JP4823638B2 - 携行型拘束網展開装置 - Google Patents

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Description

本発明は、拘束網をガス圧力で瞬時に展開させて、例えば人為的に他人に危害を及ぼそうとしている犯罪嫌疑者の犯罪行為を未然に防止するため、あるいは逃亡時の逃亡時間を遅らせ、犯罪嫌疑者を拘束・捕獲するための携行型拘束網展開装置に係り、拘束網をガス圧力で噴出する拘束網噴出部を現場で交換可能とするカートリッジ化した携行型拘束網展開装置に関する。
従来、銃弾的に発射される拘束網システムとして、銃弾による網の展開システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、銃の衝撃力によって弾丸カートリッジについた雷管がたたかれ、放出弾薬および遅延ヒューズが点火され、放出弾薬の爆発によって、錘と拘束網がハウジングから放出され、約20〜30ms後に遅延ヒューズが広げ用弾薬を点火する。これにより、短い延長ライン付錘が広げられ、次に長い延長ライン付錘が拘束網の前方へと加速され、網が完全に展開することができる。弾丸カートリッジを交換すれば繰り返し使用できる。
また、警棒と携行型拘束網展開装置が組み合わさった装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2では、高圧ガスボンベを装置内に有し、起動スイッチを押すことにより、高圧ガスボンベの封板にピンを刺し、高圧ガスを一気に放出し、このガス圧で網と錘の両方を押し出し、網を展開させることができる。高圧ガスボンベと網噴出部を交換すれば繰り返し使用できる。
特表2000−513089号公報 米国特許第5326101号明細書
しかし、特許文献1による携行型拘束網展開装置では、火薬類を用いており、法規上取扱の制約を受けるほか、弾丸を射撃する行為から銃刀法の適用を受けるため、到底一般向けではなく、ごく限られた人にしか使用できない。
また、特許文献2による携行型拘束網展開装置では、警棒形状であるため、一般向けではない。しかも、駆動源として高圧ガスボンベを用いているため、交換の際には、高圧ガスボンベと網噴出部とをそれぞれ交換しなければならない。
しかも、従来の携行型拘束網展開装置では、拘束網を展開すると、カートリッジを交換しないかぎり、再度使用することができなかった。そのため、展開した拘束網が犯罪嫌疑者を拘束・捕獲できなかった場合には、別の携行型拘束網展開装置を用いるかその他の手立てを講じる必要があった。
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、一般の人でも簡単かつ確実、安全に使用できるとともに網噴出部を一般の人でも簡単かつ確実、安全に交換でき、かつ連続して拘束網を展開することが可能な携行型拘束網展開装置を提供することにある。
本発明に係る携行型拘束網展開装置は、拘束網をガス圧力で噴出する複数の拘束網噴出部と、複数の拘束網噴出部を起動する操作部と、複数の拘束網噴出部と操作部とを着脱自在に連結するアダプターとを備えている。
本発明の一つの態様として、拘束網噴出部は、拘束網と、拘束網の周縁上に所定間隔をもって配設される複数個の錘と、錘を所定角度をもって噴出する複数の噴出口を形成するとともに錘を収容する錘収容部と、拘束網を収容する拘束網収容部と、燃焼性物質の燃焼によってガス圧を発生させる火工式点火器を有し、錘と拘束網とを火工式点火器のガス圧力で噴出する噴出手段とを備えている。
ここで、操作部は、火工式点火器の制御回路と起動電源と起動スイッチとを有する。アダプターは、拘束網噴出部と操作部とを接合する連結部と、火工式点火器に火工式点火器の制御回路、起動電源および起動スイッチを連絡する接続部とを有する。
また、本発明の別の態様として、アダプターは、操作部と一体に形成されている。
また、本発明のまた別の態様として、拘束網噴出部は、外側部に突起部を有する接合部を備え、操作部は、外側部に抜け止め用の突起部と回り止め用の突起部を有する接合部を備え、アダプターは、拘束網噴出部の接合部の突起部を軸長方向に導く溝部と、溝部と直交して設けられ、拘束網噴出部の接合部の突起部を前記軸長方向と直交する方向に導く横溝部と、横溝部と直交して前記溝部の入口方向に設けられ、拘束網噴出部の接合部の突起部を軸長方向に導く係止溝部とを有する穴部から成る第一連結部と、第一連結部側に配される仕切部材と、仕切部材を拘束網噴出部方向へ押圧する弾性部材とを有する穴部から成る接続部と、操作部の接合部を挿入するとともに抜け止め用の突起部と回り止め用の突起部とをそれぞれ係合する凹部を有する穴部から成る第二連結部とを備えている。そして、第一連結部において、溝部内に挿入された突起部を横溝部を介して係止溝部に導き、接続部において、第一連結部内に挿入された突起部を係止溝部内に押圧し、第二連結部において、挿入された操作部の抜け止め用の突起部と回り止め用の突起部とを凹部に係止することができる。
ここで、拘束網噴出部は、外側部に突起部を有するとともに端部に火工式点火器の導線に連なるピンを有する接合部を備え、アダプターは、仕切部材にピンに接触する接点部を設けるとともに、火工式点火器の制御回路、起動電源および起動スイッチと連絡する導線を接点部に取り付けている。また、拘束網噴出部は、外側部に突起部を有する接合部と、接合部の端部から導出する火工式点火器の導線とを備え、アダプターは、仕切部材に導線を挿通する穴を設けている。
(1)本発明は、操作部とアダプターを介して複数の拘束網噴出部が接続され、交換が容易にできる。従って、複数の拘束網噴出部を連続して使用でき、しかも使用した後、新しい拘束網噴出部を取り付けることにより、直ぐに待機状態とすることができ、迅速に防犯体制を整えることが可能である。
(2)本発明は、アダプターによって操作部とコネクタが電気的に接続されるので、複数個の拘束網噴出部を設置することが可能となる。
(3)本発明は、拘束網噴出部の錘と拘束網を噴出する際のエネルギーを、燃焼性物組成物、例えば非火薬組成物を有する火工式点火器から得るため、高圧ガス保安法、火薬類取締法などの法規上の規制を受けず、拘束網噴出部の取り付け、交換を行うことが可能となる。
以下、本発明に係る携行型拘束網展開装置を図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
図1〜図36は、本発明の第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を示す。
本実施形態に係る携行型拘束網展開装置1は、人体を拘束する拘束網31、錘33およびイニシエータ10を収容するとともに拘束網31と錘33とを噴出させる3つの拘束網噴出部1Aと、3つの拘束網噴出部1Aを起動させるための回路基板79を収容し、かつ携行型拘束網展開装置1の握り部を形成する操作部1Bと、3つの拘束網噴出部1Aと操作部1Bとを着脱自在に連結するアダプター1Cとで構成されている。
拘束網噴出部1Aは、図6〜図13に示すように、拘束網31の周囲に紐部材32により取り付けられた錘33と錘カバー34とで構成された錘部30を、ガス圧で噴出させるための火工式ガス発生器から成るイニシエータ10と、このイニシエータ10の外周に設けたネジ部18にネジ部22を螺合により固定するためのホルダ20と、イニシエータ10からの燃焼生成ガスを一時保持する破裂板25と、この破裂板25を固定および所定面積で破断させるためのスペーサ26と、イニシエータ10からの燃焼生成ガスを冷却濾過する成型フィルタ27と、この成型フィルタ27を収容してホルダ20の一側に設けたネジ部21にネジ部29を介して螺合するフィルタカップ28と、イニシエータ10から生成されるガスによる圧力で噴出される錘部30と、この錘部30を収容するとともに拘束網31を収容する容器35と、拘束網31を収容した容器35の蓋となる拘束網収容蓋50とで構成されている。
イニシエータ10は、図7に示すように、ヘッダ12に固定された発熱部11と、発熱部11に連通するとともに外部からの電気信号を接続する導線13と、発熱部11に当接する着火薬14と、管体16に充填されて着火部金具17に組み付けられるガス発生剤15とで構成される。導線13には、図8に示すように、端部に接続用のコネクタ13aが取り付けられる。
着火薬14は、ボロン、チタン、鉄粉、珪素、銅、ニッケルまたはマンガンから成る少なくとも1種類の剤と、酸化ビスマス、二酸化鉛、酸化チタン、五酸化バナジウム、酸化クロム、二酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛または酸化モリブデンから成る少なくとも1種類の剤との混合物を有する非火薬組成物が使用される。
また、ガス発生剤15は、アジ化ナトリウム、明礬または5アミノテトラゾールから成る少なくとも1種類の剤と、酸化鉄、酸化チタン、五酸化バナジウム、酸化クロム、二酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛または酸化モリブデンから成る少なくとも1種類の剤との混合物を有する非火薬組成物が使用される。
本実施形態では、着火薬14として、ボロン、酸化ビスマスおよび二酸化鉛の組成物を用いた。また、ガス発生剤15として、アジ化ナトリウムと酸化鉄の組成物を用いた。
着火薬14ならびにガス発生剤15は、火薬類取締法の適用を受ける火薬類でも良いが、好適には法律の適用を受けない非火薬組成物が好ましい。また、着火薬14はガス発生剤15に確実に着火させることができるエネルギーを有し、ガス発生剤15は窒素ガスなどの比較的無害なガスを発生させる組成物であり、ガス発生剤15のグラム当たりのガス発生量は200ml以上、好ましくは300ml以上である物が使用される。
ホルダ20は、図3、図5、図6に示すように、ステンレス製で中空の円筒体から成り、一側の内側と他側の内側にネジ部21,22が設けられており、さらに、一側は第一容器35Aの筒部36内に貫入され、第二容器35Bの筒部40にて固定されるように、他側より外径を広径に形成される段部23を有する。また、中空の内径部には破裂板25を支える内側段部24が設けられている。
ホルダ20の内側段部24に支えられた破裂板25は、図3、図5、図6に示すように、スペーサ26によって固定され、さらにフィルタカップ28の外周に設けたネジ部29とホルダ20の一側に設けたネジ部21との螺合によって固定される。破裂板25は、イニシエータ10からのガスを一時保持し、ガス発生剤15の燃焼を完結させ、所望の発生ガス量を得るために用いられる。破裂板25は、厚さ0.4mmのアルミニウムが用いられ、保持されたガス圧力によりスペーサ26の貫通孔26aから破断する。
スペーサ26は、図3、図5、図6に示すように、破裂板25側が直径8mm、フィルタカップ28側が直径13mmの漏斗状の貫通孔26aを設けている。スペーサ26は、ステンレスが用いられるが、ガス圧力に耐えられる強度を有していれば鉄を始めとする金属や合成樹脂などを用いることも可能である。
フィルタカップ28は、図3、図5、図6に示すように、スペーサ26側が直径13mm、他側が直径10mmの貫通孔28aを設け、直径13mmの成型フィルタ27が脱落せず保持できるように段部28bを、また、外側にホルダ20と螺合するためのネジ部29を有する。スペーサ26を通過した発生ガスは、ガス発生剤15の燃焼残渣を含み、フィルタカップ28に収容された成型フィルタ27を通過する際に冷却、濾過され、容器35内へ流入する。フィルタカップ28は、ステンレスが用いられるが、ガス圧力に耐えられる強度を有していれば鉄を始めとする金属を用いることも可能である。
成型フィルタ27は、金網を圧縮成型した成型体が使用され、フィルタカップ28に圧入、収容される。成型フィルタ27は、ガス発生剤15の燃焼残渣を濾過し、携行型拘束網展開装置1から火炎が噴出しないように最適な成型密度を有する必要があり、3.4〜3.5g/cm3に設定される。また、効率良く燃焼残渣を濾過するため、金網は線径が細い物が適しており、直径0.2mmを使用する。
錘部30は、図14〜図16に示すように、拘束網31の周囲に取り付けられた紐部材32と、この紐部材32により取り付けられた錘33と、錘カバー34とで構成されている。
紐部材32は、ポリエステル製で直径0.7mmの紐を用いており、一側が錘33と連結するとともに他側が拘束網31と連結している。連結された錘33と拘束網31との間の紐部材32の長さは80mmである。そして、この紐部材32は、容器35から錘33が飛び出すとともに容器35から拘束網31を展開するときの力にも耐える材質としている。
錘33は、ステンレス製で、全長23mm、外径11mmの円柱である。錘33は、そのおよそ中央部に錘カバー34を被せた後に錘33が抜け出さないようにするために、幅2mm、深さ0.5mmの溝33aと、一側先端には紐部材32を通すための穴33bを設けている。ここでは、材質はステンレスとしているが、耐腐食性の優れた材質であれば使用することが可能である。
錘カバー34は、ゴム材を使用し、イニシエータ10から発生するガスによる圧力をロスなく受け止め、かつ錘33が人体や器物へ衝突した際の安全性を確保するために錘33に被せられる。全長27mm、外径14mm、内径11mmの略コップ状を為しており、一側は紐部材32を通すための直径2mmの貫通孔34aを有しており、他側は前述の通り、イニシエータ10から発生するガスを受けた時に開口面端部が容器の内面に向かって広がり、密着するように内外縁に半径1mmの環状体34bを設けている。この形状により、図16(b)に示すように、ガスを逃さず受け止め、確実に錘33を噴出させることが可能である。また、貫通孔34a側端面から8mmの位置の外面に、容器35外からの異物の入り込みを防止する目的で、断面が高さ0.3mm、底辺0.5mmの三角形の突起34cを、同端面から17mmの位置の内面に錘33の抜け出し防止用の、断面が高さ0.3mm、半径1.5mmの扇状の凸部34dを有している。
錘33と錘カバー34との組立は、図15に示すように、紐部材32の一端を錘33の先端側の穴33bに通し、紐部材32が穴33bで折り返すようにした後、紐部材32を錘カバー34の貫通孔34aを通し、錘カバー34内面の凸部34dと錘33の溝33aが嵌合するまで挿入することによって行われる。そして、紐部材32は、拘束網31に結びつけられる。
拘束網31は、図14に示すように、ポリエステル製またはケブラー製で、4m×4mの正方形、または4m×3mの長方形、または3m×3mおよび4m×4mの八角形などで構成されている。また、目幅は全展開面積の約半分を中心部付近から20cm角で形成し、残り半分を10cm角で形成してもよい。また、目幅については全展開面積で中心部から、内側網目と外側網目とを均等に形成することでも良い。
本実施形態では、図14に示すように、8個の錘部30を、拘束網31の角部と各辺の中点とに紐部材32を介して連結する。錘部30は、容器35内にコンパクトに収容された拘束網31を完全に展張させる目的と、捕捉対象者に拘束網31を被せた後に錘部30が拘束網31の網目に入り込み、拘束網31を絡ませ拘束効果を高める二つの目的がある。そのため、錘部30の個数は、第一の目的を達成するために、拘束網31を2軸方向(縦・横)へ展開させる必要があり、拘束網31の外周の対称点に等間隔に少なくとも4個は必要となり、また、第二の目的のためには、錘部30同士が干渉せずに網目に入り込む範囲で、4個以上が必要となる。
容器35は、図3、図5、図6に示すように、第一容器35Aと、第一容器35Aの内側に重ね合わされる第二容器35Bとで構成されている。
第一容器35Aは、POM樹脂材(ジュラコン)から成る略漏斗形状を為す容器で、中央部から突出する筒部36と、この筒部36の付け根から円形に拡張して形成された半円状の傾斜面37と、筒部36と連なるリング部38と、傾斜面37に沿って八方向に分岐するとともにリング部38の外側に開口する半円状の8つの流路39と、半円状の8つの流路39の端部の周囲を囲むようにリング部38に形成されるとともにリング部38の外周に沿って対向する壁面に形成した拘束網収容蓋50の舌部51の先端部を係止するための一対の係止溝40aを形成した凹部40と、傾斜面37と対向する裏面側に設けたカップ1Cから挿入される4つのネジ66を等間隔でそれぞれ螺着する長ネジ孔41aと第二容器35Bに4つの短ネジ59を等間隔でそれぞれ螺着する短ネジ孔41bとを有する。長ネジ孔41aと短ネジ孔41bとは、第一容器35Aを貫通している。また、凹部40は、リング部38の頂部を基点としてリング部38を8等分した地点にリング部38の頂点を基点として設けられ、頂点に位置する凹部40には、拘束網31の上辺の中点に位置する錘部30を噴出口に収容するための目印40bが設けられている。なお、凹部40を、リング部38の頂部からリング部38の縁部に沿ってマイナス22.5度またはプラス22.5度ずらした点を基点としてリング部38を8等分した地点に設け、マイナス22.5度ずらした点に対応して拘束網31の上辺の左端部に位置する錘部30を錘噴出口49aに収容するための目印40bを設け、プラス22.5度ずらした点に対応して拘束網31の上辺の右端部に位置する錘部30を錘噴出口49aに収容するための目印40bを設けることもできる。
筒部36には、ホルダ20を介してイニシエータ10が取り付けられ、イニシエータ10の取り出しを防止するためのプラグ52を筒部36の端部に形成された環状溝36a内に端部を挿入してカップ60によって固定されている。プラグ52は、底付きのカップで構成され、開口端に形成された外方に張り出すフランジ53と、開口端の外周に形成された外方に膨出する回り止め用の突起部54と、胴部の外周に胴部の軸線に対して直交する位置と両者の中間位置に形成された外方に膨出する3つのガイド用の突起部55a,55b,55cと、底部に設けた導通用の2つのピン56と、各ピン56に接続する導線57と、導線57の先端に取り付けたコネクタ58とを有する。コネクタ58は、イニシエータ10に連絡するコネクタ13aと接続される。
筒部36と8つの流路39との接合部は、筒部36と8つの流路39とがそれぞれ連通するように、筒部36の付け根と8つの傾斜面37との接合部よりも筒部36の開口端側に位置する隙間39aを形成するように筒部36から略直角に突出する張り出し部39bを有する。8つの流路39は、張り出し部39bの先端から傾斜面37と平行する半円形状の壁面39cを有する。張り出し部39bと壁面39cとの境目に錘部30を当接する段部39dを形成している。
第二容器35Bは、筒部42が底付きでありかつ8つの切り込み部43を有する点と、傾斜面44の先端に円筒形状の蓋取付部47を設けた点で、第一容器35Aと異なっている。
第二容器35Bは、中央部から突出するとともに8つの切り込み部43を長手方向に設けた底40cを有する筒部42と、この筒部42の付け根から円形に拡張して形成された半円状の傾斜面44と、筒部42の8つの切り込み部43とそれぞれ連なり、傾斜面44に沿って八方向に分岐するとともに傾斜面44の内側に突出する半円状の8つの流路45と、傾斜面44と対向する裏面側に設けたカップ60からの長ネジ螺係部46aと、第一容器35Aと第二容器35Bとを取り付ける短ネジ螺係部46bと、傾斜面44の縁部から突出する円筒形状の蓋取付部47とを有する。
蓋取付部47には、外周壁の外周に等間隔で8つの凹部47aが形成され、各凹部47aには等間隔で拘束網収容蓋50の舌部51を固定するための8個の直径5mmのスリット入り突起部47bを有する。
第一容器35Aと第二容器35Bとは、両者に形成した半円状の8つの流路39と半円状の8つの流路45とが対向するように重ねられた後、第一容器35A側から短ネジ59を4箇所の短ネジ孔41bから挿入し、第二容器35Bの短ネジ螺係部46bと螺合することによって一体化される。容器35を構成する第一容器35Aと第二容器35Bとの組合せ時に、両者に形成した半円状の8つの流路39と半円状の8つの流路45とによって、8つのガス流路49が形成されるとともに、筒部36の端部36c側と筒部42の底40cとの間に8つのガス流路49に連なる錘噴出口49aが形成される。8つのガス流路49の端部に形成される錘噴出口49aには、容器35の周縁部側に錘カバー34を被せるとともに紐部材32を取り付けた錘33が段部39dに当接するまで挿入されて装着される。ここで、半円状の傾斜面37,44によって錘部30の噴出角度が決められる。噴出角度は、容器35の横軸線上を0度(水平)としたとき、操作部1Bを地面と水平にして拘束網31を展開させた場合、噴出角度が0度に近いほど、拘束網31は手前で展開し、90度に近いほど距離を隔てて展開する。例えば、暴漢などの捕捉対象者に対し本装置を使用することになるが、あまりにも近距離になるまで展開させないと、起動者自身が危険にさらされることになり、また、恐怖感からあまりにも長距離で起動しても、拘束できる可能性が低くなる。このため、本実施形態では、水平状態からの噴射角度による飛距離と錘の軌跡を測定・分析した。この結果から、起動者自身が恐怖にさらされず、かつ拘束対象者へ高い確率で網による拘束が可能な距離を割り出し噴射角度の設定を行い、噴射角度は30度から75度が好適で、好ましくは35度から65度であることを見出した。さらに80度では拘束網31が展開せず、地上に落下してしまうことも確認した。
拘束網収容蓋50は、拘束網31を容器35Bの錘噴出口49aに収容後、拘束網31が脱落せず、かつ拘束網31を展開させる時に容易に容器35から脱落する構造とする。拘束網収容蓋50は、弾性のあるゴム材からなり、外形は略円盤状であり、蓋側面に8つの舌部51を有する。この舌部51には、第二容器35Bの外周壁に突出した8本の突起47bに嵌め込むための直径が8.5mmの小穴51aが各舌部51に設けてあり、これにより、拘束網収容蓋50および拘束網31が脱落しないようにしている。また、舌部51は拘束網31の紐部材32を隠し、8つのガス流路49の錘噴出口49aを閉塞し、錘部30、紐部材32および拘束網31が露出しないための役割も担う。
なお、拘束網31の第二容器35Bへの収容方法としては、図26に示すように、第二容器35Bに手により錘部30を上方へ纏め、拘束網31を螺旋状に拘束網31の中央部から順に収容する方法(収容方法1)と、図27に示すように、展開させた拘束網31の中央部から外側に向かい順に第二容器35Bに手により詰めるように収容する方法(収容方法2)と、図28に示すように、手により錘部30を上方へ纏め、拘束網31を取り外しが可能なカップ68へ拘束網31の中央部から順に収容し、カップ68からカップ69を取り外し、第二容器35Bへ乗せ、カップ底部の金網70をスライドさせ、カップ69内の拘束網31を第二容器35Bへ移し収容する方法(収容方法3)とがある。
次に、収容方法3について詳述する。まず、拘束網31を平面上に展開させ、拘束網31の外周に取り付けられている8個の錘部30を配置順の通り纏め、錘部30を上にして錘部30と拘束網31が絡まないように拘束網31の中央部を垂らす。続いて、拘束網31をコンパクトに纏めるために所定のカップ68に、拘束網31の中央部を垂らし、中央部から順に紐部材32の取り付け部まで錘部30を除いた全ての拘束網31を収容する。カップ68から拘束網31が収容されている部分を取り外し、そのまま第二容器35Bへ取り付け、拘束網31を第二容器35Bへスライドさせ移す。次に、8個の錘部30を容器35の8つのガス流路49の錘噴出口49aへそれぞれ挿入する。その後、拘束網収容蓋50を容器35へ被せ、容器35の開口部端面を塞ぐ。最後に、紐部材32を蓋取付部47の外周にある8個のスリット入り突起部47bのスリットに設置し、スリット入り突起部47bに舌部51の小穴51aを嵌め込み、容器35に拘束網収容蓋48を固定する。
円錐形状のカップ60は、図1〜図6、図9、図11、図12、図18に示すように、容器35の第一容器35Aの傾斜面37とリング部38との間に挿入されるリング部61と、リング部61から縮径するテーパ形状を為し外部から内部に向かって貫通する4つのボス形状の長ネジ貫通穴63を等間隔で設けた胴部62と、胴部62の中心部を貫通しプラグ52の回り止め用の突起部54を装着する受け部65を設けた筒形状の貫通穴64とを有する。
カップ60は、容器35の錘噴出口49aの回転位置を限定し固定する機能がある。例えば、拘束網31の形状が矩形状のものを使用する場合、建物内で拘束網31を効率よく噴出・展開するための重要な要件となる。拘束網31が矩形状を為しているため、拘束網の31の対角線が、建物内の天井と壁、壁と床の隅に位置することで、拘束網31を矩形状に展開することが可能となり、拘束網31の展開が効率よく行える。また、使用者が、操作上、一般的には一番自然に操作できる回転方向位置は、起動押しボタン72の位置が上部に来ている時である。そのため、使用する回転方向は必然的に一定になる。さらに、容器35の第一容器35Aのリング部38の一箇所に目印40bを設けているので、拘束網31の対角線がどのような位置で収納されているかを確認することができるようになっている。
カップ60は、少ないネジ66で螺合しても充分にプラグ52の組立後の強度が保たれるように要件を備えている。すなわち、操作部1Bの箱形状の突起54とカップ60の貫通孔64に設けた凹部65によって回転方向が規制されて固定されていることで、捩れに対する強度が保たれ、プラグ52をカップ60に螺合する必要がないように構成されている。
カップ60は、容器35の第一容器35Aの凹凸を覆い隠すことで、拘束網31の不測の絡まりを防止することができる。
一方、図1〜図5、図19に示すように、半割状の第一取手部71aと第二取手部71bとネジ78によって結合して成る円筒状を為し、拘束網噴出部1Aを手で握るための取手手段と拘束網噴出部1Aを作動させるための回路基板79を収容する収容手段とを構成する樹脂材から成る外径40mm×長さ310mmの取手部71と、拘束網噴出部1Aを作動させるための作動用の起動押しボタン72と、拘束網噴出部1Aを電気的に作動させられるか否かを判断するためのチェックボタン73およびその可否を表示するLEDランプから成るインジケータ74と、作動用の電源としての電池75と、電池75を出し入れするために第二取手部71bと嵌合する電池カバー77と、回路基板79に接続され、第二取手部71bに移動自在に取り付けられた切換スイッチ142とで構成されている。これにより、電池75、イニシエータ10、起動押しボタン72、インジケータ74、チェックボタン73および切換スイッチ142が接続される。なお、回路基板79は、ネジ79aによって第一取手部71aに固定されている。また、起動押しボタン72と、チェックボタン73と、インジケータ74と、切換スイッチ142は抵抗などとともに回路基板79に半田付けされている。回路基板79には、コネクタ82D,82E,82Fを有する導線82A,82B,82Cが接続されている。回路基板79は、図20に示すように、起動押しボタン72をONすると、拘束網噴出部1Aを起動させるためのイニシエータ10を発火させる発火回路79bと、チェックボタン73をONすると、拘束網噴出部1Aを起動させるだけの電源が確保されているか否かを確認するための電源確認回路79cとを備えている。そして、発火回路79bには、切換スイッチ142によって選択されたイニシエータ10を発火させる切換回路141が組み込まれている。
操作部1Bは、図3〜図5、図19に示すように、アダプター1Cを取り付ける側の端部に、回り止め用の箱形状の突起部80と、突起部80の先端部に連なる抜け止め用の環状の膨出部81とを有する。
また、起動押しボタン72は、誤って押されないように、ガードカバー76で被い、さらにガードカバー76の上に封印シールを貼り付けて、使用時以外は押せない構造としている。また、起動押しボタン72は1.5mの高さ、あらゆる方向から落下させても耐え得る構造のロッカスイッチを使用している。
拘束網31を噴出させるための電池75は、イニシエータ10を起動させるための電流を得られれば良く、携帯性の面から乾電池が選定され、単数または複数個の指定はなく、また、直列、並列、直並列のいずれの接続でも良い。ここでは、回路抵抗を加味し余裕のある出力を得るために006P角型アルカリ電池を採用している。なお、電池は充電式としても良い。
インジケータ74は、イニシエータ10を起動するために必要な電流が得られなくなった場合に、チェックボタン73を押しても点灯しないようになっている。従って、本実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を使用する場面に遭遇した際、例えば電池75の消耗により拘束網31を展開できないということが起きないように、予め電池75の消耗状態をモニタできる。定期的にモニタを実施しておけば、不測の事態を避けることができ、モニタによりインジケータ74が点灯しない場合には、簡単な電池交換でスタンバイ状態に復帰が可能である。
封印シール、ガードカバー76は安全機構である。封印シールはガードカバー76をある程度の力で開けないと破れない強度があり、意図しない拘束網31の噴出を避けるために設けられている。故意に封印シールを破り、ガードカバー76を開けなければ、起動押しボタン72を押すことはできない。
一方、アダプター1Cは、図4、図5、図21〜図23に示すように、3つの拘束網噴出部1Aを取り付けるために3つのポート144を備えたほぼ三角形状を為す拘束網噴出部取付部材143と、操作部1Bを取り付けるためのポート152を備えたほぼ三角形状を為す操作部取付部材151とをネジ158によって結合してなるほぼ三角柱を為す容器で構成されている。
拘束網噴出部取付部材143は、3つのポート144を各隅部に備えたほぼ三角形状を為す板部材145と、板部材145の各隅部の裏面側に設けたポート144より大径の筒部146と、各筒部146の底面に設けた回り止め用の突起部147と、各筒部146の近傍に設けた3つのネジ穴148と、操作部1Bの先端部を当接する筒形状の受け部149と、板部材145の周囲に立設した壁部材150とで構成されている。
3つのポート144には、拘束網噴出部1Aとの第一連結部85が形成されている。
第一連結部85は、拘束網噴出部1Aのプラグ52の外周に対向して設けた3つの突起部55a,55b,55cをそれぞれ軸長方向に導く3つの溝部88と、溝部88と直交して設けられ、拘束網噴出部1Aのプラグ52の3つの突起部55a,55b,55cをプラグ52の軸長方向と直交する方向にそれぞれ導く3つの横溝部89と、横溝部89と直交して溝部88の入口方向に設けられ、拘束網噴出部1Aのプラグ52の3つの突起部55a,55b,55cをプラグ52の軸長方向に導く3つの係止溝部90とを内壁面に有する。第一連結部85は、溝部88内に挿入された突起部55を横溝部89を介して係止溝部90に導く役割を担う。
操作部取付部材151は、拘束網噴出部取付部材143の壁部材150上に重ね合わせられる覆い形状の蓋部材152と、拘束網噴出部取付部材143の各筒部146と対向する位置に設けた同形状の筒部153と、各筒部153に設けた2つのバネ押さえ154と、拘束網噴出部取付部材143の各ネジ穴148と対向する位置に設けたネジ穴155と、操作部1Bの先端部に設けた回り止め用の箱形状の突起部80を嵌合する凹部157と操作部1Bの先端部に設けた回り止め用の箱形状の突起部80の先端部に連なる抜け止め用の環状の膨出部81を係止する縁部158とを備えた筒状穴部156とで構成されている。
接続部87は、第一連結部85側に配される仕切部材92と、この仕切部材92を拘束網噴出部1A方向へ押圧するコイルバネから成る弾性部材93とを配置する筒部146から成る。筒部146の内径は、第一連結部85より大きな径にしてある。仕切部材92は、プラグ52の2つのピン56にそれぞれ接触する2つの接点部98と、2つの接点部98とイニシエータ10の制御回路79、電源75および起動スイッチ72を連絡する導線99とを取り付けている。また、仕切部材92には、拘束網噴出部1Aからの押し込み力および弾性部材93によるバネ力によって移動する際に接続部87内を平行移動できるようにするための回り止め用の凹部92aが設けてある。接続部87は、第一連結部85内に挿入された突起部55a,55b,55cを係止溝部90内に押圧し、第一連結部85内に挿入された突起部55a,55b,55cを弾性部材93によるバネ力によって係止溝部90内に係止する役割を担う。また、筒部153は、弾性部材93によるバネ力によって仕切部材92の接点部98をイニシエータ10のピン56に押圧して確実に接触させる役割を担う。
3つの筒部146に配置された仕切部材92の2つの電極98に取り付けられた導線99A,99B,99Cは、バネ押さえ154に設けた凹部154aと筒部146に設けた凹部146aを介して筒状穴部156に導かれ、筒状穴部156からそれぞれのコネクタ100A,100B,100Cを導出している。
3つの筒部146と蓋部材152の2つのバネ押さえ154とで、拘束網噴出部1Aとの接続部を形成している。各筒部146内に挿入された仕切部材92は、回り止め用の凹部92a内に回り止め用の突起部147を貫入し、2つのバネ押さえ154によって押圧される弾性部材93を介して仕切部材92を各ポート144の根本部に向かって圧接している。
拘束網噴出部取付部材143の筒形状の受け部149と操作部取付部材151の筒状穴部156とで、操作部1Bとの第二連結部86を形成している。
次に、斯くして構成された本実施形態に係る携行型拘束網展開装置1の作用を説明する。
(組立)
(1)拘束網噴出部1Aの組立について説明する。
先ず、図6、図8に示すように、ホルダ20の内側段部24に破裂板25を挿入する。
次に、ホルダ20に破裂板25を挟むようにスペーサ26を挿入する。
次に、フィルターカップ28に成型フィルタ27を挿入する。
次に、成型フィルタ27が入ったフィルターカップ28をホルダ20のネジ部21に螺入する。
次に、図4、図6に示すように、ホルダ20を第一容器35Aの筒部36から、ホルダ20の外側段部23が第一容器35Aの段部36bの内面に当たるまで挿入する。
次に、第一容器35Aの短ネジ孔41bと第二容器35Bの短ネジ螺係部46bとが一致する位置で合わせ、4本の短ネジ59を短ネジ孔41bから短ネジ螺係部46bへ螺着して固定することによって、容器35が完成する。
次に、図15に示すように、錘33の先端側の穴33bに紐部材32を通し、紐部材32を折り返し、ほぼ同じ長さに二等分する。
次に、紐部材32を錘カバー34の貫通孔34aを通し、錘33の溝33bと錘カバー34の凸部34dが合わさるまで錘33に錘カバー34を被せる(錘部30の完成)。
次に、図14に示すように、錘部30の紐部材32を拘束網31の周囲8ヶ所(8角形ならその角部、4角形なら4ヶ所の角部とその中点)に結び付ける(拘束網31の完成)。
次に、拘束網31を、図26〜図27に示す収容方法に従って容器35の第二容器35Bに移し替え、図14に示すように、錘部30を容器35の8箇所の錘噴出口49aから挿入する。
次に、図12に示すように、拘束網収容蓋50の舌部51の小孔51aと第二容器35Bのスリット入り突起部47bとの位置が一致するように拘束網収容蓋50を容器35に被せる。
次に、図12に示すように、第二容器35Bの各1個のスリット入り突起部47bに紐部材32をセットし、拘束網収容蓋50の舌部51の小孔51aから各スリット入り突起部46aが貫通するまで舌部51を押し込み、次に、舌部51の先端部を凹部40に形成した一対の係止溝40aに差し込んで固定する。これにより、図9に示すように、拘束網収容蓋50の固定が完了する。
次に、第一容器35Aの筒部36から突出したホルダ20にイニシエータ10を螺入する。
先ず、図5に示すように、イニシエータ10の導線13に取り付けたコネクタ13aと、プラグ52のピン56に接続する導線57に取り付けたコネクタ58とを接続する。
次に、プラグ52をピン56側からカップ60の中心にある中央貫通孔64内に挿入し、プラグ52の突起部54にカップ60の受け部65が引っ掛るとともに環状の突起部53が中央貫通孔64の縁部に当接するプラグ52を移動する。
次に、カップ60の円周上にある4つの長ネジ挿入部63から長ネジ66を挿入し第一容器35Aの長ネジ貫通孔41aを通し第二容器35Bの長ネジ螺着部46aと螺合する。
次に、カップ60の4つの長ネジ挿入部12の長ネジ30のネジ頭を隠すために、キャップ31を貼り付ける(拘束網噴出部1Aが完成)。
(2)操作部1Bの組立について説明する。
先ず、図3に示すように、第一取手部71aに起動押しボタン72、チェックボタン73、インジケータ74、抵抗などを半田付けした回路基板79をネジ79aで固定する。
次に、図5に示すように、回路基板79を固定した第一取手部71aに第二取手部71bを重ね合わせ、ネジ78によって固定する(操作部1Bが完成)。
(3)アダプター1Cによる拘束網噴出部1Aと操作部1Bとの組付について説明する。
次に、操作部1Bとアダプター1Cとの組立について説明する。
図22に示すように、先ず、操作部取付部材151の筒状穴部156内に操作部1Bを挿通し、操作部1Bの先端部に設けた回り止め用の箱形状の突起部80を凹部157内に嵌合するとともに、操作部1Bの先端部に設けた回り止め用の箱形状の突起部80の先端部に連なる抜け止め用の環状の膨出部81を縁部158に係止する。これによって、操作部1Bを操作部取付部材151に組み付けることができる。
次に、図21に示すように、拘束網噴出部取付部材143の3つの筒部146内に仕切部材92と弾性部材93とを挿入する。
次に、拘束網噴出部取付部材143に操作部取付部材151を重ね合わせる。
次に、拘束網噴出部取付部材143のネジ穴148からネジ159を螺合して拘束網噴出部取付部材143と操作部取付部材151とを組み付ける。
以上によって、操作部1Bとアダプター1Cとの組立が完了する。
次に、操作部1Bを組み付けたアダプター1Cへの拘束網噴出部1Aの組付について説明する。
次に、図25に示すように、拘束網噴出部1Aのプラグ52を、その外周に設けた3つの突起部55a,55b,55cをアダプター1Cの第一連結部85Aの溝部88a,88b,88cに沿って挿入し、プラグ52を第一連結部85内に挿入する。プラグ52を所定の長さ挿入すると、プラグ52の先端部が仕切部材92に当接し、弾性部材93を圧縮し、移動が阻止されたところで、プラグ52を回転し、突起部55a,55b,55cを横溝部89に沿ってアダプター1Cの軸長方向と直交する方向に移動する。プラグ52が所定量回転されると、係止溝部90の壁面90aに当接し、移動が阻止される。その時点で、プラグ52をフリーにすると、圧縮されていた弾性部材93が復元力で仕切部材92を介してプラグ52を第一連結部85Aの挿入口方向へ押し戻し、それに伴って突起部55a,55b,55cが係止溝部90内に押し込まれる。また、拘束網噴出部1Aのプラグ52に設けた2つのピン56が仕切部材92に設けた2つの電極98と接触した状態で保持される。
以上によって、アダプター1Cの3つのポート144に拘束網噴出部1Aをそれぞれ取り付けることができる。
以上により、本実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を得ることができる。
(実験)
次に、本実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を実験例1〜6により説明する。
(実験例1)
第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を用い、図29に示すように、架台101に取り付けられた固定治具102で、操作部1Bを挟み固定し、地表と水平になるように高さ1.5mの位置にセットした。噴出角度の異なる拘束網噴出部1Aを用意し、それぞれの噴出角度における錘の軌跡を解析した。解析は、拘束網31の噴出方向に架台から2.5mの位置から垂直方向に5m離れた位置にビデオカメラ103を設置し、拘束網31の噴出開始から拘束網31が地表に落下するまでの間を撮影した画像を動画解析装置にて行った。解析の対象は、画像内の最も上および下に位置する錘部とした。また、拘束網31のサイズは3m×3mの正方形とし、目幅は12.5cmに固定した。なお、拘束網31が上下左右対称であり、錘部30が360度の円周上に等分に配置されているため、錘部30の軌跡により得られる拘束網31の展開の程度は、側面からの解析と正面からの解析は同一となるため、解析は側面からの一方向とした。
この結果を図30に示す。噴出角度が、拘束網噴出部1Aの横軸線上を0度としたとき、噴出角度が小さいほど飛翔距離は短く、大きいほど飛翔距離が長くなることが確認された。また、20度から75度までは、拘束網31の縦方向の最大展開の3mに対し、その90%以上が展開している。これに対し、噴出角度を80度とすると飛翔距離が7〜8mに達するが、拘束網31が目標体(例えば人間)全体を覆うに十分な展開をなさないうちに地上に落下していまうことが確認された。
また、この実験において、イニシエータ10からの発生ガスによる容器35内のガス流路内圧力を測定した。
その結果を図31に示す。圧力の挙動は、起動押しボタン72を押してから0.0346秒後に圧力が上昇を始め、0.0351秒後に1.1MPaの最大圧力を示し、0.038秒後には大気圧に戻る(時間は全て起動押しボタン72を押してからの経過時間である)。
ここで、以下の実験を行うに当たり、目標体(男性大人1.7〜1.8m)と携行型拘束網展開装置1との距離を知覚別に定義してみる(参考文献:朝倉書店発行/人間の許容限界ハンドブック)。
《ケース1》=社会距離=近距離=相手に触れることが難しい距離
このケース1では、目標体が襲いかかってくる、もしくは周囲を襲撃している場合を想定する。
参考文献によれば、相手に触れることが難しい距離は、直視で1.22m〜2.13m、非直視で2.13m〜3.66mとされている。そこで、これらの距離の平均をとり、2.5mと考える。
《ケース2》=公衆距離=遠距離=相手とかかわりにならずにすみ、逃げたり防いだりできる距離
このケース2では、目標体が逃走しようとしている、もしくは周囲を襲撃している場合を想定する。
参考文献によれば、相手とかかわりにならずにすみ、逃げたり防いだりできる距離は、直視で3.66m〜7.62m、非直視で7.62m以上とされている。そこで、その距離を直視距離の平均をとり、5.6mと考える。
(実験例2)
第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を用いて、噴出角度を50度に設定した。実験例1と同様の測定状況において、拘束網31の展開形状を拘束網31が地上に着地するまので間、計測した結果を図32に示す。
拘束網31は、起動押しボタン72を押してから、0.2秒後に最下部に位置する錘部30が携行型拘束網展開装置1から1.3mの位置に着地し、ほぼそのままの位置に止まり、最上部の錘部30は0.4秒後に最大高さを示した。つまり、0.4秒後に拘束網31は最大の展開を示しているということになる。0.4秒を経過以降の最上部の錘部30は放物線を描きながら、1秒後に携行型拘束網展開装置1から3.8mの位置に着地した。
このことから、目標体が地上に居た場合、錘部30を衝突させることなく拘束網31を被せることができる範囲は、携行型拘束網展開装置1からの距離が1.3m以上であり、前出の社会距離(近距離=1.78m〜3.22m)に目標体が存在する場合に安全を確保できることになる。また、そのときに拘束網31が目標体に被さり始める時間は、前出の社会距離の中点(2.5m)に身長1.75mの目標体が存在したと仮定すると、携行型拘束網展開装置1の起動押しボタン72を押してから、0.6秒後である。
(実験例3)
第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を用いて、噴出角度を75度に設定した。実験例1と同様の測定状況において、拘束網31の展開形状を拘束網31が地上に着地するまので間、計測した結果を図33に示す。
拘束網は、起動押しボタン72を押してから、0.3秒後に最下部に位置する錘部30が携行型拘束網展開装置1から3.7mの位置に着地し、ほぼそのままの位置に止まり、最上部の錘部30は0.5秒後に最大高さを示した。つまり、0.5秒後に拘束網31は最大の展開を示しているということになる。0.5秒を経過以降の最上部の錘部30は放物線を描きながら、1秒後に携行型拘束網展開装置1から6.6mの位置に着地した。
このことから、目標体が地上に居た場合、錘部30を衝突させることなく拘束網31を被せることができる範囲は、携行型拘束網展開装置1からの距離が3.7m以上であり、前出の公衆距離(遠距離=4.88m〜6.32m)に目標体が存在する場合に安全を確保できることになる。また、そのときに拘束網31が目標体に被さり始める時間は、前出の社会距離の中点(5.6m)に身長1.75mの目標体が存在したと仮定すると、携行型拘束網展開装置1の起動押しボタン72を押してから、0.6秒後である。
(実験例4)
第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を用いて、噴出角度を20度に設定した。実験例1と同様の測定状況において、拘束網31の展開形状を拘束網31が地上に着地するまので間、計測した結果を図34に示す。
拘束網31は、起動押しボタン72を押してから、0.2秒後に最下部に位置する錘部30が携行型拘束網展開装置1から0.6mの位置に着地し、ほぼそのままの位置に止まり、最上部の錘部30は0.3秒後に最大高さを示した。つまり、0.3秒後に拘束網31は最大の展開を示しているということになる。0.3秒を経過以降の最上部の錘部30は放物線を描きながら、0.9秒後に携行型拘束網展開装置1から2.4mの位置に着地した。
このことから、目標体が地上に居た場合、錘部30を衝突させることなく拘束網31を被せることができる範囲は、携行型拘束網展開装置1からの距離が0.6m以上であり、前出の社会距離(近距離=1.78m〜3.22m)に目標体が存在する場合に安全を確保できることになる。また、そのときに拘束網が目標体に被さり始める時間は、前出の社会距離の最近接点(1.78m)に身長1.75mの目標体が存在したと仮定すると、携行型拘束網展開装置1の起動押しボタン72を押してから、0.6秒後である。
(実験例5)
第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を用いて、噴出角度が20度と30度に設定した。図35に示すように、天井に地表から高さ3mの位置に固定した。この状況において拘束網31の収容方法別(3種類:図26〜図28)に、展開のスピードを解析した。解析は、携行型拘束網展開装置1から水平方向に2mの距離で、高さ1.5mの位置にビデオカメラ103を設置し、拘束網31の噴出開始から拘束網31が地表に落下するまでの間を撮影した画像を動画解析装置にて行った。解析の対象は、画像内の左右両端に位置する錘部30とし、拘束網31は3m×3mの八角形とし、目幅は12.5cmに固定した。なお、拘束網が上下左右対称であり、錘部30が360度の円周上に等分に配置されているため、錘部30の軌跡により得られる拘束網31の展開の程度は、側面からの解析と正面からの解析は同一となるため、解析は側面からの一方向とした。展開のスピードの評価は、拘束網31が一定の基準に展開するまでに要する時間およびその高さで行った。その基準は、拘束網31の90%(展開径2.7m=3m×0.9)に相当する展開を示すポイントとした。
その結果を図36に示す。90%の展開を示す時間が最も早く、また、最も高い位置で展開したのは、噴出角度が20度でも30度でも、収容方法3であった。
(実験例6)
第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置1を用いて、拘束網31の一つの目幅を7.5cm、10cm、12.5cm、15cmおよび外側10cm−内側20cmをもって、それぞれ5回づつ実施した。
ここでは、拘束網31から人間がどの程度の時間で網から脱出できるかを、ストップウォッチで脱出時間を測定した。脱出時間の目標を仮に30秒以上とした。
拘束網31の目幅を10cm、12.5cmおよび外側10cm−内側20cmのタイプでは30秒以上掛かったが、7.5cmと15cmでは30秒以上達成したものがなかった。
また、外側10cm―内側20cmのタイプでは、2倍の60秒近いものがあった。
Figure 0004823638
(第二実施形態)
図37〜図39は、本発明の第二実施形態に係る携行型拘束網展開装置110を示す。
本実施形態に係る携行型拘束網展開装置110は、拘束網噴出部1Aと操作部1Bとをアダプター1Cを介して接続するに当たり、両者をコネクタ接続にした点で、第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置1とは相違する。従って、本実施形態に係る携行型拘束網展開装置110の外観は、図1、図2に示す第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置1の外観と同じである。そのため、第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置1と同じ構成についてはその説明を省略し、本実施形態に係る携行型拘束網展開装置110の特徴部分について説明する。
本実施形態においては、拘束網噴出部1Aのプラグ52Aは、底部に導線13およびコネクタ13aを導出するための穴部111を設けている。
また、アダプター1Cの仕切部材92Aは、中央部に導線99A,99B,99Cおよびコネクタ100A,100B,100Cを挿通するための穴部112を設けている。
本実施形態においては、3つの拘束網噴出部1Aをアダプター1Cの各ポート144に取り付けるに前に、拘束網噴出部1Aのコネクタ13aと導線99A,99B,99Cのコネクタ100D,100E,100Fとそれぞれ接続し、その後に各拘束網噴出部1Aを各ポート144に取り付ける。
本実施形態においても、第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置1と同様に操作することができる。
本実施形態においても、第一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本実施形態においては、仕切部材92Aとアダプター1Cとには、回り止め用の凹部92aおよび突起部147を設けた場合について説明したが、省略しても良い。
また、各実施形態においては、3つの拘束網噴出部1Aを取り付ける場合について説明したが、2つでも4つでもあるいはそれ以上でも良い。
本質的には防犯のため、侵入者が犯罪行為を実行し逃亡を図った際、捕獲して逃亡を遅延させること、また、犯罪行為を未然に防止するため、その犯罪行為の遅延や行為を諦めさせることに使用できる。また暴漢の鎮圧のためにも使用ができる。また、護身具としても使用が可能である。
また、市街地へ誤って飛び出した動物などの捕獲を容易にするほか、畑や田んぼ、果樹園などを荒らす駆除動物の捕獲にも効果的に使用可能である。
本発明の第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置を上面から見た外観図である。 本発明の第一実施形態に係る携行型拘束網展開装置を下面から見た外観図である。 図1の断面図である。 図1の各要素を切り離して示す外観図である。 図1の各構成を示す分解図である。 図1の拘束網噴出部の分解図である。 図1のイニシエータの断面図である。 図1のガス発生部組立の断面図である。 図1の拘束網噴出部の外観図である。 図1の拘束網噴出部の拘束網収容蓋の外観図である。 図1の第一容器の側面から見た外観図である。 図1の拘束網噴出部の組立外観図である。 図1の第一容器の外観図である。 図1の拘束網の外観図である。 図1の錘部の組立構成図である。 図1の錘カバーが発生ガスを受圧したときの錘カバーの変形を示す断面図である。 図1の拘束網噴出部の背面側から見た外観図である。 図1の拘束網噴出部の断面図である。 図1の操作部の断面図である。 図1の回路基板に搭載された発火回路と電源確認回路とを示す回路図である。 図1のアダプターの下側の容器を示す外観図である。 図1のアダプターへの操作部の組付状態を示す外観図である。 図1のアダプターの上側の容器を示す外観図である。 図1の拘束網噴出部とアダプターとの組付状態を示す外観図である。 図1の拘束網噴出部とアダプターとの組付手順を示す断面図である。 拘束網の収容方法1を示す図である。 拘束網の収容方法2を示す図である。 拘束網の収容方法3を示す図である。 実験例1の測定模式図である。 錘の噴出角度と錘の軌跡の関係を示すグラフである。 ガス流路内の圧力を示すグラフである。 錘の噴出角度が50度の場合の拘束網の展開(錘)軌跡である。 錘の噴出角度が75度の場合の拘束網の展開(錘)軌跡である。 錘の噴出角度が20度の場合の拘束網の展開(錘)軌跡である。 実験例5の測定模式図である。 拘束網の収容方法と90%展開に到達する時間および高さを示すグラフである。 本発明の第二実施形態に係る携行型拘束網展開装置の各要素を切り離して示す外観図である。 図37の各要素を切り離して示す断面図である。 図37のアダプターの外観図である。
符号の説明
1,110 携行型拘束網展開装置
1A 拘束網噴出部
1B 操作部
1C アダプター
10 イニシエータ
13 導線
13a コネクタ
30 錘部
31 拘束網
32 紐部材
33 錘
34 錘カバー
35 容器
35A 第一容器
35B 第二容器
36,40 筒部
49a 錘噴出口
50 拘束網収容蓋
51 舌部
52,52A プラグ
53 フランジ
54 回り止め用の突起部
55a,55b,55c 突起部
56 ピン
57 導線
58,100A,100B,100C,100D,100E,100F コネクタ
60 カップ
65,95,96 凹部
71 取手部
72 起動押しボタン
73 チェックボタン
74 インジケータ
75 電池
79 回路基板
79b 発火回路
79c 電源確認回路
81 環状の膨出部
82,82A,82B,82C 導線
82a コネクタ
83a 第一部材
83b 第二部材
83 本体部
84 ネジ
85 第一連結部
86 第二連結部
87 接続部
88a,88b,88c 溝部
89 横溝部
90 係止溝部
92 仕切部材
93 弾性部材
94,111,112 穴部
98 接点部

Claims (7)

  1. 拘束網と、前記拘束網の周縁上に所定間隔をもって配設される複数個の錘と、前記錘を所定角度をもって噴出する複数の噴出口を形成するとともに前記錘を収容する錘収容部と、前記拘束網を収容する拘束網収容部と、燃焼性物質の燃焼によってガス圧を発生させる火工式点火器を有し、前記錘と前記拘束網とを前記火工式点火器のガス圧力で噴出する噴出手段とを備え、前記拘束網をガス圧力で噴出する複数の拘束網噴出部と、
    前記複数の拘束網噴出部を起動する操作部と、
    前記複数の拘束網噴出部と前記操作部とを着脱自在に連結するアダプターと
    を備え、
    前記複数の拘束網噴出部は、外側部に突起部を有する接合部を備え、
    前記操作部は、外側部に抜け止め用の突起部と回り止め用の突起部を有する接合部を備え、
    前記アダプターは、
    前記複数の拘束網噴出部の接合部の突起部を軸長方向に導く溝部と、
    前記溝部と直交して設けられ、前記複数の拘束網噴出部の接合部の突起部を前記軸長方向と直交する方向に導く横溝部と、
    前記横溝部と直交して前記溝部の入口方向に設けられ、前記複数の拘束網噴出部の接合部の突起部を前記軸長方向に導く係止溝部とを有する穴部から成る第一連結部と、
    前記第一連結部側に配される仕切部材と、
    前記仕切部材を前記複数の拘束網噴出部方向へ押圧する弾性部材とを有する穴部から成る接続部と、
    前記操作部の接合部を挿入するとともに前記抜け止め用の突起部と回り止め用の突起部とをそれぞれ係合する凹部を有する穴部から成る第二連結部とから成り、
    前記第一連結部において、前記溝部内に挿入された前記突起部を前記横溝部を介して前記係止溝部に導き、前記接続部において、前記第一連結部内に挿入された前記突起部を前記係止溝部内に押圧し、前記第二連結部において、挿入された前記操作部の抜け止め用の突起部と回り止め用の突起部とを前記凹部に係止する
    ことを特徴とする携行型拘束網展開装置。
  2. 請求項1記載の携行型拘束網展開装置において、
    前記操作部は、
    前記火工式点火器の制御回路と起動電源と起動スイッチとを有する
    ことを特徴とする携行型拘束網展開装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の携行型拘束網展開装置において、
    前記アダプターは、
    前記複数の拘束網噴出部と前記操作部とを接合する連結部と、
    前記火工式点火器に前記火工式点火器の制御回路、起動電源および起動スイッチを連絡する接続部とを有する
    ことを特徴とする携行型拘束網展開装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか記載の携行型拘束網展開装置において、
    前記アダプターは、前記操作部と一体に形成されている
    ことを特徴とする携行型拘束網展開装置。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか記載の携行型拘束網展開装置において、
    前記複数の拘束網噴出部は、外側部に突起部を有するとともに端部に前記火工式点火器の導線に連なるピンを有する接合部を備え、
    前記アダプターは、前記仕切部材に前記ピンに接触する接点部を設けるとともに、前記火工式点火器の制御回路、起動電源および起動スイッチと連絡する導線を前記接点部に取り付けている
    ことを特徴とする携行型拘束網展開装置。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか記載の携行型拘束網展開装置において、
    前記複数の拘束網噴出部は、
    外側部に突起部を有する接合部と、
    前記接合部の端部から導出する前記火工式点火器の導線とを備え、
    前記アダプターは、前記仕切部材に前記導線を挿通する穴を設けている
    ことを特徴とする携行型拘束網展開装置。
  7. 拘束網をガス圧力で噴出する複数の拘束網噴出部と、
    前記複数の拘束網噴出部を起動する操作部と、
    前記複数の拘束網噴出部と前記操作部とを着脱自在に連結するアダプターと
    を備え、
    前記拘束網噴出部は、外側部に突起部を有する接合部を備え、
    前記操作部は、外側部に抜け止め用の突起部と回り止め用の突起部を有する接合部を備え、
    前記アダプターは、
    前記拘束網噴出部の接合部の突起部を軸長方向に導く溝部と、
    前記溝部と直交して設けられ、前記拘束網噴出部の接合部の突起部を前記軸長方向と直交する方向に導く横溝部と、
    前記横溝部と直交して前記溝部の入口方向に設けられ、前記拘束網噴出部の接合部の突起部を前記軸長方向に導く係止溝部とを有する穴部から成る第一連結部と、
    前記第一連結部側に配される仕切部材と、
    前記仕切部材を前記拘束網噴出部方向へ押圧する弾性部材とを有する穴部から成る接続部と、
    前記操作部の接合部を挿入するとともに前記抜け止め用の突起部と回り止め用の突起部とをそれぞれ係合する凹部を有する穴部から成る第二連結部とから成り、
    前記第一連結部において、前記溝部内に挿入された前記突起部を前記横溝部を介して前記係止溝部に導き、前記接続部において、前記第一連結部内に挿入された前記突起部を前記係止溝部内に押圧し、前記第二連結部において、挿入された前記操作部の抜け止め用の突起部と回り止め用の突起部とを前記凹部に係止する
    ことを特徴とする携行型拘束網展開装置。
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