JP2007122606A - 臭気発生装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 臭気液を収納する臭気液収納部と、臭気液収納部の一側と連通し臭気液を噴出させる噴出部と、臭気液収納部の他側と連通し臭気液収納部から臭気液を押し出すガス圧を発生する火工式点火器とを有し、これらを臭気液収納部、噴出部および火工式点火器を収容するとともに火工式点火器で発生したガス圧を臭気液収納部に導く通路を有する筐体に収納する。または、臭気液収納部を密閉収容するとともに一側に火工式点火器および他側に噴出部を密閉嵌合する連結部材で連結する。
【選択図】 図1
Description
また、呼び出し音を出力するインターホン、着信音を出力する電話機および警報を発する火災報知器からの信号の受信で寝具が振動し火災を知らせる方法がある(例えば、特許文献2参照)。
また、特許文献3の火災を知らせる方法は、装置が複雑になりやすくコストが掛かることや、ガスボンベの長期保管による漏れ防止策を講じなければならない問題がある。
また、本発明の別の目的は、簡易な構成で複雑なセンシング機能を持たなくとも確実に、火災を知らせることが可能な臭気発生装置を提供することにある。
また、臭気液の噴出には、ガスを発生させるための燃焼性組成物を、例えば、非火薬組成物に調整して用いると、火薬類取締法の制限を受けないので、特定の機関における使用のみならず、一般の家屋でも設置可能となる。
(2)また、本発明によれば、高圧ガス保安法および火薬類取締法の法規上の規制を受けない臭気発生装置を実現できる。
(第一実施形態)
図1〜図14は、本発明の第一実施形態に係る臭気発生装置1を示す。
本実施形態に係る臭気発生装置1は、臭いを有する臭気液19を収納する臭気液収納部10と、この臭気液収納部10の一側と連通し臭気液19を霧状に噴出する噴出部50と、臭気液収納部10の他側と連通する火工式点火器60と、臭気液収納部10、噴出部50および火工式点火器60を収容する上下のハウジングで密閉する筐体90とで構成されている。
容器11は、図1〜図6に示すように、例えば、ラミネートチューブを用いた筒状の容器本体12で構成されている。この容器本体12には、火工式点火器60からのガス圧の受圧面となるように先細り形状の傾斜胴部13が形成されている。この傾斜胴部13の一端部には、閉塞部14が形成されている。また、傾斜胴部13の他端部側には、肩部15が形成されている。この肩部15には口部16が形成されている。この口部16の端部には、開口部17が形成されている。また、口部16の外周には、雄ネジ部18が形成されている。
チューブアダプター21の容器11側の空間部22内には、容器11の雄ネジ部18と螺合する雌ネジ部23が形成されている。チューブアダプター21の噴出部側の空間部24には、容器11側の底部が小径となる内側段部25が形成されている。また、チューブアダプター21の噴出部側の空間部24の外周には、雄ネジ部26が形成されている。また、空間部22と空間部24との間には、空間部22から空間部24にかけて臭気液19が流通する流路孔27が形成されている。この流路孔27は、空間部22,24より小径にしてある。チューブアダプター21の空間部22側の開口端には鍔部21aが形成されている。この鍔部21aには、筐体90への装着時にOリング101が取り付けられる。また、チューブアダプター21の雄ネジ部26の下端側には、鍔部21bが形成されている。この鍔部21bは、筐体90への装着時に臭気液収納部用凹部94a,94bに係止される。
連結部51には、端部から内部に向かって空間部52が形成されている。
ノズル部54には、空間部52より小径の段部55を介して空間部52と連通するガス通路56が形成されている。ガス通路56には、ノズル部54から外部に向かって開口するノズル孔57が形成されている。ノズル孔57は、一流体ノズルにおいてスプレーパターンが円形で均等な流量分布の噴霧粒子を得るため、例えば、ガス圧2MPaで臭気液19を押し出し、孔径φ0.5mmの充円錐のノズルを使用する場合、このときの噴角は30°〜50°の広がりを有する。また、ノズル径を小さくすることにより、噴霧粒子が細かく揮発性も良くなり、臭いの拡散が早くなる。ノズル部54のガス通路56には、X型ワーラー58が圧入されており、このため、異物混入時の目詰まりがしにくい構造になっている。
また、ガス発生剤68は、アジ化ナトリウム、明礬または5アミノテトラゾールから成る少なくとも1種類の剤と、酸化鉄、酸化チタン、五酸化バナジウム、酸化クロム、二酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛または酸化モリブデンから成る少なくとも1種類の剤との混合物を有する非火薬組成物が使用される。
着火薬64ならびにガス発生剤68は、火薬類取締法の適用を受ける火薬でも良いが、好適には法律の適用を受けない非火薬組成物が好ましい。また、着火薬64はガス発生剤68に確実に着火させることができるエネルギーを有し、ガス発生剤68は窒素ガスなどの比較的無害なガスを発生させる組成物であり、ガス発生剤68のグラム当たりのガス発生量は200ml以上、好ましくは300ml以上である物が使用される。
ホルダー部71の内側段部78に支えられた破裂板80は、イニシエーター61からのガスを空間部75で一時保持し、ガス発生剤68に燃焼を完結させ、所望の発生ガス量を得るために用いられる。破裂板80は、厚さ0.4mmのアルミニウムが用いられ、保持されたガス圧によりスペーサー81の漏斗状の貫通孔82に面する箇所から破断する。
(1)チップバルブ20の組立について説明する。
先ず、チューブアダプター21の内側段部25にOリング38を挿入し、次に、Oリング38の中央部に球体39を挿入、次に、ボール止め40の内径の大きい流路孔41を球体39側に合せチューブアダプター21の空間部24の底部に当たるまで押し込み、スプリング43を、ボール止め40の流路孔42から挿入する。
(2)火工式点火器60の組立について説明する。
次に、Oリング70を取り付けたイニシエータ61をホルダー部71内に挿入し、イニシエーター61の着火部金具65の雄ネジ部74をホルダー部71の雌ネジ部67と螺合してイニシエータ61をホルダー部71に螺着する。Oリング70は、着火部金具65のOリング用の溝65a内に装着される。
(3)臭気液収納部10の組立について説明する。
(4)筐体90の組立について説明する。
次に、上部ハウジング90Aの孔100aからボルト91を嵌挿し、下部ハウジング90Bのネジ孔100bにボルト91を螺着して固定する。
図示しないセンサーからの電気信号が、リード線63を介してイニシエーター61に送られ、イニシエーター61の発熱部62が着火薬64を着火しガス発生剤68を着火する。
次に、ガス発生剤68の燃焼に伴うガス圧力が高まり、所定値に達すると破裂板80が破断し、発生ガスがスペーサー81を介してフィルターカップ83内に収容された成型フィルター87にて燃焼残渣が捕集濾過され、かつ冷却され、筐体90の火工式点火器用凹部93a,93bによって形成される内部空間102に流入する。
また、余分なガスを外に放出し、ガス圧が異常に高くなることを防止する。
図15〜図18は、本発明の第二実施形態に係る臭気発生装置200を示す。
本実施形態に係る臭気発生装置200は、筐体90を用いないで中間アダプター270を介して火工式点火器260と臭気液収納部201と噴出部250とを直列的に配列した点で、第一実施形態に係る臭気発生装置1とは相違する。
チューブアダプター210の空間部22の開口端には、容器11の肩部15を嵌め込むために拡径された段付きの肩部挿入孔211が形成されている。
なお、チューブアダプター210には、鍔部21a,21bは形成されていない。また、その他の構成は、第一実施形態と同様であるから同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
火工式点火器260は、図16、図17に示すように、フィルターカップ83を中間アダプター270に一体的に形成している点で、第一実施形態における火工式点火器60とは相違する。
中間アダプター270は、ステンレス製の中空の円筒体で構成されている。中間アダプター270の一側開口部の内側には、チューブアダプター210の雄ネジ部212と螺合する雌ネジ部271が形成されている。中間アダプター270の他側開口部の内側には、成型フィルター87を固定する段部272が形成されている。また、中間アダプター270の他側開口部の外周には、ホルダー部71の雌ネジ部77と螺合する雄ネジ部273が形成されている。さらに、中間アダプター270の一側のノズル部側には、余分なガス圧を外部に放出する小径のガス圧力調整孔274が形成されている。このガス圧力調整孔274から放出された余分なガスは、その勢いにより臭いの拡散が早くなる効果を有する。
次に、本実施形態に係る臭気発生装置200の作用について述べる。
図示しないセンサーからの電気信号が、リード線63を介してイニシエーター61に送られ、イニシエーター61の発熱部62が着火薬64を着火しガス発生剤68を着火する。
次に、中間アダプター270内に流入した発生ガスは、容器11と中間アダプター270の内周壁の空隙に流入し、容器11の傾斜胴部13の全体を押圧する。
また、余分なガス圧は中間アダプター270のノズル部側に設けられたガス圧力調整孔274から外部に放出される。この放出された余分なガスはその勢いにより臭いの拡散が早くなる。
なお、第一実施形態に係る臭気発生装置1および第二実施形態に係る臭気発生装置200において、臭気液収納部10、201に噴出部50、250を接続する場合について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、例えば、噴出部50、250にチップバルブ機能を兼ね備えた噴出部構成とし、この噴出部50、250と臭気液の容器11とを直に接続して成る臭気発生装置とすることや、あるいは臭気液19の容器11の口部16に所定圧力で破断する破断面を形成したチューブアダプターを設置して噴出部50、250と直に接続して成る臭気発生装置とすること等の構成としても良いことは勿論である。
次に、第二実施形態の臭気発生装置200を用いた実験例1〜3を示す。
なお、第一実施形態の臭気発生装置1は、第二実施形態の臭気発生装置100と本質的な機能は同一なので、ここでは省略する。
また、実験の匂い感知は人間の臭覚で行った。この方が、実際に装置を配備したときの効果に近いためである。距離は、臭気液が霧状に噴出された後に床に濡れた液滴をスケールで測った。
A臭気液:ペパーミント、ワサビ香料、ジメチルサルファド
B臭気液:ペパーミント、ワサビ香料、イソ吉草酸
C臭気液:ペパーミント、ワサビ香料、プロピオン酸
D臭気液:ペパーミント、ワサビ香料、
(実験例1)
図19に示すように、約30m3の広さの室内において臭気発生装置200のノズル部54の床面からの位置を、高さ1.5mの壁面に設置し、2m離れた位置で臭いの到達時間を測定した。臭気液には、A臭気液を用いた。
また、臭気液の落下地点の液滴の最長の距離をスケールで測定した結果、約1.7mだった。
次に、臭気発生装置200のノズル部54の床面からの位置を、高さ2.5mの壁面に設置し、2m離れた位置で臭いの到達時間を測定した。
また、臭気液の落下地点の液滴の最長の距離をスケールで測定した結果、約3.3mだった。
この結果から、臭気発生装置200を設置する際、高い位置に設置すると、臭気発生装置作動後、臭気液が遠くへ飛び臭いの感知が早くなることが分かった。
(実験例2)
次に、臭気発生装置200を用い、イニシエーター61からの発生ガスによる中間アダプター270内のガス圧力を測定し、容器11内の臭気液の残量を測定した。
その結果を図20に示す。圧力の挙動は、発火装置からの電気信号を受けてから10ms後に圧力が上昇を始め、13ms後に2.1MPaの最大圧力を示し、1600ms後には大気圧に戻った。
(実験例3)
次に、臭気発生装置200を用い、図21に示すように、約30m3の広さの室内において臭気発生装置200のノズル部54を、床面からの高さ2.5mの壁面に設置し、2mと4m離れた位置で臭いの到達時間を測定した。臭気液は、A臭気液、B臭気液、C臭気液およびD臭気液の4種類で測定をした。
B臭気液では、臭気発生装置200を作動後、2m地点では2秒後に臭気を感知し、4m地点では約10秒後には臭気を感知することができた。
C臭気液では、臭気発生装置200を作動後、2m地点では2秒後に臭気を感知し、4m地点では約12秒後には臭気を感知することができた。
10 臭気液収納部
11 容器
12 容器本体
13 傾斜胴部
14 閉塞部
15、48 肩部
16 口部
17 開口部
18、26、53、67、86 雄ネジ部
19 臭気液
20 チップバルブ
21 チューブアダプター
21a、21b 鍔部
22、24、30、34、52、75、76 空間部
23、31、35、74、77 雌ネジ部
25、78 内側段部
27、36、41、42、45 流路孔
28 バルブアダプター
37 弁機構
38、70、89、101 Oリング
39 球体
40 ボール止め
43 スプリング
44 スプリング止め
46、55 段部
49 突出部
50 噴出部
51 連結部
54 ノズル部
56 ガス通路
57 ノズル孔
58 X型ワーラー
60 火工式点火器
61 イニシエーター
62 発熱部
63 リード線
64 着火薬
66 貫通孔
65 着火部金具
69 管体
71 ホルダー部
72 イニシエーター収容部
80 破裂板
81 スペーサー
87 成型フィルター
83 フィルターカップ
90 筐体
90A 上部ハウジング
90B 下部ハウジング
91 ボルト
92a,92b リード線貫通孔用凹部
93a,93b 火工式点火器用凹部
94a,94b 臭気液収納部用凹部
95a,95b ガス流路貫通孔用凹部
96 ノズル部用孔
97a,97b ガス圧力調整溝用凹部
98 小孔
99a,99b 貫通孔用凹部
100a 孔
100b ネジ孔
Claims (2)
- 臭気液を収納する臭気液収納部と、
前記臭気液収納部の一側と連通し前記臭気液を噴出させる噴出部と、
前記臭気液収納部の他側と連通し前記臭気液収納部から臭気液を押し出すガス圧を発生する火工式点火器と、
前記臭気液収納部、前記噴出部および前記火工式点火器を収容するとともに前記火工式点火器で発生したガス圧を前記臭気液収納部に導く通路を有する筐体と
を備えたことを特徴とする臭気発生装置。 - 臭気液を収納する臭気液収納部と、
前記臭気液収納部の一側と連通し前記臭気液を噴出させる噴出部と、
前記臭気液収納部の他側と連通し前記臭気液収納部から臭気液を押し出すガス圧を発生する火工式点火器と、
前記臭気液収納部を密閉収容するとともに一側に前記火工式点火器および他側に前記噴出部を密閉嵌合する連結部材と
を備えたことを特徴とする臭気発生装置。
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