JP4085562B2 - 個食容器炊飯方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、個食容器炊飯方法に関し、詳しくは、高品質な米飯を得ることができる個食容器炊飯方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
炊飯は、古くは竈及び釜を用いて木材の燃焼を熱源とした加熱により行われてきた。今日では、家庭用としては、プロパンガスの燃焼、電気ヒーター、電磁波等を用いた加熱による炊飯が行われ、工業的にも、同じくガスの燃焼、電気ヒーターの他、蒸気加熱、マイクロ波加熱等による炊飯が行われている。炊飯に用いる容器(釜)についても、かっての鉄製釜から、ステンレス、アルミ合金のような、熱伝達率が高く、耐腐蝕性の高い材質に改善されている。このように炊飯における熱源、容器の改善は不断に進められている。
【0003】
特開平11―20865号公報は、耐熱性合成樹脂等からなる成形容器に米(浸漬米)と水(炊飯水)とを充填して加熱炊飯する方法を開示している。この方法は、蒸気加熱により1食分を炊飯する、いわゆる個食容器炊飯方法であり、大量生産を行う場合には、連続式蒸気加熱装置を使用することになるが、この場合には、炊飯容器への熱伝導・伝達が全周囲から行われることなどの理由により、炊飯時に好ましいとされる沸騰時の水分の対流を十分に発生させることに困難さがあった。したがって、最高到達温度が100℃を越えるガスや電気による炊飯方法と比較すると、品質的に米飯粒の粘りや弾力が低く、旨みが若干少ない傾向となってしまう。
【0004】
さらに、個食容器炊飯した米飯は、水分分布が不均一になりがちであり、特に容器下部の米飯は、水分がやや多くなるため、容器上部の米飯に比べて食感的に軟らかくなる傾向があった。なお、水分分布が不均一になる傾向は、電気炊飯器で炊飯する場合にも若干認められる。
【0005】
そこで本発明は、個食容器炊飯を行う際にも、米飯中の水分分布を均一にすることができ、旨み、粘り、弾力性等の食味及び食感に優れた高品質な米飯を得ることができる炊飯方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の個食容器炊飯方法は、原料米を洗米して浸漬した浸漬米と炊飯水とを開口部を有する耐熱性容器に充填し、前記開口部を少なくとも一部が蒸気透過性を有するフィルムで被覆した後、マイクロ波加熱を行い、次いで蒸気加熱を行うことを特徴としている。
【0007】
また、前記フィルムの被覆部を冷却しながら前記マイクロ波加熱を行うことを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明の第2の個食容器炊飯方法は、原料米を洗米して浸漬した浸漬米と炊飯水とを、開口部を有する耐熱性容器に充填した状態でマイクロ波加熱を行い、次いで、前記耐熱性容器の開口部を、一部に蒸気透過性部分を有するフィルムで被覆した後、蒸気加熱を行うことを特徴としている。
【0009】
また、前記マイクロ波加熱は、1〜50℃/分の昇温速度で70〜100℃まで品温を昇温させることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
まず、本発明における原料米は、精白米の他、玄米でもよい。精白米は、白米、七分づき米、五分づき米等である。また、浸漬米における水分は、25〜40重量%でよく、炊飯水は、浸漬米100g当たり65〜85g、好ましくは70〜80gである。
【0011】
本発明では、原料米を常法により洗米し、所定時間水に浸漬した浸漬米に所定量の炊飯水を加えた状態で、最初にマイクロ波加熱を行った後、次いで蒸気加熱を行うようにしている。すなわち、マイクロ波加熱で炊飯工程の前段を行い、蒸気加熱によって炊飯工程の後段を行うものである。これにより、マイクロ波加熱単独あるいは蒸気加熱単独で炊飯したときに比べて、高品質な米飯を得ることができる。
【0012】
従来から行われているマイクロ波加熱のみによる炊飯方法は、マイクロ波加熱が水分子への選択性の高い加熱であるため、炊飯容器内で対流が顕著に発生し、炊き上がった米飯の粘りや弾力、旨み等の品質が高くなるという長所を有している。しかしながら、炊飯終了までマイクロ波加熱を行うと、米飯の表面が乾燥して硬い食感になってしまうという欠点を有している。しかも、エネルギー(電気)コストが高いという問題もある。
【0013】
一方、蒸気加熱のみによる炊飯方法は、エネルギーコストが低いという長所を有してはいるが、炊飯容器全体を加熱するので対流が弱くなり、炊き上がった米飯の粘りや弾力が低く、旨みが少ないという欠点を有している。
【0014】
一般的な炊飯工程において、その初期には、特に5〜20分間は、浸漬米が炊飯水を吸水しながら加熱される状態となっている。この初期の加熱条件が炊き上がりの米飯の品質を左右し、このときにマイクロ波によって水分子を選択的に加熱することにより、浸漬米に必要十分な量の炊飯水を吸水させることができる。
【0015】
このマイクロ波による加熱の条件は、原料米の性状、炊飯水の割合、炊飯水の初期温度、炊飯容器の形状等の条件によって多少異なるが、一般的に、昇温速度は1〜50℃/分の範囲で選択でき、好ましくは1.5〜25℃/分、特に5〜15℃/分がより好ましい。この昇温速度が1℃/分未満では、蒸気単独炊飯に比して顕著な品質向上が得られ難く、しかも炊飯時間が長くなりすぎる。一方、昇温速度が50℃/分を超えると、昇温時間が短くなりすぎて、米が十分に吸水できなくなり、この後に蒸気炊飯した炊き上がり米飯の食感が軟らかくなることがある。
【0016】
このマイクロ波加熱における到達温度(マイクロ波加熱時の最高温度)は、70〜100℃の範囲であり、好ましくは80〜100℃、より好ましくは90〜100℃の範囲である。到達温度が70℃未満では、米の吸水が不十分になることがあり、到達温度が100℃を超えると、炊き上がり米飯の食味や食感を損なわれることがある。
【0017】
また、マイクロ波加熱炊飯の時間は、前記昇温速度及び到達温度にもよるが、1〜70分、好ましくは2〜40分、より好ましくは5〜20分の範囲が適当である。1分未満では米の吸水が十分でなく、70分を超えると炊飯時間が長くなりすぎる。
【0018】
マイクロ波は、家庭用電子レンジ等で一般的に使用される周波数2450MHzの発振器を用いればよく、出力は、炊き上がり米飯の重量200g当たり、50〜1000W、好ましくは100〜500Wである。マイクロ波出力が50W未満であると、加熱のための所要時間が極めて長くなり、出力が1000Wを超えると、極めて短時間に加熱が行われるため、水分が揮発して炊き上がり米飯の食感、食味を損なうことがある。マイクロ波出力は、マイクロ波加熱の全時間を通して同じ出力としてもよく、途中で出力を変更してもよい。例えば、200Wで12.75分加熱するところを、200Wで10.5分加熱した後、100Wで4.5分加熱するようにしてもよい。
【0019】
なお、マイクロ波加熱を行うためのマイクロ波加熱装置の形態や構造は任意であり、バッチ式、連続式のいずれでもよい。また、炊飯水として適度に予熱した湯を使用した場合は、常温の炊飯水を使用したときよりマイクロ波加熱時間を短縮しても、良好な炊飯ができる。
【0020】
マイクロ波加熱に続いて行われる蒸気加熱は、通常の蒸気加熱と同様にして行うことができ、蒸し器のようなバッチ式、ベルトコンベヤを用いた連続式のいずれでもよい。この蒸気加熱における蒸気の温度は、80〜100℃、好ましくは90〜100℃、より好ましくは95〜100℃であり、蒸気加熱の時間は、5〜60分、好ましくは15〜40分、より好ましくは20〜30分である。蒸気温度が80℃未満又は加熱時間が5分未満であると、十分な加熱が困難で、炊き上がり米飯の粘り、弾力、旨み等が低くなってしまう。
【0021】
炊飯に使用する炊飯容器は、耐熱性があり、食品衛生上適合するものであれば各種材料で形成したものを使用可能であるが、マイクロ波加熱を行うときには、マイクロ波を反射する金属製容器以外のもの、例えば、合成樹脂、ガラス、陶磁器、紙等を使用することになる。中でも、合成樹脂製の炊飯容器は、マイクロ波加熱から蒸気加熱まで連続して使用することができ、しかも軽量で強度も十分であり、破損しにくいので最適である。
【0022】
合成樹脂としては、耐熱性、成形性、強度等を考慮すると、ポリプロピレン樹脂が好適であり、さらに、ポリプロピレン樹脂層の間に酸素透過度の低いエチレン酢酸ビニルアルコール共重合体を挟んだ積層シートを成形したものが最適である。
【0023】
また、合成樹脂製炊飯容器を使用することにより、マイクロ波加熱から蒸気加熱まで連続して該容器を使用することもできるが、合成樹脂製炊飯容器でマイクロ波加熱を行った後、金属製炊飯容器に移し替えて蒸気加熱を行うようにしてもよい。さらに、マイクロ波加熱の際には、炊飯水を保持するための容器状のものが必須であるが、マイクロ波加熱によって炊飯水が全て米に吸収され、自由な水が無い状態となった場合は、マイクロ波加熱後の米を容器からベルトコンベアに移し替えて蒸気加熱することもできる。
【0024】
炊飯容器は、炊き上がり米飯の用途に合わせて小容量から大容量まで、任意の大きさ及び形状にすることができ、例えば個食容器炊飯用ならば、炊き上がり米飯量が1食分程度、通常は200g程度が入る大きさにすればよい。
【0025】
例えば、一食分の炊飯を行う場合は、通常の方法で原料米を洗米し、浸漬水中に所定時間浸漬した後、所定量の浸漬米と炊飯水とを、所定の大きさ、形状の耐熱性容器、例えば前記積層シートをトレイ状に成形した合成樹脂製の耐熱性容器内に充填し、これを電子レンジ等のマイクロ波加熱装置に入れて所定のマイクロ波加熱を行い、続いて蒸し器等の蒸気加熱装置に入れて所定の蒸気加熱を行うようにすればよい。これにより、マイクロ波加熱のみで炊飯した米飯あるいは蒸気加熱のみで炊飯した米飯に比べて食味、食感の向上した米飯を得ることができる。
【0026】
また、所定量の浸漬米及び炊飯水を充填した容器の開口部を、少なくとも一部が蒸気透過性を有するフィルムで被覆してからマイクロ波加熱及び蒸気加熱を行うこともできる。さらに、容器開口部を開放した状態でマイクロ波加熱を行い、その後に、少なくとも一部が蒸気透過性を有するフィルムで開口部を被覆してから蒸気加熱を行うこともできる。
【0027】
蒸気透過性を有するフィルムによって容器開口部を被覆することにより、加熱時に炊飯水から発生する過剰の水蒸気を外部に放散させることができるとともに、内部への異物の侵入を防止することができる。
【0028】
このとき、容器開口部の全面を蒸気透過性フィルムで覆うようにしてもよく、蒸気透過性フィルムと蒸気非透過性フィルムとを接合したものや、蒸気透過性フィルムの一部を加工して蒸気非透過性にしたもの、蒸気透過性フィルムの一部に蒸気非透過性フィルムを積層したもの、蒸気非透過性フィルムの一部を加工して蒸気透過性にしたものなども用いることができる。
【0029】
前記蒸気透過性フィルムは、蒸気透過性と耐熱性とを備えるとともに、食品衛生上適合するものであれば、様々な材質のものを使用することができる。例えば、100%高密度ポリエチレン繊維をシート状に加工したフィルムや、紙パルプとポリエチレン繊維とからなる混抄紙等を用いることができる。また、前記蒸気非透過性フィルムは、所定の耐熱性を有するものであればよく、食品の包装に通常用いられているポリエチレンや、ポリエチレンとポリエステルとの積層フィルム等を用いることができる。
【0030】
蒸気透過性フィルムと蒸気非透過性フィルムとを接合する場合は、加熱圧着(ヒートシール)や、接着等により行うことができる。また、蒸気透過性フィルムの一部を加工して蒸気非透過性にする場合は、蒸気透過性フィルムに所定の温度及び圧力を加えることにより行うことができる。さらに、蒸気透過性フィルムと蒸気非透過性フィルムとを積層する場合は、フィルムの材質に応じて通常のラミネート処理や接着によって行うことができる。また、蒸気非透過性フィルムの一部を加工して蒸気透過性にする場合は、例えば針状のものでフィルムに小孔を貫通させたり、例えば長さ数mmのスリットのような隙間を設けたりすることにより、蒸気圧がフィルムにかかったときに蒸気が透過できるようにすることができる。なお、このような小孔やスリットを蒸気透過性フィルムに適当に形成することにより、蒸気の透過度を調整することができる。
【0031】
また、蒸気透過度が小さい場合は、マイクロ波加熱のときに容器やフィルムが大きく膨張することがあるが、このようなときには、ファンによる送風等でフィルムの被覆部を冷却することにより、容器やフィルムの膨張を軽減することができる。
【0032】
さらに、浸漬米と炊飯水とを充填した耐熱性容器の開口部を、微生物バリア性を有し、かつ、少なくとも一部が蒸気透過性を有するフィルムで被覆した状態でマイクロ波加熱及び蒸気加熱を行い、炊飯後に、酸素透過度の低いガスバリア性フィルム等で蒸気透過部分あるいは容器全体を被覆し、必要に応じて脱酸素剤を封入することにより、容器内の米飯と空気との接触を遮断し、無菌状態を保ち、酸化にも耐え、水蒸気の出入りも無い、長期保存が可能で、かつ、食味、食感に優れた無菌充填包装米飯が得られる。
【0033】
前記微生物バリア性及び蒸気透過性を有するフィルムとしては、食品衛生上の問題がなければ各種のものが使用でき、例えば、ポリエチレンやポリエステル等の耐熱性ラミネートフィルムと高密度ポリエチレン繊維フィルムとを接合したものを使用することができる。
【0034】
このように、両加熱方法を組み合わせることにより、それぞれの単独炊飯では得られなかった粘り、弾力(腰)、旨み等の品質が向上し、表面乾燥もなく、硬さも丁度良い食感が得られる。また、マイクロ波加熱単独の炊飯に比べて、エネルギーコストも削減できる。さらに、炊飯水の温度をやや高めにしてマイクロ波加熱時間を短縮することにより、エネルギーコストを更に削減することができる。
【0035】
【実施例】
実施例1
個食容器炊飯の実験を行った。図1に示すように、精白米を洗米して浸漬した浸漬米115gと炊飯水85gとを、内容積300mLのポリプロピレン製の耐熱性容器11に充填し、容器開口部を、ポリエチレンとポリエステルとをラミネートした蒸気不透過性フィルム12と、高密度ポリエチレン繊維フィルム(デュポン社製:タイペック1073B)からなる蒸気透過性フィルム13とを突き合わせ接合したフィルムで被覆した。蒸気透過性フィルム13の面積は、容器開口部の面積の約20%とした。加熱前の品温はいずれも25℃とした。なお、実験例10では、フィルム被覆を行わずに開口部を開放状態とした。
【0036】
そして、表1に示す条件により炊飯を行った。マイクロ波加熱は、周波数2450MHzのマイクロ波バッチ式オーブンで1回に付き2食ずつ行い、発振器の出力を調節して昇温速度、加熱時間、到達温度をそれぞれ設定した。蒸気加熱は、連続式蒸気加熱装置で行い、蒸気温度は100℃、加熱時間は20分とした。なお、実験例1,2は比較例であり、一般的に行われている蒸気加熱炊飯及びマイクロ波加熱炊飯の条件で、蒸気加熱単独炊飯及びマイクロ波加熱単独炊飯を行った。
【0037】
【表1】
【0038】
炊き上がり米飯の品質を、実験例1,2を基準とした喫食テスト(官能テスト)を行い、軟らかさ、水分の均一さ、粘り、弾力、旨みを総合的に評価した。また、米飯の物性(テクスチャー)を、ステーブルマイクロシステム(Stable Micro Systems)社製物性測定装置(Texture Analyser TA-XT2)により測定した。測定項目は、硬さ(Hardness、[g])、付着性(Adhesiveness、[g・s])、弾力性(Springiness、[−])、凝集性(Cohesiveness、[−])である。硬さは、飯粒の圧潰強さを表す指標であり、数値が小さければ軟らかく、数値が大きければ硬い。付着性は、飯粒の粘りの指標であり、数値が小さければ粘りが少なく、数値が大きければ粘りが多い。弾力性は、飯粒の弾力(腰の強さ)を表す指標であり、数値が小さければ弾力が弱く、数値が大きければ弾力が大きい。凝集性は、飯粒の内部結合の強さ(もろさ)に関係する性質であり、数値が小さければ凝集性が弱く、数値が大きければ凝集性が大きい。テクスチャーは、米飯1粒ごとに測定し、20粒についての平均値を求めた。なお、テクスチャーの数値と、米飯を喫食する官能テストとの関係は、密接ではあるが単純なものではない。喫食テストの結果及びテクスチャーの測定結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
◎ 基準米飯(実験例1,2)に比べて極めて顕著な品質向上が認められる。
○ 基準米飯に比べて顕著な品質向上が認められる。
△ 基準米飯に比べて品質向上が認められる。
【0040】
実験例1の蒸気加熱単独炊飯では、米飯の粘り等が不十分であり、実験例2のマイクロ波加熱単独炊飯では、粘り、弾力が向上するものの、硬めになり過ぎて表面が乾燥していた。これらに比較して、各実施例の米飯は、喫食テストにおいていずれも品質の向上が認められ、その多くは品質向上が特に顕著であり、優れた成績であった。また、テクスチャー測定結果にも、違いが認められ、これらの総合されたものが、喫食テスト結果に現れているものと推測される。
【0041】
実施例2
マイクロ波加熱における昇温速度を表3のように変化させた。容器開口部は、実施例1と同じフィルムで同じようにして被覆した。また、マイクロ波加熱以外の、蒸気加熱等の条件は、実施例1と同じにした。炊き上げた米飯について喫食テストを行った結果を表3に示す。なお、喫食テストでは、実施例1で最も評価の高かった実験例7と同じ条件のものを基準とした。また、この中で評価が低いもの(表3中のばつ印)でも、蒸気加熱単独炊飯やマイクロ波加熱単独炊飯した米飯よりは良好な品質であった。
【0042】
【表3】
◎ 基準米飯(実験例15)と同程度の良好な品質である。
○ 基準米飯と略同程度の品質である。
× 基準米飯に比べるとやや劣る品質である。
【0043】
実施例3
マイクロ波加熱炊飯における到達温度(終了温度)を表4のように変化させた。容器開口部は、実施例1と同じフィルムで同じようにして被覆した。また、マイクロ波加熱以外の、蒸気加熱等の条件は、実施例1と同じにした。炊き上げた米飯について喫食テストを行った結果を表4に示す。なお、喫食テストでは、実施例1で最も評価の高かった実験例7と同じ条件のものを基準とした。また、この中で評価が低いもの(表3中のばつ印)でも、蒸気加熱単独炊飯やマイクロ波加熱単独炊飯した米飯よりは良好な品質であった。
【0044】
【表4】
◎ 基準米飯(実験例24)と同程度の良好な品質である。
○ 基準米飯と略同程度の品質である。
× 基準米飯に比べるとやや劣る品質である。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の炊飯方法によれば、単に蒸気炊飯しただけ、あるいはマイクロ波加熱しただけの炊飯方法に比べて、食味、食感に優れた米飯を得ることができる。特に、個食容器炊飯に適しており、さらに、全炊飯時間の短縮も図れ、生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で使用した耐熱性容器の斜視図である。
【符号の説明】
11…耐熱性容器、12…蒸気不透過性フィルム、13…蒸気透過性フィルム
Claims (4)
- 原料米を洗米して浸漬した浸漬米と炊飯水とを開口部を有する耐熱性容器に充填し、前記開口部を少なくとも一部が蒸気透過性を有するフィルムで被覆した後、マイクロ波加熱を行い、次いで蒸気加熱を行うことを特徴とする個食容器炊飯方法。
- 前記フィルムの被覆部を冷却しながら前記マイクロ波加熱を行うことを特徴とする請求項1記載の個食容器炊飯方法。
- 原料米を洗米して浸漬した浸漬米と炊飯水とを、開口部を有する耐熱性容器に充填した状態でマイクロ波加熱を行い、次いで、前記耐熱性容器の開口部を、一部に蒸気透過性部分を有するフィルムで被覆した後、蒸気加熱を行うことを特徴とする個食容器炊飯方法。
- 前記マイクロ波加熱は、1〜50℃/分の昇温速度で70〜100℃まで品温を昇温させることを特徴とする請求項1又は3記載の個食容器炊飯方法。
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