JP4582302B2 - 開封状態保持機能付き蓋材 - Google Patents

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Description

本発明は、カップ麺など即席食品の密封包装に使用する成形容器の蓋材に関するものであり、さらに詳しくは、カップ麺などの即席食品を食する場合において、容器内の乾燥状態の即席食品に熱湯を注ぐ作業を容易にするために、開封した蓋材をそのまま開封状態に保持する機能を備えた開封状態保持機能付き蓋材に関するものである。
従来、食品包装分野において、特に熱湯を加えて食する状態にするカップ麺などの即席食品を収納する成形容器として、カップ状、あるいはどんぶり状の形状で、紙にポリエチレン樹脂(PE)をエキストルーダーでラミネートした積層材料による成形容器、ポリスチレン樹脂(PS)成形容器、ポリプロピレン樹脂(PP)成形容器、ポリスチレン樹脂(PS)シートとポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)シートとをラミネートした積層材料による成形容器などが使用されている。
一方、カップ麺など即席食品の密封包装に使用する該容器の蓋材は、紙基材を主体として、アルミニウム箔などを積層した積層体が使用され、前記成形容器に乾燥した麺や具などを収納し、該容器の開口部を該蓋材で覆い、該容器のフランジ部をヒートシール方式などによりシールし、密閉する包装方法が取られている。
ところで、蓋材としては、種々のものが開発され提案されているが、通常蓋材を構成する積層材料には、アルミニウム箔を含んだ積層材料が多い。例えば、従来の蓋材は紙層を主体とした基材上面に絵柄印刷インキ層を設け、同じく該基材下面に熱可塑性樹脂層、アルミニウム箔層、イージーピールシーラント層を順次に積層してなる積層材料により形成されている。
前記紙層は、木材などの植物原料を化学的または機械的に処理してセルロースを取り出した状態のパルプで製造した晒クラフト紙、純白ロール紙、上質紙、アート紙、コート紙などを使用している。また、前記熱可塑性樹脂層は、主に低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)が使用され、該低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)を熱溶融した後、エキストルーダ(押出機)によって押し出され、紙層を主体とした基材とバリア層であるアルミニウム箔層とを積層するための接着剤の役割をしている。さらに前記アルミニウム箔層は、厚みが7μ以上のアルミニウム箔が使用されるが、防湿性、ガスバリア性、保香性、遮光性に優れ、更にデッドホールド性(形状保持性)が良いので蓋材に多く使用されている。
以上のように、従来の蓋材は、主にアルミニウム箔を含んだ積層材料が使用されているので、ガスバリア性などの物性が優れ、開封後のデッドホールド性(形状保持性)があるので開封した蓋材をそのまま開封状態に保持する機能を備えている。
一般的に、消費者はカップ状、或いはどんぶり状の形状をした成形容器に入っている、例えば、即席麺を食する時、先ず該容器から蓋材の一部分を剥がし、その開口部から、一旦、液体スープの素や具の入った袋を取り出した後、中身だけを再度該容器内に戻した後、熱湯を注ぎ、開封した蓋材を該容器の開口部に再封する。このように熱湯を注ぐ作業を行う場合、蓋材が開封状態を保持する機能を備えていると、容器内の即席食品に熱湯を注ぐ作業が容易になるのでカップ麺などの即席食品の密封包装に使用する容器の蓋材には好適である。
すなわち、前述したアルミニウム箔を含んだ積層材料から作製される蓋材は、ガスバリ
ア性などの物性が優れ、また開封後のデッドホールド性(形状保持性)に優れているので開封した蓋材をそのまま開封状態に保持する必要がある機能を求められる用途には最適な蓋材である。
しかしながら、近年アルミニウム箔を積層した積層体からなる蓋材は、さまざまな問題が指摘されている。例えば、使用後の廃棄処分において焼却処理を行うと、そのアルミニウム箔が残査として残ってしまう問題や、焼却炉を傷めてしまう恐れがある問題など、いわゆる廃棄処分にともなう問題が発生している。また、資源再利用の要請から、蓋材を使用後に回収し、材料別に分別し再利用することが要望されているが、上記のようなアルミニウム箔を使用した積層材料では、紙基材、アルミニウム箔、樹脂フィルムなどの各材料をそれぞれに分別回収することが著しく困難であり、再利用を図ることは実質的には不可能である。更に、食品包装後の衛生安全面から行う金属等の異物の混入を確認する金属探知器の使用が不可能であり、衛生安全面でも良くない。
そこで、これらの問題点を解決するために、紙を主体として、各種のプラスチックフィルムを組み合わせた積層体からなる蓋材が検討されている。すなわち、アルミニウム箔を含まなくても、ガスバリア性などの物性が優れ、開封後のデッドホールド性(形状保持性)がある積層体の開発である。ガスバリア性などの物性は、プラスチックフィルムに無機酸化物などを蒸着した積層体を使用すれば、アルミニウム箔に匹敵する優れたものはあるが、基本的に剛性があり、開封後のデッドホールド性(形状保持性)を有するものはない。このようにガスバリア性などの物性面では、アルミニウム箔に匹敵するものはあるが、特に、問題点は、デッドホールド性(形状保持性)に優れたプラスチックフィルムがなく、素材面でアルミニウム箔を代替する蓋材を得る可能性が少ないために蓋材の開封状態を保持する機能として次のような方法による蓋材や構造面を改良した蓋材が開発されている。例えば、蓋材にあらかじめ粘着剤を塗布しておき、蓋材の開封状態を保持する方法であるが、この方法の場合は、粘着剤の取り扱いの問題、該粘着剤の内容物や容器内面への移行の問題などが挙げられる。
次に、蓋材の開封用プルタブ部分に切れ目加工を施し、容器本体のフランジ部の端に引っ掛ける構造の蓋材が提案されている。しかしながらこの場合は、紙とプラスチックフィルムからなる積層体の剛度による反発が大きく、引っ掛けることが容易ではない。また、蓋材の開封用プルタブ部分の切れ目が、最外層から最内層まで全貫通加工であるので、蓋材に加工した切れ目の位置が、容器本体のフランジ内側に加工した場合には、密閉性が損なわれ内容物の保存性に問題が発生する。
次に、主に紙からなる表基材とプラスチックフィルムを積層した積層体を使用し、さらに該表基材とプラスチックフィルムの層間に剥離剤層を設けて、層間剥離による開封機能を有する蓋材に関しては、剥離した表基材を完全に除去することで熱湯を注入する開口部を形成させる機構をもった蓋材が従来品としてあるが、内容物である麺を蒸らす必要のある商品の場合には、該蓋材を容器本体に再封する必要があるので完全に蓋を除去できず、熱湯を注ぐ作業にじゃまにならないように、剥離した表基材を反らせるなどして、蓋材に開封状態を保持する機能を具備させる必要がある。
次に、紙に各種の機能性を付与するために、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂繊維、例えば、ポリエチレン系合成繊維、ポリプロピレン系合成繊維などを混抄する。或いは、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリロニトリル(PAN)などの熱可塑性樹脂を繊維化したもの、例えば、ポリビニルアルコール系合成繊維、ポリエステル系合成繊維、ポ
リアクリロニトリル系合成繊維、ポリアミド系合成繊維、ポリ塩化ビニル系合成繊維、ポリ塩化ビニリデン系合成繊維、ポリウレタン系合成繊維などを混抄した、いわゆる樹脂繊維混抄紙と呼ばれるものがある。
これらの通常のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂繊維などを混抄した樹脂繊維混抄紙は、樹脂繊維自身が基本的にデッドホールド性(形状保持性)を有していない合成樹脂であるので蓋材に開封状態を保持する機能を具備させることは不可能である。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、カップ麺などの即席食品を食する場合において、アルミニウム箔を使用していない蓋材でも、容器内に熱湯を注ぐ作業が容易になり、また、現状の製造ラインを用いることができ、さらに金属探知器の検査が可能になる開封状態保持機能付き蓋材を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、少なくとも紙層(11)を有する表基材層(20)と、プラスチックフィルム層(50)とを積層した積層体からなり、該プラスチックフィルム層(50)が容器本体(B)のフランジ部(1)にシールされる、該フランジ部(1)と略同形で、外周縁に開封用プルタブ(2)を有する蓋材であって、前記紙層(11)は、繊維の直径が0.05mmφ以上2.0mmφ以下であり繊維長が3.0mm以上6.0mm以下のデッドホールド性(形状保持性)を有する線状樹脂繊維が混抄されていることを特徴とする開封状態保持機能付き蓋材である。
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の開封状態保持機能付き蓋材において、前記線状樹脂繊維がMD方向に配向して混抄されていることを特徴とする開封状態保持機能付き蓋材である。
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の開封状態保持機能付き蓋材において、前記線状樹脂繊維の配合率が3.0〜10.0wt.%の範囲内であることを特徴とする開封状態保持機能付き蓋材である。
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1乃至のいずれか1項記載の開封状態保持機能付き蓋材において、前記表基材層(20)が、少なくとも該紙層(11)の片面に保護フィルム層(10)が積層された積層体からなることを特徴とする開封状態保持機能付き蓋材である。
本発明の請求項5に係る発明は、請求項1乃至のいずれか1項記載の開封状態保持機能付き蓋材において、前記プラスチックフィルム層(50)が、中間基材層(30)と、シーラント層(40)とを積層した積層体からなることを特徴とする開封状態保持機能付き蓋材である。
本発明の請求項6に係る発明は、請求項記載の開封状態保持機能付き蓋材において、前記中間基材層(30)が、熱可塑性樹脂層(12)とバリアフィルム層(13)とを積層した積層体からなることを特徴とする開封状態保持機能付き蓋材である。
本発明の開封状態保持機能付き蓋材は、少なくとも紙層を有する表基材層と、プラスチックフィルム層とを積層した積層体からなり、該プラスチックフィルム層が容器本体のフランジ部にシールされる、該フランジ部と略同形で、外周縁に開封用プルタブを有する蓋材であって、前記紙層は、デッドホールド性(形状保持性)を有する線状樹脂繊維が混抄されていることにより、開封した蓋材をそのまま開封状態に保持する開封状態保持機能が得られるので、カップ麺などの即席食品を食する場合、容器本体内の乾燥状態の即席食品に熱湯を注ぐ作業が容易になり、該蓋材の外周の形状変更はないので、充填ラインを改造することなく、現状の製造ラインを用いることができる。またアルミニウム箔を使用していないので、金属探知器の検査が可能になる。
本発明の実施の形態を図1及び図2に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る開封状態保持機能付き蓋材(A)の層構成の1実施例を示す側断面図であり、図2は本発明に係る開封状態保持機能付き蓋材(A)を開封し、注湯などの開口部が形成され、且つ蓋材(A)が開封状態を保持している状態を示す斜視図である。
本発明の開封状態保持機能付き蓋材(A)は、図1に示すように、少なくとも紙層(11)を有する表基材層(20)と、プラスチックフィルム層(50)とを積層した積層体からなり、図2に示すように、該プラスチックフィルム層(50)が容器本体(B)のフランジ部(1)にシールされる、該フランジ部(1)と略同形で、外周縁に開封用プルタブ(2)を有する蓋材であって、前記紙層(11)は、デッドホールド性(形状保持性)を有する線状樹脂繊維が混抄されていることを特徴とする開封状態保持機能付き蓋材(A)である。
すなわち、本発明の開封状態保持機能付き蓋材(A)は、開封時に、開封状態を保持できる機能を付与するために、アルミニウム箔を使用して保持機能を付けたり、蓋材(A)の構造面を工夫して対応するのではなく、該蓋材(A)のベースとなる紙層(11)にデッドホールド性(形状保持性)を有する線状樹脂繊維を混抄することにより、該紙層(11)自体にデッドホールド性(形状保持性)をもたせ、開封状態を保持できる機能を付与するものである。
一般的に紙は、原料の木材などから取り出した繊維(パルプ)から出来ており、この繊維が絡み合っているのではなく、該繊維が1本1本積み重なってできており、該繊維同士が互いに化学的(水素結合)に結合している。
紙は木材片(チップ)を繊維(パルプ)化して、叩解し、染料や薬品を混合した後、抄紙機を使用して作製している。パルプ化には、いくつかの方法があり、大きく機械的方法と化学的方法の2つに大別される。
先ず、機械的方法としては、木材を丸太のまま機械ですりつぶすか、あるいは木材片(チップ)にして、小さな溝のついた鉄の円盤2枚の間に入れてすりつぶすという方法で、もっとも単純なやり方である。
次に、化学的方法としては、原料の木材片(チップ)を、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)と硫化ナトリウムの蒸解液を用いて、高温・高圧下で煮込み、木材中の繊維以外のリグニンなどを蒸解液に溶かし込み、その後の洗浄機によって、繊維(パルプ)と蒸解液とに分離し、スクリーンで塵などの異物を取り除いた後、薬品で分離したパルプを漂白してパルプ化する方法である。
次に、紙の品質向上を図るため、繊維(パルプ)に染料や薬品を混合するが、目的に合せていろいろな薬品が使われる。例えば、インキが滲まないようにするためのサイズ剤、紙に印刷したり、表面加工をしたりするとき、繊維が剥けてこないようにするための接着剤、薄い紙でも裏に書いてある文字などが透けて見えないようにするための填料、紙を水に対して強くするための耐水化剤などがある。これらの薬品を繊維と一緒に混ぜて紙を抄いて、繊維の中に漉き込む場合と、紙にしてから薬品を塗る場合がある。
このように繊維(パルプ)に必要な薬品を加えた原料を紙料と呼んでいるが、この紙料を金網の上でこして、次に上から押してできるだけ水を搾り出し、熱ロールで乾燥させて紙ができ上がるが、実用的には、抄紙機を使用して連続的に作製する。
本発明においては、あらかじめポリエチレン樹脂(PE)を主成分とする熱可塑性樹脂を溶融押し出しした後、高延伸することで、樹脂のもつ塑性変形を最大限に引き出したデッドホールド性(形状保持性)を有する線状樹脂繊維を使用し、前述した公知の抄紙方法を利用して、線状樹脂繊維混抄紙を作製する。
このようにデッドホールド性(形状保持性)を有する線状樹脂繊維を混抄して紙を作製する際は、抄紙時のジェット/ワイヤー比を調整して、該線状樹脂繊維をMD(machine
direction、押し出し方向)方向へ配向させることにより、さらにデッドホールド性(形状保持性)の効果は向上する。
また、前記線状樹脂繊維の繊維径が0.05〜2.0mmφ(直径)、繊維長が3.0〜6.0mm、配合率が3.0〜10.0wt.%の範囲内であることが好ましい。
特に、繊維径が2.0mmφよりも太くなり、繊維長が3.0mmよりも短くなるとパルプ繊維との結着力が弱くなり、品質の良い混抄紙が得られない。また、配合率が3.0wt.%より少ないと紙の剛度による反発に負けてデッドホールド性(形状保持性)が不完全になる。
次に、本発明の開封状態保持機能付き蓋材(A)を構成する積層体について詳細に説明する。
開封状態保持機能付き蓋材(A)は、図1に示すように、少なくとも、表面側の表基材層(20)と内面側の該プラスチックフィルム層(50)とからなる積層体で形成されている。さらに詳しくは、前記表基材層(20)としては、紙層(11)単体、または紙層(11)の少なくとも片面に保護フィルム層(10)を積層した積層体を使用することができる。尚、保護フィルム層(10)は、印刷インキ層(図示せず)の保護、該蓋材(A)の意匠効果向上、破れ防止などの目的で設けられるので該紙層(11)の上面に施すことが好ましい。
前記紙層(11)には、前述したように木材などの植物原料を化学的、または機械的に処理してセルロースを取り出した状態の繊維(パルプ)とデッドホールド性(形状保持性)を有する線状樹脂繊維をアート紙、コート紙の仕様を基本として、公知の抄紙方法を利用して抄造した線状樹脂繊維混抄紙を使用する。また、該紙層(11)の厚さは、力学的強さ(引張り強さ、破裂強さ、衝撃強さなど)、包装作業性、機械適応性、経済性などにより適宜決定されるが、坪量40g/m2から270g/m2位のもの、好ましくは坪量50g/m2 から130g/m2の範囲内のものを使用するのが望ましい。
尚、該紙層(11)上面に商品の販売促進効果を向上させるなどの理由で文字や絵柄などの印刷インキ層(図示せず)を設けることができる。
該印刷インキ層を形成する印刷インキとしては、インキに色彩を与える顔料や染料などからなる色材と該色材を微細な粒子に分散・保持しつつ、被印刷体に固着させる樹脂と該樹脂を安定して溶解し、該顔料や染料などの分散性、インキの流動性を保持し、かつ印刷の版からインキの適正量を転移できる溶剤とから構成されるビヒクル、更に色材の分散性、発色性向上や沈殿防止、流動性の改良を目的に界面活性剤などからなる助剤から形成されているが、特に色材は、耐候性の良い顔料が好ましい。
該印刷インキ層を設ける印刷方式は、該紙層(11)に印刷できる印刷方式ならば、特に制約はないが、鉄製の円筒(シリンダー)表面上に銅メッキを施して下地を形成し、該銅メッキ面上に剥離層を設け、更に銅メッキをして、その表面を鏡面状に研磨した銅面に彫刻方式や腐食方式により、凹部(セル)を作成し、該セル内の印刷インキを該紙層(11)上面に転移させ、調子物でもカラフルに印刷ができ、且つ訴求効果も高いグラビア印刷方式が好ましい。
次に、前記保護フィルム層(10)の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリプロピレンフィルム(PP)、ポリアミドフィルム(PA)、ポリ塩化ビニルフィルム(PVC)、ポリエチレンフィルム(PE)、ポリブチレンテレフタレートフィルム(PBT)、ポリカーボネートフィルム(PC)、ポリスチレンフィルム(PS)、普通セロファン(PT)などを使用することができる。
また、該保護フィルム層(10)の厚さは、加工性を考慮すると、3〜200μmの範囲内であることが好ましく、6〜30μmの範囲内がより好ましい。
次に、前記紙層(11)と保護フィルム層(10)とを積層する方法は、例えば、ウエットラミネーション方法、ドライラミネーション方法、ノンソルベントドライラミネーション方法、ホットメルトラミネーション方法、エクストルージョンラミネーション方法、及び該エクストルージョンラミネーション方法を利用したサンドイッチラミネーション方法などの公知の方法を使用することができる。
例えば、ウエットラミネーション方法は、一方の基材に水溶性の接着剤を塗工し、接着剤が湿潤の状態で他方の基材とラミネーションし、しかる後に乾燥装置で水分を蒸発乾燥させて接着させる方式である。
次に、ドライラミネーション方法は、フィルム上に接着剤を塗布するコーティング部、乾燥装置、ニップローラー部の3つのセクションと、巻き出し、巻き取り、及びテンションコントロールシステムから構成されている。
該コーティング部は、一般的にグラビアロールコーティング方式、又はリバースロールコーティング方式を採用している。
該ドライラミネーション方法に使用する接着剤層(図示せず)は、一般的に、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他などのラミネート用接着剤を使用することができる。
前記ラミネーション用接着剤は、溶剤型接着剤、或いは無溶剤型接着剤が使用されるが、無溶剤型接着剤を使用する場合は、乾燥装置は不要であり、特に、ノンソルベントドライラミネーション方法と呼んでいる。
前記ホットメルトラミネーション方法は、加熱溶融したエチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)などのホットメルト接着剤を一方の基材上に塗工し、直ちに、他方の基材をラミネーションする方法である。
前記エクストルージョンラミネーション方法は、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂を加熱し、シリンダーと呼ばれる筒の中で溶解し、スクリューで圧力をかけて押し出し、該シリンダーの先端部にあるTダイスと呼ばれる細いスリットからカーテン状に溶解した樹脂を押し出してフィルム状にした後、ラミネート基材にラミネーションする方法である。
この際、該エクストルージョンラミネーション方法を利用して、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を接着剤の代わりにして、一方の基材と他方の基材とをラミネーションするサンドイッチラミネーション方法を使用することもできる。
次に、前記プラスチックフィルム層(50)は、中間基材層(30)と、シーラント層(40)とを積層した積層体で構成されている。
更に詳しくは、前記中間基材層(30)は、蓋材(A)のバリア性などの付与のためにバリアフィルム層(13)で構成されるが、前記紙層(11)と積層するための接着剤替わりに熱可塑性樹脂層(12)を加えた層構成でもよい。
前記バリアフィルム層(13)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリアミドフィルム(PA)、ポリカーボネートフィルム(PC)、ポリ塩化ビニリデンフィルム(PVDC)、ポリビニルアルコールフィルム(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(EVOH)、無機酸化物(酸化珪素、酸化アルミニウムなど)の薄膜を有する樹脂フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物などのフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物などにポリ塩化ビニリデン(PVDC)を塗工したフィルム、或いはまたこれらフィルムの1種乃至それ以上を組み合わせた積層体を使用することができる。
また、該バリアフィルム層(13)の厚さは、加工性を考慮すると、3〜200μmの範囲内であることが好ましく、6〜30μmの範囲内がより好ましい。
また、熱可塑性樹脂層(12)としては、例えば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などの樹脂を使用することができる。
前記熱可塑性樹脂層(12)は、前記紙層(11)とバリアフィルム層(13)とをラミネーションを行なう際の接着剤の役目をするものである。
ラミネーション方法としては、前記エクストルージョンラミネーション方法を利用したサンドイッチラミネーション方法を使用することができる。
次に、最内層のシーラント層(40)には、例えば、ヒートシール性に優れる低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、無延伸ポリプロピレン樹脂(CPP)などのポリオレフ
ィン樹脂、またはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)などのエチレン共重合体のフィルム、もしくは、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などからなるホットメルト接着剤を塗布量15〜25g/m2程度で設けてもよく、これらシーラント層(40)によって、シール条件の選択により、容器本体(B)のフランジ部(1)との充分な密封性(シール性)と易開封性(イージーピール性)を可能とすることができる。
ところが、本発明の開封状態保持機能付き蓋材(A)においては、容器本体(B)が紙にポリエチレン樹脂(PE)をエキストルーダーでラミネートした積層材料による成形容器、ポリスチレン樹脂(PS)成形容器、ポリプロピレン樹脂(PP)成形容器、ポリスチレン樹脂(PS)シートとポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)シートとをラミネーションした積層材料による成形容器など各種の材質に対応できるようにするために、それぞれの被着体である該容器本体(B)のフランジ部(1)の端面と強接着すると同時に該蓋材(A)を開封する時には容易に開封できる易開封性(イージーピール性)をもつ、より完全なシーラント層(40)を選択する。
このような要求を満たすため、シーラント層(40)には、様々な機能を付与しているが、その一つが、易開封機構の設計であり、それらの例として、界面剥離機構、層間剥離機構、凝集剥離機構が挙げられる。
このうち、凝集剥離機構は、熱可塑性樹脂からなるベース樹脂と、非相溶系あるいは部分相溶系の熱可塑性樹脂とをブレンドすることで設計され、その剥離原理としては、非相溶系あるいは部分相溶系の熱可塑性樹脂ブレンド層が凝集力の小さいことを利用して、開封時は蓋材(A)の最内層である該シーラント層(40)と被着体との界面ではなく、このような非相溶系あるいは部分相溶系のブレンド層の凝集破壊を利用することが挙げられる。
以上のことから、該シーラント層(40)を形成する樹脂は、熱可塑性樹脂をベース樹脂とし、該ベース樹脂に非相溶系あるいは部分相溶系の熱可塑性樹脂をポリマーブレンドした混合樹脂を使用する方法が好ましい。
例えば、前記ベース樹脂としては、該容器本体(B)のフランジ部(1)のシール端面の材質に応じて様々な樹脂を使用することが可能であり、例えば低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などを使用することができる。
また、これらの樹脂は、前記の樹脂単体、または前記の樹脂を混合した樹脂を使用しても構わない。更に、該樹脂中に低分子量の石油樹脂、例えば脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂や、ロジン、重合ロジン、水素添加ロジン、ロジングリセリンエステル、およびその水添物または重合物、ロジンペンタエリストールおよびその水添物または重合物のようなロジン類を粘着付与剤として上記樹脂に適量を配合しても構わない。
次に、該ベース樹脂に配合するブレンド用の熱可塑性樹脂としては、ベース樹脂と非相溶あるいは部分相溶する樹脂が使用される。
該ベース樹脂の種類にもよるが、例えば低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリブテン樹脂(PB)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリアミド樹脂(Ny)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)やエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)のような酸共重合物やエチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)のようなエステル化物、またエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、あるいはその鹸化物、更にポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂などが使用可能であり、特に上述した熱可塑性樹脂以外にも、酸変性物などさまざまな熱可塑性樹脂の使用が可能であり、これらの樹脂はベース樹脂と同様に単体でも、複数の樹脂をブレンドした樹脂でも構わない。
また、該ベース樹脂として微生物により合成される微生物分解性を有する共重合ポリエステルを使用することもできる。該共重合ポリエステルは、別名として、微生物ポリエステルと呼ばれており、動物の中性脂肪に相当する微生物のエネルギー貯蔵物質であり、高結晶性の熱可塑性プラスチックである。この高結晶性ポリエステルは、微生物分解性という機能を持つことから、環境的に無公害プラスチックとして注目されている。
本発明においては、該蓋材(A)で蓋をする容器本体(B)のフランジ部(1)のシールする端面である被着体がポリエチレン樹脂(PE)の場合は、ベース樹脂/ブレンド用の熱可塑性樹脂の組合せとしては、ポリエチレン樹脂(PE)/エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、ポリエチレン樹脂(PE)/エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン樹脂(PE)/エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、ポリエチレン樹脂(PE)/エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)の組合せなどが好ましい。
次に、容器本体(B)の該被着体がポリスチレン樹脂(PS)の場合は、ベース樹脂/ブレンド用の熱可塑性樹脂の組合せとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)/ポリブテン樹脂(PB)、ポリエチレン樹脂(PE)+エラストマー+石油樹脂/ポリブテン樹脂(PB)の組合せが好ましい。
次に、容器本体(B)の該被着体がポリプロピレン樹脂(PP)の場合は、ベース樹脂/ブレンド用の熱可塑性樹脂の組合せとしては、ポリプロピレン樹脂(PP)/ポリスチレン樹脂(PS)、ポリプロピレン樹脂(PP)/ポリエチレン樹脂(PE)の組合せが好ましい。
また、該シーラント層(40)の厚さは、ヒートシール強度、加工性などを考慮すると、15〜100μmの範囲内であることが好ましく、30〜70μmの範囲内がより好ましい。
続いて、この巻取状の積層体を枚葉状に大断ちした後、小断ち・打ち抜き加工を経て本発明の開封状態保持機能付き蓋材(A)を得る(巻取状の積層体を枚葉状に大断ちせずに、巻取状の積層体を用いて、打ち抜き加工を一貫ラインで行なう場合もある)。
このようにして得た該蓋材(A)をあらかじめ成形されたポリスチレン樹脂(PS)からなる容器本体(B)のフランジ部(1)にヒートシールして開封状態保持機能付き蓋材(A)を被せたカップ麺入り容器を完成する。
次に、このような開封状態保持機能付きカップ麺入り容器を使用して、開封状態保持機能性などを評価したところ、本発明の開封状態保持機能付き蓋材(A)は、開封用プルタブ(2)をつまんで半分程度開口し、該蓋材(A)を反らせることができ、該蓋材(A)の開口状態を保持することができるので熱湯を注ぐ作業の邪魔にならず、スムースに行なうことができる。また、熱湯を注ぐ作業が終了したら、該蓋材(A)を容易にもとの未開封の状態に戻すことができる。また、該蓋材(A)の外周の形状変更はないので、充填ラインを改造することなく、現状の製造ラインを用いることができる。さらにアルミニウム箔を使用していないので、金属探知器の検査が可能になる。
以下に、本発明の開封状態保持機能付き蓋材(A)について、具体的にいくつかの実施例を挙げて、さらに詳しく説明する。
本発明の開封状態保持機能付き蓋材(A)に使用する積層体は、図1に示すように、最外層の保護フィルム層(10)には、厚み12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を使用し、紙層(11)には、デッドホールド性(形状保持性)を有する繊維径が0.1mmφ(直径)、繊維長が3mmのポリエチレン樹脂繊維(三井化学株式会社製、商品名:テクノロート)を配合率が3%で混抄した坪量が127.9g/m2の片アート紙を使用し、ウエットラミネーション方法により、ラミネーションして紙層(11)上に保護フィルム層(10)を積層した表基材層(20)を得た。
次に、中間基材層(30)のバリアフィルム層(13)としては、厚み12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を使用し、該バリアフィルム層(13)と前記表基材層(20)を構成している紙層(11)面とを低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)からなる熱可塑性樹脂層(12)を介して、サンドイッチラミネーション方法でラミネーションを行った。
さらに、前記バリアフィルム層(13)上にイージーピール性シーラントとして、ベース樹脂/ブレンド用の熱可塑性樹脂の組合せからなる、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)/ポリブテン樹脂(PB)を組合せた混合樹脂を使用し、エクストルージョンラミネーション方法により、シーラント層(40)を設けて、最外層の保護フィルム層(10)/紙層(11)/熱可塑性樹脂層(12)/バリアフィルム層(13)/シーラント層(40)から構成される該蓋材(A)用の積層体を得た。
続いて、この巻取状の積層体を枚葉状に大断ちした後、小断ち・打ち抜き加工を経て本発明の開封状態保持機能付き蓋材(A)を得た(巻取状の積層体を枚葉状に大断ちせずに、巻取状の積層体を用いて、打ち抜き加工を一貫ラインで行なう場合もある)。
このようにして得た該蓋材(A)をあらかじめ成形されたポリスチレン樹脂(PS)からなる容器本体(B)のフランジ部(1)にヒートシールして開封状態保持機能付き蓋材(A)を被せたカップ麺入り容器を完成した。
次に、このような開封状態保持機能付きカップ麺入り容器を使用して、開封状態保持機能性などを評価した。
先ず、図2に示すように、蓋材(A)の開封用プルタブ(2)をつまんで半分程度開口し、該蓋材(A)を反らせたところ、該蓋材(A)の開口状態を保持することが可能になり、熱湯を注ぐ作業の邪魔にならず、スムースに行なうことができた。また、該蓋材(A)の外周の形状変更はないので、充填ラインを改造することなく、現状の製造ラインを用いることができた。さらにアルミニウム箔を使用していないので、金属探知器の検査が可
能になった。
本発明の開封状態保持機能付き蓋材(A)に使用する積層体は、図1に示すように、最外層の保護フィルム層(10)には、厚み12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を使用し、紙層(11)には、デッドホールド性(形状保持性)を有する繊維径が0.1mmφ、繊維長が5mmのポリエチレン樹脂繊維(三井化学株式会社製、商品名:テクノロート)を配合率が3%で混抄した坪量が127.9g/m2の片アート紙を使用し、ウエットラミネーション方法により、ラミネーションして紙層(11)上に保護フィルム層(10)を積層した表基材層(20)を得た。
次に、中間基材層(30)のバリアフィルム層(13)としては、無機酸化物である酸化アルミニウムを真空蒸着法により、20nmの膜厚を設けたポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、該バリアフィルム層(13)と前記表基材層(20)を構成している紙層(11)面とを低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)からなる熱可塑性樹脂層(12)を介して、サンドイッチラミネーション方法でラミネーションを行った。
さらに、前記バリアフィルム層(13)上にイージーピール性シーラントとして、ベース樹脂/ブレンド用の熱可塑性樹脂の組合せからなる、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)/ポリブテン樹脂(PB)を組合せた混合樹脂を使用し、エクストルージョンラミネーション方法により、シーラント層(40)を設けて、最外層の保護フィルム層(10)/紙層(11)/熱可塑性樹脂層(12)/バリアフィルム層(13)/シーラント層(40)から構成される該蓋材(A)用の積層体を得た。
続いて、この巻取状の積層体を枚葉状に大断ちした後、小断ち・打ち抜き加工を経て本発明の開封状態保持機能付き蓋材(A)を得た(巻取状の積層体を枚葉状に大断ちせずに、巻取状の積層体を用いて、打ち抜き加工を一貫ラインで行なう場合もある)。
このようにして得た該蓋材(A)をあらかじめ成形されたポリスチレン樹脂(PS)からなる容器本体(B)のフランジ部(1)にヒートシールして開封状態保持機能付き蓋材(A)を被せたカップ麺入り容器を完成した。
次に、このような開封状態保持機能付きカップ麺入り容器を使用して、開封状態保持機能性などを評価した。
先ず、図2に示すように、開封用プルタブ(2)をつまんで半分程度開口し、該蓋材(A)を反らせたところ、該蓋材(A)の開口状態を保持することが可能になり、熱湯を注ぐ作業の邪魔にならず、スムースに行なうことができた。また、該蓋材(A)の外周の形状変更はないので、充填ラインを改造することなく、現状の製造ラインを用いることができた。さらにアルミニウム箔を使用していないので、金属探知器の検査が可能になった。
本発明に係る開封状態保持機能付き蓋材の層構成の1実施例を示す側断面図である。 本発明に係る開封状態保持機能付き蓋材を開封し、注湯などの開口部が形成され、且つ蓋材が開封状態を保持している状態を示す斜視図である。
符号の説明
A・・・蓋材
B・・・容器本体
1・・・フランジ部
2・・・開封用プルタブ
10・・・保護フィルム層
11・・・紙層
12・・・熱可塑性樹脂層
13・・・バリアフィルム層
20・・・表基材層
30・・・中間基材層
40・・・シーラント層
50・・・プラスチックフィルム層

Claims (6)

  1. 少なくとも紙層を有する表基材層と、プラスチックフィルム層とを積層した積層体からなり、該プラスチックフィルム層が容器本体のフランジ部にシールされる、該フランジ部と略同形で、外周縁に開封用プルタブを有する蓋材であって、前記紙層は、繊維の直径が0.05mmφ以上2.0mmφ以下であり繊維長が3.0mm以上6.0mm以下のデッドホールド性を有する線状樹脂繊維が混抄されていることを特徴とする開封状態保持機能付き蓋材。
  2. 前記線状樹脂繊維がMD方向に配向して混抄されていることを特徴とする請求項1記載の開封状態保持機能付き蓋材。
  3. 前記線状樹脂繊維の配合率が3.0〜10.0wt.%の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の開封状態保持機能付き蓋材。
  4. 前記表基材層が、少なくとも該紙層の片面に保護フィルム層が積層された積層体からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の開封状態保持機能付き蓋材。
  5. 前記プラスチックフィルム層が、中間基材層と、シーラント層とを積層した積層体からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の開封状態保持機能付き蓋材。
  6. 前記中間基材層が、熱可塑性樹脂層とバリアフィルム層とを積層した積層体からなることを特徴とする請求項5記載の開封状態保持機能付き蓋材。
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