JPH08196416A - 調理器 - Google Patents

調理器

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JPH08196416A
JPH08196416A JP1211895A JP1211895A JPH08196416A JP H08196416 A JPH08196416 A JP H08196416A JP 1211895 A JP1211895 A JP 1211895A JP 1211895 A JP1211895 A JP 1211895A JP H08196416 A JPH08196416 A JP H08196416A
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container
inner frame
heating
coating layer
pot
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JP1211895A
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Kazuya Miyake
一也 三宅
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Toshiba Home Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内枠から鍋を取り出すときの火傷を防ぐ。鍋
の外面を清掃しやすくするとともに、腐食しにくくす
る。 【構成】 誘導加熱用の誘導コイル14を備えた内枠2内
に鍋4を着脱自在に収容する。この鍋4は、有底筒状
で、上部の外側に取手部5を有する。鍋4は、金属製で
あるが、取手部5を含めて鍋4の外面にプラスチック製
のコーティング層を形成する。 【効果】 炊飯直後あるいはその後の保温時に、鍋4を
取り出そうとしたときでも、コーティング層により火傷
を防止できる。このコーティング層により、清掃性、耐
蝕性も向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炊飯器などの調理器に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば炊飯器などの特定の加熱装置にて
容器を加熱する調理器では、その使用にあたって、調理
物を収容した鍋などの容器を器本体の内枠内に収容する
とともに、この内枠に備えた容器加熱手段により調理加
熱を行い、調理後に、容器の清掃や次の調理準備のため
に、内枠から容器を外すようにしている。
【0003】前記容器の材質としては、アルミニウムな
どの金属が用いられており、特に容器を電磁誘導加熱す
る調理器では、フェライト系ステンレスなどの磁性金属
材料も用いている。また、容器の内面には、弗素樹脂な
どの非粘着性を有するコーティングなどの表面処理を施
しているものが多い。一方、容器の外面は、特に表面処
理を施したものは従来少ないが、容器の外面にも表面処
理を施したものでは、従来、容器の外面の表面処理は、
例えば容器がアルミニウムからなる場合、アルマイトが
用いられている。また、フライパンや多用途鍋では、別
体の取手がついており、持つときに取手を把持するよう
になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の調
理器では、容器の外面が基本的に金属により構成されて
いるため、次のような問題があった。まず、容器は、調
理直後 100℃に近い高温になっており、また、調理後に
保温を続けるものでは、保温中70℃前後の高温になって
いるため、そのときに容器を外すために、誤って素手で
容器に触れると、火傷のおそれがある。
【0005】また、容器の外面にご飯粒などの調理物が
付着した状態で、内枠に容器を入れて調理を行うと、調
理加熱時の熱により、容器の外面にご飯粒などが焦げつ
いて付着し、清掃時にとりにくくなる。
【0006】また、清掃時に付着した水が容器の外面に
あるままで、この容器を内枠に入れると、水は容器底部
の内枠との隙間に流れ落ち、内枠の内底面に溜まった水
が調理加熱時に加熱されて蒸気になり、この蒸気が前記
隙間に充満し、容器外面を腐食する原因になる。特に容
器の材質を電磁誘導加熱のためにフェライト系ステンレ
スなどにしたものでは、容器の外面が腐食しやすい。
【0007】また、調理器本体の大きさを抑制するため
に、容器の外側面と調理器本体の内枠との隙間を 0.5〜
3mm程度の狭い隙間にした場合、内枠内に容器を入れる
とき、容器の外側面と内枠の内面との接触抵抗により、
容器の収容がしにくくなる。
【0008】特に電磁誘導加熱式の調理器では、プラス
チック製にした内枠の外面に誘導加熱用の誘導コイルを
設けているため、金属からなる容器が内枠に接触する
と、この内枠が傷付きやすい。
【0009】さらに、製造において、容器の内面に対す
る弗素樹脂系コーティングなどの表面処理に加えて、容
器の外面にもアルマイトなどの表面処理を施すと、表面
処理工程が多くなり、製造性が悪化する。
【0010】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、別体の取手を設けなくても、容器を持つ
ときの火傷の危険を抑制でき、容器の外面に汚れが付着
しにくく、汚れが付着しても簡単に清掃できるととも
に、使用中に容器の外面が腐食する危険を抑制できる調
理器を提供することを第1の目的とする。さらに、この
調理器において、通常使用時や異常温度上昇時の熱によ
り容器の外面が劣化するのを防止することを第2の目的
とする。また、容器の表面処理に関わる製造工程を簡素
化することを第3の目的とする。また、特に電磁誘導加
熱式の調理器において、容器を内枠に入れるときに、こ
のプラスチック製の内枠が傷付くのを防止することを第
4の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の調理器
は、前記第1の目的を達成するために、底部から上部に
かけて直径が大きくなる傾斜側面を有する有底筒状で、
上部の外側に取手部を形成した金属製の容器と、この容
器を加熱する加熱手段と、この加熱手段を有し前記容器
を着脱自在に収容する内枠とを備え、前記容器の取手部
を含む外面にプラスチック製のコーティング層を形成し
たものである。
【0012】請求項2の発明は、請求項1の発明の調理
器において、前記第2の目的をも達成するために、前記
加熱手段の通断電により加熱を制御する加熱制御手段
と、異常温度上昇時に前記加熱手段を断電する安全装置
とを備え、前記加熱制御手段の管理温度および前記安全
装置の動作温度は、前記容器の外面のコーティング層の
溶融温度以下に設定したものである。
【0013】請求項3の発明は、請求項1の発明の調理
器において、前記第3の目的をも達成するために、前記
容器の内面に、前記外面のコーティング層と同程度の耐
熱性を有するプラスチック製のコーティング層を形成し
たものである。
【0014】請求項4の発明は、請求項1の発明の調理
器において、前記第4の目的をも達成するために、前記
容器の材質は磁性金属材料とし、前記内枠の材質はプラ
スチック材料にし、前記容器の底部と内枠との間に隙間
を形成し、前記内枠の底外面に、前記容器を電磁誘導加
熱する誘導コイルを設けたものである。
【0015】
【作用】請求項1の発明の調理器では、調理にあたっ
て、調理物を収容した容器を内枠内に収容し、内枠に備
えた加熱手段により容器を加熱する。また、調理後の清
掃あるいは次の調理の準備のためには、内枠から容器を
取り出す。容器の着脱時には、容器の外面、特に上部の
取手部を持つことになるが、この取手部を含めて容器の
外面にはプラスチック製のコーティング層があり、これ
により、別体の取手を設けなくても、火傷などの危険が
抑制される。それに加えて、容器の外面に汚れが付着し
にくく、汚れが付着しても簡単に清掃できるとともに、
内枠と容器との間の隙間に生じた蒸気による腐食が容器
の外面に生じにくい。
【0016】請求項2の発明の調理器では、調理時、加
熱制御手段が加熱手段の通断電により加熱を制御し、ま
た、異常温度上昇時には、安全装置が加熱手段を断電す
る。ここで、加熱制御手段の管理温度および安全装置の
動作温度は、容器の外面のコーティング層の溶融温度以
下であり、したがって、通常使用時や異常温度上昇時の
熱により容器の外面が劣化したりはしない。
【0017】請求項3の発明の調理器では、製造に際
し、容器の内面に、外面のコーティング層と同程度の耐
熱性を有するプラスチック製のコーティング層を形成
し、容器の内外面の表面処理をほぼ同一のものとしてい
る。
【0018】請求項4の発明の調理器では、内枠の底外
面に設けた誘導コイルにより、磁性金属材料からなる容
器を電磁誘導加熱する。そのため、内枠の材質はプラス
チック材料にしてあるが、容器の底部と内枠との間に隙
間があることに加えて、容器の外面にプラスチック製の
コーティング層があることにより、内枠に容器を収容す
るとき、両者の接触により損傷が生じることが防止され
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の調理器の一実施例について、
図面を参照しながら説明する。本実施例の調理器は炊飯
器であるが、その全体断面図である図1において、1は
器本体であり、これは上面を開口した有底筒状の内枠2
と、この内枠2を内部に備え器本体1の外殻を形成する
外枠3とにより構成されている。内枠2は、ガラス繊維
入りポリアミド樹脂などのプラスチック製で、射出成形
などにより、この内枠2内に着脱自在に収容される容器
である鍋4の外面形状にほぼ相似した形状に形成されて
いる。外枠3もプラスチックの成形品である。
【0020】鍋4の形状は、上面を開口した有底筒状で
あるが、下部から上部にかけて直径が次第に大きくなる
ように傾斜した側面を有している。そして、鍋4の底外
面の最下部、つまりテーブルなどに置いたときにこのテ
ーブル上に接する部分の直径は、外側面下部の直径の半
分以下になっている。また、鍋4の外側面の最上部に
は、水平に外方へ突出したフランジ状の取手部5が形成
されている。この取手部5は、鍋4の外側面上部の全周
に形成してもよいし、部分的に設けてもよい。そして、
鍋4は、その取手部5が内枠2の上端面上に載ることに
より支持され、内枠2とその内部に収容された鍋4との
間に、取手部5を除いて所定の隙間である第1の空間6
が形成されるようになっている。また、鍋4は、熱伝導
性および耐蝕性に優れたA3004系のアルミニウム材
料を主体にした主体部7と、この主体部7の外面部に設
けられた発熱層8とを備えている。この発熱層8は、主
体部7の加熱のためのもので、SUS430などのフェ
ライト系ステンレスなどの磁性金属材料からなってい
る。前記主体部7をなすアルミニウム材料などの高熱伝
導材料と、発熱層8をなす磁性金属材料とは、各々所定
の材厚、例えば高熱伝導材料1〜3mm、磁性金属材料
0.2〜 0.6mmの平板を予め重ね合わせて接合したクラッ
ド鋼板を使用してプレス成形したもの、あるいは、最初
に磁性金属材料を所定の鍋形状に成形した後に、その内
面に高熱伝導材料を溶湯鍛造法などにより接合したもの
などにより形成する。
【0021】前記鍋4の内面側の高熱伝導材料層からな
る主体部7の表面は、アルミナ粉末などでブラスト処理
を施して粗面化し、FEP樹脂を主体にした塗料で塗装
した後、 200℃で15分程度乾燥し、プライマー層を形成
する。つぎに、このプライマー層の表面に、このプライ
マー層と異なる色のFEP樹脂を主体にした塗料でパッ
ド印刷などにより水位線を所定の位置に印刷する。つぎ
に、透明色のPFA樹脂を主体にした塗料を塗装し、そ
の後、380 ℃で20分程度乾燥して、鍋4の内面に弗素系
プラスチックを主体にしたコーティング層9(図2に図
示)を形成する。一方、前記鍋4の外面側の磁性金属材
料層からなる発熱層8の表面は、アルミナ粉末などでブ
ラスト処理を施して粗面化し、ポリエーテルサルフォン
樹脂とPTFE樹脂を主体にした塗料で塗装し、360 ℃
で15分程度乾燥して、取手部5を含めた鍋4の外面に弗
素系プラスチックを主体にしたコーティング層10(図2
に図示)を形成する。以上の説明から明らかなように、
鍋4の内外面のコーティング層9,10は、同程度の耐熱
性を有している。なお、鍋4の内外面のコーティング層
9,10の形成は、どちらが先でもよい。また、プライマ
ー層の色と外面コーティング層10の色とは、同色系の色
でも異なる色調でもよいが、好ましくは同色系の色調に
し、鍋4の外面上部の取手部5の最外周縁部に位置す
る、鍋4の内外面のコーティング層9,10の境目がわか
りにくくした方が、外観上好ましい。
【0022】11はコイルベースで、このコイルベース11
は、FR−PET樹脂などのプラスチック製で、射出成
形などにより、前記内枠2の底部から外周下部の周辺形
状に相似した形状に形成されている。そして、コイルベ
ース11は、前記外枠3の上面部から垂設されたコイルベ
ース取付部12の下側に取り付けられている。また、コイ
ルベース11は、前記内枠2の下部外方に位置している
が、この内枠2との間に所定の隙間である第2の空間13
が形成されている。そして、コイルベース11の凸状の外
面すなわち下面には、前記鍋4の発熱層8と所定の距離
を隔てて位置しこの発熱層8を電磁誘導により加熱する
加熱手段である誘導コイル14が装着されている。この誘
導コイル14は、コイルベース11の中心と同心的に螺旋状
に巻き付けられているとともに、このコイルベース11、
前記第2の空間13、内枠2および第1の空間6を挟んで
前記鍋4の底部および側面下部に対向している。また、
誘導コイル14を露出しないように外側から覆うファライ
トコアベース15がコイルベース11に取り付けられてい
る。このファライトコアベース15は、FR−PET樹脂
などのプラスチック製である。そして、このファライト
コアベース15の外側に、誘導コイル14の巻き方向と直交
させて複数のフェライトコア16が設けられている。この
フェライトコア16は、酸化鉄を主原料とし高透磁率を有
する材料を焼結させたものである。さらに、アルミニウ
ム材料からなり磁束の漏れを防止する防磁板17が誘導コ
イル14の外面に対向させて設けられている。なお、製造
に際しては、コイルベース11に誘導コイル14を巻き付け
た後、この誘導コイル14に所定の電流を流し、その素線
の発熱による熱融着によって、誘導コイル14をコイルベ
ース11に仮固定する。その後、誘導コイル14の外側にフ
ァライトコアベース15を取り付けて、誘導コイル14をコ
イルベース11に固定する。
【0023】また、前記内枠2の外側面上部には、この
内枠2の保温のための加熱手段であるコードヒータなど
からなる胴ヒータ21が設けられている。また、前記内枠
2の底部には、異常温度上昇時に電源を遮断して前記誘
導コイル14などの加熱手段を断電する安全装置である温
度ヒューズ22が設けられている。この温度ヒューズ22の
動作温度は、 150℃程度であり、プラスチック製の内枠
2の溶融温度(約 180℃)、コイルベース11の溶融温度
(約 220℃)および鍋4の内外面のコーティング層9,
10の溶融温度(約 250℃)よりも低い。さらに、前記コ
イルベース11の中央部上側には、前記鍋4の外面温度を
検出する負特性サーミスタからなる感熱部を備えた鍋セ
ンサ23が上下動自在に設けられている。この鍋センサ23
は、弾性部材であるスプリング24により上方へ付勢され
ているとともに、内枠2の底部を貫通して上方へ突出し
ており、鍋4の底面に接触するものである。また、鍋セ
ンサ23に固定されたスイッチレバー25がコイルベース11
を貫通して下方へ突出している。
【0024】また、前記器本体1内の下部には制御基板
26が設けられている。この制御基板26は、前記誘導コイ
ル14に所定の高周波電流を供給するためのインバータ回
路などを備えている。制御基板26には、前記スイッチレ
バー25により操作される開閉子27を有し鍋4の有無を検
出する鍋スイッチ28も設けられている。すなわち、鍋4
が内枠2内に収容されていないと、スプリング24により
押されて鍋センサ23とともに上昇したスイッチレバー25
が開閉子27を持ち上げ、一方、鍋4が収容されると、こ
の鍋4により鍋センサ23およびスイッチレバー25が押し
下げられて開閉子27も下がる。これにより、鍋4の有無
が検出される。
【0025】一方、器本体1内の後部には、内枠2と外
枠3との間に空間31が形成され、この空間31内に加熱制
御基板32が配置されている。この加熱制御基板32には、
誘導コイル14による鍋4への加熱量を調節し、かつ、前
述のインバータ回路やIGBT素子などのスイッチング
素子33を制御する制御回路が設けられている。また、ス
イッチング素子33は、誘導コイル14の高周波電流の通断
電を駆動する通断電駆動手段を構成するものであり、誘
導コイル14の駆動時に発熱する発熱部品として、加熱制
御基板32の下方に設けられており、放熱器34が取り付け
られている。さらに、外枠3の背面上部には、加熱制御
基板32の上方に位置して排気口35が設けられているとと
もに、外枠3の背面下部および底部には、加熱制御基板
32の下方に位置して吸気口36が設けられている。さら
に、前記外枠3の底部前側には、電源コード37を巻き取
るコードリール38が設けられている。
【0026】41は、前記鍋4の上部開口部を開閉自在に
覆う蓋体である。この蓋体41は、例えばポリプロピレン
樹脂などからなる外蓋42と、この外蓋42の下側外周に沿
って設けられた外蓋カバー43と、外蓋42の下側に空間を
形成しつつ取り付けられたアルミニウム材料からなる放
熱板44とにより構成され、さらにこの放熱板44の下部に
は、鍋4の上面開口部を塞ぐ内蓋45が内蓋押え46を介し
て着脱自在に設けられている。また、47は外蓋カバー43
と放熱板44との間に挟んで保持された円環状の蓋パッキ
ンであり、蓋体41の閉塞時に、この蓋パッキン47の下端
が鍋4の取手部5に密着する。蓋体41の前側にはクラン
プボタン48が設けられ、このクランプボタン48を押動操
作することによって、蓋体41の後側に設けられたヒンジ
49を回転中心として蓋体41を開くことができる。一方、
蓋体41の下面を形成する前記放熱板44の上面すなわち裏
面には、炊飯および保温中に放熱板44を加熱する蓋加熱
手段として、コードヒータなどからなる蓋ヒータ51が設
けられている。また、この放熱板44の上面には、放熱板
44の温度を検出する蓋温度検出手段として、負特性サー
ミスタからなる蓋センサ52が設けられている。蓋ヒータ
51は、前記内枠2の胴ヒータ21と並列回路を構成してい
る。なお、53は鍋4からの蒸気を外部に排出する蒸気
口、54は外蓋42の上部に設けられた操作パネルである。
【0027】つぎに、炊飯器の回路構成を図3に基づい
て説明する。同図において、61はマイクロコンピュータ
であり、これは周知のように、マイクロプロセッサを構
成する制御装置62および演算装置63の他に、計時装置64
と、ROMおよびRAMなどからなる記憶装置65を備え
ている。マイクロコンピュータ61の入力側には、A/D
変換器からなる入力装置66が接続され、この入力装置66
を介して、前述の鍋センサ23,蓋センサ52および鍋スイ
ッチ28とともに、操作パネル54に設けられた操作手段た
る操作スイッチ67および停電検知回路68が接続される。
これに対して、マイクロコンピュータ61の出力側には出
力装置71が接続され、この出力装置71を介して、鍋4を
電磁誘導加熱する誘導加熱手段72と、胴ヒータ21および
蓋ヒータ51を同時に通断電制御するトライアックなどの
スイッチ手段を有するヒータ駆動手段73などが接続され
る。出力装置71には、これらの他に、炊飯や保温などの
動作状態を表示するLED表示手段74および時刻などを
表示する液晶表示器たるLCD表示手段75の表示を制御
する表示駆動手段76,77が接続されるとともに、炊飯の
終了を報知するブザー78の鳴動を制御するブザー駆動手
段79が接続される。マイクロコンピュータ61は、炊飯や
保温などの開始を行なう操作スイッチ67の操作信号と、
鍋センサ23および蓋センサ52からの温度データと、鍋ス
イッチ28からの鍋検出信号とを入力情報とし、この入力
情報に加えて計時装置64からの時間情報などにより、あ
らかじめ記憶装置65に設定した制御シーケンスにしたが
って、誘導加熱手段72,蓋ヒータ51および胴ヒータ21,
LED表示手段74,LCD表示手段75,ブザー78を制御
する。81は出力装置71に接続される停電バックアップ手
段であり、これは、停電時にマイクロコンピュータ61の
記憶装置65に記憶された内容を、マイコン駆動回路82に
より保持するものである。
【0028】前記誘導加熱手段72には、マイクロコンピ
ュータ61からの出力信号に基づき所定の高周波電流を供
給する高周波電流発生装置83と、その高周波電流値を可
変しつつ誘導コイル14に対する通断電を制御する出力調
節回路84とが設けられている。そして、高周波電流が誘
導コイル14に供給されると、この誘導コイル14に交番磁
界が発生して、その磁界中にある鍋4の発熱層8に渦電
流が発生し、この渦電流がジュール熱に変換されること
で、発熱層8が発熱して鍋4を加熱する構成になってい
る。
【0029】前記マイクロコンピュータ61は、加熱手段
である前記誘導コイル14、胴ヒータ21および蓋ヒータ51
の通断電により加熱を制御する加熱制御手段をなしてい
るが、この加熱制御において、炊飯時および保温時の鍋
センサ23の制御温度は、−10℃〜 130℃の温度範囲内で
管理する。例えば、調理物である米の吸水を促進する炊
飯前のひたし炊きは45℃〜70℃に温度制御し、炊飯加熱
を停止してむらしに移行する温度は 120℃にし、保温温
度は65℃〜72℃にする。また、炊飯時および保温時の蓋
センサ52の制御温度は、−10℃〜 120℃の温度範囲内で
管理する。例えば、むらし中は 110℃にし、保温中は69
℃〜76℃にする。これらの温度制御は、従来の炊飯器と
同じ構成である。そして、以上の説明から明らかなよう
に、加熱制御手段の管理温度は、プラスチック製の内枠
2、コイルベース11および鍋4の内外面のコーティング
層9,10の溶融温度よりも低い。
【0030】つぎに、前記の構成について、その作用を
説明する。調理すなわち炊飯にあたって、調理物である
米および水を収容した鍋4を内枠2内に収容し、操作ス
イッチ67を操作して炊飯を開始すると、記憶装置65に記
憶された制御シーケンスに基づき、所定の加熱パターン
にて調理物に対する加熱を開始する。すなわち、鍋セン
サ23および蓋センサ52による温度情報に基づき、米の吸
水を促進するひたし炊き行程と、強加熱により鍋4内の
水を沸騰させて米を糊化させる炊飯行程と、この炊飯行
程中に鍋4の底部の温度が 120℃に達したら、これを炊
き上げ終了と判断してむらしにする炊き上げ行程と、鍋
4内を高温に保持して粘化を完全に促進させるむらし行
程とを順次行ない、ご飯を炊く。むらし行程後は保温行
程に移行する。これらの各行程において、加熱量の制御
は、誘導コイル14、胴ヒータ21および蓋ヒータ51が適宜
通断電されて行われる。
【0031】なお、何らかの異常が生じて、温度ヒュー
ズ22の温度が 150℃以上まで上昇すると、この温度ヒュ
ーズ22が溶断して、誘導コイル14、胴ヒータ21および蓋
ヒータ51への通電が断たれる。
【0032】また、炊飯後に清掃を行ったり、あるい
は、次の炊飯の準備をするためには、蓋体41を開けて、
内枠2から鍋4を取り出す。この鍋4の着脱時には、鍋
4の外面、特に上部の取手部5を持つことになる。鍋4
を外そうとするとき、取手部5を含めて鍋4の外表面に
プラスチック製のコーティング層10があり、金属地肌が
露出していないことにより、炊飯直後や炊飯後の保温時
など、鍋4が高温のときに取手部5に誤って素手で触っ
ても、火傷などのおそれが少なくなる。これは、金属面
やアルマイト面に比べて、プラスチックの体感温度低下
作用が高く、また、熱放射がよくなることによる表面温
度の低下作用による。
【0033】また、鍋4の外表面にプラスチック製のコ
ーティング層10があることにより、鍋4の外面に汚れが
付着しにくい。そして、鍋4の外面にご飯粒などが付着
しても、金属面やアルマイト面に比べて表面状態が緻密
であるために、付着したご飯粒などが炊飯時などの加熱
により焦げついたとしても、清掃の際、簡単に取り除け
る。しかも、コーティング層10は弗素樹脂系であるた
め、非粘着性が得られることから、さらに清掃性がよく
なる。
【0034】さらに、使用中に、鍋4と内枠2との間の
第1の空間6で内枠2内の底部に溜まった水が加熱によ
り蒸発し、前記第1の空間6内に充満しても、蒸気が直
接鍋4の金属部に当たることがないので、鍋4の外面が
腐食しにくい。このようなコーティング層10によって得
られる耐蝕性は、本実施例のように、鍋4の外面側が比
較的錆びやすいフェライト系ステンレスからなるもので
は、特に有効である。
【0035】また、加熱制御手段の管理温度( 130℃以
下)および温度ヒューズ22の動作温度( 150℃)は、内
枠2の溶融温度(約 180℃)、コイルベース11の溶融温
度(約 220℃)および鍋4の外面のコーティング層10の
溶融温度(約 250℃)よりも低く設定したので、通常使
用時や異常温度上昇時に鍋4の外面部が溶けて、再使用
できなくなるようなことを防止できる。
【0036】これに対して、万一鍋4の外面部が溶けて
いた場合は、温度ヒューズ22もが故障していたような場
合とわかり、さらに、器本体1に異常がなくて鍋4の外
面部が溶けていた場合は、例えば鍋4を直接ガス火にか
けるなどの、当該の炊飯器以外の用途で使用していたこ
とが分かり、誤使用の確認ができる。
【0037】また、鍋4の内面に、外面のコーティング
層10と同程度の耐熱性を有するプラスチック製のコーテ
ィング層9を形成したので、鍋4の内面においても非粘
着性が得られるのはもちろんのこと、製造において、鍋
4の内外面の表面処理がほぼ同一であることにより、こ
れら内外面の表面処理を同一構成の製造設備により行
え、鍋4の外面の表面処理のために、別の設備に移動す
る手間がなくなり、製造工程を合理化、簡素化できる。
【0038】さらに、鍋4の内外面のコーティング層
9,10はいずれも弗素樹脂系であるため、相互に塗膜の
密着性がよく、取手部5の最外周端部の両コーティング
層9,10の境目から剥離しにくい利点もある。
【0039】また、鍋4は、傾斜側面の上部の外側に取
手部5がある形状なので、鍋4の外面を塗装するとき、
鍋4を上下逆にし、その上方より塗料を吹き付けて塗装
することにより、鍋4の外側面と取手部5の裏側に塗料
がかかりやすく、塗装がしやすくなる。
【0040】さらに、本実施例のような電磁誘導加熱式
の炊飯器で、内枠2がプラスチック製のものでは、もし
鍋の外面に金属が露出していると、内枠2に鍋4を収容
するとき、鍋の硬い金属外面によりプラスチック製の内
枠2の内面を傷付けてしまうおそれがあるが、本実施例
のように鍋4の外面にプラスチック製のコーティング層
10があれば、鍋4の外表面が軟化することにより、内枠
2を傷付けてしまうことがなくなる。
【0041】また、特に器本体1の大きさを抑制するた
めに、鍋4の外側面と内枠2との間の隙間を 0.5〜3mm
程度の狭い隙間にした場合でも、鍋4を内枠2内に入れ
るとき、鍋4の外側面と内枠2の内面との間の接触抵抗
が少なくなって、滑りやすくなることにより、内枠2に
鍋4を収容しやすくなり、使い勝手がよくなる。
【0042】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記実施例では炊飯器を例に採って説明したが、本発明
は、もちろん炊飯器以外の調理器にも適用できる。ま
た、調理用の加熱手段も、前記実施例のような誘導コイ
ルに限るものではなく、電熱ヒータなどであってもよ
い。さらに、鍋などの容器は、前記実施例のようにアル
ミニウムなどからなる主体部7とステンレスなどからな
る発熱層8とを合わせて2層にしたものに限らず、アル
ミニウムなどからなる単層のものであってもよい。
【0043】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、加熱手段を有
する内枠に着脱自在に収容される容器は、底部から上部
にかけて直径が大きくなる傾斜側面を有する有底筒状
で、上部の外側に取手部があるが、容器の取手部を含む
外面にプラスチック製のコーティング層を形成したの
で、別体の取手を設けなくても、容器を持つときの火傷
の危険を抑制でき、容器の外面に汚れが付着しにくく、
汚れが付着しても簡単に清掃できるとともに、使用中に
容器の外面が腐食する危険を抑制できる。
【0044】請求項2の発明によれば、加熱手段の通断
電により加熱を制御する加熱制御手段の管理温度および
異常温度上昇時に加熱手段を断電する安全装置の動作温
度は、容器の外面のコーティング層の溶融温度以下に設
定したので、通常使用時や異常温度上昇時の熱により容
器の外面が劣化するのを防止できる。
【0045】請求項3の発明によれば、容器の内面に、
外面のコーティング層と同程度の耐熱性を有するプラス
チック製のコーティング層を形成したので、容器の内外
面の表面処理がほぼ同一のものであることにより、容器
の表面処理に関わる製造工程を簡素化できる。
【0046】請求項4の発明によれば、容器の材質は磁
性金属材料とし、内枠の材質はプラスチック材料にし、
容器の底部と内枠との間に隙間を形成し、内枠の底外面
に、容器を電磁誘導加熱する誘導コイルを設けている
が、容器の外面のコーティング層により、容器を内枠に
入れるときに、このプラスチック製の内枠が傷付くこと
を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の調理器の一実施例を示す断面図であ
る。
【図2】同上鍋の取手部付近の拡大断面図である。
【図3】同上電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】 2 内枠 4 鍋(容器) 5 取手部 6 第1の空間(隙間) 9 鍋(容器)の内面のコーティング層 10 鍋(容器)の外面のコーティング層 14 誘導コイル(加熱手段) 22 温度ヒューズ(安全装置) 61 マイクロコンピュータ(加熱制御手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底部から上部にかけて直径が大きくなる
    傾斜側面を有する有底筒状で、上部の外側に取手部を形
    成した金属製の容器と、この容器を加熱する加熱手段
    と、この加熱手段を有し前記容器を着脱自在に収容する
    内枠とを備え、前記容器の取手部を含む外面にプラスチ
    ック製のコーティング層を形成したことを特徴とする調
    理器。
  2. 【請求項2】 前記加熱手段の通断電により加熱を制御
    する加熱制御手段と、異常温度上昇時に前記加熱手段を
    断電する安全装置とを備え、前記加熱制御手段の管理温
    度および前記安全装置の動作温度は、前記容器の外面の
    コーティング層の溶融温度以下に設定したことを特徴と
    する請求項1記載の調理器。
  3. 【請求項3】 前記容器の内面に、前記外面のコーティ
    ング層と同程度の耐熱性を有するプラスチック製のコー
    ティング層を形成したことを特徴とする請求項1記載の
    調理器。
  4. 【請求項4】 前記容器の材質は磁性金属材料とし、前
    記内枠の材質はプラスチック材料にし、前記容器の底部
    と内枠との間に隙間を形成し、前記内枠の底外面に、前
    記容器を電磁誘導加熱する誘導コイルを設けたことを特
    徴とする請求項1記載の調理器。
JP1211895A 1995-01-27 1995-01-27 調理器 Pending JPH08196416A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009000246A (ja) * 2007-06-21 2009-01-08 Hitachi Appliances Inc ジャー炊飯器
JP2009254473A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Hitachi Appliances Inc 炊飯器
JP2011200727A (ja) * 2011-07-19 2011-10-13 Hitachi Appliances Inc ジャー炊飯器の製造方法
JP2013233361A (ja) * 2012-05-11 2013-11-21 Tiger Vacuum Bottle Co Ltd 電気炊飯器

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