JP2006213340A - 湯切り機能付き蓋材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、湯切り機能付き蓋材において、くり抜かれた湯切り孔部分が、シール部に脱落することもなく、また湯残りのない湯切り機能付き蓋材を提供する。
【解決手段】外周縁(6)に開封用プルタブ(4)を有する湯切り機能付き蓋材(A)であって、表基材層(20)と、プラスチックフィルム層(50)とを積層し、その層間には剥離剤層(14)からなる剥離領域(1)と、該剥離領域(1)内に配置された非剥離領域(7)と、他の非剥離領域(8)とに区画され、前記非剥離領域(7)内には、湯切り孔(5)を形成するための湯切り孔形成用切り取り線(2)、且つ前記剥離領域(1)と他の非剥離領域(8)との境界線(9)に沿って、湯切り孔(5)を出現させる際の剥離開始用切り取り線(2a)が、該プラスチックフィルム層(50)の最内面側から該表基材層(20)に至る範囲で設けられていることを特徴とする湯切り機能付き蓋材である。
【選択図】図1
【解決手段】外周縁(6)に開封用プルタブ(4)を有する湯切り機能付き蓋材(A)であって、表基材層(20)と、プラスチックフィルム層(50)とを積層し、その層間には剥離剤層(14)からなる剥離領域(1)と、該剥離領域(1)内に配置された非剥離領域(7)と、他の非剥離領域(8)とに区画され、前記非剥離領域(7)内には、湯切り孔(5)を形成するための湯切り孔形成用切り取り線(2)、且つ前記剥離領域(1)と他の非剥離領域(8)との境界線(9)に沿って、湯切り孔(5)を出現させる際の剥離開始用切り取り線(2a)が、該プラスチックフィルム層(50)の最内面側から該表基材層(20)に至る範囲で設けられていることを特徴とする湯切り機能付き蓋材である。
【選択図】図1
Description
本発明は、特に焼きそば、スパゲティなど即席食品の密封包装に使用する成形容器の蓋材に関するものであり、さらに詳しくは、特に焼きそば、スパゲティなど即席食品の喫食に際して注湯を行ない、所定時間(即席食品を可食状態にするための時間)経過した後、速やかに容器内から、排湯する必要のある即席食品容器用の湯切り機能付き蓋材に関するものである。
従来、焼きそば、スパゲティなど即席食品の喫食に際して注湯を行い、所定時間(即席食品を可食状態にするための時間)経過した後、速やかに容器内から排湯する必要のある即席食品容器に関しては、発泡ポリスチレン樹脂(PS)成形容器、ポリプロピレン樹脂(PP)成形容器、ポリスチレン樹脂(PS)シートとポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)シートとをラミネートした積層材料による成形容器などに麺、具、ソースなどを収納し、湯切り孔となる切り込みが形成されたプラスチック成形蓋を嵌合させて封止し、全体をシュリンクフィルムでシュリンク包装した包装形態のものが一般的に使用されている。
しかしながら、前記構成の包装形態の場合には、湯切り孔となる切り込みが形成されているため密封性が劣る。また湯切り孔の数が制限されるので湯切りに時間がかかる。嵌合蓋であるために湯切りするときに蓋が容器から外れたり、蓋と容器の隙間から湯が漏れ出して火傷する恐れがあるなどの問題点があった。
そこで外蓋と内蓋が部分的に剥離可能に積層された構成からなり、外周縁に外方に突出する摘み部が形成された蓋材であって、内蓋には、摘み部と対向する周縁部に湯切り孔切目が形成されるとともに、摘み部と湯切り孔切目が形成された領域を区画するように内蓋切目が形成され、外蓋の内面の湯切り孔切目に対向する領域に部分的に離型層が形成された構成からなる湯切り孔付き蓋材である。このような蓋材を容器に被せて内容物を包装することで、密封性に優れ、湯が漏れ出すことなく、また簡単な操作で速やかに湯切りが行なえる湯切り孔付き蓋材(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
以下に先行技術文献を示す。
特開2001−19059号公報
しかしながら、前述した湯切り孔付き蓋材のように、蓋材の層間で剥離することで、湯切り機能が出現する構造の蓋材は、湯切り孔を容器の端に近い位置に設計した場合、製造のばらつき等で、シール部にかかることがあり、くり抜かれた湯切り孔部分がシール部に残ってしまい(以下、脱落と表現する)、完全に湯切り孔が出現しないケースがあった。このようなトラブルを回避するために、湯切り孔部分を容器の端に設計することができず、湯切り時に完全に湯を排出できずに湯残りしてしまう問題が発生している。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、焼きそば、スパゲティなど即席食品の包装した状態での密封性に優れ、湯切り孔部分を容器の端に設けても、くり抜かれた湯切り孔部分がシール部に脱落することもなく、完全に湯切り孔が出現し、また湯切り時に完全に湯を排出できるので湯残りのない湯切り機能付き蓋材を提供
することを目的とする。
することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、容器本体(B)の開口部とほぼ同じ外形を有し、外周縁(6)に開封用プルタブ(4)を有する湯切り機能付き蓋材(A)であって、表基材層(20)と、プラスチックフィルム層(50)とを積層した積層体からなり、前記表基材層(20)とプラスチックフィルム層(50)との層間には剥離剤の塗布された剥離剤層(14)からなる剥離領域(1)と、該剥離領域(1)内に配置された前記剥離剤の塗布されていない非剥離領域(7)と、該剥離領域(1)に隣接して配置された他の非剥離領域(8)とに区画され、前記剥離領域(1)内にある非剥離領域(7)内には、湯切り孔(5)を形成するための湯切り孔形成用切り取り線(2)が、前記プラスチックフィルム層(50)の最内面側から表基材層(20)に至る範囲で設けられ、且つ前記剥離領域(1)と該剥離領域(1)に隣接して配置された他の非剥離領域(8)との境界線(9)に沿って、湯切り孔(5)を出現させる際の剥離開始用切り取り線(2a)が、該プラスチックフィルム層(50)の最内面側から該表基材層(20)に至る範囲で設けられ、さらに前記開封用プルタブ(4)が、前記湯切り孔形成用切り取り線(2)と対峙する前記非剥離領域(8)の外周縁(6)中央先端部分に設けられていることを特徴とする湯切り機能付き蓋材である。
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の湯切り機能付き蓋材において、前記湯切り孔(5)が容器本体(B)のフランジ部(3)に近接またはシール部(3a)にかかるように設けられていることを特徴とする湯切り機能付き蓋材である。
本発明の請求項3に係る発明は、請求項2記載の湯切り機能付き蓋材において、前記シール部(3a)にかかる湯切り孔(5)がU字形状であることを特徴とする湯切り機能付き蓋材である。
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の湯切り機能付き蓋材において、前記湯切り孔形成用切り取り線(2)および剥離開始用切り取り線(2a)が、ミシン目または連続する線状のハーフカットもしくはミシン目状の断続的なハーフカットのいずれかからなることを特徴とする湯切り機能付き蓋材である。
本発明の請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の湯切り機能付き蓋材において、前記表基材層(20)が、紙層(11)単体または少なくとも該紙層(11)の片面に保護フィルム層(10)が積層された積層体からなることを特徴とする湯切り機能付き蓋材である。
本発明の請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の湯切り機能付き蓋材において、前記プラスチックフィルム層(50)が、中間基材層(30)と、シーラント層(40)とを積層した積層体からなることを特徴とする湯切り機能付き蓋材である。
本発明の請求項7に係る発明は、請求項6記載の湯切り機能付き蓋材において、前記中間基材層(30)が、熱可塑性樹脂層(12)とバリアフィルム層(13)とを積層した積層体からなることを特徴とする湯切り機能付き蓋材である。
本発明の湯切り機能付き蓋材は、容器本体の開口部とほぼ同じ外形を有し、外周縁に開封用プルタブを有する湯切り機能付き蓋材であって、表基材層と、プラスチックフィルム層とを積層した積層体からなり、前記表基材層とプラスチックフィルム層との層間には剥
離剤の塗布された剥離剤層からなる剥離領域と、該剥離領域内に配置された前記剥離剤の塗布されていない非剥離領域と、該剥離領域に隣接して配置された他の非剥離領域とに区画され、前記剥離領域内にある非剥離領域内には、湯切り孔を形成するための湯切り孔形成用切り取り線が、前記プラスチックフィルム層の最内面側から表基材層に至る範囲で設けられ、且つ前記剥離領域と該剥離領域に隣接して配置された他の非剥離領域との境界線に沿って、湯切り孔を出現させる際の剥離開始用切り取り線が、該プラスチックフィルム層の最内面側から該表基材層に至る範囲で設けられ、さらに前記開封用プルタブが、前記湯切り孔形成用切り取り線と対峙する前記非剥離領域の外周縁中央先端部分に設けられていることにより、焼きそば、スパゲティなど即席食品の包装した状態での密封性に優れ、湯切り孔部分を容器の端に設けても、くり抜かれた湯切り孔部分がシール部に脱落することもなく、完全に湯切り孔が出現する。また湯切り時に完全に湯を排出できるので湯残りもなくなる。
離剤の塗布された剥離剤層からなる剥離領域と、該剥離領域内に配置された前記剥離剤の塗布されていない非剥離領域と、該剥離領域に隣接して配置された他の非剥離領域とに区画され、前記剥離領域内にある非剥離領域内には、湯切り孔を形成するための湯切り孔形成用切り取り線が、前記プラスチックフィルム層の最内面側から表基材層に至る範囲で設けられ、且つ前記剥離領域と該剥離領域に隣接して配置された他の非剥離領域との境界線に沿って、湯切り孔を出現させる際の剥離開始用切り取り線が、該プラスチックフィルム層の最内面側から該表基材層に至る範囲で設けられ、さらに前記開封用プルタブが、前記湯切り孔形成用切り取り線と対峙する前記非剥離領域の外周縁中央先端部分に設けられていることにより、焼きそば、スパゲティなど即席食品の包装した状態での密封性に優れ、湯切り孔部分を容器の端に設けても、くり抜かれた湯切り孔部分がシール部に脱落することもなく、完全に湯切り孔が出現する。また湯切り時に完全に湯を排出できるので湯残りもなくなる。
本発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る湯切り機能付き蓋材(A)の1実施例を示す平面図であり、図2は本発明に係る湯切り機能付き蓋材(A)の湯切り孔(5)の1実施例を示す部分拡大平面図であり、図3は本発明に係る湯切り機能付き蓋材(A)のその他の実施例を示す平面図であり、図4は本発明に係る湯切り機能付き蓋材(A)の湯切り孔(5)のその他の実施例を示す部分拡大平面図であり、図5は本発明に係る湯切り機能付き蓋材(A)を容器本体(B)から開封する状態を示す斜視図であり、図6は図1のX−X線側断面図である。
本発明の湯切り機能付き蓋材(A)は、図1または図3に示すように、容器本体(B)の開口部とほぼ同じ外形を有し、外周縁(6)に開封用プルタブ(4)を有する湯切り機能付き蓋材(A)であって、図6に示すように、表基材層(20)と、プラスチックフィルム層(50)とを積層した積層体から構成されている。
また、前記表基材層(20)とプラスチックフィルム層(50)との層間には剥離剤の塗布された剥離剤層(14)からなる剥離領域(1)と、該剥離領域(1)内に配置された前記剥離剤の塗布されていない非剥離領域(7)と、該剥離領域(1)に隣接して配置された他の非剥離領域(8)とに区画されている。
前記剥離領域(1)内にある非剥離領域(7)内には、円形状などの湯切り孔(5)を形成するための湯切り孔形成用切り取り線(2)が、前記プラスチックフィルム層(50)の最内面側から表基材層(20)に至る範囲で設けられ、且つ前記剥離領域(1)と該剥離領域(1)に隣接して配置された他の非剥離領域(8)との境界線(9)に沿って、湯切り孔(5)を出現させる際の剥離開始用切り取り線(2a)が、該プラスチックフィルム層(50)の最内面側から該表基材層(20)に至る範囲で設けられている。尚、前記境界線(9)は、湯切り時に熱湯が手に掛からないように両端を曲線状にして剥離領域(1)を非剥離領域(8)内に食い込ませた波型状剥離部(1a)を設けている。
さらに前記開封用プルタブ(4)が、前記湯切り孔形成用切り取り線(2)と対峙する前記非剥離領域(8)の外周縁(6)中央先端部分に設けられている。
このように湯切り孔(5)部分を剥離させる機構を、前記湯切り孔(5)部分と対峙する非剥離領域(8)の外周縁(6)中央先端部分側からの剥離とすることで、該湯切り孔(5)を、図2に示すように、容器本体(B)のフランジ部(3)に近接して設けることが可能となり、湯切り時に湯を容器本体(B)から完全に排出できるので湯残りもなくなる。また、シール部(3a)にかかっても、くり抜かれた湯切り孔(5)部分がシール部
(3a)に脱落することもなくなるので、完全に湯切り孔(5)が出現する。
(3a)に脱落することもなくなるので、完全に湯切り孔(5)が出現する。
また、図4に示すように、前記湯切り孔(5)の形状をU字形状にして容器本体(B)のフランジ部(3)のシール部(3a)にかかるように設けても構わない。
このように湯切り孔(5)の形状をU字形状にして容器本体(B)のフランジ部(3)のシール部(3a)にかかるように設けることにより、シール強度によってくり貫き部分がシール部(3a)に脱落することもなく、完全に湯切り孔(5)が出現する。また湯切り時に完全に湯を排出できるので湯残りもなくなる。
次に、図5に示すように、前記表基材層(20)が、紙層(11)単体または少なくとも該紙層(11)の片面に保護フィルム層(10)が積層された積層体から構成されている。また、前記プラスチックフィルム層(50)が、中間基材層(30)と、シーラント層(40)とを積層した積層体から構成されている。さらに、前記中間基材層(30)が、熱可塑性樹脂層(12)とバリアフィルム層(13)とを積層した積層体から構成されている。
前記湯切り孔形成用切り取り線(2)および剥離開始用切り取り線(2a)が、ミシン目または連続する線状のハーフカットもしくはミシン目状の断続的なハーフカットのいずれかであってもよい。
また、該湯切り孔形成用切り取り線(2)および剥離開始用切り取り線(2a)の深さは、該プラスチックフィルム層(50)の厚さの範囲内であり、蓋材(A)のバリア性を考慮して紙層(11)と接する部分までが好ましい。
尚、該湯切り孔形成用切り取り線(2)および剥離開始用切り取り線(2a)を施す方法は、例えば、厚いベニヤ合板、或いは合成樹脂板を所定の形に切断するためにレーザー光線を使用する切断装置や糸鋸などで溝部を設け、その溝部に切れ刃或いはミシン刃を組み込み、それらの両側にスポンジゴムを貼り付けた雄型からなる平板の打ち抜き型を使用するか、あるいはロータリーダイカッターなどを使用してもよい。
次に、本発明の湯切り機能付き蓋材(A)を容器本体(B)から開封し、湯切り孔(5)を出現させる方法について、詳細に説明する。
先ず、本発明の湯切り機能付き蓋材(A)の開封用プルタブ(4)をつまんで、図5に示すように、剥離領域(1)に隣接して配置された他の非剥離領域(8)の蓋材(A)部分を持ち上げて開封し、前記剥離領域(1)と該剥離領域(1)に隣接して配置された他の非剥離領域(8)との境界線(9)に沿って、湯切り孔(5)を出現させる際の剥離開始用切り取り線(2a)が設けられているので、この剥離開始用切り取り線(2a)をきっかけにして、すなわち、この境界線(9)からは、該蓋材(A)の表基材層(20)のみを取り去るが、該剥離領域(1)内にある非剥離領域(7)内には湯切り孔(5)を形成するための湯切り孔形成用切り取り線(2)が、前記プラスチックフィルム層(50)の最内面側から表基材層(20)に至る範囲で設けられているので、該表基材層(20)と一緒に該非剥離領域(7)内のプラスチックフィルム層(50)が取り除かれて、該剥離領域(1)内には熱湯を排出する湯切り孔(5)が出現する。
尚、本発明の湯切り機能付き蓋材(A)の該剥離領域(1)内にある非剥離領域(7)内の湯切り孔(5)を形成するための湯切り孔形成用切り取り線(2)の形状を、図3に示すように、U字形状にして、容器本体(B)のフランジ部(3)のシール部(3a)にかかるように設けた場合、該湯切り孔(5)側から剥離する構造だと、シール強度の方が
強いので、湯切り孔(5)のくり貫き部分がシール部(3a)に脱落してしまい、完全に湯切り孔(5)が出現しない。そこで本発明の湯切り機能付き蓋材(A)のように、湯切り孔(5)側とは逆の側から剥離する構造だと、湯切り孔(5)の大部分が開口して、剥離ニス未塗工部分(非剥離領域)の開口状態が十分確保されてからシール部(3a)にかかるので、シール強度によってくり貫き部分がシール部(3a)に脱落するということは発生せず、図4に示すように、完全なU字形状の湯切り孔(5)が出現する。
強いので、湯切り孔(5)のくり貫き部分がシール部(3a)に脱落してしまい、完全に湯切り孔(5)が出現しない。そこで本発明の湯切り機能付き蓋材(A)のように、湯切り孔(5)側とは逆の側から剥離する構造だと、湯切り孔(5)の大部分が開口して、剥離ニス未塗工部分(非剥離領域)の開口状態が十分確保されてからシール部(3a)にかかるので、シール強度によってくり貫き部分がシール部(3a)に脱落するということは発生せず、図4に示すように、完全なU字形状の湯切り孔(5)が出現する。
次に、本発明の湯切り機能付き蓋材(A)を構成する表基材層(20)と、プラスチックフィルム層(50)、及び該表基材層(20)とプラスチックフィルム層(50)との層間に部分的に形成されている剥離剤層(14)を構成する使用材料について詳細に説明する。
該湯切り機能付き蓋材(A)は、図6に示すように、少なくとも、表面側の表基材層(20)と内面側のプラスチックフィルム層(50)からなる積層体で形成されている。さらに詳しくは、前記表基材層(20)としては、紙層(11)単体、または紙層(11)の少なくとも片面に保護フィルム層(10)を積層した積層体を使用することができる。
前記紙層(11)には、木材などの植物原料を化学的、または機械的に処理してセルロースを取り出した状態のパルプを抄造したアート紙、コート紙などを使用することができる。該紙層(11)の厚さは、力学的強さ(引張り強さ、破裂強さ、衝撃強さなど)、包装作業性、機械適応性、経済性などにより適宜決定されるが、坪量40g/m2から270g/m2位のもの、好ましくは坪量50g/m2 から130g/m2の範囲内のものを使用するのが望ましい。
尚、該紙層(11)上面に商品の販売促進効果を向上させるなどの理由で文字や絵柄などの印刷インキ層(図示せず)を設けることができる。
該印刷インキ層を形成する印刷インキとしては、インキに色彩を与える顔料や染料などからなる色材と該色材を微細な粒子に分散・保持しつつ、被印刷体に固着させる樹脂と該樹脂を安定して溶解し、該顔料や染料などの分散性、インキの流動性を保持し、かつ印刷の版からインキの適正量を転移できる溶剤とから構成されるビヒクル、更に色材の分散性、発色性向上や沈殿防止、流動性の改良を目的に界面活性剤などからなる助剤から形成されているが、特に色材は、耐候性の良い顔料が好ましい。
該印刷インキ層を設ける印刷方式は、該紙層(11)に印刷できる印刷方式ならば、特に制約はないが、鉄製の円筒(シリンダー)表面上に銅メッキを施して下地を形成し、該銅メッキ面上に剥離層を設け、更に銅メッキをして、その表面を鏡面状に研磨した銅面に彫刻方式や腐食方式により、凹部(セル)を作成し、該セル内の印刷インキを該紙層(11)上面に転移させ、調子物でもカラフルに印刷ができ、且つ訴求効果も高いグラビア印刷方式が好ましい。
次に、前記保護フィルム層(10)の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリプロピレンフィルム(PP)、ポリアミドフィルム(PA)、ポリ塩化ビニルフィルム(PVC)、ポリエチレンフィルム(PE)、ポリブチレンテレフタレートフィルム(PBT)、ポリカーボネートフィルム(PC)、ポリスチレンフィルム(PS)、普通セロファン(PT)などを使用することができる。
また、該保護フィルム層(10)の厚さは、加工性を考慮すると、3〜200μmの範囲内であることが好ましく、6〜30μmの範囲内がより好ましい。
次に、前記紙層(11)と保護フィルム層(10)とを積層する方法は、例えば、ウエットラミネーション方法、ドライラミネーション方法、ノンソルベントドライラミネーション方法、ホットメルトラミネーション方法、エクストルージョンラミネーション方法、及び該エクストルージョンラミネーション方法を利用したサンドイッチラミネーション方法などの公知の方法を使用することができる。
例えば、ウエットラミネーション方法は、一方の基材に水溶性の接着剤を塗工し、接着剤が湿潤の状態で他方の基材とラミネーションし、しかる後に乾燥装置で水分を蒸発乾燥させて接着させる方式である。
次に、ドライラミネーション方法は、フィルム上に接着剤を塗布するコーティング部、乾燥装置、ニップローラー部の3つのセクションと、巻き出し、巻き取り、及びテンションコントロールシステムから構成されている。
該コーティング部は、一般的にグラビアロールコーティング方式、又はリバースロールコーティング方式を採用している。
該ドライラミネーション方法に使用する接着剤は、一般的に、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他などのラミネート用接着剤を使用することができる。
前記ラミネーション用接着剤は、溶剤型接着剤、或いは無溶剤型接着剤が使用されるが、無溶剤型接着剤を使用する場合は、乾燥装置は不要であり、特に、ノンソルベントドライラミネーション方法と呼んでいる。
前記ホットメルトラミネーション方法は、加熱溶融したエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などのホットメルト接着剤を一方の基材上に塗工し、直ちに、他方の基材をラミネーションする方法である。
前記エクストルージョンラミネーション方法は、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂を加熱し、シリンダーと呼ばれる筒の中で溶解し、スクリューで圧力をかけて押し出し、該シリンダーの先端部にあるTダイスと呼ばれる細いスリットからカーテン状に溶解した樹脂を押し出してフィルム状にした後、ラミネート基材にラミネーションする方法である。
この際、該エクストルージョンラミネーション方法を利用して、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を接着剤の代わりにして、一方の基材と他方の基材とをラミネーションするサンドイッチラミネーション方法を使用することもできる。
次に、前記プラスチックフィルム層(50)は、中間基材層(30)と、シーラント層(40)とを積層した積層体で構成されている。前記中間基材層(30)は、蓋材(A)のバリア性などの付与のためにバリアフィルム層(13)で構成されるが、前記紙層(11)と積層するための接着剤替わりに熱可塑性樹脂層(12)を加えた層構成でもよい。
前記バリアフィルム層(13)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリアミドフィルム(PA)、ポリカーボネートフィルム(PC)、ポリ塩化ビニリデンフィルム(PVDC)、ポリビニルアルコールフィルム(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(EVOH)、アルミニウム箔、アルミニウムや無機酸化物(酸化珪素、酸化アルミニウムなど)の蒸着薄膜を有する樹脂フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物などのフィルム、またポリエチレンテレフタレート
フィルム(PET)、ポリアミドフィルム(PA)、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物などのフィルムにポリ塩化ビニリデン(PVDC)を塗工したフィルム、或いはまたこれらフィルムの1種乃至それ以上を組み合わせた積層体を使用することができる。
フィルム(PET)、ポリアミドフィルム(PA)、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物などのフィルムにポリ塩化ビニリデン(PVDC)を塗工したフィルム、或いはまたこれらフィルムの1種乃至それ以上を組み合わせた積層体を使用することができる。
また、該バリアフィルム層(13)の厚さは、加工性を考慮すると、3〜200μmの範囲内であることが好ましく、6〜30μmの範囲内がより好ましい。
また、熱可塑性樹脂層(12)としては、例えば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などの樹脂を使用することができる。
前記熱可塑性樹脂層(12)は、前記紙層(11)とバリアフィルム層(13)とをラミネーションを行なう際の接着剤の役目をするものである。
ラミネーション方法としては、前記エクストルージョンラミネーション方法を利用したサンドイッチラミネーション方法を使用することができる。
次に、最内層のシーラント層(40)には、例えば、ヒートシール性に優れる低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、無延伸ポリプロピレン樹脂(CPP)などのポリオレフィン樹脂、またはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)などのエチレン共重合体のフィルム、もしくは、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などからなるホットメルト接着剤を塗布量15〜25g/m2程度で設けてもよく、これらシーラント層(40)によって、シール条件の選択により、容器本体(B)のフランジ部(3)との充分な密封性(シール性)と易開封性(イージーピール性)を可能とすることができる。
ところが、本発明の湯切り機能付き蓋材(A)においては、容器本体(B)が紙にポリエチレン樹脂(PE)をエキストルーダーでラミネートした積層材料による成形容器、ポリスチレン樹脂(PS)成形容器、ポリプロピレン樹脂(PP)成形容器、ポリスチレン樹脂(PS)シートとポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)シートとをラミネーションした積層材料による成形容器など各種の材質に対応できるようにするために、それぞれの被着体である該容器本体(B)のフランジ部(3)の端面と強接着すると同時に該蓋材(A)を開封する時には、容易に開封できる易開封性(イージーピール性)をもつ、より完全なシーラント層(40)を選択する。
このような要求を満たすため、シーラント層(40)には、様々な機能を付与しているが、その一つが、易開封機構の設計であり、それらの例として、界面剥離機構、層間剥離機構、凝集剥離機構が挙げられる。
このうち、凝集剥離機構は、熱可塑性樹脂からなるベース樹脂と、非相溶系あるいは部分相溶系の熱可塑性樹脂とをブレンドすることで設計され、その剥離原理としては、非相溶系あるいは部分相溶系の熱可塑性樹脂ブレンド層が凝集力の小さいことを利用して、開封時は蓋材(A)の最内層である該シーラント層(40)と被着体との界面ではなく、こ
のような非相溶系あるいは部分相溶系のブレンド層の凝集破壊を利用することが挙げられる。
のような非相溶系あるいは部分相溶系のブレンド層の凝集破壊を利用することが挙げられる。
以上のことから、該シーラント層(40)を形成する樹脂は、熱可塑性樹脂をベース樹脂とし、該ベース樹脂に非相溶系あるいは部分相溶系の熱可塑性樹脂をポリマーブレンドした混合樹脂を使用する方法が好ましい。
例えば、前記ベース樹脂としては、該容器本体(B)のフランジ部(3)のシール端面の材質に応じて様々な樹脂を使用することが可能であり、例えば低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などを使用することができる。また、これらの樹脂は、前記の樹脂単体、または前記の樹脂を混合した樹脂を使用しても構わない。
更に、該樹脂中に低分子量の石油樹脂、例えば脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂や、ロジン、重合ロジン、水素添加ロジン、ロジングリセリンエステル、およびその水添物または重合物、ロジンペンタエリストールおよびその水添物または重合物のようなロジン類を粘着付与剤として上記樹脂に適量を配合しても構わない。
次に、該ベース樹脂に配合するブレンド用の熱可塑性樹脂としては、ベース樹脂と非相溶あるいは部分相溶する樹脂が使用される。
該ベース樹脂の種類にもよるが、例えば低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリブテン樹脂(PB)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリアミド樹脂(Ny)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)やエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)のような酸共重合物やエチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)のようなエステル化物、またエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、あるいはその鹸化物、更にポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂などが使用可能であり、特に上述した熱可塑性樹脂以外にも、酸変性物などさまざまな熱可塑性樹脂の使用が可能であり、これらの樹脂はベース樹脂と同様に単体でも、複数の樹脂をブレンドした樹脂でも構わない。
尚、前記ベース樹脂として微生物により合成される微生物分解性を有する共重合ポリエステルを使用することもできる。該共重合ポリエステルは、別名として、微生物ポリエステルと呼ばれており、動物の中性脂肪に相当する微生物のエネルギー貯蔵物質であり、高結晶性の熱可塑性プラスチックである。この高結晶性ポリエステルは、微生物分解性という機能を持つことから、環境的に無公害プラスチックとして注目されている。
本発明においては、該蓋材(A)で蓋をする容器本体(B)のフランジ部(3)のシールする端面である被着体がポリエチレン樹脂(PE)の場合は、ベース樹脂/ブレンド用の熱可塑性樹脂の組合せとしては、ポリエチレン樹脂(PE)/エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、ポリエチレン樹脂(PE)/エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン樹脂(PE)/エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、ポリエ
チレン樹脂(PE)/エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)の組合せなどが好ましい。
チレン樹脂(PE)/エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)の組合せなどが好ましい。
次に、容器本体(B)の該被着体がポリスチレン樹脂(PS)の場合は、ベース樹脂/ブレンド用の熱可塑性樹脂の組合せとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)/ポリブテン樹脂(PB)、ポリエチレン樹脂(PE)+エラストマー+石油樹脂/ポリブテン樹脂(PB)の組合せが好ましい。
次に、容器本体(B)の該被着体がポリプロピレン樹脂(PP)の場合は、ベース樹脂/ブレンド用の熱可塑性樹脂の組合せとしては、ポリプロピレン樹脂(PP)/ポリスチレン樹脂(PS)、ポリプロピレン樹脂(PP)/ポリエチレン樹脂(PE)の組合せが好ましい。
また、該シーラント層(40)の厚さは、ヒートシール強度、加工性などを考慮すると、15〜100μmの範囲内であることが好ましく、30〜70μmの範囲内がより好ましい。
次に、前記剥離剤層(14)には、レシチンなどの可食性界面活性剤や硝化綿系(ニトロセルロース)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられ、場合によってはこれらに、例えばポリエチレン系ワックス、ポリエステル系ワックス、またはシリコンなどを混合した剥離剤を使用することができる。
これらの剥離剤を紙層(11)に塗工する方法は、グラビアロールコーティング方式、シルクスクリーン方式などを使用することができる。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
本発明の湯切り機能付き蓋材(A)に使用する積層体は、図6に示すように、最外層の保護フィルム層(10)には、厚み12μmの片面易接着性処理した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を使用し、紙層(11)には、坪量が84.9g/m2の片アート紙を使用し、ウエットラミネーション方法により、ラミネーションして紙層(11)上に保護フィルム層(10)を積層した表基材層(20)を得た。
本発明の湯切り機能付き蓋材(A)に使用する積層体は、図6に示すように、最外層の保護フィルム層(10)には、厚み12μmの片面易接着性処理した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を使用し、紙層(11)には、坪量が84.9g/m2の片アート紙を使用し、ウエットラミネーション方法により、ラミネーションして紙層(11)上に保護フィルム層(10)を積層した表基材層(20)を得た。
次に、前記表基材層(20)の紙層(11)面にワックス系の剥離剤をグラビアロールコーティング方式により、剥離剤層(14)をパターン状に設けた。
次に、中間基材層(30)のバリアフィルム層(13)としては、厚み12μmの両面易接着性処理した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を使用し、該バリアフィルム層(13)と前記表基材層(20)を構成している紙層(11)面とを低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)からなる熱可塑性樹脂層(12)を介して、サンドイッチラミネーション方法でラミネーションを行った。さらに、前記バリアフィルム層(13)上にイージーピール性シーラントとして、ベース樹脂/ブレンド用の熱可塑性樹脂の組合せからなる、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)/ポリブテン樹脂(PB)を組合せた混合樹脂を使用し、エクストルージョンラミネーション方法により、シーラント層(40)を設けて、最外層の保護フィルム層(10)/紙層(11)/パターン状の剥離剤層(14)/熱可塑性樹脂層(12)/バリアフィルム層(13)/シーラント層(40)から構成される該蓋材(A)用の積層体を得た。
続いて、この巻取状の積層体を枚葉状に大断ちした後、プラスチックフィルム層(50)の最内面側のシーラント層(40)から、該表基材層(20)の紙層(11)と接する部分まで連続する線状のハーフカットからなる湯切り孔形成用切り取り線(2)および剥離開始用切り取り線(2a)の加工を行った。次に、小断ち・打ち抜き加工を経て、図1に示すように、円形状の湯切り孔形成用切り取り線(2)を容器本体(B)のフランジ部(3)に近接して設けた、本発明の湯切り機能付き蓋材(A)を得た(巻取状の積層体を枚葉状に大断ちせずに、巻取状の積層体を用いて、切り取り線・打ち抜き加工を一貫ラインで行なう場合もある)。
このようにして得た該蓋材(A)をあらかじめ成形されたポリスチレン樹脂(PS)からなる容器本体(B)のフランジ部(3)にヒートシールして湯切り機能付き蓋材(A)を被せた焼きそば入り容器を完成した。
次に、このような湯切り機能付き蓋材(A)付き焼きそば入り容器を使用して、湯切り機能性などを評価した。
先ず、本発明の湯切り機能付き蓋材(A)の開封用プルタブ(4)をつまんで、図5に示すように、非剥離領域(8)の蓋材(A)部分を持ち上げて開封し、熱湯を注入した。引き続いて、剥離開始用切り取り線(2a)をきっかけにして、該蓋材(A)の表基材層(20)のみを取り去ったところ、図2に示すように、容器本体(B)のフランジ部(3)に近接して円形状の熱湯を排出する湯切り孔(5)が出現した。
焼きそばを包装した状態での密封性に優れ、孔くり貫き部分の脱落もなかった。また湯切り時に完全に湯を排出できたので湯残りも全くなかった。(その結果を表1に示す)。
<実施例2>
実施例1において、図3に示すように、湯切り孔形成用切り取り線(2)の形状をU字形状に変更して、容器本体(B)のフランジ部(3)のシール部(3a)にかかるように設けた以外は同様にして、本発明の湯切り機能付き蓋材(A)を得た。
実施例1において、図3に示すように、湯切り孔形成用切り取り線(2)の形状をU字形状に変更して、容器本体(B)のフランジ部(3)のシール部(3a)にかかるように設けた以外は同様にして、本発明の湯切り機能付き蓋材(A)を得た。
このようにして得た該蓋材(A)をあらかじめ成形されたポリスチレン樹脂(PS)からなる容器本体(B)のフランジ部(3)にヒートシールして湯切り機能付き蓋材(A)を被せた焼きそば入り容器を完成した。
次に、このような湯切り機能付き蓋材(A)付き焼きそば入り容器を使用して、湯切り機能性などを評価した。
先ず、本発明の湯切り機能付き蓋材(A)の開封用プルタブ(4)をつまんで、図5に示すように、非剥離領域(8)の蓋材(A)部分を持ち上げて開封し、熱湯を注入した。引き続いて、剥離開始用切り取り線(2a)をきっかけにして、該蓋材(A)の表基材層(20)のみを取り去ったところ、図4に示すように、容器本体(B)のフランジ部(3)のシール部(3a)にかかるようにしてU字形状の熱湯を排出する湯切り孔(5)が出現した。
焼きそばを包装した状態での密封性に優れ、孔くり貫き部分の脱落もなかった。また湯切り時に完全に湯を排出できたので湯残りも全くなかった。(その結果を表1に示す)。
以下に、本発明の比較例について説明する。
<比較例1>
実施例1において、円形状の湯切り孔形成用切り取り線(2)を容器本体(B)のフランジ部(3)から離れた位置に設け、開封用プルタブ(4)と対峙する湯切り孔形成用切り取り線(2)側から、開封した以外は同様にして、評価したところ、孔くり貫き部分の脱落はなかったが、湯切り時に完全に湯を排出できず湯残りが発生した。(その結果を表1に示す)。
実施例1において、円形状の湯切り孔形成用切り取り線(2)を容器本体(B)のフランジ部(3)から離れた位置に設け、開封用プルタブ(4)と対峙する湯切り孔形成用切り取り線(2)側から、開封した以外は同様にして、評価したところ、孔くり貫き部分の脱落はなかったが、湯切り時に完全に湯を排出できず湯残りが発生した。(その結果を表1に示す)。
<比較例2>
実施例1において、湯切り孔形成用切り取り線(2)の形状をU字形状に変更して、容器本体(B)のフランジ部(3)のシール部(3a)にかかるように設け、開封用プルタブ(4)と対峙する湯切り孔形成用切り取り線(2)側から、開封した以外は同様にして、評価したところ、湯残りは無かったが、孔くり貫き部分の脱落が発生した。(その結果を表1に示す)。
実施例1において、湯切り孔形成用切り取り線(2)の形状をU字形状に変更して、容器本体(B)のフランジ部(3)のシール部(3a)にかかるように設け、開封用プルタブ(4)と対峙する湯切り孔形成用切り取り線(2)側から、開封した以外は同様にして、評価したところ、湯残りは無かったが、孔くり貫き部分の脱落が発生した。(その結果を表1に示す)。
<性能比較評価>
上記実施例1〜2、及び比較例1〜2について、孔くり貫き部分の脱落、湯残りを比較評価した。その結果を表1に示す。
上記実施例1〜2、及び比較例1〜2について、孔くり貫き部分の脱落、湯残りを比較評価した。その結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、本発明の湯切り機能付き蓋材(A)は、従来の湯切り機能付き蓋材(A)に比較して、孔くり貫き部分の脱落、湯残りのいずれにおいても優れていることが確認された。
1・・・剥離領域 1a・・・波型状剥離部
2・・・湯切り孔形成用切り取り線 2a・・・剥離開始用切り取り線
3・・・フランジ部 3a・・・シール部
4・・・開封用プルタブ
5・・・湯切り孔
6・・・外周縁
7・・・非剥離領域
8・・・他の非剥離領域
9・・・境界線
10・・・保護フィルム層
11・・・紙層
12・・・熱可塑性樹脂層
13・・・バリアフィルム層
14・・・剥離剤層
20・・・表基材層
30・・・中間基材層
40・・・シーラント層
50・・・プラスチックフィルム層
A・・・蓋材
B・・・容器本体
2・・・湯切り孔形成用切り取り線 2a・・・剥離開始用切り取り線
3・・・フランジ部 3a・・・シール部
4・・・開封用プルタブ
5・・・湯切り孔
6・・・外周縁
7・・・非剥離領域
8・・・他の非剥離領域
9・・・境界線
10・・・保護フィルム層
11・・・紙層
12・・・熱可塑性樹脂層
13・・・バリアフィルム層
14・・・剥離剤層
20・・・表基材層
30・・・中間基材層
40・・・シーラント層
50・・・プラスチックフィルム層
A・・・蓋材
B・・・容器本体
Claims (7)
- 容器本体の開口部とほぼ同じ外形を有し、外周縁に開封用プルタブを有する湯切り機能付き蓋材であって、表基材層と、プラスチックフィルム層とを積層した積層体からなり、前記表基材層とプラスチックフィルム層との層間には剥離剤の塗布された剥離剤層からなる剥離領域と、該剥離領域内に配置された前記剥離剤の塗布されていない非剥離領域と、該剥離領域に隣接して配置された他の非剥離領域とに区画され、前記剥離領域内にある非剥離領域内には、湯切り孔を形成するための湯切り孔形成用切り取り線が、前記プラスチックフィルム層の最内面側から表基材層に至る範囲で設けられ、且つ前記剥離領域と該剥離領域に隣接して配置された他の非剥離領域との境界線に沿って、湯切り孔を出現させる際の剥離開始用切り取り線が、該プラスチックフィルム層の最内面側から該表基材層に至る範囲で設けられ、さらに前記開封用プルタブが、前記湯切り孔形成用切り取り線と対峙する前記非剥離領域の外周縁中央先端部分に設けられていることを特徴とする湯切り機能付き蓋材。
- 前記湯切り孔が容器本体のフランジ部に近接またはシール部にかかるように設けられていることを特徴とする請求項1記載の湯切り機能付き蓋材。
- 前記シール部にかかる湯切り孔がU字形状であることを特徴とする請求項2記載の湯切り機能付き蓋材。
- 前記湯切り孔形成用切り取り線および剥離開始用切り取り線が、ミシン目または連続する線状のハーフカットもしくはミシン目状の断続的なハーフカットのいずれかからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の湯切り機能付き蓋材。
- 前記表基材層が、紙層単体または少なくとも該紙層の片面に保護フィルム層が積層された積層体からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の湯切り機能付き蓋材。
- 前記プラスチックフィルム層が、中間基材層と、シーラント層とを積層した積層体からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の湯切り機能付き蓋材。
- 前記中間基材層が、熱可塑性樹脂層とバリアフィルム層とを積層した積層体からなることを特徴とする請求項6記載の湯切り機能付き蓋材。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005026090A JP2006213340A (ja) | 2005-02-02 | 2005-02-02 | 湯切り機能付き蓋材 |
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Family Applications (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007204082A (ja) * | 2006-01-31 | 2007-08-16 | Dainippon Printing Co Ltd | 湯切り孔付き蓋材 |
JP2010260554A (ja) * | 2009-04-30 | 2010-11-18 | Dainippon Printing Co Ltd | 湯切り孔付き蓋材 |
JP2012051642A (ja) * | 2010-09-03 | 2012-03-15 | Toppan Printing Co Ltd | 蓋体 |
JP2021102473A (ja) * | 2019-12-25 | 2021-07-15 | 共同印刷株式会社 | 剥離部付き蓋材 |
-
2005
- 2005-02-02 JP JP2005026090A patent/JP2006213340A/ja active Pending
Cited By (5)
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