0054】次にこの調理容器52の詳細について、図
12〜図14を使って説明する。53はこの調理容器5
2の基板であり、板厚0.8mm〜1.2mm程度のホーロ
ー用鋼板でプレス加工などの加工方法により絞り成形加
工される。54は基板53の表面全面に施され、耐熱性
を有し、第1コート55(後述)との密着性を向上させ
るために酸性の液体からなる酸液で表面を荒したホーロ
ー被膜である。ここで、酸液は硝酸を使用し、これによ
りホーロー被膜54の溶解性と第1コート55(後述)
との密着性に優れた効果を奏する。
【0055】55はフッ素(PTFE)とポリエーテル
スルホン(PES)とパーフルオロアルコキシルアルカ
ン(PFA)を融合させたものに、着色顔料、体質顔
料、有機溶剤等を添加して塗料として構成した第1コー
トであり、図14では斜線で示す。なお、フッ素(PT
FE)とポリエーテルスルホン(PES)、パーフルオ
ロアルコキシルアルカン(PFA)の重量比、あるいは
パーフルオロアルコキシルアルカン(PFA)の添加の
有無は、塗装条件、焼付塗装炉、使用条件等を考慮して
最適になるように適宜変化させる。
【0056】次に、調理容器52の製造方法について説
明する。ホーロー用鋼板を所定の形状、例えば折り曲げ
部52aを有する円筒形状にプレス加工し、プレス加工
品として基板53を形成する。次に、このプレス加工品
にホーローを施すための前処理として、トリクレン脱脂
またはアルカリ脱脂等を用いて、プレス加工品からプレ
ス加工時に使用した油分を除去する。油分除去が終わる
とプレス加工品にホーロー被膜54を施す。
【0057】次に、第1コート55を施すための前処理
として、ホーロー被膜55を有するプレス加工品を酸
液、例えば硝酸液の中に通すことにより、ホーロー表面
を荒らす。このホーロー表面を荒らしたプレス加工品の
表面、すなわち米と水が収納される面に対して、フッ素
(PTFE)とポリエーテルスルホン(PES)とパー
フルオロアルコキシルアルカン(PFA)を融合させた
ものに、着色顔料、体質顔料、有機溶剤等を添加して構
成した塗料を第1コート55として10〜15μm塗布
する。
【0058】その後、第1コート55を施したプレス加
工品を380〜400℃で20〜30分加熱して、第1
コート55をホーロー被膜54を施した基板53上に焼
き付ける。以上の工程で、基板53の表面処理が完了
し、炊飯器用の調理容器52が製造される。
【0059】なお、上記の製造方法では、第1コート5
5の前処理として酸液に通してホーロー表面を荒らす方
法を示したが、この酸液に通す方法に代えてショットブ
ラスト等の機械的な方法によりホーロー被膜54表面を
荒らすことによって、塗料との密着性を向上させるよう
にしてもよい。
【0060】次に動作について説明する。所定量の米と
水を入れた調理容器52を本体31の収納空間37に収
納して蓋体47を閉じ、蓋体47をロック機構48にて
ロックし、電源を投入すると、加熱コイル38、39に
インバータ回路を介して高周波電流が供給され、交番磁
界が発生する。この交番磁界によってこれら加熱コイル
38、39に対向した調理容器52が発熱する。
【0061】調理容器52内は全体がほぼ均一な温度で
加熱状態が得られる。このとき、蓋ヒータ51にも通電
されて発熱し、放熱板50を介して米、水を上方から加
熱する。このようにして、制御部が予め設定された予
熱、炊飯、蒸らしの各工程の順に加熱コイルによる発熱
を制御することにより炊飯のための一連の動作が行われ
る。炊飯工程が終了すると、炊き上がった米飯の保温動
作が実行される。この保温動作では加熱コイル38、3
9、保温ヒータ46、及び蓋ヒータ51による発熱量を
制御して米飯を所定の保温温度に維持する。
【0062】このように、この発明を炊飯器の調理容器
に用いた場合も、加熱・衝撃などにより調理容器が変形
してしまうおそれがなく、また、調理容器に米飯がこび
りつかず、使用後には簡単に洗い流せるという効果を得
ることができる。また、万一、第1コート55であるフ
ッ素樹脂被膜が傷ついた場合でも、第1コート55の下
にはホーロー被膜54が施されているため、基板53が
露出せず錆びることがない。
【0063】さらに、第1コート55とホーロー被膜5
4の色をほぼ同じ色にすれば、万一第1コート55の表
面に傷がついても剥離部分が目立たなくなる。また、上
記実施の形態2または3のように、第1コート55上に
フッ素樹脂を主成分とする第2コートを塗布すれば、米
飯の取り出し性及び清掃性が更に向上する。
【0064】なお、上記の説明では、誘導加熱方式の炊
飯器について説明したが、ヒータ加熱方式の炊飯器の調
理容器として用いても同様の効果を得ることができる。
また、ホットプレート等の他の加熱調理器の調理容器に
この発明を用いても同様の効果を得ることができる。
【0065】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に示すような効果を奏する。
【0066】調理容器の基板をホーロー用鋼板とし、ホ
ーロー被膜を塗着した後、フッ素樹脂からなる第1コー
トを塗着したので、調理容器の形状が比較的大型になっ
た場合あるいは深くなった場合であっても、強度、調理
物の取り出し性、清掃性及び耐腐食性に優れている。
【0067】また、ホーロー被膜へ第1コートを塗着す
る前に、ホーロー被膜の表面を荒らすので、ホーロー被
膜の第1コートとの密着性に優れる。
【0068】また、ホーロー被膜の表面を荒す手段とし
て酸液を用いたので、ホーロー被膜が確実に粗面化する
ことにより、第1コートとの密着性が向上する。
【0069】また、酸液として硝酸を使用するので、ホ
ーロー被膜の溶解性と第1コートとの密着性が更に優れ
る。
【0070】また、第1コートは、フッ素、ポリエーテ
ルスルホン、パーフルオロアルコキシルアルカンを融合
させて構成するので、ホーロー被膜に対して接着性がよ
く、調理物の取り出し性及び清掃性をさらに向上させ
る。
【0071】また、フッ素樹脂を主成分とする第2コー
トを第1コートに塗着するので、接着性がよく、調理物
の取り出し性及び清掃性をさらに向上させることがで
き、さらに第1コート、第2コートの剥離が発生しにく
い。
【0072】また、第1コートはフッ素、ポリアミドイ
ミドを融合させて構成し、フッ素を主成分とする第2コ
ートを第1コートに塗着するので、コーティング処理を
簡易迅速に行うことができ、製造性が向上する。
【0073】また、調理皿の被加熱物の載置部分にの
み、第1コートを塗着したので、傷がつきにくく、外観
を損なわず、清掃性や調理物の取り出し性が向上する。
【0074】また、調理皿の被加熱物の載置部分にの
み、第1コートと第2コートを塗着したので、傷がつき
にくく、外観を損なわず、清掃性や調理物の取り出し性
が向上する。
【0075】また、ホーロー被膜と第1コートを同一色
にしたので、傷による第1コートの剥離が目立たなくな
る。また、第1コートとホーロー被膜の境界線も目立た
なく、外観が著しく向上する。
【0076】また、ホーロー被膜と第1コートと第2コ
ートを同一色にしたので、傷による第1コート及び第2
コートの剥離が目立たなくなる。また、第1コート及び
第2コートとホーロー被膜の境界線も目立たなく、外観
が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における加熱調理器
の調理皿の斜視図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における加熱調理器
の調理皿の一部断面図である。
【図3】 図2のA部の拡大断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態1における加熱調理器
の調理皿を収容して加熱調理を行う加熱調理器の斜視図
である。
【図5】 図4の加熱調理器の断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態2における加熱調理器
の調理皿の一部断面図である。
【図7】 図6のB部の拡大断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態4における加熱調理器
の調理皿の斜視図である。
【図9】 この発明の実施の形態4における加熱調理器
の調理皿の一部断面図である。
【図10】 この発明の実施の形態4における調理皿を
加熱室内から取り出す時の調理皿の取り出し状態を示す
図である。
【図11】 この発明の実施の形態5における炊飯器の
縦断面図である。
【図12】 この発明の実施の形態5における炊飯器の
調理容器の縦断面図である。
【図13】 この発明の実施の形態5における炊飯器の
調理容器の一部拡大断面図である。
【図14】 図13のC部拡大断面図である。
【図15】 従来のオーブントースタの調理皿の一部拡
大断面図である。
【図16】 従来の高周波加熱調理器の調理皿の部分断
面図である。
【図17】 図16のD部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 調理皿、2 基板、3 ホーロー被膜、4 第1コ
ート、5 第2コート、6 調理皿、7 調理皿、10
加熱調理器、11 加熱室、31 炊飯器本体、52
調理容器、53 基板、54 ホーロー被膜、55
第1コート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松木 秀雄 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地1 三菱電機ホーム機器株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱調理器に収容され、被加熱物が収納
    される調理容器において、 所定形状に成形され、ホーロー用鋼板からなる基板と、 この基板の表面に塗着されたホーロー被膜と、 このホーロー被膜に塗着され、フッ素樹脂からなる第1
    コートと、を備えたことを特徴とする加熱調理器の調理
    容器。
  2. 【請求項2】 前記ホーロー被膜へ前記第1コートを塗
    着する前に、前記ホーロー被膜の表面を荒らすことを特
    徴とする請求項1記載の加熱調理器の調理容器。
  3. 【請求項3】 前記ホーロー被膜へ前記第1コートを塗
    着する前に、酸液を用いて前記ホーロー被膜の表面を荒
    らすことを特徴とする請求項2記載の加熱調理器の調理
    容器。
  4. 【請求項4】 前記酸液として硝酸を使用することを特
    徴とする請求項3記載の加熱調理器の調理容器。
  5. 【請求項5】 前記第1コートは、フッ素、ポリエーテ
    ルスルホン、パーフルオロアルコキシルアルカンを融合
    させて構成することを特徴とする請求項1記載の加熱調
    理器の調理容器。
  6. 【請求項6】 前記第1コートに塗着され、フッ素樹脂
    を主成分とする第2コートと、を備えたことを特徴とす
    る請求項1記載の加熱調理器の調理容器。
  7. 【請求項7】 前記第1コートは、フッ素、ポリアミド
    イミドを融合させて構成することを特徴とする請求項6
    記載の加熱調理器の調理容器。
  8. 【請求項8】 前記調理容器の被加熱物の収納部分にの
    み、前記第1コートを塗着したことを特徴とする請求項
    1記載の加熱調理器の調理容器。
  9. 【請求項9】 前記調理容器の被加熱物の収納部分にの
    み、前記第1コートと前記第2コートを塗着したことを
    特徴とする請求項6記載の加熱調理器の調理容器。
  10. 【請求項10】 前記ホーロー被膜と前記第1コートを
    同一色にしたことを特徴とする請求項1または請求項8
    記載の加熱調理器の調理容器。
  11. 【請求項11】 前記ホーロー被膜と前記第1コートと
    前記第2コートを同一色にしたことを特徴とする請求項
    6または請求項9記載の加熱調理器の調理容器。
JP14858598A 1997-06-03 1998-05-29 加熱調理器の調理容器 Pending JPH1146986A (ja)

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JP9-145196 1997-06-03
JP14519697 1997-06-03
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100365438B1 (ko) * 2000-06-14 2002-12-26 임덕재 금속 소재를 멀티 코팅하는 방법
JP2011021815A (ja) * 2009-07-16 2011-02-03 Panasonic Corp 加熱調理器
WO2023173996A1 (zh) * 2022-03-15 2023-09-21 广东美的厨房电器制造有限公司 烹饪设备

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