JP2010116460A - 紫外線硬化型インクジェットインキ - Google Patents

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泰男 吉廣
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Abstract

【課題】インクジェット印刷方式を用いて、基材との密着性に優れ、可撓性をもちかつ耐ブロッキング性に優れた印刷物を提供する。
【解決手段】α−ヒドロキシ−α−メチル−エチルフェニルケトンを光開始基として側鎖にもつα−メチルスチレン系オリゴマーを光重合開始剤として含有し、前記オリゴマーの重合度が2の化合物を50〜90重量%、及び重合度が3〜6の化合物を10〜30重量%含有する紫外線硬化型インクジェットインキ。さらにアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する上記紫外線硬化型インクジェットインキ。さらに単官能モノマーを80重量%以上含有する上記紫外線硬化型インクジェット用インキ。前記単官能モノマーは、フェノキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレート及びN-ビニルカプロラクタムからなる群から選択されるモノマーを70重量%以上含有する上記紫外線硬化型インクジェット用インキ。
【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線硬化型インクジェットインキに関する。
従来、活性エネルギー線硬化型インキはオフセット、シルクスクリーン、トップコート剤などに供給、使用されている。乾燥工程を簡略化することによりコストダウンしたり、環境対応として溶剤の揮発量を低減することができるというメリットから、溶剤型インキからの置き換えにより、近年、活性エネルギー線硬化型インキの使用量が増加している。
中でもインクジェットインキとしては、水系と溶剤系が多く使用されており各々の特徴に応じて用途が使い分けられている。特に工業用としては、印刷基材に制限があること、耐水性が比較的悪いこと、インキの乾燥エネルギーが大きいこと、また、乾燥によるヘッドへのインキ成分が付着するなどの問題点を有し、比較的揮発性の低い紫外線硬化型インキへの置き換えが期待されている。
しかし、従来の紫外線硬化型インキによる硬化膜は、硬いが脆い特性を示す場合が多く、印刷後に印刷物の加工を行う際に印刷部位に亀裂が生じるなどの欠点があった。硬化膜に可撓性をもたせるために硬化膜の架橋密度を下げた場合は、インキの硬化性が低下し、従来と同等の条件で硬化した場合は、未反応のモノマーや低分子量のポリマーが多く残り印刷物を重ね積みしたときにブロッキングが生じてしまう。以上のように、印刷後に加工を行う用途に関しては全ての物性を満足することができるインキがないのが実情であった。
特許文献1では架橋樹脂ワニスを使用することで耐ブロッキング性の高い印刷物を得ることができるオフセットインキを提示している。インクジェットインキは、インクジェットヘッドの微小なノズルから吐出するため、粘度を低く抑える必要があるが、架橋樹脂ワニスを使用するとインキ粘度が非常に高くなってしまい吐出が困難となりインクジェットインキには実用上適さなかった。
特許文献2では単官能及び多官能モノマーの使用比率、硬化膜へのインキの再吸収性、硬化収縮を制御することで高い密着性及び可撓性を有するインクジェットインキを提示している。このインキでは単官能モノマーを多く配合しているが、開始剤に関しては従来と同様のものを使用しているため硬化膜中に未反応のモノマー、低分子量の硬化物が残り、これが耐ブロッキング性を悪化させる原因となり事実上使用できなかった。
特開2003-64288号公報 特開2007-131755号公報
本発明は、記録媒体への密着性が良好であり、印刷後の加工工程に耐えうる可撓性があり、かつ耐ブロッキング性に優れた紫外線硬化型インクジェットインキの提供を目的とする。
すなわち、本発明は、化合物1で示される光重合開始剤を含有し、前記化合物1はn=2の化合物1を50〜90重量%、及びn=3〜6の化合物1を10〜30重量%含有する紫外線硬化型インクジェットインキに関する。
Figure 2010116460
ここで、n=1〜10である。
本発明のインキは、さらにアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する紫外線硬化型インクジェットインキに関する。
また、本発明は、さらにモノマーを含有し、前記モノマーは単官能モノマーを80重量%以上含有する紫外線硬化型インクジェット用インキに関する。
また、本発明は、単官能モノマーはフェノキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレート及びN-ビニルカプロラクタムからなる群から選択されるモノマーを70重量%以上含有する紫外線硬化型インクジェット用インキに関する。
また、本発明は、印刷基材に紫外線硬化型インクジェット用インキで印刷してなる印刷物に関する。
本発明により、インクジェット印刷方式を用いて、基材との密着性に優れ、可撓性をもちかつ耐ブロッキング性に優れた印刷物を提供することが可能である。これによりフレキシブルな基材への印刷を行う場合や、インクジェット印刷後に二次加工を行う用途において、硬化後直ぐにブロッキングフリーとなることから、従来の印刷ラインを使用した場合の積み重ね時のブロッキングを防ぐことが可能である。ひいては、熱処理、トップコートなどの付加設備、付加印刷無しに、美粧性を具備した印刷物を提供することが可能である。
本発明は、化合物1で示される光重合開始剤を含有し、前記化合物1はn=2の化合物1を50〜90重量%、及びn=3〜6の化合物1を10〜30重量%含有する紫外線硬化型インクジェットインキに関する。
Figure 2010116460
ここで、n=1〜10である。
本発明で示される光重合開始剤とは紫外線照射により化学変化が起こり、ラジカルが発生する化合物のことを指す。
通常、光重合開始剤はラジカル発生部位が1つであることが多いが、化合物1の光重合開始剤はラジカル発生部位を複数有する。ラジカル発生部位を複数有するため、紫外線照射によりモノマーと重合した際、ラジカル発生部位が1つのものと比較して、高分子量の硬化物を得ることができる。また、印刷物同士のブロッキングは未反応のモノマーや低分子量の硬化物が硬化膜の表面にブリードすることが原因であると考えられるが、複数のラジカル発生部位を有する化合物1の光重合開始剤を用いることにより、反応性の向上、硬化物の分子量が増加しブロッキングの発生を防止することができる。
ただし、ラジカル発生部位が3つ以上の光重合開始剤では、硬化後に開始剤が架橋点となるため、硬化膜が堅固になり可撓性が失われ、さらに硬化収縮が生じ密着性が低下するという問題があった。また、分子量がさらに大きいものの割合が多いとインキの粘度が高くなるためインクジェットインキとしては不適であるという問題があった。
これに対して、化合物1の総量中、n=2の化合物1を50〜90重量%及びn=3〜6の化合物1を10〜30重量%選択的に含有させることで、上記の問題を解決し、複数の物性を満足させている。さらに好ましくは化合物1の総量中、n=2の化合物1を70〜90重量%及びn=3〜6の化合物1を10〜20重量%含有する。
本発明のインキは、化合物1の光重合開始剤と併せて、アシルホスフィンオキサイド系の光重合開始剤を含有してよい。この光重合開始剤は化合物1と比較してより長波長側に吸収をもつことを特徴としている。この二つの光重合開始剤を併用することによって短波長から長波長の紫外線を有効に利用してインキを硬化させることが可能となる。アシルホスフィンオキサイド系の光重合開始剤は、光重合開始剤の総量中、50重量%以下含有することが好ましい。
アシルホスフィンオキサイド系の光重合開始剤として具体的には2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドが挙げられるがこれに限定されるものではない。
光重合開始剤はモノマー全体に対して5〜20重量%の割合でインキ中に配合することが望ましい。5重量%未満では硬化性が不十分となり実用に適さなく、20重量%よりも多いと粘度が高くなりインクジェット装置での印字が困難となる。また、上記以外の光重合開始剤としてアルキルフェノン系、ベンゾフェノン系の光重合開始剤も複数併用することができる。アルキルフェノン系の光重合開始剤として具体的には1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、ベンゾフェノン系の光重合開始剤として具体的にはメチル-o-ベンゾイルベンゾエート、4-ベンゾイル-4'-メチルジフェニルサルファイドが挙げられるがこれに限定されるものではない。
本発明のインキはモノマーを含有していてもよい。本明細書において示されるモノマーとは重合性官能基数が1〜100個のものを指し、重合性官能基数が1個のものを単官能モノマー、2個以上のものを多官能モノマーと称する。
インクジェット用途に使用されるモノマーには、インクジェット装置で印字可能な粘度にインキを調整することのできる希釈性、基材への密着性、硬化後の膜強度が求められ、これらの機能を有するものがインクジェット適性を有するといえる。
単官能モノマーとして、具体的にはベンジルアクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)2−フェノキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル)アクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート、β-カルボキシルエチルアクリレート、トリメチロールプロパンフォルマルモノアクリレート、イソアミルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボロニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミドを挙げることができるがこれに限定されるものではない。
さらにこの中でもインキジェット適性が高い単官能モノマーとしてベンジルアクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)2−フェノキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボロニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミドをより好適に用いることができる。
またさらに、安全性や塗膜性能の面から(エトキシ(またはプロポキシ)化)2−フェノキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、N−ビニルカプロラクタムをより好適に用いることができる。
また、多官能モノマーとして、具体的にはジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)ビスフェノールAジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、(ポリ)エチレングリコールジアクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(またはテトラ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(またはテトラ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(またはテトラ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリ(またはジ)アクリレートを挙げることができるがこれに限定されるものではない。
さらにこの中でもインキジェット適性が高いモノマーとして、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)ビスフェノールAジアクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートをより好適に用いることができる。
モノマー中の単官能モノマーの含有率は、80重量%以上が好ましく、より好ましくは90重量%以上である。この範囲とすることにより、基材への密着性を向上させることができる。
また、単官能モノマーは、フェノキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレート及びN-ビニルカプロラクタムからなる群から選択されるモノマーを、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上含有する。この範囲とすることでインキの硬化性、基材への密着性、可撓性を向上させることができる。
本発明に用いる多官能モノマーは2官能及び3官能から選択されるのものが望ましく、これ以上の官能基数のものは硬化膜が硬くなりすぎるためフレキシブルな基材への印刷適性が低下する。
本発明で示されるインキとは、基材表面に印刷、または塗工される液体を示す。
このインキは、着色成分を含まない場合、コーティング用途として用いることができ、単独のコーティング層として、または後述の着色剤を含むインキとの積層コーティングを行うこともできる。また硬化膜の硬度、擦過性などの耐久性や成型加工性、あるいは艶の制御といった意匠性を付与するために、各種フィラーや樹脂成分を添加することもできる。
フィラーとしては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、球状シリカ、中空シリカなどの体質顔料や樹脂ビーズなどを挙げることができ、樹脂成分としては、活性エネルギー線に不活性な樹脂であれば特に限定はないが、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリケトン樹脂、ポリビニル系樹脂(例えば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂)、セルロース系樹脂(例えば、CAB樹脂、CAP樹脂)などを挙げることができる。これらのフィラーや樹脂成分を添加する場合は、インクジェット適性を考慮して種類や配合組成を調製することが好ましい。
コーティング用途として用いる際には、他の印刷方法、例えばシルクスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、あるいはスプレー塗工などによるコーティングを行ってもよい。なお、着色剤を含むインキとの積層コーティングにおいては、本発明のインキ以外の一般印刷用途、例えばシルクスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷などで使用されているコーティング材を本発明の着色剤を含むインキ層の上に積層してもよいし、別途成型されたコーティング層(フィルムなど)をラミネート転写する、あるいはスプレー塗工材などによる積層を行うこともできる。
一方、本発明のインキに着色成分を含有する場合、グラフィックや、文字、写真などを表示する材料として用いることができる。着色成分としては、従来、染料や顔料が広く使用されているが、特に耐候性の面から顔料を用いる場合が多い。
顔料成分の中で、カーボンブラックの具体例としては、デグサ社製「Special Black350、250、100、550、5、4、4A、6」「PrintexU、V、140U、140V、95、90、85、80、75、55、45、40、P、60、L6、L、300、30、3、35、25、A、G」、キャボット社製「REGAL400R、660R、330R、250R」「MOGUL E、L」、三菱化学社製「MA7、8、11、77、100、100R、100S、220、230」「#2700、#2650、#2600、#200、#2350、#2300、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#900、#850、#750、#650、#52、#50、#47、#45、#45L、#44、#40、#33、#332、#30、#25、#20、#10、#5、CF9、#95、#260」などを挙げることができる。また、本発明ではイエロー、マゼンタ、シアンインキまたは、その他の色、たとえば白などにおいては、一般的な印刷用途、塗料用途のインキに用いられる顔料を使用することができ、発色性、耐光性などの点から必要に応じて選択することができる。
なお、顔料のインキ全体に対する比率は、インキ100重量部に対して、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの有機顔料は、0.2重量部〜15重量部の割合でまた、白の酸化チタンの場合は5重量部〜40重量部の任意の割合で配合することが好ましい。
また本発明のインキには、フィラーや顔料を分散安定化するための分散剤、その他各機能を持たせるための添加剤を使用することができる。
分散剤としては、高分子型分散剤、低分子型分散剤など多種の分散剤が存在するが、分散性に応じて選択することができる。分散補助剤として、顔料誘導体を用いることができる。また、添加剤としては、従来使用されている、ぬれ性調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、スリッピング剤、アンチブロッキング剤、紫外線防止剤などをもちいることができる。いずれの分散剤、分散補助剤、添加剤も目的とする用途に応じ選択可能であり、本発明においてはいずれも限定されるものではない。
本発明には、インキの経時での粘度の安定性、記録装置内での安定性を高めるため、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、ピロガロール、ブチルヒドロキシトルエン等の重合禁止剤をインキ中0.01重量%〜5重量%配合することが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキは可塑剤、表面調整剤、紫外線防止剤、光安定化剤、ジブチルヒドロキシトルエンなどの酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて1種類以上使用することができる。
本発明のインキは、インクジェット吐出装置によって、印刷基材へ印刷される。本発明で用いられる印刷基材には、特に限定はないが、ポリカーボネート、硬質塩化ビニル、軟質塩化ビニル、ポリスチレン、発砲スチロール、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、PETなどのプラスチック基材やこれら混合または変性品、並びにガラス、ステンレスなどの金属基材、木材が挙げられる。
本発明のインキは、顔料の異なる複数、例えば4種、5種、6種、7種などのインキのセットとして用いることができる。例えば、4種であれば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、あるいは、イエロー、マゼンタ、シアン、ホワイトなどが例示できる。
本発明のインキは、ポリカーボネート、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、PET、ガラスなどの透明基材への印刷に好適に用いることができる。また、特に屋外で使用するなど耐候性を要求される用途では、ポリカーボネート、PET、ポリプロピレンへの印刷に、さらに好適に用いることができる。
本発明により、インクジェット印刷方式を用いて、延伸加工性が良好で、かつブロッキングフリーの印刷物を提供することができる。フレキシブルな基材への印刷を行う場合や、インクジェット印刷後変形加工を行う用途において、本発明のインキは、重ね積み時のブロッキングを防ぐことから、熱処理・トップコートなどの付加設備・付加印刷なしに、従来の設備を用いて美粧性を具備した印刷物を提供することが可能となる。
[実施例]
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるものではない。なお、実施例中「部」は「重量部」を表す。
まず、下記のような配合で顔料分散体Aを作成した。分散体はモノマーに顔料及び分散剤を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散して作成した。
・LIONOL BLUE FG-7400G (東洋インキ製造社製 フタロシアニン顔料) 15部
・ソルスパース32000 (アビシア社製 顔料分散剤) 9部
・2-フェノキシエチルアクリレート 76部
また、下記のような配合で顔料分散体Bを作成した。分散体の製造方法は分散体Aと同様の製造方法で作成した。
・Special Black 350 (デグサ社製 カーボンブラック顔料) 15部
・ソルスパース32000 (アビシア社製 顔料分散剤) 6部
・2-フェノキシエチルアクリレート 79部
また、下記のような配合で顔料分散体Cを作成した。分散体の製造方法は分散体Aと同様の製造方法で作成した。
・タイペークPF740 (石原産業社製 酸化チタン顔料) 60部
・ソルスパース32000 (アビシア社製 顔料分散剤) 3部
・2-フェノキシエチルアクリレート 37部
<実施例1>
表1の原料を表の上から順次撹拌しながら添加した。2時間の撹拌の後、溶解残りがないことを確認し、メンブランフィルターでろ過を行い、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去し、インキを作成した。このインキをインクジェット吐出装置によりポリカーボネート板上に吐出し、直後にインテグレーションテクノロジー社製メタルハライドランプにて硬化して印刷物を得た。以後の評価にはこの印刷物を用いて評価を行った。
<実施例2〜11>
実施例1と同様に表1記載の通りにインキを作成し、印刷、硬化を行い印刷物を作成し、評価を行った。
<比較例1〜12>
実施例1と同様に表2記載の通りにインキを作成し、印刷、硬化を行い印刷物を作成し、評価を行った。
<耐ブロッキング性評価方法>
耐ブロッキングの評価は印刷物の印字面上にポリカーボネート板を乗せ、20gの荷重を加え、該サンプルを室温で48時間放置した後引き剥がし、表面の状態を目視で観察して評価を行った。評価基準は以下のとおりである。
○:ポリカーボネート板への転写率0%
△:ポリカーボネート板への転写率20%未満
×:ポリカーボネート板への転写率20%以上
<可撓性評価方法>
印刷物の印字面を外向きに180°に折り曲げ、そのときに硬化膜に亀裂が生じないものを○、生じたものを×と判定した。
<硬化性評価方法>
インキをインクジェット吐出装置によりポリカーボネート板上に吐出し、その直後インテグレーションテクノロジー社製メタルハライドランプ120W/cmで紫外線を照射して硬化するときのコンベア速度から硬化性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:40m/min以上
○:20m/min以上
△:5〜20m/min
×:5m/min未満
<密着性評価方法>
基材への密着性は、硬化後の塗膜を1mm間隔で100マスにクロスカットした部分にセロハンテープを貼り付け、上面から消しゴムでこすり、セロハンテープの塗工面への密着を充分に行った後、セロハンテープを90°で剥離させたときの塗膜の基材への密着の程度から判断した。評価基準は以下の通りである。
◎:100マス中全く剥離が観察されない場合
○:100マス中1〜50マス剥離した場合
×:100マス中50マス以上剥離した場合
実施例1〜11では化合物1で示される光重合開始剤を含有し、かつ化合物1の全割合のうちn=2の化合物を50〜90重量%, n=3〜6の化合物を10〜30重量%とした結果、耐ブロッキング性、可撓性、硬化性、密着性に優れたインキとなることが示された。実施例5, 7, 9, 11ではアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を併用することで硬化性の向上がみられる。また、実施例6, 7, 10, 11ではモノマー全量の内、80重量%以上を単官能モノマーとすることで密着性を向上させている。実施例8〜10では単官能モノマーの内、70重量%以上をフェノキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレート、N-ビニルカプロラクタムを使用することで硬化性、密着性を向上させている。
比較例1, 2では化合物1の光重合開始剤を使用しない結果、耐ブロッキング性が悪くポリカーボネート板への転写が見られ、実用に適さない。比較例3, 4では化合物1を使用しているがn=1のものが多く、高分子量の硬化物ができないため耐ブロッキング性が悪化している。比較例5, 7では耐ブロッキング性は良好であるが、n=3以上の化合物1が30重量%よりも多いため開始剤が架橋することにより硬化膜が堅固になり可撓性が悪化し、さらに硬化収縮が起こり密着性の低下も見られる。比較例6ではn=3〜6の化合物を含まないために耐ブロッキング性が悪化している。比較例8ではn=2のみの化合物1を使用しているため耐ブロッキング性、可撓性いずれも不十分な結果となっている。このように化合物1の光重合開始剤を使用しても請求項1の割合を満たさなければ全ての物性を満足するインキを得ることができないことが示唆された。比較例9〜12ではアシルホスフィンオキサイド系開始剤との併用、単官能モノマー割合の変更を行っているが、化合物1の割合が請求項1の範囲外であるため全ての物性を満足するインキを得ることができていない。
Figure 2010116460
Figure 2010116460

Claims (5)

  1. 化合物1で示される光重合開始剤:

    Figure 2010116460
    ここで、n=1〜10である、を含有し、前記化合物1はn=2の化合物1を50〜90重量%、及びn=3〜6の化合物1を10〜30重量%含有する紫外線硬化型インクジェットインキ。
  2. さらにアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する請求項1記載の紫外線硬化型インクジェットインキ。
  3. さらにモノマーを含有し、前記モノマーは単官能モノマーを80重量%以上含有する請求項1または2記載の紫外線硬化型インクジェット用インキ。
  4. 前記単官能モノマーは、フェノキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレート及びN-ビニルカプロラクタムからなる群から選択されるモノマーを70重量%以上含有する請求項3記載の紫外線硬化型インクジェット用インキ。
  5. 印刷基材に請求項1〜4のいずれかの紫外線硬化型インクジェット用インキで印刷した印刷物。


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