JP5426145B2 - 臭気発生警報装置 - Google Patents

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Description

本発明は、火災報知器およびその他の警報信号を発生する各種の機器を信号源として、人体に無害な臭気の発生によって異常の発生を報知する臭気発生警報装置に関する。
聴覚障害者および視覚障害者などの非健常者に、火災などの異常が発生したことを臭気の発生によって報知する臭気発生警報装置は、たとえば特許文献1に開示されている。この従来技術の臭気発生警報装置は、火災の発生を検知する火災検知手段からの信号によって作動する放散制御手段と、放散制御手段によって作動する臭い放散手段とを備える。
前記放散制御手段は、連続的または間欠的に放散する臭いの放散開始時間、間隔および臭いの放散濃度を設定する臭い条件設定手段を設け、この臭い条件設定手段によって設定された臭い条件に応じて、臭い放散手段を制御し、条件設定手段に設定した放散開始時間に、設定した放散時間だけ、設定した時間間隔で、設定した放散濃度となるように、臭気物質を臭い放散手段から放出させるように構成されている。
特開2004−326326号公報
前記従来技術の臭気発生警報装置は、放散制御手段が火災検知装置からの信号を入力したとき、前記放散制御手段は臭い放散手段から臭い物質を放出させることができるが、電気的作動状態だけを確認したい点検時などにおいて、火災検知手段から警報信号を入力しても臭い放散手段を作動させない動作モードの切換機能を具備していない。
したがって、臭い放散手段は、放散制御手段が火災検知手段からの放散指令信号を入力すると、常に臭気物質を放出してしまう。そのため、臭気発生警報装置を建物内に設置する場合など、火災検知手段と臭気発生警報装置とが電気的に接続された状態で、臭気物質を発生させずに臭気発生警報装置が正常に動作するか否か、火災検知手段との結線状態に誤りがないかなどの確認作業を行う場合には、臭気物質が充填されたスプレー缶などの容器を装置本体から外した状態で前記確認作業を行わなければならず、実使用状態での作動の確認を行うことができないという問題がある。
本発明の目的は、実使用状態で臭気物質を放出せずに作動を確認することができる利便性の向上された臭気発生警報装置を提供することである。
本発明は、臭気物質の放出状態と非放出状態とに切換可能な放出部が設けられ臭気物質が収容された容器と、
前記容器の放出部を前記非放出状態から放出状態へ切換可能な放出手段と、
予め定める信号源から作動信号に応答する応答モードおよび前記作動信号に応答しない点検モードのいずれか一方を選択するモード選択手段と、
前記モード選択手段によって応答モードが選択された状態では、前記予め定める信号源からの作動信号に応答して、作動信号が放出指令状態であれば、前記放出手段を動作させ、前記作動信号が放出禁止状態であれば、前記放出手段の動作を解除させ、前記モード選択手段によって点検モードが選択された状態では、作動信号を不能動化して、作動信号が入力されても前記放出部を放出状態に切換えないように前記放出手段を制御して、放出部を非放出状態に維持させる制御手段と
前記モード選択手段によって選択されたモードに対応して、点灯、点滅、消灯のいずれかの表示状態となるように、前記制御手段によって制御される表示手段とを含み、
前記モード選択手段は、前記応答モードおよび前記点検モードのいずれか一方を選択するためのモード切換スイッチと、前記容器の前記放出部から正常に臭気物質が放出されるか否かを確認するための作動テストスイッチとを有し、
前記制御手段は、
前記モード選択手段によって前記応答モードが選択されると、前記表示手段を予め定める第1表示状態として点滅させ、
前記モード選択手段によって前記点検モードが選択されると、前記表示手段を予め定める第2表示状態として点灯させ、この状態で、前記作動テストスイッチがオフからオンに切換えられると、前記表示手段を点灯から点滅へ変化させ、前記作動テストスイッチがオンからオフに切換えられると、前記表示手段を点滅から消灯へ変化させることを特徴とする臭気発生警報装置である。
本発明に従えば、容器本体には放出部が放出状態と非放出状態とにわたって切換可能であり、放出部を非放出状態から放出状態に切換えると、容器本体内の臭気物質が放出部から放出される。放出手段は、制御手段によって動作し、モード選択手段によって応答モードに設定された状態で、たとえば火災警報器などの予め定める信号源からの作動信号が放出指令状態であれば、放出部を非放出状態から放出状態へ切換える。また、放出手段は、前記作動信号が放出禁止状態であれば、放出部を切換え、放出部は非放出状態に保たれる。このような放出部は、非放出状態では、放出状態から非放出状態へばねなどの弾性回復力によって復帰する構成であってもよく、放出手段に追従して切換えるように構成されてもよい。
また、モード選択手段によって点検モードが選択された状態では、制御手段は作動信号を不能動化し、前記予め定める信号源からの作動信号が制御手段に入力されても、放出手段が放出部を切換えないように前記放出手段を制御し、放出部を非放出状態に維持して、容器本体内の臭気物質が放出部から放出されない状態で、電気的作動状態および結線の良否などの点検を行うことができる。したがって、前記従来技術のように、電気的作動状態を確認するためにスプレー缶などの容器を装置本体から外す必要がなく、実使用状態で簡便に点検作業を行うことが可能となる。
さらに、前記制御手段は、モード切換スイッチによって点検モードが選択された状態で、作動テストスイッチがオフからオンに切換えられると、表示手段を点灯から点滅へ変化させ、作動テストスイッチがオンからオフに切換えられると、表示手段を点滅から消灯へ変化させ、さらにモード切換スイッチによって応答モードが選択されると、表示手段を点滅させるので、外部から応答モードであること、および点検モードにおける作動テストスイッチのオン/オフの切換え状態を明確に認識し、点検時に容器内の臭気発生物質が誤って放出されてしまうことが防がれる。
また本発明は、少なくとも前記容器、前記放出手段および前記制御手段を収容するハウジングをさらに含み、
前記モード選択手段は、前記ハウジングから点検モード時に外部に露出する操作部を有する切換スイッチを備えることを特徴とする。
本発明に従えば、前記モード選択手段には外部から操作可能な切換スイッチを備え、この切換スイッチの操作部はハウジングから点検モード時に外部に露出するので、モードの切換え操作を、ハウジングを開放せずに行うことができ、モードの切換え状態を外部から容易に確認することができる。
また本発明は、前記臭気物質は、アリルイソチオシアネートを含有することを特徴とする。
本発明に従えば、容器本体に収容される臭気物質は、アリルイソチオシアネート(
allyl isothiocyanate、略称AIT)を含む。アリルイソチオシアネートは、アリルカラシ油とも呼ばれ、ワサビの刺激臭の元となる揮発性を有する物質であり、容器から放出させると空気中に拡散して適度の刺激臭となり、異常事態が発生したことを、短時間で人間に報知することができる。
また本発明は、前記アリルイソチオシアネートの濃度は、物質量で1ppm以上74.3ppm以下とすることを特徴とする。
本発明によれば、モード選択手段によって応答モードと点検モードとを切り換えることができるので、実使用状態で臭気物質を放出せずに作動モードを容易に確認することができ、点検作業の利便性を向上することができる。
た、モード選択手段によって選択されたモードおよび作動テストスイッチのオン/オフに応じて、表示手段が点灯、点滅あるいは消灯に変化されるので、選択されたモードを外部から明確に認識することができ、臭気発生物質が誤って放出されてしまうという不具合を防止することができる。また、点検作業終了後、作業者は応答モードへ切換えることを必要とするが、前記表示手段を確認することで切換ミスを防ぐことができる。
また本発明によれば、モード選択手段には操作部がハウジングから外部に露出する切換スイッチが設けられるので、モードの切換え状態の確認を、ハウジングを開放せずに外部から容易に行うことができる。
また本発明によれば、容器本体に収容される臭気物質がアリルイソチオシアネートを含有するワサビの刺激臭の元となる揮発性を有する物質から成るので、容器から放出させると空気中に拡散して適度の刺激臭となり、異常事態が発生したことを、短時間で安全にかつ確実に人間に報知することができる。
また本発明によれば、アリルイソチオシアネートの濃度は、人間に対する最大無作用濃度である74.3ppmを上限として、1ppm以上74.3ppm以下の範囲とされるので、人間に対して悪影響を及ぼすことなく、異常事態が発生したことを人間に報知することができる。
図1は本発明の一実施形態に係る臭気発生警報装置1の内部の構成を示す正面図であり、図2は図1の切断面線II−IIから見た断面図であり、図3は臭気発生警報装置1のカバー体を省略した斜視図である。なお、図1は図解を容易にするため、部分的に切欠いて示されている。本実施形態では、火災などの異常事態を臭気の発生によって報知するための臭気発生警報装置1について説明する。
臭気発生警報装置1は、臭気物質が収容される容器本体2に、前記臭気物質の放出状態と非放出状態とにわたって矢符A1,A2方向に角変位自在な放出部3が設けられる容器4と、前記容器4の放出部3を、前記非放出状態から放出状態へ向けて放出しかつその放出状態を解除する放出手段5と、予め定める信号源である火災警報器6からの作動信号に応答する応答モードおよび前記作動信号に応答しない点検モードのいずれか一方を選択するモード選択手段7と、放出手段5を制御する制御手段8と、前記モード選択手段7によって選択されたモードを表示する表示手段9と、少なくとも前記容器4と放出手段5とを収納するとともに前記制御手段8を収納し、前記容器4の放出部3が切換える方向A1,A2を規制する切換規制部10を有するハウジング11とを含む。
前記ハウジング11は、箱状のハウジング本体12と、ハウジング本体12に着脱可能に装着されるカバー体13とを有する。ハウジング本体12には、前記切換規制部10が一体的に形成される。前記切換規制部10を含むハウジング本体12およびカバー体13は、合成樹脂製の成型物から成る。ハウジング本体12内には、容器4の容器本体2をハウジング本体12に固定する容器固定具14と、容器4の前記放出部3寄りの頭部を前記切換規制部10に当接させた状態で、容器4の底部を弾発的に押圧して抜け止めする保持具15とが設けられる。
容器固定具14は、容器本体2に掛け止められる略半円弧状の固定バンド17と、固定バンド17の両端部を挿通して、ハウジング本体12の底部から突出して形成される一対のボス部18に螺着される2本の固定ボルト19とを有する。また、前記保持具15は、前記容器4の底部を押圧する円柱状の押圧片20と、この押圧片20が一端部に装着され、切換規制部10に向けてばね力を発生するばね21と、ばね21の他端部を係止するばね受け片22とを有する。前記ばね21は、圧縮コイルばねによって実現される。
前記容器本体2の底部は、その軸線上に前記押圧片20の軸線が配置されるように、容器本体2内に凸の円錐台状に形成され、容器4のずれることなくハウジング本体12の底部と平行に保持することができるように構成されている。
切換規制部10は、断面が凹状のブラケット23に一体的に形成される。ブラケット23は、矩形板状の底部24と、底部24の一側部に垂直に連なり、前記放出手段5が設けられる第1側壁25と、底部24の他側部に垂直に連なり、容器本体2の頭部から突出する導液管26が挿通する切欠き27が形成される第2側壁28と有する。前記切換規制部10は、前記第2側壁28の切欠き27の両側に平行にかつ第1側壁25側に突出する一対のリブ29a,29bから成る。
前記放出部3は、第1および第2側壁25,28間でかつ各リブ29a,29b間に配置され、導液管26が接続され、矢符A1方向(図1の紙面垂直手前側)に角変位することによって臭気物質を霧化して放出孔30から噴射することができる。放出部3は、各リブ29a,29b間の間隔よりも僅かに小さい幅の直方体状であり、放出孔30をカバー体13の設けられる略円錐状の噴射コーン31の中央に形成された透孔に臨ませた状態で、矢符A1,A2方向の角変位のみ許容され、容器本体2の軸線まわりの回転および傾斜が阻止され、不所望な方向に臭気物質が噴射されてしまうことが防がれている。
前記放出手段5は、電磁ソレノイド51を含んで構成され、放出部3を容器本体2に近接する方向に押圧するプランジャ33を有する。このプランジャ33の軸線は、容器本体2の軸線を含む仮想一平面上で、前記容器本体2の軸線から偏心した位置に配置される。これによって、プランジャ33は、放出部3を前傾する方向、すなわち矢符A1方向に傾斜させ、臭気物質をハウジング11からほぼ垂直に噴射させることができる。
前記制御手段8は、基板35に実装された中央演算処理装置(Central Processing
Unit、略称CPU)36と、ROM(Read Only memory)などの記憶手段に記憶され、前記中央演算処理装置36によって実行可能なコンピュータプログラムとによって実現される。前記基板35にはまた、モード選択手段7と表示手段9と作動テストスイッチSW2とが実装される。
モード選択手段7は、モード切換スイッチSW1と、その作動片に固定され、ハウジング11から外部へ突出する操作片53とを有する。モード切換スイッチSW1は、たとえばスライドスイッチによって実現される。また作動テストスイッチSW2は、メンテナンス時に容器4の放出部3から正常に臭気物質が放出されるか否かを確認するために用いられ、たとえばプッシュスイッチによって実現される。
作動テストスイッチSW2を押下すると、制御手段8は火災警報器6から作動信号を入力していない状態で、放出手段5を作動させて、プランジャ33によって放出部3を切換える。こうして、放出手段5が正常に動作し、容器4から臭気物質確実に噴射される否かを確認することができる。制御手段8と火災警報器6とは、信号線37によって電気的に接続され、制御手段8と放出手段5とは、信号線38によって電気的に接続されている。
前記制御手段8は、モード選択手段7によって応答モードが選択された状態では、火災警報器6からの作動信号に応答して、作動信号が放出指令状態であれば、前記放出手段5を切換え、前記作動信号が放出禁止状態であれば、前記放出手段5切換え、前記モード選択手段7によって点検モードが選択された状態では、作動信号を不能動化する。前記モード選択手段7によって応答モードが選択された状態では、前記表示手段9に予め定める第1表示状態で表示させ、前記モード選択手段7によって点検モードが選択された状態では、前記表示手段9に前記第1表示状態とは異なる第2表示状態で表示させる。
前記表示手段9は、複数(本実施形態では4)の発光素子41〜44から成る。これらの発光素子41〜44は、発光ダイオード(略称LED)によって実現される。これらの発光素子41〜44は、前記基板35に実装され、前記第1表示状態では点滅し、前記第2表示状態では点灯する。
図4は臭気発生警報装置1の外観を示す斜視図であり、図5は臭気発生警報装置1を図4の左斜め上から見た斜視図である。前述した複数の発光素子41〜44は、ハウジング11のカバー体13に形成された複数(本実施形態では4)の開口45〜48から露出し、外部からその点灯・点滅・消灯を視認することができる。カバー体13にはまた、前記噴射コーン31が臨む放出孔49が形成され、噴射コーン31から霧化した臭気物質を噴射することができる。
火災警報器6は、たとえば火災により発生する熱、煙、一酸化炭素などの気体および炎の光などを検出し、それらを単独で、または誤報等を防止するためにそれらを組み合わせて火災を判断するように構成される。火災警報器6は、検知した情報に基づいて火災であると判断した場合、警報音や光を発するとともに検知信号を消火装置に与えることもできる。
図示しない消火装置は、火災警報器6と電気的に接続され、火災警報器6から検知信号が作動信号として与えられると、消火動作を開始する。消火装置は、たとえばスプリンクラーなどの消火手段、および排煙装置などを作動させる。また消火装置は、火災警報器6から検知信号が与えられると、警報ベルまたはスピーカを鳴動させ、警報灯を点灯させる。前記臭気発生警報装置1は、火災警報器6と直接電気的に接続されてもよく、前記消火装置の作動信号を接続することもできる。
ハウジング11内には、電源として電池50が搭載され、制御手段8に電力を供給する。電池50は、たとえば乾電池などの1次電池であってもよく、充電池などの2次電池であってもよく、本実施形態ではリチウム電池が採用される。
前記容器4は、臭気物質および圧縮空気などの圧縮ガスが充填され、圧縮ガスによって圧力を加えた臭気物質を放出部3の放出孔30から放出させることによって、臭気物質を微粒子状に放出することができる。このような容器4は、略円柱状であって、スプレー缶によって実現されるが、本発明の他の実施形態では、シリンダ内の臭気物質をピストンによって押し出す構成を採用してもよい。
前記臭気物質は、アリルイソチオシアネートを含有する。臭気物質が空気中における臭気物質の、人間が匂いの強さに耐えられなくなる濃度は、臭気物質の最大無作用濃度よりも低い。容器4に充填されるガスは、火炎にも燃焼しない不活性ガスまたは空気が選択される。前記アリルイソチオシアネート(allyl isothiocyanate, 略称「AIT」、化学式「CH=CHCHN=C=S」)は、「3-isothicyanate-1-propene」とも称される物質で、アリルカラシ油とも呼ばれ、ワサビの刺激臭の元となる物質である。
AITは、物質量で1ppmの濃度を超えると、人間は刺激臭を感じ始め、5ppmあたりからワサビの匂いであると認識され、さらに10ppm以上の濃度になると、その雰囲気下では人間は耐えられなくなることが分かっている。AITの人間に対する最大無作用濃度は74.3ppmであり、人間が耐えられなくなる濃度は、最大無作用濃度に比べて低い。
本実施形態において、放出手段5は、容器4から臭気物質を放出させ、装置外の空間の空気中のAITの濃度を物質量で5ppm以上20ppm以下とする。したがって、この濃度範囲でAITの人体に対する悪影響はない。さらに臭気発生警報装置1の装置外の空気中においてAITの濃度は5ppm以上15ppm以下の範囲が好ましい。これによって異常事態が発生したときに、可及的に短い時間で、人間に異常事態の発生を報知することができる。
臭気物質としては、空気中において人間が匂いの強さに耐えられなくなる濃度が、最大無作用濃度よりも低い物質であれば、AIT以外の物質を用いてもよく、またAIT以外の臭気物質をAITと共に混合して用いることも可能である。たとえばメントール(
1RS,2SR,5RS)-2-isopropyl-5-methylcyclohexanolおよびこの鏡像異性体)を含んでいてもよい。
また、スプレー缶11に充填される臭気液の臭気薬剤は、不審者に対して、不正な行為を継続できないようなものが好ましい。臭気薬剤として、前述の実施の形態と同様に、たとえばミント臭およびわさび臭を有する薬剤をベースにしてもよく、また刺激を有する物質、たとえばクロロアセトフェノン、クロロベンジリデンマロノニトリルおよびカプサイシンを用いてもよい。
また臭気発生警報装置は、1種類の臭気に限らず、複数の臭気またはガスを発生可能に構成してもよい。これによって用途に応じて臭気を使い分けることができる。また臭気を中和するようなガスを発生可能に構成することによって、早く臭気を中和したい場合に、円滑に臭気発生警報装置によって臭気を中和することができる。
臭気発生警報装置1の設置時の点検手順について説明する。まず、臭気発生警報装置1を建物の壁などの所定の設置位置に取り付け、電池50を装着し、モード選択手段7の操作片をオン状態、すなわちハウジング11から突出した状態にして、表示手段9が点滅しないことを確認する。表示手段9が点滅する場合には、配線の接続が誤っていることが考えられるため、確認して、誤っていれば正しく接続する。
次に、火災警報器6の作動試験を行い、表示手段9が点滅することを確認する。このような火災警報器6の作動試験は、必ずモード選択手段7が点検モードの状態で行う。応答モード状態で行うと、電磁ソレノイド51がたとえば60秒間作動し、電池50を消費するためである。火災警報器6が停止すると、表示手段9が点滅から点灯に変わることを確認し、容器4をハウジング11に装着する。その後、作動テストスイッチSW2を押し続け、表示手段9が点滅するとともに、3秒後に電磁ソレノイド51が一瞬作動し、臭気物質が放出されることを確認し、カバー体13をハウジング本体12に装着して、作動テストスイッチSW2をオフにし、表示手段が消灯したことを確認して、設置時の点検作業が終了する。
また、定期検査時においては、モード切換スイッチSW1をオン、すなわちモード選択手段7を点検モードにし、表示手段9が点灯することを確認し、ハウジング11のカバー体13を取り外す。次に、火災警報器6の作動試験を行い、表示手段9が点滅することを確認する。火災警報器6が停止すると、表示手段9が点滅から点灯に変わることを確認する。この確認後、作動テストスイッチSW2を押し続け、表示手段9が点滅するとともに、3秒後に電磁ソレノイド51が一瞬作動し、臭気ガスが放出されることを確認する。そして、作動テストスイッチSW2の押圧状態を解除し、表示手段9が点滅から点灯に変わることを確認した後、カバー体13をハウジング本体12に装着して、モード切換スイッチSW1をオフ、すなわちモード選択手段7を応答モードにし、表示手段9が消灯することを確認して、定期検査を終了する。
火災警報器6の検査時では、検査を開始する前に、作動テストスイッチSW2をオンにし、表示手段9が点灯していることを確認する。その後、火災警報器6を作動させ、表示手段9が点滅することを確認する。次に、火災警報器6を停止し、表示手段9が点滅から点灯に変わったことを確認した後、作動テストスイッチSW2をオフにし、火災警報器6の検査を終了する。
以上のように本実施形態の臭気発生警報装置1によれば、放出手段5は、制御手段8によって動作し、モード選択手段7によって応答モードに設定された状態で、火災警報器6からの作動信号が放出指令状態であれば、放出部3を非放出状態から放出状態へ切換える。また、放出手段5は、前記作動信号が放出禁止状態であれば、放出部3を切換え、放出部3は非放出状態に保たれる。このような放出部3は、非放出状態では、放出状態から非放出状態へばねなどの弾性回復力によって復帰する構成であってもよく、放出手段5に追従して切換えるように構成されてもよい。
また、モード選択手段7によって点検モードが選択された状態では、制御手段8は作動信号を不能動化し、前記火災警報器6からの作動信号が制御手段8に入力されても、放出手段5が放出部3を切換えないように前記放出手段5を制御し、放出部3を非放出状態に維持して、容器本体2内の臭気物質が放出部3から放出されない状態で、電気的作動状態および結線の良否などの点検を行うことができる。したがって、前記従来技術のように、電気的作動状態を確認するためにスプレー缶などの容器4を容器本体2から外す必要がなく、実使用状態で簡便に点検作業を行うことが可能となる。
また、制御手段8は、モード選択手段7によって選択されたモードを、表示手段9によって第1表示状態である点灯または第2表示状態である点滅として表示させ、外部から応答モードであるか、点検モードであるかを明確に認識し、点検時に容器4内の臭気物質が誤って放出されてしまうことが防がれる。
また、前記モード選択手段7はモード切換スイッチSW1を備え、このモード切換スイッチSW1の操作片53はハウジング11から外部に突出して露出しているので、モードの切換え操作を、ハウジング11を開放せずに行うことができるとともに、モードの切換え状態を外部から容易に認識して識別することができる。
また、容器本体2に収容される臭気物質は、アリルイソチオシアネート(allyl
isothiocyanate、略称AIT)を含む。アリルイソチオシアネートは、アリルカラシ油とも呼ばれ、ワサビの刺激臭の元となる揮発性を有する物質であり、容器4から放出させると空気中に拡散して覚醒作用が得られる程度の適度の刺激臭となり、異常事態が発生したことを、短時間で人間に報知することができる。
本発明は火災警報器だけでなく、その他の機器、たとえば目覚まし時計のアラーム、タイマーなどの各種の機器を信号源として広範囲に実施することができる。
また臭気発生警報装置は、不快な臭いが発生しやすい不快領域、たとえばトイレおよび喫煙場所に設けてもよい。不快領域の入り口、たとえばトイレの入り口にセンサを設け、このセンサによって利用者を検知すると、制御手段8は、不快領域に臭気を発生させるように放出手段5を制御する。容器4に消臭効果を有する消臭成分、およびミント臭などを予め充填しておくことによって、不快領域における不快な臭いを消臭することができる。また制御手段8は、定期的に臭気を発生させるように放出手段5を制御してもよく、不快領域への利用者侵入以外の情報、たとえば臭いの濃度および煙濃度に基づいて、放出手段5を制御してもよい。
また臭気発生警報装置を車内に設け、センサが居眠り運転および運転者の眠気を検出すると、制御手段8が臭気を発生するように放出手段5を制御することによって、運転者を覚醒させることができ、車の安全運転を促すことができる。前記センサは、運転者の眠気を検出するための情報として、たとえば運転者の体温の上昇、スピードの出し過ぎ、蛇行運転、および車間距離などを検出する構成としてもよい。
また臭気発生警報装置は、自給式呼吸器と一体に構成し、自給式呼吸器の圧力指示計が予め定める圧力、たとえば3MPa以下になると、面体に臭気を発生するように制御される。これによって自給式呼吸器を利用している利用者は、圧力指示計が予め定める圧力以下であることを臭気によって認識することができる。したがって圧力指示計の残量を認識することができ、安全な場所への誘導を促すことができる。
本発明の一実施形態に係る臭気発生警報装置1の内部の構成を示す正面図である。 図1の切断面線II−IIから見た断面図である。 臭気発生警報装置1のカバー体13を省略した斜視図である。 臭気発生警報装置1の外観を示す斜視図である。 臭気発生警報装置1を図4の左斜め上から見た斜視図である。
符号の説明
1 臭気発生警報装置
2 容器本体
3 放出部
4 容器
5 放出手段
6 火災警報器
7 モード選択手段
8 制御手段
9 表示手段
10 変位規制部
11 ハウジング
12 ハウジング本体
13 カバー体
14 容器固定具
15 保持具
17 固定バンド
18 ボス部
19 固定ボルト
20 押圧片
21 ばね
22 ばね受け片
23 ブラケット
24 底部
25 第1側壁
26 導液管
27 切欠き
28 第2側壁
29a,29b リブ
30 放出孔
31 噴射コーン
33 プランジャ

Claims (4)

  1. 臭気物質の放出状態と非放出状態とに切換可能な放出部が設けられ臭気物質が収容された容器と、
    前記容器の放出部を前記非放出状態から放出状態へ切換可能な放出手段と、
    予め定める信号源から作動信号に応答する応答モードおよび前記作動信号に応答しない点検モードのいずれか一方を選択するモード選択手段と、
    前記モード選択手段によって応答モードが選択された状態では、前記予め定める信号源からの作動信号に応答して、作動信号が放出指令状態であれば、前記放出手段を動作させ、前記作動信号が放出禁止状態であれば、前記放出手段の動作を解除させ、前記モード選択手段によって点検モードが選択された状態では、作動信号を不能動化して、作動信号が入力されても前記放出部を放出状態に切換えないように前記放出手段を制御して、放出部を非放出状態に維持させる制御手段と
    前記モード選択手段によって選択されたモードに対応して、点灯、点滅、消灯のいずれかの表示状態となるように、前記制御手段によって制御される表示手段とを含み、
    前記モード選択手段は、前記応答モードおよび前記点検モードのいずれか一方を選択するためのモード切換スイッチと、前記容器の前記放出部から正常に臭気物質が放出されるか否かを確認するための作動テストスイッチとを有し、
    前記制御手段は、
    前記モード選択手段によって前記応答モードが選択されると、前記表示手段を予め定める第1表示状態として点滅させ、
    前記モード選択手段によって前記点検モードが選択されると、前記表示手段を予め定める第2表示状態として点灯させ、この状態で、前記作動テストスイッチがオフからオンに切換えられると、前記表示手段を点灯から点滅へ変化させ、前記作動テストスイッチがオンからオフに切換えられると、前記表示手段を点滅から消灯へ変化させることを特徴とする臭気発生警報装置。
  2. 少なくとも前記容器、前記放出手段および前記制御手段を収容するハウジングをさらに含み、
    前記モード選択手段は、前記ハウジングから点検モード時に外部に露出する操作部を有する切換スイッチを備えることを特徴とする請求項1に記載の臭気発生警報装置。
  3. 前記臭気物質は、アリルイソチオシアネートを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の臭気発生警報装置。
  4. 前記アリルイソチオシアネートの濃度は、物質量で1ppm以上74.3ppm以下とすることを特徴とする請求項に記載の臭気発生警報装置。
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