JP5430385B2 - 紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム、およびそれに印刷を施した印刷物 - Google Patents

紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム、およびそれに印刷を施した印刷物 Download PDF

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Description

本発明は、紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム、およびそれに印刷を施した印刷物に関するものである。
具体的には、多孔質印刷層を有する樹脂フィルムからなり、該多孔質印刷層を特定の構造とし、且つ該層上に特定の表面処理剤で処理することによって塗工層を設けることを特徴とし、種々広範な紫外線硬化型インクジェット印刷を行なっても、一様に高いインク接着力を実現できる紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム、および耐水性に優れたそれの印刷物に関する。
看板・ポスター等の大判印刷分野では、従来のスクリーン印刷方式から、印刷版の作成が不要であり、多品種小ロットで印刷できるインクジェット印刷方式への移行が進んでいる。この大判のインクジェット印刷装置は水系または溶剤系インクだけでなく、紫外線硬化型インクを用いた印刷装置が開発されている。
水系インクジェット印刷では、水系溶媒に溶解または分散した着色成分、粘度調整剤、目詰まり防止剤等を含有したインクを使用する。したがって、該印刷物は水に濡れた場合や、高湿度下では、インクの滲みや溶出が起こり、耐水性が不足しやすい。そこで、屋外掲示用としては、水によって崩壊しない被印刷媒体の上にさらに非常にコストのかかるインク定着性能を有する耐水性インク受容層を設けた被印刷媒体を用いる(例えば、特許文献1)か、該印刷物にオーバーラミネート加工を施すことが必要であった。
溶剤型インクジェット印刷は、有機溶媒を含む溶剤に溶解または分散した着色成分、粘度調整剤、目詰まり防止剤等を含有したインクを使用する。したがって、該印刷物は水系インクジェット印刷で得た印刷物よりも耐水性に優れるが、被印刷媒体に定着させる際に、多量の溶剤を吸収する必要があるため、非常にコストのかかるインク受容層が必要であり(例えば、特許文献2)、また印刷時には乾燥設備が必要な場合が多く、さらにVOC対策のためには溶剤回収設備の設置が必要であり、資材・設備ともにコスト高である。
これらに対して、紫外線硬化型インクジェット印刷は、用いるインクが溶剤を殆ど含んでいないために、溶剤吸収の少ない耐水性を有する被印刷媒体に印刷することができ、またインク自体が硬化するので、該印刷物はラミネートなしで屋外に掲示することが可能である。
また紫外線硬化型インクジェット印刷は、紫外線照射されることによりインクが瞬時に硬化する特徴を有しているため、印刷設備以外に必須なのは紫外線照射設備のみであり、上記のような大掛かりな乾燥設備や溶剤回収設備の必要がない。そのため装置や設備を簡略にすることができ、また、該インクは瞬時に硬化するため、次工程への滞留時間を短縮することができる。
これらの利点のため、プリンター機器メーカーの各社から紫外線硬化型インクジェット印刷機が販売されているが、その印刷方式は様々である。
例えば、被印刷媒体上をインクジェットノズルと紫外線照射装置が共に移動し、被印刷媒体に印刷した直後にインクを硬化させることを繰り返し、画像を形成する方式や、紫外線照射装置が印刷部位の全幅方向に配置され、被印刷媒体上に例えば色毎に印刷した後に紫外線照射を行うことを数回繰り返し、画像を形成する方式、さらには、被印刷媒体上に全ての色で印刷した後に紫外線照射を1回のみ行ない、画像を形成する方式等である。
紫外線照射装置には、高圧、中圧、低圧の水銀灯、メタルハライドランプ、LEDなどが光源として用いられる。
また、紫外線硬化型インクジェット印刷に用いるインクについても、様々な種類がある。ただし、この紫外線硬化型インクジェット印刷用インクの特徴としては、他の印刷方式で用いる紫外線硬化型インキと比較し、格段に低い粘度が要求されることが挙げられる。
この要求は、インクジェット印刷方式がインクをノズルより微小液滴として噴射し、被印刷媒体に付着させることによって画像を形成する方式のためである。この粘度基準を満たすためには、一般的に紫外線硬化型インクジェット印刷用インクには反応希釈剤といわれる低粘度のモノマー、オリゴマーが使用されている。
紫外線硬化型インクジェット印刷用インクに関しては、液滴形成時のインクの温度を上げて低粘度化を図るもの(例えば、特許文献3)、また乾燥に影響しない程度に溶剤を添加するもの(例えば、特許文献4)、さらに安全性が高く、低臭気の低粘度のモノマー、オリゴマーを使用するために一般的なラジカル重合タイプの光重合開始剤ではなく、カチオン重合タイプの光重合開始剤を用いるもの(例えば、特許文献5)、あるいはラジカル重合とカチオン重合を併用するもの(例えば、特許文献6)、またタンク中でインクが反応固化しないように、インク中から重合開始剤を抜いたもの(例えば、特許文献7)なども提案されている。
以上のように、紫外線硬化型インクジェット印刷には印刷機およびインクにともども様々の方式があり、それらの印刷物のインクと被印刷媒体との密着性にも差異がある。そして特に屋外掲示を目的とする看板・ポスター用途の場合には、水に晒された際にもインクが脱落しない密着性が必要である。しかしながら、紫外線硬化型インクジェット印刷においても、インク受容層が無く、溶剤吸収性が無い被印刷媒体を用いると、屋外掲示を継続した場合に、インク剥がれが発生する恐れがあった。
特開2004−018935号公報 特開2005−007675号公報 特開2004−067775号公報 特開2004−018716号公報 特開2004−091557号公報 特表2006−521962号公報 特開2004−059810号公報
本発明は、屋外に継続掲示した場合でも容易にインクが剥がれることのない紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム、および耐水性の優れた紫外線硬化型インクジェット印刷を施した印刷物を提供することを目的とする。
本発明者らは、紫外線硬化型インクジェット印刷用インクはすべて低粘度であること、より詳細には紫外線硬化型インクジェット印刷用インクはすべて重合性モノマーにより低粘度に調整されていることに着目し、被印刷媒体である樹脂フィルムの表面を微細な孔を有する多孔質構造とし、さらにこれらのインク成分と化学的親和性を有するように表面処理剤で処理することにより塗工層を設けることで、該紫外線硬化型インクジェット印刷用インクによる印刷物の耐水性が向上し、屋外掲示用の印刷物として用いた際の経時安定性が飛躍的に向上することを見出し、本発明を完成した。
表面開口率が6〜30%で開口の最大幅が0.1〜3.0μmの多孔質印刷層を有する樹脂フィルムからなり、該多孔質印刷層上に下記(a)乃至(c)成分の少なくとも一つの窒素含有ポリマーを含有する塗工量が単位面積(m 2 )当たりの乾燥後固形分換算で0.01〜1g/m 2 である塗工層を有することを特徴とする樹脂フィルムであって、該樹脂フィルムの塗工層上に25℃で50mPa・s未満の粘度を有する紫外線硬化型インクジェット印刷用インクを用いて印刷を施すための紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム。
(a)エチレンイミン系重合体
(b)エチレンイミン系重合体の変性体
(c)ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物
(2)該多孔質印刷層が、熱可塑性樹脂と、無機微細粉末および有機フィラーの少なくとも一つを含有する層であることを特徴とする上記(1)に記載の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム。
(3)該多孔質印刷層に含まれる熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする上記(2)に記載の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム。
(4)該多孔質印刷層が、熱可塑性樹脂としてポリプロピレン系樹脂を20〜50重量%含み、且つ無機微細粉末および有機フィラーの少なくとも一つを50〜80重量%含むことを特徴とする上記(2)または(3)に記載の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム。
(5)該多孔質印刷層が、少なくとも1軸方向に延伸された樹脂フィルムであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム。
(6)該塗工層が、更に下記(d)成分を含むことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム。
(d)下記モノマー成分(イ)乃至(ハ)を共重合して得た三級窒素含有(メタ)アクリル系共重合体を、カチオン化剤で四級化した両性イオン系(メタ)アクリル共重合体。
Figure 0005430385
(上記式中、Rは水素又はメチル基、Rは炭素数1〜18のアルキル基、R及びRはそれぞれ水素又は炭素数1〜2のアルキル基、AおよびAは炭素数2〜6のアルキレン基を表す。)
(7)該紫外線硬化型インクジェット印刷用インクが、脂肪族系(メタ)アクリレート、脂環式系(メタ)アクリレート、芳香族系(メタ)アクリレート、エーテル系(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニル系化合物の少なくとも一つを重合性モノマーとして含むことを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムに、25℃で50mPa・s未満の粘度を有する紫外線硬化型インクジェット印刷用インクを用いてインクジェット印刷を施し、紫外線照射により該インクを乾燥固化させた印刷物。
(9)該印刷物を33℃の温水に4日間浸漬後、JIS−K−5600−5−6(1999)に準拠してインクの付着性試験をした時に、インクの剥がれ面積が0〜35%であることを特徴とする上記(8)に記載の印刷物。
本発明の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムは、各種の紫外線硬化型インクジェット印刷機で印刷した印刷物において、屋外に継続して掲示した場合でも容易にインクが剥がれることがないという、顕著な効果を奏するものである。
以下に、本発明の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム、およびそれに印刷を施した印刷物について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
(I)樹脂フィルムの構成
本発明の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムは、紫外線硬化型インクジェット印刷用インクを受容する層として多孔質印刷層を有するものである。
[多孔質印刷層]
多孔質印刷層は、表面の開口率が6〜30%の範囲であって、樹脂フィルムと紫外線硬化型インクジェット印刷用インクとを強固に結びつけるものである。
インクジェット印刷用プリンターのノズルから押し出された低粘度のインク液滴は、フィルムの多孔質印刷層に着弾した後、毛細管現象により表面開口部の中に浸透し、次いで紫外線照射によって硬化するため、その投錨効果により強固な接着力を発揮することができる。そして多孔質印刷層は、熱可塑性樹脂と、無機微細粉末および有機フィラーの少なくとも一つを含む樹脂フィルム層であることが好ましい。多孔質印刷層を有する樹脂フィルムや硬化後のインクが耐水性を有することで、該印刷物が水によって変形したり崩壊したりすることが無い。また該印刷物は硬化後のインクと多孔質印刷層が物理的に強固に結合しているために、インクが水によって容易に脱落することは無くまた外力に対し強い抵抗力が得られる。
多孔質印刷層は、少なくとも1軸方向に延伸されていることが好ましい。樹脂フィルム中に無機微細粉末や有機フィラーなどの充填剤を含み、且つ延伸することにより該フィルム表面に任意の量の開口を形成することが可能となる。
開口の形状は任意であるが、該開口の最大幅は0.1〜3.0μmであることが好ましい。開口の最大幅が0.1μm未満ではインクが浸透しない恐れがある。逆に3.0μmを超えては微小なインク液滴に対して開口が粗大となり、精細度の低下など印刷品質が悪
化する傾向にある。
[熱可塑性樹脂]
本発明の多孔質印刷層に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖線状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体の金属塩(アイオノマー)、エチレン−メタクリル酸アルキルエステル共重合体(アルキル基の炭素数は1〜8)、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体等の結晶性ポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸等のポリエステル樹脂;ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂;スチレン−アクリロニトリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等のポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの中でもポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂等の融点が130〜280℃の範囲の熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。これらの樹脂は2種以上混合して用いることもできる。
これらの中でも、耐水性や耐薬品性、生産コスト等の観点からポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましく、特に表面の開口形成性の観点からポリプロピレン系樹脂を用いることがより好ましい。多孔質印刷層がポリプロピレン系樹脂等の結晶性を示すものよりなり、且つ無機微細粉末や有機フィラー等の充填剤を含有し、且つ延伸を施すことにより、多孔質印刷層の表面に十分な開口を形成することが可能となる。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンを単独重合させたアイソタクティック重合体またはシンジオタクティック重合体を用いることが好ましい。またプロピレンを主体とし、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとを共重合させた様々な立体規則性を有する共重合体を使用することもできる。共重合体は2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でも良い。
本発明の印刷用樹脂フィルムにおける多孔質印刷層中の熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは20〜50重量%であり、より好ましくは25〜48重量%であり、特に好ましくは35〜45重量%である。熱可塑性樹脂の含有量が50重量%を超えると、所望の表面開口率が得られずに硬化した紫外線硬化型インクジェット印刷用インクと多孔質印刷層との接着性が不十分になる傾向にある。逆に20重量%未満だと、樹脂フィルムの延伸成形が困難になる傾向にある。
[無機微細粉末]
本発明の多孔質印刷層に用い得る無機微細粉末の種類は、表面の開口が形成される限り、特に限定されない。例えば、無機微細粉末としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレー、タルク、硫酸バリウム、珪藻土、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化珪素などが挙げられる。また、これらを脂肪酸、高分子界面活性剤、帯電防止剤等で表面処理したものでも良い。なかでも重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレー、タルクが、空孔成形性が良く、安価のため好ましい。
[有機フィラー]
本発明の多孔質印刷層に用い得る有機フィラーもまた、表面の開口が形成される限り、特に種類は限定されない。これらの有機フィラーは上記多孔質印刷層を形成する熱可塑性
樹脂とは非相溶であり、融点が120〜300℃、ないしはガラス転移温度が120〜280℃であり、上記熱可塑性樹脂の溶融混練条件下で微分散するものである。例えば、上記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である場合は、有機フィラーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリメチルメタクリレート、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、環状オレフィンの単独重合体や環状オレフィンとエチレンとの共重合体等が挙げられる。またはメラミン樹脂のような熱硬化性樹脂の微粉末を用いても良い。
上記の無機微細粉末および有機フィラーは、これらの中から1種を選択して単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。2種以上の組合せは無機微細粉末と有機フィラーの組合せであっても良い。
本発明の多孔質印刷層としての樹脂フィルム層における無機微細粉末および有機フィラーの含有量は、好ましくは50〜80重量%であり、より好ましくは55〜70重量%、特に好ましくは55〜65重量%である。無機微細粉末および有機フィラーの含有量が80重量%を超えると、得られる多孔質印刷層の内部凝集力が低下するため、同層にて容易に材料破壊が起こりやすくなり、セロハンテープ剥離等でインクと樹脂フィルムとの接着性を評価した場合に、結果的には硬化した紫外線硬化型インクジェット印刷用インクが樹脂フィルムから容易に脱落してしまう恐れがある。逆に50重量%未満だと、所望の表面開口率が得られずに硬化した紫外線硬化型インクジェット印刷用インクと樹脂フィルムとの接着性が不十分になる傾向にある。
[任意成分]
(分散剤)
本発明の多孔質印刷層には、必要により無機微細粉末および有機フィラーの分散剤を任意に添加することができる。該分散剤を添加することで熱可塑性樹脂中への無機微細粉末および有機フィラーの微分散が容易となり、より効果的に表面の開口を形成することが可能となる。
該分散剤としては、酸変性ポリオレフィン、シラノール変性ポリオレフィンなどを例示することができる。この中でも酸変性ポリオレフィンを用いることが好ましい。該酸変性ポリオレフィンとしては、無水マレイン酸をランダム共重合もしくはグラフト共重合した無水カルボン酸基含有ポリオレフィン、あるいはアクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸をランダム共重合もしくはグラフト共重合したカルボン酸基含有ポリオレフィン、グリシジルメタクリレートをランダム共重合もしくはグラフト共重合したエポキシ基含有ポリオレフィンなどが挙げられる。
具体例としては、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、アクリル酸変性ポリプロピレン、エチレン−メタクリル酸ランダム共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレートランダム共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレートグラフト共重合体、グリシジルメタクリレート変性ポリプロピレンなどが挙げられる。この中でも無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンが熱可塑性樹脂への相溶性や無機微細粉末等の分散のし易さの観点で好ましい。
(添加剤)
本発明の多孔質印刷層には、必要により公知の添加剤を任意に添加することができる。該添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、脂肪酸アミドなどのスリップ剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料、可塑剤、結晶核剤、離型剤、難燃剤等として公知のものが挙げるられる。これらは目的とするインクの接着性を阻害しない範囲で添加することが好ましい。
[基層]
本発明の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムには、多孔質印刷層の他に、基層を含むことが好ましい。
紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムにおいて、基層は樹脂フィルムの支持体として、樹脂フィルムに強度やコシ等の印刷適性、耐水性、耐薬品性、場合により不透明性等を付与するものである。またフィルム成形においては多孔質印刷層を支持して成形しやすくするものである。
該基層の素材としては、特に限定されないが、多孔質印刷層と同様に耐水性の観点から、好ましくは熱可塑性樹脂を含む樹脂フィルムである。該熱可塑性樹脂としては多孔質印刷層の項で述べた熱可塑性樹脂を用いることができる。また同様に、無機微細粉末および有機フィラー、分散剤、公知の添加剤等を任意に配合して所望の樹脂フィルムとすることが可能である。該基層は単層構造であっても、多層構造であっても良い。
また、該基層の両面に多孔質印刷層を設けて、両面に印刷可能な樹脂フィルムとすることも可能である。
基層を多層構造とし、これにベタ印刷層や顔料含有層などの隠蔽層を含有させることにより、片面の印刷が透けて見えることもなく、両面に設けた印刷の視認性を向上させることもできる。
(II)樹脂フィルムの製造
[製造方法]
本発明の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムは、当業者間で公知の種々の方法を単独でもしくは組み合わせて製造することができる。如何なる方法により製造された樹脂フィルムであっても、本発明の構成要件を満たすものである限り本発明の範囲内に含まれる。
例えば、本発明の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムは、押出キャスト成形や共押出キャスト成形、押出ラミネート、共押出ラミネート等の方法でシート状に製膜することができる。また該樹脂フィルムにおいて、特に多孔質印刷層は、表面開口の形成の観点から、前述の通り少なくとも一軸方向に延伸されたものであることが好ましい。
また、本発明の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムが多孔質印刷層と基層とからなる積層フィルムである場合には、その両者とも延伸されたものであることが好ましい。延伸成形による該積層樹脂フィルムには、内部空孔形成による軽量化や、樹脂分子配向による剛度向上といった利点がある。
また、基層が複数の層から構成される場合は、少なくともその一層が延伸されていることが好ましい。複数層を延伸する場合は、各層を積層する前に個別に延伸しておいても良いし、積層した後にまとめて延伸しても良い。また、延伸した層を積層後に再び延伸しても差し支えない。本発明品の多孔質印刷層において表面に開口を付与するためには、基層上に多孔質印刷層を形成する材料を成膜した後に全体を延伸する方法が特に好ましい。
該樹脂フィルムの延伸には、従来公知の種々の方法を使用することができる。例えば、前述の樹脂材料を、スクリュー型押出機を用いて溶融混練し、この押出機に接続されたTダイやIダイを用いて溶融樹脂を押し出してシート状に成形した後、該シートを延伸して樹脂フィルムを得る方法としては、ロール群の周速差を利用したロール間縦延伸法、テンターオーブンを利用した横延伸法、これらを組み合わせた逐次二軸延伸法などが使用できる。また、テンターオーブンとパンタグラフの組み合わせによる同時二軸延伸法、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる同時二軸延伸法などが使用できる。
更には、スクリュー型押出機に接続された円形ダイを使用して溶融樹脂をチューブ状に
押し出し成形した後、これに空気を吹き込む同時二軸延伸(インフレーション成形)法などが使用できる。
延伸の温度は、熱可塑性樹脂が非晶性樹脂の場合には使用する樹脂のガラス転移点以上に、結晶性樹脂の場合には非結晶部分のガラス転移点以上から結晶部の融点以下に設定することができる。特に多孔質印刷層の構成樹脂成分に結晶性樹脂を使用し、延伸の温度が結晶性樹脂の結晶部の融点を越えると、所望の表面開口率が得られず、紫外線硬化型インクジェットインクと被印刷媒体である樹脂フィルムとの接着性が低下する傾向にあり好ましくない。
安定した樹脂フィルムの延伸成形のために、延伸速度は20〜350m/分が好ましい。同様に延伸倍率は、面積延伸倍率として2〜80倍が好ましく、3〜60倍がより好ましく、4〜50倍が特に好ましい。面積延伸倍率が2倍未満では、多孔性印刷層に所望の表面開口率が得られず、紫外線硬化型インクジェット印刷後に硬化した紫外線硬化型インクジェット印刷用インクとの十分な接着性が得られない傾向にある。逆に面積延伸倍率が80倍を超えては、樹脂フィルムの破断が起きやすく安定した延伸成形が困難である。
[表面開口率]
上記のような方法により製造した本発明の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムにおける多孔質印刷層は、下記の方法により測定される表面の開口率が6〜30%であり、好ましくは6.5〜28%であり、特に好ましくは10〜20%である。表面開口率が6%未満では、紫外線硬化型インクジェット印刷用インクと被印刷媒体である樹脂フィルム表面との十分な投錨効果が得られず、紫外線照射によってインクを硬化しても、樹脂フィルムとの接着性が不足する傾向にあり好ましくない。また表面開口率が30%を越えては十分な投錨効果は得られるものの、多孔質印刷層の内部凝集力が低下するため、セロハンテープ剥離等でインクと樹脂フィルムとの接着性を評価した際に、同層において材料破壊が容易に起こり、結果として紫外線照射によって硬化したインク層とフィルムとの間に高い接着強度が得られず、印刷物としての実用上、問題となる可能性がある。
本発明における表面開口率の測定方法は、樹脂フィルムの多孔質印刷層側の表面を電子顕微鏡で観察し、観察領域の空孔(開口)が占める面積割合により求める。具体的には、樹脂フィルム試料より任意の一部を切り取り、多孔質印刷層が観察面となるように観察試料台に貼り付け、その観察面に金ないしは金−パラジウム等を蒸着し、電子顕微鏡にて観察しやすい任意の倍率(例えば、500倍〜3000倍に拡大)における表面の空孔を観察し、さらに観察した領域を画像データとして取り込み、その画像を画像解析装置にて画像処理を行い、空孔部分の面積率を求めて、多孔質印刷層の表面開口率とした。
(III)樹脂フィルムの表面処理
[表面酸化処理]
本発明の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムには、後述する塗工層を設ける前の処理として、多孔質印刷層側の表面に表面酸化処理を施すことが好ましい。該処理を施すことによって、表面開口の内部まで均一に塗工層を設けることができ、印刷用インクの導入やインクの投錨効果の向上が容易となる。
表面酸化処理としては、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理などより選ばれた処理方法が挙げられる。好ましくは、コロナ処理、プラズマ処理であり、処理量は、コロナ処理の場合には10〜200W・分/m(600〜12,000J/m)、好ましくは20〜180W・分/m(1,200〜10,800J/m)であることが安定で効果的な処理を行う観点から好ましい。
[塗工層]
本発明の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムは、多孔質印刷層上に(a)
エチレンイミン系重合体、(b)エチレンイミン系重合体の変性体、および(c)ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物、のうち少なくとも一つの窒素含有ポリマーを含有する塗工層を設けることを特徴とする。
該塗工層は、詳細後述する紫外線硬化型インクジェット印刷用インク中の、特に重合性モノマー成分と化学的親和性が強いものであり、該層を設けることにより紫外線硬化型インクジェット印刷用インクの樹脂フィルムへの濡れを向上させ、多孔質印刷層の表面開口部にインクを導入しやすくする働きを有するものである。
これら成分は水溶性のポリマーであり、該多孔質印刷層の表面改質剤として該層の表面上に薄膜コーティングされる。この塗工層は厚すぎると多孔質印刷層の表面開口部を埋没させてしまい、紫外線硬化型インクジェット印刷時のインクの投錨効果が得られにくくなる傾向にあり、逆に薄すぎると多孔質印刷層表面に均質に存在することができず、十分な表面改質効果が得られにくい傾向にある。該観点から、多孔質印刷層上への塗工層の塗工量は、単位面積(m)当たりの乾燥後固形分換算で0.005〜5g/mであることが好ましく、0.01〜1g/mであることが更に好ましく、0.1〜0.75g/mであることが特に好ましい。該範囲を外れるとインクの多孔質印刷層への接着力が不足する傾向にある。
[窒素含有ポリマー]
本発明において塗工層が含有する窒素含有ポリマーとしては、エチレンイミン系重合体、エチレンイミン系重合体の変性体、およびポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物のうち少なくとも一つである。
これらのうち、エチレンイミン系重合体はインクとの強い親和性が得られるため望ましい。更にエチレンイミン系重合体は、ポリエチレンイミン又はポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加体を、炭素数1〜24のハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化シクロアルキル又はハロゲン化ベンジルによって変性した変性体も好ましい。変性剤として使用するハロゲン化物の具体例を挙げれば、塩化メチル、臭化メチル、塩化n−ブチル、塩化ラウリル、ヨウ化ステアリル、塩化オレイル、塩化シクロヘキシル、塩化ベンジル、塩化アリル、塩化シクロペンチル等が挙げられる。
また、エチレンイミン系重合体ほどではないが、ポリアミンポリアミドのエピクロロヒドリン付加物もまたインクとの親和性が得られやすく好ましく、ポリアミンポリアミドのエピクロロヒドリン付加物を含むことで、塗布乾燥後の塗布層における窒素含有ポリマー同士が架橋反応し、該層の耐水性を向上させることができる。従ってこれらは併用して用いることが特に好ましい。
また、これらの塗工層には、他の成分、例えば、帯電防止剤、架橋剤等を任意に添加しても構わない。
[両性イオン系アクリル共重合体]
本発明において塗工層には、帯電防止剤を含有させることができる。該成分は、印刷用樹脂フィルムに帯電防止性能を付与するものである。
帯電防止剤としては低分子型のものがよく知られており、多数が市販されているが、本発明の目的である耐水性の向上の観点から、低分子型は水に溶け易い性質を有するために不向きである。
本発明に適するのはポリマー型の帯電防止剤であり、カチオン型、アニオン型、両性型、ノニオン型などが使用可能である。
カチオン型としては、アンモニウム塩(1〜3級アミン塩、4級アンモニウム塩等を有するもの)、ないしはホスホニウム塩を有するものが挙げられる。
アニオン型としては、スルホン酸、リン酸、カルボン酸等のアルカリ金属塩や、アクリ
ル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸などのアルカリ金属塩(例としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)を分子中に有するものが挙げられる。
両性型としては、上記のカチオン型とアニオン型の両方の構造を同一分子中に含有するもので、例としてはベタイン型が挙げられる。
ノニオン型としては、アルキレンオキシド単位を有するエチレンオキシド重合体や、エチレンオキシド重合成分を分子鎖中に有する重合体が挙げられる。
そのほか、ホウ素を分子構造中に有するポリマー型帯電防止剤も例として挙げられる。
これらのなかで好ましくは両性型(両性イオン系)のポリマー型帯電防止剤であり、より好ましくは両性イオン系アクリル共重合体である。
より具体的には、三級窒素含有(メタ)アクリル系共重合体、またはこれをカチオン化剤で四級化した四級窒素含有(メタ)アクリル共重合体である。更に具体的には、下記モノマー成分(イ)乃至(ハ)を共重合して得た三級窒素含有(メタ)アクリル系共重合体、またはこれをカチオン化剤で四級化した四級窒素含有(メタ)アクリル共重合体である。
Figure 0005430385
(上記式中、Rは水素又はメチル基、Rは炭素数1〜18のアルキル基、R及びRはそれぞれ水素又は炭素数1〜2のアルキル基、AおよびAは炭素数2〜6のアルキレン基を表す。)
また、上記成分よりなる両性イオン型アクリル系共重合体において、個々のモノマー成分(イ)乃至(ハ)は、モノマー成分(イ)が20〜80重量%、モノマー成分(ロ)が10〜70重量%、モノマー成分(ハ)が10〜70重量%の比率で共重合して得られたものが好ましい。上記成分を上記比率で共重合した両性イオン型アクリル系共重合体よりなる帯電防止剤は、本来の帯電防止性能に加え、紫外線硬化型インクジェット印刷用インクとの親和性が高く、接着性を阻害しにくいために好ましい。
[塗布乾燥]
上記塗工層を形成する表面処理剤(塗工剤)は、窒素含有ポリマーを水或いはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン等の溶媒に溶解させて溶液の状態として用いる。中で
も水溶液の形態で用いれば工程管理が容易であり好ましい。溶液濃度は、通常0.1〜20重量%であり、好ましくは0.2〜10重量%である。
表面処理剤の塗工方法としては、ダイコーター、ロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、リバースコーター、エアーナイフコーター、サイズプレスコーター等による塗工、または浸漬等により行われる。
表面処理剤の塗工は、少なくとも紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムの多孔質印刷層側の表面に行われる。しかしながら該樹脂フィルムの両面に行っても支障は無い。塗工は、樹脂フィルムの成形ライン中で樹脂フィルム成形と併せ実施しても良いし、既に成形された樹脂フィルムに別ラインで実施しても良い。必要に応じてオーブン等を用いた乾燥工程を経て余分な溶媒を除去し、塗布層を形成する。
(IV)紫外線硬化型インクジェット印刷
[印刷用インク]
本発明で用い得る紫外線硬化型インクジェット印刷用インクは、インクジェット印刷機において微小のインク液滴の形成可能で、紫外線の照射において十分硬化することが可能な公知のインクが使用できる。このような紫外線硬化型インクジェット印刷用インクを特定する指標として、低分子量の重合性モノマーを含有し、粘度が25℃で50mPa・s未満であることが挙げられる。
一般的に紫外線硬化型インクジェット印刷用インクは、上記の重合性モノマー以外に、色剤としての染料、顔料、反応性オリゴマー、および光重合開始剤からなっている。
該インクが硬化する仕組みとしては、優れた硬化速度から光ラジカル重合反応を用いるのが一般的である。この反応系での紫外線硬化型インクジェット印刷用インクは、粘度を下げるために低粘度の光ラジカル重合性モノマーが多く配合される。重合性モノマーとしては、脂肪族系(メタ)アクリレート、脂環式系(メタ)アクリレート、芳香族系(メタ)アクリレート、エーテル系(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニル系モノマー(ビニル化合物)等を挙げることができる。
なお、本発明においては、(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタアクリレートの少なくとも一方を含有するものを意味する。同様に(メタ)アクリルアミドとは、アクリルアミドとメタクリルアミドの少なくとも一方を含有するものを意味する。
より具体的な重合性モノマーとしては、例えば、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート、2−エチルヘキシル−カルビトールアクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエートアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ECH変性フェノキシアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、トリシクロデカンジメタノールアクリレート、ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート、9−ノナンジオールジアクリレート、ジメチロールジシクロペンタジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリストールヘキサアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート等が挙げられる。
これらのうちジアクリレートやトリアクリレートは重合反応後に網目構造を形成することができ、堅牢なインク皮膜を得るために配合されるが、粘度を25℃で50mPa・s
未満に調整するためには、モノアクリレートやビニルカプロラクタムの様な低分子量成分を主に(計50重量%以上)配合することが好ましい。
紫外線硬化型インクジェット印刷用インクにおける重合成分は、重合性モノマーのみでは硬化後にインク膜の柔軟性の不足、インク保管安定性の悪化等の不具合が発生する恐れがあり、それらを解消するために、重合性モノマーよりも分子量が高く様々な機能を付与できる反応性オリゴマー(プレポリマー)を適宜配合することが好ましい。
光重合反応可能なオリゴマーとしては、ウレタン系オリゴマー、ポリエーテル系オリゴマー、エポキシ系オリゴマー、ポリエステル系オリゴマー、アクリル系オリゴマー等が挙げられる。
より具体的には、ウレタン系オリゴマーとしては、例えば、ダイセル・サイテック社製のEBECRYL230、EBECRYL244、EBECRYL245、EBECRYL270、EBECRYL284、EBECRYL285、EBECRYL4858、EBECRYL210、EBECRYL204、EBECRYL8804、EBECRYL8800−20R、共栄社化学社製のAH−600、AT−600、UA−306H、荒川化学工業社製のビームセット502H、ビームセット504H、ビームセット505A−6、ビームセット550B、ビームセット575、AKCROS社製のActilane200、Actilane200TP20、Actilane210TP30、Actilane230HD30、Actilane250HD25、Actilane250TP25、Actilane270、Actilane280、Actilane290、Actilane165、Actilane167、Actilane170、サートマー社製のCN929、CN961E75、CN961H81、CN962、CN963、CN963A80、CN963B80、CN963E75、CN983E80、CN964、CN965、CN980、CN981、東亞合成社製のアロニックスM−1100、アロニックスM−1200、アロニックスM−1600、日本化薬社製のカヤラッドUX−2201、カヤラッドUX−2301、カヤラッドUX−3204、カヤラッドUX−3301、カヤラッドUX−4101、カヤラッドUX−7101等が挙げられる。
ポリエーテル系オリゴマーの具体例として、例えば、BASF社製のPO84F、LR−8894等を挙げることができる。
エポキシ系オリゴマーの具体例としては、例えば、AKCROS社製のActilane300、Actilane310、Actilane320、Actilane320DA25、Actilane340、Actilane330、ダイセル・サイテック社製のEBECRYL600、EBECRYL3500、EBECRYL3608、EBECRYL3700、EBECRYL3702、サートマー社製のCN104、CN111、CN115、CN151等を挙げることができる。
ポリエステル系オリゴマーの具体例としては、例えば、荒川化学工業社製のビームセット700、ビームセット710、ビームセット720、ビームセット730、ビームセット750、ダイセル・サイテック社製のEBECRYL770、EBECRYL811、EBECRYL1830、東亞合成社製のアロニックスM−6100、アロニックスM−6200、アロニックスM−7100等を挙げることができる。
アクリル系オリゴマーの具体例としては、例えば、ダイセル・サイテック社製のEBECRYL767、EBECRYL1200等を挙げることができる。
これらの化合物は分子量が大きく粘度が高いため、配合量が多いほど、インクの粘度上昇の要因となる。そのため所期の粘度を逸脱しない量を添加することが肝要である。これらは数種類を組みあわせて使用しても良い。
光ラジカル重合反応型の紫外線硬化型インクジェット印刷用インクにおける光ラジカル
重合開始剤としては、アリールケトン系光重合開始剤(例えば、ベンジルジメチルケタール類、アセトフェノン類、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、オキシムケトン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾイルベンゾエート類、α−アシロキシムエステル類等)、含イオウ系光重合開始剤(例えば、スルフィド類、チオキサントン類等)、その他、紫外線硬化型樹脂組成物等で従来用いられる各種の光重合開始剤が挙げられる。これら光ラジカル重合開始剤は1種を単独で、又は2種以上を併用して使用することができる。更には特許文献7に記載の如く、重合開始剤を抜いた様態も可能である。
より具体的には、光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,4−ジエチルチオキサン−9−オン、イソプロピルチオキサンソン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ビス−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,4−フェノキシジクロロアセトフェノン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、
1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ジベンゾイル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、9,10−フェナントレンキノン、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エチルアントラキノン、4’,4’’−ジエチルイソフタロフェノン、α−アシロキシムエステル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、アシルホスフィンオキシド等を挙げることができる。これらは数種類を組み合わせて使用しても良い。
また、紫外線硬化型インクジェット印刷用インクには、上記の重合開始剤と、アミン類等の光増感剤とを併用して使用することもできる。具体的には、トリエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、メチルジエタノールアミン等が挙げられる。
紫外線硬化型インクジェット印刷用インクにおける色剤としての顔料、染料としては、紫外線硬化を実質的に阻害しない範囲で従来公知のものを使用することができる。
顔料の例としては、塗料原料便覧1970年度版(日本塗料工業会編)に記載されている体質顔料、白顔料、黒顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、緑色顔料、青顔料、紫顔料、金属粉顔料、発光顔料、真珠色顔料等の有機顔料や無機顔料、さらにはプラスチック顔料等を挙げることができる。黒色顔料には一般的にカーボンブラックが用いられており、これらは紫外線を吸光することや生じたラジカルの吸着によりインクの硬化を若干阻害
する傾向が知られているものの、従来から使用されている。
本発明で用い得る紫外線硬化型インクジェット印刷用インクは、同インクが硬化する仕組みとして光カチオン重合反応を用いたものであっても良い。
この反応系では酸素による重合反応の阻害を受けない利点があることから、インク液滴を極小に調整することが可能であり、該反応系の紫外線硬化型インクジェット印刷用インクによれば高精細なインクジェット印刷ができる。また硬化収縮が少ないことから、低粘度のインクの設計が容易であるという利点もある。
この紫外線硬化型インクジェット印刷用インクは、カチオン重合性物質と光カチオン重合開始剤を含有する。カチオン重合性物質の例としては、エポキシ樹脂類、ビニルエーテル化合物、オキセタン環を有する化合物が挙げられる。
エポキシ樹脂類の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物の例としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールモノビニルエーテル、1,9−ノナンジオールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、シクロヘキシル−1,4−ジメチルモノビニルエーテル、2−クロルエチルビニルエーテル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,9−ノナンジオールジビニルエーテル、シクロヘキシル−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等の反応性ビニルエーテル単量体、エチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等のポリオール類、有機ポリイソシアネート類(例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソポロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等)と水酸基含有ビニルエーテル類(例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールモノビニルエーテル、シクロヘキシル−1,4−ジメチロールモノビニルエーテル等)の反応物であるウレタンビニルエーテル等、そして前記の水酸基含有ビニルエーテル類とポリカルボン酸クロライド類(例えば、フタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、テトラヒドロフタル酸ジクロライド等)の反応物であるポリエステルポリビニルエーテル等の反応性ビニルエーテルオリゴマー等が挙げられる。
オキセタン環を有する化合物の例としては、3−エチル−3−ヒドロキシエチルオキセタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、トランス−3−t−ブチル−2−フェニルオキセタン、3,3,4,4−テトラメチル−2,2−ジフェニルオキセタン、ジ[3−エチル(2−メトキシ−3−オキセタニル)]メチルエーテル、1,4−ビス(2,3,4,4−テトラメチル−3−エチルオキセタニル)ブタン、1,4−ビス(3−メチル−3−エチルオキセタニル)ブタン、ジ(3,4,4−トリメチル−3−エチルオキセタニル)メチルエーテル、3−(2−エチル−ヘキシルオキシメチル)−2,2,3,4−テトラメチルオキセタン、
2−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−2,3,3,4,4−ペンタメチルオキセタン、4,4’−ビス[(2,4−ジメチル−3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ビフ
ェニル、1,7−ビス(2,3,3,4,4−ペンタメチルオキセタニル)ヘプタン)、オキセタニル基を有するシルセスキオキサン、2−メトキシ−3,3−ジメチルオキセタン、2,2,3,3−テトラメチルオキセタン、2−(4−メトキシフェニル)−3,3−ジメチルオキセタン、ジ(2−(4−メトキシフェニル)−3−メチルオキセタン−3−イル)エーテル等が挙げられる。
光カチオン重合開始剤の例としては、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェート、アデカ社製のアデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−170、スリーエム社製のFC−508、FC−512、ゼネラルエレクトリックカンパニー社製のUVE−1014等のポリアリルスルホニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−ノニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ジエトキシフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、チバ・ジャパン社製のイルガキュア250、等のポリアリールヨードニウム塩等が挙げられる。これら光カチオン重合開始剤は、1種を選択して使用または数種類を組み合わせて使用することができる。
また、本発明に係る紫外線硬化型インクジェット印刷用インクには、必要に応じて光増感剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱重合防止剤等の安定剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、顔料分散剤、帯電防止剤、防曇剤等の界面活性剤類、ワックス、スリップ剤、近赤外線吸収剤等の各種添加剤を、適宜配合したものであっても良い。更に、着色顔料や体質顔料等の微粒子を分散させても良い。
また、本発明に係る紫外線硬化型インクジェット印刷用インクは、通常使用しうる温度域、即ち常温域(本発明では25℃)においてJIS−K−7117−1(1999)に準拠し、番号1のスピンドルにて60rpmで測定された粘度が、50mPa・sより小さいことが好ましく、5〜40mPa・sであることがより好ましい。50mPa・sを超えるとインクの粘度が高すぎてノズルより吐出が出来なかったり、ノズルを目詰まりさせたり、微小で安定した形状のインク液滴を吐出させるのが困難になる恐れがある。そして本発明の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムにおいて、粘度が50mPa・sを超えて高いインクを用いると、多孔質印刷層上に着弾した後に開口の内部にインクが十分に行きわたらず、印刷物が水に浸された際の樹脂フィルムとインク膜との密着性が劣る結果となる恐れがあり、逆に同粘度が5mPa・sより低いとインクの吐出量が多くなりすぎ、安定した液滴のコントロールが困難になる恐れがある。
[印刷装置]
本発明に係る紫外線硬化型インクジェット印刷装置については、特に限定されない。例えば、荷電変調方式、マイクロドット方式、帯電噴射制御方式、およびインクミスト方式などの連続方式、カイザー方式、ステムメ方式、パルスジェット方式、バブルジェット(登録商標)方式、および静電吸引方式などのオン・デマンド方式などいずれも利用可能である。
(V)評価
本発明の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムが優れた耐水性を有し、この印刷物を継続して屋外に掲示した場合に、インク剥がれが発生しにくいことを評価するために、本発明では該印刷物を33℃の温水に4日間浸漬後、JIS−K−5600−5−6(1999)に準拠してインクの付着性を試験した場合のインクの剥がれ面積で評価した。より具体的には、後記の試験例の(インクの付着性)の項において測定した方法である。
本発明では該評価において、インクの剥がれ面積が0〜35%(試験結果の分類が0〜3)であることが好ましく、0〜15%(試験結果の分類が0〜2)であることがより好ましい。インクの剥がれ面積が35%を超えて多い場合は、従来品に比べてインク剥がれ
が発生しにくいとは言い難く好ましくない。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
<樹脂フィルムの製造>
プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP:MA−8」、融点164℃、日本ポリプロ(株)製)67重量%、高密度ポリエチレン(商品名「ノバテックHD:HJ580」、融点134℃、日本ポリエチレン(株)製)10重量%、および平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム粉末23重量%よりなる樹脂組成物(a)を、押出機を用いて260℃で溶融混練したのち、ダイよりフィルム状に押し出し、約50℃の温度となるまでフィルムを冷却した。このフィルムを約140℃に再度加熱したのち、ロール群の周速度を利用して縦方向に5倍延伸して、コア層となる一軸延伸フィルムを得た。
一方、プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP:MA−3」、日本ポリプロ(株)製)51.5重量%、高密度ポリエチレン(商品名「ノバテックHD:HJ580」、日本ポリエチレン(株)製)3.5重量%、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム粉末42重量%、および平均粒径0.8μmの酸化チタン粉末3重量%よりなる樹脂組成物(b)を別の押出機を用いて250℃で溶融混練し、これを前記一軸延伸フィルムの片面にダイよりフィルム状に押し出し、積層して、表面層/コア層(b/a)の積層体を得た。
さらに、それぞれ別々の押出機を用い、プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP:MA−3」、日本ポリプロ(株)製)51.5重量%、高密度ポリエチレン(商品名「ノバテックHD:HJ580」、日本ポリエチレン(株)製)3.5重量%、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム粉末42重量%、および平均粒径0.8μmの酸化チタン粉末3重量%よりなる樹脂組成物(c)と、プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP:FY−4」、日本ポリプロ(株)製)39重量%、マレイン酸変性ポリプロピレン(商品名「Yumex1001」、三洋化成工業(株)製)1重量%と、および重質炭酸カルシウム(商品名「カルテックス:7」、丸尾カルシウム(株)製)60重量%よりなる樹脂組成物(d)を250℃で溶融混練し、一台の共押出ダイに供給してダイ内で積層し、ダイよりそれぞれフィルム状に押し出し、前記積層体(b/a)のコア層(a)側の面に、樹脂組成物(d)が最外層となるように積層して、表面層/コア層/裏面層/多孔質印刷層の四層構造の積層体(b/a/c/d)を得た。ここでは表面層/コア層/裏面層の三層構造の積層体(b/a/c)は本発明に用いる樹脂フィルムにおいて基層に相当する。
この四層構造の積層体をテンターオーブンに導き、155℃に加熱した後、テンターを用いて横方向に5倍延伸し、次いで164℃で熱セット(アニーリング)して、さらに55℃迄冷却し耳部をスリットした後に、30W/m/分の強度でコロナ放電処理を施した。
次いで同樹脂フィルムの多孔質印刷層側の面に、ポリエチレンイミン(商品名「エポミン:P−1000」、(株)日本触媒製)を0.3重量%含む水溶液よりなる表面処理剤(表面処理剤(a))を、単位面積(m)当たり乾燥後固形分で0.02g設けるようにスプレー塗布装置を用いて塗工した。塗工後の同樹脂フィルムは60℃のオーブンを介して乾燥させ、最終的にワインダーにてロール状に巻き取り、実施例1の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムを得た。この樹脂フィルムの多孔質印刷層の表面開口率
は15%であった。
<印刷物>
上記で得られた樹脂フィルムの多孔質印刷層(d)上に、表−1に示す製造例1の組成を有する紫外線硬化型インクジェット印刷用インクを、紫外線硬化型インクジェット印刷機(商品名「OceArizona250GT」、Oce社製)にて50%網点と100%ベタを含むテストパターンを印刷し、印刷物を得た。
(実施例2)
実施例1における表面処理剤を、ポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物(商品名「ポリミンSK」、BASF社製)を0.3重量%含む水溶液(表面処理剤(b))に変更したこと以外は、実施例1と同様に製造して紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムおよびその印刷物を得た。
(実施例3)
実施例1における表面処理剤を、ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物(商品名「WS−4024」、星光PMC(株)製)を0.3重量%含む水溶液(表面処理剤(c))に変更したこと以外は、実施例1と同様に製造して紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムおよびその印刷物を得た。
(実施例4)
実施例1における表面処理剤に用いたポリエチレンイミンに併せ、下記製造例にて製造した両性イオン系アクリル共重合体を添加し、それぞれ0.3重量%含むように調整した表面処理剤(表面処理剤(a+d))を用いた以外は、実施例1と同様に製造して紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムおよびその印刷物を得た。
<両性イオン系アクリル共重合体の製造例>
窒素導入管、還流冷却器及び攪拌機を取り付けたフラスコ中に、下記(イ)乃至(ニ)を加え攪拌して良く混合し、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.6部を添加し、系内を窒素で置換したのち80℃まで昇温して、3時間重合した。その後、四級化剤としてモノクロル酢酸ソーダ18.5部を水20部で溶解した溶液を添加し、更に80℃で3時間反応させた後、水を滴下しながらエチルセルソルブを留去し、最終固形分濃度が20重量%の両性イオン系アクリル共重合体の水溶液を得た。
(イ)ジメチルアミノエチルメタクリレート・・・40部
(ロ)メタクリル酸メチル・・・・・・・・・・・50部
(ハ)2−ヒドロキシエチルメタクリレート・・・10部
(ニ)溶剤エチルセルソロブ・・・・・・・・・100部
(実施例5)
実施例2における表面処理剤に用いたポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物に併せ、上記製造例にて製造した両性イオン系アクリル共重合体を添加し、それぞれ0.3重量%含むように調整した表面処理剤(表面処理剤(b+d))を用いた以外は、実施例2と同様に製造して紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムおよびその印刷物を得た。
(実施例6)
実施例3における表面処理剤に用いたポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物に併せ、上記製造例にて製造した両性イオン系アクリル共重合体を添加し、それぞれ0.3重量%含むように調整した表面処理剤(表面処理剤(c+d))を用いた以外は、実施例3と同様に製造して紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムおよびその印刷
物を得た。
(実施例7)
実施例1において、樹脂組成物(d)の配合量を変更して、プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP:FY−4」、日本ポリプロ(株)製)24重量%、マレイン酸変性ポリプロピレン(商品名「Yumex1001」、三洋化成工業(株)製)1重量%と、重質炭酸カルシウム(商品名「カルテックス:7」、丸尾カルシウム(株)製)75重量%よりなる樹脂組成物とし、得られた樹脂フィルムの多孔質印刷層の表面開口率を27%としたこと以外は、実施例1と同様に製造して紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムおよびその印刷物を得た。
(実施例8)
実施例1において、樹脂組成物(d)の配合量を変更して、プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP:FY−4」、日本ポリプロ(株)製)49重量%、マレイン酸変性ポリプロピレン(商品名「Yumex1001」、三洋化成工業(株)製)1重量%と、重質炭酸カルシウム(商品名「カルテックス:7」、丸尾カルシウム(株)製)50重量%よりなる樹脂組成物とし、得られた樹脂フィルムの多孔質印刷層の表面開口率を6.5%としたこと以外は、実施例1と同様に製造して紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムおよびその印刷物を得た。
(実施例9)
実施例1と同じ紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムを用い、表−1に示す製造例2の組成を有する紫外線硬化型インクジェット印刷用インクを用いたこと以外は、実施例1と同様に製造して印刷物を得た。
(比較例1)
実施例1において、樹脂組成物(d)の配合量を変更して、プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP:FY−4」、日本ポリプロ(株)製)14重量%、マレイン酸変性ポリプロピレン(商品名「Yumex1001」、三洋化成工業(株)製)1重量%と、重質炭酸カルシウム(商品名「カルテックス:7」、丸尾カルシウム(株)製)85重量%よりなる樹脂組成物として、得られた樹脂フィルムの多孔質印刷層の表面開口率を35%としたこと以外は、実施例1と同様に製造して紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムおよびその印刷物を得た。
(比較例2)
実施例1において、樹脂組成物(d)の配合量を変更して、プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP:FY−4」、日本ポリプロ(株)製)54重量%、マレイン酸変性ポリプロピレン(商品名「Yumex1001」、三洋化成工業(株)製)1重量%と、重質炭酸カルシウム(商品名「カルテックス:7」、丸尾カルシウム(株)製)45重量%よりなる樹脂組成物として、得られた樹脂フィルムの多孔質印刷層の表面開口率を5%としたこと以外は、実施例1と同様に製造して紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムおよびその印刷物を得た。
(比較例3)
実施例1における表面処理剤を、純水(蒸留水、表−2中では表面処理剤(e)と表記)に変更したこと以外は、実施例1と同様に製造して紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムおよびその印刷物を得た。
(比較例4)
実施例1と同じ紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムを用い、表−1に示す
製造例3の組成を有する紫外線硬化型インクジェット印刷用インクを用いたこと以外は、実施例1と同様に製造して印刷物を得た。
<試験例>
上記実施例1〜9および比較例1〜4で製造した紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムおよびその印刷物について、以下の物性の測定と評価を行った。
(表面開口率)
各樹脂フィルム試料より任意の一部を切り取り、多孔質印刷層が観察面となるように観察試料台に貼り付け、その観察面(多孔質印刷層表面)に金を蒸着して観察試料とし、これを電子顕微鏡(装置名「走査電子顕微鏡:SM−200」、TOPCON(株)製)を使用して倍率3000倍にて表面の開口を観察した。さらに観察した領域を画像データとして取り込み、その画像を画像解析装置(装置名「小型汎用画像解析装置:ルーゼックスAP」、ニレコ(株)製)を使用して画像処理を行い、開口の面積率を求め、多孔性印刷層表面の開口率とした。結果を表−2にまとめて示す。
(インクの粘度)
各紫外線硬化型インクジェット印刷用インクを、JIS−K−7117−1(1999)に準拠して、直径91mm、高さ117mm、容量500mlのビーカーに加え、温度25℃下にて調製した。次いで、粘度計(装置名「T−22形スピンドルタイプ」、東機産業(株)製)、及びスピンドル1番を使用し、60rpmで1分間、該インクの粘度を測定した。結果を表−1にまとめて示す。
(インクの付着性)
各印刷物試料を、JIS−K−5600−5−6(1999)に準拠して、印刷面をクロスカットし、セロハンテープ(商品名「セロテープ(登録商標) CT−24」、ニチバン(株)製)を用いて碁盤目のテープ剥離を行ない、インクの付着性試験を行い、インク膜が剥がれた面積割合(%)を目視で判定した。結果を表−2に「ドライ」としてまとめて示す。
また、印刷物の屋外掲示を想定したインクの耐水付着性評価として、150mm×100mmに切り取った印刷物を33℃に調整した蒸留水中に4日間漬け込んだ後、評価に支障がないよう丁寧に水分を拭き取り、上記と同様の手法でクロスカット法によるインク付着性試験を実施し、インク膜を剥がれた面積割合(%)を目視で判定した。結果を表−2に「漬水後」としてまとめて示す。
Figure 0005430385
Figure 0005430385

Claims (9)

  1. 表面開口率が6〜30%で開口の最大幅が0.1〜3.0μmの多孔質印刷層を有する樹脂フィルムからなり、該多孔質印刷層上に下記(a)乃至(c)成分の少なくとも一つの窒素含有ポリマーを含有する塗工量が単位面積(m 2 )当たりの乾燥後固形分換算で0.01〜1g/m 2 である塗工層を有することを特徴とする樹脂フィルムであって、該樹脂フィルムの塗工層上に25℃で50mPa・s未満の粘度を有する紫外線硬化型インクジェット印刷用インクを用いて印刷を施すための紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム。
    (a)エチレンイミン系重合体
    (b)エチレンイミン系重合体の変性体
    (c)ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物
  2. 該多孔質印刷層が、熱可塑性樹脂と、無機微細粉末および有機フィラーの少なくとも一つを含有する層であることを特徴とする請求項1に記載の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム。
  3. 該多孔質印刷層に含まれる熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム。
  4. 該多孔質印刷層が、熱可塑性樹脂としてポリプロピレン系樹脂を20〜50重量%含み、且つ無機微細粉末および有機フィラーの少なくとも一つを50〜80重量%含むことを特徴とする請求項2または3に記載の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム。
  5. 該多孔質印刷層が、少なくとも1軸方向に延伸された樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム。
  6. 該塗工層が、更に下記(d)成分を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム。
    (d)下記モノマー成分(イ)乃至(ハ)を共重合して得た三級窒素含有(メタ)アク
    リル系共重合体を、カチオン化剤で四級化した両性イオン系(メタ)アクリル共重合体。
    Figure 0005430385
    (上記式中、R1は水素又はメチル基、R2は炭素数1〜18のアルキル基、R3及びR4はそれぞれ水素又は炭素数1〜2のアルキル基、A1およびA2は炭素数2〜6のアルキレン基を表す。)
  7. 該紫外線硬化型インクジェット印刷用インクが、脂肪族系(メタ)アクリレート、脂環式系(メタ)アクリレート、芳香族系(メタ)アクリレート、エーテル系(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニル系化合物の少なくとも一つを重合性モノマーとして含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット印刷用樹脂フィルムに、25℃で50mPa・s未満の粘度を有する紫外線硬化型インクジェット印刷用インクを用いてインクジェット印刷を施し、紫外線照射により該インクを乾燥固化させた印刷物。
  9. 該印刷物を33℃の温水に4日間浸漬後、JIS−K−5600−5−6(1999)に準拠してインクの付着性試験をした時に、インクの剥がれ面積が0〜35%であることを特徴とする請求項8に記載の印刷物。
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