JP4828857B2 - 携行型拘束網展開器および携行型拘束網展開装置 - Google Patents

携行型拘束網展開器および携行型拘束網展開装置 Download PDF

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    • F41H13/0006Ballistically deployed systems for restraining persons or animals, e.g. ballistically deployed nets

Description

本発明は、拘束網を瞬時に展開させて、例えば人為的に他人に危害を及ぼそうとしている犯罪嫌疑者の犯罪行為を未然に防止するため、あるいは逃亡時の逃亡時間を遅らせ、犯罪嫌疑者を拘束・捕獲するための携行型拘束網展開器および携行型拘束網展開装置に関する。
特許文献1には、銃弾的に発射される拘束網システムとして、銃弾による網の展開システムが開示されている。特許文献1では、銃の衝撃力によって弾丸カートリッジについた雷管がたたかれ、放出弾薬および遅延ヒューズが点火され、放出弾薬の爆発によって、錘と拘束網がハウジングから放出され、約20〜30ms後に遅延ヒューズが広げ用弾薬を点火する。これにより、短い延長ライン付錘が広げられ、次に長い延長ライン付錘が拘束網の前方へと加速され、網が完全に展開することができる。
また、特許文献2には、高圧ガスを駆動源とした携行型拘束網展開装置が開示されている。特許文献2では、高圧ガスボンベを装置内に有し、起動スイッチを押すことにより、高圧ガスボンベの封板にピンを刺し、高圧ガスを一気に放出し、このガス圧で網と錘の両方を押し出し、網を展開させることができる。
また、特許文献3には、網を展開させるための錘を飛ばした後に粘着性液体を噴出させる機構を構築した携行型拘束網展開装置が開示されている。特許文献3では、錘は薬莢内にその錘を飛ばすためのガス圧力を受け、錘を押し出すためのピストンと一緒に収容されている。
特表2000−513089号公報 米国特許第5326101号明細書 独国公開特許第4437412号公報
特許文献1による携行型拘束網展開装置では、火薬類を用いており、法規上取扱の制約を受けるほか、弾丸を射撃する行為から銃刀法の適用を受けるため、到底一般向けではなく、ごく限られた人にしか携行できない。また、特許文献1では、遠距離での拘束を目的としているため、近距離若しくは狭い場所での使用ができない。
また、特許文献2による携行型拘束網展開装置では、特許文献1による携行型拘束網展開装置と同様に、錘と網の両方が高圧ガスにより押し出され、噴出の初期段階では網がほとんど展開せず、携行型拘束網展開装置から距離を隔ててから網が徐々に展開するため、遠距離には対応できるが、近距離では錘が捕獲対象者に直撃し、安全に使用できない。また、この携行型拘束網展開装置は、金属容器(ボンベ)にガスが充填されているため、この携行型拘束網展開装置内には既に網と錘を押し出すためのエネルギが存在しており、不慮の場合、破裂等の危険が常に潜んでいる。また、高圧ガスでは、ガス流路が長くなり、それによる作動のタイムラグやリークが懸念される。
また、特許文献3による携行型拘束網展開装置では、網を展開させる以外の液体噴射機能を持たせているために、網を展開させるための錘の噴出方法および構成が複雑である。また、薬莢内でのピストンおよび錘の摺動によるエネルギロスが発生してしまう。
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、簡易な構成で複雑なセンシング機能を持たなくとも確実に捕獲対象者を捕獲でき、かつ法規的に制約を受けず、また近距離や狭所でも有効かつ安全に作用する携行型拘束網展開器および携行型拘束網展開装置を提供することにある。
第一の発明に係る携行型拘束網展開器は、拘束網と、拘束網の周縁上に所定間隔をもって配設された複数個の錘と、燃焼性物質の燃焼によってガス圧を発生する火工式点火器を有する容器とを備えている。容器は、錘を所定角度をもって噴出する複数の噴出口を形成するとともに錘を収容する錘収容部と、拘束網を収容する拘束網収容部と、燃焼性物質の燃焼によってガス圧を発生する火工式点火器を有し、錘収容部に収容された錘を火工式点火器のガス圧力で噴出する噴出手段と、錘を収容した錘収容部と拘束網を収容した拘束網収容部とを覆い、錘および拘束網の噴出時に分離される蓋とを有する。
次に、第一の発明に係る携行型拘束網展開器の好ましい態様の一例を説明する。
容器は、拘束網収容部側から噴出口に亘って凹部を設けるとともに拘束網収容部側に蓋係止部を設け、蓋は、拘束網収容部を覆う覆い部と、凹部に装着されるとともに蓋係止部に係止される穴を有する複数の舌部とを設けている。
また、凹部は、蓋の舌部を両側から係止する一対の係止片を噴出口の近傍に対向して設けている。
また、蓋係止部は、拘束網と錘とを連絡する紐部材を係止する凹部を設けている。
また、噴出口は、容器の横軸線上を0度(水平)としたとき、錘の噴出される角度を20度から75度の範囲に設定される。
また、拘束網の目幅が略方形10cm角〜13cm角である。
また、錘が略コップ状のゴム材カバーで覆われている。
燃焼性物質は、非火薬系組成物である。
また、拘束網は、矩形状を為し、錘は、拘束網の四隅、各辺の中点にそれぞれ紐部材を介して連結され、噴出口は、容器の頂点を基点として容器を8等分した地点に設けられ、容器の頂点には、拘束網の上辺の中点に位置する錘を噴出口に収容するための目印が設けられている。
また、拘束網は、矩形状を為し、錘は、拘束網の四隅、各辺の中点にそれぞれ紐部材を介して連結され、噴出口は、容器の頂点から該容器の縁部に沿ってマイナス22.5度またはプラス22.5度ずらした点を基点として該容器を8等分した地点に設けられ、容器のマイナス22.5度ずらした点またはプラス22.5度ずらした点には、マイナス22.5度ずらした点に対応して拘束網の上辺の左端部に位置する錘を噴出口に収容するための目印が設けられ、プラス22.5度ずらした点に対応して拘束網の上辺の右端部に位置する錘を噴出口に収容するための目印が設けられている。
第二の発明に係る携行型拘束網展開装置は、第一の発明に係る携行型拘束網展開器と、噴出のための制御回路と、起動用電源と、起動スイッチとを有し、容器に連結される操作部とを備えている。
次に、第二の発明に係る携行型拘束網展開装置の好ましい態様の一例を説明する。
操作部は、容器に着脱自在に連結されている。
操作部は、半円筒形状の2つの部材を接合して成る円筒形状を為し、噴出のための制御回路と、起動用電源と、起動スイッチとを装着している。
操作部は、カップを介して容器に連結されている。
操作部は、一端に位置決め用の突起を有し、カップは、操作部を挿通する穴と、穴の周囲に設けた位置決め用の突起を係止する凹部と、携行型拘束網展開器にネジ止めするためのネジ挿通穴とを有する。
第三の発明に係る携行型拘束網展開器は、拘束網と、拘束網の周縁上に所定間隔をもって配設された複数個の錘と、ガス圧によって錘を噴出する容器とを備えている。容器は、錘をガス圧により所定角度をもって噴出する複数の噴出口を形成するとともに錘を収容する錘収容部と、拘束網を収容する拘束網収容部と、錘を収容した錘収容部と拘束網を収容した拘束網収容部とを覆い、錘および拘束網の噴出時に分離される蓋とを有する。
第四の発明に係る携行型拘束網展開装置は、第三の発明に係る携行型拘束網展開器と、起動スイッチと噴出口に接続されるガス通路とを有し、容器に着脱自在に取り付けられる操作部と、操作部を挿通するとともに係止する穴を有し、携行型拘束網展開器に操作部とともに固定されるカップと、操作部内に収容され、起動スイッチを介してガス通路に連絡し、起動スイッチにより流路を開放してガス通路を介して複数の噴出口からガスを噴出するガスボンベとを備えている。
第一の発明に係る携行型拘束網展開器と第二の発明に係る携行型拘束網展開装置とにおいては、火薬または非火薬組成物の燃焼によるガスを駆動源とするので、これら組成物が着火し燃焼に至るまで、放出のためのエネルギは存在せず、装置としては不活性状態にある。この場合、組成物が発火に至るだけのエネルギが外部から与えられない限り作動せず、安定な状態で保管が可能である。また、火薬および非火薬の組成物は大半が安定な無機化合物で構成されており、長期保存においても安定性に優れ、高圧ガスのガス漏れによるエネルギの損失などは考慮する必要がない。
さらに、拘束網の展開にはガス発生組成物が燃焼する際のガス圧が使用され、この組成物は非火薬のため法的な制限を受けない。これにより特定の機関における使用のみならず、一般の人でも使用が可能である。
また、拘束網を展開させるための錘部には、ガス発生組成物が燃焼して生成されるガスをロスなく受け止めることができる材質および形状の錘カバーを使用することにより、構成が簡素であり、かつ錘を確実に噴出させることが可能である。
第二の発明に係る携行型拘束網展開装置は、拘束網と錘噴出部とから成る第一の発明に係る携行型拘束網展開器と、拘束網を展開させるための起動電源、起動回路および起動スイッチを内蔵した操作部とで構成されているので、拘束網の噴出タイミングは人間の視覚によって計られ、精度の高いセンサや複雑な診断回路を備えなくても、効果的に拘束網を対象者に絡ませることができる。また、起動が人間の手で行われるため、明らかに犯罪行為を実施した対象者を捕獲することが可能で、誤報による作動の可能性はない。
また、第二または第四の発明に係る携行型拘束網展開装置を手で持ち操作するため、拘束網の噴出の方向は自由であり、その状況に応じた方向や角度で起動することができ、固定式によるピンポイントのセンシングをする必要がない。
ここで、所定展開径の拘束網を一定の圧力条件下で錘を噴出させ、犯罪嫌疑者を拘束できるように展開させるためには、錘の配設、噴出角度の関係が必要であり、これらの組み合わせにより、使用条件の変化に対応が可能となり、本発明の目的を多様に達成できる。
(1)本発明によれば、全長は大型懐中電灯または警棒などと同程度の長さで、重量は軽量のため、警備や警察官または一般の人でも十分に持ち運びが可能であり携行性にも優れている。
上記記載のように、取り扱いに優れた大きさ・質量のため、どこでも、またどちらの方向でも、またどんなタイミングでも拘束網の展開が可能で、センサ等による画一的な判断ではなく、視覚による情報やシチュエーション等による人間の柔軟な判断と自由な噴出タイミングにより、拘束の確率が非常に高くなる。
(2)さらに、携行型拘束網展開器および操作部を内蔵した操作部とで構成したことにより、非常に簡易な構造となり、複雑なセンサやセンサからの信号を処理する判断回路等が必要なく、コストも安価なものになる。
(3)また、本発明による携行型拘束網展開装置は、高圧ガス保安法、火薬類取締法などの法規上の規制を受けず、警察官などの特定な人以外でも誰でも使用することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
図1〜図15は、本発明の第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を示す。
本実施形態に係る携行型拘束網展開装置1は、人体を拘束する拘束網31、錘33およびイニシエータ10を収容するとともに拘束網31と錘33とを噴出させる携行型拘束網展開器1Aと、携行型拘束網展開器1Aを起動させるための回路を収容し、かつ携行型拘束網展開装置1の握り部を形成する操作部1Bとで構成されている。
携行型拘束網展開器1Aは、図1〜図8に示すように、拘束網31の周囲に紐部材32により取り付けられた錘33と錘カバー34とで構成された錘部30を、ガス圧で噴出させるための火工式ガス発生器から成るイニシエータ10と、このイニシエータ10の外周に設けたネジ部18にネジ部22を介して螺合し固定するためのホルダ20と、イニシエータ10からの燃焼生成ガスを一時保持する破裂板25と、この破裂板25を固定および所定面積で破断させるためのスペーサ26と、イニシエータ10からの燃焼生成ガスを冷却濾過する成型フィルタ27と、この成型フィルタ27を収容してホルダ20の一側に設けたネジ部21にネジ部29を介して螺合するフィルタカップ28と、イニシエータ10から生成されるガスによる圧力で噴出される錘部30と、この錘部30を収容するとともに拘束網31を収容する容器35と、拘束網31を収容した容器35の蓋となる拘束網収容蓋48とで構成されている。
イニシエータ10は、図6に示すように、ヘッダ12に固定された発熱部11と、発熱部11に連通するとともに外部からの電気信号を接続するリード線13と、発熱部11に当接する着火薬14と、管体16に充填されて着火部金具17に組み付けられるガス発生剤15とで構成される。
着火薬14は、ボロン、チタン、鉄粉、珪素、銅、ニッケルまたはマンガンから成る少なくとも1種類の剤と、酸化ビスマス、二酸化鉛、酸化チタン、五酸化バナジウム、酸化クロム、二酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛または酸化モリブデンから成る少なくとも1種類の剤との混合物を有する非火薬組成物が使用される。
また、ガス発生剤15は、アジ化ナトリウム、明礬または5アミノテトラゾールから成る少なくとも1種類の剤と、酸化鉄、酸化チタン、五酸化バナジウム、酸化クロム、二酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛または酸化モリブデンから成る少なくとも1種類の剤との混合物を有する非火薬組成物が使用される。
本実施形態では、着火薬14として、ボロン、酸化ビスマスおよび二酸化鉛の組成物を用いた。また、ガス発生剤15として、アジ化ナトリウムと酸化鉄の組成物を用いた。
着火薬14ならびにガス発生剤15は、火薬類取締法の適用を受ける火薬類でも良いが、好適には法律の適用を受けない非火薬組成物が好ましい。また、着火薬14はガス発生剤15に確実に着火させることができるエネルギを有し、ガス発生剤15は窒素ガスなどの比較的無害なガスを発生させる組成物であり、ガス発生剤15のグラム当たりのガス発生量は200ml以上、好ましくは300ml以上である物が使用される。
ホルダ20は、図2〜図5、図7、図8に示すように、ステンレス製で中空の円筒体から成り、一側の内側と他側の内側にネジ部21,22が設けられており、さらに、一側は第一容器35Aの筒部36内に貫入され、第二容器35Bの筒部40にて固定されるように、他側より外径を広径に形成される段部23を有する。また、中空の内径部には破裂板25が支えられるように内側段部24が設けられている。
ホルダ20の内側段部24に支えられた破裂板25は、図2〜図4、図5、図8に示すように、スペーサ26によって固定され、さらにフィルタカップ28の外周に設けたネジ部29とホルダ20の一側に設けたネジ部21との螺合によって固定される。破裂板25は、イニシエータ10からのガスを一時保持し、ガス発生剤15の燃焼を完結させ、所望の発生ガス量を得るために用いられる。破裂板25は、厚さ0.4mmのアルミニウムが用いられ、保持されたガス圧力によりスペーサ26の貫通孔26aから破断する。
スペーサ26は、図2〜図4、図5、図8に示すように、破裂板25側が直径8mm、フィルタカップ28側が直径13mmの漏斗状の貫通孔26aを設けている。スペーサ26は、ステンレスが用いられるが、ガス圧力に耐えられる強度を有していれば鉄を始めとする金属を用いることも可能である。
フィルタカップ28は、図2〜図4、図5、図8に示すように、スペーサ26側が直径13mm、他側が直径10mmの貫通孔28aを設け、直径13mmの成型フィルタ27が脱落せず保持できるように段部28bを、また、外側にホルダ20と螺合するためのネジ部29を有する。スペーサ26を通過した発生ガスは、ガス発生剤15の燃焼残渣を含み、フィルタカップ28に収容された成型フィルタ27を通過する際に冷却、濾過され、容器35内へ流入する。フィルタカップ28は、ステンレスが用いられるが、ガス圧力に耐えられる強度を有していれば鉄を始めとする金属を用いることも可能である。
成型フィルタ27は、金網を圧縮成型した成型体が使用され、フィルタカップ28に圧入、収容される。成型フィルタ27は、ガス発生剤15の燃焼残渣を濾過し、携行型拘束網展開装置1から火炎が噴出しないように最適な成型密度を有する必要があり、3.4〜3.5g/cm3に設定される。また、効率良く燃焼残渣を濾過するため、金網は線径が細い物が適しており、直径0.2mmを使用する。
錘部30は、図2、図3、図4、図9〜図11に示すように、拘束網31の周囲に取り付けられた紐部材32と、この紐部材32により取り付けられた錘33と、錘カバー34とで構成されている。
紐部材32は、ポリエステル製で直径0.7mmの紐を用いており、一側が錘33と連結するとともに他側が拘束網31と連結している。連結された錘33と拘束網31との間の紐部材32の長さは80mmである。そして、この紐部材32は、容器35から錘33が飛び出すとともに容器35から拘束網31を展開するときの力にも耐える材質としている。
錘33は、ステンレス製で、全長28mm、外径11mmの円柱である。錘33は、そのおよそ中央部に錘カバー34を被せた後に錘33が抜け出さないようにするために、幅2mm、深さ0.5mmの溝33aと、一側先端には紐部材32を錘33に連結するための幅2mm、深さ1mmの溝33bを全周に渡り設けている。ここでは、材質はステンレスとしているが、耐腐食性の優れた材質であれば使用することが可能である。
錘カバー34は、ゴム材を使用し、イニシエータ10から発生するガスによる圧力をロスなく受け止め、かつ錘33が人体や器物へ衝突した際の安全性を確保するために錘33に被せられる。全長32mm、外径14mm、内径11mmの略コップ状を為しており、一側は紐部材32を通すための直径2mmの貫通孔34aを有しており、他側は前述の通り、イニシエータ10から発生するガスを受けた時に開口面端部が容器の内面に向かって広がり、密着するように内外縁に半径1mmの環状体34bを設けている。この形状により、図11(b)に示すように、ガスを逃さず受け止め、確実に錘33を噴出させることが可能である。また、貫通孔34a側端面から8mmの位置の外面に、容器35外からの異物の入り込みを防止する目的で、断面が高さ0.3mm、底辺0.5mmの三角形の突起34cを、同端面から17mmの位置の内面に錘33の抜け出し防止用の、断面が高さ0.3mm、半径1.5mmの扇状の凸部34dを有している。
錘33と錘カバー34との組立は、図10に示すように、紐部材32の一端を錘33の先端側の溝33bに一周巻き付け、紐部材32が溝33bから外れないように締め付けた後、緩まないように結び、紐部材32の他端を錘カバー34の貫通孔34aを通し、錘カバー34内面の凸部34dと錘33の溝33aが嵌合するまで挿入することによって行われる。
拘束網31は、図9に示すように、ポリエステル製またはケブラー製で、4m×4mの正方形、または4m×3mの長方形、または3m×3mおよび4m×4mの八角形などで構成されている。また、目幅は全展開面積の約半分を中心部付近から20cm角で形成し、残り半分を10cm角で形成してもよい。また、目幅については全展開面積で中心部から、内側網目と外側網目とを均等に形成することでも良い。
本実施形態では、図9に示すように、8個の錘33を、拘束網31の角部と各辺の中点とに紐部材32を介して連結する。錘33は、容器内にコンパクトに収容された拘束網31を完全に展張させる目的と、捕捉対象者に拘束網31を被せた後に錘33が拘束網31の網目に入り込み、拘束網31を絡ませ拘束効果を高める二つの目的がある。そのため、錘33の個数は、第一の目的を達成するために、拘束網31を2軸方向(縦・横)へ展開させる必要があり、拘束網31の外周の対称点に等間隔に少なくとも4個は必要となり、また、第二の目的のためには、錘33同士が干渉せずに網目に入り込む範囲で、4個以上が必要となる。
容器35は、図2〜図5に示すように、第一容器35Aと、第一容器35Aの内側に重ね合わされる第二容器35Bとで構成されている。
第一容器35Aは、ABS樹脂材から成る略漏斗形状を為す容器で、中央部から突出する筒部36と、この筒部36の付け根から円形に拡張して形成された半円状の傾斜面37と、筒部36と連なり、傾斜面37に沿って八方向に分岐するとともに傾斜面37の外側に突出する半円状の8つの流路38と、傾斜面37と対向する裏面側に設けたネジ穴39とを有する。
筒部36は、起動押しボタンスイッチ53を含む操作部1Bのネジ部51と螺合するネジ部36aを外周に設けるとともに、内周にホルダ20を係止する段部36bを設けている。
筒部36と8つの流路38との接合部は、筒部36と8つの流路38とがそれぞれ連通するように、筒部36の付け根と8つの傾斜面37との接合部よりも筒部36に設けたネジ部36a側に位置する隙間38aを形成するように筒部36から略直角に突出する張り出し部38bを有する。8つの流路38は、張り出し部38bの先端から傾斜面37と平行する半円形状の壁面38cを有する。張り出し部38bと壁面38cとの境目に錘部30を当接する段部38dを形成している。
第二容器35Bは、筒部40が 底付きでありかつ8つの切り込み部41を有する点と、傾斜面42の先端に円筒形状の蓋取付部45を設けた点で、第一容器35Aと異なっている。
第二容器35Bは、中央部から突出するとともに8つの切り込み部41を長手方向に設けた底40aを有する筒部40と、この筒部40の付け根から円形に拡張して形成された半円状の傾斜面42と、筒部40の8つの切り込み部41とそれぞれ連なり、傾斜面42に沿って八方向に分岐するとともに傾斜面42の内側に突出する半円状の8つの流路43と、傾斜面42と対向する裏面側に設けたネジ貫通穴44と、傾斜面42の縁部から突出する円筒形状の蓋取付部45とを有する。
蓋取付部45には、外周壁の外周に等間隔で8つの凹部46が形成され、各凹部46には等間隔で拘束網収容蓋48の舌部49を固定するための16本の先端が直径2.5mmの頭部を有し、長さが4.5mmのマッチ状の突起46aを有する。
第一容器35Aと第二容器35Bとは、両者に形成した半円状の8つの流路38と半円状の8つの流路43とが対向するように重ねられた後、第二容器35B側から16個のネジ60をネジ貫通穴44から挿入してネジ穴39に螺合することによって一体化される。容器35を構成する第一容器35Aと第二容器35Bとの組合せ時に、両者に形成した半円状の8つの流路38と半円状の8つの流路43とによって、8つのガス流路47が形成されるとともに、筒部36の端部36c側と筒部40の底40aとの間に8つのガス流路47に連なるガス流路47aが形成される。8つのガス流路47には、容器35の周縁部側に錘カバー34を被せるとともに紐部材32を取り付けた錘33が段部38dに当接するまで挿入されて装着される。ここで、半円状の傾斜面37,42によって錘33の噴出角度が決められる。噴出角度は、容器35の横軸線上を0度(水平)としたとき、操作部1Bを地面と水平にして拘束網31を展開させた場合、噴出角度が0度に近いほど、拘束網31は手前で展開し、90度に近いほど距離を隔てて展開する。例えば、暴漢などの捕捉対象者に対し本装置を使用することになるが、あまりにも近距離になるまで展開させないと、起動者自身が危険にさらされることになり、また、恐怖感からあまりにも長距離で起動しても、拘束できる可能性が低くなる。このため、本実施形態では、水平状態からの噴射角度による飛距離と錘の軌跡を測定・分析した。この結果から、起動者自身が恐怖にさらされず、かつ拘束対象者へ高い確率で網による拘束が可能な距離を割り出し噴射角度の設定を行い、噴射角度は30度から75度が好適で、好ましくは35度から65度であることを見出した。さらに80度では拘束網31が展開せず、地上に落下してしまうことも確認した。
拘束網収容蓋48は、拘束網31を第二容器35Bに収容後、拘束網31が脱落せず、かつ拘束網31を展開させる時に容易に第二容器35Bから脱落する構造とし、弾性のあるゴム材からなる。外形は略円盤状であり、蓋側面に8つの舌部49を有する。この舌部49には、第二容器35Bの外周壁に突出した16本の突起46aに嵌め込むための直径が3mmの小孔49aが各舌部49に2個ずつ設けてあり、これにより、拘束網収容蓋48および拘束網31が脱落しないようにしている。また、舌部49は拘束網31の紐部材32を隠し、8つのガス流路47の錘噴出口47bを閉塞し、錘部30、紐部材32および拘束網31が露出しないための役割も担う。
なお、拘束網31の第二容器35Bへの収容方法としては、図13に示すように、第二容器35Bに手により錘部30を上方へ纏め、拘束網31を螺旋状に拘束網31の中央部から順に収容する方法(収容方法1)と、図14に示すように、展開させた拘束網31の中央部から外側に向かい順に第二容器35Bに手により詰めるように収容する方法(収容方法2)と、図15に示すように、手により錘部30を上方へ纏め、拘束網31を取り外しが可能なカップ61へ拘束網31の中央部から順に収容し、カップ61からカップ62を取り外し、第二容器35Bへ乗せ、カップ底部の金網63をスライドさせ、カップ62内の拘束網31を第二容器35Bへ移し収容する方法(収容方法3)とがある。
次に、収容方法3について詳述する。まず、拘束網31を平面上に展開させ、拘束網31の外周に取り付けられている8個の錘部30を配置順の通り纏め、錘部30を上にして錘部30と拘束網31が絡まないように拘束網31の中央部を垂らす。続いて、拘束網31をコンパクトに纏めるために所定のカップ61に、拘束網31の中央部を垂らし、中央部から順に紐部材32の取り付け部まで錘部30を除いた全ての拘束網31を収容する。カップ61から拘束網31が収容されている部分を取り外し、そのまま第二容器35Bへ取り付け、拘束網31を第二容器35Bへスライドさせ移す。次に、8個の錘部30を容器35の8つのガス流路47の錘噴出口47bへそれぞれ挿入する。その後、拘束網収容蓋48を容器35へ被せ、容器35の開口部端面を塞ぐ。最後に、紐部材32を8ヶ所ある各2本の突起46aの間に設置し、合計16本の突起46aの頭部が舌部49の小孔49aを貫通するまで押し込み、容器35に拘束網収容蓋48を固定する。これにより、直径112mm、高さ135mmの徳利状の携行型拘束網展開器1Aが完成する。
一方、操作部1Bは、両端が開口し、一方が携行型拘束網展開器1Aと螺合するためのネジ部51を内側に有し、携行型拘束網展開装置1を手で握るための握り部を形成し、かつ携行型拘束網展開器1Aを作動させるための回路を収容する樹脂材から成る外径34mm×長さ275mmの筒体50と、携行型拘束網展開器1Aを作動させるための回路を為す安全解除用の安全スライドスイッチ52と、作動用の起動押しボタンスイッチ53と、携行型拘束網展開器1Aを電気的に作動させられるか否かを判断するための押しボタンスイッチ54およびその可否を表示するインジケータ55と、作動用の電源としての電池56と、電池56を出し入れするために筒体50と嵌合する蓋57とで構成されている。図12に示すように、電池56、イニシエータ10、起動押しボタンスイッチ53および安全スライドスイッチ52は、直列で接続され、インジケータ55および押しボタンスイッチ54は、並列で接続されている。
拘束網31を噴出させるための電池56は、イニシエータ10を起動させるための電流を得られれば良く、携帯性の面から乾電池が選定され、単数または複数個の指定はなく、また、直列、並列、直並列のいずれの接続でも良い。ここでは、回路抵抗を加味し余裕のある出力を得るために006Pを採用している。なお、電池は充電式としても良い。
インジケータ55は、イニシエータ10が起動するために必要な電流が得られなくなった場合に、押しボタンスイッチ54を押しても点灯しないようにインジケータ10と押しボタンスイッチ54の間に抵抗体58を挿入している。従って、本実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を使用する場面に遭遇した際、例えば電池56の消耗により拘束網31を展開できないということが起きないように、予め電池56の消耗状態をモニタできる。定期的にモニタを実施しておけば不測の事態を避けることができ、モニタによりインジケータ55が点灯しない場合には、簡単な電池交換でスタンバイ状態に復帰が可能である。
安全スライドスイッチ52は、ON−OFF切り替え式とし、OFF側では、直列回路が断絶された状況となり、万一意図しない拘束網31の噴出を避けるために設けられている。ON側にしなければ、誤って起動押しボタンスイッチ53を押しても、イニシエータ10が作動せず、錘部30が噴出しないため、至近距離での錘部30の直撃等が防止される。
次に、斯くして構成された本実施形態に係る携行型拘束網展開装置1の作用を説明する。
(組立)
(1)携行型拘束網展開器1Aの組立について説明する。
先ず、ホルダ20の内側段部24に破裂板25を挿入する。
次に、ホルダ20に破裂板25を挟むようにスペーサ26を挿入する。
次に、フィルターカップ28に成型フィルタ27を挿入する。
次に、成型フィルタ27が入ったフィルターカップ28をホルダ20のネジ部21に螺入する。
次に、ホルダ20を第一容器35Aの筒部36から、ホルダ20の外側段部23が第一容器35Aの段部36bの内面に当たるまで挿入する。
次に、第一容器35Aと第二容器35Bとをネジ穴39とネジ貫通穴42とが一致する位置で合わせ、16本のネジ60で第二容器35Bの拘束網収容側から固定する。
次に、錘33の溝33bに紐部材32を一周巻き、結び付ける。
次に、紐部材32を錘カバー34の貫通穴34aを通し、錘33の溝33aと錘カバー34の凸部34dが合わさるまで錘33に錘カバー34を被せる(錘部30の完成)。
次に、錘部30の紐部材32を拘束網31の周囲8ヶ所(8角形ならその角部、4角形なら4ヶ所の角部とその中点)に結び付ける(拘束網の完成)。
次に、図15の要領で拘束網31を第二容器35Bに挿入する(この時点では、錘部30はフリーな状態)。
次に、拘束網収容蓋48の舌部49の小穴49aと第二容器35Bの突起46aの位置が一致するように拘束網収容蓋48を第二容器35Bに被せる。
次に、第二容器35Bの各2本の突起46aに紐部材32をセットし、拘束網収容蓋48の舌部49の小穴49aから各突起46aの頭部が貫通するまで舌部49を押し込み、拘束網収容蓋48を固定する。
次に、8個の錘部30を第一容器35Aと第二容器35Bとを合わせて形成された容器35に挿入する。
次に、第一容器35Aの筒部36から突出したホルダ20にOリング19とともにイニシエータ10の着火部金具17を螺入する。Oリング19は着火部金具17のOリング用の溝17a内に装着される(これで携行型拘束網展開器1Aが完成)。
(2)操作部1Bの組立について説明する。
先ず、図2と図12に示すように、筒体50に安全スライドスイッチ52および起動押しボタンスイッチ53を取り付け、電池56を収納する(安全スライドスイッチ52はネジ止め、起動押しボタンスイッチ53は嵌め込み)。
次に、電池56、安全スライドスイッチ52および起動押しボタンスイッチ53をケーブルで直列接続し、一部をイニシエータ接続用としてケーブルをオープンにしておく。
次に、筒体50にインジケータ55、押しボタンスイッチ54を取り付け、抵抗体58を収納する(インジケータ55および押しボタンスイッチ54は嵌め込み)。
次に、インジケータ55、抵抗体58および押しボタンスイッチ54をケーブルで電池56に直列接続する。
次に、筒体50に蓋57を取り付ける(操作部1Bが完成)。
(3)携行型拘束網展開器1Aと操作部1Bとの組み付けについて説明する。
先ず、図3と図12に示すように、イニシエータ10のリード線13を起動押しボタンスイッチ53のケーブルと結線し直列接続する。
次に、第一容器35Aのネジ部36aと操作部1Bのネジ部51とを螺合する(これで携行型拘束網展開装置1が完成)。
以上により、本実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を得ることができる。
(動作)
次に、本実施形態に係る携行型拘束網展開装置1の動作について説明する。
先ず、押しボタン54を押して拘束網31を噴出可能な状態であることをインジケータ55にて確認する。
次に、安全スライドスイッチ52を拘束網31の噴出可能位置にスライドさせる。
次に、起動押しボタン53をONする。
次に、起動押しボタン53のON信号によりリード線13を介してイニシエータ10に電気信号が送られ、イニシエータ10の発熱部11が着火薬14を着火しガス発生剤15を着火する。
次に、ガス発生剤15の燃焼に伴うガス圧力が高まり、所定値に達すると破裂板25が破断し、発生ガスがスペーサ26を介してフィルタカップ28内に収容された成型フィルタ27にて濾過され容器35内に流入する。
次に、容器35内に流入した発生ガスは、容器35の筒部36と筒部40との間に形成されたガス通路47aから8つのガス流路47に分かれて流下し、8つのガス流路47にそれぞれ配置した錘部30を容器35の外方に噴出する。
次に、錘部30の噴出に伴って拘束網収容蓋48が取り外されるとともに拘束網31が展開する。
(実験)
次に、本実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を実験例1〜6により説明する。
(実験例1)
第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を用い、図16に示すように、架台70に取り付けられた固定治具71で、操作部1Bを挟み固定し、地表と水平になるように高さ1.5mの位置にセットした。噴出角度の異なる携行型拘束網展開器1Aを用意し、それぞれの噴出角度における錘の軌跡を解析した。解析は、拘束網31の噴出方向に架台から2.5mの位置から垂直方向に5m離れた位置にビデオカメラ72を設置し、拘束網31の噴出開始から拘束網31が地表に落下するまでの間を撮影した画像を動画解析装置にて行った。解析の対象は、画像内の最も上および下に位置する錘部とした。また、拘束網31のサイズは3m×3mの正方形とし、目幅は12.5cmに固定した。なお、拘束網31が上下左右対称であり、錘部30が360度の円周上に等分に配置されているため、錘部30の軌跡により得られる拘束網31の展開の程度は、側面からの解析と正面からの解析は同一となるため、解析は側面からの一方向とした。
この結果を図17に示す。噴出角度が、携行型拘束網展開器1Aの横軸線上を0度としたとき、噴出角度が小さいほど飛翔距離は短く、大きいほど飛翔距離が長くなることが確認された。また、20度から75度までは、拘束網31の縦方向の最大展開の3mに対し、その90%以上が展開している。これに対し、噴出角度を80度とすると飛翔距離が7〜8mに達するが、拘束網31が目標体(例えば人間)全体を覆うに十分な展開をなさないうちに地上に落下していまうことが確認された。
また、この実験において、イニシエータ10からの発生ガスによる容器35内のガス流路内圧力を測定した。
その結果を図18に示す。圧力の挙動は、起動押しボタンスイッチ53を押してから0.0346秒後に圧力が上昇を始め、0.0351秒後に1.1MPaの最大圧力を示し、0.038秒後には大気圧に戻る(時間は全て起動押しボタンスイッチ53を押してからの経過時間である)。
ここで、以下の実験を行うに当たり、目標体(男性大人1.7〜1.8m)と携行型拘束網展開装置1との距離を知覚別に定義してみる(参考文献:朝倉書店発行/人間の許容限界ハンドブック)。
《ケース1》=社会距離=近距離=相手に触れることが難しい距離
このケース1では、目標体が襲いかかってくる、もしくは周囲を襲撃している場合を想定する。
参考文献によれば、相手に触れることが難しい距離は、直視で1.22m〜2.13m、非直視で2.13m〜3.66mとされている。そこで、これらの距離の平均をとり、2.5mと考える。
《ケース2》=公衆距離=遠距離=相手とかかわりにならずにすみ、逃げたり防いだりできる距離
このケース2では、目標体が逃走しようとしている、もしくは周囲を襲撃している場合を想定する。
参考文献によれば、相手とかかわりにならずにすみ、逃げたり防いだりできる距離は、直視で3.66m〜7.62m、非直視で7.62m以上とされている。そこで、その距離を直視距離の平均をとり、5.6mと考える。
(実験例2)
第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を用いて、噴出角度を50度に設定した。実験例1と同様の測定状況において、拘束網31の展開形状を拘束網31が地上に着地するまので間、計測した結果を図19に示す。
拘束網31は、起動押しボタンスイッチ53を押してから、0.2秒後に最下部に位置する錘部30が携行型拘束網展開装置1から1.3mの位置に着地し、ほぼそのままの位置に止まり、最上部の錘部30は0.4秒後に最大高さを示した。つまり、0.4秒後に拘束網31は最大の展開を示しているということになる。0.4秒を経過以降の最上部の錘部30は放物線を描きながら、1秒後に携行型拘束網展開装置1から3.8mの位置に着地した。
このことから、目標体が地上に居た場合、錘部30を衝突させることなく拘束網31を被せることができる範囲は、携行型拘束網展開装置1からの距離が1.3m以上であり、前出の社会距離(近距離=1.78m〜3.22m)に目標体が存在する場合に安全を確保できることになる。また、そのときに拘束網31が目標体に被さり始める時間は、前出の社会距離の中点(2.5m)に身長1.75mの目標体が存在したと仮定すると、携行型拘束網展開装置1の起動押しボタンスイッチ53を押してから、0.6秒後である。
(実験例3)
第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を用いて、噴出角度を75度に設定した。実験例1と同様の測定状況において、拘束網31の展開形状を拘束網31が地上に着地するまので間、計測した結果を図20に示す。
拘束網は、起動押しボタンスイッチ53を押してから、0.3秒後に最下部に位置する錘部30が携行型拘束網展開装置1から3.7mの位置に着地し、ほぼそのままの位置に止まり、最上部の錘部30は0.5秒後に最大高さを示した。つまり、0.5秒後に拘束網31は最大の展開を示しているということになる。0.5秒を経過以降の最上部の錘部30は放物線を描きながら、1秒後に携行型拘束網展開装置1から6.6mの位置に着地した。
このことから、目標体が地上に居た場合、錘部30を衝突させることなく拘束網31を被せることができる範囲は、携行型拘束網展開装置1からの距離が3.7m以上であり、前出の公衆距離(遠距離=4.88m〜6.32m)に目標体が存在する場合に安全を確保できることになる。また、そのときに拘束網31が目標体に被さり始める時間は、前出の社会距離の中点(5.6m)に身長1.75mの目標体が存在したと仮定すると、携行型拘束網展開装置1の起動押しボタンスイッチ53を押してから、0.6秒後である。
(実験例4)
第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を用いて、噴出角度を20度に設定した。実験例1と同様の測定状況において、拘束網31の展開形状を拘束網31が地上に着地するまので間、計測した結果を図21に示す。
拘束網31は、起動押しボタンスイッチ53を押してから、0.2秒後に最下部に位置する錘部30が携行型拘束網展開装置1から0.6mの位置に着地し、ほぼそのままの位置に止まり、最上部の錘部30は0.3秒後に最大高さを示した。つまり、0.3秒後に拘束網31は最大の展開を示しているということになる。0.3秒を経過以降の最上部の錘部30は放物線を描きながら、0.9秒後に携行型拘束網展開装置1から2.4mの位置に着地した。
このことから、目標体が地上に居た場合、錘部30を衝突させることなく拘束網31を被せることができる範囲は、携行型拘束網展開装置1からの距離が0.6m以上であり、前出の社会距離(近距離=1.78m〜3.22m)に目標体が存在する場合に安全を確保できることになる。また、そのときに拘束網が目標体に被さり始める時間は、前出の社会距離の最近接点(1.78m)に身長1.75mの目標体が存在したと仮定すると、携行型拘束網展開装置1の起動押しボタンスイッチ53を押してから、0.6秒後である。
(実験例5)
第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を用いて、噴出角度が20度と30度に設定した。図22に示すように、天井に地表から高さ3mの位置に固定した。この状況において拘束網31の収容方法別(3種類:図13〜図15)に、展開のスピードを解析した。解析は、携行型拘束網展開装置1から水平方向に2mの距離で、高さ1.5mの位置にビデオカメラ72を設置し、拘束網31の噴出開始から拘束網31が地表に落下するまでの間を撮影した画像を動画解析装置にて行った。解析の対象は、画像内の左右両端に位置する錘部30とし、拘束網31は3m×3mの八角形とし、目幅は12.5cmに固定した。なお、拘束網が上下左右対称であり、錘部30が360度の円周上に等分に配置されているため、錘部30の軌跡により得られる拘束網31の展開の程度は、側面からの解析と正面からの解析は同一となるため、解析は側面からの一方向とした。展開のスピードの評価は、拘束網31が一定の基準に展開するまでに要する時間およびその高さで行った。その基準は、拘束網31の90%(展開径2.7m=3m×0.9)に相当する展開を示すポイントとした。
その結果を図23に示す。90%の展開を示す時間が最も早く、また、最も高い位置で展開したのは、噴出角度が20度でも30度でも、収容方法3であった。
(実験例6)
第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を用いて、拘束網31の一つの目幅を7.5cm、10cm、12.5cm、15cmおよび外側10cm−内側20cmをもって、それぞれ5回づつ実施した。
ここでは、拘束網31から人間がどの程度の時間で網から脱出できるかを、ストップウォッチで脱出時間を測定した。脱出時間の目標を仮に30秒以上とした。
拘束網31の目幅を10cm、12.5cmおよび外側10cm−内側20cmのタイプでは30秒以上掛かったが、7.5cmと15cmでは30秒以上達成したものがなかった。
また、外側10cm―内側20cmのタイプでは、2倍の60秒近いものがあった。
Figure 0004828857
なお、上記第一実施形態においては、携行型拘束網展開器1Aに操作部1Bを取り付けた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、操作部1Bを携行型拘束網展開器1Aから切り離して用いても良い。すなわち、携行型拘束網展開器1Aと操作部1Bとがリード線13により接続されているため、操作部1Bを操作部としてそれぞれを距離をおいた配置とし、操作する人間と携行型拘束網展開器1Aを離し遠隔操作も可能となる(例えば、サスマタの先端に携行型拘束網展開器1Aを取り付け、操作部をサスマタの握り部に設置し、携行型拘束網展開器1Aと操作部をリード線13で接続する)。
(第二実施形態)
図24〜図40は、本発明の第二実施形態に係る携行型拘束網展開装置100を示す。
本実施形態に係る携行型拘束網展開装置100は、人体を拘束する拘束網131、錘133およびイニシエータ110を収容するとともに拘束網131と錘133とを噴出させる携行型拘束網展開器100Aと、携行型拘束網展開器100Aを起動させるための回路基板209を収容し、かつ携行型拘束網展開装置100の握り部を形成する操作部100Bと、携行型拘束網展開器100Aの拘束網噴出部とは反対側の端部側を覆うとともに操作部100Bを係止する円錐形状のカップ100Cとで構成されている。
携行型拘束網展開器100Aは、図24〜図38に示すように、拘束網131の周囲に紐部材132により取り付けられた錘133と錘カバー134とで構成された錘部130を、ガス圧で噴出させるための火工式ガス発生器から成るイニシエータ110と、このイニシエータ110の外周に設けたネジ部118にネジ部122を螺合により固定するためのホルダ120と、イニシエータ110からの燃焼生成ガスを一時保持する破裂板125と、この破裂板125を固定および所定面積で破断させるためのスペーサ126と、イニシエータ110からの燃焼生成ガスを冷却濾過する成型フィルタ127と、この成型フィルタ127を収容してホルダ120の一側に設けたネジ部121にネジ部129を介して螺合するフィルタカップ128と、イニシエータ110から生成されるガスによる圧力で噴出される錘部130と、この錘部130を収容するとともに拘束網131を収容する容器135と、拘束網131を収容した容器135の蓋となる拘束網収容蓋150とで構成されている。
イニシエータ110は、図30に示すように、ヘッダ112に固定された発熱部111と、発熱部111に連通するとともに外部からの電気信号を接続するリード線113と、発熱部111に当接する着火薬114と、管体116に充填されて着火部金具117に組み付けられるガス発生剤115とで構成される。リード線113には、図31に示すように、端部に接続用のコネクタ113aが取り付けられる。
着火薬114は、ボロン、チタン、鉄粉、珪素、銅、ニッケルまたはマンガンから成る少なくとも1種類の剤と、酸化ビスマス、二酸化鉛、酸化チタン、五酸化バナジウム、酸化クロム、二酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛または酸化モリブデンから成る少なくとも1種類の剤との混合物を有する非火薬組成物が使用される。
また、ガス発生剤115は、アジ化ナトリウム、明礬または5アミノテトラゾールから成る少なくとも1種類の剤と、酸化鉄、酸化チタン、五酸化バナジウム、酸化クロム、二酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛または酸化モリブデンから成る少なくとも1種類の剤との混合物を有する非火薬組成物が使用される。
本実施形態では、着火薬114として、ボロン、酸化ビスマスおよび二酸化鉛の組成物を用いた。また、ガス発生剤115として、アジ化ナトリウムと酸化鉄の組成物を用いた。
着火薬114ならびにガス発生剤115は、火薬類取締取締法の適用を受ける火薬類でも良いが、好適には法律の適用を受けない非火薬組成物が好ましい。また、着火薬114はガス発生剤115に確実に着火させることができるエネルギを有し、ガス発生剤115は窒素ガスなどの比較的無害なガスを発生させる組成物であり、ガス発生剤115のグラム当たりのガス発生量は200ml以上、好ましくは300ml以上である物が使用される。
ホルダ120は、図26〜図28、図31に示すように、ステンレス製で中空の円筒体から成り、一側の内側と他側の内側にネジ部121,122が設けられており、さらに、一側は第一容器135Aの筒部136内に貫入され、第二容器135Bの筒部140にて固定されるように、他側より外径を広径に形成される段部123を有する。また、中空の内径部には破裂板125を支える内側段部124が設けられている。
ホルダ120の内側段部124に支えられた破裂板125は、図26〜図28、図31に示すように、スペーサ126によって固定され、さらにフィルタカップ128の外周に設けたネジ部129とホルダ120の一側に設けたネジ部121との螺合によって固定される。破裂板125は、イニシエータ110からのガスを一時保持し、ガス発生剤115の燃焼を完結させ、所望の発生ガス量を得るために用いられる。破裂板125は、厚さ0.4mmのアルミニウムが用いられ、保持されたガス圧力によりスペーサ126の貫通孔126aから破断する。
スペーサ126は、図26〜図28、図31に示すように、破裂板125側が直径8mm、フィルタカップ128側が直径13mmの漏斗状の貫通孔126aを設けている。スペーサ126は、ステンレスが用いられるが、ガス圧力に耐えられる強度を有していれば鉄を始めとする金属や合成樹脂などを用いることも可能である。
フィルタカップ128は、図26〜図28、図31に示すように、スペーサ126側が直径13mm、他側が直径10mmの貫通孔128aを設け、直径13mmの成型フィルタ127が脱落せず保持できるように段部128bを、また、外側にホルダ120と螺合するためのネジ部129を有する。スペーサ126を通過した発生ガスは、ガス発生剤115の燃焼残渣を含み、フィルタカップ128に収容された成型フィルタ127を通過する際に冷却、濾過され、容器135内へ流入する。フィルタカップ128は、ステンレスが用いられるが、ガス圧力に耐えられる強度を有していれば鉄を始めとする金属を用いることも可能である。
成型フィルタ127は、金網を圧縮成型した成型体が使用され、フィルタカップ128に圧入、収容される。成型フィルタ127は、ガス発生剤115の燃焼残渣を濾過し、携行型拘束網展開装置1から火炎が噴出しないように最適な成型密度を有する必要があり、3.4〜3.5g/cm3に設定される。また、効率良く燃焼残渣を濾過するため、金網は線径が細い物が適しており、直径0.2mmを使用する。
錘部130は、図26、図27、図34〜図38に示すように、拘束網131の周囲に取り付けられた紐部材132と、この紐部材132により取り付けられた錘133と、錘カバー134とで構成されている。
紐部材132は、ポリエステル製で直径0.7mmの紐を用いており、一側が錘133と連結するとともに他側が拘束網131と連結している。連結された錘133と拘束網131との間の紐部材132の長さは80mmである。そして、この紐部材132は、容器135から錘133が飛び出すとともに容器135から拘束網131を展開するときの力にも耐える材質としている。
錘133は、ステンレス製で、全長23mm、外径11mmの円柱である。錘133は、そのおよそ中央部に錘カバー134を被せた後に錘133が抜け出さないようにするために、幅2mm、深さ0.5mmの溝133aと、一側先端には紐部材132を通すための穴133bを設けている。ここでは、材質はステンレスとしているが、耐腐食性の優れた材質であれば使用することが可能である。
錘カバー134は、ゴム材を使用し、イニシエータ110から発生するガスによる圧力をロスなく受け止め、かつ錘133が人体や器物へ衝突した際の安全性を確保するために錘133に被せられる。全長27mm、外径14mm、内径11mmの略コップ状を為しており、一側は紐部材132を通すための直径2mmの貫通孔134aを有しており、他側は前述の通り、イニシエータ110から発生するガスを受けた時に開口面端部が容器の内面に向かって広がり、密着するように内外縁に半径1mmの環状体134bを設けている。この形状により、図38(b)に示すように、ガスを逃さず受け止め、確実に錘133を噴出させることが可能である。また、貫通孔134a側端面から8mmの位置の外面に、容器135外からの異物の入り込みを防止する目的で、断面が高さ0.3mm、底辺0.5mmの三角形の突起134cを、同端面から17mmの位置の内面に錘133の抜け出し防止用の、断面が高さ0.3mm、半径1.5mmの扇状の凸部134dを有している。
錘133と錘カバー134との組立は、図37に示すように、紐部材132の一端を錘133の先端側の穴133bに通し、紐部材132が穴133bで折り返すようにした後、紐部材132を錘カバー134の貫通孔134aを通し、錘カバー134内面の凸部134dと錘133の溝133aが嵌合するまで挿入することによって行われる。そして、下部材132は、拘束網131に結びつけられる。
拘束網131は、図36に示すように、ポリエステル製またはケブラー製で、4m×4mの正方形、または4m×3mの長方形、または3m×3mおよび4m×4mの八角形などで構成されている。また、目幅は全展開面積の約半分を中心部付近から20cm角で形成し、残り半分を10cm角で形成してもよい。また、目幅については全展開面積で中心部から、内側網目と外側網目とを均等に形成することでも良い。
本実施形態では、図36に示すように、8個の錘133を、拘束網131の角部と各辺の中点とに紐部材132を介して連結する。錘133は、容器135内にコンパクトに収容された拘束網131を完全に展張させる目的と、捕捉対象者に拘束網131を被せた後に錘133が拘束網131の網目に入り込み、拘束網131を絡ませ拘束効果を高める二つの目的がある。そのため、錘133の個数は、第一の目的を達成するために、拘束網131を2軸方向(縦・横)へ展開させる必要があり、拘束網131の外周の対称点に等間隔に少なくとも4個は必要となり、また、第二の目的のためには、錘133同士が干渉せずに網目に入り込む範囲で、4個以上が必要となる。
容器135は、図24〜図29、図32〜図34に示すように、第一容器135Aと、第一容器135Aの内側に重ね合わされる第二容器135Bとで構成されている。
第一容器135Aは、POM樹脂材(ジュラコン)から成る略漏斗形状を為す容器で、中央部から突出する筒部136と、この筒部136の付け根から円形に拡張して形成された半円状の傾斜面137と、筒部136と連なるリング部138と、傾斜面137に沿って八方向に分岐するとともにリング部138の外側に開口する半円状の8つの流路139と、半円状の8つの流路139の端部の周囲を囲むようにリング部138に形成されるとともにリング部138の外周に沿って対向する壁面に形成した拘束網収容蓋150の舌部151の先端部を係止するための一対の係止溝140aを形成した凹部140と、傾斜面137と対向する裏面側に設けたカップ100Cから挿入される4つのネジ230を等間隔でそれぞれ螺着する長ネジ孔141aと第二容器135Bに4つのネジ160を等間隔でそれぞれ螺着する短ネジ孔141bとを有する。長ネジ孔141aと短ネジ孔141bとは、第一容器135Aを貫通している。また、凹部140は、リング部138の頂部を基点としてリング部138を8等分した地点にリング部138の頂点を基点として設けられ、頂点に位置する凹部140には、拘束網131の上辺の中点に位置する錘部130を噴出口に収容するための目印140bが設けられている。なお、凹部140を、リング部138の頂部からリング部138の縁部に沿ってマイナス22.5度またはプラス22.5度ずらした点を基点としてリング部138を8等分した地点に設け、マイナス22.5度ずらした点に対応して拘束網131の上辺の左端部に位置する錘部130を錘噴出口149aに収容するための目印140bを設け、プラス22.5度ずらした点に対応して拘束網131の上辺の右端部に位置する錘部130を錘噴出口149aに収容するための目印140bを設けることもできる。
筒部136には、ホルダ120を介してイニシエータ110が取り付けられ、イニシエータ110の取り出しを防止するためのイニシエータ保護カップ155が筒部136の端部に形成された環状溝136a内に端部を挿入して接着剤によって固定されている。また、筒部136には、操作部100Bが取り付けられる。
筒部136と8つの流路139との接合部は、筒部136と8つの流路139とがそれぞれ連通するように、筒部136の付け根と8つの傾斜面137との接合部よりも筒部136の開口端側に位置する隙間139aを形成するように筒部136から略直角に突出する張り出し部139bを有する。8つの流路139は、張り出し部139bの先端から傾斜面137と平行する半円形状の壁面139cを有する。張り出し部139bと壁面139cとの境目に錘部130を当接する段部139dを形成している。
第二容器135Bは、筒部142が底付きでありかつ8つの切り込み部143を有する点と、傾斜面144の先端に円筒形状の蓋取付部147を設けた点で、第一容器135Aと異なっている。
第二容器135Bは、中央部から突出するとともに8つの切り込み部143を長手方向に設けた底140cを有する筒部142と、この筒部142の付け根から円形に拡張して形成された半円状の傾斜面144と、筒部142の8つの切り込み部143とそれぞれ連なり、傾斜面144に沿って八方向に分岐するとともに傾斜面144の内側に突出する半円状の8つの流路145と、傾斜面144と対向する裏面側に設けたカップ100Cからの長ネジ螺係部146aと、第一容器135Aと第二容器135Bとを取り付ける短ネジ螺係部146bと、傾斜面144の縁部から突出する円筒形状の蓋取付部147とを有する。
蓋取付部147には、外周壁の外周に等間隔で8つの凹部147aが形成され、各凹部147aには等間隔で拘束網収容蓋150の舌部151を固定するための8個の直径5mmのスリット入り突起部147bを有する。
第一容器135Aと第二容器135Bとは、両者に形成した半円状の8つの流路139と半円状の8つの流路145とが対向するように重ねられた後、第一容器135A側から短ネジ160を4箇所の短ネジ孔141bから挿入し、第二容器135Bの短ネジ螺係部146bと螺合することによって一体化される。容器135を構成する第一容器135Aと第二容器135Bとの組合せ時に、両者に形成した半円状の8つの流路139と半円状の8つの流路145とによって、8つのガス流路149が形成されるとともに、筒部136の端部136c側と筒部142の底140cとの間に8つのガス流路149に連なる錘噴出口149aが形成される。8つのガス流路149の端部に形成される錘噴出口149aには、容器135の周縁部側に錘カバー134を被せるとともに紐部材132を取り付けた錘133が段部139dに当接するまで挿入されて装着される。ここで、半円状の傾斜面137,144によって錘133の噴出角度が決められる。噴出角度は、容器135の横軸線上を0度(水平)としたとき、操作部100Bを地面と水平にして拘束網131を展開させた場合、噴出角度が0度に近いほど、拘束網131は手前で展開し、90度に近いほど距離を隔てて展開する。例えば、暴漢などの捕捉対象者に対し本装置を使用することになるが、あまりにも近距離になるまで展開させないと、起動者自身が危険にさらされることになり、また、恐怖感からあまりにも長距離で起動しても、拘束できる可能性が低くなる。このため、本実施形態では、水平状態からの噴射角度による飛距離と錘の軌跡を測定・分析した。この結果から、起動者自身が恐怖にさらされず、かつ拘束対象者へ高い確率で網による拘束が可能な距離を割り出し噴射角度の設定を行い、噴射角度は30度から75度が好適で、好ましくは35度から65度であることを見出した。さらに80度では拘束網131が展開せず、地上に落下してしまうことも確認した。
拘束網収容蓋150は、拘束網131を容器135Bの錘噴出口149aに収容後、拘束網131が脱落せず、かつ拘束網131を展開させる時に容易に容器135から脱落する構造とする。拘束網収容蓋150は、弾性のあるゴム材からなり、外形は略円盤状であり、蓋側面に8つの舌部151を有する。この舌部151には、第二容器135Bの外周壁に突出した8本の突起147bに嵌め込むための直径が8.5mmの小穴151aが各舌部151に設けてあり、これにより、拘束網収容蓋150および拘束網131が脱落しないようにしている。また、舌部151は拘束網131の紐部材132を隠し、8つのガス流路149の錘噴出口149aを閉塞し、錘133、紐部材132および拘束網131が露出しないための役割も担う。
なお、拘束網131の第二容器135Bへの収容方法としては、第一実施形態と同様に、図13に示す収容方法1と、図14に示す収容方法2と、図15に示す収容方法3とがある。
次に、収容方法3について詳述する。まず、カップ61から拘束網131が収容されている部分を取り外し、そのまま第二容器135Bへ取り付け、拘束網131を第二容器135Bへスライドさせ移す。次に、図34に示すように、8個の錘部130を容器135の8つのガス流路149の錘噴出口149aへそれぞれ挿入する。その後、拘束網収容蓋150を容器135へ被せ、容器135の開口部端面を塞ぐ。次に、図34に示すように、紐部材132を8ヶ所ある各突起147bのスリットに通し、図35に示すように、突起147bの頭部が舌部151の小穴151aを貫通するまで押し込み、舌部151の先端部を第一容器135Aの凹部140の係止溝140aに差し込んで係止する。これにより、拘束網収容蓋150が容器135に固定され、直径100mm、高さ142mmの徳利状の携行型拘束網展開器100Aが完成する。
一方、操作部100Bは、半割状の第一取手部200aと第二取手部200bとネジ208によって結合して成る円筒状を為し、携行型拘束網展開装置100Aを手で握るための取手手段と携行型拘束網展開器100Aを作動させるための回路基板209を収容する収容手段とを構成する樹脂材から成る40mm×長さ310mmの取手部200と、携行型拘束網展開器100Aを作動させるための作動用の起動押しボタンスイッチ201と、携行型拘束網展開器100Aを電気的に作動させられるか否かを判断するためのチェックボタン202およびその可否を表示するインジケータ203と、作動用の電源としての電池204と、電池204を出し入れするために取手部と嵌合する電池カバー207とで構成されている。これにより、電池204、イニシエータ110、起動押しボタンスイッチ201、インジケータ202およびチェックボタン202が接続される。なお、起動押しボタンスイッチ201と、チェックボタン202と、インジケータ203とは図示しない抵抗などとともに回路基板209に半田付けされている。回路基板209には、コネクタ212aを有するリード線212が接続されている。
取手部200は、図26、図39、図40に示すように、カップ100Cを取り付ける側の端部に、周り止め用の箱形状の突起部210と、突起部210の先端部に連なる抜け止め用の環状の膨出部211とを有する。
また、起動押しボタンスイッチ201は、誤って押されないように、ガードカバー205で被い、さらにガードカバー205の上に封印シール206を貼り付けて、使用時以外は押せない構造としている。また、起動押しボタンスイッチ201は1.5mの高さ、あらゆる方向から落下させても耐えうる構造のロッカスイッチを使用している。
拘束網131を噴出させるための電池204は、イニシエータ110を起動させるための電流を得られれば良く、携帯性の面から乾電池が選定され、単数または複数個の指定はなく、また、直列、並列、直並列のいずれの接続でも良い。ここでは、回路抵抗を加味し余裕のある出力を得るために006P角型アルカリ電池を採用している。なお、電池は充電式としても良い。
インジケータ202は、イニシエータ110が起動するために必要な電流が得られなくなった場合に、チェックボタン202を押しても点灯しないようになっている。従って、本実施形態に係る携行型拘束網展開装置100を使用する場面に遭遇した際、例えば電池204の消耗により拘束網131を展開できないということが起きないように、予め電池204の消耗状態をモニタできる。定期的にモニタを実施しておけば、不測の事態を避けることができ、モニタによりインジケータ203が点灯しない場合には、簡単な電池交換でスタンバイ状態に復帰が可能である。
封印シール206、ガードカバー205は安全機構である。封印シール206はガードカバー205をある程度の力で開けないと破れない強度があり、意図しない拘束網131の噴出を避けるために設けられている。故意に封印シール206を破り、ガードカバー205を開けなければ、起動押しボタンスイッチ201を押すことはできない。
カップ100Cは、図24〜図27、図32、図34、図35、図40に示すように、容器135の第一容器135Aの傾斜面137とリング部138との間に挿入されるリング部220と、リング部220から縮径するテーパ形状を為し外部から内部に向かって貫通する4つのボス形状の長ネジ貫通穴222を等間隔で設けた胴部221と、胴部221の中心部を貫通し操作部100Bの周り止め用の突起部210を装着する受け部224を設けた筒形状の貫通穴223とを有する。
カップ100Cは、容器135の錘噴出口149aの回転位置を限定し固定する機能がある。例えば、拘束網131の形状が矩形状のものを使用する場合、建物内で拘束網131を効率よく噴出・展開するための重要な要件となる。拘束網131が矩形状を為しているため、拘束網の131の対角線が、建物内の天井と壁、壁と床の隅に位置することで、拘束網131を矩形状に展開することが可能となり、拘束網131の展開が効率よく行える。また、使用者が、操作上、一般的には一番自然に操作できる回転方向位置は、起動押しボタンスイッチ201の位置が上部に来ているいる時である。そのため、使用する回転方向は必然的に一定になる。さらに、容器135の第一容器135Aのリング部138の一箇所に目印140bを設けているので、拘束網131の対角線がどのような位置で収納されているかを確認することができるようになっている。
カップ100Cは、少ないネジ208で螺合しても充分に操作部100Bの組立後の強度が保たれるように要件を備えている。すなわち、操作部100Bの箱形状の突起210とカップ100Cの貫通孔233に設けた凹部224によって回転方向が規制されて固定されていることで、捩れに対する強度が保たれ、操作部100Bをカップ100Cに螺合する必要がないように構成されている。
カップ100Cは、容器135の第一容器135Aの凹凸を覆い隠すことで、拘束網131の不測の絡まりを防止することができる。
次に、斯くして構成された本実施形態に係る携行型拘束網展開装置100の作用を説明する。
(組立)
(1)携行型拘束網展開器100Aの組立について説明する。
先ず、図28、図31に示すように、ホルダ120の内側段部124に破裂板125を挿入する。
次に、ホルダ120に破裂板125を挟むようにスペーサ126を挿入する。
次に、フィルターカップ128に成型フィルタ127を挿入する。
次に、成型フィルタ127が入ったフィルターカップ128をホルダ120のネジ部121に螺入する。
次に、図26、図28に示すように、ホルダ120を第一容器135Aの筒部136から、ホルダ120の外側段部123が第一容器135Aの段部136bの内面に当たるまで挿入する。
次に、第一容器135Aの短ネジ孔141bと第二容器135Bの短ネジ螺係部146bとが一致する位置で合わせ、4本のネジ160を短ネジ孔141bから短ネジ螺係部146bへ螺着して固定することによって、容器135が完成する。
次に、図37に示すように、錘133の先端側の穴133bに紐部材132を通し、紐部材132を折り返し、ほぼ同じ長さに二等分する。
次に、紐部材132を錘カバー134の貫通孔134aを通し、錘133の溝133bと錘カバー134の凸部134dが合わさるまで錘133に錘カバー134を被せる(錘部130の完成)。
次に、図36に示すように、錘部130の紐部材132を拘束網131の周囲8ヶ所(8角形ならその角部、4角形なら4ヶ所の角部とその中点)に結び付ける(拘束網131の完成)。
次に、拘束網131を、第一実施形態における図13、図14、図15と同様の収容方法に従って容器135の第二容器135Bに移し替え、図34に示すように、錘部130を容器135の8箇所の錘噴出口149aから挿入する。
次に、図35に示すように、拘束網収容蓋150の舌部151の小孔151aと第二容器135Bのスリット入り突起部147bとの位置が一致するように拘束網収容蓋150を容器135に被せる。
次に、図35に示すように、第二容器135Bの各1個のスリット入り突起部147bに紐部材132をセットし、拘束網収容蓋150の舌部151の小孔151aから各スリット入り突起部146aが貫通するまで舌部151を押し込み、次に、舌部151の先端部を凹部140に形成した一対の係止溝140aに差し込んで固定する。これにより、図32に示すように、拘束網収容蓋150の固定が完了する。
次に、第一容器135Aの筒部136から突出したホルダ120にイニシエータ110を螺入する。
次に、第一容器135Aの筒部136の端部に設けた溝136aにイニシエータ保護カップ155を接着、固定する(携帯用拘束網展開器100Aが完成)。
(2)操作部100Bの組立について説明する。
先ず、第一取手部200aに起動押しボタンスイッチ201、チェックボタン202、インジケータ203、抵抗などを半田付けした回路基板209をネジ209aで固定する。
次に、回路基板209を固定した第一取手部200aに第二取手部200bを重ね合わせ、ネジ208によって固定する(操作部100Bが完成)。
(3)携行型拘束網展開器100Aと操作部100Bとの組み付けについて説明する。
先ず、図40に示すように、第二取手部200bの突起部210にカップ100Cの受け部224が引っ掛るまで、カップ100Cの中心にある中央貫通孔223から操作部100Bを挿入する。
次に、携行型拘束網展開器1のイニシエータ110のコネクタ113aと操作部100Bのコネクタ212aとを接続する。
次に、カップ100Cの円周上にある4つの長ネジ挿入部212から長ネジ230を挿入し第一容器135Aの長ネジ貫通孔141aを通し第二容器135Bの長ネジ螺着部146aと螺合する。
次に、カップ100Cの4つの長ネジ挿入部212の長ネジ230のネジ頭を隠すために、キャップ231を貼り付ける。
次に、取手部200に電池204を接続し、電池カバー207を取り付ける。
以上により、本実施形態に係る携行型拘束網展開装置100を得ることができる。
(動作)
次に、本実施形態に係る携行型拘束網展開装置100の動作について説明する。
先ず、チェックボタン202を押して拘束網131を噴出可能な状態であることをインジケータ203にて確認する。
次に、封印206を取り、カバー205を開いて起動押しボタン201を拘束網131の噴出可能な状態にする。
次に、起動押しボタン201をONする。
次に、起動押しボタン201のON信号によりリード線212を介してイニシエータ110に電気信号が送られ、イニシエータ110の発熱部111が着火薬114を着火しガス発生剤115を着火する。
次に、ガス発生剤115の燃焼に伴うガス圧力が高まり、所定値に達すると破裂板125が破断し、発生ガスがスペーサ126を介してフィルタカップ128内に収容された成型フィルタ127にて濾過され容器135内に流入する。
次に、容器135内に流入した発生ガスは、容器135の筒部136と筒部142との間に形成されたガス流路139から8つのガス流路149に分かれて流下し、8つのガス流路149の錘噴出口149aにそれぞれ配置した錘部130を容器135の外方に噴出する。
次に、錘部130の噴出に伴って拘束網収容蓋150が取り外されるとともに拘束網131が展開する。
ここで、図36に示すように、矩形状の拘束網131の四隅、各辺の中点にそれぞれ紐部材132を介して錘部130を拘束網131を用い、容器135の頂点を基点として容器135を8等分した地点に8箇所の錘噴出口149aを設け、容器135の頂点には、図24、図29、図34、図35に示すように、拘束網131の上辺の中点に位置する錘部130を錘噴出口149aに収容するための目印140bを設けている。
拘束網131が矩形状を為しているため、拘束網の131の対角線が、建物内の天井と壁、壁と床の隅に位置することで、拘束網131を矩形状に展開することが可能となり、拘束網131の展開が効率よく行える。
従って、本実施形態に係る携行型拘束網展開装置100を組み立てる際、拘束網131の上辺の中点に位置する錘部130を目印140bに従って錘噴出口149aに挿入し、残りの錘部130を順次錘噴出口149aに挿入するだけに上述の効果を奏することが可能となる。
また、錘噴出口149aが、容器135の頂点から容器135の縁部に沿ってマイナス22.5度またはプラス22.5度ずらした点を基点として容器135を8等分した地点に設けられた場合には、目印140bは、錘噴出口149aの変位に伴って移動され、マイナス22.5度ずらした点に設けられた場合には、拘束網131の上辺の左端部に位置する錘部130を挿入する目印とされ、プラス22.5度ずらした点に設けられた場合には、拘束網131の上辺の右端部に位置する錘部130を挿入する目印とされる。
この場合も、上記と同様の作用効果を奏することが可能となる。
なお、第二実施形態においても、第一実施形態の実験例で示す作用効果を得ることができた。
(第三実施形態)
図41は、本発明の第三実施形態に係る携行型拘束網展開装置300を示す。
本実施形態に係る携行型拘束網展開装置300は、第二実施形態に係る携行型拘束網展開装置100におけるガス発生器による錘部130の噴出をガスボンベによる錘部130の噴出に代えた点に特徴を有する。
従って、本実施形態に係る携行型拘束網展開器300Aは、第二実施形態における携行型拘束網展開器100Aからイニシエータ110、ホルダ120、イニシエータ保護カップ155を取り除いたもので、その他の構成は同じである。従って、下記の説明では、同一構成については同一の符号を付してその説明は省略する。本実施形態に係る携行型拘束網展開器300Aは、第二容器135Aの筒部136の端部の溝136aに、弾性パッキン301を装着している。弾性パッキン301は、溝136a内に挿入される環状の脚部302と、筒部136の端部を覆う環状のボス部303とで構成されている。
また、カップ300Cは、第二実施形態における携行型拘束網展開装置100に用いたカップ100Cと同一構成である。従って、下記の説明では、同一構成については同一の符号を付してその説明は省略する。
一方、操作部300Bは、操作部用筒体310と、取手部320と、操作部用筒体310および取手部320内に装着されるガスボンベ350と開閉弁360と弁開閉スイッチ363とで構成される。
操作部用筒体310は、第二容器135Aの筒部136を覆うことができる内径を有する円筒形状の第一筒部311と、この第一筒部311と一体的形成され、第一筒部311の内径より小径の第二筒部312とから成る。
第一筒部311は、筒部136を覆う側の端部に、周り止め用の箱形状の突起部313と、突起部313の先端部に連なる抜け止め用の環状の膨出部314とを有する。第一筒部311は、筒部136を覆う側の内部に、弾性パッキン301を押圧するブロック部316を装着する穴あきの仕切部315を設けている。第一筒部311は、弁開閉スイッチ363を取り付ける開口317を設けている。
第二筒部312は、取手部320側からねじ込まれるネジ322を螺着するネジ穴318を設けている。第二筒部312は、端部にボンベ取付部364を係止するために座319を設けている。
取手部320は、第二筒部312を覆うことができる内径を有するとともに第二筒部312のネジ穴318に対向する位置に穴321を設け、第二筒部312に装着したガスボンベ350を収容する底付きの筒体で構成されている。
開閉弁360は、第一筒部311の第二筒部312寄りに配され、前後にジョイントカプラを備えた配管361,362が左右に取り付けられ、上部に弁開閉スイッチ363が取り付けられている。配管361は、ブロック部316に連結されている。配管362は、第二筒部312内に装着したボンベ取付部364に連結されている。
ボンベ取付部364は、取付部本体365と取付部本体365に螺着される口金部370と開封針376とで構成されている。
取付部本体365は、配管362に備えたジョイントカプラ362aを螺着するネジ穴366と、口金部370を螺着するためにネジ部368を設けた凹部367とを有する。
口金部370は、取付部本体365のネジ部368と螺合するネジ部371と、ガスボンベ350の口金351を螺着するネジ穴372と、ガス逃げ孔373と、取付部本体365との当接部からのガス漏れを防止するためにOリング375を装着する凹溝374とを有する。
開封針376は、ガス流路を有する針377と、針377の一端に設けたフランジ部378と、針377の他端に配したドーナツ形状のパッキン379とで構成し、フランジ部378を取付部本体365のネジ穴366の開放端にフランジ部378を装着し、パッキン379をガスボンベ350の先端部に装着している。
弁開閉スイッチ363は、第二実施形態における起動押しボタンスイッチ201と同様に、誤ってスイッチを押して作動してしまわないように、ガードカバー205を設け、封印シール206を貼り付けている。
次に、斯くして構成された本実施形態に係る携行型拘束網展開装置300の作用を説明する。
ガスボンベ350をボンベ取付部364の口金370に捩じ込むとネジの作用により徐々に開封針376がガスボンベ350の封部に押し込まれる。
そのため、ネジが最後まで捩じ込まれると、開封針376がガスボンベ350の封部を貫通し開封する。
さらに、封部はドーナツ状のパッキン379に押し当てられるので密着しそこからはガスが漏れなくなる。
従って、ジョイントカプラー362aの流路でないところからはガスが漏れない状態となる。
以上により、弁開閉スイッチ363を押すことによって、ガスボンベ350のガスを携行型拘束網展開器300Aに供給することができる。
従って、弁開閉スイッチ363を押した移行の作動状態は、ガス発生装置からの生成ガスをガスボンベ350のガスに置き換えただけで、第二実施形態に係る携行型拘束網展開装置100と同様に拘束網131が展開される。
使用後、ガス圧が完全になくなっていれば問題は無いが、残留のガスがあった場合、不用意にガスボンベ350をはずしても、ネジの中央部にてガス逃を設けているため、ネジがまだ残っている段階でガスを逃がすので安全に取り外すことができる。
本質的には防犯のため、侵入者が犯罪行為を実行し逃亡を図った際、捕獲して逃亡を遅延させること、また、犯罪行為を未然に防止するため、その犯罪行為の遅延や行為を諦めさせることに使用できる。また暴漢の鎮圧のためにも使用ができる。また、護身具としても使用が可能である。
また、市街地へ誤って飛び出した動物などの捕獲を容易にするほか、畑や田んぼ、果樹園などを荒らす駆除動物の捕獲にも効果的に使用可能である。
本発明の第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置の外観図である。 図1の断面図である。 図1の組立構成図である。 携行型拘束網展開器の断面図である。 図4の容器の組立断面構成図である。 イニシエータの断面図である。 ガス発生部組立の外観図である。 図7の断面図である。 拘束網の外観図である。 錘部の組立構成図である。 錘カバーが発生ガスを受圧したときの錘カバーの変形を示す断面図である。 回路図である。 拘束網の収容方法1を示す図である。 拘束網の収容方法2を示す図である。 拘束網の収容方法3を示す図である。 実験例1の測定模式図である。 錘の噴出角度と錘の軌跡の関係を示すグラフである。 ガス流路内の圧力を示すグラフである。 錘の噴出角度が50度の場合の拘束網の展開(錘)軌跡である。 錘の噴出角度が75度の場合の拘束網の展開(錘)軌跡である。 錘の噴出角度が20度の場合の拘束網の展開(錘)軌跡である。 実験例5の測定模式図である。 拘束網の収容方法と90%展開に到達する時間および高さを示すグラフである。 本発明の第二実施形態に係る携行型拘束網展開装置を上面から見た外観図である。 本発明の第二実施形態に係る携行型拘束網展開装置を下面から見た外観図である。 図24の断面図である。 図24の組立構成図である。 図24の容器の組立断面構成図である。 図24の第一容器の側面から見た斜視図である。 イニシエータの断面図である。 ガス発生部組立の断面図である。 図24の容器の斜視図である。 図24の蓋の斜視図である。 図24の錘部の取付状態を示す斜視図である。 図24の錘部の取付状態を示す斜視図である。 拘束網の外観図である。 錘部の組立構成図である。 錘カバーが発生ガスを受圧したときの錘カバーの変形を示す断面図である。 図24の操作部の斜視図である。 図24の操作部とカップとの組み付けを示す斜視図である。 本発明の第三実施形態に係る携行型拘束網展開装置の断面図である。
符号の説明
1,100,300 携行型拘束網展開装置
1A,100A,300A 携行型拘束網展開器
1B,100B,300B 操作部
10,110 イニシエータ
11 発熱部
13 リード線
14 着火薬
15 ガス発生剤
20,120 ホルダ
25,125 破裂板
26,126 スペーサ
27,127 成型フィルタ
28,128 フィルタカップ
30,130 錘部
31,131 拘束網
32,132 紐部材
33,133 錘
34,134 錘カバー
35,135 容器
35A,135A 第一容器
36,40 筒部
35B,135B 第二容器
37,42,137,144 傾斜面
38,43、139,145 流路
39 ネジ穴
41 切り込み部
44 ネジ貫通穴
45,147 蓋取付部
46 凹部
46a,147a 突起
47,149 ガス流路
47b,149a 錘噴出口
48,150 拘束網収容蓋
49,151 舌部
50 筒体
52 安全スライドスイッチ
53,201 起動押しボタンスイッチ
54 押しボタンスイッチ
55,202 インジケータ
56,204 電池
57 蓋
58 抵抗体
60、160,230 ネジ
100C,300C カップ
140b 目印
350 ガスボンベ

Claims (16)

  1. 拘束網と、
    前記拘束網の周縁上に所定間隔をもって配設された複数個の錘と、
    前記錘を所定角度をもって噴出する複数の噴出口を形成するとともに前記錘を収容する錘収容部と、前記拘束網を収容する拘束網収容部と、燃焼性物質の燃焼によってガス圧を発生する火工式点火器を有し、前記錘収容部に収容された前記錘を前記火工式点火器のガス圧力で噴出する噴出手段と、前記錘を収容した前記錘収容部と前記拘束網を収容した前記拘束網収容部とを覆い、前記錘および前記拘束網の噴出時に分離される蓋とを有する容器と
    を備え
    前記容器は、前記拘束網収容部側から前記噴出口に亘って複数の凹部を設けるとともに前記拘束網収容部側に複数の蓋係止部を設け、
    前記蓋は、前記拘束網収容部を覆う覆い部と、前記複数の凹部に装着されるとともに前記蓋係止部に係止される穴を有する複数の舌部とを設けている
    ことを特徴とする携行型拘束網展開器。
  2. 請求項1記載の携行型拘束網展開器において、
    前記各凹部は、前記蓋の各舌部を両側から係止する一対の係止片を前記噴出口の近傍に対向して設けている
    ことを特徴とする携行型拘束網展開器。
  3. 請求項1又は請求項2記載の携行型拘束網展開器において、
    前記蓋係止部は、前記拘束網と前記錘とを連絡する紐部材を係止する凹部を設けている
    ことを特徴とする携行型拘束網展開器。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の携行型拘束網展開器において、
    前記噴出口は、前記容器の横軸線上を0度(水平)としたとき、前記錘の噴出される角度を20度から75度の範囲に設定される
    ことを特徴とする携行型拘束網展開器。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の携行型拘束網展開器において、
    前記拘束網の目幅が略方形10cm角〜13cm角である
    ことを特徴とする携行型拘束網展開器。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の携行型拘束網展開器において、
    前記錘が略コップ状のゴム材カバーで覆われている
    ことを特徴とする携行型拘束網展開器。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか1項記載の携行型拘束網展開器において、
    前記燃焼性物質は、非火薬系組成物である
    ことを特徴とする携行型拘束網展開器。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の携行型拘束網展開器において、
    前記拘束網は、矩形状を為し、
    前記錘は、前記拘束網の四隅、各辺の中点にそれぞれ紐部材を介して連結され、
    前記噴出口は、前記容器の頂点を基点として該容器を8等分した地点に設けられ、
    前記容器の頂点には、前記拘束網の上辺の中点に位置する前記錘を前記噴出口に収容するための目印が設けられている
    ことを特徴とする携行型拘束網展開器。
  9. 請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の携行型拘束網展開器において、
    前記拘束網は、矩形状を為し、
    前記錘は、前記拘束網の四隅、各辺の中点にそれぞれ紐部材を介して連結され、
    前記噴出口は、前記容器の頂点から該容器の縁部に沿ってマイナス22.5度またはプラス22.5度ずらした点を基点として該容器を8等分した地点に設けられ、
    前記容器のマイナス22.5度ずらした点またはプラス22.5度ずらした点には、マイナス22.5度ずらした点に対応して前記拘束網の上辺の左端部に位置する前記錘を前記噴出口に収容するための目印が設けられ、プラス22.5度ずらした点に対応して前記拘束網の上辺の右端部に位置する前記錘を前記噴出口に収容するための目印が設けられている
    ことを特徴とする携行型拘束網展開器。
  10. 請求項1乃至請求項9の何れか1項記載の携行型拘束網展開器と、
    噴出のための制御回路と、起動用電源と、起動スイッチとを有し、前記容器に連結される操作部と
    を備えたことを特徴とする携行型拘束網展開装置。
  11. 請求項10記載の携行型拘束網展開装置において、
    前記操作部は、前記容器に着脱自在に連結されている
    ことを特徴とする携行型拘束網展開装置。
  12. 請求項10又は請求項11記載の携行型拘束網展開装置において、
    前記操作部は、半円筒形状の2つの部材を接合して成る円筒形状を為し、前記噴出のための制御回路と、前記起動用電源と、前記起動スイッチとを装着している
    ことを特徴とする携行型拘束網展開装置。
  13. 請求項10乃至請求項12の何れか1項記載の携行型拘束網展開装置において、
    前記操作部は、カップを介して前記容器に連結されている
    ことを特徴とする携行型拘束網展開装置。
  14. 請求項13記載の携行型拘束網展開装置において、
    前記操作部は、一端に位置決め用の突起を有し、
    前記カップは、前記操作部を挿通する穴と、前記穴の周囲に設けた前記位置決め用の突起を係止する凹部と、前記携行型拘束網展開器にネジ止めするためのネジ挿通穴とを有する
    ことを特徴とする携行型拘束網展開装置。
  15. 拘束網と、
    前記拘束網の周縁上に所定間隔をもって配設された複数個の錘と、
    前記錘をガス圧により所定角度をもって噴出する複数の噴出口を形成するとともに前記錘を収容する錘収容部と、前記拘束網を収容する拘束網収容部と、前記錘を収容した前記錘収容部と前記拘束網を収容した前記拘束網収容部とを覆い、前記錘および前記拘束網の噴出時に分離される蓋とを有する容器と
    を備え、
    前記容器は、前記拘束網収容部側から前記噴出口に亘って複数の凹部を設けるとともに前記拘束網収容部側に複数の蓋係止部を設け、
    前記蓋は、前記拘束網収容部を覆う覆い部と、前記複数の凹部に装着されるとともに前記蓋係止部に係止される穴を有する複数の舌部とを設けている
    ことを特徴とする携行型拘束網展開器。
  16. 請求項15記載の携行型拘束網展開器と、
    起動スイッチと前記噴出口に接続されるガス通路とを有し、前記容器に着脱自在に取り付けられる操作部と、
    前記操作部を挿通するとともに係止する穴を有し、前記携行型拘束網展開器に前記操作部とともに固定されるカップと、
    前記操作部内に収容され、前記起動スイッチを介して前記ガス通路に連絡し、前記起動スイッチにより流路を開放して前記ガス通路を介して前記複数の噴出口からガスを噴出するガスボンベと
    を備えたことを特徴とする携行型拘束網展開装置。
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