JP5489654B2 - 多段点火装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、携帯型液体噴射装置、防犯用ネット展開装置などの火工品や電気点火により作動を利用した装置の、連射が容易な多段点火装置に関する。
従来、例えば、携帯型液体噴射装置、防犯用ネット展開装置などの火工品を連射する場合、機械的な点火回路切替え装置が用いられていた。
しかし、機械的な点火回路切替え装置を用いると、発射の都度切り替えながら次弾を発射するため、多くの部品が必要で装置も複雑となるという不具合があった。
そこで、簡単な電気回路による連射が提案されている。
「ガンサイザー用段発式着火器(G−ELIS1)」(日本工機株式会社発行のカタログ)
しかし、この場合は、点火スイッチを必要数取り付け、各々のスイッチを操作し各々点火する必要があった。
また、点火スイッチのほかに切り替えスイッチを設け、点火回路を切り替えながら、順次点火するものもあった。
一方、1つの発射スイッチで複数の物を点火するには、切り替え装置が必要である。
切り替えスイッチ無しでは、1つの回路に付き1つの点火スイッチが必要となる。そのため、多数の点火を行うには、同じ数のスイッチが必要となる。
点火スイッチ1つでは、斉発は可能だが、複数を順次点火するには切り替えスイッチが必要となる。そのため、点火専用スイッチ1個では、発射の都度切り替えスイッチを切り替える必要がある。
さらに、制御回路が常時ONだと、電池を消耗する。そのため、電子制御を行う場合、制御回路とその電源スイッチが別に必要である。
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、引き金に相当するスイッチを押すという1つの動作で点火可能とした多段点火装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、装置の落下衝撃などによる信号を分別して、明らかな点火操作の信号だけに反応する多段点火装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、複数の火工品と、前記複数の火工品へ電力を供給する電源と、復帰形スイッチからなる起動スイッチ兼安全解除スイッチと、復帰形スイッチからなり、前記火工品を点火させる点火専用スイッチと、前記起動スイッチ兼安全解除スイッチ及び前記点火専用スイッチを前記火工品と繋ぎ、前記点火専用スイッチが押されると前記電源からの電力を前記火工品に供給する点火回路と、前記起動スイッチ兼安全解除スイッチが押されると前記電源を保持する自己電源保持回路と、前記起動スイッチ兼安全解除スイッチからの入力信号を受け付けると、前記自己電源保持回路によって前記電源を保持させ、前記電源の保持時に、前記点火専用スイッチからの入力信号を受け付ける毎に前記火工品毎に点火信号を生成させ、前記点火回路を介して前記火工品を点火させ、点火させた前記火工品の計数を行わせる制御回路とを備え、前記自己電源保持回路は、前記起動スイッチ兼安全解除スイッチが第一の指定時間連続して押され、前記電源を自己保持して前記制御回路を起動させた後、前記起動スイッチ兼安全解除スイッチが第一の指定時間未満で離れると、前記電源の自己保持を解除して前記制御回路を起動させない判断部を備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の多段点火装置において、前記複数の火工品は、非火薬火工式ガス発生器を備えているを備えることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2記載の多段点火装置において、前記自己電源保持回路は、前記制御回路を起動後に、前記点火専用スイッチの押圧時間が第二の指定時間以上の場合には、点火の意思ありと判断し、前記点火専用スイッチの押圧時間が第二の指定時間未満の場合には、点火の意思無しと判断する点火意思判定部を備えていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3記載の多段点火装置において、前記点火意思判定部による判定後、前記点火専用スイッチの接点が第三の指定時間以上離れている場合には、点火完了と判断する点火完了判定部を備えていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4の何れか記載の多段点火装置において、前記点火回路は、ダーリントン接続した2つのトランジスタを備えていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5の何れか記載の多段点火装置において、前記起動スイッチ兼安全解除スイッチと前記点火専用スイッチとは、一体型となっており、押すと離れる接点と、押すと接続する接点と、共通接点との2つの接点を有し、1個のスイッチの中に2回路2接点のスイッチを構成していることを特徴とする。
本発明によれば、スイッチは点火信号の発生用であり、小型の電子回路で判定して点火するため、1つのスイッチで、任意のタイミングでの連射が可能となる。
また、スイッチは点火信号の発生用であり、小型の電子回路で落下衝撃か、点火の意思かを判定して点火するため、制御回路の判別機能で、落下衝撃による誤動作が無い。
また、スイッチは点火信号の発生用であり、小型の電子回路で点火順番を制御して点火するため、切り替えスイッチなどを必要とせず、操作が極めてシンプルである。
また、スイッチは点火信号の発生用であり、小型の電子回路で点火順番を制御して点火するため、機械的な接続装置を要せず、構造がシンプルで安価である。
本発明の第一実施形態に係る携帯型液体噴射装置1を示す斜視図である。 第一実施形態に係る携帯型液体噴射装置1を、2つの噴射装置10と、これら2つの噴射装置10を装着する携帯可能な発射装置20とに分解して示す斜視図である。 第一実施形態に係る携帯型液体噴射装置1に用いる噴射装置10の断面図である。 図3に示す噴射装置10の非火薬火工式ガス発生器14を拡大して示す断面図である。 図4に示す非火薬火工式ガス発生器14の組立手順を示す説明図である。 第一実施形態に係る携帯型液体噴射装置1に用いる携帯可能な発射装置20を分解して示す斜視図である。 図6に示す携帯可能な発射装置20に噴射装置10を組み付けた状態を一方のケース21Bを取り除いて示すを平面図である。 図6に示す携帯可能な発射装置20に用いるスイッチ部24、電源部23及びソケット22c,22dとの組み付け状態を示す斜視図である。 図6に示す携帯可能な発射装置20に非火薬火工式ガス発生器14を接続する状態を示す説明図である。 図2における2つの噴射装置10を携帯可能な発射装置20に装着前の状態を一方のケース21Bを取り除いて示す斜視図である。 図1における2つの噴射装置10を携帯可能な発射装置20に装着した状態を一方のケース21Bを取り除いて示す斜視図である。 図1に示す携帯型液体噴射装置1の操作状態を示す説明図である。 図1に示す携帯型液体噴射装置1の操作時における噴射装置10の作動状態を示す断面図である。 図13に示す噴射装置10における圧力開放機構が機能するピストン13とアダプタ17の関係を示す説明図である。 図1に示す噴射装置10におけるノズル部16の最適な噴射条件(ノズル径、噴射物粘度)を見つける方法を示す説明図である。 図13に示す噴射装置10における圧力開放機構の別の例を示す説明図である。 図1に示す携帯型液体噴射装置1におけるスイッチ制御回路200及びこれに接続する部品構成を示す電気製図である。 図17に示すスイッチ制御回路200における発射スイッチ(SW2a)24BのON/OFF動作との関係を示す図である。 図17に示すスイッチ制御回路200における発射スイッチ(SW2a)24Bに落下衝撃が加わった場合を示す図である。 図17に示すスイッチ制御回路200におけるコンデンサ(0.1μF(104)という標記をする)の効果を示す図である。 図17に示すスイッチ制御回路200における制御用IC213の入力ポート(ピン番号2、GP5)の電圧238の動作を示す図である。 図17に示すスイッチ制御回路200における発射スイッチ(SW1a)24AのON/OFF動作とトランジスタ205のベース電圧との関係を示す図である。 図17に示すスイッチ制御回路200における発射スイッチ(SW1a)24Aに落下衝撃が加わった場合を示す図である。 図17に示すスイッチ制御回路200における制御用IC213が、電源を自己保持するとした場合、ピン番号6、GP1に電源保持信号がでて、トランジスタ206がONとなり、電源は自己保持され、トランジスタ206がONになると、発射スイッチ(SW1a)24Aの動作に関係なく電源は自己保持される状態を示す図である。 図17に示すスイッチ制御回路200の動作フローを示す図である。 本発明の第二実施形態に係る携帯型液体噴射装置100を示す斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る携帯型液体噴射装置100の安全カバー126を取り外した状態を示す斜視図である。 第二実施形態に係る携帯型液体噴射装置100を、2つの噴射装置110と、これら2つの噴射装置110を装着する携帯可能な発射装置120とに分解して示す斜視図である。 第二実施形態に係る携帯型液体噴射装置100に用いる噴射装置110の断面図である。 第二実施形態に係る携帯型液体噴射装置100に用いる携帯可能な発射装置120を分解して示す斜視図である。 図30に示す携帯可能な発射装置120に噴射装置110を組み付けた状態を一方のケース121Bを取り除いて示す平面図である。 図30に示す携帯可能な発射装置120に用いるスイッチ部124、電源部123及びワイヤーマウントソケット122a,122bとの組み付け状態を示す斜視図である。 図30に示す携帯可能な発射装置120に非火薬火工式ガス発生器114を接続する前の状態を示す説明図である。 図30に示す携帯可能な発射装置120に非火薬火工式ガス発生器114を接続した後の状態を示す説明図である。 第二実施形態に係る携帯型液体噴射装置100における噴射装置110を携帯可能な発射装置120から取り外す手順を示す説明図である。 第二実施形態に係る携帯型液体噴射装置100における携帯可能な発射装置120から噴射装置110を取り外して引き抜く手順を示す説明図である。 図26に示す携帯型液体噴射装置100の操作状態を示す説明図である。 本発明における噴射装置110の別の例を示す断面図である。 本発明における噴射装置110のさらに別の例を示す断面図である。 第二実施形態に係る携帯型液体噴射装置100の別の例を示す斜視図である。 第二実施形態に係る携帯型液体噴射装置100のさらに別の例を示す斜視図である。 第二実施形態に係る携帯型液体噴射装置100のさらにまた別の例を示す斜視図である。 第二実施形態に係る携帯型液体噴射装置100の別の例を示す斜視図である。 本発明の別の実施形態に係る携帯型液体噴射装置150を示す説明図である。 本発明の別の実施形態に係る携帯型液体噴射装置160を示す説明図である。 本発明の別の実施形態に係る携帯型液体噴射装置170を示す説明図である。 図17のスイッチ制御回路200の点火回路を小型のリレーで構成した例を示す図である。 図17のスイッチ制御回路200の点火回路をFET(MOS−FET)によって構成した例を示す図である。
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
(第一実施形態)
図1〜図15は、本発明の第一実施形態に係る携帯型液体噴射装置1を示す。
本実施形態に係る携帯型液体噴射装置1は、2つの噴射装置10と、これら2つの噴射装置10を装着する携帯可能な発射装置20とで構成されている。
先ず、2つの噴射装置10について説明する。
2つの噴射装置10は、図3に示すように、噴射物12を充填する容器11と、噴射物12を押圧して容器11から噴射物12を噴射させるピストン13と、ピストン13を押圧するガス圧を生成する非火薬火工式ガス発生器14と、ピストン13によって押圧される噴射物12を噴出するノズル部16と、ノズル部16と容器11とを接続するアダプタ17と、ノズル部16とアダプタ17との間に介装されるシール18とを有する。
噴射物12は、例えば、粘度が6〜40dPa・s程度の催涙液、マーキング液等がある。噴射物12は、粘性があるので、噴射物12が塊で噴射され、拡散しにくく、噴射距離も長くなる。
催涙液は、催涙成分をエタノールに溶解し、水を混合し、ゲル化剤を添加して、粘性のある催涙液とされている。催涙成分としては、例えば、クロロアセトフェノン、カプサイシン、イソチオシアン酸アリル等がある。ゲル化剤としては、例えば、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グアガム、ペクチン、カラギーナン、プロピレングリコール等がある。
マーキング液は、塗料に粘性がある場合、塗料に粘性がない場合(水希釈可)、塗料に粘性がない場合(エタノール希釈可)等がある。塗料に粘性がある場合には、粘度範囲内であれば、そのまま使用する。塗料に粘性がない場合(水希釈可)には、塗料を水で希釈し、ゲル化剤を添加し、粘性のあるマーキング液とされる。塗料に粘性がない場合(エタノール希釈可)には、塗料をエタノールで希釈し、水と混合し、ゲル化剤を添加して、粘性のあるマーキング液とされている。塗料としては、例えば、紫外線発光塗料、蛍光塗料、蓄光塗料、絵の具、墨汁等がある。ゲル化剤としては、例えば、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グアガム、ペクチン、カラギーナン、プロピレングリコール等がある。
噴射物12を充填する容器11は、例えば、ステンレス、アルミニウム等の金属製の筒状体で構成され、一端部に非火薬火工式ガス発生器14をねじ込む雌螺子部11aを設け、他端部にアダプタ17をねじ込む雌螺子部11bを設けている。
ピストン13は、例えば、テフロン(登録商標)、ABS樹脂、ナイロン樹脂等のプラスチック製の円柱形状を為す本体13aと、噴射物12を押圧する前端部13b側に設けた圧力開放溝13cと、非火薬火工式ガス発生器14のガス噴出口に接する後端部13d側に設けた圧力受け凹部13eとを備えている。そして、容器11の一端部の雌螺子部11aより内方の内壁面11cに装着されている。
非火薬火工式ガス発生器14は、図3、図4に示すように、ガス発生部14aと、例えば、ステンレス、アルミニウム製の金属製の円筒状体からなり、ガス発生部14aを収容するホルダ14oと、電橋線付塞栓14gと電橋線付塞栓14gに連絡する脚線14j1,14j2とをエポキシ樹脂にて固定するとともに、電橋線付塞栓14gに連絡する脚線14j1,14j2を導出する、例えば、ナイロン樹脂等の硬質樹脂又はステンレス、アルミニウム等の金属製のウエッジベース14nと、例えば、ステンレス、アルミニウム製の金属製の有底筒状体からなり、ウエッジベース14nを被覆して、開口端の内周に設けた雌螺子部14mでホルダ14oに螺合されるキャップ14kとで構成されている。
ガス発生部14aは、例えば、アルミニウム製の金属製の有底筒状体からなるガス発生器管体14b内に、ガス発生剤14cを填薬し、点火薬カップ14d、点火薬14e、点火薬ホルダ14f、電橋線付塞栓14gを順に装填し、ガス発生器管体14bを点火薬ホルダ14fの部位14hと電橋線付塞栓14gの部位14iとにおいてカシメ処理を施して形成されている。
ガス発生器管体14bは、例えば、アルミニウム等の軟質金属材料を用いることによって、非火薬組成物であるガス発生剤14cの反応熱及び反応ガス圧力が容易にガス発生器管体14bを破壊して外部に伝達し得るようにしてある。ガス発生器管体14bは、加工性の良い軟質金属材料であれば何でも良いが、例えば、銅を用いる電気雷管と全く同一の形状になるため、アルミニウム(例えば、A1−6016−0等)を用いることにより紛らわしさを除いたものである。また、このアルミニウム製のガス発生器管体14bには、内外面にアルマイト処理が施されている。
ガス発生器管体14bには、ガス発生剤14cが0.3g〜0.5gの範囲で充填されている。このガス発生剤14cは、低振動・低騒音破砕薬剤ガンサイザー(日本工機株式会社製商品名)を使用しており、これは、火薬類を用いた破砕方法と全く同じ手順で消費許可を必要とせずに岩盤等を破砕する非火薬破砕組成物である。この非火薬破砕組成物は、例えば、特開平11−029389号公報に開示されている。ガス発生剤14cは、岩盤等を破砕する目的ではなく、このガス圧力を噴射物12を噴射する目的に変えるもので、その結果、ガス発生剤14cの粒径を揃えることでガス圧力のバラツキを小さくできることを見出した。また、物体を飛ばす性能に合わせてガス発生剤14cの薬量を変えることは可能である。
ガス発生剤14cは、アルミニウム11.5重量部、酸化第二銅38.5重量部から成るテルミット剤、カリウム明礬又はアンモニウム明礬50重量部からなるガス発生剤と、予めアセトンに溶かしておいた塩化ビニル粉1.5重量部を同一容器に入れ、更に適量のアセトンを加えて良く混ぜることによって構成されている。アセトンがほぼ揮発し固まってきたら8メッシュの篩で造粒し、それを乾燥させる。乾燥後、鈍化剤としてステアリン酸カリウムを2.5重量部とアセトン適量を加えゆっくり混和し、先と同様にアセトンが気化し固まったら造粒し、乾燥してガス発生剤を得る。このガス発生剤14cは、24タイラーメッシュ通過42タイラーメッシュ止まりの篩分け品を用いる。すなわち、粒径が0.35mm〜0.71mmの範囲に調整されている。
ガス発生器管体14b内には、充填されたガス発生剤14cと点火薬14eとの混合防止のために隔壁となる合成樹脂製のカプセル形状の点火薬カップ14dが配置されている。この点火薬カップ14dは、金属、非金属を問わないが、金属材料では良電性であるために、電気的発火信号が電橋線14tには流れず放電エネルギーに費やされて、点火薬14eが不着火となる虞があることから絶縁処理(例えば、アルマイト処理等)する必要がある。
点火薬カップ14dは、肉厚0.1mm以下の薄膜で形成カプセルを半切した形状のものを使用し、点火薬ホルダ14fに挿入される。点火薬カップ14d、点火薬ホルダ14fには、非火薬組成物で構成する点火薬14eと電橋線付塞栓14gの電橋線(例えば、白金−イリジュウム線)14tが配置されている。点火薬14eとして、ボロン/酸化第二銅=10〜20重量%/80〜90重量%とした。
電橋線付塞栓14gは、点火薬カップ14dに点火薬ホルダ14fを挿入し、点火薬14eを0.06g〜0.13gの範囲で填薬した後に挿入されてから、ガス発生剤14cが填薬されたアルミニウム製のガス発生器管体14b内に圧入され、アルミニウム製のガス発生器管体14bの外側から2箇所にカシメ部(14h,14i)を形成することによって、ガス発生器管体14bに固着される。このガス発生器管体14bを電橋線付塞栓14gにカシメたものをウエッジベース14n内に挿入し、エポキシ樹脂14uを充填する。ガス発生部14aが発火した際の後方へのガスの噴出は、ウエッジベース14n内に充填したエポキシ樹脂14uによって阻止される。
また、ウエッジベース14n底部に空いた2箇所の穴14vから脚線14j1,14j2を外部へ出し、電気的な接点部分としている。ウエッジベース14nには、脚線14j1,14j2を取り付け、後述するソケット22cと結合するウエッジ部14wを備えている。
ホルダ14oは、ガス発生部14aを装着するとともに開口側に向かって拡大するガス噴出口14qを備えた内壁部14pを有し、ガス噴出口14q側の開口端外周に雄螺子部14rを設けるとともに、キャップ14k側の開口端外周にキャップ14kの雌螺子部14mと螺合する雄螺子部14sを有する。ホルダ14oの材質は、例えば、鉄、ステンレスが使用可能であるが、軽量化及びコスト面からアルミニウムA5056が好ましい。ホルダ14oは、雄螺子部14sにキャップ14kの雌螺子部14mを螺合するので、ガス発生部14aがホルダ14oとキャップ14kによって固定され、ガス発生部14aの作動時にガス発生部14aが後方へ飛び出すのを防止している。
ノズル部16は、例えば、ステンレス、アルミニウム等の金属製、又はABS樹脂、ナイロン樹脂等の硬質樹脂製の1孔直進ノズルで構成され、ノズル16aの孔径がφ1.5mm〜3mmとされ、端部にアダプタ17との接続用の雄螺子部16bを設けている。
アダプタ17は、例えば、ステンレス、アルミニウム等の金属製の筒状体で構成され、一端部に容器11の雌螺子部11bにねじ込む雄螺子部17aを設け、他端部にノズル部16の雄螺子部16bをねじ込む雌螺子部17bを設けている。また、アダプタ17は、内壁面から中心に向かって突出する環状のピストン受け面17cを設けて、ピストン13を衝突させる壁面としている。ピストン受け面17cのノズル部側の壁面は、ノズル部16を取り付ける際に、噴射物12が漏れ出ないように封鎖する、例えば、アルミニウムシール、アルミニウム板、溝付き合成樹脂製シート等からなるシール18を介装させる当接面とされる。
次に、携帯可能な発射装置20について説明する。
携帯可能な発射装置20は、例えば、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂等の射出成型品からなる二つ割りのケース21A,21Bを複数のネジ21aで結合することによって外形が携帯可能とされる容器形状を為している。
ケース21Aは、ノズル部16を露出させて2つの噴射装置10を交換可能にそれぞれ取り付ける2つの取付部22と、2つの取付部22にそれぞれ取り付けられる各噴射装置10に電力を供給する電源部23と、電源部23と噴射装置10との間に設けられ、電源部23と噴射装置10とを短絡させるスイッチ部24と、電源部23とスイッチ部24とを取り付け、取付部22と連絡する電源回路基板25とを有する。
取付部22は、各噴射装置10のウエッジベース14nと結合するソケット22c,22dを組み付けたソケット組み付け部22a,22bと、各噴射装置10の側部を拘束するように対向して立ち上がる仕切壁部22eと、各噴射装置10の容器11の先端側側部を固定するOリング22fと、各噴射装置10のアダプタ17を載置し、ノズル部16を露出させる各噴射装置10の挿入穴28を形成する凹部22gとを有する。
ソケット22c,22dは、例えば、図9に示すように、+、−側に分かれた端子22c1,22c2、22d1,22d2をソケット22c,22dの凹部22c3,22d3へ圧入している。端子22c1,22c2、22d1,22d2は、電源回路基板25と導通するためにそれぞれ脚線22c4,22c5、22d4,22d5が半田付けされている。
ここで、噴射装置10のウエッジベース14nとソケット22cとの接続について説明する。図9は、接続部分が分かりやすいように、ソケット22cの樹脂部を除いた場合と、実際の外観とを示す。なお、噴射装置10のウエッジベース14nとソケット22dとの接続については、省略するが、噴射装置10のウエッジベース14nとソケット22cとの接続と同じである。
噴射装置10のウエッジベース14nの+側の脚線14j1とソケット22cの+側の端子22c1とが接続され、同様にウエッジベース14nの−側の脚線14j2とソケット22cの−側の端子22c2とが接続される。
ソケット組み付け部22aは、ソケット22cをソケット22cの両側から拘束する係止溝を有するブロック形状体で構成されている。
電源部23は、2つのリチウム電池23aを直列に固定できるように電極23c,23dをそれぞれ対向配置させている。
スイッチ部24は、仕切壁部22e間に設けられている。スイッチ24aが押圧できるように窓22h内に突出している。
本実施形態では、スイッチ部24は、1個で、2つの噴射装置10を作動させることを可能とするプログラムを備えたスイッチ制御回路200を備えている。このスイッチ制御回路200は、スイッチ24aを押すと、一方の噴射装置10に通電し、非火薬火工式ガス発生器14を発火させ、ガスを生成させ、ピストン13を押圧して噴射物12をノズル部16から噴射させ、通電後、スイッチ回路のプログラムが他方の噴射装置10側に切り替わり、もう1度スイッチ24aを押すと、他方の噴射装置10に通電し、非火薬火工式ガス発生器14を発火させ、ガスを生成させ、ピストン13を押圧して噴射物12をノズル16aから噴射させ、通電後、一方の噴射装置10側に切り替わるように構成されている。
ケース21Aは、周囲を立ち上がり壁22iによって囲繞され、立ち上がり壁22iには複数のネジ21aを螺合させるためのネジボス部22jが設けられている。
ケース21Bは、ケース21A内に各構成部品を装着後にこれらの上面側を覆う蓋としての機能を有し、周囲を立ち上がり壁21fによって囲繞され、立ち上がり壁21fに各ネジ21aを挿通するための複数の穴21bを設け、天板21dにスイッチ24aを露出させる窓21cを設けている。
携帯可能な発射装置20は、スイッチ部24の不意の操作を防ぐ安全カバー26をケース21A,21Bの天板21d及び底板22kに移動自在に装着している。
安全カバー26は、2つのカバー部26a,26bを、組み付けられたケース21A,21Bの厚みと同等の幅を有する連結部26cで結合してなるコ字状を為すとともに、2つのカバー部26a,26bの内面にケース21A,21Bの側面にそれぞれ設けた2つの溝21e,21e(ただし、ケース21Aの溝は省略する)に沿って案内されるそれぞれ2つのガイド26dを設けている。
次に、スイッチ制御回路200を図17に基づいて説明する。
ここでは、2つの噴射装置10を作動させる場合について説明するため、それぞれの非火薬火工式ガス発生器14を火工品(IGN1)14A及び火工品(IGN2)14Bとして説明する。
また、スイッチ部24は、2つのスイッチが一体型となっており、押すと離れる接点と、押すと接続する接点と、共通接点との2つの接点を有し、1個のスイッチの中に2回路2接点のスイッチを構成しているスイッチを用いるため、起動スイッチ兼安全解除スイッチを発射スイッチ(SW1a)24A、点火専用スイッチを発射スイッチ(SW2a)24Bとして説明する。
スイッチ制御回路200は、12F629ならなる制御用IC213を制御装置とし、抵抗(2.2kΩ)202、抵抗(2.2kΩ)203、トランジスタ(2SA1162)205、トランジスタ(2SC2712)206、制御用IC213のポート(ピン番号6、GP1)、抵抗(2.2kΩ)210、コンデンサー(1μF)207、コンデンサー(0.1μF)208、制御用IC213の+電源端子(ピン番号1、Vdd)及び制御用IC213の−電源端子(ピン番号8、Vss)で構成される自己電源保持回路300と、制御用IC213のポート(ピン番号2、GP5)、抵抗(10kΩ)209、コンデンサー(0.1μF)212で構成される発射判定回路(点火意思判定部)301と、制御用IC213のポート(ピン番号5、GP2)、 抵抗(10kΩ)214、トランジスタ(2SC2712)216、トランジスタ(2SC2873)217で構成される1発目の発射回路(点火回路)302と、制御用IC213のポート(ピン番号3、GP4)、抵抗(10kΩ)218、トランジスタ(2SC2712)220及びトランジスタ(2SC2873)221で構成される2発目の発射回路(点火回路)303とを備えている。
本実施形態では、2つのリチウム電池からなる電池23aは、使用する制御用IC213の動作に必要な電力と、使用する火工品(IGN1)14A、火工品(IGN2)14Bの点火に必要な電力を供給する。また、使用する制御用IC213に必要な電圧5V以上を得るために3Vの電池を2個直列にする。さらに、使用する火工品(IGN1)14A、火工品(IGN2)14Bの点火には、1A以上の電流が必要なので各種の3V起電力のリチウム電池の中から円筒型リチウム1次電池CR2を使用した。
抵抗(2.2kΩ)202、抵抗(2.2kΩ)203は、発射スイッチ(SW1a)24AがONになると、電池23aの電池電圧を1/2に分圧し、トランジスタ(2SA1162)205のベース回路233に電圧を供給する。あるいは、トランジスタ(2SC2712)206がON状態となり、電源を自己保持しているときも、トランジスタ(2SA1162)205のベース回路233に電圧を供給する。発射スイッチ(SW1a)24Aの端子235は、トランジスタ(2SC2712)206のコレクタ電圧である。
発射スイッチ(SW1a)24Aは、発射スイッチ(SW2a)24Bと2回路2接点のスイッチを構成している。発射スイッチ(SW1a)24Aが押されるとこの接点はONとなり、トランジスタ(2SA1162)205の動作に必要な電圧を抵抗(2.2kΩ)202、抵抗(2.2kΩ)203でトランジスタ(2SA1162)205のベース回路233に供給する機能を持つ。
トランジスタ(2SA1162)205は、発射スイッチ(SW1a)24A、抵抗(2.2kΩ)202、抵抗(2.2kΩ)203によりトランジスタ(2SA1162)205のベース回路233に電圧が供給されると、エミッターコレクター間が導通し、制御用IC213の電源回路(5.4〜5.8V)237に電圧が供給される。この電圧により、制御用IC213はその機能を発揮する。
トランジスタ(2SC2712)206は、制御用IC213の6番ピンからの電源自己保持制御信号(5V)231を、抵抗(2.2Ω)210を介してトランジスタ(2SC2712)206のベース回路232に受けると、ON状態となり、発射スイッチ(SW1a)24AをONにしたのと同じ効果を与える。そのため、電源自己保持制御信号(5V)231を受けている間は、発射スイッチ(SW1a)24AがOFFとなっても、制御用IC213は機能し続ける。
また、その逆で発射スイッチ(SW1a)24AがOFF状態で、電源自己保持制御信号(5V)231がOFF(0V)になると、トランジスタ(2SA1162)205がOFFになり、制御用IC213自身により、制御用IC213がOFFになり、電池を消耗しない状態になることができる。
制御用IC213のI/Oポート(ピン番号6、GP1)からの自己保持制御電圧231は、制御用IC213がOFF、あるいは制御用IC213が自身でOFFになるときは0V(Low状態)電源を自己保持するときは5V(Hi状態)となる。
自己保持制御電圧231が抵抗(2.2kΩ)210経由でトランジスタ(2SC2712)206を制御するベース回路232の電圧は、自己保持制御電圧231が5Vのときは約0.6V〜0.8V、0Vのときは0Vとなる。
制御用IC213をONにするトランジスタ(2SA1162)205のベース回路233の電圧は、抵抗(2.2kΩ)202と抵抗(2.2kΩ)203によって、電源電圧230の1/2に分圧された電圧である。
制御用IC213の電源電圧237は、トランジスタ(2SA1162)205がONのときは5V、OFFのときは0Vである。
発射スイッチ(SW2a)24B、制御用IC213の入力端子(ピン番号2、GP5)の電圧238は、約5Vであると発射意思なし、0Vだと発射意思ありと判断する。
火工品(IGN1)14Aを点火する制御電圧239は、制御用IC213のI/Oポート(ピン番号5、GP2)より供給される。待機時0V、点火時5Vである。
点火制御電圧239より抵抗(10kΩ)214を経て、点火制御トランジスタ(2SC2712)216のベースに供給される電圧240は、抵抗(10kΩ)214と、抵抗(10kΩ)215とで分圧され、待機時0V、点火時約2.5Vである。抵抗(10kΩ)214は、火工品(IGN1)14Aの点火制御トランジスタ(2SC2712)216、点火制御トランジスタ(2SC2873)217に制御用IC213の点火信号(ピン番号5、GP2)239を伝達する。
火工品(IGN2)14Bを点火する制御電圧241は、制御用IC213のI/Oポート(ピン番号3、GP4)より供給される。待機時0V、点火時5Vである。
点火制御電圧241より抵抗(10kΩ)218を経て、点火制御トランジスタ(2SC2712)220のベースに供給される電圧242は、抵抗(10kΩ)219で分圧されて待機時0V、点火時約2.5Vである。
バイパスコンデンサー(1μF)207及びバイパスコンデンサー(0.1μF)208は、制御用IC213に供給する電源電圧(5.4〜5.8V)237に交流成分やノイズが重丹されるのを防止する。また、トランジスタ(2SA1162)205がOFFとなった際に、ゆっくりと時定数をもって電源電圧(5.4〜5.8V)237を低下させるのにも寄与する。火工品(IGN1)14A、火工品(IGN2)14Bが大きな電流を消費し、瞬間的に電池23aの電池電圧230が電圧降下を生じても保証する作用を持つ。なお、コンデンサー(1μF)207は省略することも可能である。または、抵抗10kΩ〜100kΩを代わりに使用することもできる。本実施形態よりも消費電力が大きな火工品を用いる場合には、徐々にこのコンデンサー(1μF)207を大きくして制御用IC213の動作を安定させることが必要となる。
抵抗(10kΩ)209は、制御用IC213の点火信号を受け取る入力ポート(ピン番号2、GP5)の電圧238を通常は電源電圧237にする抵抗である。発射スイッチ(SW2a)24BがONとなると、制御用IC213の点火信号を受け取る入力ポート(ピン番号2、GP5)の電圧238が0Vとなる。その際に、発射スイッチ(SW2a)24Bに過大な電流が流れないように電流制限する機能をもつ。
抵抗(2.2kΩ)210は、制御用IC213の電源自己保持制御信号をトランジスタ(2SC2112)206に供給する際に、過大な電流が流れて制御用IC213及びトランジスタ(2SC2112)206に悪影響を与えないようにする抵抗である。
発射スイッチ(SW2a)24Bは、発射スイッチ(SW1a)24Aと対を成すスイッチである。発射スイッチ(SW2a)24Bが押されると、制御用IC213の入力ポート(ピン番号2、GP5)を5Vから0Vにする。
コンデンサー(0.1μF)(104という表記をする)212は、制御用IC213の入力ポート(ピン番号2、GP5)のバイパスコンデンサーである。周囲に強力な無線機などの電磁場があり、高周波の誘導電流によって制御用IC213の誤動作を防止する。
抵抗(10kΩ)215は、外部からの強力な無線電波などによって、点火制御トランジスタ(2SC2712)216が誤動作したり、制御用IC213が動作を開始するときにI/Oポート5(GP2)が不安定になって点火制御トランジスタ(2SC2712)216が誤動作するのを防止する。
点火制御トランジスタ(2SC2712)216のエミッタは点火制御トランジスタ(2SC2873)217のベースに接続され、点火制御トランジスタ(2SC2712)216のコレクタと点火制御トランジスタ(2SC2873)217のコレクタは相互に接続され、火工品(IGN)222に接続されている。すなわち、点火制御トランジスタ(2SC2712)216と点火制御トランジスタ(2SC2873)217とはダーリントン接続されている。そのため、制御用IC213のI/Oポート5(GP2)から点火信号239が抵抗214を介して供給されると、2つのトランジスタが一体となって動作し、火工品(IGN1)14Aに点火に必要な電流(1A以上)243が流れ、火工品(IGN1)14Aは点火する。
抵抗218、抵抗219、点火制御トランジスタ(2SC2712)220、点火制御トランジスタ(2SC2873)221、火工品(IGN2)14Bも同じ構成・機能である。
ランド236は、トランジスタ(2SC2712)206のベースと、電池23aのマイナスに接続されている。ここを短絡すると、強制的にトランジスタ(2SC2712)206はOFFとなり、制御用IC213を強制終了することができる。ランド206は、製品検査時などに使用する。コネクタ234のピン245とコネクタ234のピン250を短絡しても同じ作用をする。
制御用IC213には、1入力ポート、3出力ポート以上のプログラム動作が可能な制御用ICであれば使用できる。例えば、マイクロチップテクノロジー社のPIC、ルネサステクノロジー社のH8など多くの制御用ICが使用できる。ピンIOなどは、表1に示す制御用ICの詳細な説明による。
Figure 0005489654
表1及び図において、ICSPCLKとは、制御用IC213に、携帯型液体噴射装置1の制御プログラムを書き込む際に、1,0のビット信号を区別するためのタイミング信号を加える端子である。
また、ICSPDATとは、制御用IC213に、携帯型液体噴射装置1の制御プログラムを書き込む際に、プログラムを1,0のビット信号として印加する端子である。
点火回路に用いられるトランジスタ(2SC2712)216、トランジスタ(2SC2873)217とトランジスタ(2SC2712)220、トランジスタ(2SC2873)221は、制御用IC213からの点火信号を受けて、火工品(IGN1)14A,火工品(IGN2)14Bの点火に必要な電流を流すことが可能なスイッチング回路であれば使用できる。リレーなどの機械式接点を有するスイッチング回路、トランジスタ、FETなど半導体によるスイッチング回路などが使用できる。
本実施形態では、電源として電池23aを用いたが、リチウム電池以外に、例えば、マンガン電池、アルカリ電池などの1次電池、Ni−Cd電池、Ni−H電池、Pb蓄電池、リチウム2次電池など制御用IC213の動作と火工品(IGN1)14A,火工品(IGN2)14Bの点火に必要な電流・電圧を供給できるものであれば使用できる。
長時間の保存、小型軽量、大電流が供給可能などの特性を備えたリチウム一次電池が望ましい。
本実施形態では、PICの動作に推奨されている5V以上の電源電圧が確保可能で、火工品(IGN1)14A,火工品(IGN2)14Bの点火に必要な電流1Aに対して安全率2倍をみて2Aの点火電流が供給可能な、2CR5型円筒形リチウム1次電池を2個直列にして使用した。
一般に、産業用爆薬などに使用されている電気雷管、打ち揚げ煙火などに使用されている点火玉などの火工品には、1A以上の電流を流すことと火薬類取締法の技術上の基準に定められている。
発射スイッチ(SW1a)24A、発射スイッチ(SW2a)24Bを用いたが、発射スイッチSWには、a接点のスイッチであれば使用できる。発射動作の基本は、拳銃・ライフル銃などの銃火器ではすべて発射機構(引き金)を握る動作を行う。そのため、自己復帰用バネが内蔵されている押しボタンスイッチ(通称、モーメンタリー動作の押しボタンスイッチ)が望ましい。
本実施形態において、自己ON/OFF回路を備えているので、発射スイッチ(SW1a)24Aの接点が閉じると、トランジスタ(2SA1162)205のベース回路233に抵抗(2.2kΩ)202、抵抗(2.2kΩ)203で1/2に分圧された電池23aの電圧が作用する。すると抵抗(2.2kΩ)202、抵抗(2.2kΩ)203によりトランジスタ(2SA1162)205のベース回路233に電圧が供給されると、エミッターコレクター間が導通し、制御用IC213の電源回路(5.4〜5.8V)237に電圧が供給される。
そして、発射スイッチ(SW1a)24Aと発射スイッチ(SW2a)24Bには、同時に動作する接点を有する、2回路型を使用しているので、回路の起動スイッチは兼用されている。
なお、本実施形態において、十分に消費電流の少ない制御用IC213と十分に電流容量の大きな電池の組み合わせであれば、制御用IC213は常に待機状態とする場合には本回路は不要である。あるいは、別に制御用IC213をON/OFFするスイッチを設ける場合には本回路は不要である。
費用・コスト・電池がいざ使用するときに消耗しきっていないという安全性を考えると、同時に操作が1つの押しボタンスイッチに集約されるというシンプル性などを考慮すると、2回路型の押しボタンスイッチを用いることが望ましい。
発射スイッチ(SW1a)24Aと発射スイッチ(SW2a)24Bを別々のスイッチにすると、発射スイッチ(SW1a)24Aは装置の起動スイッチ・起動スイッチ兼安全解除スイッチとなり、発射スイッチ(SW2a)24Bは発射専用スイッチになる。このような2段階動作方式の使用も可能である。
次に、落下衝撃など取り扱い中に生じる誤動作要因の排除について説明する。
1)保管待機時の誤動作要因の排除
発射スイッチ(SW1a)24Aが、落下衝撃によって一瞬接点が閉じる(チャタリング現象の1種)が生じても、発射スイッチ(SW2a)24Bの動作を制御用IC231が監視し、発射スイッチ(SW2a)24Bが連続して10ms以上ONにならないと、火工品(IGN1)14A、火工品(IGN2)14Bの点火シーケンスに移行しないために、落下衝撃があっても、あるいは繰り返し落下衝撃が印加されても誤動作は無い。
2)待機動作時の誤動作要因の排除
待機動作中は、発射スイッチ(SW2a)24Bの接点を常時監視し、10ms以上接点が連続ONとなった場合に発射と判断する。このため、待機中も落下衝撃による誤発射は無い。
3)補足事項
一般的な落下衝撃に対する対策は、(a)機械式な回路のロック、(b)衝撃検知センサーなどを備え、衝撃と発射信号の区別を行うなどがあげられる。
(a)はコスト高くなるし、発射に際してロックを外す必要がある。連発式の場合は、一旦ロックを外すと衝撃には無防備になる欠点がある。
(b)は高価な衝撃検知センサーなどが必要であるし、全方向の衝撃を検知するにはセンサーがx、y、zの3軸必要であったりする。衝撃の判定用コンパレーター回路なども必要になる。
4)スイッチという特性
機械式接点を有するスイッチは、通常バネの力で接点を開・閉に保持している。そのため、落下などの強い衝撃が加わると、マイクロ秒からミリ秒のオーダーで一瞬接点が接する場合がある。他方、火工品類はマイクロ秒オーダーの通電でも発火するために、直接電源⇒スイッチ⇒火工品の回路では、この接点の一瞬の接による誤発射は避けられない。
この特性を逆手に取ると、小型から中型のスイッチ類では、2,3msを超えるような接点が接する誤動作モードは無い。そこで、10msを閾値として、発射信号と判断する。
なお、大電力を扱う大型スイッチには落下衝撃による一瞬の接点接も無いものがあるが、可搬式の本発明には使用することは考えられないので除外している。
2.警察無線など、強力な電波発生源の近くで使用する際に生じる誤動作要因の排除
制御用IC(13)のバイパスコンデンサー(7)、(8)、点火制御信号のバイパスコンデンサー(12)によって、警察無線などの電波発生源からの誘導電流をバイパスし、誤動作を防止している。
3.拡張性
1)制御用IC213を用いるということ
制御用IC213は、プログラム可能なICである。したがって、設計変更や部品変更の際に、誤動作防止の判定時間を10msから20msに増やすなどの設計変更も容易である。
2)本装置は、小型の起爆装置や、制御用ICの出力ポートを増やすことで更に多数の火工品を点火したり、制御用ICの入力ポートを増やすことで、いくつかの発射スイッチが同時にONになったとき、あるいは順番にONになったときに点火するなどの拡張性を有する。
トランジスタ216と217、トランジスタ220と221の関係について
この接続方法は、ダーリントン接続と呼ばれる接続方法である。
制御用IC213の出力は、デジタル信号値(Hi、Low)であり、電流として取り出せる電流はmAオーダーである。そのままでは火工品14A,14Bの点火に必要なAオーダーの電流・電力を得ることはできない。トランジスタでそれだけの電流をスイッチングするには、その増幅率は1000倍を超える物が必要となる。1個のトランジスタで増幅率が1000倍以上もあり、流せる電流も1A以上もあるものは販売されていない。そこで、増幅率(直流増幅率:hfe)をあげる方法としてダーリントン接続を行う。
トランジスタ216と217、トランジスタ220と221は、ダーリントン接続しているので、この2個のトランジスタは1つのトランジスタのように振る舞い、その増幅率は近似的に2つのトランジスタの電流増幅率の積となる。
トランジスタ(2SC2712)216の増幅率は70〜700、トランジスタ(2SC2878)217の増幅率は70〜240であるので、両者の積は4900以上にもなる。許容電流も2Aとなる。
本実施形態において、プログラムは、制御用IC213の入力ポートのHi(2進数での1、約5V)とLow(2進数での0、0V)の変化を監視してプログラムに記載された所定の動作(電源の自己保持、点火操作)を行う。
所定の動作(電源の自己保持、点火操作)は、制御用IC213の各出力ポートのHi(2進数での1、約5V)やLow(2進数の0、0V)の変化によって周辺回路の動作を変化させて行う。
以下、制御用IC213の入力ポートのHi(2進数での1、約5V)とLow(2進数での0、0V)と発射スイッチ(SW2a)24Bの関係を説明する。
ケース(1):発射スイッチ(SW1a)24AがOFF⇒電池23aがOFF
⇒ 制御用IC213がOFF=消費電力無しで待機状態
ケース(2):発射スイッチ(SW1a)24AがON ⇒電池23aがON ⇒制御用IC213が機能開始
ケース(1):発射スイッチ(SW2a)24BがOFF⇒制御用IC213の入力ポートがHi
ケース(2):発射スイッチ(SW2a)24BがON⇒制御用IC213の入力ポートがLow
ここで、発射スイッチ(SW1a)24Aと発射スイッチ(SW2a)24Bとは、同一のパッケージに入っていて、押しボタンを押すと同時にONとなるスイッチを標準とする。
すなわち、ケース(1)・ケース(1)かケース(2)・ケース(2)の組み合わせしかない。
発射スイッチ(SW1a)24Aと発射スイッチ(SW2a)24Bとを別々のスイッチにした場合は、発射スイッチ(SW1a)24Aは制御用IC213の起動を行うだけのスイッチとなる(起動スイッチ兼安全解除スイッチと呼ぶ)。
発射スイッチ(SW2a)24Bは、制御用IC213に対して、発射信号を与えるだけのスイッチとなる。
点火信号のポート239(ピン番号5、GP2)の電圧と、点火を制御するダーリントン接続のトランジスタ(2SC2712)216とトランジスタ(2SC2873)217の動作の関係は以下のようになる。
点火信号Low⇒ダーリントン接続のトランジスタ=OFF⇒火工品(IGN1)14Aは点火されない。
点火信号Hi⇒ダーリントン接続のトランジスタ=ON⇒火工品(IGN1)14Aは点火される。
次に、発射の制御信号(発射スイッチの動作)について、図17により説明する。
制御IC213の入力ポート電圧238(ピン番号2、GP5)の動作について説明する。
1)発射スイッチ(SW2a)24BのON/OFF動作との関係について説明する。
ここでは、発射の意思をもって、発射スイッチ(SW2a)24Bを押したときの制御用IC213の入力ポート電圧(ピン番号2,GP5)の電圧変化として示す。
発射スイッチ(SW2a)24BがOFFのときは、抵抗(10kΩ)209が電源電圧(5.4〜5.8V)237に接続されているために、電源電圧(5.4〜5.8V)(Vddで表記される+側電圧)が抵抗(10kΩ)209を介して制御用IC213のに入力ポート電圧(ピン番号2、GP5)に印加されているため、「Hi(約5V)状態」になっている。
発射スイッチ(SW2a)24Bを押すと、その接点は閉じて、制御用IC213の入力ポート(ピン番号2、GP5)の電圧は強制的にマイナス(Vssで表記されるアース側電圧)250に短絡接続され、Low(0V)となる。
再度、発射スイッチ(SW2a)24Bを離すとHiに戻る。
発射スイッチ(SW2a)24BがOFFでHi(5V)、ONでLow(0V)という論理関係になっている。
2)発射スイッチ(SW2a)24Bに落下衝撃が加わった場合について、図18により説明する。
図18は、発射スイッチ(SW2a)24Bに落下衝撃波が加わり、一瞬接点が(踊るように)閉じたときの制御用IC213の入力ポート電圧(ピン番号2、GP5)の電圧変化を示す。
発射スイッチ(SW2a)24Bに落下衝撃が加わった場合、一瞬接点が閉じてLowになることはあるが、制御用IC213のプログラムで、Lowが連続で10ms以上続かない限り、発射信号ではないとプログラムで区別することで、誤発射を回避できる。
次に、コンデンサ(0.1μF(104))212の効果について、図19により説明する。
図19は、発射スイッチ(SW2a)24Bやその接続リード線、プリント基板に周囲の無線機などによる誘導を受けた場合の波形を示す。図19(a)は、コンデンサー(0.1μF(104))212が無い場合、図19(b)は、コンデンサー(0.1μF(104))212が有る場合を示す。
コンデンサー(0.1μF(104))212には、各種のコンデンサー共通の性質として、交流(高周波)は通すが、直流は通さない性質がある。
その性質を利用することで、制御用IC213の入力回路の入力ポート電圧(ピン番号2、GP5)に、強力な無線などから誘導される高周波ノイズを除去する効果がある。
仮に、図19(a)のように、制御用IC213のに入力ポート電圧(ピン番号2、GP5)に、無線機などの近くでの運用によって高周波のノイズが誘導されても、コンデンサー(0.1μF(104))212によって信号238、マイナス250間でバイパスされるので、図19(b)のように制御用IC213のに入力ポート電圧(ピン番号2、GP5)にはノイズを含めた電圧が印加されず、誤発射の危険は無い。
次に、点火の制御信号について説明する。
制御用IC213の出力ポート電圧(ピン番号5、GP2)239の動作は、発射スイッチ(SW2a)24Bの動作と以下の関係にある。
制御用IC213の入力ポート電圧(ピン番号2、GP5)239の動作は、図20に示す。
火工品(IGN1)14Aへ通電、発火後に、再び発射スイッチ(SW2a)24Bが押されると、制御用IC213の火工品(IGN2)用点火ポート電圧(ピン番号3、GP4)241が同様の制御を行い点火される。
次に、自己保持電源の動作について説明する。
発射スイッチ(SW1a)24Aは、制御用IC213の起動をつかさどるスイッチである。しかしながら、発射スイッチ(SW1a)24Aは押しボタンスイッチであるために、1発目を発射し、2発目の発射待ちの状態ではOFFになってしまう。その一旦OFFになった際に、制御用IC213までもがOFFになってしまうと、プログラムも停止するし、次は2発目を打つとの信号(カウンター、カウンターフラグ)も消滅してしまう。それを防止するために、一旦制御用IC213が正常に起動すると、制御用IC213自体が自己電源保持出力ポート(ピン番号6、GP1)をHiにして、発射スイッチ(SW1a)24AのON/OFFにかかわらず制御を続けるようにする機能である。
具体的には、自己保持制御出力ポート(ピン番号6、GP1)がONになると、抵抗(2.2kΩ)210を介してトランジスタ(2SCC2712)206がONとなり、発射スイッチ(SW1a)24AがONとなったのと同じ作用をする。
すなわち、プログラムによって自己保持制御出力ポート(ピン番号6、GP1)231がONの間は、制御用IC213はON状態であり続ける。
1)発射スイッチ(SW1a)24AのON/OFF動作と、トランジスタ(2SA1162)205のベース233電圧の関係を図21に示す。
図21は、発射の意思をもって、発射スイッチ(SW1a)24Aを押したときの、電源自己保持動作用トランジスタ(2SA1162)205のベース電圧の電圧変化を示す。
発射スイッチ(SW1a)24AがOFFのときは、電圧は印加されないが、発射スイッチ(SW1a)24AがONで抵抗(2.2kΩ2)202と抵抗(2.2kΩ)203で1/2に分圧された電池電圧230が印加されて、Hi(約3V)となる。
発射スイッチ(SW1a)24Aを離すと0Vに戻る。
2)発射スイッチ(SW1a)24Aに落下衝撃が加わった場合について、図23により説明する。
発射スイッチ(SW2a)24Bに落下衝撃が加わった場合、一瞬接点が閉じて電源自己保持動作用トランジスタ(2SA1162)205に電圧が印加されるが、制御用IC213のプログラムで連続で10ms〜50ms(プログラムで設定)続かない限り、自己保持はしない信号と区別することができる。
制御用IC213が、電源を自己保持するとした場合、ピン番号6、GP1に電源保持信号がでて、トランジスタ(2SC2712)206がONとなり、電源は自己保持される。
トランジスタ(2SC2712)206がONになると、図24に示すように、発射スイッチ(SW1a)24Aの動作に関係なく電源は自己保持される。
次に、携帯型液体噴射装置1の動作フローとプログラムフローについて、図25により説明する。
カウンターはプログラム上の概念で、1発目を撃つ、2発目を撃つの区別をする。
もし、3連発、4連発とする場合は、その数だけ出力の制御ポートとダーリントン接続のトランジスタが必要になる。
1.待機状態(保管状態)
発射スイッチ(SW1a)24AがOFF、制御用IC213がOFFになっている(図25のステップS1)。通常の保管時、輸送時、携帯時はこの状態になる。
2.装置の起動
発射スイッチ(SW1a)24AがONとなり、制御用IC213に電力が供給される(図25のステップS2、S3)。制御用IC213が起動し、プログラムが実行される。
制御用IC213は、発射スイッチ(SW1a)24Aが押されると、発射の意思の確認のために、30ms間ONが継続されるか否かを確認する。確認されると、制御用IC213がONする(自己電源保持開始)。
制御用IC213が、30msの間待つ間に、制御用IC213では次の1)2)の確認が行われている。
1)発射スイッチ(SW1a)24Aが押され続けており、これは発射態勢に移行すべきか否かを判断する(図25のステップS5)。
2)発射スイッチ(SW1a)24Aは、一瞬ONとなった=落下衝撃等の誤動作であり、待機状態に戻るべきか否かを判断する(図25のステップS4)。
1)と2)の違いは、以下の動作により自動的に進められる。
発射スイッチ(SW1a)24Aの接点が閉じている間は、制御用IC213に電力が供給され続ける。発射スイッチ(SW1a)24Aの接点が離れると、制御用IC213に電力が供給されなくなる。
30ms以上発射スイッチ(SW1a)24Aが連続で押されていると、制御用IC213は自己電源保持を開始し、次の動作へ移る(図25のステップS5)。
30ms未満で発射スイッチ(SW1a)24Aの接点が離れると、制御用IC213の電源はOFFとなり動作を停止する(図25のステップS5、S14)。
制御用IC213は、発射スイッチ(SW1a)24Aが30ms以上連続で接点が閉じているか否かで落下衝撃などの異常を判定し、誤動作を防止する(図25のステップS4、S5)。
30ms後もなお発射スイッチ(SW1a)24AがONならば、制御用IC213による自己電源保持が始まる(図25のステップS6)。
制御用IC213は、発射カウンターの初期化を行う(図25のステップS7)。ここでは、火工品(IGN1)14Aを1発明の火工品と指定する。
この自己電源保持に関与する回路構成は、自己電源保持回路300である。
制御用IC213のポート(ピン番号6、GP1)は、電源を保持し続けるときはHiになる。抵抗(2.2kΩ)210は、Hi信号をトランジスタ(2SA1162)205へ供給する。トランジスタ(2SA2712)206は、制御用IC213の電圧を抵抗(2.2kΩ)210経由で受け取り、トランジスタ(2SA1162)205をONにする。抵抗(2.2kΩ)202及び抵抗(2.2kΩ)203は、トランジスタ(2SA1162)205に供給する電圧を抵抗(2.2kΩ)202及び抵抗(2.2kΩ)203で作る。トランジスタ(2SA1162)205は、トランジスタ(2SA2712)206によりONとなり、制御用IC213へ電力を供給する。リチウム電源201は、電源を供給する。コンデンサー(1μF)207は、制御用IC213の動作を安定させる。コンデンサー(0.1μF)208は、制御用IC213の動作を安定させる。制御用IC213の+電源端子(ピン番号1、Vdd)及び制御用IC213の−電源端子(ピン番号8、Vss)は、リチウム電源201の電力がトランジスタ(2SA1162)205を経由して供給される。
3.発射の判定と発射
この段階では、制御用IC213のプログラムは完全に起動しており、発射スイッチ(SW1a)24Aの接点の動作ではなく、発射スイッチ(SW2a)24Bの動作により以下の判定を行う。
発射スイッチ(SW2a)24Bは、連続して10ms以上押し続けられており、制御用IC213は、発射の意思があるか否かを確認する(図25のステップS8)。
この発射の意思の確認に関与する回路構成は、発射判定回路(点火意思判定部)301である。
なお、発射後の発射スイッチ(SW2a)24BのOFFの判定も、発射判定回路(点火意思判定部)301で行う。
制御用IC213のポート(ピン番号2、GP5)は、待機がHi、発射がLowである。抵抗(10kΩ)209は、発射スイッチ(SW2a)24Bの入力で、発射信号の電圧を作り出す。発射スイッチ(SW2a)24Bは、押しボタ発射の意思を人から装置へ伝えるインターフェースである。コンデンサー(0.1μF)212は、高周波のノイズを除去する。
1)制御用IC213は、発射スイッチ(SW2a)24Bが10ms以上連続でONであると、発射の意思ありと判断し、発射カウンターの指定する点火回路(IGN)をONとして発射する(図25のステップS10、S11)。発射は、カウンターの値が1であれば、火工品(IGN1)14Aを、2であれば火工品(IGN2)14BをONとして点火する。
ここに対応する回路構成は、1発目の発射回路(点火回路)302及び2発目の発射回路(点火回路)303である。
1発目の発射回路(点火回路)302では、制御用IC213のポート(ピン番号5、GP2)は、 発射時はHiになる。抵抗(10kΩ)214は、発射信号をトランジスタ(2SC2712)216へ供給する。トランジスタ(2SC2712)216及びトランジスタ(2SC2873)217は、ダーリントン接続で、点火電流をON/OFFする。火工品(IGN1)14Aは、所定の電流が流れると発火し作動する。
2発目の発射回路(点火回路)303では、制御用IC213のポート(ピン番号3、GP4)は、発射時はHiになる。抵抗(10kΩ)218は、発射信号をトランジスタ(2SA2712)220へ供給する。トランジスタ(2SC2712)220及びトランジスタ(2SC2873)221は、ダーリントン接続で、点火電流をON/OFFする。火工品(IGN2)14Bは、所定の電流が流れると発火し作動する。
2)制御用IC213は、発射スイッチ(SW2a)24Bが10ms未満のONであると、これは、一旦発射しようと思って発射スイッチ(SW2a)24Bを押したが、その後で落下衝撃をうけたと判定して、発射しない(図25のステップS8、S9)。特に、1発目を打って、2発目を撃つ前の時間の落下による誤動作を防止する。
4.発射完了の判定と次弾準備
制御用IC213は、発射後の発射スイッチ(SW2a)24Bの状態を監視し、50ms以上OFF(スイッチから手を離す)であれば、発射完了と判断し、次弾を打つ準備に入る(図25のステップS13)。
具体的には、発射カウンターを1つ進め、3.発射の判定と発射に戻る。
この発射完了の判定(発射完了判定部)と次弾準備に関与する回路構成は、発射判定回路(点火意思判定部)301である。
制御用IC213のポート(ピン番号2、GP5)は、待機がHi、発射がLowである。抵抗(10kΩ)209は、発射スイッチ(SW2a)24Bの入力で、発射信号の電圧を作り出す。発射スイッチ(SW2a)24Bは、押しボタ発射の意思を人から装置へ伝えるインターフェースである。コンデンサー(0.1μF)212は、高周波のノイズを除去する。
5.撃ちつくし時の処置、長期放置時の処置
n発式で、n発撃ちつくすと、自己電源保持を解除して、動作は終了する。
ここで関与する回路構成は、自己電源保持回路300である。
なお、タイマー式で何発撃ったかにかかわらず、ある時間が過ぎると自己電源保持を解除して動作が終了することもできる。
次に、本実施形態に係る携帯型液体噴射装置1の作用を説明する。
先ず、本実施形態に係る携帯型液体噴射装置1の組立について説明する。
図2、図10に示すように、2つの噴射装置10をそのウエッジ部14wから携帯可能な発射装置20の挿入穴28内に挿入し、携帯可能な発射装置20のソケット組み付け部22a,22bに設けたソケット22c,22dにそれぞれのウエッジ部14wを係合することによって、図1、図7、図11に示すように、ノズル部16を挿入穴28から突出した状態で2つの噴射装置10を携帯可能な発射装置20への組付が完了する。
ウエッジ部14wとソケット22c,22dとの結合は、図9に示すように、一方の噴射装置10のウエッジベース14nの+側の脚線14j1とソケット22cの+側の端子22c1とが接続され、同様にウエッジベース14nの−側の脚線14j2とソケット22cの−側の端子22c2とが接続される。他方の噴射装置10のウエッジベース14nの+側の脚線14j1とソケット22cの+側の端子22d1とが接続され、同様にウエッジベース14nの−側の脚線14j2とソケット22dの−側の端子22d2とが接続される。
このように、2つの噴射装置10を携帯可能な発射装置20に取り付けることによって、携帯型液体噴射装置1の組立は完了する。
携帯型液体噴射装置1は、使用者が窓21c,22hから指を入れてスイッチ24aを何時でも操作できるようになっている。誤操作を防止するために、安全カバー26をスライドさせて、窓21c,22hを塞ぐことができる。
次に、携帯型液体噴射装置1の作用について説明する。
待機状態では、制御用IC213に電源が供給されていない。リチウム電源201はOFFであり、電源は消費されていない。通常の保管時、輸送時、携帯時はこの状態にある。
この状態で、使用者が不審者等に遭遇した場合、図12(a)に示すように、不審者Xに対して使用者Yが携帯型液体噴射装置1のスイッチ24aを押すと、一方の噴射装置10に通電し、電池23aの電流が脚線14j1,14j2を通り、非火薬火工式ガス発生器14の電橋線14tに通電し、電橋線14tが発熱し、点火薬14eが発火し、点火薬14eの発火によりガス発生剤14cが燃焼し、発生したガスにより、ガス発生器管体14bが破れ、ガス圧が開放され、図13(a)に示すように、開放されたガス圧がピストン13を押し、ピストン13が噴射物12を押し、押された噴射物12がシール18を破り、ノズル16aから外部に噴射される(図25参照)。ここで、シール18を破るための力は、1〜3kgf程度としてある。
なお、図13(b)に示すように、アダプタ17内部にピストン13が到達すると、アダプタ17内部とピストン13の隙間をガス圧が通過し、残圧が外部へ開放される。
一方、スイッチ部24では、一方の噴射装置10への通電後、スイッチ回路のプログラムが他方の噴射装置10側に切り替わる(図25参照)。
この状態で、図12(b)に示すように、使用者Yが、もう1度スイッチ24aを押すと、他方の噴射装置10に通電し、電池23aの電流が脚線14j1,14j2を通り、非火薬火工式ガス発生器14の電橋線14tに通電し、電橋線14tが発熱し、点火薬14eが発火し、点火薬14eの発火によりガス発生剤14cが燃焼し、発生したガスにより、ガス発生器管体14bが破れ、ガス圧が開放され、図13(a)に示すように、開放されたガス圧がピストン13を押し、ピストン13が噴射物12を押し、押された噴射物12がシール18を破り、ノズル16aから外部に噴射される。
一方、スイッチ部24は、他方の噴射装置10への通電後、スイッチ回路のプログラムが一方の噴射装置10側に切り替わる(図25参照)。
このように、本実施形態に係る携帯型液体噴射装置1は、不審者Xに対して、噴射物12の噴射を続けて2度行うことができるので、自己防衛することが可能となる。
そして、2つの噴射装置10を使用後には、使用後の2つの噴射装置10を携帯可能な発射装置20から抜き取り、新たな噴射装置10をそれぞれ携帯可能な発射装置20に装着する。
これによって、再び本実施形態に係る携帯型液体噴射装置1を使用可能な状態にすることができる。
また、電池23aの交換は、ネジ21aを取り外し、ケース21Bをケース21Aから取り除くことによって行われる。
次に、本実施形態に係る携帯型液体噴射装置1において、ピストン13(外径、長さ、溝サイズ)とアダプタ17内径部分(内径、内径長さ)のクリアランスの最適条件を検討した。
圧力開放機構が機能するピストンとアダプタの関係を検討する。
図14(a)において、〔1〕〔2〕〔3〕で示すガス流路部分の条件により圧力開放機構が機能するか作動試験を行った。
その結果を表2、表3、表4に示す。
〔1〕ピストン長とアダプタ内径長の関係
Figure 0005489654
表2に示す結果から、ピストン長<アダプタ内径長が求められた。
〔2〕ピストン外径とアダプタ内径の関係
Figure 0005489654
表3に示す結果から、ピストン外径<アダプタ内径が求められた。
〔3〕ピストンの圧力開放溝形状
Figure 0005489654
表4に示す結果から、ピストン外周からノズルへの流路が確保できる形状であれば溝形状に制限はないことが求められた。
各表における評価を○、×で示す。
○:噴射装置内に噴射物が残っていない。(圧力開放機構が機能した)
×:噴射装置内に噴射物が残っている。(圧力開放機構が機能すれば、噴射装置内に噴射物は残らない)
以上より、圧力開放機構が機能するアダプタ17とピストン13の関係は、下記の通りである。
ピストン長<アダプタ内径長
ピストン外径<アダプタ内径
ピストン外周からノズル16aへの流路が確保できる形状であれば溝形状に制限はない。
次に、本実施形態に係る携帯型液体噴射装置1において、ノズル径と噴射物粘度条件を変え噴射試験を行い、ノズル径φ1.5mm〜3mm、噴射物粘度6〜40dPa・sの条件の噴射状況が良いことを確認した。
最適な噴射条件(ノズル径、噴射物粘度)を見つける。
試験方法
図15(a)に示すように、一方に噴射装置を固定し、噴射装置から5mの位置にA3用紙を貼り付けた板を設置する。
噴射装置から噴射した噴射物のA3用紙への付着状況を確認する。
ノズル
噴射時、噴射物が拡散しにくく、噴射可能なノズル径を求める。
噴射物が拡散しにくいように、1孔直進ノズルを使用し、ノズル径を変化させる。
噴射物
噴射時、拡散しにくく、噴射可能な噴射物粘度を求める。
粘度調整を行い試験をするため、試験には墨汁を水で希釈したものにゲル化剤を添加し、添加量により粘度調整を行った。
ゲル化剤: キサンタンガム
溶媒 : 墨汁+水
図15(b)に示すグラフは、上記条件でのゲル化剤添加量と粘度の関係であり、ゲル化剤の種類、溶媒の種類によって関係は変化する。噴射物粘度は20℃で測定した。
結果評価
図15(c)に示すように、噴射結果を、A3用紙への噴射物の付着状況に応じて○×で評価した。
結果を表5に示す。
Figure 0005489654
表5において、
※1.ガス発生剤薬量0.3g〜0.5gで試験
※2.噴射物量は最大6mlで試験
以上より最適な噴射条件は、下記の通りである。
ノズル径:φ1.5mm〜3mmの直進1孔ノズル
噴射物粘度:6〜40dPa・s
なお、上記実施形態では、ピストン13の衝突時に、ガス圧をノズル部16から外部へ開放させる圧力調整機構を、ピストン13とアダプタ17とに設ける場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、図16に示すように、アダプタ17の内壁とピストン受け面17cとに連なる複数の圧力開放溝17dで構成しても良い。
なお、本実施形態では、2つの噴射装置10を発射する場合について説明したの表6に示す変数を用いた。
本発明はこれに限らずn発発射することが可能である。その場合には、表7に示す変数を用いればよい。
Figure 0005489654
Figure 0005489654
ここで、本実施形態において、携帯型液体噴射装置1の各待ち時間を決めた根拠を説明する。
本実施形態において採用している発射スイッチ(SW1a)24A及び発射スイッチ(SW2a)24Bのような押しボタンスイッチなどように、可動式の接点をバネで押さえ込む形式のスイッチには、前述したように、落下衝撃などにより一瞬接点が閉じてしまう、チャタリングと呼ばれる現象がある。
このチャタリング現象は、スイッチがOFF状態である時にONになるパターンだけでなく、スイッチがONの時に一瞬接点が開きごく短い時間OFFになるパターンもある。また、ONからOFFに切り替わる際に何度か接点がON/OFFすることもある。
一般的に、OFF時に一瞬ONになる場合より、ON時に一瞬OFFになる場合が現象として長く続く。例えば、前者は1ms程度の瞬間ONが1,2回、後者は1ms程度の一瞬OFFが4、5回という具合である。
本実施形態では、このスイッチのチャタリング独特の特性を考慮し、待機時間を調整している。
1.起動時の待ち時間(30ms)
OFF状態にあるスイッチが、落下衝撃などにより間違って発射してしまうのを防ぐための時間待ちである。
本体を地面に落とした際に、2,3回バウンドする場合もあることから、2,3回の連続した衝撃による誤動作を防ぐために長い目に時間を取ってある。
すなわち、3ms程度の間を考える必要がある。
しかし、あまり長くすると、いざ発射する際に射手はタイムラグを感じることになる。人間は押した⇒発射のタイムラグを敏感な人で50ms程度から感じ始める。そこで、フィーリングが悪化せず、かつ落下に対する安全率を10倍程度みて30msとした。
2.発射判定(10ms)
1発目を撃ってから2発目を撃つ状態でも、念のために落下衝撃に対しての安全を保つ必要がある。
しかし、この状態は既に撃つ体制だから、不用意に落とすのとは状況が違う。そこで、3倍程度安全率をみて10msとした。
3.OFF判定(50ms)
OFF判定を行わないと、1発目の発射が完了したか否かが分からない。
スイッチを離す速さは、人により違う。ゆっくりと離す人の場合は5ms程度チャタリングが生じることも考えられる。さらに、スイッチがONからOFFになる時のチャタリングは、ONになる時よりも長いというスイッチの特性がある。
このON・OFFを2発目の発射と誤認識すると連射になってしまう。そこで、安全率を10倍程度見て、50msにした。
また、本実施形態では、2発の発射を行う場合について説明したが、本発明では、これに限らず、3発以上の発射を行う場合にも適用できる。この場合は、例えば、次にようなフローにより対応する。
今回は何発目の発射かを判断し、2発目の発射であるとすると、火工品(IGN2)14Bにつながる発射ポート(ピン番号5、GP2)をHiにする。発射スイッチ(SW2a)24BがOFFになったか否か(=入力ポートがHiに戻ったか否か)を判断し、戻ったことを確認したら、発射カウンターを1つ進める(次は、3発目)。
次に、発射スイッチ(SW2a)24Bが再び押される(=入力ポートがLowになる)のを監視し続ける。
次に、発射スイッチ(SW2a)24BがOFFになったか否か(=入力ポートがLowになったか否か)を判断し、発射スイッチ(SW2a)24BがONされていることを確認したら、10ms以上連続して発射スイッチ(SW2a)24Bを押していれば、今回は何発目の発射かを判断する工程に移行する。
n発の場合には、この工程を繰り返す。
(第二実施形態)
図26〜図37は、本発明の第二実施形態に係る携帯型液体噴射装置100を示す。
本実施形態に係る携帯型液体噴射装置100は、2つの噴射装置110と、これら2つの噴射装置110を装着する携帯可能な発射装置120とで構成されている。
先ず、2つの噴射装置110について説明する。
2つの噴射装置110は、図28、図29に示すように、噴射物112を充填する容器111と、噴射物112を押圧して容器111から噴射物112を噴射させるピストン113と、ピストン113を押圧するガス圧を生成する非火薬火工式ガス発生器114と、ピストン113によって押圧される噴射物112を噴出するノズル部116と、ノズル部116と容器111との間に介装されるカップ117とを有する。2つの噴射装置110は、携帯可能な発射装置120への装着の目印となる△シール119を容器111に張り付けている。
噴射物112は、第一実施形態における噴射物12と同じものを使用した。従って、詳細説明は省略する。
噴射物112を充填する容器111は、たとえば、ステンレス、アルミニウム等の金属製の筒状体で構成され、一端部に非火薬火工式ガス発生器114をねじ込む雌螺子部111aを設け、他端部にノズル部116をねじ込む雌螺子部111bを設けている。また、容器111は、内壁面から中心に向かって突出する環状のピストン受け面111dを設けて、ピストン113を衝突させる壁面としている。
そして、ピストン受け面111d側の内径がピストン113側の内径より僅かに大きくして圧力開放部111eを形成している。この圧力開放部111eは、第一実施形態において説明した圧力開放機能が機能するアダプタ17とピストン13との関係に基づき、下記のように設定されている。
ピストン113の長さ<圧力開放部111eの内径の長さ
ピストン113の外径<圧力開放部111eの内径
ピストン受け面111dのノズル部116側の壁面は、ノズル部116を取り付ける際に、噴射物112が漏れ出ないように封鎖する、例えば、弾性のある合成樹脂製の溝付きカップ117を介装させる当接面とされる。
ピストン113は、例えば、テフロン(登録商標)、ABS樹脂、ナイロン樹脂等のプラスチック製の円柱形状を為す本体113aと、噴射物112を押圧する前端部113b側に設けた圧力開放溝113cと、非火薬火工式ガス発生器114のガス噴出口に接する後端部113d側に設けた圧力受け凹部113eとを備えている。そして、ピストン113は、容器111の一端部の雌螺子部111aより内方の内壁面111cに装着されている。
非火薬火工式ガス発生器114は、ガス発生部114aと、例えば、ステンレス、アルミニウム製の金属製の円筒状体からなり、ガス発生部114aを収容、固定するホルダ114oと、電橋線付塞栓114gと電橋線付塞栓114gに連絡する脚線114j1,14j2とをエポキシ樹脂にて固定するとともに、電橋線付塞栓114gに連絡する脚線114j1,14j2を接続する、ワイヤーマウントプラグ114kとで構成されている。
ガス発生部114aは、例えば、アルミニウム製の金属製の有底筒状体からなるガス発生器管体114b内に、ガス発生剤114cを填薬し、点火薬カップ114d、点火薬114e、点火薬ホルダ114f、電橋線付塞栓114gを順に装填し、ガス発生器管体114bを点火薬ホルダ114fの部位114hと電橋線付塞栓114gの部位114iとにおいてカシメ処理を施して形成されている。
ガス発生器管体114bは、例えば、アルミニウム等の軟質金属材料を用いることによって、非火薬組成物であるガス発生剤114cの反応熱及び反応ガス圧力が容易にガス発生器管体114bを破壊して外部に伝達し得るようにしてある。ガス発生器管体114bは、加工性の良い軟質金属材料であれば何でも良いが、例えば、銅を用いる電気雷管と全く同一の形状になるため、アルミニウム(例えば、A1−6016−0等)を用いることにより紛らわしさを除いたものである。また、このアルミニウム製のガス発生器管体114bには、内外面にアルマイト処理が施されている。
ガス発生器管体114bには、第一実施形態と同様に、ガス発生剤114cが0.3g〜0.5gの範囲で充填されている。このガス発生剤114cは、第一実施形態のガス発生剤14cと同じものを使用した。従って、詳細説明は省略する。
ガス発生器管体114b内には、第一実施形態と同様に、充填されたガス発生剤114cと点火薬114eとの混合防止のために隔壁となる合成樹脂製のカプセル形状の点火薬カップ114dが配置されている。この点火薬カップ114dは、第一実施形態の点火薬カップ14bと同じものを使用した。従って、詳細説明は省略する。
点火薬カップ114dは、第一実施形態と同様に、肉厚0.1mm以下の薄膜で形成カプセルを半切した形状のものを使用し、点火薬ホルダ114fに挿入される。点火薬カップ114d、点火薬ホルダ114fには、非火薬組成物で構成する点火薬114eと電橋線付塞栓114gの電橋線(例えば、白金−イリジュウム線)114tが配置されている。点火薬114eとして、ボロン/酸化第二銅=10〜20重量%/80〜90重量%とした。
電橋線付塞栓114gは、点火薬カップ114dに点火薬ホルダ114fを挿入し、点火薬114eを0.06〜0.13gの範囲で填薬した後に挿入されてから、ガス発生剤114cが填薬されたアルミニウム製のガス発生器管体内に圧入され、アルミニウム製のガス発生器管体114bに固着される。このガス発生器管体114bを電橋線付塞栓114gにカシメたものをホルダ114o内に挿入し、エポキシ樹脂を充填する。電橋線付塞栓114gから伸びた脚線114j1,114j2にワイヤーマウントプラグ114kをカシメ接続する。ガス発生部114aが発火した際の後方へのガスの噴出は、ホルダ114o内に充填したエポキシ樹脂によって阻止される。
ワイヤーマウントプラグ114kは、図33、図34に示されるように、内部に仕切壁を設けた箱形のプラグ本体114mと、プラグ本体114mの開口端まで延出するようにプラグ本体114m内の仕切壁に上下に取り付けられる+側の雄端子114u及び−側の雄端子114vと、プラグ本体114mの外天板において、プラグ本体114mの開口端側から噴射装置110側に向かって折り返して上下方向に伸縮自在に取り付けられるロック用の舌片114wと、ロック用の舌片114wの先端に取り付けられる解除用の爪部114xと、ロック用の舌片114wの途中に取り付けられるロック用の凸部114yとを有する。
ホルダ114oは、ガス発生部114aを固定するとともに開口側に向かって拡大するガス噴出口114qを備えた内壁部114pを有し、ガス噴出口114q側の開口端部外周に雄螺子部114rを設けている。ホルダ114oの材質は、例えば、ステンレス、アルミニウムが使用可能である。
ノズル部116は、例えば、ステンレス、アルミニウム等の金属製、又はABS樹脂、ナイロン樹脂等の硬質樹脂製の1孔直進ノズルで構成され、ノズル孔116aの孔径がφ1.5mm〜3mmとされ、端部に容器111との接続用の雄螺子部116bを設けている。
ノズル部116のノズル孔116aの端面には、噴射装置110の作動前後の識別、ノズル部116内への異物の侵入を防ぐために、例えば、紙製、合成樹脂製の円形の粘着シールからなる封シール118が貼り付けられている。
次に、携帯可能な発射装置120について説明する。
図30に示すように、携帯可能な発射装置120は、例えば、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂等の射出成型品からなる二つ割りのケース121A,121Bを複数のネジ121aで結合することによって外形が携帯可能とされる容器形状を為している。
ケース121Aは、ノズル部116を露出させて2つの噴射装置110を交換可能にそれぞれ取り付ける2つの取付部122と、2つの取付部122にそれぞれ取り付けられる各噴射装置110に電力を供給する電源部123と、電源部123と噴射装置110との間に設けられ、電源部123と噴射装置110とを短絡させるスイッチ部124と、電源部123とスイッチ部124とを取り付け、取付部122と連絡する電源回路基板125とを有する。
取付部122は、各噴射装置110のワイヤーマウントプラグ114kと結合するワイヤーマウントソケット122a,122bと、各噴射装置110の側部を拘束するように対向して立ち上がる仕切壁部122eと、各噴射装置110の容器111の先端側部を固定するOリング122fと、ノズル部116を露出させる各噴射装置110の挿入穴128を形成する凹部122gとを有する。ワイヤーマウントソケット122a,122bは電源回路基板125に半田付けされている。
ワイヤーマウントソケット122a,122bは、図33、図34に示すように、ワイヤーマウントプラグ114kを嵌合させる凹部を設けた箱形のソケット本体122cと、ソケット本体122cの凹部の壁面に上下に取り付けられる+側の雌端子122c1及び−側の雌端子122c2と、ソケット本体122cの天井に設けられ、プラグ本体114mに取り付けられたロック用の凸部114yを嵌め込む穴部122c3とを有する。ワイヤーマウントソケット122a,122bは、図33、図34に示すように、支持板122dに取り付けられている。支持板122dは、ワイヤーマウントソケット122a,122bの+側の雌端子122c1及び−側の雌端子122c2を電源回路基板125に連絡する脚線(図示せず)を備えている。
ここで、噴射装置110のワイヤーマウントプラグ114kとワイヤーマウントソケット122a,112bとの接続について説明する。
図33は接続前の状態、図34は接続後の状態を示す。
噴射装置110のワイヤーマウントプラグ114kの+側の雄端子114uとワイヤーマウントソケット122a,122bの+側の雌端子122c1とが接続され、同様にワイヤーマウントプラグ114kの−側の雄端子114vとワイヤーマウントソケット122a,122bの−側の雌螺子122c2とが接続される。また、ワイヤーマウントプラグ114kのロック用の舌片114wの凸部114yがワイヤーマウントソケット122a,122bの穴部122c3に入り込むことで、ワイヤーマウントプラグ114kとワイヤーマウントソケット122a,122bが接続、固定される。
電源部123は、2つの電池123aを直列に固定できるように電極123c,123dをそれぞれ対向配置している。スイッチ部124は、仕切壁部122e間に設けられている。スイッチ124aが押圧できるように、噴射装置110のノズル部116側側面に突出している。
本実施形態において、スイッチ部124は、第一実施形態のスイッチ部24と同一構成となっているので、その説明を省略する。
ケース121Aは、周囲を立ち上がり壁122iによって囲繞され、立ち上がり壁122iには複数のネジ121aを螺合させるためのネジボス部122jが設けられている。
ケース121Bは、ケース121A内に各構成部品を装着後にこれらの上面側を覆う蓋としての機能を有し、周囲を立ち上がり壁121fによって囲繞され、立ち上がり壁121fに各ネジ121aを挿通するための複数の穴121bを設けている。また、天板121dの一端部側には、スイッチ124aを露出させる開口121cを設けている。
ケース121Bは、ケース121A内に各構成部品を装着後にこれらを覆う蓋としての機能を有し、周囲を立ち上がり壁121fによって囲繞され、立ち上がり壁121fに各ネジ121aを挿通するための複数の穴121bを設け、天板121dに解除ボタン取付け用の窓121yを設けている。解除ボタン121gは、図35、図36に示すように、噴射装置110を携帯可能な発射装置120から取り外すためのもので、弾性の合成樹脂製の部品であり、周囲に窓121yに係止される環状溝121iを設けたボタン本体121hと、このボタン本体121hの中央部に設けた解除用の凸部121jとを有する。
解除ボタン121gを押すことで、図35、図36に示すように、解除ボタン121gの凸部121jがワイヤーマウントプラグ114kのロック用の舌片114wに設けた爪部114xを押し、ロック用の舌片114wの凸部114yがワイヤーマウントソケット122a,122bの穴部122c3から外れる。この状態で噴射装置110のノズル部116を携帯可能な発射装置120から引き抜くことで、噴射装置110を携帯可能な発射装置120から取外すことができる。
携帯可能な発射装置120は、スイッチ部124の不意の操作を防ぐ安全カバー126をケース121A,121Bのスイッチ部取付側面に装着している。
安全カバー126は、図36、図37に示すように、2つのカバー部126a,126bを、組み付けられたケース121A,121Bの厚みと同等の幅を有する連結部126cで結合してなるコ字状を為すとともに、2つのカバー部126a,126b及び連結部126cの内面にケース121A,121Bの挿入穴128を形成する仕切壁121f,122eの外側面にそれぞれ設けた溝121x,122xに沿ってそれぞれ案内される爪部126dを設けたガイド126eを設けている。ガイド126eの間には、スイッチ124aが収容されるようになっている。
図26、図27、図28に示すように、携帯可能な発射装置120の2つの挿入穴128の近くには、噴射装置110の携帯可能な発射装置120への装着時に、噴射装置110の容器111に張り付けられた△シール119と頂点位置を合わせを行う目印として△部129が設けてある。
また、携帯可能な発射装置120の2つの挿入穴128の近くには、発射される噴射装置110の順番を示す数字1,2が設けられている。
また、携帯可能な発射装置120には、カバー121Aに照準器を構成する凸部121jと凹部121kが設けられている。この照準器は、図28に示すように、凸部121jを狙い位置とし、凸部121jの上面と凹部121kの上面とが一直線になることで、上下の狙いを付け、また、凹部121kの中心に凸部121jがくることで左右の狙いを付けることができる。
次に、本実施形態に係る携帯型液体噴射装置100の作用を説明する。
先ず、本実施形態に係る携帯型液体噴射装置100の組立について説明する。
図28に示すように、2つの噴射装置110をそのワイヤーマウントプラグ114kから携帯可能な発射装置120の挿入穴128内に挿入し、図33、図34に示すように、携帯可能な発射装置120のワイヤーマウントソケット122a,122bに結合することによって、図27、図31、図32に示すように、ノズル部116を挿入穴128から突出した状態で2つの噴射装置110を携帯可能な発射装置120への組付が完了する。
ワイヤーマウントプラグ114kとワイヤーマウントソケット122a,122bとの結合は、図33、図34に示すように、それぞれの噴射装置110のワイヤーマウントプラグ114kの+側の雄端子114uとワイヤーマウントソケット122a,122bの+側の雌端子122c1とが接続され、同様にワイヤーマウントプラグ114kの−側の雄端子114vとワイヤーマウントソケット122a,122bの一側の雌端子122c2とが接続される。また、ワイヤーマウントプラグ114kの凸部114yがワイヤーマウントソケット122a,122bの穴部122c3に入り込み、固定される。
このように、2つの噴射装置110を携帯可能な発射装置120に取り付けることによって、携帯型液体噴射装置100の組立は完了する。
携帯型液体噴射装置100は、使用者が発射装置のノズル部116側のスイッチ124aを何時でも操作できるようになっている。誤操作を防止するために、安全カバー126をスイッチ124a、ノズル部116側に取り付けている。
この状態で、使用者が不審者等に遭遇した場合、図18に示すように、安全カバー126を取り外す。
そして、図37に示すように、不審者Xに対して使用者Yが携帯型液体噴射装置100を向けてスイッチ124aを押すと、一方の噴射装置110に通電し、電池123aの電流が脚線114j1,114j2を通り、非火薬火工式ガス発生器114の電橋線114tに通電し、電橋線114tが加熱し、点火薬114eが発火し、点火薬114eの発火によりガス発生剤114cが燃焼し、発生したガスにより、ガス発生器管体114bが破れ、ガス圧が開放され、開放されたガス圧がピストン113を押し、ピストン113が噴射物112を押し、押された噴射物112がカップ117を破り、封シール118を破り、ノズル116aから外部に噴射される。
ここで、カップ117を破るための力は、1〜3kgf程度、封シール118を破るための力は、0.5kgf程度としてある。
上述の作用時において、容器111の圧力開放部111eにピストン113が到達すると、圧力開放部111eとピストン113の隙間をガス圧が通過し、残圧が外部へ開放される。
一方、スイッチ部124では、一方の噴射装置110への通電後、スイッチ回路のプログラムが他方の噴射装置110側に切り替わる。
この状態で、使用者が、もう1度スイッチ124aを押すと、他方の噴射装置110に通電し、電池123aの電流が脚線114j1,114j2を通り、非火薬火工式ガス発生器114の電橋線114tに通電し、電橋線114tが発熱し、点火薬114eが発火し、点火薬114eの発火によりガス発生剤114cが燃焼し、発生したガスにより、ガス発生器管体114bが破れ、ガス圧が開放され、開放されたガス圧がピストン113を押し、ピストン113が噴射物112を押し、押された噴射物112がカップ117を破り、封シール118を破り、ノズル116aから外部に噴射される。
一方、スイッチ部124は、他方の噴射装置110への通電後、スイッチ回路のプログラムが一方の噴射装置110側に切り替わる。
このように、本実施形態に係る携帯型液体噴射装置100は、不審者Xに対して、噴射物112の噴射を続けて2度行うことができるので、自己防衛することが可能となる。
従って、図37に示すように、使用者Yが、携帯可能な発射装置120に設けた照準器を構成する凸部121jと凹部121kと駆使して上下左右の狙いを定めることによって噴射物112の噴射がより正確になり、自己防衛することが可能となる。
そして、2つの噴射装置110を使用後には、使用後の2つの噴射装置110を携帯可能な発射装置120から抜き取り、新たな噴射装置110をそれぞれ携帯可能な発射装置120に装着する。
噴射装置110の携帯可能な発射装置120からの抜き取りは、図36に示すように、携帯可能な発射装置120の解除ボタン121gを押したままの状態で、噴射装置110のノズル部116をつまんで、携帯可能な発射装置120から引き抜くことで達成される。
図35に示すように、解除ボタン121gを押すことで、噴射装置110のワイヤーマウントプラグ114kの爪部114xが押され、ワイヤーマウントプラグ114kの凸部114yが、携帯可能な発射装置120のワイヤーマウントソケット122a,122bの穴部122c3から外れる。この状態のまま、噴射装置110を引き抜くことで、携帯可能な発射装置120から噴射装置110を抜き取ることができる。
また、噴射装置110の携帯可能な発射装置120への装着は、噴射装置110の容器111に張り付けられた△シール119と、携帯可能な発射装置120の挿入穴128の近くに設けた△部129の頂点位置を合わせた状態のまま、噴射装置110を携帯可能な発射装置120の挿入穴128へ挿入することによって行われる。
これによって、再び本実施形態に係る携帯型液体噴射装置100を使用可能な状態にすることができる。
また、電池123aの交換は、ネジ121aを取り外し、ケース121Bをケース121Aから取り除くことによって行われる。
次に、本案施形態に係る携帯型液体噴射装置100において、ピストン113(外径、長さ、溝サイズ)と容器圧力開放部(内径、内径長さ)のクリアランスの最適条件を検討した。
本実施形態では、第一実施形態におけるアダプタ17の機能を容器111に付加し、容器111に圧力開放部111eを備えた一部品にしているので、第一実施形態における圧力開放機構が機能するピストン13とアダプタ17との関係と同じ結果となる。
従って、本実施形態においても、第一実施形態と同様の結果を得ることができた。
なお、上記実施形態では、ピストン113の衝突時に、ガス圧をノズル部116から外部へ開放させる圧力開放機構を、ピストン113と容器111に設けた圧力開放部111eとで構成する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、容器111の圧力開放部111eの内壁とピストン受け面111dとに連なる複数の圧力開放溝を形成することによって構成しても良い。
上記実施形態では、容器111に圧力開放部111eを設けた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、図39に示すように、容器111を第一実施形態と同様に、アダプタ17を設ける構成としても良い。
また、上記実施形態では、噴射装置110と携帯可能な発射装置120との結合に、ワイヤーマウントプラグ114kとワイヤーマウントソケット122a,122bとの結合を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、図38に示すように、第一実施形態と同様に、噴射装置110にウエッジベース部14nとソケット22cとの結合としても良い。
また、上記実施形態では、凸部121zと凹部121kとで照準器を構成する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、図40に示すように、凹部側の凹部121kに代えて2つの凸部121mを設け、2つの凸部121mの中心に凸部121zが来ることで狙いを付けるようにしても良い。また、図41に示すように、凹部121kに代えてリング部121nを設け、リング部121nの円の中心に凸部121zが来ることで狙いを付けるようにしても良い。さらに、図42に示すように、レーザーポインター121oを取り付けて狙いを付けるようにしても良い。
また、上記実施形態では、安全カバー26又は126を取り外し自在にした場合について説明したが、本発明はこれに限らず、図43に示すように、ヒンジ(図示せず)によって開閉できるように、ヒンジ(図示せず)に繋がる連結部材126fを設け、ヒンジ(図示せず)によって開閉できるようにしても良い。
また、上記実施形態では、安全カバー26又は126を取り外し自在にした場合について説明したが、本発明はこれに限らず、安全カバー26又は126を横にスライドされるようにしても良い。
また、本発明は、例えば、図44〜図46に示すように、一般的に知られている自動ピストル型の携帯型液体噴射装置150、160、170とすることもできる。
図44〜図46において、銃身部分151、161、171は携帯型液体噴射装置150、160、170のカートリッジ状の噴射装置10、110が装填される部分である。自動ピストルではここはライフル(旋条)を有する金属筒であるが、本実施形態に係る携帯型液体噴射装置150、160、170では、カートリッジ状の噴射装置10、110が装填される。
単発式であれば、1本の銃身にカートリッジ状の噴射装置10、110が1本装填される。
2連発式であれば、水平あるいは上下に2本並べた銃身に、カートリッジ状の噴射装置10、110が各1本装填される。
銃身はカートリッジ状の噴射装置10、110を保持・保護するだけのライフルの無い金属円筒であり、その底部には制御回路と電気的に液体噴射用火工品と制御回路基板を接続するコネクターを有する。
グリップ部分152、162、172は手に握る部分である。自動ピストルでは、ここには銃弾が入った弾倉が装填されるが、本実施形態に係る携帯型液体噴射装置150、160、170では、電池及び制御回路基板を内蔵する。
引き金153、163、173は、発射するために指をかけて引く部分である。自動ピストルでは、機械式で発火する雷管を打撃して銃弾を発射するための複雑なリンク機構を有するが、本実施形態に係る携帯型液体噴射装置150、160、170では、例えば、、電気的に発射回路を形成する押しボタンスイッチを引き金153、163、173にリンクする形で取り付ける。押しボタンスイッチの頭部が、指にかかるサイズであれば、押しボタンスイッチを引き金153、163、173に相当する位置に配置するだけでも良い。
2連発式とする場合は、外観とカートリッジ状の噴射装置10、110の配置以外は、上記実施形態に用いた電子回路と同一である。
なお、図17に示すスイッチ制御回路200において、火工品(IGN1)14A及び火工品(IGN2)14Bの点火回路をダーリントン接続した2つのトランジスタ(2SC2712)216とトランジスタ(2SC2873)217及び2つのトランジスタ(2SC2712)220とトランジスタ(2SC2873)221とで構成した場合について説明したが、本発明は限らず、小型のリレー、サイリスタ、FET(MOS−FET)などが使用できる。
図47は、制御用IC213のポート(ピン番号5、GP2)に接続されるダーリントン接続の2つのトランジスタ(2SC2712)216とトランジスタ(2SC2873)217に代えてリレー1を設け、制御用IC213のポート(ピン番号3、GP4)に接続されるダーリントン接続の2つのトランジスタ(2SC2712)220とトランジスタ(2SC2873)221に代えてリレー2を設けるとともに、それぞれにダイオード1,2を設けることによって小型のリレーで点火回路を構成した例を示す。
図48は、制御用IC213のポート(ピン番号5、GP2)に接続されるダーリントン接続の2つのトランジスタ(2SC2712)216とトランジスタ(2SC2873)217に代えてFET1(2SK3462)を設け、制御用IC213のポート(ピン番号3、GP4)に接続されるダーリントン接続の2つのトランジスタ(2SC2712)220とトランジスタ(2SC2873)221に代えてFET1(2SK3462)を設けることによってFET(MOS−FET)によるスイッチング回路を構成した例を示す。
本発明において、トランジスタの選択は、コストや安全性や小型化において最良の策である。
本発明の実施形態では、携帯型液体噴射装置のスイッチング回路に本発明に係る多段点火装置を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、発破母線を介して一般的な火工品(電気雷管、打ち揚げ煙火用電気点火玉など)を接続し、これらの点火を制御する超小型の発破器として利用することが可能である。
また、電気点火式の弾丸を使用する、電気点火式銃の発射装置として利用することが可能である。
1,100,150,160,170 携帯型液体噴射装置
10,110 噴射装置
11,111 容器
12,112 噴射物
13,113 ピストン
14,114 非火薬火工式ガス発生器
14a,114a ガス発生部
14k キャップ
14o,114o ホルダ
14n ウエッジベース
14j1,14j2 脚線
14A 火工品(IGN1)
14B 火工品(IGN2)
16,116 ノズル部
16a,116a ノズル
17 アダプタ
17c ピストン受け面
17d 圧力開放溝
18 シール
20,120 携帯可能な発射装置
21A,21B,121A,121B ケース
22,122 取付部
22a,22b ソケット組み付け部
22c,22d ソケット
23,123 電源部
23a,123a 電池
24,124 スイッチ部
24a,124a スイッチ
24A 発射スイッチ(SW1a)
24B 発射スイッチ(SW2a)
25,125 電源回路基板
28,128 挿入穴
111e 圧力開放部
114k ワイヤーマウントプラグ
121g 解除ボタン
121y 窓
122a,122b ワイヤーマウントソケット
200 スイッチ制御回路
202、203 抵抗(2.2kΩ)
205 トランジスタ(2SA1162)
206 トランジスタ(2SC2712)
207 コンデンサー(1μF)
208 コンデンサー(0.1μF)
209 抵抗(10kΩ)
210 抵抗(2.2kΩ)
212 コンデンサー(0.1μF)
213 制御用IC
214 抵抗(10kΩ)
216 トランジスタ(2SC2712)
217 トランジスタ(2SC2873)
218 抵抗(10kΩ)
220 トランジスタ(2SC2712)
221 トランジスタ(2SC2873)
300 自己電源保持回路
301 発射判定回路(点火意思判定部)
302 1発目の発射回路
303 2発目の発射回路

Claims (6)

  1. 複数の火工品と、
    前記複数の火工品へ電力を供給する電源と、
    復帰形スイッチからなる起動スイッチ兼安全解除スイッチと、
    復帰形スイッチからなり、前記火工品を点火させる点火専用スイッチと、
    前記起動スイッチ兼安全解除スイッチ及び前記点火専用スイッチを前記火工品と繋ぎ、前記点火専用スイッチが押されると前記電源からの電力を前記火工品に供給する点火回路と、
    前記起動スイッチ兼安全解除スイッチが押されると前記電源を保持する自己電源保持回路と、
    前記起動スイッチ兼安全解除スイッチからの入力信号を受け付けると、前記自己電源保持回路によって前記電源を保持させ、前記電源の保持時に、前記点火専用スイッチからの入力信号を受け付ける毎に前記火工品毎に点火信号を生成させ、前記点火回路を介して前記火工品を点火させ、点火させた前記火工品の計数を行わせる制御回路と
    を備え
    前記自己電源保持回路は、前記起動スイッチ兼安全解除スイッチが第一の指定時間連続して押され、前記電源を自己保持して前記制御回路を起動させた後、前記起動スイッチ兼安全解除スイッチが第一の指定時間未満で離れると、前記電源の自己保持を解除して前記制御回路を起動させない判断部を備える
    ことを特徴とする多段点火装置。
  2. 請求項1記載の多段点火装置において、
    前記複数の火工品は、非火薬火工式ガス発生器を備えている
    を備えることを特徴とする多段点火装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の多段点火装置において、
    前記自己電源保持回路は、前記制御回路を起動後に、前記点火専用スイッチの押圧時間が第二の指定時間以上の場合には、点火の意思ありと判断し、前記点火専用スイッチの押圧時間が第二の指定時間未満の場合には、点火の意思無しと判断する点火意思判定部を備えている
    ことを特徴とする多段点火装置。
  4. 請求項3記載の多段点火装置において、
    前記点火意思判定部による判定後、前記点火専用スイッチの接点が第三の指定時間以上離れている場合には、点火完了と判断する点火完了判定部を備えている
    ことを特徴とする多段点火装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか記載の多段点火装置において、
    前記点火回路は、ダーリントン接続した2つのトランジスタを備えている
    ことを特徴とする多段点火装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか記載の多段点火装置において、
    前記起動スイッチ兼安全解除スイッチと前記点火専用スイッチとは、一体型となっており、押すと離れる接点と、押すと接続する接点と、共通接点との2つの接点を有し、1個のスイッチの中に2回路2接点のスイッチを構成している
    ことを特徴とする多段点火装置。
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